JP5338352B2 - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
さらに、本発明の第三の目的は、前記の優れた感光性樹脂組成物により、SiNxなどの無機層間絶縁膜を形成することなく、ウェットプロセスで容易に形成可能な有機層間絶縁膜を有するFPD又は半導体デバイスを提供することにある。
(A)下記式(1)で表されるフマル酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)、下記式(2)で表される芳香族ビニル単量体から誘導される構成単位(a2)、下記式(3)で表されるα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a3)及び下記式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a4)からなり、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量が40〜85質量%であり、構成単位(a3)と構成単位(a4)の質量比(a4)/(a3)が0.2〜7.0である共重合体。
(B)水酸基を有するフェノール性化合物とキノンジアジド化合物とをエステル化反応させて得られる、キノンジアジド基を有する感光剤。
(C)2個以上のエポキシ基を有する硬化剤。
第3の発明の半導体デバイスは、第1の発明の感光性樹脂組成物を硬化した層を有するものである。
第1の発明の感光性樹脂組成物によれば、フォトリソグラフィー技術を用いたパターン膜を形成する現像工程において、高い残膜率を維持したまま、現像残渣がなく、ポストベイクなどの高温ベーキング後においても平坦性、光透過率、耐溶剤性等の塗膜物性を損なうことなく、低誘電特性に優れた高解像度のパターン膜を形成することができる。そして、該感光性樹脂組成物を用いることにより、優れた特性を有するFPD及び半導体デバイスを提供することができる。
本実施形態の感光性樹脂組成物は、下記に示す成分(A)、(B)及び(C)からなり、各成分の構成割合が(A)100質量部に対して(B)5〜50質量部及び(C)1〜40質量部に設定されたものである。
成分(B):キノンジアジド基を有する感光剤。
成分(C):2個以上のエポキシ基を有する硬化剤。
<成分(A):共重合体>
成分(A)の共重合体は、下記式(1)で表されるフマル酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)、下記式(2)で表される芳香族ビニル単量体から誘導される構成単位(a2)、下記式(3)で表されるα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a3)及び下記式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a4)からなり、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量が40〜85質量%であり、構成単位(a3)と構成単位(a4)の質量比(a4)/(a3)が0.2〜7.0である。
前記式(1)〜(4)で表される構成単位はそれぞれ下記式(5)〜(8)で表される単量体(各構成単位用単量体)から誘導される。
〔フマル酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)〕
フマル酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)は、主鎖構造となる部分にメチレン基を有さず主鎖の炭素上に置換基が結合していることにより、フマル酸ジエステルで構成される重合体は剛直な主鎖構造を有する。そのため、主鎖の分子鎖熱運動性が抑制されることにより、特定の周波数帯域において熱エネルギーへの損失がないため、良好な低誘電特性を得ることができる。
〔芳香族ビニル単量体から誘導される構成単位(a2)〕
構成単位(a2)を誘導する芳香族ビニル単量体は、重合時に構成単位(a1)を誘導するフマル酸ジエステル単量体との共重合反応性を向上させることができる。フマル酸ジエステル単量体は、電子受容性の強い単量体であるため、(メタ)アクリル酸エステルやアクリロニトリルのような極性のある単量体との共重合反応性は低いが、電子供与性の単量体との共重合性は比較的高い。構成単位(a2)を誘導する芳香族ビニル単量体は、フマル酸ジエステル単量体、α,β−不飽和カルボン酸単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体の3者のいずれの単量体とも共重合性が良好であるため、重合反応時に共重合性の異なる単量体から誘導される各構成単位を円滑に重合体中に導入することができ、共重合組成に分布の偏りがなく、均一な性質を有する共重合体を得ることができる。
〔(a1)+(a2)の合計量〕
