JP2005308985A - 走査型レーザ顕微鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】 観察方法を切換えても、試料内の狙った位置に正確に刺激レーザ光を照射できる走査型レーザ顕微鏡を提供する。
【解決手段】 観察用励起レーザ光を発生する観察用励起レーザ光源ユニット1から標本18までの光路および刺激用レーザ光を発生する半導体レーザユニット33または赤外パルスレーザユニット35から標本18までの光路にそれぞれ配置される第1のビームスプリッタユニット11の励起用ダイクロイックビームスプリッタ11a〜11cおよび第2のビームスプリッタユニット19での合成ダイクロイックビームスプリッタ19a、19bの切換えが原因して、観察用励起レーザ光の走査位置と刺激用レーザ光の走査位置に相対的なずれが生じても、予め記憶部45に記憶された補正情報に基づいて刺激用レーザ光走査手段41による刺激用レーザ光の走査制御を補正する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、試料に刺激を与えるための刺激用レーザ光源と試料を励起してその反応光を観察するための観察用励起光源を備えた走査型レーザ顕微鏡に関するものである。
従来、走査型レーザ顕微鏡として、特許文献1および特許文献2に開示されるように、蛍光観察を行なうための観察用励起レーザ光を試料上の光軸に垂直な面内で走査させるための観察用励起レーザ光走査手段と、試料に刺激を与えるためのレーザ光を試料平面の任意の位置に照射するための刺激用レーザ光走査手段の2組の光走査手段を有するものが知られている。
これらの走査型レーザ顕微鏡は、蛍光観察に用いられるCaged手法等に有効とされている。ここで、Caged手法とは、試料内にケージド試薬とカルシウムイオン濃度に感受性を有する蛍光指示薬を注入し、試料のある部分に刺激用レーザ光を照射することで、ケージド試薬のケージド基を開裂させ、内部に包含された物質を放出させて、その時のカルシウムイオン濃度の経時変化を、観察用励起レーザ光を試料に照射することにより蛍光観察する方法である。
このようなCaged手法を採用した走査型レーザ顕微鏡によれば、まず、最初に、観察用励起レーザ光を、観察用励起レーザ光走査手段を介して試料上で走査し、試料より発せられた蛍光の画像をプレビュー画像としてPCのモニタに表示し、その画像中で、刺激を与えたいポイントまたは領域を、マウスなどで指定する。そして、次に、刺激用レーザ光を刺激用レーザ走査手段を介してプレビュー画像上の指定したポイントまたは領域に正確に照射し、試料に刺激を与えながら、観察用励起レーザ光を観察用励起レーザ光走査手段を介して試料上に走査し、試料の経時変化を観察する。つまり、このような走査型レーザ顕微鏡によれば、試料の任意の部位に刺激光を与えながら、その影響により反応する試料の時間経過観察を、刺激用レーザ走査手段と観察用励起レーザ走査手段の2組の光走査手段により2種類のレーザ光を独立に走査制御することにより実現している。
特開平10−206742号公報 特開2002−82287号公報
ところで、近年、光刺激による観察手法が多様化してきており、光刺激に使うレーザ波長や蛍光を励起する観察用励起レーザ波長も、1種類ではなく複数種類必要とするものが実用化されている。
例えば、上述のCaged手法の場合は、刺激用レーザ光として、UVアルゴンレーザより発振される351nm、または、2光子励起を利用した光刺激として、720nmを発振するIRパルスレーザが用いられ、また、観察用励起レーザ光として、蛍光指示薬Fluo3を励起する為にアルゴンンレーザから発振される488nmの波長が用いられている。
また、細胞内の特定の領域を刺激用レーザで繰り返し照射することにより槌色させ、その部位の外側領域の蛍光強度が蛋白質の拡散により減少する過程を時間経過観察するFLIP(Fluorescence loss in photobleaching)により蛍光蛋白GFPを発現させた細胞を観察するような場合は、刺激用レーザ光として、アルゴンレーザより発振される488nm、または、2光子励起を用いた光刺激として、800nmを発振するIRパルスレーザが用いられ、また、観察用励起レーザ光として、アルゴンレーザから発振される488nmの波長が用いられる。
さらに、蛍光蛋白Kaedeを発現させた細胞の赤色化を観察するような場合は、刺激用レーザ光として、半導体レーザから発振される405nmが用いられ、観察用励起レーザ光として、アルゴンレーザから発振される488nmとグリーンヘリウムネオンレーザから発振される543nmの波長が用いられる。
このように多様化された光刺激による観察手法を採用しようとすると、光刺激に使うレーザ波長や蛍光を励起するための観察用励起レーザ波長として、さまざまな種類のものが用いられるようになり、これにともない、刺激用レーザ光や観察用励起レーザ光を始め、観察する蛍光の各波長に応じて光路上に配置する光学素子、例えば、刺激用レーザ光走査手段からの光路と観察用励起レーザ光走査手段からの光路を合成する光路合成用ダイクロイックビームスプリッタや、観察用励起レーザ光と蛍光を分離する励起ダイクロイックビームスブリッタ等についても、最適なものに切換え、または、交換する必要が生じる。
