JP7394037B2 - 梁部材 - Google Patents

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Description

本発明は、開口部を有し、当該開口部の補強構造に特徴を有する梁部材に関する。
周知のとおり、梁部材は、常時床荷重を支え、地震時には曲げやせん断に抵抗するための構造部材である。この梁部材において、ダクト等を配設するために、長手方向の側面部に設備用の開口部を設ける場合が存在している。このような梁部材では、開口部における強度が低下するため、適切に補強する必要がある。
従来、梁部材50を補強するために、ウェブ51aと上下のフランジ51bを有し、当該ウェブ51aに開口部51cを設けた鋼梁において、L字形鋼板一対を組み合わせた略正方形枠の補強金具55を、その四辺が鋼梁の材軸と略45度に斜交するように開口部51cを囲んで、ウェブ51aの表面に取り付けた開口部51cの補強構造が存在している(図10)(特許文献1)。
特開2003-147901号公報
しかし、従来の補強構造を備える梁部材50は、ウェブ51aの表面に補強金具55を設けるものであり、鉄筋コンクリート梁等のように、幅(厚み)が大きくなる場合には、当該補強金具55の効果が限定的とならざるを得ないという問題点を有していた。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、効果的にひびわれを抑制し、高強度とすることが可能である、開口部を有する梁部材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の梁部材は、長手方向の側面部を貫通する開口部を有する梁本体と、上記梁本体と別体である補強部材とを有し、上記梁本体の内部において、上記開口部における周縁の少なくとも一部に接するように、上記補強部材が上記梁本体に貼設されていること、を特徴としている。
ここで、開口部(下記第1開口部、第2開口部及び第3開口部も同様である)の種類、形状、大きさ、数、形成箇所等には制限はなく、例えば、設備用の梁貫通孔、ボルト孔及び、箱抜き等の欠損部分に関して適用することができる。
また、補強部材(下記第1補強部材及び第2補強部材も同様である)は、各開口部の存在により欠損する梁部材(下記第1梁部材、第2梁部材及び第3梁部材も同様である)における水平又は鉛直の断面積の部分を補強するために設けられるものであり、梁本体と、補強部材のヤング係数比(弾性係数比)を考慮して、その寸法を決定する必要がある。
但し、補強部材等に作用するせん断力が小さい場合、或いは、複数の開口部が存在し、隣接する開口部の距離が長く近接していない場合には、必ずしも、当該開口部が、力学的に構造上の問題とならないこともある。そのため、補強部材等の寸法(厚さ及び開口部以外の面積等)は、諸条件を考慮した上で、適切に定めることができる。
上記補強部材の形状には制限はなく、円形形状、多角形形状(三角形を含む)、帯状等、適宜定めることができる。また、補強部材の弾性係数は、被補強部材である第2梁部材及び第3梁部材のヤング係数と比較して大きくすることで、補強効果を向上させることができるため、鋼製部材とすることが好適である(例えば、鋼材のヤング係数/集成材のヤング係数は20倍以上となる)。
また、上記補強部材は、その構成部分の一部が、開口部における周縁の少なくとも一部に接するように設けられるものであればよい。このとき、補強部材の構成部分の一部は、開口部の周縁に完全に接することまでは要さず、補強効果を奏することが可能となる位置に、近接して設けられるものであれば良い。
さらに、上記補強部材は、接着剤(特に、シリコン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等を含有する有機系接着剤)を用いて取り付けることにより、施工性を高めることができるため好適である。
本発明によれば、梁本体の内部において補強部材が設けられているため、梁本体の幅が厚くなる場合であっても、補強効果を高めることができる。
また、本発明の梁部材は、梁本体と補強部材とを有し、上記梁本体は、長手方向の側面部を貫通する第1開口部を有する第1梁部材と、上記第1開口部と合致する第2開口部を有し、上記第1梁部材における一方の上記側面部に接合する第2梁部材と、を備えており、上記第1梁部材と上記第2梁部材の接合面の間に、上記第2開口部における周縁の少なくとも一部に接するように、第1補強部材が介装されていること、を特徴としている。
また、本梁部材において、上記第1開口部と合致する第3開口部を有し、上記第1梁部材における他方の上記側面部に接合する第3梁部材を備え、上記第1梁部材と上記第3梁部材の接合面の間に、上記第3開口部における周縁の少なくとも一部に接するように、第2補強部材が介装されていること、とすれば好適である。
