JP2015161942A - ポジ型感光性樹脂組成物およびその用途 - Google Patents

ポジ型感光性樹脂組成物およびその用途 Download PDF

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JP2015161942A JP2014039254A JP2014039254A JP2015161942A JP 2015161942 A JP2015161942 A JP 2015161942A JP 2014039254 A JP2014039254 A JP 2014039254A JP 2014039254 A JP2014039254 A JP 2014039254A JP 2015161942 A JP2015161942 A JP 2015161942A
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Yoshitoku Nito
吉徳 二戸
寛之 田口
Hiroyuki Taguchi
寛之 田口
加藤 行浩
Yukihiro Kato
行浩 加藤
高橋 修一
Shuichi Takahashi
修一 高橋
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Abstract

【課題】パターン膜の形成工程において、高感度でありながら、高い残膜率を維持したまま、現像残渣がなく、高温ベーキング後においても光透過率、耐溶剤性等の塗膜物性を損なうことなく、低誘電特性に優れたパターン膜を形成することができる感光性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】イタコン酸ジエステル単量体、芳香族ビニル単量体およびα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位を有する共重合体、3官能フェノール性化合物とキノンジアジド化合物とのエステル化物、ならびに2個以上のエポキシ基を有する化合物を含有する感光性樹脂組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、感光性を有するポジ型の感光性樹脂組成物およびその用途に関する。詳細には、フォトリソグラフィー技術を用いることによりパターン膜を形成することが可能な感光性樹脂組成物、さらにこれを用いて形成される層間絶縁膜または平坦化膜を備えたフラットパネルディスプレイ(FPD)および半導体デバイスに関する。
LSIなどの半導体集積回路や、FPDの表示面の製造、サーマルヘッドなどの回路基板の製造等を初めとする幅広い分野において、微細素子の形成あるいは微細加工を行うために、従来からフォトリソグラフィー技術が利用されている。該フォトリソグラフィー技術においては、レジストパターンを形成するため、感光性樹脂組成物が用いられている。近年、これら感光性樹脂組成物の新たな用途として、半導体集積回路やFPDなどの層間絶縁膜や平坦化膜の形成技術が注目されている。特に、FPD表示面の高精細化やTFTなどに代表される半導体素子の製造プロセスの短縮化に対する市場の要望は強いものがある。
このFPD表示面の高精細化を達成するためには、回路内において伝送損失を抑えることが重要であり、それには低誘電特性に優れた微細パターンを有する層間絶縁膜や平坦化膜が必須材料とされている。また、半導体素子の製造プロセスの短縮化については、ソースやゲート電極を保護する目的で、真空蒸着法にて窒化珪素(SiNx)などの無機層間絶縁膜を形成せず、ウェットプロセスで容易に形成可能な有機層間絶縁膜への代替が望まれている。そのため、有機層間絶縁膜は、窒化珪素と同等の絶縁性が必須であり、誘電率が3.0を下回るような、低誘電特性の層間絶縁膜が必要とされている。
また、これら材料の形成プロセスにおいては、生産性向上のため、高感度な材料開発が強く望まれている。前記の低誘電特性を有する層間絶縁膜や平坦化膜を得るためには、感光性樹脂組成物におけるアルカリ可溶性樹脂の役割は多大であり、このような用途に用いられる感光性樹脂組成物に関して多くの研究がなされている。
例えば特許文献1では、層間絶縁膜または平坦化膜用の感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性樹脂として不飽和カルボン酸とエポキシ基を有するラジカル重合性化合物とを用いることにより、高感度かつ高解像度のパターン膜が形成される技術が開示されている。しかしながら、前記アルカリ可溶性樹脂に含まれる構成単位は(メタ)アクリロイル基で構成されているため、十分な低誘電特性を得ることができないことが一般的に知られている。
一方、特許文献2には、層間絶縁膜または平坦化膜用の感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性樹脂としてスチレン類、(メタ)アクリル酸およびヒドロキシアルキルエステルを構成単位として有する共重合体を用いることにより、良好な低誘電特性が得られることが開示されている。しかしながら、スチレン類を樹脂中に多量に導入した場合、樹脂の疎水性が高くなるため、現像時の残膜率を高く維持することはできるものの、現像残渣が多くなり、十分な現像性を得ることができないという問題がある。
このような問題点を解決するために、FPDや半導体デバイスなどの層間絶縁膜または平坦化膜に用いられる感光性樹脂組成物において、高感度で高い残膜率を維持したまま、現像残渣がなく、現像性が良く、低誘電特性に優れる高解像度のパターン膜を形成することが求められている。
