JP2005314750A - スズ又はスズ合金メッキ方法 - Google Patents

スズ又はスズ合金メッキ方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ニッケルの下地メッキ法において、上層のスズ又は鉛フリーのスズ合金皮膜でのスズホイスカーの発生を一層確実化する。
【解決手段】 素地表面上に予めニッケルの下地メッキ皮膜を形成した後、その上にスズ又はスズ合金皮膜を形成するメッキ方法において、スズ合金が、スズと、銀、ビスマス、ニッケル、亜鉛、アンチモン及びインジウムからなる金属との合金であり、ニッケルの下地皮膜が、ホウ素、硫黄及び鉄からなる群より選ばれた元素の少なくとも一種以上を0.01〜3重量%の割合で皮膜中に含有させたメッキ皮膜であるスズ又はスズ合金メッキ方法である。また、上層がスズ−銅合金皮膜の場合には、ニッケルの下地皮膜にホウ素、硫黄を微量含有する。特定の元素を微量含有することでニッケル皮膜の結晶粒が微細化するため、上層のスズ又はスズ合金皮膜のホイスカー発生をより確実に防止できる。
【選択図】 なし

Description

本発明はニッケルの下地メッキ皮膜の上にスズ又はスズ合金メッキ皮膜を形成するスズ又はスズ合金メッキ方法に関して、スズ皮膜又は鉛フリーのスズ合金皮膜上でのホイスカーの発生を有効に防止できるものを提供する。
スズ又はスズ合金メッキはハンダ付け性、耐食性などに優れるため、電子部品、電気部品、或は自動車部品などの工業メッキ分野に汎用されている。
一方、近年、鉛の人体や環境への悪影響が懸念されるようになり、スズメッキや、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−銅合金、スズ−亜鉛合金などの鉛フリーのハンダメッキへの切り替えが進んでいる。
しかしながら、スズ皮膜、或は鉛フリーのスズ合金皮膜を金属素地に被覆すると、スズホイスカーが発生して短絡や電子回路のノイズの原因になり、電気・電子部品などの信頼性を低下させることが問題になっている。
スズホイスカーを防止する方法としては、メッキ後にアニール処理を施したり、或は、素地表面上に予めニッケル又はニッケル合金などの特定金属を下地メッキした後、スズ又はスズ合金メッキを施す方法が知られている。
例えば、ニッケル系の下地メッキを施す防止方法として、特許文献1には、ニッケル、ニッケル合金の下地金属を1μm以下の薄い膜厚で素地表面上に堆積させた後、この下地金属上にスズ又はスズ合金層を堆積させて、スズホイスカーの発生と下層のクラッキングを防止する方法が開示されている(特許請求の範囲、段落9参照)。
一方、本出願人は特許文献2で、素地表面上にニッケルメッキを施した後、この下地ニッケル皮膜上にスズ−銅合金メッキを施すことによりホイスカーを防止し、また、下地ニッケル皮膜にコバルト、鉄、リンの元素を微量混入させると、ホイスカー防止の点で優位性が増すことを開示した(請求項1と3、段落19参照)。
特開2003−49293号公報 特開2002−302790号公報
上記特許文献1の方法では、ニッケル下地皮膜の平滑性などの性状によってホイスカーが発生する恐れがあり、或は、スズ又はスズ合金メッキを施してから長期間になると、ホイスカー発生防止の確実性が低下する恐れがあるため、高密度実装が要求される最近の電子部品では、製品の信頼性を確保することが容易でない。
本発明は、このニッケルの下地メッキ法において、上層のスズ又は鉛フリーのスズ合金皮膜でのスズホイスカーの発生を一層確実に防止することを技術的課題とする。
本発明者らは、ニッケルの下地メッキ皮膜の上にスズ−銅合金メッキを施す際に、ニッケル皮膜にコバルト、鉄などを微量含有すると、ホイスカー防止の点で優位性が増すという前記特許文献2の発明を出発点として、さらに鋭意研究を重ねた結果、上層がスズ又はスズ−銅合金を除くスズ合金皮膜の場合、ニッケルの下地皮膜にホウ素、硫黄、鉄から成る群より選ばれる一種以上の元素を微量含有させると、ニッケル皮膜の結晶性の改善に伴って上層のスズ系皮膜のストレスが軽減されて、従来のニッケル皮膜上にスズ又はスズ合金メッキを施すよりも上層皮膜のホイスカーの発生を一層確実に防止できること、また、上層がスズ−銅合金皮膜の場合でも、ニッケルの下地皮膜にホウ素、硫黄の少なくとも一種を微量含有させると同様の実効性が得られることを見出し、本発明を完成した。
即ち、本発明1は、素地表面上に予めニッケルの下地メッキ皮膜を形成した後、このニッケルの下地皮膜上にスズ又はスズ合金メッキ浴を用いてスズ又はスズ合金皮膜を形成するメッキ方法において、
上記スズ合金が、スズと、銀、ビスマス、ニッケル、亜鉛、アンチモン及びインジウムからなる群より選ばれた金属の少なくとも一種以上との合金であり、且つ、
上記ニッケルの下地皮膜が、ホウ素、硫黄及び鉄からなる群より選ばれた元素の少なくとも一種以上を0.01〜3重量%の割合で皮膜中に含有させたメッキ皮膜であることを特徴とするスズ又はスズ合金メッキ方法である。
本発明2は、素地表面上に予めニッケルの下地メッキ皮膜を形成した後、このニッケルの下地皮膜上にスズ−銅合金メッキ浴を用いてスズ−銅合金皮膜を形成するメッキ方法において、
上記ニッケルの下地皮膜が、ホウ素、硫黄からなる群より選ばれた元素の少なくとも一種以上を0.01〜3重量%の割合で皮膜中に含有させたメッキ皮膜であることを特徴とするスズ−銅合金メッキ方法である。
本発明3は、上記本発明1又は2において、ニッケルの下地メッキ皮膜を電気メッキ又は無電解メッキで形成することを特徴とするスズ又はスズ合金メッキ方法である。
本発明4は、上記本発明1〜3のいずれかにおいて、上層のスズ又はスズ合金メッキ皮膜を電気メッキ又は無電解メッキで形成することを特徴とするスズ又はスズ合金メッキ方法である。
本発明5は、上記本発明1〜4のいずれかにおいて、ニッケルの下地メッキ皮膜の膜厚が0.005〜5.0μmであることを特徴とするスズ又はスズ合金メッキ方法である。
本発明6は、上記本発明1〜5のいずれかのスズ又はスズ合金メッキ方法を用いて、素地金属表面上にニッケルの下地メッキ皮膜を介して形成したホイスカー防止式のスズ又はスズ合金メッキ皮膜である。
本発明7は、上記本発明1〜5のいずれかのスズ又はスズ合金メッキ方法を用いて、素地金属表面上にスズ又はスズ合金メッキ皮膜を形成した電子部品である。
前述したように、スズメッキや鉛フリーのスズ合金メッキは人体や環境への悪影響が少なく、スズ−鉛合金に替わる実用メッキの有力候補であるが、ホイスカーが発生し易いという問題がある。
本発明では、下地のニッケル皮膜にホウ素、硫黄、鉄からなる特定の元素を微量含有するため、詳細なメカニズムは不明であるが、この下地ニッケル皮膜を微細な結晶粒に形成できる。このため、緻密な下地ニッケル皮膜上にスズ又は鉛フリーのスズ合金皮膜を形成した場合、上層のスズ系皮膜のストレスが軽減され、上層皮膜に内部応力の歪みが生じる確率が低減されるものと推定できる。
従って、この特定元素を微量含有するニッケルの下地皮膜を電気メッキ又は無電解メッキで素地表面に予め施した上に、スズ又は鉛フリーのスズ合金メッキを施すと、従来のニッケル下地皮膜上にスズ系皮膜を形成するよりも、上層皮膜のホイスカーの発生を一層確実に防止することができ、もって鉛フリーメッキとしての信頼性や実用性を向上できる。 尚、ニッケルメッキ浴に汎用されるワット浴にはホウ酸や硫酸根がベース成分として含まれるが、このワット浴を用いて電気メッキを行っても、後述の比較例1〜2に示すように、ニッケル皮膜中にホウ素や硫黄が混入して来ることはなく、本発明においては、ホウ素、硫黄などの特定元素を含む化合物を添加剤としてニッケルメッキ浴に含有することなどにより、ニッケル下地皮膜中に積極的にこれらの特定元素を微量含有させることを特徴とする。
本発明は、第一に、銅又は銅合金などの素地表面上に、特定の元素を微量含有するニッケルの下地メッキ皮膜を予め形成した後、この下地皮膜の上にスズ又は鉛フリーのスズ合金メッキ皮膜を形成して、上層メッキ皮膜にホイスカーが発生するのをより確実に防止する方法であり、第二に、このメッキ方法を用いて素地表面上にニッケルの下地メッキ皮膜を介して形成したホイスカー防止式のスズ又はスズ合金メッキ皮膜であり、また、当該スズ系皮膜を形成した電子部品である。
