JP4855007B2 - 走査型レーザ顕微鏡 - Google Patents

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Description

この発明は、走査型レーザ顕微鏡に関するものである。
従来、試料に光刺激を与えるための光刺激用レーザを備えた走査型レーザ顕微鏡が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1に開示されている走査型レーザ顕微鏡は、蛍光観察を行うために試料に照射する観察用レーザ光を光軸に垂直な面内で走査させる第1のレーザ走査装置と、刺激用レーザ光を試料平面の任意の位置に照射するために刺激用レーザ光を移動させる第2のレーザ走査装置とを備えている。
このような走査型レーザ顕微鏡を用いて観察を行うには、まず、観察用レーザ光を第1のレーザ走査装置の作動により試料上において走査させて取得した蛍光画像をプレビュー画像としてモニタに表示し、その画像において光刺激を与えたいポイントあるいは領域をマウス等によって指定する。次いで、第2のレーザ走査装置の作動により、プレビュー画面で指定したポイントまたは領域に、刺激用レーザ光のスポット位置を位置決めしたら、刺激用レーザ光と観察用レーザ光とを同時に試料に照射して、試料の経時変化を観察する。これにより、刺激用レーザ光を試料の任意の位置に与えながら、その影響により反応する試料の経時変化を観察することができる。
特開平10−206742号公報
この場合において、別々のレーザ走査装置により走査される観察用レーザ光と刺激用レーザ光とを試料に精度よく照射する必要があるが、従来、2つの光走査装置やその他の光学系の組み付け精度を向上させることで光軸のずれを吸収することとしていた。
しかしながら、光路中の観察用レーザ光から蛍光を分離するダイクロイックミラーや、観察用レーザ光と刺激用レーザ光とを合成するダイクロイックミラー等の光学系を交換したり、切り替えたりする場合がある。このような場合には、上記のように2つの光走査装置やその他の光学系の組み付け精度を高くしても、交換や切替の都度に光軸角度がずれる場合がある。また、レーザ光源によっては、出射するレーザ光の波長の切り替えにより、出射角度が微妙に変動する場合がある。
これらの場合に、レーザ光の角度が変動すると、指定した位置に正確に光刺激を与えることができなくなるという不都合がある。しかしながら、ダイクロイックミラー等の光学系を切り替えるたびに、あるいは、レーザ光の波長を切り替えるたびに、走査装置やその他の光学系の組み付け作業をやり直すことは現実的ではない。特に、観察用レーザ光のずれについては、例えば、標本の代わりに正確な格子を有する調整用チャートを配置してその画像を取得することで、光軸の位置ずれや走査装置を構成するガルバノミラーの振り角等を検出することができるが、刺激用レーザ光に関しては、画像を取得する適切な手段を有しないので、その調整は困難である。また、ステージ上の標本を調整用チャートに入れ替えて調整する場合には、調整後に標本に戻して観察を再開する必要があり、標本の同一の観察状態を再現できないという問題がある。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、光学部品の切り替えあるいは交換を行った際に生ずる観察用レーザ光と刺激用レーザ光との位置ずれの補正を容易に行うことを可能として精度の高い観察を行うことができる走査型レーザ顕微鏡を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明は、試料を励起する観察用レーザ光を発する観察用レーザ光源と、該観察用レーザ光を、対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する第1の光走査装置と、前記観察用レーザ光が照射された試料から発せられる光を検出する検出光学系と、試料に光刺激を与える刺激用レーザ光を発する刺激用レーザ光源と、該刺激用レーザ光を、前記対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する、前記第1の光走査装置とは異なる第2の光走査装置と、前記観察用レーザ光および前記刺激用レーザ光により形成されるスポット光の位置を検出するスポット位置検出手段と、該スポット位置検出手段により検出された観察用レーザ光および刺激用レーザ光のスポット光の位置に基づいて、前記観察用レーザ光および刺激用レーザ光の位置ずれを補正する補正手段とを備える走査型レーザ顕微鏡を提供する。
本発明によれば、観察用レーザ光源から発せられた観察用レーザ光は、第1の光走査装置により2次元的に振られ、対物レンズを介して試料上に照射されることにより、試料上で2次元的に走査され、試料を励起する。試料から発せられる蛍光等、反射光あるいは透過光のような光は、検出光学系により検出される。検出された光の輝度情報と第1の光走査装置による走査位置情報とを対応づけることにより、試料の画像を取得することができる。
一方、刺激用レーザ光源から発せられた刺激用レーザ光も、第2の光走査装置により2次元的に振られ、対物レンズを介して試料上に照射される。このとき、第2の光走査装置により、走査範囲上の任意の一点を照射したり、試料上の指定領域を走査することにより照射し、試料に光刺激を与えることになる。そして、第2の光走査装置により光刺激を与えながら、第1の光走査装置で画像を時間毎に取得することができる。したがって、例えば、刺激用レーザ光を試料に照射して光刺激を付与したとき、あるいはその後の試料の状態を観察用レーザ光を照射して得られる画像の経時変化を観察することができる。
この場合において、スポット位置検出手段を作動させることにより、観察用レーザ光および刺激用レーザ光のスポット位置のずれを検出することができる。例えば、第1の光走査装置および第2の光走査装置をそれぞれの走査範囲の振り角中心に固定した状態で、観察用レーザ光源および刺激用レーザ光源から観察用レーザ光および刺激用レーザ光を出射させることにより、スポット位置検出手段により2つのレーザ光のスポット位置を検出できる。そして、2つの光スポットの位置が一致していない場合、あるいは所定の位置関係に配されていないは、補正手段の作動により、補正することができる。
その結果、光学部品を切り替えたり、交換したり、あるいは、観察用レーザ光あるいは刺激用レーザ光の波長を切り替えたりすることにより、第1の光走査装置と第2の光走査装置の間に位置ずれが生じても、これを補正して、観察画像上で指定した刺激領域の正確な位置に刺激用レーザ光を照射し、これに精度よく対応する走査範囲の画像を取得することが可能となる。
上記発明においては、前記補正手段が、前記第1の光走査装置または前記第2の光走査装置の少なくとも一方の走査角にオフセットを付与することとしてもよい。
光学部品を切り替えたり交換したり、あるいは観察用レーザ光あるいは刺激用レーザ光の波長を切り替えたりする場合、観察用レーザ光あるいは刺激用レーザ光の角度が一方向にずれる場合が多い。本発明によれば、補正手段の作動により、第1の光走査装置または第2の光走査装置の少なくとも一方の走査角にオフセットを付与することで、レーザ光の角度ずれを簡易に補正して、観察画像上で指定した位置に刺激用レーザ光を正確に照射することが可能となる。
上記発明においては、前記観察用レーザ光の光路と前記刺激用レーザ光の光路とを合成する光路合成手段を備え、前記スポット位置検出手段が、前記光路合成手段と前記対物レンズとの間に配置されていることが好ましい。
このように構成することで、光路合成手段の作動により観察用レーザ光と刺激用レーザ光の光路が合成される。合成されたレーザ光は、光路合成手段と対物レンズとの間に配置されているスポット位置検出手段の作動により、それらのスポット位置が一度に検出され、補正手段の作動により、観察用レーザ光と刺激用レーザ光との位置合わせを容易に行うことができる。この場合に、対物レンズにレーザ光を入射させることなく位置合わせを行うので、試料にレーザ光を照射する必要がなく、位置合わせ作業中の試料の退色等の発生を防止することができる。また、試料に代えて調整用のチャートのような基準サンプルをステージ上に配置する必要がなく、調製前後において同一の観察状態を保持することができる。
また、上記発明においては、前記スポット位置検出手段が、前記光路合成手段と前記対物レンズとの間の光路に挿脱可能に設けられていることが好ましい。
このようにすることで、レーザ光の位置合わせを行う際には、光路合成手段と対物レンズとの間にスポット位置検出手段を挿入し、観察を行う際には、光路合成手段と対物レンズとの間からスポット位置検出手段を抜き出すことにより、試料をステージに配置したままの状態で、観察用レーザ光と刺激用レーザ光との位置合わせと観察とを行うことができる。したがって、試料を移動させずにすむので、調整の前後において、同一の観察状態を保持することができる。また、試料に代えて調整用チャートのような基準サンプルをステージ上に配置する必要がなく、調整作業を容易にすることができる。
