JP7276852B2 - 木材の接合構造 - Google Patents

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Description

本発明は、木材の接合構造に関するものである。
現在の木材を使用した構造物は、自然木の良性部分を集成して材料の強度を高めることに加え、金物を木材の接合部位に設けることで強度が高められている。
金物を木材の接合部位に設けた構造物が、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1に開示された構造物は、柱部材にコの字状の金具がボルトによって締結され、コの字状の金具の側面板を梁部材のスリットに差し込み、梁部材の側面からドリフトピンを挿通させることで、構築される。
特開2013-83121号公報
このような構造物(接合構造)では、柱部材と梁部材をコの字状の金具、ボルトあるいはドリフトピンが直接取り付けることで、柱部材と梁部材を接合している。そのため、ボルトとドリフトピンは柱部材と梁部材に直接接触し、柱部材と梁部材との接合部の応力は、分散されず、柱部材と梁部材が有する許容応力を上回らない。
また、従来の木材の接合構造では、木材と金物の協働によって接合部位の強度(接合強度)が決定される。木材は、接合部に用いる金物よりも強度が低く、さらに、木材の種類による木材の特性の不均一性や木材部位の繊維の異方性によって、木材の各部の強度に優劣が生じる。そのため、ドリフトピンを用いて、木材の特性の割裂破壊や剪断破壊を防ごうとしても、ドリフトピンで補強した部材に応力が集中し、木材の特性のめり込みや割裂が発生し、木材同士の接合強度のばらつきを改善させることは困難である。この従来の木材の接合部では、木材(母材)の強度以上にはならず、2、3割程度になっている。
そのため、高層建築物では、高い接合強度を有する鉄骨構造が採用されている。しかし、環境の観点から、木材を活かした大規模高層建築物が望まれており、そのため、鉄骨構造のように、木材の接合部が、木材(母材)強度より高い、接合構造の開発が必要である。
そこで、本発明は、高い接合強度を有する木材の接合構造を提供することを目的とする。
本発明に係る木材の接合構造は、第一係合部を有する第一金属部材が接着剤により固着された一方の木材と、第二係合部を有する第二金属部材が接着剤により固着された他方の木材を接合し、第一係合部及び第二係合部を、少なくとも嵌合金具により、一方の木材と他方の木材が接合され、一方の木材、第一金属部材、嵌合金具、第二金属部材が当接された連続した型式の状態で、一方の木材と他方の木材との接合部に生じる応力が、一方の木材から第一金属部材、嵌合金具、第二金属部材、他方の木材に伝達されることを特徴とする。
本発明に係る木材の接合構造では、一方の木材、第一金属部材、嵌合金具、第二金属部材が当接された連続した型式が、単一あるいは複数により構成されることを特徴とする。
本発明に係る木材の接合構造は、第一金属部材が接着剤により固着され一方の木材と、第二金属部材が接着剤により固着された他方の木材とを嵌合金具で接合するものである。そうすると、一方の木材と他方の木材との接合部に生じる応力が、一方の木材、第一金属部材、嵌合金具、第二金属部材、他方の木材が当接された連続した型式の状態で、一方の木材から第一金属部材、嵌合金具、第二金属部材、他方の木材に伝達される。そのため、接合金具が、木材に直接接触して、取り付けられた従来の方法や木材の接合構造と比較し、木材の特性の影響を受けずに、力を伝達することができる。
したがって、本発明の木材の接合構造とすることで、従来の木材の接合構造よりも、接合強度のばらつきを抑制し、接合強度が格段に高くなる。