ところが、これら光学素子は、光路への切換え、または、交換の際に、反射角度や折返し位置の固体差により、光軸がずれることがある。このことは、光学素子を最適なものに取り換えたことによる刺激用レーザ光と観察用励起レーザ光の光路のずれにより、刺激用レーザ走査手段と観察用励起レーザ走査手段によるレーザ走査位置にもずれを生じることになる。この結果、試料内で狙った位置(ポイントまたは領域)に正確に刺激レーザ光を照射できなくなってしまうことになる。具体的には、例えば、図7に示すように、操作者があらかじめ取得した蛍光のプレビュー画像101上の細胞102に対して刺激を与えるポイント102aを指定しても、光学素子を切換えたことによる光路のずれにより、実際は指定部位のポイント102aからずれた位置、場合によっては細胞が存在しない位置(図7中の位置102b)に刺激を与えてしまうことになり、光刺激に対する反応の経時変化を正確に観察することができないという問題があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、観察方法を切換えても、試料内の狙った位置に正確に刺激レーザ光を照射できる走査型レーザ顕微鏡を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明は、観察用励起レーザ光を発生する観察用励起レーザ光源と、前記観察用励起レーザ光を標本上で2次元走査する第1の走査手段と、前記観察用励起レーザ光により前記標本から発せられる検出光を検出する検出光学系と、刺激用レーザ光を発生する刺激用レーザ光源と、前記刺激用レーザ光を前記標本上で2次元走査する第2の走査手段と、前記観察用励起レーザ光源から前記標本までの光路又は前記刺激用レーザ光源から前記標本までの光路に光学素子を切換え挿入するための少なくとも1つの光学素子切換え手段と、前記光学素子切換え手段の切換えによって発生する前記第1および第2の走査手段の走査位置の相対位置ずれに関する補正情報を記憶する記憶手段を有し、該記憶手段に記憶された補正情報に基づいて前記第1および第2の走査手段の少なくとも一方の走査位置を補正制御する制御手段と、を具備したことを特徴としている。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記制御手段は、前記少なくとも一つの光学素子切換え手段の切換えに連動して補正制御を行なうことを特徴としている。
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記少なくとも一つの光学素子切換え手段は、複数の光学素子を同心円状に配置した回転ターレットからなり、該回転ターレットの回転により前記光学素子の切換えを可能にしたことを特徴としている。
請求項4記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記少なくとも一つの切換え手段は、複数の光学素子を直線状に配置し、直線方向のスライド動作により前記光学素子の切換えを可能にしたことを特徴としている。
請求項5記載の発明は、請求項1または2記載の発明において、前記第少なくとも一つの光学素子切換え手段は、基台と、この基台上に着脱可能に設けられる単品の光学素子ユニットからなることを特徴としている。
請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記少なくとも一つの光学素子切換え手段は、前記観察用励起レーザ光と前記検出光を分離する特性を有する複数種の励起用ダイクロイックビームスプリッタを光路に切換え挿入する切換え手段であることを特徴としている。
請求項7記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記少なくとも一つの光学素子切換え手段は、前記観察用励起レーザ光と前記刺激用レーザ光を合成する合成ダイクロイックビームスプリッタを光路に切換え挿入する切換え手段であることを特徴としている。
請求項8記載の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、前記少なくとも一つの光学素子切換え手段は、前記観察用励起レーザ光及び又は前記刺激用レーザ光の対物レンズに入射するビーム径を可変するビームエクスパンダを光路に挿入する手段であることを特徴としている。
請求項9記載の発明は、請求項1乃至8のいずれかに記載の発明において、前記制御手段は、前記少なくも1つの光学素子切換え手段により光路に挿入された光学素子の種類を認識する認識手段を有することを特徴としている。
請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれかに記載の発明において、前記光学素子切換え手段は、複数であり、前記補正情報は複数の切換え手段にて光路上に配置されるそれぞれ光学素子の組合わせに対応して記憶されていることを特徴としている。
本発明によれば、観察方法を切換えた場合も、標本内の狙った位置、つまり、蛍光プレビュー画像上で指定した位置に正確に刺激用レーザ光を照射して刺激を与えることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に従い説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる走査型レーザ顕微鏡の概略構成を示している。この場合、走査型レーザ顕微鏡として、蛍光蛋白Kaedeを用いた観察(刺激レーザ光として405nmで、観察用励起レーザ光として488nmと543nmを用いる)と、FLIPによる観察(刺激レーザ光として800nmを発振する2光子励起用のパルスレーザを用い、観察用励起レーザ光としては、488nmを用いる)を任意に切換えて使用するものについて説明する。
図において、1は観察用励起レーザ光源として観察用励起レーザ光を発振する観察用励起レーザ光源ユニットで、この観察用励起レーザ光源ユニット1は、レーザ光源として488nmの波長のレーザ光を発振するアルゴンレーザ2と、543nmの波長のレーザ光を発振するヘリウムネオンレーザ3を有している。ヘリウムネオンレーザ3からのレーザ光の光路上には、反射ミラー4が配置されている。また、アルゴンレーザ2からのからのレーザ光の光路上には、反射ミラー4で反射されるレーザ光との交点上にダイクロイックミラー5が配置されている。ダイクロイックミラー5は、これら2つのレーザ光路を合成するもので、アルゴンレーザ2からのレーザ光を透過し、反射ミラー4で反射されるレーザ光を反射するようになっている。ここでのダイクロイックミラー5は、488nmのレーザ光を透過し、543nmのレーザ光を反射するような特性を有している。