また、上記発明においては、前記光路合成手段と対物レンズとの間に、複数のミラーキューブを有するキューブターレットが着脱可能に設けられるとともに、前記スポット位置検出手段が、前記キューブターレットの着脱位置に、着脱可能に設けられていることとしてもよい。
本発明によれば、観察用レーザ光と刺激用レーザ光との位置合わせを行う際に、キューブターレットを取り外して、その着脱位置にスポット位置検出手段を取り付けることで、キューブターレットのスペースを利用することができる。したがって、既存の走査型レーザ顕微鏡に後付けで、スポット位置検出手段を取り付けることが容易になり、また、キューブターレット用のスペースとして既に確保されているスペースを利用することで、装置全体の大型化を防止することができる。
また、上記発明においては、前記スポット位置検出手段が、撮像素子または多分割センサからなるスポット位置検出器と、光路に挿脱可能に設けられ、光路上に配置されたときに、観察用レーザ光および刺激用レーザ光を前記スポット位置検出器に導くミラーとを備えることとしてもよい。
このようにすることで、観察用レーザ光と刺激用レーザ光の位置合わせと、これらのレーザ光を用いた試料の観察とをミラーの挿脱によって簡易に切り替えることができる。
また、上記発明においては、前記スポット位置検出手段が、撮像素子または多分割センサからなるスポット位置検出器と、観察用レーザ光および刺激用レーザ光の一部を前記スポット位置検出器に導くビームスプリッタとを備えることとしてもよい。
このようにすることで、ビームスプリッタを介して観察用レーザ光と刺激用レーザ光とを常にスポット位置検出器に導くことができ、第1の光走査装置および第2の光走査装置によるレーザ光の走査を行わないときには、ミラーの挿脱等を行わなくても、いつでも観察用レーザ光と刺激用レーザ光の位置合わせ作業を行うことができる。
また、上記発明においては、前記スポット位置検出手段は、前記観察用レーザ光および前記刺激用レーザ光が前記対物レンズを介して試料に照射されることにより試料から発せられる光が対物レンズを介して結像する位置に配置された撮像素子を備えることとしてもよい。
このようにすることで、観察用レーザ光および刺激用レーザ光がそれぞれ照射されることにより試料から発せられる反射光のような光が対物レンズによって集光された後、撮像素子に結像される。したがって、撮像素子により取得された観察用レーザ光および刺激用レーザ光の光スポットの位置に基づいて、補正手段の作動により、観察用レーザ光と刺激用レーザ光との位置合わせを行うことができる。
また、上記発明においては、前記撮像素子が、着脱可能に設けられていることとしてもよい。
試料からの光の結像位置には、通常、水銀灯等の照明により試料より発する蛍光等を撮像するための撮像素子が着脱可能に配置されるので、その着脱位置を利用してスポット位置検出用の撮像素子を取り付けることにより、既存の走査型レーザ顕微鏡に後付けで、レーザ光の位置合わせ機能を容易に搭載することが可能となる。また、水銀灯を光源とする蛍光観察用の撮像素子が備えられている場合には、スポット位置検出用の撮像素子として共用するようにしてもよい。
また、上記発明においては、前記スポット位置検出手段は、前記観察用レーザ光および前記刺激用レーザ光が前記対物レンズを介して試料に照射されることにより試料から発せられる光を、試料に対して前記対物レンズとは反対側において結像させる結像手段と、該結像手段による結像位置に配置された撮像素子とを備えることとしてもよい。
このようにすることで、試料を透過する観察用レーザ光および刺激用レーザ光のスポット位置を撮像素子により検出でき、観察時と位置調節時とで、光路を切り替えることなく任意のタイミングで位置調整を行うことができる。また、透過光路にコンデンサユニットが備えられている場合には、該コンデンサユニットの代わりにスポット位置検出手段を装着することができ、装置への後付けが容易である。
また、上記発明においては、前記スポット位置検出手段が、荷電結合素子(CCD)または多分割センサであることとしてもよい。
このようにすることで、観察用レーザ光および刺激用レーザ光のスポット位置を簡易に検出することができる。
また、上記発明においては、前記スポット位置検出手段は、前記観察用レーザ光および刺激用レーザ光が略平行光となる位置に配置され、これら観察用レーザ光および刺激用レーザ光の傾斜角度を検出する角度センサを備え、検出された傾斜角度に基づいてスポット位置ずれを検出することとしてもよい。
レーザ光が略平行光となる位置におけるレーザ光の傾斜角度が、観察用レーザ光および刺激用レーザ光の照明位置に影響するので、角度センサの作動によりレーザ光の傾斜角度を検出することによりスポット位置ずれを容易に検出することができる。
また、本発明は、試料を励起する観察用レーザ光を発する観察用レーザ光源と、該観察用レーザ光源を対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する第1の光走査装置と、前記観察用レーザ光が照射された試料から発せられる光を検出する検出光学系と、試料に光刺激を与える刺激用レーザ光を発する刺激用レーザ光源と、該刺激用レーザ光を前記対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する、前記第1の光走査装置とは異なる第2の光走査装置と、前記観察用レーザ光と刺激用レーザ光の光路を合成する光路合成手段と、前記第2の光走査装置の作動により、刺激用レーザ光を試料上で走査した際に得られる蛍光、反射光または透過光を走査装置を経ることなく検出する非ディスキャン検出器と、該非ディスキャン検出器により取得された刺激用レーザ光に基づく走査画像と、前記検出光学系により取得された観察用レーザ光に基づく走査画像とに基づいて、刺激用レーザ光および観察用レーザ光の位置ずれを求め、この位置ずれを補正する補正手段とを備える走査型レーザ顕微鏡を提供する。
本発明によれば、観察用レーザ光源から発せられた観察用レーザ光が第1の光走査装置により対物レンズを介して標本上で走査され、標本からの戻り光が対物レンズおよび第1の光走査装置を介して検出光学系により検出される。これにより、観察用レーザ光に基づく走査画像が取得される。一方、刺激用レーザ光源から発せられた刺激用レーザ光が第2の光走査装置により対物レンズを介して標本上で走査され、標本からの戻り光が第2の光走査装置を経ることなく非ディスキャン検出器により検出される。これにより、刺激用レーザ光に基づく走査画像が取得される。そして、補正手段の作動により、観察用レーザ光に基づく走査画像と、刺激用レーザ光に基づく走査画像とに基づいて刺激用レーザ光と観察用レーザ光との位置調整が行われる。
その結果、光学部品を切り替えたり、交換したり、あるいは、観察用レーザ光あるいは刺激用レーザ光の波長を切り替えたりすることにより、第1の光走査装置と第2の光走査装置の間に位置ずれが生じても、これを補正して、正確な位置に刺激用レーザ光を照射し、これに精度よく対応する走査範囲の画像を取得することが可能となる。
刺激用レーザ光源として極短パルスレーザ光を発するレーザ光源を使用することにより、非ディスキャン検出器によって、鮮明な蛍光画像を取得することが可能となり、観察用レーザ光に基づく蛍光画像との対比を容易にして精度よく位置調整を行うことができる。
また、本発明は、試料を励起する観察用レーザ光を発する観察用レーザ光源と、該観察用レーザ光源を対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する第1の光走査装置と、試料に光刺激を与える刺激用レーザ光を発する刺激用レーザ光源と、該刺激用レーザ光を前記対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する、前記第1の光走査装置とは異なる第2の光走査装置と、前記観察用レーザ光と刺激用レーザ光の光路を合成する光路合成手段と、前記観察用レーザ光および前記刺激用レーザ光を試料上で走査した際に得られる光を走査装置を経ることなく検出する非ディスキャン検出器と、該非ディスキャン検出器により取得された観察用レーザ光および刺激用レーザ光に基づく走査画像に基づいて、刺激用レーザ光および観察用レーザ光の位置ずれを求め、この位置ずれを補正する補正手段とを備える走査型レーザ顕微鏡を提供する。
また、上記発明においては、前記非ディスキャン検出器が、試料に対して前記対物レンズとは反対側の光路上に配置されていることとしてもよい。
このようにすることで、試料を透過する刺激用レーザ光の画像を非ディスキャン検出器により検出できる。
また、上記発明においては、前記非ディスキャン検出器の前段に刺激用レーザ光を遮断し、蛍光を透過するバリアフィルタを備えることが好ましい。
このようにすることで、非ディスキャン検出器により鮮明な蛍光画像を取得することができ、観察用レーザ光に基づく蛍光画像との対比を容易にし、精度よく位置合わせを行うことができる。