本発明の第一実施形態に係る木材の接合構造を説明するための図である。 本発明の第二実施形態に係る木材の接合構造を説明するための図である。 本発明の第三実施形態に係る木材の接合構造を説明するための図である。 本発明の第四実施形態に係る木材の接合構造を説明するための図である。 本発明の第五実施形態に係る木材の接合構造を説明するための図である。(a)接合前の状態、(b)接合後の状態 本発明の第六実施形態に係る木材の接合構造を説明するための図である。(a)接合前の状態、(b)接合後の状態 本発明の第七実施形態に係る木材の接合構造を説明するための図である。(a)接合前の状態、(b)接合後の状態 本発明の第八実施形態に係る木材の接合構造を説明するための図である。(a)接合前の状態、(b)接合後の状態
本実施形態に係る木材の接合構造は、係合金具(金属部材)と嵌合金具(金属部材)を利用して、2つの木材が接合されたものである。
以下、第一実施形態から第七実施形態について、図1から図8を参照し、具体的に説明する。
[第一実施形態]
本実施形態に係る木材の接合構造1Aは、図1に示すように、梁2(第一木材2とも記す。)と柱3(第二木材とも記す。)を、第一鋼板4及び第二鋼板5を使用して、接合された構造である。
[木材]
梁2は、側壁部2Aを有し、柱3と接続される接合端部2Bには、所定の大きさの嵌合溝6が形成されている。この嵌合溝6には、第一鋼板4及び第二鋼板5が嵌合される。嵌合溝6には、段差部材7が設けられており、段差部材7と両側壁部2Aとの間には、スリット7Aがそれぞれ形成されている。
両側壁部2Aには、側壁部2Aのおもて側からスリット7Aまで貫通する貫通孔(図示しない)が高さ方向Yの上方から下方にかけて5つ形成されている。また、段差部材7には、側壁部2Aの貫通孔と対応する位置に、段差部材7を貫通する貫通孔(図示しない)が、高さ方向Yの上方から下方にかけて5つ形成されている。これら側壁部2Aの貫通孔及び段差部材7の貫通孔には、ドリフトピン8が挿入される。
柱3は、側壁部3Aを有し、この側壁部3Aには、側壁部3Aを貫通する貫通孔が高さ方向Yに3つ形成されている。1つの貫通孔に対し、円筒金具9が1つ挿入される。
[鋼板]
第一鋼板(第一金属部材)4は、板状の金具であり、高さ方向Yに、5つの第一貫通孔(第一係合部)4Aが形成されている。この第一貫通孔4Aは、側壁部2Aの貫通孔及び段差部材7の貫通孔と対応する位置に形成されている。この第一鋼板4は、嵌合溝6とスリット7Aに挿入され、スリット7Aに接着樹脂で固着される。
第二鋼板(第二金属部材)5は、コの字状の部材であり、ボルト(嵌合金具)10Aを挿通するための貫通孔5Aが高さ方向Yに3つ形成された底板5Bと、底板5Bの左右から略垂直に延設された一対の側板5Cとを備えている。
両側板5Cには、高さ方向Yに第二貫通孔(第二係合部)5Dが5つ形成されている。この第二貫通孔5Dは、側壁部2Aの貫通孔、第一貫通孔4A,段差部材7の貫通孔と対応する位置に形成されている。この第二鋼板5は、両側板5Cで、段差部材7を挟み込むように設けられる。
梁2と柱3とは、ボルト10A、ナット10B、ワッシャー10Cを使用して接合される。具体的には、第二鋼板5の両側板5Cをスリット7Aに挿入し、第二鋼板5を第一鋼板4と面接触させ、ドリフトピン8を梁2の外側から差し込み、梁2と柱3とを固定する。その後、ボルト10Aを柱3の筒状金具9及び貫通孔5Aに差し込み、ナット10Bで締め付け固定する。この際、柱3とボルト10Aとの間には、ワッシャー10Cを介在させる。
次に、本実施形態に係る木材の接合構造1Aの作用効果について説明する。
本実施形態に係る木材の接合構造1Aでは、梁2、第一鋼板4、ドリフトピン8、第二鋼板5、柱3、円筒金具9、ナット10B、ワッシャー10C、ボルト10Aが当接された連続した型式の状態となる。
そうすると、この木材の接合構造1Aでは、梁2と柱3の接合部に生じるせん断力等が、柱3から円筒金具9、ボルト10A及びナット10B、第一鋼板4、ドリフトピン8、梁2に伝達される。
そうすると、締結金具や接合金具が木材に直接接触された場合と比較すると、木材の特性の影響を受けずに、直接的に応力を伝達することができる。したがって、本実施形態に係る木材の接合構造1Aは、従来の木材の接合構造と比較し、接合強度のばらつきを抑制し、接合強度が格段に高くなる。