ここで、上記梁本体は、少なくとも第1梁部材と第2梁部材から構成される複合梁(ハイブリッド梁)であり、さらに、他の梁部材を備えていてもよい。各梁部材は、鉄筋コンクリート梁部材、プレストレストコンクリート梁部材、集成材による梁部材、鋼梁部材、無垢材による梁部材等、種々の構成材料の梁部材を用いることができ、特に、鉄筋コンクリート梁部材と集成材による合成梁とすることが好適である。
また、第1補強部材及び第2補強部材(以下、第1補強部材及び第2補強部材を同時に説明する場合には、「第1補強部材等」という場合がある。)は、その構成部分の一部が、開口部における周縁の少なくとも一部に接するように設けられるものであればよく、例えば、第2開口部及び第3開口部の周縁の一部又は全周を囲繞するように設けることができる。但し、第1補強部材等の構成部分の一部が、上記周縁に完全に接することまでは要さず、補強効果を奏することが可能となる位置に、近接して設けられるものであれば良い。
さらに、本梁部材において、上記第1梁部材、上記第2梁部材及び上記第3梁部材の少なくとも一つが集成材であることとすれば、集成材を使用した梁部材の曲げ性能を充分に発揮させることが可能となり、集成材の有効利用に資することとなるため好適である。
また、上記集成材は、曲げ引張強度に達して破断するまで弾性挙動を示す弾性材料として機能する部材であり、木材であることが一般的であるが、木材に鋼材を内蔵したいわゆるハイブリッドタイプのものでもよく、その種類、形状及び枚数等に制限はない。
本発明によれば、第1補強部材等を用いて、第2開口部(第3開口部)の近傍を補強することにより、第2梁部材(第3梁部材)における第2開口部(第3開口部)の周縁(複数の第2開口部[第3開口部]が存在する場合には、隣接する第2開口部[第3開口部間])におけるせん断破壊(せん断ひび割れ)を防止することができる。また、第1梁部材の第1開口部の直下から延出する曲げひび割れの伸展を抑止することができるため、第1梁部材のひび割れ後の曲げ剛性の保持にも効果的に寄与することが可能となる。
また、本梁部材において、第1補強部材(第2補強部材)における周縁の少なくとも一部に、緩衝材が設けられている構成とすれば好適である。
ここで、上記緩衝材は、その材質等には制限はなく、例えば、発砲ポリスチレン、発砲ポリエチレン等の高分子発泡体を用いることができる。
本梁部材によっても、各梁部材の変形に伴い、少なからず各開口部においてひび割れが生じて変形する場合があり、第1補強部材(第2補強部材)の板厚部がシアキーとなり、第1梁部材が第2梁部材(第3梁部材)に対して、大きな局所応力を生じさせる可能性が存在する。その場合において、極端なケースでは、第2梁部材(第3梁部材)と補強部材の接合面に過大なせん断力が生じ、当該補強部材が剥離する可能性がある。
しかし、第1補強部材(第2補強部材)に緩衝材を設けることにより、第1梁部材が第2梁部材(第3梁部材)に対して生じさせる応力を緩衝材が吸収するため、局所応力の発生を防止することができる。
さらに、本梁部材において、第1開口部、第2開口部及び第3開口部の少なくとも一つにおける周縁において座繰孔が形成されており、第1補強部材が、上記座繰孔に挿着されている構成とすれば好適である。
ここで、座繰孔は、第1補強部材(第2補強部材)が各開口部の端面から突出しないように形成されるものであり、当該各開口部の周縁に沿って形成される段部として、補強部材の形状に適合する形状及び寸法(深さ、長さ等)に形成される必要がある。
本梁部材によれば、座繰孔に第1補強部材(第2補強部材)が挿着されており、当該第1補強部材(第2補強部材)が各開口部の端面から突出しないことになる。そのため、第1補強部材(第2補強部材)がシアキーとなることを防止でき、第1梁部材が第2梁部材(第3梁部材)に対して生じさせる局所応力の発生を防止することが可能となる。
本発明によれば、効果的にひびわれを抑制し、高強度とすることが可能である、開口部を有する梁部材を提供することができる。
本発明の梁部材(第1実施形態)を示す側面図である。 図1におけるX-X断面図である。 本発明の梁部材(第1実施形態)の作用効果を模式的に示す側面図である。 本発明の梁部材(第1実施形態)の変形例を示す側面図である。 本発明の梁部材(第1実施形態)の他の変形例を示す側面図である。 本発明の梁部材(第2実施形態)を示す側面図である。 本発明の梁部材(第3実施形態)を示す図であり、(a)は、側面図であり、(b)は、同図(a)におけるY-Y断面図である。 本発明の梁部材(第3実施形態)の第1変形例を示す、図7(b)に対応する断面図である。 本発明の梁部材(第3実施形態)の第2変形例を示す、図7(b)に対応する断面図である。 従来の梁部材を示す斜視図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の梁部材(以下、「本梁部材」という。)の実施形態の一例について、詳細に説明する。なお、図面に基づく説明では、同一要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