前記のフマル酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)と芳香族ビニル単量体から誘導される構成単位(a2)の共重合体中に含まれる合計量は、40〜85質量%、好ましくは45〜80質量%であり、さらに好ましくは50〜75質量%である。この合計量が40質量%を下回ると、α,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a3)及び(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a4)との共重合性に乏しくなり、かつ共重合体中に剛直なセグメントが少なくなることにより十分な低誘電特性が得られない。その一方、85質量%を上回ると、共重合体の疎水性が高くなることにより、感光性樹脂組成物の現像性が得られず、パターン上に現像残渣が生ずる。
〔α,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a3)〕
α,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a3)は、現像工程において現像液に対する溶解性に寄与する成分である。前記式(3)におけるR5は水素原子、メチル基又はカルボキシメチル基である。好ましくは水素原子又はメチル基であり、前記以外の構成単位を用いると他の構成単位との共重合性が得られないという問題がある。
〔(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a4)〕
(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a4)は、現像性の調整、特に現像時の残膜率や解像度に寄与する成分である。前記式(4)におけるR6は水素原子又はメチル基、R7は炭素数6〜12の芳香族炭化水素基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12の分岐アルキル基、炭素数2〜12のヒドロキシアルキル基又は主環構成炭素数5〜12の脂環式炭化水素基である。前記の主環構成炭素数5〜12の脂環式炭化水素基は、付加的な構造、例えば環内二重結合、炭化水素基の側鎖、スピロ環の側鎖、環内架橋炭化水素基等を含んでいてもよい。R6として好ましくはメチル基であり、R7として好ましくは炭素数1〜6のアルキル基若しくは分岐アルキル基、炭素数6〜10の芳香族炭化水素基、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基又はシクロヘキシル基、ジシクロペンタニル基である。R7の炭素数が12を超えると、重合性が低下してしまい不都合な場合がある。構成単位(a4)を誘導するこれらの(メタ)アクリル酸エステル単量体は、現像性を調整する目的で1種のみ又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔質量比(a4)/(a3)〕
α,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a3)と(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a4)の質量比(a4)/(a3)は、0.2〜7.0であり、好ましくは0.3〜6.0であり、より好ましくは0.6〜4.0である。質量比(a4)/(a3)の値が0.2より低くなると、共重合体中にα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位が多くなり、現像時の残膜率が低下する。一方、質量比(a4)/(a3)の値が7.0より高くなると、(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位が多くなり、十分な現像性が得られず、現像残渣の発生や、解像度の低下を招く。
成分(B)のキノンジアジド基を有する感光剤は、フォトリソグラフィーによる露光工程においてフォトマスクを介して露光する際、露光部ではキノンジアジド基を有する感光剤の光異性化反応が起こることにより、カルボキシル基を生成し、その後の現像工程において現像液に対して溶解させることができる。他方、未露光部は、現像液に対して溶解禁止能を有しているため、膜を形成することができる。つまり、キノンジアジド基を有する感光剤は、フォトマスクを介して露光することにより、その後の現像工程にて現像液に対する溶解性を分別することができるため、パターン膜を得ることができる。
前記式(9)で示されるフェノール性化合物としては、例えば次のような化合物が挙げられる。
<成分(C):2個以上のエポキシ基を有する硬化剤>