ダイクロイックミラー5により合成されたレーザ光の光路上には、音響光学可変フィルタ(以下、AOTFとする)6が配置されている。ここでのAOTF6は、レーザ波長の選択、調光を波長毎に独立に行うことが可能になっている。
AOTF6の出射端には、シングルモードファイバ7の入射端が接続されている。シングルモードファイバ7の出射端には、第1の走査ユニット8が接続されている。第1の走査ユニット8は、シングルモードファイバ7のの出射側に、AOTF6からのレーザ光を平行光にするコリメートレンズ9が配置されている。
コリメートレンズ9の平行光の光路上には、反射ミラー10を介して第1の光学切換え手段として第1のビームスプリッタユニット11が配置されている。第1のビームスプリッタユニット11は、例えば回転ターレットからなるもので、図2に示すように光学素子として特性の異なる励起用ダイクロイックビームスプリッタ11a、11b、11cが同心円状に配置されている。また、第1のビームスプリッタユニット11は、モータ11dによる回転駆動により、励起用ダイクロイックビームスプリッタ11a、11b、11cを選択的に光路上に位置決め可能な構成となっている。この場合、これら励起用ダイクロイックビームスプリッタ11a、11b、11cは、観察用励起レーザ光と蛍光を分離するような特性を有している。このうちの励起ダイクロイックビームスプリッタ11aは、Kaede観察に用いられるもので、例えば図4(a)に示すように、観察用励起レーザ光である488nmおよび543nmの波長を反射し、これら488nmおよび543nmの波長光を後述する標本18に照射することにより、標本18より発する蛍光の波長である500〜530nmおよび570〜620nmの波長範囲を透過するような特性を有している。また、励起ダイクロイックビームスプリッタ11bは、FLIP観察に用いられるもので、例えば図4(b)に示すように、観察用励起レーザ光である488nmの波長を反射し、488nmの波長光を標本18に照射することにより、標本18より発する蛍光の波長である500〜600nmの波長範囲を透過するような特性を有している。
第1のビームスプリッタユニット11の反射光路には、第1の走査手段として観察用励起レーザ光走査手段12が配置されている。この観察用励起レーザ光走査手段12は、直交する2方向に光を偏向するための2枚のミラー12a、12bを有し、これらのミラー12a、12bにより標本18上の観察用励起レーザ光を2次元方向に走査するようになっている。
観察用励起レーザ光走査手段12により2次元走査されたレーザ光の光路上には、観察用励起レーザ光の走査光学系を構成する瞳投影レンズ13、結像レンズ14、反射ミラー15、対物レンズ16が配置されている。この場合、観察用励起レーザ光走査手段12で2次元走査された観察用励起レーザ光は、瞳投影レンズ13、結像レンズ14、反射ミラー15、対物レンズ16を介してステージ17に載置された標本18の焦点位置に結像され、また、標本18から発生された蛍光(検出光)は、観察用励起レーザ光と逆の光路をたどって対物レンズ16、反射ミラー15、結像レンズ14、瞳投影レンズ13、観察用励起レーザ光走査手段12を介して第1のビームスプリッタユニット11まで戻るようになっている。
第1のビームスプリッタユニット11の透過光路上には、検出光学系を構成する共焦点レンズ22、共焦点ピンホール23、蛍光分光用ダイクロイックミラー24が配置されている。蛍光分光用ダイクロイックミラー24は、Kaede観察の短波長側の蛍光波長を含む500〜550nmの波長域を反射し、長波長側の蛍光波長を含む570〜650nmの波長域を透過するような特性を有している。
蛍光分光用ダイクロイックミラー24の反射光路上には、バリアフィルタ25a、光検出器26aが配置され、また、蛍光分光用ダイクロイックミラー24の透過光路上にはバリアフィルタ25b、光検出器26bが配置されている。バリアフィルタ25aは、Kaede観察の短波長側の蛍光波長である500〜530nmの蛍光を透過し、その他の波長をカットするような特性を有し、また、バリアフィルタ25bは、Kaede観察の長波側の蛍光波長である570〜620nmの蛍光を透過し、その他の波長をカットするような特性を有している。
一方、33は、刺激用レーザ光源として刺激用レーザ光を発生する半導体レーザユニットで、この半導体レーザユニット33は、405nmの波長のレーザ光を発振するものである。
半導体レーザユニット33からのレーザ光の光路には、シングルモードファイバ34の入射端が接続されている。シングルモードファイバ34の出射端は、第2の走査ユニット20の刺激用レーザ光導入ポート31に接続されている。第2の走査ユニット20は、刺激用レーザ光導入ポート31を介して導入されるシングルモードファイバ34からのレーザ光を平行光にするコリメートレンズ37が配置されている。コリメートレンズ37の平行光の光路上には、反射ミラー38を介して合成ダイクロイックミラー39が配置されている。
35は、他の刺激用レーザ光源として刺激用レーザ光を発生する赤外パルスレーザユニットで、この赤外パルスレーザユニット35は、800nmの波長のパルスレーザ光を発振するパルスレーザ発振器35aと、このパルスレーザ発振器35aからのレーザ光をON/OFFする電動シャッタ35bにより構成されている。
