JP2005320761A - 梁材及び梁材の接合構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】木材と鋼板材とのバランスが良く、十分な合成効果が得られ、安定した品質保証を確保出来る、木材と金属材との合成構造からなる梁材を提供すること。
【解決手段】木材からなる梁部材Wの片側面全長に亘り補強鋼板Sを接着してなる一対の梁半割体3,4を形成し、両梁半割体3,4の補強鋼板S,Sどうしを接合手段によって一体的に接合してなる梁材1,2。
【選択図】図7
【解決手段】木材からなる梁部材Wの片側面全長に亘り補強鋼板Sを接着してなる一対の梁半割体3,4を形成し、両梁半割体3,4の補強鋼板S,Sどうしを接合手段によって一体的に接合してなる梁材1,2。
【選択図】図7
Description
本発明は、木造建築に使用される梁材及びこの梁材の接合構造に関するものである。
近年、木製の梁材には、コストの低廉化と強度の向上を図るために集成材が使用されているが、単なる集成材ではより大きな強度が望めないことから、木材と金属材を組み合わせた複合材からなる梁材が提供されている。このような木材と金属材との複合構造からなる従来の梁材として、例えば特許文献1に記載されたものがある。即ち、この特許文献1の複合材は、木材内にその全長に亘って1本乃至複数本の補強鋼板材を埋入介在させて一体化したものである。
特開平11−44044号公報
特許文献1に記載された従来の複合材は、補強鋼板材の厚さを厚くすることが困難で、合成材としての強度にも制約があり、補強鋼板材の板厚が厚くなると、木材と鋼板材との合成のバランスが悪く、十分な合成効果を得ることが困難となり、安定した品質保証が確保され得ない。そこで、本発明は、木材と鋼板材とのバランスが良く、十分な合成効果が得られ、安定した品質保証を確保出来る、木材と金属材との合成構造からなる梁材を提供することを目的とする。更に本発明の他の目的は、この梁材の接合構造を提供することである。
上記課題を解決するための手段を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、 請求項1に係る発明の梁材は、木材からなる梁部材Wの片側面全長に亘り補強鋼板Sを接着してなる一対の梁半割体3,4を形成し、両梁半割体3,4の補強鋼板S,Sどうしを接合手段によって一体的に接合してなることを特徴とする。
請求項2に係る梁材は、木材からなる梁部材Wの片側面全長に亘り補強鋼板Sを接着してなる一対の梁半割体3,4を形成し、両梁半割体3,4の対向する補強鋼板S,S間にその全長に亘り他の補強鋼板11を介在させ、これらの補強鋼板S,11どうしを接合手段によって一体的に接合してなることを特徴とする。
請求項3は、請求項1又は2に記載の梁材において、接合手段はボルト・ナット、リベット又はカシメからなることを特徴とする。
請求項4は、請求項1又は2に記載の梁材において、接合手段は接着剤からなることを特徴とする。
請求項5は、請求項1又は2に記載の梁材において、接合手段はボルト・ナット、リベット又はカシメと接着剤とを併用することからなることを特徴とする。
請求項6に係る発明の梁材の接合構造は、請求項1,3〜5の何れかに記載の梁材1,2を長手方向に接合するにあたり、接合すべき一方の梁材1の端部には、一方の半割体3aの端部に凸部5と凹部6とを上下方向に交互に複数形成し、他方の梁半割体4aの端部には梁半割体3aの凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ梁半割体3aの凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とを形成し、接合すべき他方の梁材2における一方の梁半割体3bの端部には一方の梁材1の梁半割体3aの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを、また他方の梁半割体4bの端部には一方の梁材1の梁半割体4aの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを形成し、しかして双方の梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの端部同士及び他方の梁半割体4a,4bの端部同士を夫々凹凸係合させ、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板S側凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板S側の凸部5とを夫々結合手段により結合してなることを特徴とする。
請求項7に係る発明の梁材の接合構造は、請求項1,3〜5の何れかに記載の梁材1,2を長手方向に接合するにあたり、接合すべき一方の梁材1の端部は、両半割体3a,4aの補強鋼板S,Sを梁部材W,Wの先端から所要長さL突出させ、その一方の梁半割体3a側の補強鋼板Sの端部に凸部5と凹部6とを上下方向に交互に複数形成し、他方の梁半割体4aの補強鋼板Sの端部には梁半割体3a側の補強鋼板Sの凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ梁半割体3a側の補強鋼板Sの凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とを形成し、接合すべき他方の梁材2の端部は、両半割体3b,4bの補強鋼板S,Sの先端を、梁材1側の補強鋼板S,Sの突出長さに略相当する長さ分だけ梁部材W,Wの先端から切除した状態とし、その一方の梁半割体3b側の補強鋼板Sの端部には一方の梁材1の梁半割体3a側の補強鋼板Sの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを、また他方の梁半割体4b側の補強鋼板Sの端部には一方の梁材1の梁半割体4a側の補強鋼板Sの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを形成し、しかして一方の梁材1先端から突出する補強鋼板S,S部分を他方の梁材2の梁部材W,Wの先端側凹入部に突入させて、双方の梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの補強鋼板S,Sの端部同士及び他方の梁半割体4a,4bの補強鋼板S,Sの端部同士を夫々凹凸係合させると共に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板Sの凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板Sの凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板Sの凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板Sの凸部5とを重ね合わせて夫々結合手段により結合してなることを特徴とする。