特開平7−248629号公報 特開2004−4233号公報
本発明は上記従来の実状を鑑みてなされたものであり、その目的は、パターン膜の形成工程において、高感度でありながら、高い残膜率を維持したまま、現像残渣がなく、高温ベーキング後においても光透過率、耐溶剤性等の塗膜物性を損なうことなく、低誘電特性に優れたパターン膜を形成することができる感光性樹脂組成物を提供することにある。
また、本発明の第二の目的は、前記の優れた感光性樹脂組成物により形成された層間絶縁膜または平坦化膜を有するFPDまたは半導体デバイスを提供することにある。
さらに、本発明の第三の目的は、前記の優れた感光性樹脂組成物により、窒化珪素などの無機層間絶縁膜を形成することなく、ウェットプロセスで容易に形成可能な有機層間絶縁膜を有するFPDまたは半導体デバイスを提供することにある。
本発明者らは、このような背景のもとに鋭意研究を重ねた結果、成分(A)として特定の構成単位を有する共重合体、成分(B)として特定のエステル化物、および成分(C)として2個以上のエポキシ基を有する化合物を含有する感光性樹脂組成物を、各成分の構成割合が成分(A)100質量部に対して成分(B)5〜50質量部、成分(C)10〜70質量部として用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、成分(A)、(B)および(C)を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物において、各成分の構成割合が成分(A)100質量部に対して成分(B)5〜50質量部、成分(C)10〜70質量部であって、
成分(A)は、下記式(1)で表されるイタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)、下記式(2)で表される芳香族ビニル単量体から誘導される構成単位(a2)および下記式(3)で表されるα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a3)を有する共重合体であり、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量に対して構成単位(a1)が15〜95質量%、構成単位(a2)が5〜85質量%であると共に、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量100質量部に対して構成単位(a3)が5〜150質量部であることを特徴とし、
Figure 2015161942
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖アルキル基、炭素数3〜8の分岐アルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基)
Figure 2015161942
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基)
Figure 2015161942
(式中のRは水素原子またはメチル基)
成分(B)は、下記式(4)で表される3官能フェノール性化合物と下記式(4)’で表されるキノンジアジド化合物とをエステル化反応させて得られる、キノンジアジド基を有するエステル化物であり、
Figure 2015161942
Figure 2015161942
(R、Rは水素またはSOXを表し、Xはハロゲンを表す。ただし、RとRのどちらか一つは必ず水素を表し、RとRのどちらか一つは必ずSOXを表す)
成分(C)は2個以上のエポキシ基を有する化合物である。
さらに、本発明は、前記成分(A)において、構成単位(a1)、構成単位(a2)および構成単位(a3)に加えて、下記式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a4)を、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量100質量部に対して1〜140質量部有する共重合体であることを特徴とする感光性樹脂組成物に関するものである。
Figure 2015161942
(式中のRは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基または主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基)
さらに、本発明は、かかる感光性樹脂組成物から得られるパターン膜を有するフラットパネルディスプレイ、および半導体デバイスに関するものである。
本発明に係る感光性樹脂組成物は、フォトリソグラフィー技術を用いたパターン膜を形成する工程において、高感度でありながら、現像残渣がなく、ポストベークなどの高温ベーキング後においても光透過率、耐溶剤性等の塗膜物性を損なうことなく、低誘電特性に優れたパターン膜を形成することができる。そして、該感光性樹脂組成物を用いることにより、優れた特性を有するFPDおよび半導体デバイスを提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態について詳細に説明する。
本発明の感光性樹脂組成物は下記に示す成分(A)、(B)および(C)を含有し、各成分の構成割合が成分(A)100質量部に対して成分(B)5〜50質量部、および成分(C)10〜70質量部に設定されたものである。
成分(A):特定の構成単位を有する共重合体。
成分(B):特定のエステル化物。
成分(C):2個以上のエポキシ基を有する化合物。
以下に各成分について説明する。
<成分(A):特定の構成単位を有する共重合体>