赤外パルスレーザユニット35からのパルスレーザ光の光路には、第2の走査ユニット20の他の刺激用レーザ光導入ポート32に接続されている。そして、この他の刺激用レーザ光導入ポート32から出射されるパルスレーザ光の光路には、合成ダイクロイックミラー39が配置されている。
合成ダイクロイックミラー39は、半導体レーザユニット33からの405nmの波長のレーザ光を反射し、赤外パルスレーザユニット35からの800nmの波長のパルスレーザ光を透過するような特性を有するもので、これらレーザ光を合成して同軸に導くようにしている。
合成ダイクロイックミラー39により合成されたレーザ光の光路上には、反射ミラー40を介して第2の走査手段としての刺激用レーザ光走査手段41が配置されている。この刺激用レーザ光走査手段41は、刺激用レーザ光を標本18上の任意領域に2次元走査することや、標本18上の任意のポイントで固定照射することを可能としたもので、2枚のミラー41a、41bで構成されている。これらのミラー41a、41bは、刺激用レーザ光を2次元方向に走査するようになっている。
刺激用レーザ光走査手段41から出射される刺激用レーザ光の光路上には、刺激用レーザ光の走査光学系を構成する瞳投影レンズ42、結像レンズ43を介して第2の光学素子切換え手段としての第2のビームスプリッタユニット19が配置されている。この第2のビームスプリッタユニット19は、刺激用レーザ光走査手段41からの刺激用レーザ光の光路と、観察用励起レーザ光走査手段12からの観察用励起レーザ光の光路の交点上に配置され、これらレーザ光の光路を合成するものである。
第2のビームスプリッタユニット19は、図3に示すように特性の異なる合成ダイクロイックビームスプリッタ19a、19bと空穴19cを直線状に配置している。また、第2のビームスプリッタユニット19は、モータ19dによる図示しないスライド切換え機構により図示矢印19e(直線)方向のスライド動作により、合成ダイクロイックビームスプリッタ19a、19bと空穴19cを選択的に光路上に位置決め可能な構成になっている。この場合、合成ダイクロイックビームスプリッタ19aは、Kaede観察に用いられるもので、図5(a)に示すように刺激用レーザ光として使用する405nmの波長を反射し、観察用励起レーザ光の波長及び蛍光波長を含む488〜620nmの波長範囲を透過するような特性を有している。また、合成ダイクロイックビームスプリッタ19bは、FLIP観察に用いられるもので、図5(b)に示すように刺激用レーザ光として使用する800nmの波長を反射し、観察用励起レーザ光の波長及び蛍光波長を含む488〜600nmの波長範囲を透過するような特性を有している。
観察用励起レーザ光源ユニット1のAOTF6、第1のビームスプリッタユニット11のモータ11d、観察用励起レーザ光走査手段12、第2のビームスプリッタユニット19のモータ19d、半導体レーザユニット33の不図示の発振のON/OFF機能、赤外パルスレーザユニット35の電動シャッタ35bのON/OFF機能、刺激用レーザ光走査手段41には、制御手段としての制御部44が接続されている。制御部44は、これら観察用励起レーザ光源ユニット1のAOTF6、第1のビームスプリッタユニット11のモータ11d、観察用励起レーザ光走査手段12、第2のビームスプリッタユニット19のモータ19d、半導体レーザユニット33の不図示の発振のON/OFF機能、赤外パルスレーザユニット35の電動シャッタ35bのON/OFF機能、刺激用レーザ光走査手段41に制御信号を出力するものである。また、制御部44には、記憶手段としての記憶部45と光検出器26a、26bで取得した蛍光画像を表示するための表示部46が接続されている。
記憶部45には、第1のビームスプリッタユニット11の励起用ダイクロイックビームスプリッタ11a〜11cと第2のビームスプリッタユニット19の合成ダイクロイックビームスプリッタ19a、19bの切換え時の位置決めのばらつきなどによる反射角度や折返し位置の固体差を原因とする刺激用レーザ光走査手段41の走査位置のずれを補正するため補正量(補正情報)が、励起用ダイクロイックビームスプリッタ11a〜11cと合成ダイクロイックビームスプリッタ19a、19bの組合せに対応して記憶されている。
この場合、刺激用レーザ光走査手段41の走査位置の補正量は、次のようにして求められる。
まず、基準となるビームスプリッタ(調整治具用のビームスプリッタまたは装置に備えられている光学素子の中から選んだもの)を用意し、この基準ビームスプリッタを光路上に配置して刺激用レーザ光走査手段41による刺激用レーザ光の走査位置と観察用励起レーザ光走査手段12による観察用励起レーザ光の走査位置が一致するように刺激用レーザ光走査手段41を構成するミラー41a、41bの偏向角(位置)を調整する。
この状態から、実際に使用する可能性がある光学素子(励起用ダイクロイックビームスプリッタ11a〜11cおよび合成ダイクロイックビームスプリッタ19a、19b)を光路上に順に配置し、観察用励起レーザ光走査手段12による走査位置と刺激用レーザ光走査手段41による走査位置の相対位置ずれをなくすような刺激用レーザ光走査手段41のミラー41a、41bの偏向角オフセット量を求める。つまり、このような偏向角オフセット量は、実際に使用する可能性がある光学素子(励起用ダイクロイックビームスプリッタ11a〜11cおよび合成ダイクロイックビームスプリッタ19a、19b)の全ての組合せについて求め、これら求められた偏向角オフセット量を補正情報として記憶部45に記憶させる。この作業は、出荷時や、製造メーカーが現地で装置をセットアップする時に行うのが望ましい。
次に、このように構成した実施の形態の動作について説明する。