請求項8に係る発明の梁材の接合構造は、請求項2〜5の何れかに記載の梁材1,2を長手方向に接合するにあたり、接合すべき一方の梁材1の端部には、一方の梁半割体3aの端部に凸部5と凹部6とを上下方向に交互に複数形成し、他方の梁半割体4aの端部には梁半割体3aの凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ梁半割体3aの凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とを形成し、接合すべき他方の梁材2における一方の梁半割体3bの端部には一方の梁材1の梁半割体3aの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを、また他方の梁半割体4bの端部には一方の梁材1の梁半割体4aの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを形成し、しかして双方の梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの端部同士及び他方の梁半割体4a,4bの端部同士を夫々凹凸係合させると共に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板S側の凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板S側の凸部5とを、夫々接合部用中間補強鋼板10又は連続する中間補強鋼板11を介して結合手段により接合してなることを特徴とする。
請求項9に係る発明の梁材の接合構造は、請求項2〜5の何れかに記載の梁材1,2を長手方向に接合するにあたり、接合すべき一方の梁材1の端部は、両半割体3a,4aの補強鋼板S,Sを梁部材W,Wの先端から所要長さL突出させ、その一方の梁半割体3a側の補強鋼板Sの端部に凸部5と凹部6とを上下方向に交互に複数形成し、他方の梁半割体4aの補強鋼板Sの端部には梁半割体3a側の補強鋼板Sの凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ梁半割体3a側の補強鋼板Sの凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とを形成し、接合すべき他方の梁材2の端部は、両半割体3b,4bの補強鋼板S,Sの先端を、梁材1側の補強鋼板S,Sの突出長さに略相当する長さ分だけ梁部材W,Wの先端から切除した状態とし、その一方の梁半割体3b側の補強鋼板Sの端部には一方の梁材1の梁半割体3a側の補強鋼板Sの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを、また他方の梁半割体4b側の補強鋼板Sの端部には一方の梁材1の梁半割体4a側の補強鋼板Sの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを形成し、しかして一方の梁材1先端から突出する補強鋼板S,S部分を他方の梁材2の梁部材W,Wの先端側凹入部に突入させて、双方の梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの補強鋼板S,Sの端部同士及び他方の梁半割体4a,4bの補強鋼板S,Sの端部同士を夫々凹凸係合させると共に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板Sの凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板Sの凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板Sの凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板Sの凸部5とを、夫々接合部用中間補強鋼板10又は連続する中間補強鋼板11を介して結合手段により結合してなることを特徴とする。
請求項10は、請求項6〜9に記載の梁材の接合構造において、結合手段は、ボルト・ナット、リベット又はカシメよりなることを特徴とする。
上記解決手段による発明の効果を、後述する実施形態の参照符号を付して説明すると、 請求項1に係る発明によれば、両梁半割体3,4の補強鋼板S,Sどうしを重ねて接合手段により接合して形成される梁材1,2であるから、補強鋼板Sとして、板厚が例えば1mm前後の比較的薄い鋼板の使用が可能となり、そのため木材である梁部材Wと補強鋼板Sとの剛性のバランスが良くなり、理論的にも十分な合成効果を得ることが出来、それによって安定した品質保証が確保される。
また薄い鋼板が使用出来ることから、梁材1,2の製造にあたって、鋼板を人力で移動させることが出来、また機械(NC制御の自動機械)加工が可能となるために鋼板の加工が容易となる。また、製造設備が小さくで済むため、製造コストを易く出来る。また両梁半割体3,4の補強鋼板S,Sどうしを一体的に接合するボルト・ナット等からなる接合手段が梁材1,2の表面に露出しないため、両梁半割体3,4を接合した後で、梁材1,2の両側面のプレーナー仕上げも可能となり、それにより修正が可能で、高精度の梁材1,2の製造が可能となる。
請求項2に係る発明のように、両梁半割体3,4の補強鋼板S,Sとその間に挟んだ他の補強鋼板11とを接合手段により一体的に接合することによって形成される梁材1,2によれば、補強鋼板S,11として、板厚の薄い鋼板を使用することが出来ながら、十分な強度を有する梁材1,2を形成できると共に、互いに板厚の異なる鋼板の組み合わせや、互いに異なる表面処理材の組み合わせの範囲が広がって、塗装等の省略や機械化、自動化が一層容易となる。
前記接合手段としては、請求項3に記載のようにボルト・ナット、リベット又はカシメからなるものでもよいし、請求項4に記載のように接着剤からなるものでもよく、また請求項5に記載のようにボルト・ナット、リベット又はカシメと接着剤とを併用することからなるものでもよい。