また、本発明は、試料を励起する観察用レーザ光を発する観察用レーザ光源と、該観察用レーザ光源を対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する第1の光走査装置と、前記観察用レーザ光が照射された試料から発せられる光を検出する検出光学系と、試料に光刺激を与える刺激用レーザ光を発する刺激用レーザ光源と、該刺激用レーザ光を、前記試料に対して対物レンズとは反対側から入射させて試料上で2次元的に走査する、前記第1の光走査装置とは異なる第2の光走査装置と、前記観察用レーザ光および前記刺激用レーザ光が試料に照射されることにより試料から発せられる光が対物レンズを介して結像する位置に配置され、スポット光の位置を検出する撮像素子からなるスポット位置検出手段と、該スポット位置検出手段により検出されたスポット光の位置に基づいて、前記観察用レーザ光および刺激用レーザ光の位置ずれを補正する補正手段とを備える走査型レーザ顕微鏡を提供する。
この発明によれば、試料を挟んで異なる方向から観察用レーザ光と刺激用レーザ光とを第1の光走査装置および第2の光走査装置により、試料にそれぞれ照射し、観察用レーザ光によるスポット光の位置と刺激用レーザ光によるスポット光の位置を検出することができる。そして、2つの光スポットの位置が一致していない場合、あるいは所定の位置関係に配されていないは、補正手段の作動により、補正することができる。
その結果、光学部品を切り替えたり、交換したり、あるいは、観察用レーザ光あるいは刺激用レーザ光の波長を切り替えたりすることにより、第1の光走査装置と第2の光走査装置の間に位置ずれが生じても、これを補正して、正確な位置に刺激用レーザ光を照射し、これに精度よく対応する走査範囲の画像を取得することが可能となる。
本発明によれば、光学部品の切り替えあるいは交換を行った際に生ずる観察用レーザ光と刺激用レーザ光との位置ずれの補正を容易に行うことを可能として精度の高い観察を行うことができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡1について、図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡1は、図1に示されるように、観察用レーザ光Lを発する観察用レーザ光源2と、観察用レーザ光Lを2次元的に走査する第1の光走査装置3と、刺激用レーザ光Lを発する刺激用レーザ光源4と、刺激用レーザ光Lを2次元的に走査する第2の光走査装置5と、これら第1,第2の光走査装置3,5により走査された観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lを結像させる瞳投影レンズ6,7と、これら観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lの光路を合成する光路合成用ダイクロイックミラー8と、合成されたレーザ光Lを略平行光にする結像レンズ9と、略平行光にされたレーザ光を試料Aに集光する対物レンズ10と、試料Aを載置するステージ11と、試料Aに観察用レーザ光Lを照射することにより発生し、対物レンズ10、結像レンズ9、光路合成用ダイクロイックミラー8、第1の光走査装置5を介して戻る蛍光Fを検出する光検出器12,13と、前記光路合成用ダイクロイックミラー8と前記対物レンズ10との間に挿脱可能に配置され、前記観察用レーザ光Lおよび前記刺激用レーザ光Lにより形成されるスポット光の位置を検出するスポット位置検出装置14と、各種装置を制御する制御部15とを備えている。
前記観察用レーザ光源2は、可視レーザ光源2Aと赤外パルスレーザ光源2Bの2種類のレーザ光源を備えている。可視レーザ光源2Aは、例えば、457,488,514nmの波長の観察用レーザ光Lを発振するマルチラインアルゴンレーザのようなレーザ光源であり、該可視レーザ光源2Aから出射される観察用レーザ光Lの波長選択と強度変調とを行うためのAOTF(Acousto-Optic Tunable Filter:音響光学可変波長フィルター)16を備えている。赤外パルスレーザ光源2Bは、赤外光からなる観察用レーザ光Lを出射するレーザ光源であり、赤外光の波長を切り替える波長切替制御装置17と、強度変調を行うためのAOM(Acousto-Optic Modulator:音響光学変調器)18とを備えている。
前記刺激用レーザ光源4は、例えば、上記マルチラインアルゴンレーザあるいは405nmの波長の刺激用レーザ光Lを発振する半導体レーザのようなレーザ光源であり、この刺激用レーザ光源4から出射される刺激用レーザ光Lの波長選択と強度変調とを行うためのAOTF19を備えている。
観察用レーザ光源2Aからの観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光源4からの刺激用レーザ光Lはそれぞれ、AOTF16,19によって波長選択および強度変調された後に、光ファイバ20,21を介して伝播され、コリメートレンズ22によって略平行光にされた状態で、それぞれ第1,第2の光走査装置3,5に入射されるようになっている。図中、符号23は、反射ミラーであり、符号24はダイクロイックミラーである。
前記第1、第2の光走査装置3,5は、例えば、相互に直交する2軸回りにそれぞれ揺動可能な2枚のガルバノミラー(図示略)を近接配置させており、観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lをそれぞれ、直交する2方向に走査させて、2次元的な走査範囲に照射することができるようになっている。
前記光路合成用ダイクロイックミラー8は、図3に示されるように、観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lの選択された波長、および光検出器12,13で検出する蛍光波長に対する透過率特性の異なる複数のダイクロイックミラー8a,8bおよび観察用レーザ光Lを透過させる空穴8cを一方向に配列して構成されている。光路合成用ダイクロイックミラー8には、該光路合成用ダイクロイックミラー8をダイクロイックミラー8a,8bおよび空穴8cの配列方向に移動させるミラー駆動装置25が備えられている。ミラー駆動装置25の作動により光路合成用ダイクロイックミラー8を移動させて、任意のダイクロイックミラー8a,8bあるいは空穴8cを選択できるようになっている。
前記光検出器12,13は、例えば、光電子増倍管(PMT:Photomultiplier Tube)であり、試料Aから戻ってきた蛍光Fを検出するようになっている。光検出器12,13は、蛍光Fの波長帯域毎に複数、例えば、2つ備えられている。これらの光検出器12,13の前段には、ダイクロイックミラー26が配置され、戻ってきた蛍光Fを波長毎に分岐して各光検出器12,13に入射させるようになっている。各光検出器12,13の前段には共焦点ピンホール27およびバリアフィルタ28が配置されている。また、前記ダイクロイックミラー26の前段には、第1の光走査装置3から戻ってきた蛍光Fを集光して共焦点ピンホール27位置に結像させる共焦点レンズ29が備えられている。共焦点ピンホール27の位置は、対物レンズ10の前側焦点位置と互いに共役な位置関係に配置されている。
共焦点レンズ29と前記第1の光走査装置3との間には、観察用レーザ光源2からの観察用レーザ光Lを反射する一方、試料Aから戻る蛍光Fを透過させるダイクロイックミラーターレット30が配置されている。ダイクロイックミラーターレット30は、図2に示されるように、駆動装置31により中心軸線回りに回転可能な円板状のターレット32に、透過率特性の異なる複数のダイクロイックミラー33a〜33cを備え、観察用レーザ光源2からの観察用レーザ光Lの波長に応じて切り替えられるようになっている。
前記スポット位置検出装置14は、光路合成用ダイクロイックミラー8と対物レンズ10との間の光路に挿脱可能に配置され、光路内に挿入された状態で、光路合成用ダイクロイックミラー8によって合成された観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lを反射する光路分岐用ミラー34と、反射されたレーザ光L,Lを集光して光スポットを形成する結像レンズ35と、該結像レンズ35によるレーザ光L,Lの結像位置に撮像面を配置したCCDのような撮像素子36とを備えている。前記光路分岐用ミラー34には、該光路分岐用ミラー34を光路に挿脱するための切替装置37が備えられている。光路分岐用ミラー34は、光路内から抜き出された状態でレーザ光L,Lを対物レンズ10側に通過させるようになっている。
前記制御部15は、前記AOTF16,19、波長切替制御装置17、AOM18、第1の光走査装置3、第2の光走査装置5、駆動装置31、ミラー駆動装置25、切替装置37および撮像素子36に接続されている。制御部15は、試料Aに入射させるレーザ光L,Lの波長を選択するためにAOTF16,19および波長切替制御装置17を作動させるとともに、ターレット駆動装置31およびミラー駆動装置25の作動によりダイクロイックミラーターレット30の回転および光路合成用ダイクロイックミラー8の切替を行い、所望の透過率特性を有するダイクロイックミラー33a〜33c,8a,8bを選択することができるようになっている。また、制御部15は、レーザ光L,Lの強度を変調するためにAOTF16,19およびAOM18を作動させるようになっている。