成分(A)は、下記式(1)で表されるイタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)、下記式(2)で表される芳香族ビニル単量体から誘導される構成単位(a2)および下記式(3)で表されるα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a3)を有する共重合体により構成されている。共重合体中の構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量に対して構成単位(a1)は15〜95質量%、構成単位(a2)は5〜85質量%、および構成単位(a3)は構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量100質量部に対して5〜150質量部である。
さらに、成分(A)に係る共重合体は、構成単位(a1)、構成単位(a2)および構成単位(a3)に加えて、下記式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a4)を、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量100質量部に対して1〜140質量部含有することができる。
Figure 2015161942
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖アルキル基、炭素数3〜8の分岐アルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基)
Figure 2015161942
(式中、RおよびRそれぞれ独立して水素原子またはメチル基)
Figure 2015161942
(式中のRは水素原子またはメチル基)
Figure 2015161942
(式中のRは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基または主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基)
前記式(1)〜(3)および(5)で表される構成単位はそれぞれ下記式(1)’〜(3)’および(5)’で表される化合物(各構成単位用単量体)から誘導される。
Figure 2015161942
(式中、RおよびRは、それぞれ式(1)におけるものと同じである。)
Figure 2015161942
(式中、RおよびRは式(2)におけるものと同じである。)
Figure 2015161942
(式中のRは式(3)におけるものと同じである。)
Figure 2015161942
(式中のR、Rは式(5)におけるものと同じである。)
〔イタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)〕
イタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)は、主鎖に対して対称的な位置にエステル基が存在することから誘電分極が相殺される。このため共重合体全体としての誘電分極が非常に小さくなるため、良好な低誘電特性を得ることができる。
前記式(1)におけるRおよびRは、それぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖アルキル基、炭素数3〜8の分岐アルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基である。
直鎖アルキル基および分岐アルキル基の炭素数が8を超える、またシクロアルキル基の炭素数が10を超えると、現像液への溶解性が低下し、現像性が悪化する。前記式(1)におけるRおよびRは、同一の置換基であっても、異なる置換基であっても良いが、低誘電特性の面から同一の構造であることが好ましい。
構成単位(a1)は、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量に対して15〜95質量%含まれ、現像性と低誘電特性の両立の面から好ましくは35〜60質量%含まれる。構成単位(a1)の含有量が15質量%を下回ると共重合体中の誘電分極が大きくなり、十分な低誘電特性が得られない。一方、構成単位(a1)の含有量が95質量%を超えると、現像液への溶解性が低下し、現像性が悪化する。
〔芳香族ビニル単量体から誘導される構成単位(a2)〕
構成単位(a2)を誘導する芳香族ビニル単量体は、重合時に構成単位(a1)を誘導するイタコン酸ジエステル単量体と構成単位(a3)を誘導するα,β−不飽和カルボン酸単量体および構成単位(a4)を誘導する(メタ)アクリル酸エステル単量体との共重合性を向上させることができる。構成単位(a2)を誘導する芳香族ビニル単量体は、前記式(1)’のイタコン酸ジエステル単量体、式(3)’のα,β−不飽和カルボン酸単量体および式(5)’の(メタ)アクリル酸エステル単量体の3者のいずれの単量体とも共重合性が良好であるため、重合反応時に共重合性の異なる単量体から誘導される各構成単位を円滑に共重合体中に導入することができ、共重合組成に分布の偏りがなく、均一な性質を有する共重合体を得ることができる。
前記式(2)におけるRおよびRは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基であり、現像性の面からRおよびRは水素原子が好ましい。
構成単位(a2)は、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量に対して5〜85質量%含まれ、現像性の面から好ましくは40〜65質量%含まれる。
