JP2015179121A - 感光性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】パターン膜の形成工程において、高感度でありながら、高い残膜率を維持したまま、現像残渣がなく、高温ベーキング後において、耐溶剤性等の塗膜物性を損なうことなく、パターン膜を形成することができる感光性樹脂組成物を提供すること。【解決手段】成分(A)として特定のイタコン酸ジエステル系共重合体、成分(B)として特定のエステル化物、および成分(C)として2個以上のエポキシ基を有する化合物を含有する感光性樹脂組成物。【選択図】なし
Description
本発明は、感光性を有するポジ型の感光性樹脂組成物およびその用途に関する。詳細には、フォトリソグラフィー技術を用いることによりパターン膜を形成することが可能な感光性樹脂組成物、さらにこれを用いて形成される層間絶縁膜または平坦化膜を備えたフラットパネルディスプレイ(FPD)または半導体デバイスに関する。
LSIなどの半導体集積回路や、FPDの表示面の製造、サーマルヘッドなどの回路基板の製造等を初めとする幅広い分野において、微細素子の形成或いは微細加工を行うために、従来からフォトリソグラフィー技術が利用されている。該フォトリソグラフィー技術においては、レジストパターンを形成するため、感光性樹脂組成物が用いられている。近年、これら感光性樹脂組成物の新たな用途として、半導体集積回路やFPDなどの層間絶縁膜や平坦化膜の形成技術が注目されている。特に、FPD表示面の高精細化やTFTなどに代表される半導体素子の製造プロセスの短縮化に対する市場の要望は強いものがある。
TFTなどに代表される半導体素子の製造プロセスでは、層間絶縁膜や平坦化膜を形成する工程において、生産性向上を目的に、層間絶縁膜や平坦化膜を形成する時間を短縮化することが求められている。そのため層間絶縁膜や平坦化膜を形成するための感光性樹脂組成物に対しては、露光量を下げてタクトタイムを短くできるような高感度の材料が強く望まれている。
前記の特性を有する層間絶縁膜や平坦化膜を得るためには、感光性樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂や感光剤の役割は多大であり、このような用途に用いられる感光性樹脂組成物に関して多くの研究がなされている。
TFTなどに代表される半導体素子の製造プロセスでは、層間絶縁膜や平坦化膜を形成する工程において、生産性向上を目的に、層間絶縁膜や平坦化膜を形成する時間を短縮化することが求められている。そのため層間絶縁膜や平坦化膜を形成するための感光性樹脂組成物に対しては、露光量を下げてタクトタイムを短くできるような高感度の材料が強く望まれている。
前記の特性を有する層間絶縁膜や平坦化膜を得るためには、感光性樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂や感光剤の役割は多大であり、このような用途に用いられる感光性樹脂組成物に関して多くの研究がなされている。
例えば、特許文献1では、層間絶縁膜または平坦化膜用の感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性樹脂として不飽和カルボン酸とエポキシ基を有するラジカル重合性化合物とを用いることにより、高感度かつ高解像度のパターン膜が形成される技術が開示されている。しかしながら、前記アルカリ可溶性樹脂は不飽和カルボン酸とエポキシ基を構成単位に有しているため、絶縁膜を形成する際のプリベーク工程において架橋反応が一部進行し、その後の現像工程においてアルカリ現像液に対する溶解性が乏しくなり、十分な感度が得ることができないという問題がある。
また、特許文献2には、層間絶縁膜または平坦化膜用の感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性樹脂としてスチレン類、(メタ)アクリル酸及びヒドロキシアルキルエステルを構成単位として有する共重合体を用いることにより、良好な絶縁性が得られることが開示されている。しかしながら、スチレン類を樹脂中に多量に導入した場合、樹脂の疎水性が高くなるため、現像時の残膜率を高く維持することはできるものの、感度が低く、現像残渣が多くなり、十分な現像性を得ることができないという問題がある。
さらに、特許文献3には、層間絶縁膜または平坦化膜用の感光性樹脂組成物において特定の感光剤を用いることにより、高解像性が得られることが開示されている。しかしながら、実施例に記載の感光剤を用いた場合、良好な現像性を示すものの、十分な感度を得ることができないという問題があることが指摘されている。
このような問題点を解決するために、FPDや半導体デバイスなどの層間絶縁膜または平坦化膜に用いられる感光性樹脂組成物において、高感度で高い残膜率を維持したまま、現像残渣がなく、現像性に優れる高解像度のパターン膜を形成することが求められている。
本発明は上記実状を鑑みてなされたものであり、その目的は、特定のイタコン酸ジエステル系共重合体およびキノンジアジド基を有する感光剤を用いることにより、パターン膜の形成工程において、高感度でありながら、高い残膜率を維持したまま、現像残渣がなく、高温ベーキング後において、耐溶剤性等の塗膜物性を損なうことなく、パターン膜を形成することができる感光性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、前記の優れた感光性樹脂組成物により形成された平坦化膜または層間絶縁膜を有するFPDまたは半導体デバイスを提供することにある。
本発明者らは、このような背景のもとに鋭意研究を重ねた結果、成分(A)として特定のイタコン酸ジエステル系共重合体、成分(B)として特定のエステル化物、および成分(C)として2個以上のエポキシ基を有する化合物を含有する感光性樹脂組成物を、各成分の構成割合が成分(A)100質量部に対して成分(B)5〜50質量部、成分(C)10〜70質量部として用いることにより上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、成分(A)、成分(B)および成分(C)を含有し、各成分の構成割合が成分(A)100質量部に対して成分(B)5〜50質量部、成分(C)10〜70質量部の感光性樹脂組成物であって、
成分(A)は下記式(1)で表されるイタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)、下記式(2)で表されるα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a2)および下記式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a3)からなるイタコン酸ジエステル系共重合体であり、
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖アルキル基、炭素数3〜8の分岐アルキル基または炭素数6〜10のシクロアルキル基)
(式中のR3は水素原子またはメチル基)
(式中のR4は水素原子またはメチル基、R5は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基または主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基)
成分(B)は下記式(4)で表される3官能フェノール性化合物と下記式(4)′で表されるキノンジアジド化合物とをエステル化反応させて得られる、キノンジアジド基を有するエステル化物であり、
(R6、R7は水素またはSO2Xを表し、Xはハロゲンを表す。ただし、R6とR7のどちらか一つは必ず水素を表し、R6とR7のどちらか一つは必ずSO2Xを表す)
成分(C)は2個以上のエポキシ基を有する化合物である。
成分(A)は下記式(1)で表されるイタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)、下記式(2)で表されるα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a2)および下記式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a3)からなるイタコン酸ジエステル系共重合体であり、