[第二実施形態]
本実施形態の木材の接合構造1Bは、梁2の嵌合部6の構造、第二鋼板5の形状、柱3に係合される円筒金具9の位置及び数が、第一実施形態に係る木材の接合構造1Aと相違する。そのため、主として、相違する部分について説明する。
本実施形態で使用する梁2は、図2に示すように、接合端部2Bにスリット7Aが3つ形成され、両側のスリット7Aには、第一鋼板4が差し込まれる。第一鋼板4は、接合端部2B側に露出するように、スリット7Aに接着樹脂によって固定、あるいは、スリット7Aに嵌合される。
本変形で使用する第二鋼板5は、T字状の部材であり、ボルト10Aを挿通するための貫通孔5Aが形成された底板5Bと、底板5Bの中心から略垂直に延設された側板5Cとを備えている。貫通孔5Aは、上側に2つ、下側に2つ、合計4つ形成されている。この底板5Bの貫通孔5Aは、円筒金具9に対応する位置に形成されている。また、側板5Cには、高さ方向Yに向けて3つの第二貫通孔5Dが形成されている。
本実施形態の木材の接合構造1Bでは、側板5Cが、梁2の真ん中のスリット7Aに挿入し、底板5Bを2つの第一鋼板4に離して、平行に設け、ドリフトピン8を挿入することで、締結される。
本実施形態に係る木材の接合構造1Bでは、梁2、第一鋼板4、ドリフトピン8、第二鋼板5が当接された連続した型式の状態となる。
一方、柱3は当接された円筒金具9、ボルト10A及びナット10Bにより、梁2と柱3の接合部に生じる応力が、第一鋼板4、ドリフトピン8、梁2に伝達される。したがって、本実施形態に係る木材の接合構造1Bは、木材の特性の影響を受けずに、直接的に応力を伝達することができ、従来の木材の接合構造と比較し、接合強度のばらつきを抑制し、接合強度が格段に高くなる。
第二鋼板5の形状は、コの字状やT字状のものを使用できるが、これら以外にも、第一鋼板4に力を伝達できる形状であれば、第二鋼板5の形状は適宜変更することができる。
[第三実施形態]
本実施形態に係る木材の接合構造1Cは、接合金具としてドリフトピン8のみを使用して、接合された構造である。
第一木材2は、図3に示すように、接合端部2Bにスリット7Aが3つ形成され、両側のスリット7Aには、それぞれ第一鋼板4が取り付けられる。これらの第一鋼板4は、接合端部2B側に露出するように、スリット7Aに接着樹脂によって固着される。
同様に、第二木材3は、接合端部3Bにスリット3Cが3つ形成され、両側のスリット3Cには、第二鋼板5が設けられる。この第二鋼板5は、接合端部3B側に露出するように、スリット3Cに接着樹脂によって固定、あるいは、スリット3Cに嵌合される。
なお、第一木材2及び第二木材3の側壁には、高さ方向Yに3つの貫通孔(図示しない)がそれぞれ形成されている。また、スリット7Aとスリット3Cは、互いに向き合う位置に形成されている。
第一鋼板4及び第二鋼板5には、第一貫通孔4A,第二貫通孔5Dが、高さ方向Yに3つ形成されている。本実施形態では、第一木材2と第二木材3を接合する際に、1枚の第三鋼板9を使用する。
この第三鋼板9は、平板状であり、この第三鋼板9には、第一鋼板4及び第二鋼板5よりも大きなサイズのものが使用される。第三鋼板9には、高さ方向Yの上方から下方にかけて、6つの貫通孔9Aが形成されている。これらの貫通孔9Aは、第一貫通孔4A、第二貫通孔5Dと対応する位置に形成されている。
第一木材2の接合端部2Bと第二木材3の接合端部3Bを突き合わせることで、第一鋼板4と第二鋼板5とを当接させる。そして、第一鋼板4の真ん中のスリット7Aと第二鋼板5の真ん中のスリット3Cに第三鋼板9を嵌め込み、外側から第一木材2の貫通孔、第一鋼板4の貫通孔4Aにドリフトピン8を挿通させる。同様に、外側から第二木材3の貫通孔、第二鋼板5の貫通孔5Aにドリフトピン8を挿通させる。