請求項6に係る発明である梁材1,2の接合構造によれば、接合にあたって溶接を一切行わないから、有資格の溶接作業者を採用しなくて済み、接合部の非破壊検査も不要となって、加工コストの低廉化を図ることが出来る一方、各梁材1,2が梁部材Wと補強鋼板Sとの合成材でありながら、互いに重ね合わせた補強鋼板S側凸部5のみを結合手段によって結合し、梁部材W側の凸部5には結合手段の締結力を作用させないから、接合部の強度を増大させることが出来ると共に、梁部材W側の凸部5を破損するようなことがない。また、溶接を採用しないことから、梁材1,2の補強鋼板Sとして、プレ塗装鋼板やプレメッキ鋼板を使用しても、防錆処理等の後加工を施す必要がなく、加工コストの一層の低廉化が図られる。また、梁材1,2の接合部の外側面に接合手段のボルトBの頭やナットN、リベットやカシメによる突起部が突出しないから、手足や衣服等を引っ掛けるようなことがなく、安全性に優れ、美観にも優れたものとなる。
請求項7に係る発明によれば、上記した請求項6に係る発明の効果に加え、接合端部の凸部5及び凹部6は、補強鋼板Sの端部のみに形成し、梁部材W側には形成しないため、図3及び図4に示す接合構造に比べ、製作が容易となる。
請求項8に係る発明によれば、両梁半割体3,4の補強鋼板S,S間に他の補強鋼板11を介在させた梁材1,2を接合するのに溶接を一切行わないから、有資格の溶接作業者を採用しなくて済み、接合部の非破壊検査も不要となって、加工コストの低廉化を図ることが出来る一方、各梁材1,2が梁部材Wと補強鋼板Sとの合成材でありながら、両梁半割体3a,4a、3b,4bの補強鋼板S側凸部5及び中間補強鋼板10を結合手段によって結合し、梁部材W側の凸部5には結合手段の締結力を作用させないから、接合部の強度を増大させることが出来ると共に、梁部材W側の凸部5を破損することがない。
請求項9に係る発明によれば、上記した請求項8に係る発明の効果に加え、接合端部の凸部5及び凹部6は、補強鋼板Sの端部のみに形成し、梁部材W側には形成しないため、図3及び図4に示す接合構造に比べ、製作が容易となる。
請求項10に記載のように、請求項6〜9に係る発明における接合手段としては、ボルト・ナット、リベット又はカシメを採用するとよい。
以下に本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明すると、図1は本発明に係る梁材1,2を柱P,P間に掛け渡した状態を示す正面図、図2の(a) は本発明に係る梁材1,2の接合構造を示す正面図で、図1の矢印Xで示す部分の拡大図、(b) は平面図、図3は梁材1,2の接合構造の分解斜視図である。各梁材1,2は、木材からなる梁部材Wの片側面全長に亘り補強鋼板Sを接着してなる一対の梁半割体3a,4a、3b,4b(3,4)を形成し、両梁半割体3a,4a、3b,4bの補強鋼板S,Sどうしを接合手段によって一体的に接合してなるものである。
各梁半割体3a,4a、3b,4bを形成する梁部材Wは、横断面縦長矩形状に形成された所要厚みの木集成材からなり、この梁部材Wの片側面に接着される補強鋼板Sには、メッキ鋼板、塗装鋼板、ステンレス鋼板、あるいは普通鋼板に適当な防錆処理を施したものが使用される。この補強鋼板Sの板厚は、通常1.6〜3.2mm程度である。また、補強鋼板Sは、木材・金属用の接着剤によって梁部材Wの片側面の全面に亘って強固に接着される。
両梁半割体3a,4a、3b,4b(3,4)の補強鋼板S,Sどうしを一体的に接合する接合手段としては、ボルト・ナット、リベット又はカシメを採用することが出来る。ボルト・ナットによる接合手段の場合は、図2〜図4に示すように、各梁半割体3a,4a、3b,4bの補強鋼板Sの所要箇所にボルト挿通孔7を設け、梁部材Wには補強鋼板Sのボルト挿通孔7に対応する位置にナットNの径より十分大径の操作用孔8を同心状に設けておいて、何れか一方の梁半割体3の梁部材Wの操作用孔8から補強鋼板Sのボルト挿通孔7に通したボルトBを他方の梁半割体4の梁部材Wの操作用孔8から補強鋼板Sのボルト挿通孔7に通し入れて、操作用孔8からナットNをボルトBに螺合して締め付けることにより、両梁半割体3,4を締結して一体的に接合することが出来る。
リベット及びカシメの場合にも、梁部材Wに上記操作用孔8のような孔を設けることが必要で、両梁半割体3a,4a、3b,4bの補強鋼板S,Sどうしをリベット結合し、あるいはかしめることによって、両梁半割体3a,4a、3b,4bを一体的に接合することになる。
尚、梁部材Wと補強鋼板Sとを接着剤で接着して各梁半割体3,4を形成する時には、補強鋼板Sには所定位置にボルト挿通孔7が設けられ、梁部材Wには補強鋼板Sのボルト挿通孔7に対応する位置に操作用孔8が設けられているから、このボルト挿通孔7と操作用孔8とを利用し、操作用孔8に嵌合する径大軸部とボルト挿通孔7に嵌合する径小軸部とを同軸に連設した位置決め治具を複数個用意しておいて、この治具を複数の操作用孔8・ボルト挿通孔7に嵌合挿通させた状態で、梁部材Wと補強鋼板Sとを接着させるようにすれば、梁部材Wと補強鋼板Sとのズレがなくなり、梁半割体3,4を精度良く形成でき、従って精度の良い梁材1,2の製作が可能となる。
また、両梁半割体3,4をボルトB・ナットNで一体的に締結接合した後、梁部材Wの外側面に開口している各操作用孔8に木製の栓を打ち込むことにより、ボルトB・ナットNを完全に隠すことができる。木栓を操作用孔8に打ち込む際には、木栓の外端部が梁部材Wの外側面から若干突出するように打ち込んだ後、その突出部分をプレーナー(自動カンナ)で削り取って仕上げれば、木栓の打ち込み箇所が目立たず、梁部材Wの外側面が美麗となる。
上記のような構成の梁材1,2によれば、両梁半割体3a,4a、3b,4bの補強鋼板S,Sどうしを重ねて接合するから、補強鋼板Sとして、板厚が例えば1mm前後の比較的薄い鋼板の使用が可能となり、そのため木材である梁部材Wと補強鋼板Sとの剛性のバランスが良くなり、理論的にも十分な合成効果を得ることが出来、それによって安定した品質保証が確保される。
また薄い鋼板の使用が可能であることから、梁材1,2の製造にあたって、鋼板を人力で移動させることが出来、また機械(NC制御の自動機械)加工が可能となるために鋼板の加工が容易となる。また製造設備が小さくで済むため、製造コストをより安く出来る。また両梁半割体3a,4a、3b,4bの補強鋼板S,Sどうしを一体的に接合するボルト・ナット等からなる接合手段が梁材1,2の表面に露出しないため、両梁半割体3,4を接合した後で、梁材1,2の両側面のプレーナー仕上げも可能となり、それにより修正が可能で、高精度で美麗な梁材1,2の製造が可能となる。