本発明1に示すように、上層メッキ皮膜がスズ皮膜、或は、スズ−銅合金を除く鉛フリーの特定のスズ合金の場合には、ニッケルの下地皮膜に含有される特定元素は、ホウ素、硫黄及び鉄からなる群より選ばれた元素の少なくとも一種以上である。従って、ホウ素、硫黄、鉄のいずれかを単用しても良いし(後述の実施例1〜8参照)、これらの元素の2種又は3種を併用しても良い(後述の実施例9参照)。
本発明1のスズ合金は、スズと、銀、ビスマス、ニッケル、亜鉛、アンチモン及びインジウムからなる群より選ばれた金属の少なくとも一種以上との合金であり、具体的には、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−ニッケル合金、スズ−亜鉛合金、スズ−アンチモン合金、スズ−インジウム合金の2元合金を初め、スズ−銀−ビスマス合金、スズ−ビスマス−アンチモン合金などの3元合金、或は他の多元合金であり、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−亜鉛合金が好ましい。
また、本発明2に示すように、上層メッキ皮膜がスズ−銅合金皮膜の場合には、ニッケルの下地皮膜に含有される特定元素は、ホウ素及び/又は硫黄である。この場合、スズ−銅合金は、スズと銅を必須成分として含むスズ−銅系合金を意味し、2元合金であるスズ−銅合金の外に、スズ−銅−ビスマス合金、スズ−銅−銀合金、スズ−銅−アンチモン合金などの3元合金、或は他の多元合金を含み、スズ−銅合金が好ましい。
このニッケルの下地皮膜に微量含有する元素であるホウ素の供給源としては、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム等の水素化ホウ素化合物、ジメチルアミンボラン、トリエチルボラン、カテコールボラン、9−ボラビシクロ[3,3,1]ノナン等のボラン化合物、トリエタノールアミンボレートなどが挙げられる。
同じく硫黄の供給源としては、チオ尿素、二酸化チオ尿素、アリルチオ尿素、エチレンチオ尿素、sym.−ジ−o−トリルチオ尿素、1,3−ビス(ヒドロキシメチル)チオ尿素、塩酸ベンジルイソチオ尿素、2−マロニルチオ尿素、S−メチルイソチオ尿素硫酸塩、N,N′−ジフェニルチオ尿素、トリメチルチオ尿素、N,N′−ジエチルチオ尿素、1−ナフチルチオ尿素等のチオ尿素系化合物;2−メルカプトベンゾチアゾール、ジベンゾチアゾールジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールのシクロヘキシルアミン等のチアゾール系化合物;N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のチウラム系化合物;ペンタメチレンジチオカルバミン酸ピペリジン塩、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ジブチルジチオカルバミン酸ナトリウム、N,N−ジメチルジチオカルバミン酸−(3−スルホプロピル)エステル等のジチオカルバミン酸塩系化合物;4,4′−チオジフェノール、4,4′−ジチオモルホリン等のスルフィド系化合物;2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトメチルベンズイミダゾール等のベンツイミダゾール系化合物;チオジプロピオン酸ジラウリル等の有機チオ酸系化合物;2−ベンゾキサゾールチオール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール二カリウム、チオグリコール、チオグリコール酸、チオジグリコール酸等のメルカプト化合物;N−(3−スルホプロピル)−o−スルホベンズイミド、スルホアニリド等のスルホンイミド化合物;チオアセトアミド等のチオアミド化合物;ピリジニウムプロピルスルホン酸ナトリウム、ピリジニウムヒドロキシプロピルスルホン酸ナトリウム等のスルホン酸化合物;S−イソチウロニウム−3−プロパンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、鉄の供給源としては、硫酸鉄、塩化鉄、黄血塩、赤血塩、硫酸アンモニウム鉄(II)、硫酸アンモニウム鉄(III)等の無機鉄化合物、フェロセン、アセチルフェロセン、n−ブチルフェロセン、N,N−ジメチルフェロセン、鉄ポルフィリン、エチレンジアミンテトラ酢酸鉄塩、ジエチレントリアミンペンタ酢酸鉄塩、1,3−プロパンジアミンテトラ酢酸鉄塩などが挙げられる。
上記微量含有する特定元素は単用又は併用でき、下地皮膜中の含有量は0.01重量%〜3重量%、好ましくは0.05重量%〜1重量%である。0.01重量%より少ないと所望のホイスカー防止効果が得られず、また、3重量%より多いとハンダ濡れ性が劣化したり、下地皮膜に悪影響が生じ、上層のスズ系皮膜のストレスが軽減されずにホイスカー防止効果が低減してしまう。
なお、ニッケルメッキ浴においては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸をベースとするワット浴が光沢ニッケル浴として汎用され、また、スルファミン酸ニッケル、臭化ニッケル、ホウ酸をベースとするスルファミン酸浴も同様に使用されるが、前述したように、これらの浴を使用してもホウ素、或は硫黄がニッケル皮膜中に取り込まれることはなく(後述の比較例1〜2参照)、ニッケル皮膜中には上述の化合物を用いて特定の元素を積極的に微量含有させる必要がある。
本発明3に示すように、ニッケルの下地皮膜は公知の電気ニッケルメッキ又は無電解ニッケルメッキ(浸漬メッキ浴を含む概念である)により形成され、その組成は特に限定されない。
上記電気ニッケルメッキ浴では、通常、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸をベースとするワット浴が使用でき、また、スルファミン酸ニッケル、臭化ニッケル、ホウ酸をベースとするスルファミン酸浴を使用しても差し支えない。
当該ニッケルメッキ浴には、市販の添加剤を含有できることはいうまでもない。
また、下記の一次光沢剤と二次光沢剤を浴に添加することができ、2種類の光沢剤を併用添加すると、被メッキ物に光沢を良好に付与することができる。一次光沢剤としては、ベンゼンスルホン酸、1,3,6−ナフタレンスルホン酸ナトリウム、p−トルエンスルホン酸アミド、サッカリン、チオフェン−2−スルホン酸、アリルスルホン酸、プロパギルアルコールなどが挙げられ、二次光沢剤としては、ホルムアルデヒド、アリルスルホン酸、2−ブチン−1,4−ジオール、エチルシアンヒドリン、キノリンメチオダイドなどが挙げられる。
一方、上記無電解ニッケルメッキ浴においても市販のニッケルメッキ液が使用できる。また、無電解ニッケル浴は、硫酸ニッケルなどの可溶性ニッケル塩、次亜リン酸ナトリウムなどの還元剤、乳酸、プロピオン酸、酢酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、リンゴ酸、クエン酸ナトリウムなどの錯化剤から構成される公知の浴を使用することができる。
上記ニッケルメッキ浴で電気メッキを行う場合、浴温は30〜70℃が好ましく、電流密度は0.5〜20A/dm2程度が好ましい。
本発明5に示すように、ニッケルの下地メッキ皮膜の膜厚は基本的に限定されないが、0.005〜5.0μmが適当であり、好ましくは0.01〜3.0μm、より好ましくは0.05〜1.0μmである。0.005μmより薄いとポーラスになるため、スズホイスカーの抑止効果が低下する恐れがある。また、5.0μmより厚いと成型加工時の延性に乏しくクラックが生じ易いとともに、コストと作業性を低下させるという問題点もある。
本発明4に示すように、ニッケル下地皮膜の上にスズ又はスズ合金メッキ皮膜を形成する場合、公知の電気メッキ浴又は無電解メッキ浴(浸漬メッキ浴を含む)を問わずに使用でき、その組成は特に限定されない。
上記スズ又はスズ合金メッキ浴において、浴ベースとしての酸又はその塩は、基本的に有機酸浴、無機酸浴、或はそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などである。上記有機酸としては、有機スルホン酸、脂肪族カルボン酸などが挙げられ、無機酸としては、硫酸、塩酸、ホウフッ化水素酸、ケイフッ化水素酸、スルファミン酸などが挙げられる。このなかでは、硫酸浴を初め、スズの溶解性、排水処理の容易性などの見地から有機スルホン酸又はその塩の浴も好ましい。