また、制御部15は、観察用レーザ光Lと刺激用レーザ光Lとの光軸合わせを行う場合には、第1の光走査装置3および第2の光走査装置5を、例えば、振り角の中心位置で固定し、切替装置37を作動させることにより、光路分岐用ミラー34を光路内に挿入させ、観察用レーザ光源2からの観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光源4からの刺激用レーザ光Lを反射させて撮像素子36により撮像させるようになっている。そして、撮像素子36により撮像された観察用レーザ光Lの光スポットと、刺激用レーザ光Lの光スポットとがずれている場合には、これらの光スポットが一致するように、前記第1、第2の光走査装置3,5のガルバノミラーの走査角にオフセットを与えるようになっている。
なお、図中、符号38は接眼レンズ、符号39は接眼レンズ38に入射される蛍光を結像させる結像レンズ、符号40はプリズムである。また、符号41は水銀灯、符号42は、光路に挿脱可能に配置され、水銀灯41を用いた観察を行う場合に光路内に挿入されるミラー、符号43は光ファイバ、符号44は光ファイバ43から発せられた白色光を集光する投影レンズである。
また、符号45は、複数のミラーキューブ46,47を備え、回転によりミラーキューブ46,47を切り替えるキューブターレットである。キューブターレット45にはキューブ切替装置48が設けられ、必要に応じて作動させられることによりミラーキューブ46,47を切り替えることができるようになっている。
ミラーキューブ46,47としては、レーザ光L,Lを試料Aに照射する際に、光路内に配置される反射ミラー47aを備えるミラーキューブ47と、接眼レンズ38を介した観察の際に光路内に配置される接眼観察用のミラーキューブ46とが備えられている。接眼観察用のミラーキューブ46は、水銀灯41から発せられた白色光から励起光を選択的に透過させる励起フィルタ46a、励起光を反射し、試料Aから戻る蛍光を透過する励起ダイクロイックミラー46b、該励起ダイクロイックミラー46bを透過してしまった励起光を遮断し、接眼観察する蛍光波長を透過するバリアフィルタ46cを備えている。
このように構成された本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡1の作用について以下に説明する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡1を用いて試料Aを観察する場合には、観察用レーザ光源2である可視レーザ光源2Aまたは赤外パルスレーザ光源2Bの少なくとも一方を作動させる。制御部15は、AOTF16および波長切替制御装置17を作動させることにより、観察用レーザ光Lの波長を設定するとともに、AOTF16およびAOM18を作動させることにより、観察用レーザ光Lの強度を調節する。
制御部15は、ダイクロイックミラーターレット30の駆動装置31を作動させ、選択した観察用レーザ光Lの波長に適したダイクロイックミラー33a〜33cが光路内に配置されるようにダイクロイックミラーターレット30のターレット32を回転させる。
また、制御部15は、光路合成用ダイクロイックミラー8のミラー駆動装置25を作動させ、空穴8cが光路内に配置されるように光路合成用ダイクロイックミラー8を移動させる。
このとき、制御部15は、スポット位置検出装置14の切替装置37を作動させ、光路分岐用ミラー34を光路から退避させておく。
また、このとき、キューブターレット45のキューブ切替装置48を作動させ、反射ミラー47aを含むミラーキューブ47を選択しておく。
このようにすることで、観察用レーザ光源2である可視レーザ光源2Aから発せられた観察用レーザ光Lは、AOTF16によって波長選択および強度調整された後、光ファイバ20を伝播してコリメートレンズ22により略平行光とされ、ダイクロイックミラー24,33a〜33cによって反射されて第1の光走査装置3により2次元的に走査される。
観察用レーザ光Lの試料Aにおける走査範囲は、第1の光走査装置3を構成する各ガルバノミラーの角度、および光路内に配置されている各光学要素に依存して決定される。通常、各ガルバノミラーの振り角の中心位置が接眼観察時の視野の中心と一致するように調節される。
第1の光走査装置3により2次元的に走査された観察用レーザ光Lは、瞳投影レンズ6および結像レンズ9によって光路合成用ダイクロイックミラー8の空穴8cを介してリレーされ、ミラーキューブ47の反射ミラー47aによって反射されて対物レンズ10によりステージ11上の試料Aに集光される。
試料Aにおいては、観察用レーザ光Lが照射されることにより、試料Aに含まれている蛍光物質が励起されて蛍光Fが発せられる。発生した蛍光Fは、対物レンズ10、ミラーキューブ47、結像レンズ9、空穴8c、瞳投影レンズ6および第1の光走査装置3を介して観察用レーザ光Lの光路を戻る。そして、ダイクロイックミラーターレット30のダイクロイックミラー33a〜33cを透過して共焦点レンズ29によって集光され、ダイクロイックミラー26によって波長毎に分岐された後、それぞれ共焦点ピンホール27を通過し、バリアフィルタ28を透過した蛍光Fのみが各光検出器12,13により検出される。
各共焦点ピンホール27の位置は、対物レンズ10の焦点位置と互いに共役な位置関係に配置されているので、対物レンズ10の焦点位置において発生した蛍光Fのみを各光検出器12,13により検出することができる。各光検出器12,13には、第1の光走査装置3による走査範囲の各位置に観察用レーザ光Lを照射したときに発生する蛍光Fが検出されるので、検出された蛍光Fの光量信号と、第1の光走査装置3による走査位置とを対応づけて記憶しておくことにより、対物レンズ10の前側焦点位置を含む平面に沿う試料A内部の所定深さに広がる内部組織の画像を蛍光Fの波長毎に取得し、表示部49に表示することができる。
次に、本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡1を用いて、刺激用レーザ光Lにより試料Aに光刺激を与えながら観察用レーザ光Lにより観察を行うには、光路合成用ダイクロイックミラー8のミラー駆動装置25を作動させ、選択された波長の観察用レーザ光Lを透過し、選択された波長の刺激用レーザ光Lを反射する透過率特性を有するダイクロイックミラー33aまたはダイクロイックミラー33bを光路内に配置しておく。
そして、刺激用レーザ光源4から発せられ、AOTF19により波長選択および強度変調され、光ファイバ21により伝播された刺激用レーザ光Lをコリメートレンズ22により略平行光として、第2の光走査装置5および瞳投影レンズ7を介した後に光路合成用ダイクロイックミラー8によって反射させる。これにより、刺激用レーザ光Lが観察用レーザ光Lの光路に沿って入射され、以降、観察用レーザ光Lと同一の光路を辿って試料Aに照射される。刺激用レーザ光Lの試料Aにおける照射位置は、第2の光走査装置5を構成する各ガルバノミラーの角度および光路上の各光学要素によって決定される。通常、各ガルバノミラーの振り角の中心位置が第1の光走査装置3の各ガルバノミラーの振り角の中心位置と一致するように刺激用レーザ光Lの第2の光走査装置5が調節される。
これにより、第2の光走査装置5を作動させて、刺激用レーザ光Lを試料A上の所望の位置に照射しつつ、観察用レーザ光Lの照射により発生する蛍光Fを光検出器12,13により検出することで、光刺激を与えたときの試料Aの挙動を観察することができる。
この場合において、本実施形態においては、観察用レーザ光源2および刺激用レーザ光源4から出射するレーザ光L,Lの波長を変更し、その波長に合わせて、各種ダイクロイックミラー33a〜33c,8a,8bを変更することになるが、ダイクロイックミラー33a〜33c,8a,8bのそれぞれの角度誤差や反射面の一誤差により、観察用レーザ光Lの走査範囲と刺激用レーザ光Lの走査範囲にずれが生じる。
本実施形態においては、観察用レーザ光Lあるいは刺激用レーザ光Lの波長を変更する場合には、観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lの光軸調整を行う。まず、切替装置37を作動させ、光路分岐用ミラー34を光路内に挿入する。そして、第1の光走査装置3および第2の光走査装置5を構成する各ガルバノミラーを所定の位置、例えば、振り角の中心位置で固定する。光路分岐用ミラー34は、光路合成用ダイクロイックミラー8と対物レンズ10との間に挿脱可能に配置されているので、光路内に挿入されると、光路合成用ダイクロイックミラー8により光路を合成された観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lがいずれも光路分岐用ミラー34によって反射される。そして、反射された観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lは、結像レンズ35によって集光されて撮像素子36により撮像される。