両梁半割体3a,4a、3b,4bの補強鋼板S,Sどうしを一体的に接合する接合手段としては、上記のようなボルト・ナット、リベット又はカシメの他に、接着剤を使用してもよく、またボルト・ナット、リベット又はカシメと接着剤とを併用したものであってももよい。
次に、図1において梁材1,2を長手方向に接合している接合部の接合構造について、図2及び図3を参照して説明する。接合される双方の梁材1,2の一方の梁材1の端部には、一方の半割体3aの端部に凸部5と凹部6と(夫々梁部材W及び補強鋼板Sの両方に形成される)が上下方向に交互に複数形成され、他方の梁半割体4aの端部には梁半割体3aの凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ梁半割体3aの凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とが形成され、そして他方の梁材2における一方の梁半割体3bの端部には一方の梁材1の梁半割体3aの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5と(夫々梁部材W及び補強鋼板Sの両方に形成される)が、また他方の梁半割体4bの端部には一方の梁材1の梁半割体4aの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5と(夫々梁部材W及び補強鋼板Sの両方に形成される)が形成されている。
図3から分かるように、各梁半割体3a,4a、3b,4bの各凸部5には補強鋼板S側にボルト挿通孔7が形成され、梁部材W側には補強鋼板S側のボルト挿通孔7に対応する位置にナットNの径より十分大径の操作用孔8が同心状に設けられている。
しかして、双方の梁材1,2の接合端部どうしを接合するには、図2及び図3に示すように、両梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの互いに対向する凸部5凹部6とを凹凸係合させると共に、他方の梁半割体4a,4bの互いに対向する凸部5凹部6とを凹凸係合させた状態で、一方の梁材1の梁半割体3a,4aの補強鋼板S,Sどうしを重ね合わせると共に、他方の梁材1の梁半割体3a,4aの補強鋼板S,Sどうしを重ね合わせた後、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板S側凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板S側の凸部5とを夫々結合手段により結合し、これによって両梁材1,2の接合端部どうしを接合する。
上記結合手段は、この実施形態ではボルトB・ナットNからなるもので、図2の(b) に示すように、ボルトBを、両梁材1,2の一方側の梁半割体4a,4bの梁部材Wの凸部5に形成された操作用孔8から補強鋼板S側の凸部5に形成されたボルト挿通孔7に挿入し、更に他方側の梁半割体3a,3bの補強鋼板Sの凸部5に形成されたボルト挿通孔7から梁部材W側に形成された操作用孔8に挿入して、その操作用孔8からナットNをボルトBの先端部に螺合してナット締め工具で締め付け、これによって双方の梁材1,2の接合端部どうしを接合する。尚、梁材1,2の接合端部どうしを接合した後は、各梁部材Wの凸部5に形成された操作用孔8を前記同様に木栓で塞ぎ、プレーナー仕上げすることにより、接合端部の外側面を美麗にすることができる。
上記結合手段としては、ボルトB・ナットNの他に、リベットやカシメを採用することが出来る。このリベットやカシメの場合にも、梁部材W側の凸部5に操作用孔8を設けることが必要で、ボルトB・ナットNの場合と同様に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板S側凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板S側の凸部5とを夫々リベット結合し、あるいはカシメ結合することによって、両梁材1,2の接合端部どうしを接合することが出来る。
上記のような梁材1,2の接合構造は、双方の梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの端部同士及び他方の梁半割体4a,4bの端部同士を夫々凹凸係合させると共に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板S側凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板S側の凸部5とを夫々重ね合わせてボルトB・ナットN等の結合手段により結合してなるもので、接合にあたって溶接を一切行わないから、有資格の溶接作業者を採用しなくて済み、接合部の非破壊検査も不要となって、加工コストの低廉化を図ることが出来る一方、各梁材1,2が梁部材Wと補強鋼板Sとの合成材でありながら、互いに重ね合わせた補強鋼板S側凸部5のみを結合手段によって結合し、梁部材W側の凸部5には結合手段の締結力を作用させないから、接合部の強度を増大させることが出来ると共に、梁部材W側の凸部5を破損するようなことがない。また、溶接を採用しないことから、梁材1,2の補強鋼板Sとして、プレ塗装鋼板やプレメッキ鋼板を使用しても、防錆処理等の後加工を施す必要がなく、加工コストの一層の低廉化が図られる。
また接合にあたって、結合手段がボルトB・ナットNの場合には、ボルトBを、両梁材1,2の一方側の梁半割体4a,4bの梁部材Wの凸部5に形成した操作用孔8から補強鋼板S側の凸部5に形成したボルト挿通孔7に挿入し、更に他方側の梁半割体3a,3bの補強鋼板Sの凸部5に形成したボルト挿通孔7から梁部材W側に形成された操作用孔8に挿入して、その操作用孔8からナットNをボルトBに螺合してナット締め工具で締め付けるようにし、またリベットやカシメによる場合も、梁部材W側の凸部5に操作用孔8を形成し、ボルトB・ナットNの場合と同様に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板S側凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板S側の凸部5とを夫々リベット結合しあるいはカシメ結合するから、梁材1,2の接合部の外側面にはボルトBの頭やナットN、あるいはリベットやカシメによる突起部が突出せず、従って手足や衣服等を引っ掛けるようなことがなく、安全性に優れ、美観にも優れたものとなる。