このようにして、形成された本実施形態に係る木造構造1Cでは、第一木材2、第一鋼板4、ドリフトピン8、第三鋼板9、ドリフトピン8、第二鋼板5、柱3が当接された連続した型式の状態となる。そうすると、本実施形態に係る木材構造1Cでは、第一木材2と第二木材3の接合部に生じる応力が、第二木材3から当接するドリフトピン8、第三鋼板9、ドリフトピン8、第一鋼板4により、第一木材2に伝達される。そのため、木材の特性の影響を受けずに、応力が伝達される。したがって、本実施形態に係る木材の接合構造1Cは、木材の従来の木材の接合構造と比較し、接合強度従来の木材の接合構造と比較し、接合強度のばらつきを抑制し、接合強度が格段に高くなる。
[第四実施形態]
本実施形態では、ボルト10Aやドリフトピン8を使用しない木材の接合構造1Dについて説明する。この木材の接合構造1Dは、図4に示すように、第一木材2の上側に第二木材3が接合された構造である。
本実施形態では、凹部4Bを有するコの字状の第一鋼板4、凹部5Eを有する第二鋼板5及び平板状の第三鋼板9を使用する。第一鋼板4は、凹部4Bが凹部5Eと相対するように第一木材2に設けられ、第一木材2と凹部4Bと間には、隙間12(第一係合孔)が形成される。一方、第二鋼板5は、凹部5Eが凹部4Bと相対するように第二木材3に設けられ、第二木材3と凹部5Eと間には、隙間13(第二係合孔)が形成される。
第一鋼板4及び第二鋼板5は、接着樹脂によって、第一木材2及び第二木材3にそれぞれ固着されている。
第三鋼板9は、第一木材2と第二木材3の接合鋼板(係合金具)として使用され、この第三鋼板9には、平板状のものが使用される。
本実施形態に係る木材の接合構造1Dは、凹部4B及び凹部5Eに第三鋼板9を挿入すし、第一鋼板4と第二鋼板5突き合わせることで形成される。
そうすると、本実施形態に係る木材の接合構造1Dでは、第一木材2は当接する第一鋼板4、第三鋼板9、第二鋼板5の連続した型式の状態により、第二木材3が接合される。
この際、本実施形態に係る木材構造1Dでは、第一木材2と第二木材3の接合部に生じる応力は、第二木材3、第二鋼板5、第三鋼板9、第一鋼板4、第一木材2に伝達される。そのため、本実施形態に係る木材の接合構造1Dは、木材の特性の影響を受けずに、応力を伝達することができ、従来の木材の接合構造と比較し、接合強度のばらつきを抑制し、接合強度が格段に高くなる。
[第五実施形態]
第一実施形態から第三実施形態では、鋼板を使用した例について説明したが、本実施形態では、接続鋼管を使用して形成された木材の接合構造1Eについて説明する。本実施形態に係る木材構造1Eは、第一木材2の上側に第二木材3が接合された構造である。
第一木材2には、図5(a)に示すように、ドリフトピン8を挿通させるための貫通孔2C及び第一鋼管(第一金属部材)14が設けられる第一の穴(図示しない)が形成されている。第二木材3も同様に、ドリフトピン8を挿通させるための貫通孔3D及び第二鋼管(第二金属部材)15が設けられる第二の穴(図示しない)が形成されている。第一鋼管14及び第二鋼管15は、接着樹脂によって、それぞれ第一木材2及び第二木材3に固着されている。
第一鋼管14及び第二鋼管15には、高さ方向Yに3つの貫通孔14A,15Aが形成され、第一鋼管14の貫通孔14Aは、第一木材2の貫通孔2Cに対応する位置に、第二鋼管15の貫通孔15Aは、第二木材3の貫通孔3Dに対応する位置に形成されている。
本実施形態では、第一鋼管14及び第二鋼管15の内部に挿入される接続鋼管16を使用する。接続鋼管16は、第一鋼管14及び第二鋼管15よりも直径が小さく設計され、ドリフトピン8が挿通される貫通孔16Aが高さ方向Yに6つ形成されている。この貫通孔は、第一鋼管14の貫通孔14Aと第二鋼管15の貫通孔15Aと対応する位置にそれぞれ形成されている。