まず、Kaede観察を行なう場合を説明する。この場合、刺激用レーザ光としては、半導体レーザユニット33から発振される波長405nmのレーザ光を使用し、観察用励起レーザ光としては、アルゴンレーザ2から発振される波長488nmのレーザ光とヘリウムネオンレーザ3から発振する波長543nmのレーザ光を使用する。また、光学素子として、第1のビームスプリッタユニット11では励起ダイクロイックビームスプリッタ11aが光路上に配置され、第2のビームスプリッタユニット19では、合成ダイクロイックビームスプリッタ19aが光路上に配置される。
この状態で、観察用励起レーザ光源ユニット1内のAOTF6で選択された波長488nmと543nmの観察用励起レーザ光は、シングルモードファイバ7を介して第1の走査ユニット8に導かれ、コリメートレンズ9により平行光に変換され、反射ミラー10で反射し、励起ダイクロイックビームスプリッタ11aに入射する。そして、この励起ダイクロイックビームスプリッタ11aで反射し、観察用励起レーザ光走査手段12を通り、瞳投影レンズ13、結像レンズ14、合成ダイクロイックビームスプリッタ19aを透過し、反射ミラー15で反射し、対物レンズ16により標本18に集光される。この場合、標本18に集光されるレーザスポットは、観察用励起レーザ光走査手段12のミラー12a、12bにより2次元走査される。
標本18から発した波長488nmと543nmの観察用励起レーザ光による蛍光は、対物レンズ16、反射ミラー15を介して合成ダイクロイックビームスプリッタ19aに入射し、さらに、合成ダイクロイックビームスプリッタ19aを透過し、結像レンズ14、瞳投影レンズ13、観察用励起レーザ光走査手段12を介して第1のビームスプリッタユニット11を透過する。そして、共焦点レンズ22、共焦点ピンホール23を透過し、蛍光分光用ダイクロイックミラー24に入射する。
この場合、波長488nmの観察用励起レーザ光により標本18より発する蛍光(500〜530nm)は、蛍光分光用ダイクロイックミラー24で反射し、波長500〜530nmを透過するバリアフィルタ25aを介して光検出器26aで検出される。また、543nmの波長の観察用励起レーザ光により標本18より発する蛍光(570〜620nm)は、蛍光分光用ダイクロイックミラー24を透過し、波長570〜620nmを透過するバリアフィルタ25bを介して光検出器26bで検出される。
一方、刺激用レーザ光として、半導体レーザユニット33から発振される波長405nmの刺激用レーザ光は、シングルモードファイバ34を透過して第2の走査ユニット20の刺激用レーザ光導入ポート31に導かれ、コリメートレンズ37により平行光にされ、反射ミラー38、合成ダイクロイックミラー39を反射し、反射ミラー40で反射する。そして、刺激用レーザ光走査手段41を通り、瞳投影レンズ42、結像レンズ43を透過し、合成ダイクロイックビームスプリッタ19aで反射し、さらに反射ミラー15で反射し、対物レンズ16により標本18に集光される。
この場合、刺激用レーザ光は、表示部46に表示された光検出器26a、26bで取得された蛍光のプレビュー画像上で、不図示のPC(パーソナルコンピュータ)を介してマウスなどで指定されたポイントまたは領域を正確に走査するように、刺激用レーザ光走査手段41により走査制御されている。
このとき、実際に光路上に配置されている光学素子、ここでは励起ダイクロイックビームスプリッタ11aと合成ダイクロイックビームスプリッタ19aの反射角度や折返し位置の固体差、つまり、上述した基準となるビームスプリッタとの角度差により、観察用励起レーザ光の走査位置と刺激用レーザ光の走査位置に相対的なずれが生じることがある。しかし、この場合、励起ダイクロイックビームスプリッタ11aと合成ダイクロイックビームスプリッタ19aの組合せに対応させて、予め記憶部45に記憶された補正情報、つまり走査位置の補正量が読み出され、この補正量に基づいて刺激用レーザ光走査手段41による刺激用レーザ光の走査制御が補正される。これにより、観察用励起レーザ光の走査位置と刺激用レーザ光の走査位置の相対的なずれが解消され、プレビュー画像上で指定された位置に正確に刺激用レーザ光を照射することができる。
次に、観察状態をKaede観察からFLIP観察に変更する場合を説明する。この場合、刺激用レーザ光としては、赤外パルスレーザユニット35のパルスレーザ発振器35aからの波長800nmのパルスレーザ光を使用し、観察用励起レーザ光としては、アルゴンレーザ2から発振される波長488nmのレーザ光のみを使用する。また、光学素子として、第1のビームスプリッタユニット11では、励起ダイクロイックビームスプリッタ11bが光路上に配置され、第2のビームスプリッタユニット19では、合成ダイクロイックビームスプリッタ19bが光路上に配置される。また、蛍光分光用ダイクロイックミラー24を光路から取り外し、バリアフィルタ25bとして500〜600nmの波長域を透過させるバリアフィルタ25cに交換する。
この状態で、観察用励起レーザ光源ユニット1のAOTF6で選択された波長488nmのレーザ光は、上述したKaede観察で説明したのと同じ経路を進み、標本18に照射される。また、標本18から発した波長488nmの観察用励起レーザ光による蛍光も上述したKaede観察で説明したのと同じ経路を進み、共焦点レンズ22、共焦点ピンホール23を透過し、バリアフィルタ25cに直接入射する。
この場合、波長488nmの観察用励起レーザ光により標本18より発する蛍光(500〜600nm)は、バリアフィルタ25cを透過して光検出器26bで検出される。
一方、刺激用レーザ光として、赤外パルスレーザユニット35から発振した波長800nmのパルスレーザ光は、反射ミラー36を介して第2の走査ユニット20の刺激用レーザ光導入ポート32に導かれる。