図4の(a) は梁材1,2の端部を柱Pに取り付ける取付構造を示す正面図で、図1の矢印Yで示す部分の拡大図、(b) は平面図であり、図5は同取付構造の分解斜視図である。梁材1の端部を柱Pに取り付けるにあたって、柱P側には、図5に示すように、梁材1の製造において一体的に接合される一対の補強鋼板S,Sと同じ一対の取付用補強鋼板S1,S2を取付基板Dから所要長さだけ突出させてなる取付金具20を柱Pにボルト21・ナット22で取り付け固定する。この取付金具20にはその一方の取付用補強鋼板S1の端部に凸部5と凹部6とを上下方向に交互に複数形成し、他方の取付用補強鋼板S2の端部には一方の取付用補強鋼板S1の凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ取付用補強鋼板S1の凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とを形成する。
そして梁材1の端部は、図5から分かるように、取付金具20の基板Dから突出する一対の取付用補強鋼板S1,S2の突出長さに相当する長さ分だけ補強鋼板S,Sを先端から切除し(切除した後には梁半割体3a,4aの先端部間に凹入部27が形成される)、その切除端部において、一方の梁半割体3aの補強鋼板S側端部には柱P側の一方の取付用補強鋼板S1の凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを、また他方の梁半割体4aの補強鋼板S側端部には柱P側の他方の取付用補強鋼板S2の凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを形成し、また取付金具20側の取付用補強鋼板S1,S2の凸部5及び梁材1側の補強鋼板Sの凸部5には夫々ボルト挿通孔7を形成し、また梁材1の各梁半割体3a,4aの梁部材W側には、図4の(a) 及び(b) に示すように、補強鋼板S側のボルト挿通孔7に対応する位置にナットNの径より十分大径の操作用孔8を同心状に形成する。
取付金具20は、その取付基板Dを柱P側に設けた取付用凹部23に嵌合して、柱P及び取付基板Dを貫通する複数のボルト21とナット22によって取り付け固定する。尚、図4及び図5において、24及び25は柱Pに設けたボルト挿通孔及びナット挿入孔である。また、梁材1の先端面には、ボルト21の頭部を埋入させる凹所26を設ける。
しかして、梁材1の端部を柱Pに取り付けるには、柱Pに取り付けた取付金具20の取付用補強鋼板S1,S2を、梁材1の先端部に形成された凹入部27に突入させて、柱P側の取付用補強鋼板S1,S2の凸部5と凹部6を、梁材1側の補強鋼板S,Sの凸部5と凹部6に対し夫々凹凸係合させると共に、柱P側の一方の取付用補強鋼板S1の凸部5と梁材1側の他方の補強鋼板Sの凸部5とを、また柱P側の他方の補強鋼板S2の凸部5と梁材1側の一方の補強鋼板Sの凸部5とを夫々重ね合わせて、ボルトB・ナットNにより結合する。このボルトB・ナットNによる結合方法は、梁材1,2を接合する場合と同様に、ボルトBを、梁材1の一方側の梁半割体4aの梁部材Wに形成された操作用孔8から補強鋼板S,Sの互いに重なり合った凸部5,5のボルト挿通孔7,7に挿入し、他方側の梁半割体3aの梁部材W側に形成された操作用孔8からナットNをボルトBの先端部に螺合し、ナット締め工具で締め付ければよい。
以上は梁材1の端部を柱Pに取り付ける場合についての説明であるが、梁材2の端部も同様である。
図6は本発明に係る梁材1,2の他の接合構造を示す。即ち、梁材1,2を長手方向に接続するにあたって、接合すべき一方の梁材1の端部は、両半割体3a,4aの補強鋼板S,Sを梁部材W,Wの先端から所要長さL突出させ、その一方の梁半割体3a側の補強鋼板Sの端部に凸部5と凹部6とを上下方向に交互に複数形成し、他方の梁半割体4aの補強鋼板Sの端部には梁半割体3a側の補強鋼板Sの凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ梁半割体3a側の補強鋼板Sの凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とを形成する。
そして、接合すべき他方の梁材2の端部は、両半割体3b,4bの補強鋼板S,Sの先端を、梁材1側の補強鋼板S,Sの突出長さLに相当する長さ分だけ梁部材W,Wの先端から切除してた状態とし(切除した後には凹入部28が形成される)、その一方の梁半割体3b側の補強鋼板Sの端部には一方の梁材1の梁半割体3a側の補強鋼板Sの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを、また他方の梁半割体4b側の補強鋼板Sの端部には一方の梁材1の梁半割体4a側の補強鋼板Sの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを形成する。
しかして一方の梁材1先端から突出する補強鋼板S,S部分を他方の梁材2の梁部材W,W間の先端側凹入部28に突入させて、双方の梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの補強鋼板S,Sの端部同士及び他方の梁半割体4a,4bの補強鋼板S,Sの端部同士を夫々凹凸係合させると共に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板Sの凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板Sの凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板Sの凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板Sの凸部5とを夫々重ね合わせて、結合手段により結合することにより、梁材1,2の端部どうしを接合したものである。
上記のような梁材1,2の接合構造によれば、接合にあたり溶接を一切行わないから、有資格の溶接作業者が不要となり、また接合部の非破壊検査も不要となって、加工コストの低廉化を図ることが出来る一方、各梁材1,2が梁部材Wと補強鋼板Sとの合成材でありながら、互いに重ね合わせた補強鋼板S側凸部5のみを結合手段によって結合し、梁部材W側の凸部5には結合手段の締結力を作用させないから、接合部の強度を増大させることが出来ると共に、梁部材W側の凸部5を破損するようなことがなく、また、溶接を採用しないことから、梁材1,2の補強鋼板Sとして、プレ塗装鋼板やプレメッキ鋼板を使用しても、防錆処理等の後加工を施す必要がなく、加工コストの一層の低廉化が図られる。そして、特にこの接合構造では、接合端部の凸部5及び凹部6は、補強鋼板Sの端部のみに形成し、梁部材W側には形成しないため、図3及び図4に示す接合構造に比べ、製作が容易となる。