上記有機スルホン酸は、アルカンスルホン酸、アルカノールスルホン酸、スルホコハク酸、芳香族スルホン酸などであり、アルカンスルホン酸としては、化学式Cn2n+1SO3H(例えば、n=1〜11)で示されるものが使用でき、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1−プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、1−ブタンスルホン酸、2−ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸などが挙げられる。
上記アルカノールスルホン酸としては、化学式
m2m+1-CH(OH)-Cp2p-SO3H(例えば、m=0〜6、p=1〜5)
で示されるものが使用でき、具体的には、2−ヒドロキシエタン−1−スルホン酸(イセチオン酸)、2−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸(2−プロパノールスルホン酸)、2−ヒドロキシブタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシペンタン−1−スルホン酸などの外、1−ヒドロキシプロパン−2―スルホン酸、3−ヒドロキシプロパン−1−スルホン酸、4−ヒドロキシブタン−1−スルホン酸、2−ヒドロキシヘキサン−1−スルホン酸などが挙げられる。
上記酸又はその塩は単用又は併用でき、その含有量は0.1〜5mol/Lが適当であり、好ましくは0.3〜3mol/Lである。
スズ又はスズ合金メッキ浴に用いる可溶性第一スズ塩は、基本的に水中でSn2+を発生させる有機又は無機のスズ塩であり、具体的には、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、2−プロパノールスルホン酸、スルホコハク酸、p−フェノールスルホン酸などの有機スルホン酸の第一スズ塩を初め、ホウフッ化第一スズ、硫酸第一スズ、酸化第一スズ、ピロリン酸スズ、スルファミン酸スズ、塩化第一スズ、亜スズ酸塩などが挙げられる。
上記可溶性第一スズ塩は単用又は併用でき、そのメッキ浴に対する含有量は金属換算で0.5〜400g/Lが適当であり、好ましくは1〜250g/Lである。
上記スズ合金メッキ浴の場合、スズと合金を形成する各種金属の可溶性塩は基本的に酸化物、ハロゲン化物、無機酸又は有機酸の塩である。
先ず、可溶性銀塩の具体例としては、有機スルホン酸銀を初め、シアン化銀、ホウフッ化銀、硫酸銀、亜硫酸銀、炭酸銀、スルホコハク酸銀、硝酸銀、クエン酸銀、酒石酸銀、グルコン酸銀、シュウ酸銀、酸化銀、酢酸銀などが挙げられる。
次いで、可溶性ビスマス塩としては、硫酸ビスマス、酸化ビスマス、塩化ビスマス、臭化ビスマス、硝酸ビスマス、有機スルホン酸のビスマス塩、スルホコハク酸のビスマス塩などが挙げられる。
可溶性銅塩としては、上記有機スルホン酸の銅塩、硫酸銅、塩化銅、酸化銅、炭酸銅、酢酸銅、ピロリン酸銅、シュウ酸銅などが挙げられる。
可溶性ニッケル塩としては、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、スルファミン酸ニッケル、上記有機スルホン酸ニッケルなどが挙げられる。
可溶性亜鉛塩としては、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、酢酸亜鉛、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、上記有機スルホン酸亜鉛などが挙げられる。
可溶性アンチモン塩としては、三酸化二アンチモン、塩化アンチモン、ホウフッ化アンチモン、上記有機スルホン酸アンチモンなどが挙げられる。
可溶性インジウム塩としては、塩化インジウム、硫酸インジウム、酸化インジウム、有機スルホン酸のインジウム塩などが挙げられる。
上記銀、ビスマスなどのスズと合金を形成する特定金属の可溶性塩は単用又は併用できでき、そのメッキ浴に対する含有量は、スズの使用量により変化するが、一般的には金属換算で0.005〜100g/L、好ましくは0.01〜30g/L、より好ましくは0.05〜10g/Lである。
上記スズ又はスズ合金メッキ浴においては、目的に応じて公知の界面活性剤、安定剤、錯化剤、光沢剤、半光沢剤、酸化防止剤、pH調整剤、緩衝剤などの各種添加剤を適宜混合することができる。
上記界面活性剤としては、C1〜C20アルカノール、フェノール、ナフトール、ビスフェノール類、C1〜C25アルキルフェノール、アリールアルキルフェノール、C1〜C25アルキルナフトール、C1〜C25アルコキシル化リン酸(塩)、ソルビタンエステル、スチレン化フェノール類、ポリアルキレングリコール、C1〜C22脂肪族アミン、C1〜C22脂肪族アミドなどにエチレンオキシド(EO)及び/又はプロピレンオキシド(PO)を2〜300モル付加縮合したノニオン系界面活性剤を初め、カチオン系、アニオン系、或は両性の各種界面活性剤が挙げられる。
上記安定剤は液の安定又は分解防止を目的として含有され、具体的には、シアン化合物、チオ尿素類、亜硫酸塩、アセチルシステイン等の含イオウ化合物、クエン酸等のオキシカルボン酸類などの公知の安定剤が有効である。また、後述に列挙した錯化剤も安定剤として有用である。
上記光沢剤としては、m−クロロベンズアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、p−ヒドロキシベンズアルデヒド、1−ナフトアルデヒド、サリチルアルデヒド、パラアルデヒド、アクロレイン、クロトンアルデヒド、グルタルアルデヒド、バニリンなどの各種アルデヒド類、ベンザルアセトン、アセトフェノンなどのケトン類、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和カルボン酸、トリアジン、イミダゾール、インドール、キノリン、2−ビニルピリジン、アニリンなどが挙げられる。
上記半光沢剤としては、チオ尿素類、N−(3−ヒドロキシブチリデン)−p−スルファニル酸、N−ブチリデンスルファニル酸、N−シンナモイリデンスルファニル酸、2,4−ジアミノ−6−(2′−メチルイミダゾリル(1′))エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2′−エチル−4−メチルイミダゾリル(1′))エチル−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2′−ウンデシルイミダゾリル(1′))エチル−1,3,5−トリアジン、サリチル酸フェニル、或は、ベンゾチアゾール、2−メチルベンゾチアゾール、2−(メチルメルカプト)ベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾール、2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール、2−メチル−5―クロロベンゾチアゾール、2−ヒドロキシベンゾチアゾール、2−アミノ−6―メチルベンゾチアゾール、2−クロロベンゾチアゾール、2,5−ジメチルベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、6−ニトロ―2―メルカプトベンゾチアゾール、5−ヒドロキシ−2−メチルベンゾチアゾール、2−ベンゾチアゾールチオ酢酸等のベンゾチアゾール類などが挙げられる。
上記錯化剤としては、主に銀塩、ビスマス塩などの浴中への溶解を安定化する見地から、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、チオ尿素又はその誘導体などを添加できる。
上記酸化防止剤としては、アスコルビン酸又はその塩、ハイドロキノン、カテコール、レゾルシン、フロログルシン、クレゾールスルホン酸又はその塩、フェノールスルホン酸又はその塩、ナフトールスルホン酸又はその塩などが挙げられる。
上記pH調整剤としては、塩酸、硫酸等の各種の酸、水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム等の各種の塩基などが挙げられる。上記緩衝剤としては、リン酸類、塩化アンモニウムなどが挙げられる。
上記スズ又はスズ合金メッキ浴に上記各種添加剤を含有する場合、その含有濃度は、バレルメッキ、ラックメッキ、高速連続メッキ、ラックレスメッキ等の電気メッキ、或は無電解メッキまたは浸漬メッキなどに対応して任意に調整・選択できる。