構成単位(a2)の含有量が5質量%を下回る、または85質量%を超えると共重合性のバランスが崩れ、所望とする共重合体が得られなくなる。また構成単位(a2)の含有量が85質量%を超えると現像液への溶解性が低下し、現像性が悪化する。
〔α,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a3)〕
α,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a3)は、現像工程において現像性に寄与する成分である。前記式(3)におけるRは水素原子、またはメチル基である。耐熱性の面からRとして好ましくはメチル基である。
構成単位(a3)は、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量100質量部に対して5〜150質量部含まれ、現像性と低誘電特性の両立の面から好ましくは10〜50質量部含まれる。構成単位(a3)の含有量が5質量部を下回ると、現像液への溶解性が得られず現像性が悪化する。一方、構成単位(a3)の含有量が150質量部を上回ると、現像液への溶解性が高くなり過ぎるため残膜率の低下やパターン不良を生じる。
〔(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a4)〕
(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a4)は、現像性の調整、特に現像時の残膜率や解像度の調整を目的として加えることができる。前記式(5)におけるRは水素原子またはメチル基、Rは炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基または主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基である。
耐熱性の面からRとして好ましくはメチル基である。Rの炭素数が12を超えると、共重合性が低下し問題となる。構成単位(a4)を誘導するこれらの(メタ)アクリル酸エステル単量体は、現像性を調整する目的で1種のみまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
構成単位(a4)は、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量100質量部に対して1〜140質量部含まれる。構成単位(a4)の含有量が140質量部を上回ると、相溶性が悪化し、透明性が低下する。
成分(A)は上記に示した構成単位(a1)、(a2)および(a3)または(a1)、(a2)、(a3)および(a4)を有する共重合体であることにより、誘電率、現像性、残膜率、透明性および耐溶剤性に優れた感光性樹脂組成物を提供することができる。
〔共重合体(A)の合成法〕
共重合体(A)を合成するに際しては、公知のラジカル重合法を適用することができる。その際、共重合成分である(a1)、(a2)、(a3)、(a4)は重合釜に一括で仕込むことも、分割で反応系中に滴下しても良い。
成分(A)の共重合体を得るために用いられる重合用溶剤としては、一般的に知られている溶剤を用いることができる。
成分(A)の共重合体を得るために用いられる重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものを使用することができる。その具体例としては、アゾ系重合開始剤、シアノ基を有さないアゾ系重合開始剤または有機過酸化物および過酸化水素等を用いることができる。ラジカル重合開始剤として過酸化物を使用する場合には、これと還元剤とを組み合わせてレドックス型重合開始剤として使用してもよい。
共重合体(A)の質量平均分子量は5,000〜60,000、現像性の面から好ましくは7,000〜30,000である。共重合体(A)の質量平均分子量が5,000未満の場合にはポストベーク時にパターンフローが起こり、パターン膜の十分な解像度が得られないおそれや溶剤耐性の悪化を招き、質量平均分子量が60,000を超える場合には現像液に対する溶解性に乏しく、現像性が悪化する。
<成分(B):特定のエステル化物>
成分(B)のエステル化物は、下記式(4)で表される3官能フェノール性化合物と下記式(4)’で表されるキノンジアジド化合物とをエステル化反応させて得ることができる。
Figure 2015161942
Figure 2015161942
(R、Rは水素またはSOXを表し、Xはハロゲンを表す。ただし、RとRのどちらか一つは必ず水素を表し、RとRのどちらか一つは必ずSOXを表す)
キノンジアジド化合物としては、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルフォニルクロライド等に代表されるナフトキノンジアジドスルホン酸ハライドが用いられる。
成分(B)のエステル化合物はフォトリソグラフィーによる露光工程においてフォトマスクを介して露光する際、露光部ではキノンジアジド基を有するエステル化物の光異性化反応が起こることにより、カルボキシル基を生成し、その後の現像工程において現像液に対して溶解させることができる。一方、未露光部は、現像液に対して溶解抑止能を有しているため、膜を形成することができる。つまり、成分(B)は、フォトマスクを介して露光することにより、その後の現像工程にて現像液に対する溶解性の差を発現することができるため、パターン膜を得ることができる。