成分(B)は下記式(4)で表される3官能フェノール性化合物と下記式(4)′で表されるキノンジアジド化合物とをエステル化反応させて得られる、キノンジアジド基を有するエステル化物であり、
成分(C)は2個以上のエポキシ基を有する化合物である。
さらに、本発明は、前記成分(A)の共重合体100質量%中における各構成単位の割合がそれぞれ、構成単位(a1)2〜50質量%、(a2)6〜30質量%および(a3)35〜90質量%であるイタコン酸ジエステル系共重合体であることを特徴とする感光性樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、前記式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a3)として、R5が炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基または主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基から選ばれる少なくとも1つの構成単位(a3X)、およびR5が炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基から選ばれる少なくとも1つの構成単位(a3Y)を含有するイタコン酸ジエステル系共重合体であることを特徴とする感光性樹脂組成物に関する。
さらに、本発明は、かかる感光性樹脂組成物から得られるパターン膜を有するフラットパネルディスプレイ、および半導体デバイスに関する。
本発明の感光性樹脂組成物は、フォトリソグラフィー技術を用いたパターン膜を形成する現像工程において、高感度でありながら、高い残膜率を維持したまま、現像残渣がなく、ポストベークなどの高温ベーキング後においても耐溶剤性等の塗膜物性を損なうことなく、パターン膜を形成することができる。そして、本発明の感光性樹脂組成物から得られるパターン膜を用いることにより、優れた特性を有するフラットパネルディスプレイおよび半導体デバイスを提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は、下記に示す成分(A)、成分(B)および成分(C)を含有し、各成分の構成割合が成分(A)100質量部に対して成分(B)5〜50質量部、成分(C)10〜70質量部に設定されたものである。
成分(A):特定のイタコン酸ジエステル系共重合体
成分(B):特定のエステル化物
成分(C):2個以上のエポキシ基を有する化合物
本発明の感光性樹脂組成物は、下記に示す成分(A)、成分(B)および成分(C)を含有し、各成分の構成割合が成分(A)100質量部に対して成分(B)5〜50質量部、成分(C)10〜70質量部に設定されたものである。
成分(A):特定のイタコン酸ジエステル系共重合体
成分(B):特定のエステル化物
成分(C):2個以上のエポキシ基を有する化合物
以下に各成分について順に説明する。
<成分(A):特定のイタコン酸ジエステル系共重合体>
成分(A)の特定のイタコン酸ジエステル系共重合体とは、下記式(1)で表されるイタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)、下記式(2)で表されるα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a2)および下記式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a3)からなるイタコン酸ジエステル系共重合体である。成分(A)の共重合体100質量%中における各構成単位の割合はそれぞれ、構成単位(a1)2〜50質量%、(a2)6〜30質量%および(a3)35〜90質量%である。
成分(A)の特定のイタコン酸ジエステル系共重合体とは、下記式(1)で表されるイタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)、下記式(2)で表されるα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a2)および下記式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a3)からなるイタコン酸ジエステル系共重合体である。成分(A)の共重合体100質量%中における各構成単位の割合はそれぞれ、構成単位(a1)2〜50質量%、(a2)6〜30質量%および(a3)35〜90質量%である。
前記式(1)〜(3)で表される構成単位はそれぞれ下記式(1)´〜(3)´で表される単量体(各構成単位用単量体)から誘導される。
〔イタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)〕
イタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)は、ジエステル基を有することからアルカリ現像液への親和力が高く、良好な感度や現像性を得ることができる。またイタコン酸ジエステル単量体は、フマル酸ジエステルやマレイン酸ジエステルなどの1,2−二置換エチレン単量体に比べ、(a2)を誘導するα,β−不飽和カルボン酸単量体と(a3)を誘導する(メタ)アクリル酸エステル単量体と容易に共重合が可能であり、それによりジエステル構造を共重合体中に導入することができる。
前記式(1)におけるR1およびR2は、それぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖アルキル基、炭素数3〜8の分岐アルキル基または炭素数6〜10のシクロアルキル基である。
直鎖アルキル基および分岐アルキル基の炭素数が8を超える、またシクロアルキル基の炭素数が10を超えると、十分な現像性が得られず、現像残渣が発生する。前記式(1)におけるR1およびR2は、同一の置換基であっても、異なる置換基であっても良いが、入手容易性の観点から同一の構造であることが好ましい。
構成単位(a1)は、成分(A)の共重合体100質量%中において2〜50質量%含まれ、感度と現像性の観点から好ましくは2〜40質量%含まれる。構成単位(a1)の含有量が2質量%を下回ると良好な感度および現像性が得られない場合があり、50質量%を超えると現像残膜率が低下する場合がある。
イタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)は、ジエステル基を有することからアルカリ現像液への親和力が高く、良好な感度や現像性を得ることができる。またイタコン酸ジエステル単量体は、フマル酸ジエステルやマレイン酸ジエステルなどの1,2−二置換エチレン単量体に比べ、(a2)を誘導するα,β−不飽和カルボン酸単量体と(a3)を誘導する(メタ)アクリル酸エステル単量体と容易に共重合が可能であり、それによりジエステル構造を共重合体中に導入することができる。
前記式(1)におけるR1およびR2は、それぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖アルキル基、炭素数3〜8の分岐アルキル基または炭素数6〜10のシクロアルキル基である。
直鎖アルキル基および分岐アルキル基の炭素数が8を超える、またシクロアルキル基の炭素数が10を超えると、十分な現像性が得られず、現像残渣が発生する。前記式(1)におけるR1およびR2は、同一の置換基であっても、異なる置換基であっても良いが、入手容易性の観点から同一の構造であることが好ましい。
構成単位(a1)は、成分(A)の共重合体100質量%中において2〜50質量%含まれ、感度と現像性の観点から好ましくは2〜40質量%含まれる。構成単位(a1)の含有量が2質量%を下回ると良好な感度および現像性が得られない場合があり、50質量%を超えると現像残膜率が低下する場合がある。
〔α,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a2)〕