そして、合成ダイクロイックミラー39を透過し、観察用励起レーザ光源ユニット1からの波長488nmのレーザ光と同軸に導かれ、反射ミラー15で反射し、対物レンズ16を介して標本18に照射される。
このときも、光路上に配置されている光学素子、ここでは励起ダイクロイックビームスプリッタ11bと合成ダイクロイックビームスプリッタ19bの反射角度や折返し位置の固体差、つまり、上述した基準となるビームスプリッタとの角度差により、観察用励起レーザ光の走査位置と刺激用レーザ光の走査位置に相対的なずれが生じることがある。しかし、この場合も、励起ダイクロイックビームスプリッタ11bと合成ダイクロイックビームスプリッタ19bの組合せに対応させて、予め記憶部45に記憶された補正情報、つまり走査位置の補正量が読み出され、この補正量に基づいて刺激用レーザ光走査手段41による刺激用レーザ光の走査制御が補正される。これにより、観察用励起レーザ光の走査位置と刺激用レーザ光の走査位置の相対的なずれが解消され、プレビュー画像上で指定された位置に正確に刺激用レーザ光を照射することができる。
従って、このようにすれば、観察用励起レーザ光を発生する観察用励起レーザ光源ユニット1から標本18までの光路および刺激用レーザ光を発生する半導体レーザユニット33または赤外パルスレーザユニット35から標本18までの光路にそれぞれ配置される第1のビームスプリッタユニット11の励起用ダイクロイックビームスプリッタ11a〜11cおよび第2のビームスプリッタユニット19での合成ダイクロイックビームスプリッタ19a、19bの切換えが原因して、観察用励起レーザ光の走査位置と刺激用レーザ光の走査位置に相対的なずれが生じることがあっても、予め記憶部45に記憶された補正情報に基づいて刺激用レーザ光走査手段41による刺激用レーザ光の走査制御を補正するようにしたので、観察用励起レーザ光走査手段12による走査位置に対する刺激用レーザ光走査手段41の走査位置の相対的なずれを解消でき、蛍光プレビュー画像上で指定した位置に対して、正確に刺激用レーザ光を照射して刺激を与えることができる。
また、記憶部45に記憶された補正情報は、第1のビームスプリッタユニット11の励起用ダイクロイックビームスプリッタ11a〜11cと第2のビームスプリッタユニット19の合成ダイクロイックビームスプリッタ19a、19bの切換えによる組み合わせに対応して予め求められた補正情報が用いられているので、観察用励起レーザ光走査手段12および刺激用レーザ光走査手段41での走査位置の相互間の調整作業が一切不要となり、各種の観察方法を簡単に実行することが可能となる。
なお、上述の2種類の観察では、第1のビームスプリッタユニット11と第2のビームスプリッタユニット19の両方を切換えた時に、刺激用レーザ光走査手段41での走査位置の補正を行っているが、走査位置の相対的な位置ずれは、とちらか一方を切換えても生じる。例えば、第2のビームスプリッタユニット19のみを切換えた場合は、観察用励起レーザ光の走査位置はずれないが、合成ダイクロイックビームスプリッタ19a、19b個々の反射角度の固体差により、刺激用レーザ光の走査位置がずれて、結果的に観察用励起レーザ光との相対的な位置ずれが生じる。また、第1のビームスプリッタユニット11のみを切換えるた場合は、刺激用レーザ光の走査位置はずれないが、励起用ダイクロイックビームスプリッタ11a〜11c個々の反射角度の固体差により、観察用励起レーザ光の走査位置がずれて、結果的に刺激用レーザ光の走査位置との相対的な位置ずれは生じる。従って、観察方法や観察条件の変更のために第1のビームスプリッタユニット11または第2のビームスプリッタユニット19の少なくとも一方を切換えた時には、上述した走査位置の補正は必要となり、また、このときの補正量は、第1のビームスプリッタユニット11および第2のビームスプリッタユニット19のそれぞれの光学素子の組合せで決まるので、どちらか一方が切換えられたときのものも必要となる。また、本実施の形態のように各光学素子の切換えが電動であれば、切換えに連動して走査位置の補正を行うことが可能であることは言うまでもない。
(変形例1)
上述した実施の形態において、第1のビームスプリッタユニット11および第2のビームスプリッタユニット19のそれぞれ光路上に配置されている各光学素子の種類を認識するセンサなどの認識手段を設け、このセンサにより光学素子の切換えと種類を認識した状態から、制御部44により光学素子の種類に対応する補正情報に基づいて走査位置の補正を行うようにしてもよい。この場合、光学素子の切換えが手動であっても、切換えを行なうと同時に、光路上の光学素子の種類の認識を電気的に行うことができるので、自動的に走査位置の補正をかけることができる。
(変形例2)
上述では、光学素子切換え時の走査位置の補正は、刺激用レーザ光走査手段41の走査制御で行っていたが、観察用励起レーザ光走査手段12の制御により行なうようにしてもよい。また、刺激用レーザ光走査手段41と観察用励起レーザ光走査手段12の両方で行ってもよい。結果的に、2つの光走査手段の走査位置に相対的なずれが生じないようにすればよく、例えば、観察用励起レーザ光の走査位置のみが変わる場合は観察用励起レーザ光の走査位置を補正するという考え方でもよい。
(変形例3)
上述の第1の実施の形態において、2つの刺激用レーザ導入ポート31、32の光路を合成する合成ダイクロイックミラー39と反射ミラー40の間に挿脱式のビームエクスパンダを設ける。このビームエクスパンダは、対物レンズ16に入射するビーム径を対物レンズの瞳径に対して小さくするためのものであり、刺激用レーザ光のスポット径を大きくし、1回のスポット照射で刺激を与える範囲を広くする時に光路に入れる。このビームエクスパンダの挿脱により、ビームの角度がずれ、刺激用レーザの走査位置もずれる。このずれを補正するために、第1のビームスプリッタユニット11及び第2のビームスプリッタユニット19の組合せ及びビームエクスパンダの有無により決まる走査位置の補正量を記憶部45に記憶させておく。これにより、刺激用レーザのスポット径を広げた場合でも、プレビュー蛍光画像で指定した位置に正確に光刺激を行なうことが可能となる。