各レーザ光源2,4におけるレーザ光L,Lの波長の切替やダイクロイックミラー8a,8b,33a〜33c等の光学系の変更によって、観察用レーザ光Lまたは刺激用レーザ光Lの光路が変化した場合には、撮像素子36により検出される2つの光スポットの位置にずれが発生する。制御部15は、撮像素子36からの信号に基づいて、2つのレーザ光L,Lの光スポット位置のずれ量を検出し、そのずれ量がゼロになるように、第1または第2の光走査装置3,5の少なくとも一方のガルバノミラーの走査角度を調節する。具体的には、一方の光走査装置3,5のガルバノミラーの走査角にオフセットを付与する。
これにより、2つのレーザ光L,Lの光スポットの位置が一致するように補正される。したがって、試料A上の正確な位置に刺激用レーザ光Lを照射し、これに精度よく対応する走査範囲に観察用レーザ光Lを照射して画像を取得することが可能となる。
このように、本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡1によれば、光路合成用ダイクロイックミラー8と対物レンズ10との間に挿入した光路分岐用ミラー34によって、試料Aに向かうレーザ光L,Lを遮って光スポット位置の補正を行うので、補正作業時に試料Aにレーザ光L,Lを照射せずに済み、補正作業中における試料Aの退色等の不都合の発生を未然に防止することができる。
また、ステージ11上に基準サンプルを配置して、光スポットの位置を確認する方法とは異なり、光路合成用ダイクロイックミラー8と対物レンズ10との間から観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lを取り出して検出するので、補正作業時に、試料Aをステージ11上から移動させたり交換したりする必要がない。したがって、波長の切替前後において試料Aの状態を変化させることなく、同一条件で観察を継続することができる。また、試料Aの付け外し作業が不要となり、観察作業を簡易にすることができる。
なお、本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡1を用いて、接眼レンズ38を介した観察を行うには、ミラー42を光路内に挿入し、光路分岐用ミラー34を光路から抜き出しておく。また、キューブ切替装置48を作動させてキューブターレット45を回転させ、所望のミラーキューブ46を光路内に配置しておく。この状態で、水銀灯41を作動させて光ファイバ43および投影レンズ44を介して水銀灯41からの光をミラー42により光路内に入射させ、ミラーキューブ46の励起フィルタ46aを介して励起光を発生させ、励起ダイクロイックミラー46bによって励起光を反射して対物レンズ10に入射させ、試料Aに照射させる。試料Aにおいて発生した蛍光Fは、対物レンズ10、励起ダイクロイックミラー46bを透過してバリアフィルタ46cによって励起光成分を除去された後、結像レンズ39、プリズム40および接眼レンズ38を介して観察されることになる。
また、本実施形態においては、光路合成用ダイクロイックミラー8として、複数のダイクロイックミラー8a,8bと空穴8cとが配列されたものをその配列方向に移動させることで、波長毎に異なるダイクロイックミラー8a,8bを光路内に配置させることとしたが、これに代えて、図4に示されるように、アリ溝8dとアリ?8eとを嵌合させる等の位置決め機構により精度よく位置決め状態に固定可能なダイクロイックミラー8aを波長毎に交換することにしてもよい。この場合に、ダイクロイックミラー8aに該ダイクロイックミラー8aの識別符号8fを付しておき、ダイクロイックミラー8aが交換されたときには、その識別符号8fをセンサ8gによって読み取ることで、制御部15に交換を認識させ、そのタイミングで位置補正作業を行わせることにしてもよい。
また、本実施形態においては、撮像素子36に観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lを導くための光路分岐用ミラー34を光路に挿脱可能に配置したが、これに代えて、数%の反射率を有する透明なガラスを光路上に常時配置しておき、数%の観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lを反射して撮像素子36により常時撮像可能にすることにしてもよい。
このようにすることで、光路分岐用ミラー34を移動させる切替機構37が不要となり、装置を簡易な構造にすることができるとともに、可動部分を少なくして、装置のコンパクト化、低コスト化を図ることができる。
また、数%のレーザ光L,Lを常時分岐して検出しているので、例えば、装置の立ち上げ時や画像を取得する直前などに、定期的にあるいは必要に応じて、任意のタイミングで補正作業を容易に行うことが可能となる。
また、本実施形態においては、光スポット位置検出装置14として、2つの光スポットの2次元的な位置を検出可能なCCDのような2次元の撮像素子36を有するものを採用したが、これに代えて、4分割センサを用いることにしてもよい。また、光路分岐用ミラー34により分岐される光束が結像レンズ9後の略平行光となったレーザ光L,Lであるため、結像レンズ35およびCCD36に代えて、光束の角度を検出する角度センサを有するものを採用することにしてもよい。
次に、本発明の第2の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100について、図5を参照して以下に説明する。
なお、以下の各実施形態の説明において、特に言及しない場合には、上述した第1の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡1と構成を共通とする箇所に同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100は、図5に示されるように、第1の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡1のスポット位置検出装置14に代えて、キューブターレット45を着脱可能とし、該キューブターレット45の着脱位置に着脱可能に設けられたスポット位置検出装置101を備えている。このスポット位置検出装置101は、キューブターレット45の着脱位置に着脱可能に取り付けられるケース102と、該ケース102に固定され、略平行光として入射される観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lを集光する結像レンズ103と、該結像レンズ103によるレーザ光L,Lの結像位置に配置される撮像素子104とを備えている。
このように構成された本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100を用いて、観察用レーザ光Lの光軸と刺激用レーザ光Lの光軸とを位置合わせするには、キューブターレット45を取り外した状態で、図5に示されるように、該キューブターレット45の着脱位置に、スポット位置検出装置101を取り付ける。このようにすると、光路合成用ダイクロイックミラー8により合波され結像レンズ9によって略平行光とされた観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lがスポット位置検出装置101に入射され、結像レンズ103によって結像された後に撮像素子104により撮像される。
これにより、第1の実施形態と同様に、観察用レーザ光Lと刺激用レーザ光Lの光スポットを撮像し、位置ずれが生じている場合には、制御部15により、その位置ずれを補正するよう各光走査装置3,5を調節することができる。
この場合において、本実施形態においても、観察用レーザ光Lと刺激用レーザ光Lとの光軸合わせの際に、両レーザ光L,Lを試料Aに照射させずに済むので、補正作業中における試料Aの退色等の不都合の発生を未然に防止することができる。
また、補正作業時に、試料Aをステージ11上から移動させたり交換したり、あるいは基準サンプルを配置したりする必要がなく、波長の切替前後において試料Aの状態を変化させることなく、同一条件で観察を継続することができる点も、第1の実施形態と同様である。
また、本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡100によれば、通常、着脱可能に設けられるキューブターレット45の着脱位置を利用してスポット位置検出装置101を配置するので、キューブターレット45のスペースをそのまま利用することができる。したがって、既存の走査型レーザ顕微鏡100に後付けで、スポット位置検出手段101を取り付けることが容易になり、また、キューブターレット45用のスペースとして既に確保されているスペースを利用することで、装置全体の大型化を防止することができる。