図6に示す梁材1の端部(梁材2との接合端部と反対側の端部)を柱Pに取り付けるのに、木材製柱部材Hと鋼材Kとの合成材からなる柱Pの鋼材Kに梁材1の端部をボルト結合している。この梁材1の端部は、これ以外の方法によって柱Pに取り付け固定することが出来る。また、この図6に示す梁材1,2は、補強鋼板Sの上下両側端面が梁部材Wの上下両側端面から突出しないように、つまり補強鋼板Sの上下両側端面が梁部材Wの上下両側端面から夫々内方へ例えば4〜5mm程度引っ込むように構成されている。このような構成にすれば、梁材1,2をプレーナーによって仕上げ加工することが出来る。
図7の(a) は本発明に係る他の梁材1,2を示す拡大横断面図であり、(b) は同梁材1,2を一対の梁半割体3a,4a、3b,4b(3,4)と補強鋼板11とに分解した状態での横断面図である。即ち、この梁材1,2は、木材集成材からなる梁部材Wの片側面全長に亘り補強鋼板Sを接着してなる一対の梁半割体3a,4a、3b,4bを形成し、両梁半割体3a,4a、3b,4bの対向する補強鋼板S,S間にその全長に亘って梁部材Wと同じ長さの他の補強鋼板11を介在させ、これらの補強鋼板S,11どうしを接合手段によって一体的に接合してなるものである。補強鋼板S,S間に介在させる補強鋼板11は一枚でもよいし、複数枚でもよい。この梁材1,2も、プレーナーによって仕上げ加工することが出来るように、補強鋼板Sの上下両側端面が梁部材Wの上下両側端面から突出しないように形成されている。
上記接合手段としては、ボルト・ナット、リベット又はカシメを採用することが出来る。ボルト・ナットによる接合手段の場合は、各梁半割体3a,4a、3b,4bの補強鋼板S及び中間に介在する補強鋼板11の夫々所要箇所にボルト挿通孔7を設け、梁部材Wには補強鋼板S,11のボルト挿通孔7に対応する位置にナットNの径より十分大径の操作用孔8を同心状に設けておいて、何れか一方の梁半割体3a,3b又は4a,4bの梁部材Wの操作用孔8から補強鋼板S,11のボルト挿通孔7に通したボルトBを他方の梁半割体4a,4b又は3a,3bの梁部材Wの操作用孔8から補強鋼板Sのボルト挿通孔7に通し入れて、操作用孔8からナットNをボルトBに螺合して締め付けることにより、両梁半割体3,4の補強鋼板S,Sとその間に挟んだ補強鋼板11とを締結して一体的に接合することが出来る。尚、両梁半割体3,4を一体的に接合した後は、各梁部材Wの操作用孔8を前記同様に木栓で塞く。
リベット及びカシメの場合にも、梁部材Wに上記操作用孔8のような孔を設けることが必要で、両梁半割体3a,4a、3b,4bの補強鋼板S,Sどうしをリベット結合し、あるいはかしめることによって、両梁半割体3,4の補強鋼板S,Sとその間に挟んだ補強鋼板11とを締結して一体的に接合することになる。
上記のように両梁半割体3,4の補強鋼板S,Sとその間に挟んだ補強鋼板11とを締結して一体的に接合することにより形成される梁材1,2によれば、補強鋼板S及び他の補強鋼板11として、板厚の薄い鋼板を使用することが出来ながら、十分な強度を有する梁材1,2を形成できると共に、互いに板厚の異なる鋼板の組み合わせや、互いに異なる表面処理材の組み合わせの範囲が広がって、塗装等の省略や機械化、自動化が一層容易となる。
図8の(a) は両梁半割体3,4の補強鋼板S,S間に他の補強鋼板11を介在させた梁材1,2を長手方向に接合する接合構造を示すもので、図2及び図3に示す接続構造とほぼ同様な接合構造の正面図であり、(b) はその平面図である。この接合構造においては、すべき一方の梁材1の端部には、一方の梁半割体3aの端部に凸部5と凹部6とを上下方向に交互に複数形成し、他方の梁半割体4aの端部には梁半割体3aの凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ梁半割体3aの凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とを形成し、そして接合すべき他方の梁材2における一方の梁半割体3bの端部には一方の梁材1の梁半割体3aの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを、また他方の梁半割体4bの端部には一方の梁材1の梁半割体4aの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを形成する。
しかして、双方の梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの端部同士及び他方の梁半割体4a,4bの端部同士を夫々凹凸係合させると共に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板S側の凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板S側の凸部5とを、夫々接合部用中間補強鋼板10を介して結合手段としてのボルトB・ナットNにより接合することによって、両梁半割体3,4の補強鋼板S,S間に他の補強鋼板11を介在させた梁材1,2を接合する。接合手段としては、ボルトB・ナットNの他に、リベット又はカシメを採用することが出来る。
接合部用中間補強鋼板10には、両梁半割体3a,4a、3b,4bの凸部5に設けてあるボルト挿通孔7と対応する位置に同様なボルト挿通孔が設けてあり、従って図8の(b) に示すように、両梁半割体3a,4a、3b,4bの梁部材Wの操作用孔8から挿入したボルトBは、両補強鋼板S,Sのボルト挿通孔7及び中間補強鋼板10のボルト挿通孔7に亘って通されることになる。
このような接合構造によれば、両梁半割体3,4の補強鋼板S,S間に他の補強鋼板11を介在させた梁材1,2を接合するのに溶接を一切行わないから、有資格の溶接作業者を採用しなくて済み、接合部の非破壊検査も不要となって、加工コストの低廉化を図ることが出来る一方、各梁材1,2が梁部材Wと補強鋼板Sとの合成材でありながら、両梁半割体3a,4a、3b,4bの補強鋼板S側凸部5及び中間補強鋼板10を結合手段によって結合し、梁部材W側の凸部5には結合手段の締結力を作用させないから、接合部の強度を増大させることが出来ると共に、梁部材W側の凸部5を破損することがない。