上記スズ又はスズ合金メッキ浴を用いて電気メッキを行う場合、浴温は0℃以上、好ましくは10〜50℃程度である。陰極電流密度は0.01〜150A/dm2、好ましくは0.1〜30A/dm2程度である。浴のpHも酸性からほぼ中性までの広い領域に適用できる。
上記スズ又はスズ合金皮膜の厚みは特に限定されないが、1〜10μm程度が一般的である。
本発明は、第一に、素地表面に特定元素を微量含有するニッケルの下地皮膜を形成した後、スズ又はスズ合金メッキ皮膜を形成する方法であるが、本発明の適用できる上記素地は、銅、リン青銅、黄銅などの銅合金が代表的であるが、半導体リードフレームなどの各種銅合金、鉄、鋼、42合金、コバールなどの金属や合金に適用でき、或は、セラミックス材、プラスチック材などに適用することもできる。
一方、前述したように、本発明は、第二に、このメッキ方法を用いて素地表面上にニッケルの下地メッキ皮膜を介して形成したホイスカー防止式のスズ又はスズ合金メッキ皮膜である(本発明6参照)。この点を詳述すると、本発明6のスズ系皮膜は、素地表面上にニッケルの下地メッキ皮膜を介してスズ又はスズ合金皮膜を形成するホイスカー防止式のスズ又はスズ合金メッキ皮膜において、下記の(a)又は(b)の条件を満たす2層メッキ型のスズ系皮膜である。
(a)スズ合金が、スズと、銀、ビスマス、ニッケル、亜鉛、アンチモン及びインジウムからなる群より選ばれた金属の少なくとも一種以上との合金であり、且つ、ニッケルの下地皮膜が、ホウ素、硫黄及び鉄からなる群より選ばれた元素の少なくとも一種以上を0.01〜3重量%の割合で皮膜中に含有させたメッキ皮膜である。
(b)スズ合金がスズ−銅合金であり、且つ、ニッケルの下地皮膜が、ホウ素、硫黄からなる群より選ばれた元素の少なくとも一種以上を0.01〜3重量%の割合で皮膜中に含有させたメッキ皮膜である。
尚、前記本発明1〜2のスズ系メッキ方法と同様に、この本発明6の2層メッキ型のホイスカー防止式スズ系皮膜にあっては、下地のニッケル皮膜と上層のスズ系皮膜は電気メッキと無電解メッキのいずれの方式で形成しても良く、また、下地のニッケル皮膜の膜厚は0.005〜5.0μm程度が好ましい。
さらに、本発明7は本発明のメッキ方法を適用した電子部品であり、当該電子部品の具体例としては、半導体デバイス、プリント基板、フレキシブルプリント基板、フィルムキャリアー、抵抗、可変抵抗、コンデンサ、フィルタ、インダクタ、サーミスタ、水晶振動子などのチップ部品、コネクタ、スイッチなどの機構部品、或はフープ材、線材(例えば、リード線)などが挙げられる。また、ウエハーのバンプ電極などのように、電子部品の一部に本発明の方法を適用しても良いことはいうまでもない。
以下、本発明のスズ又はスズ合金メッキ方法の実施例、当該メッキ方法で得られたスズ又はスズ合金皮膜のホイスカー防止評価試験例を順次説明する。
尚、本発明は下記の実施例、試験例に拘束されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意の変形ができることは勿論である。
《スズ及びスズ合金メッキの実施例》
実施例1〜10のうち、実施例1〜2はニッケル下地にホウ素を微量含有し、上層にスズ皮膜を形成した例、実施例3はニッケル下地に硫黄を微量含有し、上層にスズ皮膜を形成した例、実施例4はニッケル下地にホウ素を微量含有し、上層にスズ−銀合金皮膜を形成した例、実施例5はニッケル下地にホウ素を微量含有し、上層にスズ−銀合金皮膜を形成した例、実施例6はニッケル下地に硫黄を微量含有し、上層にスズ−ビスマス合金皮膜を形成した例、実施例7はニッケル下地に硫黄を微量含有し、上層にスズ−ビスマス合金皮膜を形成した例、実施例8はニッケル下地に鉄を微量含有し、上層にスズ−亜鉛合金皮膜を形成した例、実施例9はニッケル下地に鉄を微量含有し、上層にスズ−亜鉛合金皮膜を形成した例、実施例10はニッケル下地にホウ素と硫黄を微量含有し、上層にスズ−ビスマス合金皮膜を形成した例である(即ち、実施例10はニッケル下地皮膜に特定元素を微量併用した例、その他の実施例は特定元素を微量単用した例である)。実施例7〜9は無電解メッキ浴でニッケル皮膜を形成した例、その他の実施例は電気メッキ浴で下地のニッケル皮膜を形成した例である。実施例2は無電解メッキ浴で上層のスズ皮膜を形成した例、その他の実施例は電気メッキ浴で上層のスズ系皮膜を形成した例である。
一方、比較例1〜6のうち、比較例1〜2は上記特許文献1に準拠したもので、比較例1は特定の微量元素を含まず、単にニッケル下地皮膜の上にスズ皮膜を形成したブランク例、比較例2は特定の微量元素を含まないニッケル下地皮膜の上にスズ−銀合金皮膜を形成したブランク例である。比較例3は硫黄の含有量が0.01重量%より少ないニッケル下地皮膜の上にスズ皮膜を形成した例、比較例4は硫黄の含有量が0.01重量%より少ないニッケル下地皮膜の上にスズ−銀合金皮膜を形成した例、比較例5はホウ素の含有量が3重量%より多いニッケル下地皮膜の上にスズ皮膜を形成した例、比較例6はホウ素の含有量が3重量%より多いニッケル下地皮膜の上にスズ−ビスマス合金皮膜を形成した例である。
(A)実施例1
素地金属として、リン青銅(Cu−8質量%Sn−0.1質量%P)を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により電気メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズメッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズメッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中のホウ素の含有量は1.8重量%、下地の膜厚は0.5μmであり、上層スズ皮膜の膜厚は5μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸ニッケル 240g/L
塩化ニッケル 45g/L
ホウ酸 30g/L
水素化ホウ素ナトリウム 5g/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.2g/L
プロパギルアルコール 0.003g/L
pH 4.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:3A/dm2
浴温 :45℃
撹拌 :エアー撹拌
(2)スズメッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L
メタンスルホン酸 100g/L
ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(EO12モル)10g/L
37%ホルマリン 10ml/L
ベンズアルデヒド 0.08g/L
ヒドロキノン 0.5g/L
pH 1.0以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(B)実施例2
素地金属として、銅を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により電気メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズメッキ浴(2)を用いて条件(b)により無電解メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズメッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中のホウ素の含有量は1.5重量%、下地の膜厚は0.2μmであり、上層スズ皮膜の膜厚は1μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸ニッケル 240g/L
塩化ニッケル 45g/L
ホウ酸 30g/L
水素化ホウ素ナトリウム 5g/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.2g/L
プロパギルアルコール 0.003g/L
pH 4.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :45℃
撹拌 :エアー撹拌
(2)スズ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸第一錫 (Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸 100g/L