なお、キューブターレット45を着脱可能とし、その着脱位置にスポット位置検出装置101を配置することに代えて、キューブターレット45に備えられたミラーキューブ46,47と同様の形状を有するようにスポット位置検出装置101を構成し、キューブターレット45の切替動作によって光路上に配置することとしてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡110について、図6を参照して説明する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡110は、図6に示されるように、第1の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡1の光路合成用ダイクロイックミラー8と対物レンズ10との間に挿脱可能なスポット位置検出装置14に代えて、試料Aを挟んで対物レンズ10と対向する位置に、結像レンズ111と撮像素子112とを備えるスポット位置検出装置113を備えている。
このスポット位置検出装置113は、例えば、透過照明用のコンデンサレンズを装着するアリ溝(図示略)に装着可能な取付アリ114を有している。該取付アリ114をアリ溝に係合させることで、コンデンサレンズの代わりに取り付けられるようになっている。
このように構成された本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡110によれば、光路合成用ダイクロイックミラー8によって合波された観察用レーザ光Lと刺激用レーザ光Lとは試料Aを透過してスポット位置検出装置113の撮像素子112により検出される。これにより、第1,2の実施形態と同様にして、2つのレーザ光L,Lの光軸ずれの補正作業を行うことができる。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡110によれば、スポット位置検出装置113が、試料Aを透過したレーザ光L,Lを検出するので、補正作業は、試料Aを退色等させない程度の光量および照射時間内に実施する必要があるが、観察用レーザ光Lによる試料Aの観察を行いながら、所望のタイミングで、いつでも補正作業を行うことができるという利点がある。
また、予め透過照明用のコンデンサレンズの代わりに装着するので、既存の走査型レーザ顕微鏡に後付けで、スポット位置検出装置113を取り付けることが容易になり、また、既にコンデンサレンズ用に確保されているスペースを利用することで、装置全体の大型化を防止することができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡120について、図7を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡120は、図7に示されるように、第1の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡1の光路合成用ダイクロイックミラー8と対物レンズ10との間に挿脱可能なスポット位置検出装置14に代えて、接眼レンズ38用の鏡筒121の上部に配置されるスポット位置検出装置122を備えている。スポット位置検出装置122は、鏡筒121内の結像レンズ39による結像位置に撮像面を配置する撮像素子123を備えている。
鏡筒121の上部には、対物レンズ10により集光された試料Aからの光がプリズム40を透過して結像レンズ39により結像される位置にCCDカメラを取り付けるためのCマウント124のような着脱機構が通常設けられているので、該Cマウント124を利用してスポット位置検出装置122を取り付けることができる。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡120を用いて観察用レーザ光Lと刺激用レーザ光Lの光軸補正を行う場合には、キューブターレット45を作動させてハーフミラー47a′のキューブ47′を光路上に配置する。このようにすることで、各レーザ光源2A,4から発せられ、光路合成用ダイクロイックミラー8によって合成された観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lは、ハーフミラー47a′によって反射されて試料Aに照射され、試料Aにおいて反射して戻る。そして、ハーフミラー47a′を透過して結像レンズ39により結像され、プリズム40を透過して撮像素子123により光スポットとして検出される。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡120によれば、接眼レンズ38用の鏡筒121に内蔵されている結像レンズ39を利用するので、Cマウント124に装着可能な汎用のCCDカメラをスポット位置検出装置122の撮像素子123として利用することができるという利点がある。したがって、水銀灯41による蛍光観察用のCCDカメラをスポット位置検出装置122として利用することが可能となる。その結果、既存の走査型レーザ顕微鏡に後付けで、スポット位置検出装置122を取り付けることが容易になり、また、既に蛍光観察CCDカメラ用に確保されているスペースを利用することで、装置全体の大型化を防止することができる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡130について、図8を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態の説明においては、上述した第4の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡120と構成を共通とする箇所に同一符号を付して説明を省略する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡130は、図8に示されるように、刺激用レーザ光源4、AOTF19、光ファイバ21、コリメートレンズ22、第2の光走査装置5、瞳投影レンズ7および結像レンズ131等を含む刺激用レーザ光Lを照射する装置が、試料Aを挟んで対物レンズ10と対向する側に配置されている点において、第4の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡120と相違している。符号132は反射ミラーである。
キューブターレット45をハーフミラー47a′からなるミラーキューブ47′に切り替え、観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lを出射することにより、観察用レーザ光Lはハーフミラーからなるミラーキューブ47′によって反射されて試料Aに照射され、試料Aにおける反射光がミラーキューブ47′を透過して、接眼観察用の鏡筒121上に取り付けられている撮像素子123によって撮像される。一方の刺激用レーザ光Lは、試料Aの下方から試料Aに照射されることで、その一部が試料Aを透過して対物レンズ10により集光され、ミラーキューブ47′を透過して上記撮像素子123により撮像される。
したがって、本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡130によっても、撮像素子123によって、観察用レーザ光Lと刺激用レーザ光Lの光スポットを同時に撮像することが可能となり、そのずれを修正するように走査装置3,5を作動させて、光軸の位置合わせを容易に行うことができる。
次に、本発明の第6の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡140について、図9を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡140は、第3の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡110のスポット位置検出ユニット113に代えて、試料Aにおいて発生した蛍光F,Fを集光する結像レンズ141と、試料Aを透過した観察用レーザ光Lおよび刺激用レーザ光Lを遮断し、刺激用レーザ光Lによって発生した蛍光Fのみを透過するバリアフィルタ142と、バリアフィルタ142を透過した蛍光Fを略平行光にするコリメートレンズ143と、略平行光にされた蛍光Fを検出する非ディスキャン検出器144とを備えている。
コリメートレンズ143と非ディスキャン検出器144との間には、光路内に挿脱可能に配置されたミラー145が備えられており、該ミラー145が光路内に配された状態で、蛍光Fは、反射されて非ディスキャン検出器144に入射させられるようになっている。一方、ミラー145を挟んでコリメートレンズ143と対向する位置には、透過照明用のランプ146が配置されており、ミラー145が光路内から退避させられた状態で、接眼レンズ38を介して透過照明による観察を行うための透過照明用のランプ146からコリメートレンズ143に向けて透過照明光が入射されるようになっている。図中、符号147は反射ミラーである。
このように構成された本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡140によれば、観察用レーザ光Lが試料Aに照射されると、試料において発生した蛍光Fが、観察用レーザ光Lの照射光路を戻ってダイクロイックミラーターレット30により分岐され、光検出器12,13により検出されることで、観察用レーザ光Lの走査画像を取得することができる。