上記のような接合構造では、接合部用中間補強鋼板10を使用する代わりに、両梁材1,2の接合端部間を通るように連続する中間補強鋼板11を使用してもよい。また、この連続する中間補強鋼板11としては、図8の(b) を参照すれば、接合部用中間補強鋼板10を挟んで左側又は右側にある中間補強鋼板11が接合部用中間補強鋼板10と一体に形成されたような補強鋼板11でもよい。
図8に示す接合構造は、図2及び図3に示す接続構造とほぼ同様な接合構造であるが、両梁半割体3,4の補強鋼板S,S間に他の補強鋼板11を介在させた梁材1,2を接合する接合構造としては、図6に示す接合構造と同じ様な構造でもよい。
この場合の接合構造については、直接的な図示は省略するが、同じ様な接合構造を示す図6を参照して説明すれば、接合すべき一方の梁材1の端部は、両半割体3a,4aの補強鋼板S,Sを梁部材W,Wの先端から所要長さL突出させ、その一方の梁半割体3a側の補強鋼板Sの端部に凸部5と凹部6とを上下方向に交互に複数形成し、他方の梁半割体4aの補強鋼板Sの端部には梁半割体3a側の補強鋼板Sの凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ梁半割体3a側の補強鋼板Sの凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とを形成し、接合すべき他方の梁材2の端部は、両半割体3b,4bの補強鋼板S,Sの先端を、梁材1側の補強鋼板S,Sの突出長さに略相当する長さ分だけ梁部材W,Wの先端から切除した状態とし、その一方の梁半割体3b側の補強鋼板Sの端部には一方の梁材1の梁半割体3a側の補強鋼板Sの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを、また他方の梁半割体4b側の補強鋼板Sの端部には一方の梁材1の梁半割体4a側の補強鋼板Sの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを形成する。
しかして、一方の梁材1先端から突出する補強鋼板S,S部分を他方の梁材2の梁部材W,Wの先端側凹入部に突入させて、双方の梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの補強鋼板S,Sの端部同士及び他方の梁半割体4a,4bの補強鋼板S,Sの端部同士を夫々凹凸係合させると共に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板Sの凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板Sの凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板Sの凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板Sの凸部5とを、夫々接合部用中間補強鋼板10又は連続する中間補強鋼板11を介して結合手段により結合してなるものである。
上記のような接合構造によれば、接合するのに溶接を一切行わないから、有資格の溶接作業者が不要となり、また接合部の非破壊検査も不要となって、加工コストの低廉化を図ることが出来る一方、各梁材1,2が梁部材Wと補強鋼板Sとの合成材でありながら、互いに重ね合わせた補強鋼板S側凸部5と接合部用中間補強鋼板10又は連続する中間補強鋼板11との鋼板のみを結合手段によって結合し、梁部材W側の凸部5には結合手段の締結力を作用させないから、接合部の強度を増大させることが出来ると共に、梁部材W側の凸部5を破損するようなことがない。また、この接合構造では、接合端部の凸部5及び凹部6は、補強鋼板Sの端部のみに形成し、梁部材W側には形成しないため、図3及び図4に示す接合構造に比べ、製作が容易となる。
1,2 梁材
3 梁半割体
4 梁半割体
3a,4a 梁半割体
3b,4b 梁半割体
W 梁部材
補強鋼板 補強鋼板
5 凸部
6 凹部
7 ボルト挿通孔
8 操作用孔
3 梁半割体
4 梁半割体
3a,4a 梁半割体
3b,4b 梁半割体
W 梁部材
補強鋼板 補強鋼板
5 凸部
6 凹部
7 ボルト挿通孔
8 操作用孔
Claims (10)
- 木材からなる梁部材Wの片側面全長に亘り補強鋼板Sを接着してなる一対の梁半割体3,4を形成し、両梁半割体3,4の補強鋼板S,Sどうしを接合手段によって一体的に接合してなる梁材。
- 木材からなる梁部材Wの片側面全長に亘り補強鋼板Sを接着してなる一対の梁半割体3,4を形成し、両梁半割体3,4の対向する補強鋼板S,S間にその全長に亘り他の補強鋼板11を介在させ、これらの補強鋼板S,11どうしを接合手段によって一体的に接合してなる梁材。
- 接合手段は、ボルト・ナット、リベット又はカシメからなる請求項1又は2に記載の梁材。
- 接合手段は接着剤からなる請求項1又は2に記載の梁材。
- 接合手段はボルト・ナット、リベット又はカシメと接着剤とを併用することからなる請求項1又は2に記載の梁材。
- 請求項1,3〜5の何れかに記載の梁材1,2を長手方向に接合するにあたり、接合すべき一方の梁材1の端部には、一方の半割体3aの端部に凸部5と凹部6とを上下方向に交互に複数形成し、他方の梁半割体4aの端部には梁半割体3aの凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ梁半割体3aの凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とを形成し、接合すべき他方の梁材2における一方の梁半割体3bの端部には一方の梁材1の梁半割体3aの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを、また他方の梁半割体4bの端部には一方の梁材1の梁半割体4aの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを形成し、しかして双方の梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの端部同士及び他方の梁半割体4a,4bの端部同士を夫々凹凸係合させると共に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板S側凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板S側の凸部5とを夫々重ね合わせて結合手段により結合してなる梁材の接合構造。