α,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a2)は、現像工程において現像性に寄与する成分である。前記式(2)におけるR3は水素原子、またはメチル基である。共重合性の観点からR3として好ましくはメチル基である。
構成単位(a2)は、成分(A)の共重合体100質量%中において6〜30質量%含まれ、感度、現像性および現像残膜率の観点から好ましくは10〜25質量%含まれる。
構成単位(a2)の含有量が6質量%を下回ると、現像液への溶解性が得られず現像残渣が発生する場合がある。一方、構成単位(a2)の含有量が30質量%を上回ると、現像液への溶解性が高くなり過ぎるため残膜率の低下やパターン不良を生じる。
α,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a2)は、現像工程において現像性に寄与する成分である。前記式(2)におけるR3は水素原子、またはメチル基である。共重合性の観点からR3として好ましくはメチル基である。
構成単位(a2)は、成分(A)の共重合体100質量%中において6〜30質量%含まれ、感度、現像性および現像残膜率の観点から好ましくは10〜25質量%含まれる。
構成単位(a2)の含有量が6質量%を下回ると、現像液への溶解性が得られず現像残渣が発生する場合がある。一方、構成単位(a2)の含有量が30質量%を上回ると、現像液への溶解性が高くなり過ぎるため残膜率の低下やパターン不良を生じる。
〔(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a3)〕
(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a3)は、感度および現像性の調整、現像時の残膜率の調整を目的として加えることができる。前記式(3)におけるR4は水素原子またはメチル基、R5は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12の分岐アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基または主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基である。
共重合性の観点からR4として好ましくはメチル基である。R5の炭素数が12を超えると、共重合性が低下し問題となる。構成単位(a3)を誘導するこれらの(メタ)アクリル酸エステル単量体は、現像性を調整する目的で1種のみまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、前記式(3)で表される構成単位(a3)として、R4は水素原子またはメチル基、R5は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12の分岐アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基および主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基から選らばれる少なくとも1つの構成単位(a3X)と、R4は水素原子またはメチル基、R5は炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基から選ばれる少なくとも1つの構成単位(a3Y)とを選択し、併用して使用することができる。
構成単位(a3)としての(a3X)は疎水性の高い構成単位であり、一方、(a3Y)は親水性の高い構成単位である。構成単位(a3X)および構成単位(a3Y)を併用して用いることにより、アルカリ現像液に対する溶解性を調整ができるため、現像性や現像残膜率の観点から有用である。
構成単位(a3X)として、好ましくは、R4はメチル基であり、R5は1〜4のアルキル基、主環構成炭素数6〜10の脂環式炭化水素基である。また、構成単位(a3Y)として、好ましくは、R4はメチル基であり、R5は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
構成単位(a3)は、成分(A)の共重合体100質量%中において35〜90質量%含まれ、感度と現像性の観点から好ましくは40〜85質量%含まれる。構成単位(a3)の含有量が35質量%を下回ると現像残膜率が低下する場合があり、90質量%を超えると十分な現像性が得られない場合がある。
成分(A)は上記に示した構成単位(a1)、構成単位(a2)および構成単位(a3)からなる共重合体であることにより、感度、現像性、残膜率および耐溶剤性に優れた感光性樹脂組成物を提供することができる。
(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a3)は、感度および現像性の調整、現像時の残膜率の調整を目的として加えることができる。前記式(3)におけるR4は水素原子またはメチル基、R5は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12の分岐アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基または主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基である。
共重合性の観点からR4として好ましくはメチル基である。R5の炭素数が12を超えると、共重合性が低下し問題となる。構成単位(a3)を誘導するこれらの(メタ)アクリル酸エステル単量体は、現像性を調整する目的で1種のみまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、前記式(3)で表される構成単位(a3)として、R4は水素原子またはメチル基、R5は炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12の分岐アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基および主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基から選らばれる少なくとも1つの構成単位(a3X)と、R4は水素原子またはメチル基、R5は炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基から選ばれる少なくとも1つの構成単位(a3Y)とを選択し、併用して使用することができる。
構成単位(a3)としての(a3X)は疎水性の高い構成単位であり、一方、(a3Y)は親水性の高い構成単位である。構成単位(a3X)および構成単位(a3Y)を併用して用いることにより、アルカリ現像液に対する溶解性を調整ができるため、現像性や現像残膜率の観点から有用である。
構成単位(a3X)として、好ましくは、R4はメチル基であり、R5は1〜4のアルキル基、主環構成炭素数6〜10の脂環式炭化水素基である。また、構成単位(a3Y)として、好ましくは、R4はメチル基であり、R5は炭素数1〜3のヒドロキシアルキル基である。
構成単位(a3)は、成分(A)の共重合体100質量%中において35〜90質量%含まれ、感度と現像性の観点から好ましくは40〜85質量%含まれる。構成単位(a3)の含有量が35質量%を下回ると現像残膜率が低下する場合があり、90質量%を超えると十分な現像性が得られない場合がある。
成分(A)は上記に示した構成単位(a1)、構成単位(a2)および構成単位(a3)からなる共重合体であることにより、感度、現像性、残膜率および耐溶剤性に優れた感光性樹脂組成物を提供することができる。
〔共重合体(A)の合成法〕
共重合体(A)を合成するに際しては、公知のラジカル重合法を適用することができる。その際、共重合成分である構成単位(a1)、構成単位(a2)および構成単位(a3)をそれぞれ誘導する単量体を重合釜に一括で仕込むことも、分割で反応系中に滴下しても良い。
成分(A)の共重合体を得るために用いられる重合用溶剤としては、一般的に知られている溶剤を用いることができる。