次亜リン酸 16g/L
チオ尿素 75g/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15モル) 2g/L
pH 1以下に調整
(b)置換メッキ条件
浴温:60℃
(C)実施例3
素地金属として、軟鋼を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて(b)の条件により電気メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズメッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズメッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中の硫黄の含有量は0.05重量%、下地の膜厚は2μmであり、上層スズ皮膜の膜厚は10μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸ニッケル 240g/L
塩化ニッケル 45g/L
ホウ酸 30g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 0.5g/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.2g/L
プロパギルアルコール 0.003g/L
pH 4.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:3A/dm2
浴温 :45℃
撹拌 :エアー撹拌
(2)スズメッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
硫酸 100g/L
ポリオキシエチレンラウリルアミンエーテル(EO18モル) 10g/L
β−ナフトール 1g/L
ヒドロキノン 0.5g/L
pH 1.0以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(D)実施例4
素地金属として、黄銅(Cu−35質量%Zn)を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(B)により電気メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズ−銀合金メッキ浴(2)を用いて条件(B)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズ−銀合金メッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中のホウ素の含有量は1.0重量%、下地の膜厚は0.1μmであり、上層スズ−銀合金皮膜の膜厚は1μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸ニッケル 240g/L
塩化ニッケル 45g/L
ホウ酸 30g/L
水素化ホウ素カリウム 2.0g/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.2g/L
プロパギルアルコール 0.003g/L
pH 4.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:3A/dm2
浴温 :45℃
撹拌 :エアー撹拌
(2)スズ−銀合金メッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.5g/L
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸(遊離酸) 120g/L
チオ尿素 5g/L
N,N′−ジエチルチオ尿素 5g/L
ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン
−ラウリルアミンエーテル(PO7モル・EO12モル) 8g/L
カテコール 1g/L
pH 1.0以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(E)実施例5
素地金属として、銅を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(B)により電気メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズ−銀合金メッキ浴(2)を用いて条件(B)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズ−銀合金メッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中のホウ素の含有量は3重量%、下地の膜厚は3μmであり、上層スズ−銀合金皮膜の膜厚は7μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸ニッケル 240g/L
塩化ニッケル 45g/L
ホウ酸 30g/L
水素化ホウ素ナトリウム 11g/L
pH 4.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :40℃
撹拌 :エアー撹拌
(2)スズ−銀合金メッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 1g/L
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 55g/L
メタンスルホン酸(遊離酸) 150g/L
ビスフェノールAポリエトキシレート(EO13モル) 20g/L
ジブチルナフタレンスルホン酸 1g/L
3,3′−チオジプロパノール 50g/L
pH 1.0以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:3A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(F)実施例6
素地金属として、リン青銅(Cu−8質量%Sn−0.1質量%P)を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により電気メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズ−ビスマス合金メッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズ−ビスマス合金メッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中の硫黄の含有量は0.01重量%、下地の膜厚は0.5μmであり、上層スズ−ビスマス合金皮膜の膜厚は10μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸ニッケル 240g/L
塩化ニッケル 45g/L
ホウ酸 30g/L
N−(3−スルホプロピル)−o−スルホベンズイミド 0.8g/L
pH 4.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :40℃
撹拌 :エアー撹拌
(2)スズ−ビスマス合金メッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 5g/L
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 75g/L
メタンスルホン酸 200g/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15モル) 5g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 2g/L
アクリル酸 0.5g/L
pH 1.0以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(G)実施例7