成分(B)のエステル化物のエステル化率は20〜95%、感度の面から好ましくは50〜95%である。ここでのエステル化率は下記式(I)で表される。

エステル化率(%)=(Z/3)×100 ・・・式(I)
(Zは、3×(3モル体の面積比)+2×(2モル体の面積比)+1×(1モル体の面積比)を表し、面積比は高速液体クロマトグラフィーのチャートから算出した値)

エステル化率が20モル%を下回ると感度の低下や現像性の低下を招き、現像残渣が発生するおそれがあり、95モル%を上回ると共重合体との相溶性が悪化してパターン膜が相分離し、透過率が低下する。
感光性樹脂組成物における、成分(B)のエステル化物の構成割合は、成分(A)の共重合体100質量部に対して5〜50質量部であり、感度と現像性および透明性の面から好ましくは15〜35質量部である。成分(B)の構成割合が5質量部を下回ると感度の低下や現像性が悪化し、50質量部を上回ると共重合体との相溶性が悪化し濁や透過率が低下する。
<成分(C):2個以上のエポキシ基を有する化合物>
成分(C)の2個以上のエポキシ基を有する化合物におけるエポキシ基は、共重合体(A)の側鎖のカルボキシル基と高温ベーキング時に熱硬化反応を起こし、架橋膜を形成することができる。2個以上のエポキシ基を有する化合物としてのエポキシ樹脂の中でも、下記式(6)、(8)、(9)で表されるエポキシ樹脂が特に好ましい。
Figure 2015161942
(式中、R10、R11、R12、R13、R14、R15 16はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基または下記式(7)を表し、
Figure 2015161942
式中、R17は、水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表し、qは0〜2の整数であり、j、l、rはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、kは0〜6の整数であり、oおよびpは0〜2の整数である)
Figure 2015161942
(式中、R18素数1〜10の炭化水素基、sは1〜30の整数、tは1〜6の整数である。)
Figure 2015161942
(式中、R19、R20、R21、R22、R23、R24、R25、R26はそれぞれ独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基を表し、u、v、w、xはそれぞれ独立して0〜4の整数であり、yは0〜3の整数である)
式(6)で表されるエポキシ樹脂の中では(株)プリンテック社製のVG3101Lが好ましく、式(8)で表されるエポキシ樹脂の中ではダイセル化学工業(株)社製のEHPE−3150が好ましく、式(9)で表されるエポキシ樹脂の中ではジャパンエポキシレジン(株)社製のエピコート828、エピコート834、エピコート1001が好ましい。
感光性樹脂組成物における、成分(C)の構成割合は、成分(A)の共重合体100質量部に対して10〜70質量部であり、相溶性、溶剤耐性の面から好ましくは30〜65質量部である。成分(C)の構成割合が10質量部を下回るとパターン膜(硬化膜)の溶剤耐性が不十分になり、70質量部を上回ると、共重合体との相溶性が悪化し、パターン膜の相分離が起こり、透過率が低下する。
<その他の添加成分>
本発明に係る感光性樹脂組成物は、その目的を逸脱しない範囲で、溶剤、硬化促進剤、密着性向上助剤、界面活性剤等の添加成分を配合することができる。
(溶剤)
溶剤は感光性樹脂組成物に利用できる公知の溶剤を用いることができる。
(硬化促進剤)
硬化促進剤は、成分(C)化合物のエポキシ基と成分(A)共重合体の側鎖のカルボキシル基との架橋反応を促進させることができる。硬化促進剤としては、例えば三新化学工業(株)製のサンエイドSI−45L、サンエイドSI−60L、サンエイドSI−80L、サンエイドSI−100L、サンエイドSI−110L、サンエイドSI−150L等の芳香族スルホニウム塩、サンアプロ(株)製のU−CAT SA102、U−CAT SA106、U−CAT SA506、U−CAT SA603、U−CAT 5002等のジアザビシクロウンデセン塩、サンアプロ(株)製のCPI−100P、CPI−101A、CPI−200k、CPI−210s等の光酸発生剤、四国化成工業(株)製のキュアゾール 1B2PZ等のイミダゾール類等が挙げられる。
硬化促進剤の構成割合は、成分(C)の100質量部に対し、通常0.1〜15質量部である。
(密着性向上助剤および界面活性剤)
本発明に係る感光性樹脂組成物には、必要に応じて、密着性向上助剤および界面活性剤等をさらに配合することができる。密着性向上助剤の例としては、アルキルイミダゾリン、ポリヒドロキシスチレン、ポリビニルメチルエーテル、t−ブチルノボラック、エポキシシラン、シランカップリング剤等が挙げられる。界面活性剤の例としては、例えばモメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン製のTSF−431、TSF−433、TSF−437、住友3M(株)製の<ノベック>HFE、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF−477、F−483、F−554、TF−1434、TEGO製のGlide−410、Glide−440、Glide−450、Glide−B1484等が挙げられる。
(コントラスト向上剤)