成分(A)の共重合体を得るために用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものを使用することができる。その具体例としては、アゾ系重合開始剤、シアノ基を有さないアゾ系重合開始剤または有機過酸化物及び過酸化水素等を用いることができる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を使用する場合には、これと還元剤とを組み合わせてレドックス型重合開始剤として使用してもよい。
成分(A)の共重合体の重量平均分子量は5,000〜60,000、好ましくは5,000〜30,000である。重量平均分子量が5,000未満の場合にはポストベーク時にパターンフローが起こり、パターン膜の十分な解像度が得られないおそれや溶剤耐性の悪化を招く。重量平均分子量が60,000を超える場合には現像液に対する溶解性に乏しく、十分な現像性が得られず現像残渣が発生する。
共重合体(A)を合成するに際しては、公知のラジカル重合法を適用することができる。その際、共重合成分である構成単位(a1)、構成単位(a2)および構成単位(a3)をそれぞれ誘導する単量体を重合釜に一括で仕込むことも、分割で反応系中に滴下しても良い。
成分(A)の共重合体を得るために用いられる重合用溶剤としては、一般的に知られている溶剤を用いることができる。
成分(A)の共重合体を得るために用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものを使用することができる。その具体例としては、アゾ系重合開始剤、シアノ基を有さないアゾ系重合開始剤または有機過酸化物及び過酸化水素等を用いることができる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を使用する場合には、これと還元剤とを組み合わせてレドックス型重合開始剤として使用してもよい。
成分(A)の共重合体の重量平均分子量は5,000〜60,000、好ましくは5,000〜30,000である。重量平均分子量が5,000未満の場合にはポストベーク時にパターンフローが起こり、パターン膜の十分な解像度が得られないおそれや溶剤耐性の悪化を招く。重量平均分子量が60,000を超える場合には現像液に対する溶解性に乏しく、十分な現像性が得られず現像残渣が発生する。
<成分(B):特定のエステル化物>
成分(B)のエステル化物は、下記式(4)で表される3官能フェノール性化合物と下記式(4)′で表されるキノンジアジド化合物をエステル化反応させて得ることができる。
成分(B)のエステル化物は、下記式(4)で表される3官能フェノール性化合物と下記式(4)′で表されるキノンジアジド化合物をエステル化反応させて得ることができる。
キノンジアジド化合物としては、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロライド等に代表されるナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドが用いられる。
成分(B)のエステル化合物はフォトリソグラフィーによる露光工程においてフォトマスクを介して露光する際、露光部ではキノンジアジド基を有するエステル化物の光異性化反応が起こることにより、カルボキシル基を生成し、その後の現像工程において現像液に対して溶解させることができる。一方、未露光部は、現像液に対して溶解抑止能を有しているため、膜を形成することができる。つまり、成分(B)は、フォトマスクを介して露光することにより、その後の現像工程にて現像液に対する溶解性の差を発現することができるため、パターン膜を得ることができる。
成分(B)のエステル化合物はフォトリソグラフィーによる露光工程においてフォトマスクを介して露光する際、露光部ではキノンジアジド基を有するエステル化物の光異性化反応が起こることにより、カルボキシル基を生成し、その後の現像工程において現像液に対して溶解させることができる。一方、未露光部は、現像液に対して溶解抑止能を有しているため、膜を形成することができる。つまり、成分(B)は、フォトマスクを介して露光することにより、その後の現像工程にて現像液に対する溶解性の差を発現することができるため、パターン膜を得ることができる。
成分(B)のエステル化物のエステル化率は20〜95%、感度の面から好ましくは50〜95%である。ただし、エステル化率は下記式(I)で表される。
エステル化率(%)=(Z/3)×100 ・・・式(I)
(Zは、3×(3モル体の面積比)+2×(2モル体の面積比)+1×(1モル体の面積比)を表し、面積比は高速液体クロマトグラフィーのチャートから算出した値)
エステル化率が20モル%を下回ると感度の低下や現像性の低下を招き、現像残渣が発生するおそれがあり、95モル%を上回ると共重合体との相溶性が悪化してパターン膜が相分離し、白濁を招き、透過率が低下する場合がある。
感光性樹脂組成物における、成分(B)のエステル化物の構成割合は、成分(A)の共重合体100質量部に対して5〜50質量部、感度と現像性の面から好ましくは15〜35質量部である。成分(B)の構成割合が5質量部を下回ると感度の低下や現像性が低下し現像残渣が発生し、50質量部を上回ると共重合体との相溶性が悪化し白濁を招き、透過率が低下する場合がある。
エステル化率(%)=(Z/3)×100 ・・・式(I)
(Zは、3×(3モル体の面積比)+2×(2モル体の面積比)+1×(1モル体の面積比)を表し、面積比は高速液体クロマトグラフィーのチャートから算出した値)
エステル化率が20モル%を下回ると感度の低下や現像性の低下を招き、現像残渣が発生するおそれがあり、95モル%を上回ると共重合体との相溶性が悪化してパターン膜が相分離し、白濁を招き、透過率が低下する場合がある。
感光性樹脂組成物における、成分(B)のエステル化物の構成割合は、成分(A)の共重合体100質量部に対して5〜50質量部、感度と現像性の面から好ましくは15〜35質量部である。成分(B)の構成割合が5質量部を下回ると感度の低下や現像性が低下し現像残渣が発生し、50質量部を上回ると共重合体との相溶性が悪化し白濁を招き、透過率が低下する場合がある。
<成分(C):2個以上のエポキシ基を有する化合物>
感光性樹脂組成物に用いられる、2個以上のエポキシ基を有する化合物のエポキシ基は、共重合体(A)の側鎖のカルボキシル基と高温ベーキング時に熱硬化反応を起こし、架橋膜を形成することができる。
2個以上のエポキシ基を有する化合物としてのエポキシ樹脂の中でも、下記式(5)、(7)、(8)で表されるエポキシ樹脂が特に好ましい。
感光性樹脂組成物に用いられる、2個以上のエポキシ基を有する化合物のエポキシ基は、共重合体(A)の側鎖のカルボキシル基と高温ベーキング時に熱硬化反応を起こし、架橋膜を形成することができる。
2個以上のエポキシ基を有する化合物としてのエポキシ樹脂の中でも、下記式(5)、(7)、(8)で表されるエポキシ樹脂が特に好ましい。
式(5)で表されるエポキシ樹脂の中では(株)プリンテック社製のVG3101Lが好ましく、式(7)で表されるエポキシ樹脂の中ではダイセル化学工業(株)製のEHPE−3150が好ましく、式(8)で表されるエポキシ樹脂の中ではジャパンエポキシレジン(株)製のエピコート828、エピコート834、エピコート1001が好ましい。
感光性樹脂組成物における、成分(C)の構成割合は、成分(A)の共重合体100質量部に対して10〜70質量部、相溶性、溶剤耐性の面から好ましくは30〜65質量部である。成分(C)の構成割合が10質量部を下回るとパターン膜(硬化膜)の溶剤耐性が不十分になり、70質量部を上回ると、共重合体との相溶性が悪化し、パターン膜の相分離が起こり、白濁を招き、透過率が低下する場合がある。
感光性樹脂組成物における、成分(C)の構成割合は、成分(A)の共重合体100質量部に対して10〜70質量部、相溶性、溶剤耐性の面から好ましくは30〜65質量部である。成分(C)の構成割合が10質量部を下回るとパターン膜(硬化膜)の溶剤耐性が不十分になり、70質量部を上回ると、共重合体との相溶性が悪化し、パターン膜の相分離が起こり、白濁を招き、透過率が低下する場合がある。
<その他の添加成分>
本発明の感光性樹脂組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲で、溶剤、硬化促進剤、密着性向上助剤、界面活性剤、溶解性調整剤、コントラスト向上剤等の添加成分を配合することができる。