素地金属として、軟鋼を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により無電解メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズ−ビスマス合金メッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズ−ビスマス合金メッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中の硫黄の含有量は0.05重量%、下地の膜厚は0.01μmであり、上層スズ−ビスマス合金皮膜の膜厚は5μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)無電解浴の組成
硫酸ニッケル 21g/L
次亜リン酸ナトリウム 25g/L
乳酸 27g/L
プロピオン酸 2.2g/L
S−イソチウロニウム−3−プロパンスルホン酸ナトリウム3g/L
pH 4.5に調整
(b)無電解メッキ条件
浴温 :90℃
被メッキ物揺動:2m/分
(2)スズ−ビスマス合金メッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 1g/L
メタンスルホン酸第一錫(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸 100g/L
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン
−ラウリルアミンエーテル(EO15モル・PO5モル) 7g/L
ポリオキシエチレンオレイルアミンエーテル(EO15モル) 7g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 2g/L
メタリル酸 0.5g/L
ハイドロキノン 1g/L
pH 1以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(H)実施例8
素地金属として、黄銅(Cu−35質量%Zn)を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により無電解メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズ−亜鉛合金メッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズ−亜鉛合金メッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中の鉄の含有量は0.1重量%、下地の膜厚は0.2μmであり、上層スズ−亜鉛合金皮膜の膜厚は2μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴1
(a)無電解浴の組成
硫酸ニッケル 21g/L
次亜リン酸ナトリウム 25g/L
乳酸 27g/L
プロピオン酸 2.2g/L
硫酸アンモニウム鉄(II) 0.8g/L
pH 4.5に調整
(b)無電解メッキ条件
浴温 :90℃
被メッキ物揺動:2m/分
(2)スズ−亜鉛合金メッキ浴
(a)浴の組成
硫酸亜鉛(Zn2+として) 5g/L
硫酸第一錫(Sn2+として) 30g/L
グルコン酸ナトリウム 120g/L
トリエタノ−ルアミン 40g/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15モル) 10g/L
o−バニリン 0.05g/L
37%ホルマリン 0.5g/L
pH 5.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:0.5A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(I)実施例9
素地金属として、銅を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により無電解メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズ−亜鉛合金メッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズ−亜鉛合金メッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中の鉄の含有量は0.3重量%、下地の膜厚は0.2μmであり、上層スズ−亜鉛合金皮膜の膜厚は10μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)無電解浴の組成
硫酸ニッケル 21g/L
次亜リン酸ナトリウム 25g/L
乳酸 27g/L
プロピオン酸 2.2g/L
エチレンジアミンテトラ酢酸鉄塩 5g/L
pH 4.5に調整
(b)無電解メッキ条件
浴温 :90℃
被メッキ物揺動:2m/分
(2)スズ−亜鉛合金メッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸亜鉛(Zn2+として) 5g/L
メタンスルホン酸第一錫(Sn2+として) 30g/L
クエン酸 150g/L
トリエタノ−ルアミン 25g/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO15モル) 5g/L
o−バニリン 0.05g/L
pH 5.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(J)実施例10
素地金属として、リン青銅(Cu−8質量%Sn−0.1質量%P)を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により電気メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズ−ビスマス合金メッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズ−ビスマス合金メッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中のホウ素の含有量は1.3重量%、硫黄の含有量は0.05重量%、下地の膜厚は0.2μmであり、上層スズ−ビスマス合金皮膜の膜厚は3μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸ニッケル 240g/L
塩化ニッケル 45g/L
ホウ酸 30g/L
水素化ホウ素ナトリウム 5g/L
ピリジニウムプロピルスルホン酸ナトリウム 1.2g/L
4,4−チオジフェノール 0.1g/L
プロパギルアルコール 0.003g/L
pH 4.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :45℃
撹拌 :エアー撹拌
(2)スズ−ビスマス合金メッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+として) 2g/L
メタンスルホン酸第一錫(Sn2+として) 55g/L
メタンスルホン酸 200g/L
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(EO17モル) 5g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 2g/L
アクリル酸 0.5g/L
pH 1以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(K)比較例1
素地金属として、リン青銅(Cu−8質量%Sn−0.1質量%P)を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により電気メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズメッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズメッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中のホウ素と硫黄の含有量は各0重量%、下地の膜厚は0.5μmであり、上層スズ皮膜の膜厚は5μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸ニッケル 240g/L
塩化ニッケル 45g/L
ホウ酸 30g/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.2g/L
プロパギルアルコール 0.003g/L