本発明の感光性樹脂組成物に用いられる硬化剤は、エポキシ基を2個以上有する。該硬化剤は、共重合体の側鎖のカルボキシル基と高温ベーキング時に熱硬化反応を起こし、架橋膜を形成することができる。この硬化剤の具体例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、クレゾール又はフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、シロキサン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂、DPP(ジ−n−ペンチルフタレート)型エポキシ樹脂、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂等の芳香族ポリグリシジルエーテル、また上記のエポキシ樹脂の芳香核水添物も使用できる。硬化剤は、これら高分子系エポキシ樹脂に限られるものではなく、低分子系のエポキシ化合物であってもよい。好ましくはクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられる。特に好ましくはエポキシ基を2個以上有するビスフェノール型エポキシ樹脂を用いることにより、良好な硬化性、高い光線透過率及び耐溶剤性を達成することができる。これらのエポキシ樹脂は1種のみ又は2種以上を組合せて用いることができる。
<その他の添加成分>
感光性樹脂組成物には、溶剤、硬化促進剤、コントラスト向上剤、相溶化剤、密着性向上助剤、界面活性剤等の添加成分を添加して使用することができる。
(溶剤)
溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
(硬化促進剤)
硬化促進剤は、前記成分(C)の硬化剤と成分(A)共重合体の側鎖のカルボキシル基との架橋反応を促進させることができる。硬化促進剤としては、例えばSI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−110L〔以上、三新化学工業(株)製〕等の芳香族スルホニウム塩;U−CAT SA102、U−CAT SA106、U−CAT SA506、U−CAT SA603、U−CAT 5002〔以上、サンアプロ(株)製〕等のジアザビシクロウンデセン塩;U−CAT 5003、U−CAT 18X、CPI−210s〔以上、サンアプロ(株)製〕が挙げられる。さらに、イミダゾール系の硬化促進剤としては、キュアゾール 1B2PZ〔四国化成工業(株)製〕が挙げられる。
(コントラスト向上剤)
感光性樹脂組成物には、コントラストの向上を目的として、前記式(9)又は(10)で示される水酸基を有するフェノール性化合物を配合することができる。水酸基を有するフェノール性化合物は低分子であるため、感光性樹脂組成物において通常溶解促進剤として溶解速度を調節するために、又は感光性樹脂組成物の感度の向上或いは感度の調節のために好適である。これらの溶解速度或いは感度の調節は、フェノール性化合物の添加量を調節することにより行われ、溶解速度及び感度を向上させる場合には添加量を多くすればよく、また逆の場合には添加量を少なくすればよい。これらのフェノール性化合物を用いることにより、用いない場合に比べ、感光剤とアゾカップリング反応を起こす溶解抑止される樹脂成分に低分子化合物が含まれることとなり、これによって露光部と未露光部の溶解速度の差を大きくする(コントラストを大きくする)ことができ、解像度を向上させることができる。
(相溶化剤)
感光性樹脂組成物には、成分(A)共重合体、成分(B)キノンジアジド基を有する感光剤及び成分(C)2個以上のエポキシ基を有する硬化剤の相溶性を向上させる目的で、下記式(17)に示す、2個以上のカルボキシル基の一部が高級アルコールでエステル化されたポリカルボン酸エステル化合物をさらに配合することができる。
(密着性向上助剤及び界面活性剤)
感光性樹脂組成物には、必要に応じ密着性向上助剤及び界面活性剤等をさらに配合することができる。密着性向上助剤の例としては、アルキルイミダゾリン、酪酸、アルキル酸、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシシラン、エポキシポリマー、シランカップリング剤等が挙げられる。界面活性剤の例としては、非イオン系界面活性剤、例えばポリグリコール類とその誘導体、すなわちポリプロピレングリコール又はポリオキシエチレンラウリルエーテル、フッ素含有界面活性剤、例えばフロラード〔商品名、住友3M(株)製〕、メガファック〔商品名、大日本インキ化学工業(株)製〕、スルフロン〔商品名、旭ガラス(株)製〕又は有機シロキサン界面活性剤、例えばKP341〔商品名、信越化学工業(株)製〕が挙げられる。
<感光性樹脂組成物の調製法>
感光性樹脂組成物又はその希釈物を調製するに際しては、前記成分(A)、(B)及び(C)をはじめとする各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解して樹脂組成物を調製してもよいし、必要に応じて各成分を適宜2つ以上の溶液としておいて、使用時(塗布時)にこれらの溶液を混合して感光性樹脂組成物として調製してもよい。