本発明の感光性樹脂組成物には、本発明の目的を逸脱しない範囲で、溶剤、硬化促進剤、密着性向上助剤、界面活性剤、溶解性調整剤、コントラスト向上剤等の添加成分を配合することができる。
(溶剤)
溶剤は感光性樹脂組成物に利用できる公知の溶剤を用いることができる。溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
溶剤は感光性樹脂組成物に利用できる公知の溶剤を用いることができる。溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のジエチレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸エステル類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン等のケトン類、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド類、γ−ブチロラクトン等のラクトン類等が挙げられる。これらの溶剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
(硬化促進剤)
硬化促進剤は、成分(C)化合物のエポキシ基と成分(A)共重合体の側鎖のカルボキシル基との架橋反応または成分(C)化合物のエポキシ基の硬化反応を促進させることができる。硬化促進剤としては、例えば三新化学工業(株)製のサンエイドSI−45L、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−110L、サンエイドSI−150L等の芳香族スルホニウム塩、サンアプロ(株)製のU−CAT SA102、U−CAT SA106、U−CAT SA506、U−CAT SA603、U−CAT 5002等のジアザビシクロウンデセン塩、サンアプロ(株)製のCPI−100P、CPI−101A、CPI−200k、CPI−210s等の光酸発生剤、四国化成工業(株)製のキュアゾール 1B2PZ等のイミダゾール類等が挙げられる。
硬化促進剤の構成割合は、成分(C)化合物の100質量部に対し、通常0.1〜15質量部添加される。
硬化促進剤は、成分(C)化合物のエポキシ基と成分(A)共重合体の側鎖のカルボキシル基との架橋反応または成分(C)化合物のエポキシ基の硬化反応を促進させることができる。硬化促進剤としては、例えば三新化学工業(株)製のサンエイドSI−45L、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−110L、サンエイドSI−150L等の芳香族スルホニウム塩、サンアプロ(株)製のU−CAT SA102、U−CAT SA106、U−CAT SA506、U−CAT SA603、U−CAT 5002等のジアザビシクロウンデセン塩、サンアプロ(株)製のCPI−100P、CPI−101A、CPI−200k、CPI−210s等の光酸発生剤、四国化成工業(株)製のキュアゾール 1B2PZ等のイミダゾール類等が挙げられる。
硬化促進剤の構成割合は、成分(C)化合物の100質量部に対し、通常0.1〜15質量部添加される。
(密着性向上助剤、界面活性剤及び溶解性調整剤)
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、密着性向上助剤、界面活性剤および溶解性調整剤等をさらに配合することができる。密着性向上助剤の例としては、アルキルイミダゾリン、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシシラン、シランカップリング剤等が挙げられる。界面活性剤の例としては、例えばモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製のTSF−431、TSF−433、TSF−437、住友3M(株)製の<ノベック>HFE、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF−477、F−483、F−554、TF−1434、TEGO製のGlide−410、Glide−440、Glide−450、Glide−B1484等が挙げられる。溶解性調整剤は、感度、現像性の微調整や現像残渣の低減を目的に使用することができ、溶解性調整剤の例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和カルボン酸、ネルボン酸、ネルボン酸、エルカ酸、シス−11−エイコセン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸、ミリストレイン酸、シス−5−ドデセン酸、11,14−エイコサジエン酸、リノール酸、シス−8,11,14−エイコサトリエン酸、リノレン酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。溶解性調整剤の含有量は、成分(A)の共重合体100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明の感光性樹脂組成物には、必要に応じて、密着性向上助剤、界面活性剤および溶解性調整剤等をさらに配合することができる。密着性向上助剤の例としては、アルキルイミダゾリン、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシシラン、シランカップリング剤等が挙げられる。界面活性剤の例としては、例えばモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製のTSF−431、TSF−433、TSF−437、住友3M(株)製の<ノベック>HFE、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF−477、F−483、F−554、TF−1434、TEGO製のGlide−410、Glide−440、Glide−450、Glide−B1484等が挙げられる。溶解性調整剤は、感度、現像性の微調整や現像残渣の低減を目的に使用することができ、溶解性調整剤の例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の飽和カルボン酸、ネルボン酸、ネルボン酸、エルカ酸、シス−11−エイコセン酸、オレイン酸、パルミトレイン酸、ミリストレイン酸、シス−5−ドデセン酸、11,14−エイコサジエン酸、リノール酸、シス−8,11,14−エイコサトリエン酸、リノレン酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。溶解性調整剤の含有量は、成分(A)の共重合体100質量部に対して0.01〜10質量部、好ましくは0.5〜5質量部である。
(コントラスト向上剤)
本発明の感光性樹脂組成物には、コントラストの向上を目的として、前記式(4)または下記式(9)、(10)、(11)、(12)で表されるフェノール性化合物を配合することができる。これらのフェノール性化合物のフェノール基は光が照射されない未露光部において、成分(B)の感光剤のジアゾ基とアゾカップリング反応を起こして成分(B)の溶解抑止効果を高める。結果、これらフェノール性化合物を用いない場合に比べ、露光部と未露光部のアルカリ現像液への溶解性の差を大きくする(コントラストを大きくする)ことができるため、残膜率、解像度の向上が望める。
コントラスト向上剤として添加されるフェノール性化合物として好ましくは、下記式(9)、(10)、(11)、(12)であり、通常共重合体100質量部に対して、1〜20質量部の量で用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物には、コントラストの向上を目的として、前記式(4)または下記式(9)、(10)、(11)、(12)で表されるフェノール性化合物を配合することができる。これらのフェノール性化合物のフェノール基は光が照射されない未露光部において、成分(B)の感光剤のジアゾ基とアゾカップリング反応を起こして成分(B)の溶解抑止効果を高める。結果、これらフェノール性化合物を用いない場合に比べ、露光部と未露光部のアルカリ現像液への溶解性の差を大きくする(コントラストを大きくする)ことができるため、残膜率、解像度の向上が望める。