一方、刺激用レーザ光Lが試料Aに照射されると、試料Aにおいて発生した蛍光Fが試料Aを透過して、透過照明光路に入り、結像レンズ141、バリアフィルタ142、ミラー147、コリメートレンズ143およびミラー145を介して非ディスキャン検出器144により検出される。これにより、刺激用レーザ光Lの走査画像を取得することができる。
したがって、制御部15においては、取得された2つの走査画像を画像処理によって比較することにより、観察用レーザ光Lと刺激用レーザ光Lとの位置ずれを走査画像のずれに基づいて求めることが可能となり、求められた位置ずれに基づいて、観察用レーザ光Lと刺激用レーザ光Lとの光軸の位置合わせを行うことができる。
一方、観察用レーザ光源Lとして超短パルスレーザ光を出射する光源を使用する場合には、前記光検出器144を多光子蛍光画像を取得するための非ディスキャン検出器として使用することができる。したがって、試料Aにおいて多光子励起効果を発生させることにより、試料Aの所定深さ位置における鮮明な蛍光画像を取得することができる。
また、透過照明による接眼レンズ38を用いた観察を行う場合には、ミラー145を光路から退避させ、ミラーキューブ46として空穴(図示略)を採用することで、透過照明用のランプ146からの照明光を試料Aに照射し、試料Aを透過する光を結像レンズ39、プリズム40および接眼レンズ38を介して観察することが可能となる。
本実施形態によれば、ノマルスキー観察等、試料細胞の全体像を把握するために、走査型レーザ顕微鏡140に通常備えられている透過検出ユニットを利用して刺激用レーザ光Lの走査画像を取得するので、新たな撮像素子の追加等、特別なユニットを用いる必要がなく、既存の走査型レーザ顕微鏡を用いて容易にレーザ光L,Lの光軸合わせを行うことができる。また、試料Aを動かしたり、基準サンプルに載せ替えたりする必要がなく、所望のタイミングで光軸合わせを行うことができ、また、試料Aに対する観察条件を変化させてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態においては、観察用レーザ光Lについては、第1の光走査装置3を介して戻る蛍光Fを光検出器12,13により検出することで走査画像を取得し、刺激用レーザ光Lについては、試料Aを透過する方向に発生する蛍光Fを透過検出用の非ディスキャン検出器144により検出することで走査画像を取得することとしたが、これに代えて、観察用レーザ光Lにより励起される蛍光Fの波長と、刺激用レーザ光Lにより励起される蛍光Fの波長とが同等の波長域である場合には、観察用レーザ光Lにより発生する蛍光Fについても、非ディスキャン検出器144により検出することとしてもよい。この場合に、刺激用レーザ光Lによる走査画像と、観察用レーザ光Lによる走査画像は、同時に取得してもよいし、時分割で取得することにしてもよい。
次に、本発明の第7の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡150について、図10を参照して説明する。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡150は、上記第6の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡140と比較して、非ディスキャン検出器151の位置が相違している。
本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡150は、接眼観察用の鏡筒121の上に非ディスキャン検出器151を備えている。鏡筒121と非ディスキャン検出器151との間には、刺激用レーザ光Lおよび観察用レーザ光Lを遮断し、刺激用レーザ光Lにより励起される蛍光Fのみを透過する特性を有するバリアフィルタ152が挿脱可能に備えられている。図中、符号153は投影レンズである。
このように構成された本実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡150を用いて試料Aを観察するには、キューブターレット45を作動させることにより、観察用レーザ光L、刺激用レーザ光Lおよび観察用レーザ光Lにより励起される蛍光Fを反射し、刺激用レーザ光Lにより励起される蛍光Fを透過させるダイクロイックミラー47a″からなるミラーキューブ47″を光路内に配置しておく。この状態で、観察用レーザ光源2Aから観察用レーザ光Lを出射する。
第1の光走査装置3の作動により、観察用レーザ光Lが試料A上において走査され、試料Aにおいて蛍光Fを発生させる。発生した蛍光Fは、対物レンズ10を介して集光され、ミラーキューブ47″により反射されて同一光路を戻り、ダイクロイックミラーターレット30のダイクロイックミラー33a〜33cによって分岐されて光検出器12,13により検出される。制御部15においては、光検出器12,13による蛍光Fの光量情報と、各瞬間の第1の光走査装置3におけるガルバノミラーの振り角度情報とに基づいて、試料Aの蛍光画像を取得することができる。
一方、刺激用レーザ光源4から発せられた刺激用レーザ光Lは、第2の光走査装置5を介し、光路合成用ダイクロイックミラー8によって観察用レーザ光Lと合成された後に、ミラーキューブ47″によって反射され、試料Aに照射される。第2の光走査装置5を作動させることにより、試料A上において走査され、試料Aにおいて蛍光Fを発生させる。発生した蛍光Fは、対物レンズ10を介して集光され、ミラーキューブ47″およびバリアフィルタ152を透過して非ディスキャン検出器151により検出される。制御部15においては、非ディスキャン検出器151による蛍光Fの光量情報と、各瞬間の第2の光走査装置5におけるガルバノミラーの振り角度情報とに基づいて、試料Aの蛍光画像を取得することができる。
そして、制御部15においては、取得された観察用レーザ光Lに基づく蛍光Fの走査画像と、刺激用レーザ光Lに基づく蛍光Fの走査画像とを画像処理により対比することで、観察用レーザ光Lと刺激用レーザ光Lとの光軸のずれを検出し、そのずれを補正するように第1の光走査装置3および第2の光走査装置5の振り角度を補正することができる。
本実施形態によれば、観察用レーザ光源2として超短パルスレーザ光を出射する赤外パルスレーザ光源2Bを使用する場合に、多光子蛍光画像を取得することに使用可能な非ディスキャン検出器151を刺激用レーザ光Lの走査画像を取得するために使用するので、新たな撮像素子の追加等、特別なユニットを用いる必要がなく、既存の走査型レーザ顕微鏡を用いて容易にレーザ光L,Lの光軸合わせを行うことができる。また、試料Aを動かしたり、基準サンプルに載せ替えたりする必要がなく、所望のタイミングで光軸合わせを行うことができ、また、試料Aに対する観察条件を変化させてしまうことを防止できる。
なお、本実施形態においては、観察用レーザ光Lについては、第1の光走査装置3を介して戻る蛍光Fを光検出器12,13により検出することで走査画像を取得し、刺激用レーザ光Lについては、試料Aから戻る方向に発生する蛍光Fを非ディスキャン検出器151により検出することで走査画像を取得することとしたが、これに代えて、刺激用レーザ光Lにより励起される蛍光Fの波長と、観察用レーザ光Lにより励起される蛍光Fの波長とが同等の波長域である場合には、観察用レーザ光Lにより発生する蛍光Fについても、非ディスキャン検出器151により検出することとしてもよい。この場合に、刺激用レーザ光Lによる走査画像と、観察用レーザ光Lによる走査画像は、同時に取得してもよいし、時分割で取得することにしてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡を示す全体構成図である。 図1の走査型レーザ顕微鏡のダイクロイックミラーターレットを示す正面図である。 図1の走査型レーザ顕微鏡の光路合成用ダイクロイックミラーの一例を示す斜視図である。 図3の光路合成用ダイクロイックミラーの変形例を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡を示す全体構成図である。 本発明の第3の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡を示す全体構成図である。 本発明の第4の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡を示す全体構成図である。 本発明の第5の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡を示す全体構成図である。 本発明の第6の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡を示す全体構成図である。 本発明の第7の実施形態に係る走査型レーザ顕微鏡を示す全体構成図である。
符号の説明
A 試料
観察用レーザ光
刺激用レーザ光
F,F,F 蛍光(光)
1,100,110,120,130,140,150 走査型レーザ顕微鏡
2,2A,2B 観察用レーザ光源
3 第1の光走査装置