<フラットパネルディスプレイ及び半導体デバイス>
フラットパネルディスプレイ及び半導体デバイスは、前述した感光性樹脂組成物を硬化した層、すなわち平坦化膜又は層間絶縁膜を有する。平坦化膜及び層間絶縁膜の形成に際しては、通常感光性樹脂組成物の溶液を基板上に塗布し、プリベイクを行って感光性樹脂組成物の塗膜(フォトレジスト膜)を形成する。このとき、感光性樹脂組成物が塗布される基板は、ガラス、シリコンなど従来FPD用又は半導体デバイス形成用の基板など公知のいずれの基板であってもよい。基板はベアな基板でも、酸化膜、窒化膜、金属膜などが形成されていても、さらには回路パターン或いは半導体デバイスなどが形成されている基板であってもよい。また、プリベイクの温度は通常40〜140℃で、時間は0〜15分程度である。次いで、フォトレジスト膜に所定のマスクを介してパターン露光を行った後、アルカリ現像液を用いて現像処理し、必要に応じリンス処理を行って、感光性樹脂組成物の膜を形成する。このようにして形成された膜は、全面露光された後、ポストベイクされてパターン膜が形成される。全面露光の際の露光量は、通常600mJ/cm2以上であればよい。また、ポストベイク温度は通常150〜250℃、好ましくは180〜230℃、ポストベイク時間は、通常30〜90分である。
<酸価>
酸価(mgKOH/g)は、JIS K0070:1992「化学製品の酸価、けん化価、エステル価、よう素価、水酸基価及び不けん化物の試験方法」に準じて、テトラヒドロフラン(THF)溶液に、一定量の樹脂を溶解させ、フェノールフタレインを指示薬として水酸化カリウム/エタノール溶液にて滴定し、測定を行った。
<重量平均分子量>
重量平均分子量(Mw)は、東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用い、カラムとして昭和電工(株)製SHODEX K801を用い、THFを溶離液とし、RI検出器により測定して分子量既知のポリスチレン標準体により得られる検量線を用いた換算により求めた。
〔合成例1、共重合体A−1の合成〕
温度計、攪拌機及び冷却管を備えた1000mLの4つ口フラスコに乳酸エチル(EL)540.0gを仕込み、窒素置換した後、オイルバスで液温が90℃になるまで昇温した。
〔合成例2〜9〕
表1に記載した仕込み種及び量、滴下及び重合温度を変更した以外は合成例1と同様の手法にて共重合体A−2〜A−9の合成を行った。
DcHF:フマル酸ジシクロヘキシル
DiPF:フマル酸ジイソプロピル
DsBF:フマル酸ジsecブチル
DtBF:フマル酸ジtertブチル
DsAF:フマル酸ジsecアミル
St:スチレン
αMeSt:α−メチルスチレン
MAA:メタクリル酸
AA:アクリル酸
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
HPMA:メタクリル酸ヒドロキシプロピル
MMA:メタクリル酸メチル
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
Hex−O:t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、日油(株)製の過酸化物系重合開始剤「パーヘキシルO」
Bu−O:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、日油(株)製の過酸化物系重合開始剤「パーブチルO」
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔アゾ系重合開始剤、和光純薬工業(株)製〕
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EL:乳酸エチル
<実施例1>
合成例1で得られた共重合体A−1を100g、前記式(15)で表される化合物と1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライドとのエステル化物6.25g、さらに式(15)で表されるフェノール性化合物1.25g、テクモアVG3101L〔(株)プリンテック製〕5g、U−CAT SA102〔サンアプロ(株)製〕0.1gを、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート75.2g及び乳酸エチル0.2gに溶解し、回転塗布の際にレジスト膜上にできる放射線状のしわ、いわゆるストリエーションを防止するため、さらにフッ素系界面活性剤、メガファックR−08〔大日本インキ化学工業(株)製〕を0.01g添加して攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物の希釈物を調製した。
(薄膜パターンの形成)