コントラスト向上剤として添加されるフェノール性化合物として好ましくは、下記式(9)、(10)、(11)、(12)であり、通常共重合体100質量部に対して、1〜20質量部の量で用いられる。
<感光性樹脂組成物の調製法>
感光性樹脂組成物を調製するに際しては、前記成分(A)、(B)および(C)をはじめとする各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解して樹脂組成物を調製してもよいし、必要に応じて各成分を適宜2つ以上の溶液としておいて、使用時(塗布時)にこれらの溶液を混合して感光性樹脂組成物として調製してもよい。
感光性樹脂組成物を調製するに際しては、前記成分(A)、(B)および(C)をはじめとする各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解して樹脂組成物を調製してもよいし、必要に応じて各成分を適宜2つ以上の溶液としておいて、使用時(塗布時)にこれらの溶液を混合して感光性樹脂組成物として調製してもよい。
<フラットパネルディスプレイおよび半導体デバイス>
本発明のフラットパネルディスプレイ及び半導体デバイスは、本発明の感光性樹脂組成物を硬化した層、すなわち平坦化膜または層間絶縁膜を有する。平坦化膜および層間絶縁膜の形成に際しては、通常感光性樹脂組成物の溶液を基板上に塗布し、プリベークを行って感光性樹脂組成物の塗膜を形成する。このとき、感光性樹脂組成物が塗布される基板は、ガラス、シリコンなど従来FPD用または半導体デバイス形成用の基板など公知のいずれの基板であってもよい。基板はベアな基板でも、酸化膜、窒化膜、金属膜などが形成されていても、さらには回路パターン或いは半導体デバイスなどが形成されている基板であってもよい。また、プリベークの温度は通常40〜140℃で、時間は0〜15分程度である。次いで、塗膜に所定のマスクを介してパターン露光を行った後、アルカリ現像液を用いて現像処理し、必要に応じリンス処理を行って、感光性樹脂組成物の膜を形成する。このようにして形成された膜は、全面露光された後、ポストベークされてパターン膜が形成される。全面露光の際の露光量は、通常500mJ/cm2以上であればよい。また、ポストベーク温度は通常150〜250℃、好ましくは180〜230℃、ポストベーク時間は、通常30〜90分である。
感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターン膜は、半導体デバイスや液晶表示装置、プラズマディスプレイなどのFPDの平坦化膜或いは層間絶縁膜などとして利用される。なお、全面にパターン膜を形成する場合には、パターン露光、現像などは行わなくてよい。ここで平坦化膜と層間絶縁膜とは全く独立したものではなく、感光性樹脂組成物により形成されたパターン膜は、平坦化膜としても、層間絶縁膜としても利用し得るものである。そして、半導体デバイスなどにおいては、そのような膜は層間絶縁膜としても平坦化膜としても機能する。
前記パターン膜の形成において、感光性樹脂組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ランドコート法、スプレー法、流延塗布法、浸漬塗布法、スリット塗布法など任意の方法を用いればよい。また、露光に用いられる放射線としては、例えばg線、h線、i線などの紫外線、KrFエキシマレーザー光或いはArFエキシマレーザー光などの遠紫外線、X線、電子線などが挙げられる。
現像法としては、パドル現像法、浸漬現像法、揺動浸漬現像法、シャワー式現像法など従来フォトレジストを現像する際に用いられている方法によればよい。また現像剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウムなどの無機アルカリ、アンモニア、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、トリエチルアミンなどの有機アミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アミンなどを所定の濃度に調整した水溶液を用いることができる。
本発明のフラットパネルディスプレイ及び半導体デバイスは、本発明の感光性樹脂組成物を硬化した層、すなわち平坦化膜または層間絶縁膜を有する。平坦化膜および層間絶縁膜の形成に際しては、通常感光性樹脂組成物の溶液を基板上に塗布し、プリベークを行って感光性樹脂組成物の塗膜を形成する。このとき、感光性樹脂組成物が塗布される基板は、ガラス、シリコンなど従来FPD用または半導体デバイス形成用の基板など公知のいずれの基板であってもよい。基板はベアな基板でも、酸化膜、窒化膜、金属膜などが形成されていても、さらには回路パターン或いは半導体デバイスなどが形成されている基板であってもよい。また、プリベークの温度は通常40〜140℃で、時間は0〜15分程度である。次いで、塗膜に所定のマスクを介してパターン露光を行った後、アルカリ現像液を用いて現像処理し、必要に応じリンス処理を行って、感光性樹脂組成物の膜を形成する。このようにして形成された膜は、全面露光された後、ポストベークされてパターン膜が形成される。全面露光の際の露光量は、通常500mJ/cm2以上であればよい。また、ポストベーク温度は通常150〜250℃、好ましくは180〜230℃、ポストベーク時間は、通常30〜90分である。
感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターン膜は、半導体デバイスや液晶表示装置、プラズマディスプレイなどのFPDの平坦化膜或いは層間絶縁膜などとして利用される。なお、全面にパターン膜を形成する場合には、パターン露光、現像などは行わなくてよい。ここで平坦化膜と層間絶縁膜とは全く独立したものではなく、感光性樹脂組成物により形成されたパターン膜は、平坦化膜としても、層間絶縁膜としても利用し得るものである。そして、半導体デバイスなどにおいては、そのような膜は層間絶縁膜としても平坦化膜としても機能する。
前記パターン膜の形成において、感光性樹脂組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ランドコート法、スプレー法、流延塗布法、浸漬塗布法、スリット塗布法など任意の方法を用いればよい。また、露光に用いられる放射線としては、例えばg線、h線、i線などの紫外線、KrFエキシマレーザー光或いはArFエキシマレーザー光などの遠紫外線、X線、電子線などが挙げられる。
現像法としては、パドル現像法、浸漬現像法、揺動浸漬現像法、シャワー式現像法など従来フォトレジストを現像する際に用いられている方法によればよい。また現像剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウムなどの無機アルカリ、アンモニア、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、トリエチルアミンなどの有機アミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アミンなどを所定の濃度に調整した水溶液を用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の実施の態様をさらに具体的に説明する。なお「部」および「%」は、特に断りがない限り全て質量基準である。以下に各実施例および各比較例で用いた測定方法及び評価方法を示す。
<重量平均分子量>
重量平均分子量(Mw)は、東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用い、カラムとして東ソー(株)製TskgelHZM−Mを用い、THFを溶離液とし、RI検出器により測定して分子量既知のポリスチレン標準体により得られる検量線を用いた換算により求めた。