(変形例4)
上述の第1の実施の形態において、観察用励起レーザ光路のコリメートレンズ9と反射ミラー10の間に複数のビームエクスパンダを切換挿入できるようにする。この場合は、対物レンズ毎に異なる瞳径に適合させるビームエクスパンダを複数用意させておき、使用する対物レンズに応じて適切な倍率のビームエクスパンダを選択する。選択されるビームエクスパンダにより観察用励起レーザ光の角度がずれ、観察用励起レーザの走査位置もずれる。このずれを補正するために、第1のビームスプリッタユニット11及び第2のビームスプリッタユニット19及び観察用励起レーザ光の光路で選択されるビームエクスパンダの組合せで決まる走査位置の補正量を記億部45に記憶させておく。これにより、対物レンズ毎に観察用励起レーザ光のビーム径を切換えても、プレビュー蛍光画像で指定した位置に正確に光刺激を行なうことが可能となる。
なお、本変形例では、ビームエクスパンダを挿脱式にしたが、ビーム径を可変するアフォーカルズームレンズを用いても良い。この場合は、ズームを行なうと光軸がずれるので、各ズームの各倍率において、そのずれを補正する補正量を記憶させておくことになる。
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この場合、第2の実施の形態にかかる走査型レーザ顕微鏡の概略構成については、図1と同様なので、同図を援用するものとする。
第1の実施の形態では、第2のビームスプリッタユニット19をスライド切換え機構により直線方向に移動するようにしたが、この第2の実施の形態では、着脱式にしたものが用いられる。
図6は、第2のビームスプリッタユニット19に代わるビームスプリッタユニット部のみを取り出した斜視図である。図において、51は基台で、この基台51は、図1で述べた第1の走査ユニット8中の第
2のビームスプリッタユニット19の配置された位置、つまり、観察用励起レーザ光と刺激用レーザ光の光路が合成される位置に図示しない螺子により固定されている。基台51には、光路と直交する方向にメスアリガイド51aが設けられている。また、基台51には、メスアリガイド51aに近接して認識センサ51bが配置されている。
このような基台51に対して単品からなるビームスプリッタユニット本体52が着脱可能に設けられている。このビームスプリッタユニット本体52は、前面に傾斜面52aを有し、この傾斜面52aに合成ダイクロイックビームスプリッタ53が接着などで固定されている。また、ビームスプリッタユニット本体52の底面には、アリ部52bが形成され、このアリ部52bを基台51のメスアリガイド51aに嵌合して移動させることで、合成ダイクロイックビームスプリッタ53を光路に対し挿脱可能にしている。この場合、ビームスプリッタユニット本体52は、基台51に装着された状態で、図示しないクランプ機構により位置決めされている。さらに、ビームスプリッタユニット本体52には、合成ダイクロイックビームスプリッタ53に近接して認識マーク54が設けられている。この認識マーク54は、装着される合成ダイクロイックビームスプリッタ53の種類を認識するためのものである。
このように構成されたビームスプリッタユニット部は、合成ダイクロイックビームスプリッタ53を有するビームスプリッタユニット本体52を基台51のメスアリガイド51aに沿って移動させることで、合成ダイクロイックビームスプリッタ53を光路に対し挿脱する。そして、ビームスプリッタユニット本体52を基台51に装着すると、認識マーク54の内容が認識センサ51bにより読み出され、装着された合成ダイクロイックビームスプリッタ53の種類を認識する。そして、この認識結果からビームスプリッタユニット本体52に対応する刺激用レーザ光走査手段41の走査位置の補正情報が読み出され、刺激用レーザ光の走査位置の補正が行われる。
従って、このようにしても、第1の実施の形態と同様な効果を得られる。また、合成ダイクロイックビームスプリッタ53を有するビームスプリッタユニット本体52をユニット化して光路に対して着脱可能な構成としたので、特性の異なる合成ダイクロイックビームスプリッタ53を有するビームスプリッタユニット本体52を多数用意しておくことにより、さらに多くの観察方法に対応することができる。また、後から新しい観察方法を追加するような場合にもビームスプリッタユニット本体52を追加するのみで容易に対応することもできる。
上述した第2の実施の形態では、第2のビームスプリッタユニット19に代わるものについて述べたが、第1のビームスプリッタユニット11についても同様に適用することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものでなく、実施段階では、その要旨を変更しない範囲で種々変形することが可能である。
さらに、上記実施の形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示されている複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出できる。例えば、実施の形態に示されている全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題を解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出できる。