(1)第1実施形態
[本梁部材の構成]
本梁部材1は、複合梁部材として形成されており、梁本体10と、第1補強鋼板15(第1補強部材)及び第2補強鋼板16(第2補強部材)(以下、第1補強鋼板15及び第2補強鋼板16を同時に説明する場合には、「第1補強鋼板等」という場合がある。)を備えている。上記梁本体10は、鉄筋コンクリート梁部材11(以下、「RC梁部材」という。)(第1梁部材)と、集成材による形成されている2体の同一構造である梁部材12,13(以下、「集成材梁部材」という。)(第2梁部材及び第3梁部材)から構成されている(図1、図2)。
RC梁部材11は、床スラブが設けられているT型断面であり、長手方向における下記第1貫通孔11aの下部の所定位置に主鉄筋7(本実施形態では4本)が配筋されている。そして、各主鉄筋7を囲繞するように、長手方向において、所定間隔で、帯鉄筋8が配筋されている。
RC梁部材11の両側の各腹部(鉛直部における長手方向の側面部)において、長手方向の全長にわたり、集成材梁部材12、13が所定本数のビス14により接合されている。RC梁部材11と、各集成材梁部材12,13には、各開口部が合致するように同一の位置に、複数個の貫通孔12a,13aが形成されている。
なお、以下の説明において、RC梁部材11の貫通孔を第1貫通孔11a(第1開口部)と称するとともに、各集成材梁部材12,13の貫通孔をそれぞれ第2貫通孔12a(第2開口部)及び第3貫通孔13a(第3開口部)(以下、第2貫通孔12a及び第3貫通孔13aを同時に説明する場合には、「第2貫通孔等」という場合がある。)と称して区別する。
RC梁部材11と各集成材梁部材12,13の間には、それぞれ、第1補強鋼板15及び第2補強鋼板16が介装されている。各第1補強鋼板15等は円環形状であり、各中央孔15a,16aは、各集成材梁部材12,13における対応する位置に設けられている各第2貫通孔12a及び各第3貫通孔13aと同一形状に形成されている。そして、各中央孔15a,16aの周縁部と、上記第1補強鋼板15等の各第2貫通孔12a及び各第3貫通孔13aの周縁部が合致するように配置されている。
RC梁部材11の第1貫通孔11aの端縁部に沿って段部が形成されており、この部分が座繰孔11bとなっている。上記座繰孔11bの深さは、第1補強鋼板15等の厚さと等しく、当該座繰孔11bに第1補強鋼板15等が挿着された場合に、当該座繰孔11bの端面から突出しないように形成されている。そして、各第1補強鋼板15等は、座繰孔11bに嵌挿され、有機系接着剤により、各集成材梁部材12,13に貼設されている。
[本梁部材の作用効果]
通常、本梁部材1と同様の基本構造である複合梁部材が曲げ荷重を受けた場合において、集成材梁部材は、主として引張材として機能する。その際、集成材梁部材の上側端縁部において、RC梁部材と集成材梁部材の間に、隙間(ずれ変位)が生じる場合がある。
しかし、本梁部材1によれば、第1補強鋼板15等により、第1貫通孔11a、第2貫通孔12a及び第3貫通孔13aの近傍を補強することにより、各集成材梁部材12,13における隣接する第2貫通孔12a及び第3貫通孔13aの間に生じうるせん断ひび割れ(図3における太破線で例示)を防止することができる。また、RC梁部材11の第1貫通孔11aの直下から延出する曲げひび割れの伸展(図3における一点鎖線で例示)を抑止することができるため、RC梁部材11のひび割れ後の曲げ剛性の保持にも効果的に寄与することが可能となる。
また、本梁部材1によれば、多数の貫通孔(第1貫通孔11a、第2貫通孔12a及び第3貫通孔13a)が存在する場合であっても、第1補強鋼板15等により、各貫通孔11a,12a,13aが補強されているため、RC梁部材11と、集成材梁部材12,13を接合するために必要となるビス14の施工位置が限定されることがない。そのため、必要となるビス14を必要な箇所に設けることができ、RC梁部材11と、集成材梁部材12,13の一体性を増加させることが可能となる。また、各貫通孔11a,12a,13aに近接した位置に、集中的にビス14を施工することができるため、各貫通孔11a,12a,13aの近傍において応力集中させることにより、ビス14の「だぼ抵抗」を充分に発揮させることが可能となる。