本発明に係る感光性樹脂組成物には、コントラストの向上を目的として、前記式(4)または下記式(10)、(11)、(12)、(13)で表されるフェノール性化合物を配合することができる。これらのフェノール性化合物のフェノール基は光が照射されない未露光部において、成分(B)の感光剤のジアゾ基とアゾカップリング反応を起こして成分(B)の溶解抑止効果を高める。その結果、これらフェノール性化合物を用いない場合に比べ、露光部と未露光部のアルカリ現像液への溶解性の差を大きくする(コントラストを大きくする)ことができるため、残膜率、解像度の向上が望める。
コントラスト向上剤として添加されるフェノール性化合物としては、好ましくは前記式(10)、(11)、(12)で表される化合物であり、共重合体(A)100質量部に対して、通常1〜20質量部の量で用いられる。
Figure 2015161942
Figure 2015161942
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<感光性樹脂組成物の調製法>
感光性樹脂組成物を調製するに際しては、前記成分(A)、(B)および(C)を含む各成分を一括配合してもよいし、各成分を溶剤に溶解した後に逐次配合してもよい。また、配合する際の投入順序や作業条件は特に制約を受けない。例えば、全成分を同時に溶剤に溶解して樹脂組成物を調製してもよいし、必要に応じて各成分を適宜2つ以上の溶液としておいて、使用時(塗布時)にこれらの溶液を混合して感光性樹脂組成物として調製してもよい。
<フラットパネルディスプレイおよび半導体デバイス>
本発明に係るフラットパネルディスプレイおよび半導体デバイスは、本発明に係る感光性樹脂組成物を硬化した層、すなわち平坦化膜または層間絶縁膜を有する。平坦化膜および層間絶縁膜の形成に際しては、通常、感光性樹脂組成物の溶液を基板上に塗布し、プリベークを行って感光性樹脂組成物の塗膜を形成する。このとき、感光性樹脂組成物が塗布される基板は、ガラス、シリコンなど従来FPD用または半導体デバイス形成用の基板など公知のいずれの基板であってもよい。基板はベアな基板でも、酸化膜、窒化膜、金属膜などが形成されていても、さらには回路パターンあるいは半導体デバイスなどが形成されている基板であってもよい。また、プリベークの温度は通常40〜140℃で、時間は0〜15分程度である。次いで、塗膜に所定のマスクを介してパターン露光を行った後、アルカリ現像液を用いて現像処理し、必要に応じリンス処理を行って、感光性樹脂組成物の膜を形成する。このようにして形成された膜は、全面露光された後、ポストベークされてパターン膜が形成される。全面露光の際の露光量は、通常500mJ/cm以上であればよい。また、ポストベーク温度は通常150〜250℃、好ましくは180〜230℃、ポストベーク時間は、通常30〜90分である。
本発明に係る感光性樹脂組成物を用いて形成されたパターン膜は、半導体デバイスや液晶表示装置、プラズマディスプレイなどのFPDの平坦化膜あるいは層間絶縁膜などとして利用される。なお、全面にパターン膜を形成する場合には、パターン露光、現像などは行わなくてよい。ここで平坦化膜と層間絶縁膜とは全く独立したものではなく、感光性樹脂組成物により形成されたパターン膜は、平坦化膜としても、層間絶縁膜としても利用し得るものである。そして、半導体デバイスなどにおいては、そのような膜は層間絶縁膜としても平坦化膜としても機能する。
前記パターン膜の形成において、感光性樹脂組成物の塗布方法としては、スピンコート法、ロールコート法、ランドコート法、スプレー法、流延塗布法、浸漬塗布法、スリット塗布法など任意の方法を用いればよい。また、露光に用いられる放射線としては、例えばg線、h線、i線などの紫外線、KrFエキシマレーザー光あるいはArFエキシマレーザー光などの遠紫外線、X線、電子線などが挙げられる。
現像法としては、パドル現像法、浸漬現像法、揺動浸漬現像法、シャワー式現像法など従来フォトレジストを現像する際に用いられている方法によればよい。また現像剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナトリウムなどの無機アルカリ、アンモニア、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、ジエチルアミノエタノール、トリエチルアミンなどの有機アミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アミンなどを所定の濃度に調整した水溶液を用いることができる。
以下、実施例および比較例を挙げて本発明の実施の態様をさらに具体的に説明する。なお「部」および「%」は、特に断りがない限り全て質量基準である。以下に各実施例および各比較例で用いた測定方法および評価方法を示す。
<質量平均分子量>
質量平均分子量(Mw)は、東ソー(株)製ゲルパーミエーションクロマトグラフィー装置HLC−8220GPCを用い、カラムとして昭和電工(株)製SHODEX K801を用い、THFを溶離液とし、RI検出器により測定して分子量既知のポリスチレン標準体により得られる検量線を用いた換算により求めた。
〔合成例1−1、共重合体A−1の合成〕
温度計、攪拌機および冷却管を備えた2000mLの4つ口フラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)を220.3g仕込み、窒素置換した後、オイルバスで液温が80℃になるまで昇温した。
他方、イタコン酸ジブチル(DBI)43.5g、メタクリル酸(MAA)35.5g、スチレン(St)56.5g、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4.1gおよびPGMEA38.9gを予め均一混合したもの(滴下成分)を2時間かけて滴下ロートより等速滴下した後、同温度にて8時間維持し、共重合体A−1を得た。