本発明の第1の実施の形態にかかる走査型レーザ顕微鏡の概略構成を示す図。 第1の実施の形態に用いられる第1のビームスプリッタユニットの概略構成を示す図。 第1の実施の形態に用いられる第2のビームスプリッタユニットの概略構成を示す図。 第1の実施の形態に用いられる励起ダイクロイックビームスプリッタの特性を示す図。 第1の実施の形態に用いられる合成ダイクロイックビームスプリッタの特性を示す図。 本発明の第2の実施の形態にかかる走査型レーザ顕微鏡の要部の概略構成を示す図。 プレビュー画像上に表示される細胞に対して刺激を与えるポイントを指定する状態を説明する図。
符号の説明
1…観察用励起レーザ光源ユニット、2…アルゴンレーザ
3…ヘリウムネオンレーザ、4…反射ミラー
5…ダイクロイックミラー、6…AOTF
7…シングルモードファイバ、8…第1の走査ユニット
9…コリメートレンズ、10…反射ミラー
11…第1のビームスプリッタユニット、
11a.11b、11c…励起用ダイクロイックビームスプリッタ
11d…モータ、12…観察用励起レーザ光走査手段
12a.12b…ミラー、13…瞳投影レンズ、14…結像レンズ
15…反射ミラー、16…対物レンズ、17…ステージ
18…標本、19…第2のビームスプリッタユニット
19a.19b…合成ダイクロイックビームスプリッタ
19c…空穴、19d…モータ、19e…図示矢印
20…第2の走査ユニット、22…共焦点レンズ
23…共焦点ピンホール、24…蛍光分光用ダイクロイックミラー
24…ダイクロイックミラー、25a…バリアフィルタ
25b…バリアフィルタ、25c…バリアフィルタ
26a.26b…光検出器、31、32…刺激用レーザ光導入ポート
33…半導体レーザユニット、34…シングルモードファイバ
35…赤外パルスレーザユニット、35a…パルスレーザ発振器
35b…電動シャッタ、36…反射ミラー、37…コリメートレンズ
38…反射ミラー、39…合成ダイクロイックミラー
40…反射ミラー、41…刺激用レーザ光走査手段
41a.41b…ミラー、42…瞳投影レンズ
43…結像レンズ、44…制御部、45…記憶部
46…表示部、51…基台、51a…メスアリガイド
51b…認識センサ、52…ビームスプリッタユニット本体
52a…傾斜面、52b…アリ部、53…合成ダイクロイックビームスプリッタ
54…認識マーク

Claims (10)

  1. 観察用励起レーザ光を発生する観察用励起レーザ光源と、
    前記観察用励起レーザ光を標本上で2次元走査する第1の走査手段と、
    前記観察用励起レーザ光により前記標本から発せられる検出光を検出する検出光学系と、
    刺激用レーザ光を発生する刺激用レーザ光源と、
    前記刺激用レーザ光を前記標本上で2次元走査する第2の走査手段と、
    前記観察用励起レーザ光源から前記標本までの光路又は前記刺激用レーザ光源から前記標本までの光路に光学素子を切換え挿入するための少なくとも1つの光学素子切換え手段と、
    前記光学素子切換え手段の切換えによって発生する前記第1および第2の走査手段の走査位置の相対位置ずれに関する補正情報を記憶する記憶手段を有し、該記憶手段に記憶された補正情報に基づいて前記第1および第2の走査手段の少なくとも一方の走査位置を補正制御する制御手段と、
    を具備したことを特徴とする走査型レーザ顕微鏡。
  2. 前記制御手段は、前記少なくとも一つの光学素子切換え手段の切換えに連動して補正制御を行なうことを特徴とする請求項1記載の走査型レーザ顕微鏡。
  3. 前記少なくとも一つの光学素子切換え手段は、複数の光学素子を同心円状に配置した回転ターレットからなり、該回転ターレットの回転により前記光学素子の切換えを可能にしたことを特徴とする請求項1または2記載の走査型レーザ顕微鏡。
  4. 前記少なくとも一つの切換え手段は、複数の光学素子を直線状に配置し、直線方向のスライド動作により前記光学素子の切換えを可能にしたことを特徴とする請求項1または2記載の走査型レーザ顕微鏡。
  5. 前記第少なくとも一つの光学素子切換え手段は、基台と、この基台上に着脱可能に設けられる単品の光学素子ユニットからなることを特徴とする請求項1または2記載の走査型レーザ顕微鏡。
  6. 前記少なくとも一つの光学素子切換え手段は、前記観察用励起レーザ光と前記検出光を分離する特性を有する複数種の励起用ダイクロイックビームスプリッタを光路に切換え挿入する切換え手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
  7. 前記少なくとも一つの光学素子切換え手段は、前記観察用励起レーザ光と前記刺激用レーザ光を合成する合成ダイクロイックビームスプリッタを光路に切換え挿入する切換え手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
  8. 前記少なくとも一つの光学素子切換え手段は、前記観察用励起レーザ光及び又は前記刺激用レーザ光の対物レンズに入射するビーム径を可変するビームエクスパンダを光路に挿入する手段であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
  9. 前記制御手段は、前記少なくも1つの光学素子切換え手段により光路に挿入された光学素子の種類を認識する認識手段を有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
  10. 前記光学素子切換え手段は、複数であり、前記補正情報は複数の切換え手段にて光路上に配置されるそれぞれ光学素子の組合わせに対応して記憶されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
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