4 刺激用レーザ光源
5 第2の光走査装置
8 光路合成用ダイクロイックミラー(光路合成手段)
10 対物レンズ
12,13 検出光学系
14,101,113,122 スポット位置検出手段
15 制御部(補正手段)
34 ミラー
36,104,112,123 撮像素子(スポット位置検出器)
45 キューブターレット
46,47,47′,47″ ミラーキューブ
111,141 結像レンズ(結像手段)
142,152 バリアフィルタ
144,151 非ディスキャン検出器

Claims (17)

  1. 試料を励起する観察用レーザ光を発する観察用レーザ光源と、
    該観察用レーザ光を、対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する第1の光走査装置と、
    前記観察用レーザ光が照射された試料から発せられる光を検出する検出光学系と、
    試料に光刺激を与える刺激用レーザ光を発する刺激用レーザ光源と、
    該刺激用レーザ光を、前記対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する、前記第1の光走査装置とは異なる第2の光走査装置と、
    前記観察用レーザ光および前記刺激用レーザ光により形成されるスポット光の位置を検出するスポット位置検出手段と、
    該スポット位置検出手段により検出された観察用レーザ光および刺激用レーザ光のスポット光の位置に基づいて、前記観察用レーザ光および刺激用レーザ光の位置ずれを補正する補正手段とを備える走査型レーザ顕微鏡。
  2. 前記補正手段が、前記第1の光走査装置または前記第2の光走査装置の少なくとも一方の走査角にオフセットを付与する請求項1に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  3. 前記観察用レーザ光の光路と前記刺激用レーザ光の光路とを合成する光路合成手段を備え、
    前記スポット位置検出手段が、前記光路合成手段と前記対物レンズとの間に配置されている請求項1または請求項2に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  4. 前記スポット位置検出手段が、前記光路合成手段と前記対物レンズとの間の光路に挿脱可能に設けられている請求項3に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  5. 前記光路合成手段と対物レンズとの間に、複数のミラーキューブを有するキューブターレットが着脱可能に設けられるとともに、
    前記スポット位置検出手段が、前記キューブターレットの着脱位置に、着脱可能に設けられている請求項4に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  6. 前記スポット位置検出手段が、撮像素子または多分割センサからなるスポット位置検出器と、光路に挿脱可能に設けられ、光路上に配置されたときに、観察用レーザ光および刺激用レーザ光を前記スポット位置検出器に導くミラーとを備える請求項3に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  7. 前記スポット位置検出手段が、撮像素子または多分割センサからなるスポット位置検出器と、観察用レーザ光および刺激用レーザ光の一部を前記スポット位置検出器に導くビームスプリッタとを備える請求項3または請求項4に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  8. 前記スポット位置検出手段は、前記観察用レーザ光および前記刺激用レーザ光が前記対物レンズを介して試料に照射されることにより試料から発せられる光が対物レンズを介して結像する位置に配置された撮像素子を備える請求項1または請求項2に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  9. 前記撮像素子が、着脱可能に設けられている請求項8に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  10. 前記スポット位置検出手段は、前記観察用レーザ光および前記刺激用レーザ光が前記対物レンズを介して試料に照射されることにより試料から発せられる光を、試料に対して前記対物レンズとは反対側において結像させる結像手段と、該結像手段による結像位置に配置された撮像素子とを備える請求項1または請求項2に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  11. 前記スポット位置検出手段が、荷電結合素子または多分割センサである請求項1から請求項5のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
  12. 前記スポット位置検出手段は、前記観察用レーザ光および刺激用レーザ光が略平行光となる位置に配置され、これら観察用レーザ光および刺激用レーザ光の傾斜角度を検出する角度センサを備え、検出された傾斜角度に基づいてスポット位置のずれを検出する請求項1から請求項5のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
  13. 試料を励起する観察用レーザ光を発する観察用レーザ光源と、
    該観察用レーザ光源を対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する第1の光走査装置と、
    前記観察用レーザ光が照射された試料から発せられる光を検出する検出光学系と、
    試料に光刺激を与える刺激用レーザ光を発する刺激用レーザ光源と、
    該刺激用レーザ光を前記対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する、前記第1の光走査装置とは異なる第2の光走査装置と、
    前記観察用レーザ光と刺激用レーザ光の光路を合成する光路合成手段と、
    前記第2の光走査装置の作動により、刺激用レーザ光を試料上で走査した際に得られる蛍光、反射光または透過光を走査装置を経ることなく検出する非ディスキャン検出器と、
    該非ディスキャン検出器により取得された刺激用レーザ光に基づく走査画像と、前記検出光学系により取得された観察用レーザ光に基づく走査画像とに基づいて、刺激用レーザ光および観察用レーザ光の位置ずれを求め、この位置ずれを補正する補正手段とを備える走査型レーザ顕微鏡。
  14. 試料を励起する観察用レーザ光を発する観察用レーザ光源と、
    該観察用レーザ光源を対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する第1の光走査装置と、
    試料に光刺激を与える刺激用レーザ光を発する刺激用レーザ光源と、
    該刺激用レーザ光を前記対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する、前記第1の光走査装置とは異なる第2の光走査装置と、
    前記観察用レーザ光と刺激用レーザ光の光路を合成する光路合成手段と、
    前記観察用レーザ光および前記刺激用レーザ光を試料上で走査した際に得られる光を走査装置を経ることなく検出する非ディスキャン検出器と、
    該非ディスキャン検出器により取得された観察用レーザ光および刺激用レーザ光に基づく走査画像に基づいて、刺激用レーザ光および観察用レーザ光の位置ずれを求め、この位置ずれを補正する補正手段とを備える走査型レーザ顕微鏡。
  15. 前記非ディスキャン検出器が、試料に対して前記対物レンズとは反対側の光路上に配置されている請求項13または請求項14に記載の走査型レーザ顕微鏡。
  16. 前記非ディスキャン検出器の前段に刺激用レーザ光を遮断し、蛍光を透過するバリアフィルタを備える請求項13から請求項15のいずれかに記載の走査型レーザ顕微鏡。
  17. 試料を励起する観察用レーザ光を発する観察用レーザ光源と、
    該観察用レーザ光源を対物レンズを介して試料上で2次元的に走査する第1の光走査装置と、
    前記観察用レーザ光が照射された試料から発せられる光を検出する検出光学系と、
    試料に光刺激を与える刺激用レーザ光を発する刺激用レーザ光源と、
    該刺激用レーザ光を、前記試料に対して対物レンズとは反対側から入射させて試料上で2次元的に走査する、前記第1の光走査装置とは異なる第2の光走査装置と、
    前記観察用レーザ光および前記刺激用レーザ光が試料に照射されることにより試料から発せられる光が対物レンズを介して結像する位置に配置され、スポット光の位置を検出する撮像素子からなるスポット位置検出手段と、
    該スポット位置検出手段により検出されたスポット光の位置に基づいて、前記観察用レーザ光および刺激用レーザ光の位置ずれを補正する補正手段とを備える走査型レーザ顕微鏡。
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