木材の接合構造1Eでは、図5(b)に示すように、第一木材2と第二木材3を突き合わせることで、第一鋼管14の端部と第二鋼管15の端部が当接される。この際、接続鋼管16は、第一鋼管14と第二鋼管15の内部に配置されている。そして、ドリフトピン8を第一木材2の貫通孔2C,第一鋼管14の貫通孔14A、接続鋼管16の貫通孔16Aに挿通させ、さらに第二木材3の貫通孔3D、第二鋼管15の貫通孔15A、接続鋼管16の貫通孔16Aに挿通させることで、第一木材2と第二木材3は接合される。
本実施形態に係る木材の接合構造1Eでは、第一木材2、第一鋼板4、ドリフトピン8、第二鋼板5、柱3が当接された連続した型式の状態となる。
そうすると、木材の接合構造1Eでは、第一木材2と第二木材3の接合部に生じる応力は、第二木材3から当接するドリフトピン8、第二鋼管15、接続鋼管16、第一鋼管14、ドリフトピン8により第一木材2に伝達される。そのため、本実施形態に係る木材の接合構造1Eは、木材の特性の影響を受けずに、応力を伝達することができ、従来の木材の接合構造と比較し、接合強度のばらつきを抑制し、接合強度が格段に高くなる。
[第六実施形態]
本実施形態の木材の接合構造1Fでは、コの字状の第一鋼板(第一金属部材)24及び第二鋼板(第二金属部材)25を使用して、接合された構造である。図6(a)に示すように、第一鋼板24は第一木材2の接合端部2B側に設けられ、第二鋼板25は第二木材3の接合端部3B側に、接着樹脂によってそれぞれ固着されている。
第一鋼板24は、ボルト10Aを挿通するための第一貫通孔24Aが1つ形成された底板24Bと、この底板24Bの左右端部から略垂直に延設された一対の側板24Cとを備えている。底板24Bは、四角形状であり、側板24Cの厚みよりも厚く形成されている。また、側板24Cは、略四角形状であり、角部は湾曲し、R状となっている。
第二鋼板25は、第一鋼板24を反転したものであり、第一鋼板24と同じ構造を有している。第二鋼板25は、第二貫通孔25Aが形成された底板25Bと、この底板25Bの左右端部から略垂直に延設された一対の側板25Cとを備えている。第二貫通孔25Aは、第一貫通孔24Aと対応する位置に形成されている。
第一木材2には、第一鋼板24を嵌合するための嵌合溝26が形成され、この嵌合溝26には、段差部材27とスリットが形成されている。第一鋼板24は、側板24Cの先端部分をスリットに差し込むことで、嵌合溝26に嵌合され、段差部材27と底板24Bとの間には隙間28が形成される。この際、接合端部2Bに、第一鋼板24の底板24Bは、むき出しの状態となっている。
一方、第二木材3には、第二貫通孔25Aにボルト10Aを挿入した状態で、第二鋼板25が固定される。第二鋼板25の底板25Bは、接合端部3Bに、むき出しの状態となっている。
また、これらの第一鋼板24及び第二鋼板25は、接着樹脂を介して、第一木材2と第二木材3にそれぞれ固定されている。
本実施形態に係る木材の接合構造1Fは、図6(b)に示すように、ボルト10Aを第一貫通孔24Aに挿入し、段差部材27と底板24Bとの間の隙間28からナット10Bを入れ、締結することで、形成される。具体的には、底板24Bと底板25Bとが当接され、ボルト10A及びナット10Bによって締結される。
本実施形態に係る木材の接合構造1Fでは、第一木材2、第一鋼板24、ボルト10A(ナット10B)、第二鋼板25、第二木材3が当接された連続した型式の状態となる。
そうすると、木材の接合構造1Fでは、第一木材2と第二木材3の接合部に生じる応力は、第二木材3から当接する第二鋼板25、ボルト10A及びナット10B、第一鋼板24により第一木材2に伝達される。そのため、本実施形態に係る木材の接合構造1Fは、木材の特性の影響を受けずに、応力を伝達することができ、従来の木材の接合構造と比較し、接合強度のばらつきを抑制し、接合強度が格段に高くなる。
なお、本実施形態では、ボトル10Aを一つ使用した例を示したが、複数使用することもできる。この場合、ボルト10Aの数に合わせて、第一貫通孔24A、第二貫通孔25Aを形成する。
[第七実施形態]
本実施形態の木材の接合構造1Gでは、コの字状の第一鋼板(第一金属部材)34及びT字状の第二鋼板(第二金属部材)35を使用して、接合された構造である。