重量平均分子量(Mw)は、東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用い、カラムとして東ソー(株)製TskgelHZM−Mを用い、THFを溶離液とし、RI検出器により測定して分子量既知のポリスチレン標準体により得られる検量線を用いた換算により求めた。
〔合成例1−1、共重合体A−1の合成〕
温度計、攪拌機及び冷却管を備えた1000mLの4つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を214.8g仕込み、窒素置換した後、オイルバスで液温が80℃になるまで昇温した。
他方、イタコン酸ジメチル(DMI)20.0g、メタクリル酸(MAA)15.3g、メチルメタクリレート(MMA)64.7g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3.5g及びPGMEA15.0gを予め均一混合したもの(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した後、同温度にて8時間維持し、共重合体A−1を得た。
温度計、攪拌機及び冷却管を備えた1000mLの4つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を214.8g仕込み、窒素置換した後、オイルバスで液温が80℃になるまで昇温した。
他方、イタコン酸ジメチル(DMI)20.0g、メタクリル酸(MAA)15.3g、メチルメタクリレート(MMA)64.7g、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3.5g及びPGMEA15.0gを予め均一混合したもの(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した後、同温度にて8時間維持し、共重合体A−1を得た。
〔合成例1−2〜1−7、2−1〜2−7、共重合体A−2〜14〕
表1、2に記載した仕込み種および量、並びに重合温度を変更した以外は合成例1−1と同様の手法にて共重合体の合成を行った。
〔比較合成例1、2、共重合体A−15、16〕
表2に記載した仕込み種および量、並びに重合温度を変更した以外は合成例1−1と同様の手法にて共重合体の合成を行った。
表1、2に記載した仕込み種および量、並びに重合温度を変更した以外は合成例1−1と同様の手法にて共重合体の合成を行った。
〔比較合成例1、2、共重合体A−15、16〕
表2に記載した仕込み種および量、並びに重合温度を変更した以外は合成例1−1と同様の手法にて共重合体の合成を行った。
DMI:イタコン酸ジメチル
DEI:イタコン酸ジエチル
DBI:イタコン酸ジブチル
DcHI:イタコン酸ジシクロヘキシル
DeHI:イタコン酸ジエチルヘキシル
MAA:メタクリル酸
AA:アクリル酸
MMA:メタクリル酸メチル
BMA:メタクリル酸ブチル
LMA:メタクリル酸ラウリル
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
DCPMA:メタクリル酸ジシクロペンタニル
HEMA:メタクリル酸ヒドロキシエチル
HPMA:メタクリル酸ヒドロキシプロピル
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル〔アゾ系重合開始剤、和光純薬工業(株)製〕
V−601:2、2’−アゾビス(イソ酪酸)ジメチル〔アゾ系重合開始剤、和光純薬工業(株)製〕
パーブチルPV:t−ブチルパーオキシビバレート、〔過酸化物系重合開始剤、日油(株)製〕
パーブチルO:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、〔過酸化物系重合開始剤、日油(株)製〕
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
EDM:ジエチレングリコールメチルエチルエーテル
<実施例1−1>
合成例1−1で得られた共重合体A−1を100.0g(溶液として333.3g)、前記式(4)で表される化合物と前記式(4)′で表される1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライドとのエステル化物25.0g、EHPE−3150〔ダイセル化学工業(株)製〕40.0g、架橋促進剤としてCPI−210S〔サンアプロ(株)製〕2.0g、回転塗布の際にレジスト膜上にできる放射線状のしわ、いわゆるストリエーションを防止するため、さらにシリコン系界面活性剤としてG−B1484〔TEGO製〕を0.5gを適量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とジエチレングリコールメチルエチルエーテル(EDM)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
合成例1−1で得られた共重合体A−1を100.0g(溶液として333.3g)、前記式(4)で表される化合物と前記式(4)′で表される1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライドとのエステル化物25.0g、EHPE−3150〔ダイセル化学工業(株)製〕40.0g、架橋促進剤としてCPI−210S〔サンアプロ(株)製〕2.0g、回転塗布の際にレジスト膜上にできる放射線状のしわ、いわゆるストリエーションを防止するため、さらにシリコン系界面活性剤としてG−B1484〔TEGO製〕を0.5gを適量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とジエチレングリコールメチルエチルエーテル(EDM)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
(薄膜パターンの形成)
上記の感光性樹脂組成物を6インチシリコンウエハー上に回転塗布し、90℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.8μm厚の薄膜(A)を得た。この薄膜にキヤノン(株)製i線ステッパー(FPA−2500i2)にてラインとスペース幅が1:1となった種々の線幅およびコンタクトホールのテストパターンを最適露光量で露光し、0.3質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で23℃、80秒間現像することで、ラインとスペース幅が1:1のライン&スペースパターンおよびコンタクトホールパターンが形成された薄膜(B)を得た。この薄膜(B)をウシオ電機(株)製プロキシミティ露光装置(UX−1000SM−TW01)にて全面露光した後、オーブン中で230℃、30分間加熱することによりポストベーク処理を行い、約3.0μm厚のパターン付き薄膜(パターン膜)を得た。
(感度の評価)
上記手法にてラインとスペース幅が1:1のライン&スペースパターンが得られる最適露光量(mJ/cm2)を感度として評価した。感度は130mJ/cm2未満を好ましいものとした。
(現像性の評価)
上記で作製したパターンの中で、5μmのホールパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察した。ホール部全面に残渣が見られる場合には×、ホールと基板の界面付近のみに残渣が見られる場合には△、ホール部全面に残渣が見られない場合には○として現像性を評価した。
(現像残膜率の評価)
上記の手法にて得られた薄膜(A)と薄膜(B)の膜厚から、以下の式より残膜率を算出した。現像残膜率は85%以上を好ましいものとした。
現像残膜率(%)=(薄膜(B)の膜厚(μm)/薄膜(A)の膜厚(μm))×100
(耐溶剤性の評価)
縦100mm、横100mmサイズの無アルカリガラス基板を用い、FPA−2500i2にてテストパターンを露光しない以外は上記と同様の操作を行うことにより、パターンのない薄膜をガラス基板上に得た。この薄膜基板を、RemoverN−321〔ナガセケムテックス(株)製〕中に40℃、30分間浸漬した後、純水リンスを行い、200℃、15分間の再ベーク処理を行った。そして、溶剤浸漬前の膜厚と再ベーク後の膜厚差が0.1μm未満のものについては○、膜厚差が0.1μmを超えるものを×として評価した。その結果を表3〜5に示した。