pH 4.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:3A/dm2
浴温 :45℃
撹拌 :エアー撹拌
(2)スズメッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L
メタンスルホン酸 100g/L
ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(EO12モル)10g/L
37%ホルマリン 10ml/L
ベンズアルデヒド 0.08g/L
ヒドロキノン 0.5g/L
pH 1以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(L)比較例2
素地金属として、黄銅(Cu−35質量%Zn)を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により電気メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズ−銀合金メッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズ−銀合金皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中のホウ素と硫黄の含有量は各0重量%、下地の膜厚は0.1μmであり、上層スズ−銀合金皮膜の膜厚は1μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸ニッケル 240g/L
塩化ニッケル 45g/L
ホウ酸 30g/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.2g/L
プロパギルアルコール 0.003g/L
pH 4.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:3A/dm2
浴温 :45℃
撹拌 :エアー撹拌
(2)スズ−銀合金メッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸銀(Ag2+として) 0.5g/L
メタンスルホン酸第一錫(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸(遊離酸) 120g/L
チオ尿素 5g/L
N,N′−ジエチルチオ尿素 5g/L
ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン
−ラウリルアミンエーテル(PO7モル・EO12モル) 8g/L
カテコール 1g/L
pH 1以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(M)比較例3
素地金属として、リン青銅(Cu−8質量%Sn−0.1質量%P)を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により電気メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズメッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズメッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中の硫黄の含有量は0.005重量%、下地の膜厚は0.5μmであり、上層スズ皮膜の膜厚は5μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸ニッケル 240g/L
塩化ニッケル 45g/L
ホウ酸 30g/L
N−(3−スルホプロピル)−o−スルホベンズイミド 0.35g/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.2g/L
プロパギルアルコール 0.003g/L
pH 4.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:3A/dm2
浴温 :45℃
撹拌 :エアー撹拌
(2)スズメッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸第一スズ(Sn2+として) 30g/L
メタンスルホン酸 100g/L
ポリオキシエチレンノニルフェノールエーテル(EO12モル)10g/L
37%ホルマリン 10ml/L
ベンズアルデヒド 0.08g/L
ヒドロキノン 0.5g/L
pH 1以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(N)比較例4
素地金属として、黄銅(Cu−35質量%Zn)を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により電気メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズ−銀合金メッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズ−銀合金メッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中の硫黄の含有量は0.003重量%、下地の膜厚は0.1μmであり、上層スズ−銀合金皮膜の膜厚は1μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸ニッケル 240g/L
塩化ニッケル 45g/L
ホウ酸 30g/L
S−イソチウロニウム
−3−プロパンスルホン酸ナトリウム 0.15g/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.2g/L
プロパギルアルコール 0.003g/L
pH 4.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:3A/dm2
浴温 :45℃
撹拌 :エアー撹拌
(2)スズ−銀合金メッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸銀(Ag+として) 0.5g/L
メタンスルホン酸第一錫(Sn2+として) 20g/L
メタンスルホン酸(遊離酸) 120g/L
チオ尿素 5g/L
N,N′−ジエチルチオ尿素 5g/L
ポリオキシプロピレン・ポリオキシエチレン
−ラウリルアミンエーテル(PO7モル・EO12モル) 8g/L
カテコール 1g/L
pH 1以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(O)比較例5
上記実施例2を基本としたもので、素地金属として軟鋼を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により電気メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズメッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズメッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中のホウ素の含有量は3.8重量%、下地の膜厚は2μmであり、上層スズ皮膜の膜厚は10μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸ニッケル 240g/L
塩化ニッケル 45g/L
ホウ酸 30g/L
水素化ホウ素ナトリウム 15g/L
2−ブチン−1,4−ジオール 0.2g/L
プロパギルアルコール 0.003g/L
pH 4.0に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:3A/dm2
浴温 :45℃
撹拌 :エアー撹拌
(2)スズメッキ浴
(a)浴の組成
硫酸第一スズ(Sn2+として) 50g/L
硫酸 100g/L
ポリオキシエチレンラウリルアミンエーテル(EO18モル) 10g/L
β−ナフトール 1g/L
ヒドロキノン 0.5g/L
pH 1以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
(P)比較例6