このように、本梁部材1では、RC梁部材11を、集成材梁部材12,13で補強した構造に効果的に適用可能となる点で、非常に有用である。
[本梁部材(第1実施形態)の変形例]
本梁部材1に使用される第1補強鋼板15等は、他の形態とすることも可能である。
例えば、本梁部材1’において、長方形形状の鋼板の中央に、上記第2貫通孔12a等に外接する正方形形状の中央孔15a’(他方の中央孔は図示せず)を備える第1補強鋼板15’及び第2補強鋼板(図示せず)とするものであってもよい(図4)。
上記長方形形状の第1補強鋼板15’等を使用することにより、上記円環形状の補強鋼板15と比較して、鋼板部分の面積を増大させることができるため、補強効果を増加させることができる。
また、本梁部材1”において、上記第2貫通孔12a等の左右の周縁と接するように、2枚の帯状(細長の長方形形状)の第1補強鋼板15”等(第2変形例)を垂直方向に取り付ける構造とすることも可能である(図5)。
上記帯状の第1補強鋼板15”等を使用することにより、上記円環形状の第1補強鋼板15等と比較して、鋼板の使用量を減少させることができるため、小さい貫通孔である場合及び貫通孔の数が少ない等、せん断力の作用が小さい場合に使用する場合に好適となる。
なお、上記長方形形状の第1補強鋼板15’等の中央孔15a’の形状は、第2貫通孔12aと同一形状であってもよい。
また、複数の形状である補強鋼板を、開口部の形状により使い分けることも可能である。
(2)第2実施形態
第2実施形態の本梁部材2は、第1実施形態の本梁部材1と比較して、第1補強鋼板25及び第2補強鋼板(図示せず)が異なっている。すなわち、本実施形態の第1補強鋼板25等は、第1実施形態の第1補強鋼板15等と比較して、板厚が厚く形成されている円環形状の鋼板であり、当該第1補強鋼板25等の外周部の全周に緩衝材27が設けられている(図6)(なお、符号25aは、第1補強鋼板25の中央孔を示す)。
通常、本梁部材2と同様の基本構造である複合梁部材の場合には、各第2貫通孔等が補強されている場合であっても、集成材梁部材の変形に伴い、第2貫通孔等の周辺部において、少なからず、ひび割れが生じて変形する。その際、板厚が厚い第1補強鋼板等を使用した場合には、当該補強鋼板がシアキーとなり、RC梁部材が各集成材梁部材に対して、大きな局所応力を生じさせる可能性がある。そして、極端なケースでは、集成材梁部材と補強鋼板の接合面に過大なせん断力が生じ、当該補強鋼板が剥離する可能性がある。
しかし、本梁部材2によれば、RC梁部材11が各集成材梁部材12(他方の集成材梁部材は図示せず)に対して生じさせる応力を緩衝材27が吸収することから、局所応力の発生を防止することができる。したがって、各集成材梁部材12に作用するせん断力が大きい場合であっても、第1補強鋼板25等の鋼板部分の面積を抑制した上で、補強効果を向上させることができる。
(3)第3実施形態
第3実施形態の本梁部材3は、第1実施形態の本梁部材1と比較して、RC梁部材31の形状と、各集成材梁部材32,33の第2貫通孔32a及び第3貫通孔33aの形態と、第1補強鋼板15等の取付態様が異なっている。
すなわち、梁本体30は、RC梁部材31と2体の集成材梁部材32,33から構成されている。RC梁部材31は、長方形断面であり、両側面部において長手方向の全長にわたり、集成材梁部材3233が所定本数のビス(図示せず)により接合されている。各集成材梁部材32,33の第2貫通孔32a及び第3貫通孔33aの端縁部に沿って段部が形成されており、この部分が座繰孔32b,33bとなっている。上記座繰孔32b,33bの深さは、第1補強鋼板15及び第2補強鋼板16の厚さと等しく、当該座繰孔32b,33bに第1補強鋼板15等が挿着された場合に、当該座繰孔32b,33bの端面から突出しないように形成されている(図7(a),(b))。
上記本体30において、各第1補強鋼板15等が座繰孔32b,33bに嵌挿され、有機系接着剤により、各集成材梁部材32,33に貼設されている。このため、RC梁部材31と集成材梁部材32,33の間には、間隙が形成されることなく一体的に形成されている。なお、符号31aは、RC梁部材31の第1貫通孔を示す。
本梁部材3によれば、各座繰孔32b,33bに、各第1補強鋼板15等が挿着されており、当該各第1補強鋼板15等が、第2貫通孔32a等の端面から突出しないことになる。そのため、各第1補強鋼板15等がシアキーとなることを防止することができ、RC梁部材31が各集成材梁部材32,33に対して生じさせる局所応力の発生を防止することができる。