上記の感光性樹脂組成物を6インチシリコンウエハー上に回転塗布し、90℃、120秒間ホットプレートにてベーク後、約3.8μm厚の薄膜(A)を得た。この薄膜にキヤノン(株)製i線ステッパー(FPA−2500i2)にてラインとスペース幅が1:1となった種々の線幅およびコンタクトホールのテストパターンを最適露光量で露光し、0.3質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で23℃、80秒間現像することで、ラインとスペース幅が1:1のライン&スペースパターンおよびコンタクトホールパターンが形成された薄膜(B)を得た。この薄膜(B)をウシオ電機(株)製プロキシミティ露光装置(UX−1000SM−TW01)にて全面露光した後、オーブン中で230℃、30分間加熱することによりポストベーク処理を行い、約3.0μm厚のパターン付き薄膜(パターン膜)を得た。
(感度の評価)
上記手法にてラインとスペース幅が1:1のライン&スペースパターンが得られる最適露光量(mJ/cm2)を感度として評価した。感度は130mJ/cm2未満を好ましいものとした。
(現像性の評価)
上記で作製したパターンの中で、5μmのホールパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察した。ホール部全面に残渣が見られる場合には×、ホールと基板の界面付近のみに残渣が見られる場合には△、ホール部全面に残渣が見られない場合には○として現像性を評価した。
(現像残膜率の評価)
上記の手法にて得られた薄膜(A)と薄膜(B)の膜厚から、以下の式より残膜率を算出した。現像残膜率は85%以上を好ましいものとした。
現像残膜率(%)=(薄膜(B)の膜厚(μm)/薄膜(A)の膜厚(μm))×100
(耐溶剤性の評価)
縦100mm、横100mmサイズの無アルカリガラス基板を用い、FPA−2500i2にてテストパターンを露光しない以外は上記と同様の操作を行うことにより、パターンのない薄膜をガラス基板上に得た。この薄膜基板を、RemoverN−321〔ナガセケムテックス(株)製〕中に40℃、30分間浸漬した後、純水リンスを行い、200℃、15分間の再ベーク処理を行った。そして、溶剤浸漬前の膜厚と再ベーク後の膜厚差が0.1μm未満のものについては○、膜厚差が0.1μmを超えるものを×として評価した。その結果を表3〜5に示した。
<実施例1−2〜1−14、2−1〜2−13>
表3、4に示した成分(A)の共重合体、成分(B)のエステル化物、成分(C)のエポキシ化合物およびその他添加剤等を用いること以外は実施例1−1と同様の操作を行うことにより、感光性樹脂組成物を調製した。この感光性樹脂組成物について、実施例1−1と同様の物性を評価し、それらの結果を表3、4に示した。
表3、4に示した成分(A)の共重合体、成分(B)のエステル化物、成分(C)のエポキシ化合物およびその他添加剤等を用いること以外は実施例1−1と同様の操作を行うことにより、感光性樹脂組成物を調製した。この感光性樹脂組成物について、実施例1−1と同様の物性を評価し、それらの結果を表3、4に示した。
<比較例1〜8>
表5に示した成分(A)の共重合体、成分(B)のエステル化物、成分(C)のエポキシ化合物およびその他添加剤等を用いること以外は実施例1−1と同様の操作を行うことにより、感光性樹脂組成物を調製した。成分(B)の式(13)、(14)は下記のとおりである。この感光性樹脂組成物について、実施例1−1と同様の物性を評価し、それらの結果を表5に示した。
表5に示した成分(A)の共重合体、成分(B)のエステル化物、成分(C)のエポキシ化合物およびその他添加剤等を用いること以外は実施例1−1と同様の操作を行うことにより、感光性樹脂組成物を調製した。成分(B)の式(13)、(14)は下記のとおりである。この感光性樹脂組成物について、実施例1−1と同様の物性を評価し、それらの結果を表5に示した。
EHPE−3150:エポキシ樹脂(ダイセル化学工業(株)製)
VG3101L:エポキシ樹脂((株)プリンテック社製)
エピコート828:エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製)
CPI−210s:光酸発生剤(サンアプロ(株)製)
G−B1484:界面活性剤(大日本インキ化学工業(株)製)
表3〜5に示した結果から、本発明に係る感光性樹脂組成物は、良好な感度、現像性、現像残膜率及び耐溶剤性を示すものであるから、通常用いられる方法により層間絶縁膜及び平坦化膜を製造し、フラットパネルディスプレイおよび半導体デバイスへ好適に使用できるものであり、ウェットプロセスで容易に形成可能な有機層間絶縁膜を有するフラットパネルディスプレイおよび半導体デバイスへ好適に使用できるものである。
Claims (5)
- 成分(A)、成分(B)および成分(C)を含有し、各成分の構成割合が成分(A)100質量部に対して成分(B)5〜50質量部、成分(C)10〜70質量部である感光性樹脂組成物であって、
前記成分(A)は下記式(1)で表されるイタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)、下記式(2)で表されるα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a2)および下記式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a3)からなるイタコン酸ジエステル系共重合体であり、
成分(B)は下記式(4)で表される3官能フェノール性化合物と下記式(4)′で表されるキノンジアジド化合物とをエステル化反応させて得られる、キノンジアジド基を有するエステル化物であり、
成分(C)は2個以上のエポキシ基を有する化合物であることを特徴とする感光性樹脂組成物。 - 前記成分(A)の共重合体100質量%中における各構成単位の割合がそれぞれ、構成単位(a1)2〜50質量%、(a2)6〜30質量%および(a3)35〜90質量%であるイタコン酸ジエステル系共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記式(3)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a3)として、R5が炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基または主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基から選ばれる少なくとも1つの構成単位(a3X)、およびR5が炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基から選ばれる少なくとも1つの構成単位(a3Y)を含有するイタコン酸ジエステル系共重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から得られるパターン膜を有するフラットパネルディスプレイ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物から得られるパターン膜を有する半導体デバイス。
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JP2014055557A JP2015179121A (ja) | 2014-03-18 | 2014-03-18 | 感光性樹脂組成物およびその用途 |
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JP2019172976A (ja) * | 2018-03-26 | 2019-10-10 | 東レ株式会社 | 樹脂の製造方法 |
-
2014
- 2014-03-18 JP JP2014055557A patent/JP2015179121A/ja active Pending
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