〔合成例1−2〜1−17、2−1〜2−23、共重合体A−2〜A−17、B−1〜B−23〕
表1〜5に記載した仕込み種および量、滴下および重合温度を変更した以外は合成例1と同様の手法にて共重合体の合成を行った。
〔比較例1〜4、共重合体C−1〜C−4〕
表5に記載した仕込み種および量、滴下および重合温度を変更した以外は合成例1と同様の手法にて共重合体の合成を行った。
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表1〜5における略号の意味は次の通りである。
DMI:イタコン酸ジメチル
DEI:イタコン酸ジエチル
DBI:イタコン酸ジブチル
DcHI:イタコン酸ジシクロヘキシル
DeHI:イタコン酸エチルヘキシル
St:スチレン
α−St:α−メチルスチレン
AA:アクリル酸
MAA:メタクリル酸
HEMA:メタクリル酸ヒドロキシエチル
HPMA:メタクリル酸ヒドロキシプロピル
LMA:メタクリル酸ラウリル
CHMA:メタクリル酸シクロヘキシル
MMA:メタクリル酸メチル
パーブチルO:t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
パーヘキシルO:t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
PGMEA:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
<実施例1−1>
合成例1−1で得られた共重合体A−1を100g(溶液として333.3g)、前記式(4)で表される化合物と前記式(4)’で表される1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライドとのエステル化物25.0g、EHPE−3150〔ダイセル化学工業(株)製〕40.0g、架橋促進剤としてCIP−210S〔サンアプロ(株)製〕2.0g、回転塗布の際にレジスト膜上にできる放射線状のしわ、いわゆるストリエーションを防止するため、さらにシリコン系界面活性剤、G−B1484〔TEGO製〕0.5gを適量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させて攪拌した後、0.2μmのフィルターで濾過して、感光性樹脂組成物を調製した。
(薄膜パターンの形成)
上記の感光性樹脂組成物を4インチシリコンウエハー上に回転塗布し、100℃、90秒間ホットプレートにてベーク後、約3.3μm厚の薄膜(A)を得た。この薄膜にキヤノン(株)製g+h+i線マスクアライナー(PLA−501F)にてラインとスペース幅が1:1となった種々の線幅およびコンタクトホールのテストパターンを最適露光量で露光し、0.4質量%水酸化テトラメチルアンモニウム水溶液で23℃、60秒間現像することで、ラインとスペース幅が1:1のライン&スペースパターンおよびコンタクトホールパターンが形成された薄膜(B)を得た。この薄膜(B)をPLA−501Fにて全面露光した後、オーブン中で220℃、60分間加熱することによりポストベーク処理を行い、約3.0μm厚のパターン付き薄膜(パターン膜)を得た。
(感度の評価)
上記手法にてラインとスペース幅が1:1のライン&スペースパターンが得られる露光量(mJ/cm)を感度として評価した。
(残膜率の評価)
上記の手法にて得られた薄膜(A)、薄膜(B)の膜厚より以下の式より残膜率を算出した。
残膜率(%)=(薄膜(B)の膜厚(μm)/薄膜(A)の膜厚(μm))×100
(現像性の評価)
上記で作製したパターンの中で、3μmのホールパターンをSEM(走査型電子顕微鏡)にて観察した。ホール内部に残渣が見られ、アッシング工程後も残渣が観られる場合には×、ホール内部に僅かに残渣が見られるがアッシング工程により残渣が除去できるものを○、残渣が見られない場合には◎として現像性を評価した。
(誘電率の評価)
PLA−501Fにてテストパターンを露光しない以外は上記と同様の操作を行うことにより、パターンのない、3.0μm厚の薄膜を4インチシリコンウエハー上に得た。この薄膜上に電極を形成し、室温、10kHzにおける条件で、安藤電気(株)製LCRメータ(AG−4311)を用いて得られた静電容量から誘電率を算出した。
(透過率の評価)
縦70mm、横70mmサイズの石英ガラス基板を用い、テストパターンを露光しない以外は上記と同様の操作を行うことにより、パターンのない薄膜をガラス基板上に得た。この薄膜の400nmにおける透過率を、紫外−可視光分光光度計CARY4E(バリアン(株)製)を用いて測定した。
(耐溶剤性の評価)
透過率の評価と同様の操作を行うことで得たガラス基板を、RemoverN−321〔ナガセケムテックス(株)製〕中に60℃、1分間浸漬した後、純水リンスを行い、200℃、15分間の再ベーク処理を行った。そして、溶剤浸漬前の透過率と再ベーク処理後の透過率差が2%未満のものについては◎、透過率差が2〜4%のものについては○、透過率差が4%を超えるものを△として評価した。
上記評価の結果を性能として表6に示した。
<実施例1−2〜1−31および2−1〜2−37>
表6〜表12に示した成分(A)の共重合体、成分(B)のエステル化物、成分(C)のエポキシ基を有する化合物、その他添加成分等を用いること以外は実施例1−1と同様の操作を行うことにより、感光性樹脂組成物を調製した。この感光性樹脂組成物について、実施例1−1と同様の物性を評価し、それらの結果を表6〜表12に示した。
<比較例1〜21>