第一鋼板34は、図7(a)に示すように、第一突出部34Aが外側に形成された底板34Bと、一対の側板34Cとを有している。この第一鋼板34は、第一貫通孔24Aが形成されていない点及び底板34Bに第一突出部34Aが形成されている点以外は、第一鋼板24と同じ構造である。
一方、第二鋼板(第二金属部材)35は、第二突出部35Aが外側に形成された底板35Bと、底板35Bの中央から延設された1つの側板34Cとを有している。
第一鋼板34は、第一突出部34Aが接合端部側にむき出しとなるように、第一部材2に取り付けられ、第二鋼板35は、第二突出部35Aが接合端部側にむき出しとなるように取り付けられている。この際、第一鋼板34及び第二鋼板35は、第一突出部34Aと第二突出部35Aとが対向する位置となるように取り付けられている。
第一鋼板34及び第二鋼板35は、接着樹脂を介して、第一木材2及び第二木材3にそれぞれ固着されている。
第一突出部34Aは、突出部材34Dと突出部材34Eが高さ方向Yに所定の間隔をあけて設けられることで形成されている。また、突出部材34Dと突出部材34Eには、それぞれ溝が形成され、突出部材34Dと突出部材34Eとの間には、接合金具36が挿通される第一係合孔(第一係合部)34Fが形成されている。
第二突出部35Aも同様に、溝が形成された突出部材35Dと突出部材35Eが高さ方向Yに所定の間隔をあけて設けられることで形成され、突出部材35Dと突出部材35Eとの間には、接合金具36が挿通される第二係合孔(第二係合部)35Fが形成されている。本実施形態で使用する接合金具36は、棒状であり、中央に、相対するように長手方向に沿ったV字状の溝が形成されている。
本実施形態に係る木材の接合構造1Gは、図7(b)に示すように、第一突出部34Aと第二突出部35Aが当接されることで、第一係合孔34Fと第二係合孔35Fによって形成された係合孔に、接合金具36を差し込むことで形成される。
本実施形態に係る木材の接合構造1Gでは、第一木材2、第一鋼板34、接合金具36、第二鋼板35、柱3が当接された連続した型式の状態となる。
そうすると、木材の接合構造1Gでは、第一木材2と第二木材3の接合部に生じる応力が、第二木材3から当接する第二鋼板35、接合金具36、第一鋼板34により第一木材2に伝達される。そのため、本実施形態に係る木材の接合構造1Gは、木材の特性の影響を受けずに、応力を伝達することができ、従来の木材の接合構造と比較し、接合強度のばらつきを抑制し、接合強度が格段に高くなる。
[第八実施形態]
本実施形態の木材の接合構造1Hでは、図8(a)に示すように、半円状に抉られた第一取付部41が形成された第一鋼板(第一金属部材)44及び半円状に抉られた第二取付部42が形成された第二鋼板(第二金属部材)45及び円盤状の接続部材43を使用して、接合された構造である。第一取付部41と第二取付部42には、周縁に4つの溝43Aが形成された接続部材43が嵌め込まれ、取り付けられる。
第一鋼板44は、平板状であり、第一取付部41には、2つの第一溝41Aが形成されている。同様に、第二鋼板45は平板状であり、第二取付部42には、2つの第二溝42Aが形成されている。第一溝41A及び第二溝42Aは、溝43Aとともに、ドリフトピン8が挿通される貫通孔(係合部)46を構成する。
また、第一鋼板44は、第一取付部41が接合端部側となるように第一木材2に設けられ、第二鋼板45は、第二取付部42が接合端部側となるように第二木材3に設けられている。この第一鋼板44及び第二鋼板45は、接着樹脂によって、第一木材2及び第二木材3にそれぞれ固着されている。
本実施形態に係る木材の接合構造1Hは、図8(b)に示すように、第一鋼板44と第二鋼板45が当接され、第一取付部41と第二取付部42によって形成される孔に接続部材43が嵌め込まれ、挿通部46にドリフトピン8を挿通させることで、形成される。