- 請求項1,3〜5の何れかに記載の梁材1,2を長手方向に接合するにあたり、接合すべき一方の梁材1の端部は、両半割体3a,4aの補強鋼板S,Sを梁部材W,Wの先端から所要長さL突出させ、その一方の梁半割体3a側の補強鋼板Sの端部に凸部5と凹部6とを上下方向に交互に複数形成し、他方の梁半割体4aの補強鋼板Sの端部には梁半割体3a側の補強鋼板Sの凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ梁半割体3a側の補強鋼板Sの凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とを形成し、接合すべき他方の梁材2の端部は、両半割体3b,4bの補強鋼板S,Sの先端を、梁材1側の補強鋼板S,Sの突出長さに略相当する長さ分だけ梁部材W,Wの先端から切除した状態とし、その一方の梁半割体3b側の補強鋼板Sの端部には一方の梁材1の梁半割体3a側の補強鋼板Sの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを、また他方の梁半割体4b側の補強鋼板Sの端部には一方の梁材1の梁半割体4a側の補強鋼板Sの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを形成し、しかして一方の梁材1先端から突出する補強鋼板S,S部分を他方の梁材2の梁部材W,Wの先端側凹入部に突入させて、双方の梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの補強鋼板S,Sの端部同士及び他方の梁半割体4a,4bの補強鋼板S,Sの端部同士を夫々凹凸係合させると共に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板Sの凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板Sの凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板Sの凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板Sの凸部5とを重ね合わせて夫々結合手段により結合してなる梁材の接合構造。
- 請求項2〜5の何れかに記載の梁材1,2を長手方向に接合するにあたり、接合すべき一方の梁材1の端部には、一方の梁半割体3aの端部に凸部5と凹部6とを上下方向に交互に複数形成し、他方の梁半割体4aの端部には梁半割体3aの凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ梁半割体3aの凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とを形成し、接合すべき他方の梁材2における一方の梁半割体3bの端部には一方の梁材1の梁半割体3aの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを、また他方の梁半割体4bの端部には一方の梁材1の梁半割体4aの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを形成し、しかして双方の梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの端部同士及び他方の梁半割体4a,4bの端部同士を夫々凹凸係合させると共に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板S側の凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板S側の凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板S側の凸部5とを、夫々接合部用中間補強鋼板10又は連続する中間補強鋼板11を介して結合手段により接合してなる梁材の接合構造。
- 請求項2〜5の何れかに記載の梁材1,2を長手方向に接合するにあたり、接合すべき一方の梁材1の端部は、両半割体3a,4aの補強鋼板S,Sを梁部材W,Wの先端から所要長さL突出させ、その一方の梁半割体3a側の補強鋼板Sの端部に凸部5と凹部6とを上下方向に交互に複数形成し、他方の梁半割体4aの補強鋼板Sの端部には梁半割体3a側の補強鋼板Sの凸部5に対応する位置に凹部6が位置し且つ梁半割体3a側の補強鋼板Sの凹部6に対応する位置に凸部5が位置するように凸部5と凹部6とを形成し、接合すべき他方の梁材2の端部は、両半割体3b,4bの補強鋼板S,Sの先端を、梁材1側の補強鋼板S,Sの突出長さに略相当する長さ分だけ梁部材W,Wの先端から切除した状態とし、その一方の梁半割体3b側の補強鋼板Sの端部には一方の梁材1の梁半割体3a側の補強鋼板Sの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを、また他方の梁半割体4b側の補強鋼板Sの端部には一方の梁材1の梁半割体4a側の補強鋼板Sの凸部5及び凹部6に凹凸係合する凹部6と凸部5とを形成し、しかして一方の梁材1先端から突出する補強鋼板S,S部分を他方の梁材2の梁部材W,Wの先端側凹入部に突入させて、双方の梁材1,2の一方の梁半割体3a,3bの補強鋼板S,Sの端部同士及び他方の梁半割体4a,4bの補強鋼板S,Sの端部同士を夫々凹凸係合させると共に、一方の梁材1における梁半割体3aの補強鋼板Sの凸部5と他方の梁材2における梁半割体4bの補強鋼板Sの凸部5とを、また一方の梁材1における梁半割体4aの補強鋼板Sの凸部5と他方の梁材2における梁半割体3bの補強鋼板Sの凸部5とを、夫々接合部用中間補強鋼板10又は連続する中間補強鋼板11を介して結合手段により結合してなる梁材の接合構造。
- 結合手段は、ボルト・ナット、リベット又はカシメよりなる請求項6〜9に記載の梁材の接合構造。
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JP2022046170A (ja) * | 2020-09-10 | 2022-03-23 | 大成建設株式会社 | 梁部材 |
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