表13、表14に示した成分(A)の共重合体、成分(B)のエステル化物、成分(C)のエポキシ基を有する化合物、その他添加成分等を用いること以外は実施例1−1と同様の操作を行うことにより、感光性樹脂組成物を調製した。成分(B)の式(14)〜(22)は下記のとおりである。この感光性樹脂組成物について、実施例1−1と同様の物性を評価し、それらの結果を表13〜表14に示した。
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表6〜表12に示した結果から、実施例1−1〜1−31および実施例2−1〜2−37においては、パターン膜を形成する現像工程において現像残渣がなく、高温ベーキング後においても光透過率、耐溶剤性等の塗膜物性を損なうことなく、現像性および低誘電特性に優れていることを確認することができた。なお、実施例1−1〜1−31および実施例2−1〜2−37においては、表6〜表12に示されていないがパターン膜の平坦性も良好であった。
一方、比較例1〜13では成分(B)のエステル化物に、式(10)〜(22)で表される化合物を用いたため、感度が低下した。比較例14では成分(B)の添加量が2質量部と過度に少ないため、感度および残膜率の低下がみられた。比較例15では成分(C)の添加量が90部と過剰のため透過率の低下がみられた。比較例16では成分(A)の共重合体中に構成単位(a2)が含まれていないため、所望の共重合体が得られず、現像性と透過率が低下した。比較例17では成分(A)の共重合体中に構成単位(a1)が含まれていないため、低誘電性が悪化した。比較例18では成分(A)の共重合体中に構成単位(a3)が過剰に含まれているため、残膜率が低下した。比較例19では成分(A)の共重合体中に構成単位(a1)が過剰に含まれ、構成単位(a2)が過少であるため、現像性が悪化した。

Claims (4)

  1. 成分(A)、(B)および(C)を含有し、各成分の構成割合が成分(A)100質量部に対して成分(B)5〜50質量部、成分(C)10〜70質量部である感光性樹脂組成物であって、
    前記成分(A)は下記式(1)で表されるイタコン酸ジエステル単量体から誘導される構成単位(a1)、下記式(2)で表される芳香族ビニル単量体から誘導される構成単位(a2)および下記式(3)で表されるα,β−不飽和カルボン酸単量体から誘導される構成単位(a3)を有する共重合体であり、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量に対して構成単位(a1)が15〜95質量%、構成単位(a2)が5〜85質量%であると共に、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量100質量部に対して構成単位(a3)が5〜150質量部であり、
    Figure 2015161942
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して炭素数1〜8の直鎖アルキル基、炭素数3〜8の分岐アルキル基、炭素数6〜10のシクロアルキル基)
    Figure 2015161942
    (式中、RおよびRは、それぞれ独立して水素原子またはメチル基)
    Figure 2015161942
    (式中のRは水素原子またはメチル基)
    成分(B)は、下記式(4)で表される3官能フェノール性化合物と下記式(4)’で表されるキノンジアジド化合物とをエステル化反応させて得られる、キノンジアジド基を有するエステル化物であり、
    Figure 2015161942
    Figure 2015161942
    (R、Rは水素またはSOXを表し、Xはハロゲンを表す。ただし、RとRのどちらか一つは必ず水素を表し、RとRのどちらか一つは必ずSOXを表す)

    成分(C)は2個以上のエポキシ基を有する化合物であることを特徴とする感光性樹脂組成物。
  2. 前記成分(A)は、構成単位(a1)、構成単位(a2)および構成単位(a3)に加えて、下記式(5)で表される(メタ)アクリル酸エステル単量体から誘導される構成単位(a4)を、構成単位(a1)と構成単位(a2)の合計量100質量部に対して1〜140質量部有する共重合体であることを特徴とする請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
    Figure 2015161942
    (式中のR8は水素原子またはメチル基、R9は炭素数1〜12の直鎖アルキル基、炭素数3〜12の分岐アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、ベンジル基、炭素数1〜12のヒドロキシアルキル基または主環構成炭素数3〜12の脂環式炭化水素基)
  3. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物から得られるパターン膜を有するフラットパネルディスプレイ。
  4. 請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物から得られるパターン膜を有する半導体デバイス。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017171748A (ja) * 2016-03-22 2017-09-28 Jsr株式会社 硬化膜、表示素子、硬化膜形成用材料及び硬化膜の形成方法

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