本実施形態に係る木材の接合構造1Hでは、第一木材2、第一鋼板44、ドリフトピン8、接続部材43、第二鋼板45、第二木材3が当接された連続した型式の状態となる。
そうすると、木材の接合構造1Hでは、第一木材2と第二木材3の接合部に生じる応力は、第二木材3から当接する第二鋼板45、ドリフトピン8、第一鋼板44により第一木材2に伝達される。そのため、本実施形態に係る木材の接合構造1Hは、木材の特性の影響を受けずに、力を伝達することができ、従来の木材の接合構造と比較し、接合強度のばらつきを抑制し、接合強度が格段に高くなる。
以上、本実施形態について説明したが、これ以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施の形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。本実施形態では、主として、接合部におけるせん断力について説明したが、他の応力である引張力や圧縮力も同様に伝わる。そのため、本実施形態で説明した木材の接合構造は、従来の木材の接合構造と比較し、接合強度が高くなる。
また、本実施形態では、型式が単一である場合について説明したが、型式を複数設けることで木材同士を接合する構造とすることもできる。
1A~1H 木材の接合構造
2 梁(第一木材)
2A 側壁部
2B 接合端部
3 柱(第二木材)
3A 側壁部
3B 接合端部
3C スリット
3D 貫通孔
4 第一鋼板(第一金属部材)
4A 第一貫通孔(第一係合部)
4B 凹部
5 第二鋼板(第二金属部材)
5A 貫通孔
5B 底板
5C 側板
5D 第二貫通孔(第二係合部)
5E 凹部
6,26 嵌合溝
7,27 段差部材
7A スリット
8 ドリフトピン(嵌合金具)
9 第三鋼板
10A ボルト(締結金具)
10B ナット(締結金具)
10C ワッシャー
12,13 隙間(係合部)
14 第一鋼管(第一金属部材)
15 第二鋼管(第二金属部材)
16 接続鋼管
16 貫通孔
24,34,44 第一鋼板(第一金属部材)
24A 第一貫通孔(第一係合部)
24B 底板
24C 側板
25,35,45 第二鋼板(第二金属部材)
25A 第二貫通孔(第二係合部)
25B 底板
25C 側板
28 隙間
34A 第一突出部
34B,35B 底板
34C,35C 側板
34D,34E,35D,35E 突出部材
34F 第一係合孔(第一係合部)
35A 第二突出部
35F 第二係合孔(第二係合部)
36 接合金具
41 第一取付部
41A 第一溝
42 第二取付部
42A 第二溝
43 接続部材
46 貫通孔(係合部)
X 前後方向
Y 高さ方向

Claims (2)

  1. 第一係合部を有する第一金属部材が接着剤により固着された一方の木材と、
    第二係合部を有する第二金属部材が接着剤により固着された他方の木材を接合する木材の接合構造であって、
    前記第一金属部材が前記一方の木材の内部に固着され、かつ前記第二金属部材が前記他方の木材の内部に固着され、
    前記第一係合部及び前記第二係合部を、少なくとも嵌合金具により、前記一方の木材と前記他方の木材が接合され、前記一方の木材、前記第一金属部材、前記嵌合金具、前記第二金属部材、前記他方の木材が当接された連続した型式の状態で、
    前記一方の木材と前記他方の木材との接合部に生じる応力が、前記一方の木材から前記第一金属部材、前記嵌合金具、前記第二金属部材、前記他方の木材に伝達されることで、前記一方の木材及び前記他方の木材の影響を受けずに前記応力を伝達でき、接合強度のばらつきを抑制する、
    ことを特徴とする木材の接合構造。
  2. 前記一方の木材、前記第一金属部材、前記嵌合金具、前記第二金属部材が当接された連続した型式が、単一あるいは複数により構成される、
    ことを特徴とする請求項1に記載の木材の接合構造。
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