上記実施例6を基本としたもので、素地金属として軟鋼を材質とする25mm×25mmの平板を用意し、下記のニッケルメッキ浴(1)を用いて条件(b)により無電解メッキを行ってニッケル皮膜を形成した後、下記のスズ−ビスマス合金メッキ浴(2)を用いて条件(b)により電気メッキを行い、下地のニッケル皮膜上にスズ−ビスマス合金メッキ皮膜を被覆した。
その結果、下地ニッケル皮膜中のホウ素の含有量は3.5重量%、下地の膜厚は0.01μmであり、上層スズ−ビスマス合金皮膜の膜厚は5μmであった。
(1)ニッケルメッキ浴
(a)無電解浴の組成
硫酸ニッケル 21g/L
次亜リン酸ナトリウム 25g/L
乳酸 27g/L
プロピオン酸 2.2g/L
水素化ホウ素ナトリウム 13.5g/L
pH 4.5に調整
(b)無電解メッキ条件
浴温 :90℃
被メッキ物揺動:2m/分
(2)スズ−ビスマス合金メッキ浴
(a)浴の組成
メタンスルホン酸ビスマス(Bi3+ として) 1g/L
メタンスルホン酸第一錫(Sn2+として) 50g/L
メタンスルホン酸 100g/L
ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン
−ラウリルアミンエーテル(EO15モル・PO5モル) 7g/L
ポリオキシエチレンオレイルアミンエーテル(EO15モル) 7g/L
2−メルカプトベンゾチアゾール 2g/L
メタリル酸 0.5g/L
ハイドロキノン 1g/L
pH 1以下に調整
(b)電気メッキ条件
陰極電流密度:2A/dm2
浴温 :25℃
撹拌 :カソードロッカー
《スズホイスカーの発生防止評価試験例》
走査型電子顕微鏡を用いて、上記実施例1〜10並びに比較例1〜6の各試料の形成直後のスズ系皮膜表面を観察してホイスカーが発生していない状況を確認してから、室温下で200時間放置した。
その後、試料の同一視認部位を観察して、ホイスカーの発生状況を調べた。
ホイスカー発生防止の評価基準は次の通りである。
○:同一視認部位でのホイスカーの発生本数はゼロであった。
△:同視認部位にホイスカーは見い出されたが、その長さは20μm未満であった。
×:同視認部位にホイスカーが見い出され、長さ20μm以上に達するものがあった。
下表はその試験結果である。
実施例No. 評価 比較例No. 評価
実施例1 ○ 比較例1 ×
実施例2 ○ 比較例2 △
実施例3 ○ 比較例3 ×
実施例4 ○ 比較例4 △
実施例5 ○ 比較例5 △
実施例6 ○ 比較例6 △
実施例7 ○
実施例8 ○
実施例9 ○
実施例10 ○
上表によると、冒述の特許文献1に準拠して単に下地にニッケル皮膜を形成してからスズ系皮膜を被覆しただけの比較例1〜2では、ホイスカー防止評価は△〜×であるのに対して、上記実施例1〜10では、ホイスカー防止評価はすべて○であり、ホイスカー防止の有効性が良好に改善されていることが確認できた。
従って、この実施例1〜10を比較例1〜2に対比すると、スズホイスカー防止の実効性を増すには、ニッケル下地皮膜にホウ素や硫黄などの特定の元素を微量含有することが必要であることが明らかになった。この場合、下地ニッケル皮膜に含有する微量元素はホウ素、硫黄、鉄のいずれかを単用しても、或は、これらを併用しても(実施例10参照)有効にホイスカーを防止でき、下地ニッケル皮膜の膜厚は0.01μm(実施例7参照)や3μm(実施例5参照)に見るように、厚い膜厚に限らず薄い場合にもホイスカー防止に有効に作用し、膜厚は0.005〜5.0μm程度が好ましい。また、下地ニッケル皮膜の上層皮膜はスズ皮膜に限らず、スズ−銀合金、スズ−ビスマス合金、スズ−亜鉛合金などのスズ合金皮膜である場合にも、同様にホイスカー防止能が向上する。また、下地のニッケル皮膜は電気メッキで形成する場合に限らず、無電解メッキ(実施例7〜9参照)で形成しても、同様にホイスカー防止能が向上することはいうまでもない。上層のスズ系メッキ皮膜についても、電気メッキ、或は無電解メッキ(実施例2参照)による形成を問わず、同じくホイスカー防止の向上効果が得られることは勿論である。
尚、比較例1〜2のニッケルメッキ浴は従来から汎用されているワット浴であり、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸をベースとするが、電気メッキで形成されるニッケル皮膜中には、ホウ素も硫黄も含まれていないことに鑑みて(同比較例1〜2のニッケル皮膜中の含有量参照)、ワット浴中のホウ酸や硫酸根がニッケル皮膜中にホウ素や硫黄となって微量混入することはない点が裏付けられた。
一方、ニッケル皮膜中の硫黄の含有量がごく微量の0.003〜0.005重量%である比較例3〜4では、ホイスカー防止評価は上記特定元素を含まない比較例1〜2と変わらず、ホイスカー防止能は改善されないことが判った。従って、実施例1〜10をこの比較例3〜4に対比すると、ホイスカー防止能を向上するには、ニッケル下地皮膜にホウ素、硫黄、鉄を微量含有するだけでは足りず、その含有量を0.01重量%以上に増すことが重要である点が明らかになった。
また、ニッケル皮膜中のホウ素の含有量が3.5〜3.8重量%である比較例5〜6では、ホイスカー防止評価は△であって、実施例1〜10より劣ることが判った。特に、比較例5と実施例3、比較例6と実施例7はともに、下地ニッケル皮膜の膜厚、微量元素の種類、上層皮膜の種類と膜厚がすべて同じ条件であり、微量元素の含有濃度が異なるだけであるが、微量元素の含有濃度が3重量%以下の場合にはホイスカー防止評価は○であるのに対し、これより多いと、当該評価は△に低下した。従って、実施例1〜10をこの比較例5〜6に対比すると、ホイスカー防止能を向上するには、ニッケル下地皮膜にホウ素、硫黄、鉄を0.01重量%以上含有するだけでは充分でなく、その含有量を3重量%以下に抑制することが重要である点が明らかになった。これは、上記微量元素の濃度が多すぎると、ニッケル皮膜の緻密性、平滑性などの性状に乱れを生じて、上層のスズ系皮膜にストレスが負荷されるためであろうと推定される。
以上のように、ニッケル下地皮膜にホウ素、硫黄、鉄の特定元素を所定の濃度範囲で微量含有すると、ニッケル皮膜の結晶粒が微細になることが推定でき、もって上層スズ系皮膜から発生しようとするホイスカーをより確実に防止できる。

Claims (7)

  1. 素地表面上に予めニッケルの下地メッキ皮膜を形成した後、このニッケルの下地皮膜上にスズ又はスズ合金メッキ浴を用いてスズ又はスズ合金皮膜を形成するメッキ方法において、
    上記スズ合金が、スズと、銀、ビスマス、ニッケル、亜鉛、アンチモン及びインジウムからなる群より選ばれた金属の少なくとも一種以上との合金であり、且つ、
    上記ニッケルの下地皮膜が、ホウ素、硫黄及び鉄からなる群より選ばれた元素の少なくとも一種以上を0.01〜3重量%の割合で皮膜中に含有させたメッキ皮膜であることを特徴とするスズ又はスズ合金メッキ方法。
  2. 素地表面上に予めニッケルの下地メッキ皮膜を形成した後、このニッケルの下地皮膜上にスズ−銅合金メッキ浴を用いてスズ−銅合金皮膜を形成するメッキ方法において、
    上記ニッケルの下地皮膜が、ホウ素、硫黄からなる群より選ばれた元素の少なくとも一種以上を0.01〜3重量%の割合で皮膜中に含有させたメッキ皮膜であることを特徴とするスズ−銅合金メッキ方法。
  3. ニッケルの下地メッキ皮膜を電気メッキ又は無電解メッキで形成することを特徴とする請求項1又は2に記載のスズ又はスズ合金メッキ方法。
  4. 上層のスズ又はスズ合金メッキ皮膜を電気メッキ又は無電解メッキで形成することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のスズ又はスズ合金メッキ方法。
  5. ニッケルの下地メッキ皮膜の膜厚が0.005〜5.0μmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のスズ又はスズ合金メッキ方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のスズ又はスズ合金メッキ方法を用いて、素地金属表面上にニッケルの下地メッキ皮膜を介して形成したホイスカー防止式のスズ又はスズ合金メッキ皮膜。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のスズ又はスズ合金メッキ方法を用いて、素地金属表面上にスズ又はスズ合金メッキ皮膜を形成した電子部品。
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