この感光性樹脂組成物の希釈物を4インチシリコンウエハー上に回転塗布し、100℃、90秒間ホットプレートにてベーク後、4.2μm厚の薄膜を得た。この薄膜にキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にてラインとスペース幅が1:1となった種々の線幅及びコンタクトホールのテストパターンを最適露光量で露光し、0.4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で23℃、60秒間現像することで、ラインとスペース幅が1:1のライン&スペースパターン及びコンタクトホールパターンを形成した。この薄膜をPLA−501Fにて全面露光した後、オーブン中で220℃、60分間加熱することによりポストベイク処理を行い、3.0μm厚のパターン付き薄膜(パターン膜)を得た。
(現像性の評価)
上記で作製したパターンの中で、10μmのホールパターンをSEMにて観察した。ホール部全面に残渣が見られる場合には×、ホールと基板の界面付近のみに残渣が見られる場合には△、ホール部全面に残渣が見られない場合には○として現像性を評価した。その結果を表2に示した。
(誘電率の評価)
PLA−501Fにてテストパターンを露光しない以外は上記と同様の操作を行うことにより、パターンのない、3.0μm厚の薄膜を4インチシリコンウエハー上に得た。この薄膜上に電極を形成し、室温、10kHzにおける条件で、安藤電気(株)製LCRメータ(AG−4311)を用いて得られた静電容量から誘電率を算出した。その結果を表2に示した。
(透過率の評価)
縦70mm、横70mmサイズの石英ガラス基板を用い、テストパターンを露光しない以外は上記と同様の操作を行うことにより、パターンのない薄膜をガラス基板上に得た。そして、紫外−可視光分光光度計CARY4E(バリアン社製)を用いて、この薄膜を有するガラス基板の光の波長400nmの透過率を測定した。その結果を表2に示した。
(耐溶剤性の評価)
透過率の評価と同様の操作を行うことで得たガラス基板を、Remover100〔AZエレクトロニックマテリアルズ(株)製〕中に80℃、1分間浸漬した後、純水リンスを行い、200℃、15分間の再ベーク処理を行った。そして、溶剤浸漬前の透過率と再ベーク処理後の透過率差が3%未満のものについては○、透過率差が3%以上のものについては×として評価した。その結果を表2に示した。
<実施例2>
合成例2で得られた共重合体A−2を用いること以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、感光性樹脂組成物の希釈物を調製した。この感光性樹脂組成物について、実施例1と同様の物性を評価し、それらの結果を表2に示した。
<実施例3〜18>
表2及び表3に示した成分(A)の共重合体、成分(B)の感光剤、成分(C)の硬化剤等を用いること以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、感光性樹脂組成物の希釈物を調製した。この感光性樹脂組成物について、実施例1と同様の物性を評価し、それらの結果を表2及び表3に示した。
<比較例1及び2>
表3に示した成分(A)の共重合体、成分(B)の感光剤、成分(C)の硬化剤等を用いること以外は実施例1と同様の操作を行うことにより、感光性樹脂組成物の希釈物を調製した。この感光性樹脂組成物について、実施例1と同様の物性を評価し、それらの結果を表3に示した。
Claims (3)
- 下記に示す成分(A)、(B)及び(C)からなり、各成分の構成割合が(A)100質量部に対して(B)5〜50質量部及び(C)1〜40質量部であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
(A)下記式(1)で表されるフマル酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)、下記式(2)で表される芳香族ビニル単量体から誘導される構成単位(a2)、下記式(3)で表されるα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a3)及び下記式(4)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a4)からなり、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量が40〜85質量%であり、構成単位(a3)と構成単位(a4)の質量比(a4)/(a3)が0.2〜7.0である共重合体。
(B)水酸基を有するフェノール性化合物とキノンジアジド化合物とをエステル化反応させて得られる、キノンジアジド基を有する感光剤。
(C)2個以上のエポキシ基を有する硬化剤。 - 請求項1に記載の感光性樹脂組成物を硬化した層を有するフラットパネルディスプレイ。
- 請求項1に記載の感光性樹脂組成物を硬化した層を有する半導体デバイス。
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