また、第1変形例の本梁部材3’として、梁本体30’にRC梁部材を用いることなく、2枚の集成材梁部材32’,33’のみを接合して、複合梁部材とすることもできる(この場合には、一方の集成材梁部材32’が請求項に記載の第1梁部材に相当し、他方の集成材梁部材33’が請求項に記載の第2梁部材に相当することになる)(図8)。この場合には、各第2貫通孔32a’及び各第3貫通孔33a’の端縁部に、それぞれ座繰孔32b’,33b’を形成し、当該各座繰孔32b’,33b’に各第1補強鋼板15及び第2補強鋼板16を挿着して、有機系接着剤で貼設し、各集成材梁部材32’,33’の間に間隙が形成されないようにして接合することとなる。
さらに、第2変形例の本梁部材3”において、せん断力の作用が小さい場合には、一方の集成材梁部材33’の貫通孔(例えば、第3貫通孔33a’)のみを、各第2補強鋼板16を用いて補強することもできる(図9)。この場合には、第3貫通孔33a’の端縁部のみに座繰孔33b’を形成し、当該座繰孔33b’に、第2補強鋼板16を挿着することとなる。なお、符号30”は、梁本体を、符号32”は、他方の集成材梁部材を、符号32a”は、第2貫通孔を、それぞれ示す。
第1変形例及び第2変形例の本梁部材3’,3”によれば、集成材のみにより構成される梁部材への適用が可能となる点で、非常に好適である。
以上、本発明について、好適な実施形態についての一例を説明したが、本発明は当該実施形態に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各構成要素の詳細に関して、適宜設計変更が可能である。
上記の実施形態では説明しなかったが、本梁部材の最も単純な構造として、下記の構造を用いることができる。すなわち、長手方向の側面部に貫通孔(開口部)を有する梁本体において、当該梁本体の側面の表面部ではなく、厚さ方向の内部であって、貫通孔の中間部の近傍に、当該貫通孔を囲繞する円環形状の補強鋼板(補強部材)を設ける構造とすることができる。この補強鋼板は、梁本体とは別体に形成され、当該梁本体の貫通孔を補強する位置に貼設される部材であり、貫通孔を形成するために設けられる継手部を有する管部材等とは異なる役割を奏する。
本発明によれば、集成材の保有する曲げ性能を充分に活用して、梁部材に適用することができため、非常に有益である。
1,1’,1”,2,3,3’,3” 梁部材
10,30,30’,30” 梁本体
11,31 鉄筋コンクリート梁部材
12,13,32,32’,32”,33,33’ 集成材梁部材
15,15’,15”,25 第1補強鋼板
16 第2補強鋼板
27 緩衝材
11a,31a 第1貫通孔
12a,32a,32a’32a” 第2貫通孔
13a,33a,33a’ 第3貫通孔
11b,32b,32b’,33b,33b’ 座繰孔
15a,15a’,16a,25a 中央孔

Claims (4)

  1. 梁本体と補強部材とを有し、
    前記梁本体は、長手方向の側面部を貫通する第1開口部を有する第1梁部材と、
    前記第1開口部と合致する第2開口部を有し、前記第1梁部材における一方の前記側面部に接合する第2梁部材と、を備えており、
    前記第1梁部材と前記第2梁部材の接合面の間に、前記第2開口部における周縁の少なくとも一部に接するように、第1補強部材が介装されており、
    前記第1補強部材における周縁の少なくとも一部に緩衝材が設けられていること、を特徴とする梁部材。
  2. 梁本体と補強部材とを有し、
    前記梁本体は、長手方向の側面部を貫通する第1開口部を有する第1梁部材と、
    前記第1開口部と合致する第2開口部を有し、前記第1梁部材における一方の前記側面部に接合する第2梁部材と、を備えており、
    前記第1梁部材と前記第2梁部材の接合面の間に、前記第2開口部における周縁の少なくとも一部に接するように、第1補強部材が介装されており
    記第2開口部における周縁において座繰孔が形成され、前記第1補強部材が前記座繰孔に挿着されていること、を特徴とする梁部材。
  3. 前記第1梁部材及び前記第2梁部材の少なくとも一方が集成材であること、を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の梁部材。
  4. 前記第1開口部と合致する第3開口部を有し、前記第1梁部材における他方の前記側面部に接合する第3梁部材を備え、
    前記第1梁部材と前記第3梁部材の接合面の間に、前記第3開口部における周縁の少なくとも一部に接するように、第2補強部材が介装されていること、を特徴とする請求項又は請求項に記載の梁部材。
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