JP2005308722A - 軟x線多層膜反射鏡および軟x線反射光学系 - Google Patents

軟x線多層膜反射鏡および軟x線反射光学系 Download PDF

Info

Publication number
JP2005308722A
JP2005308722A JP2005069167A JP2005069167A JP2005308722A JP 2005308722 A JP2005308722 A JP 2005308722A JP 2005069167 A JP2005069167 A JP 2005069167A JP 2005069167 A JP2005069167 A JP 2005069167A JP 2005308722 A JP2005308722 A JP 2005308722A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
refractive index
layer
soft
index layer
ray
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005069167A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005308722A5 (ja
JP4566791B2 (ja
Inventor
Takako Imai
香子 今井
Kenji Ando
謙二 安藤
Hidehiro Kanazawa
秀宏 金沢
Koji Teranishi
康治 寺西
Takayuki Miura
隆幸 三浦
Kazue Takada
和枝 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP2005069167A priority Critical patent/JP4566791B2/ja
Priority to US11/087,679 priority patent/US7342715B2/en
Publication of JP2005308722A publication Critical patent/JP2005308722A/ja
Publication of JP2005308722A5 publication Critical patent/JP2005308722A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4566791B2 publication Critical patent/JP4566791B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K1/00Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating
    • G21K1/06Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating using diffraction, refraction or reflection, e.g. monochromators
    • G21K1/062Devices having a multilayer structure
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/08Mirrors
    • G02B5/0808Mirrors having a single reflecting layer
    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K2201/00Arrangements for handling radiation or particles
    • G21K2201/06Arrangements for handling radiation or particles using diffractive, refractive or reflecting elements
    • G21K2201/067Construction details

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Nanotechnology (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • High Energy & Nuclear Physics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

【課題】 軟X線領域において、高反射率を達成することが可能な軟X線多層膜反射鏡を提供すること。
【解決手段】 軟X線領域での屈折率と真空の屈折率との差が大きい材料からなる層(高屈折率層5)と、屈折率と真空の屈折率との差が小さい材料からなる層(低屈折率層4)とを、基板1上に交互に積層してなるX線多層膜反射鏡において、低屈折率層4と高屈折率層5との間に、結晶構造を有する中間層3を少なくとも1層以上挿入することにより、低屈折率層4の結晶化を促進することで屈折率を下げ、多層膜反射鏡の反射率を向上させる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、多層膜反射鏡及びその製造方法に関するものである。特に波長1nm〜30nm程度の軟X線領域において良好な反射特性を有する、多層膜反射鏡及びその製造方法に関するものである。
一般に物質の複素屈折率は、n=1−δ−ik(δ、k:実数、kはX線の吸収を示す)で表される。この式のδとkは共に、軟X線領域(波長1nm〜30nm)では1に比べて非常に小さいため、複素屈折率は1に極めて近い値となる。すなわち軟X線領域では光の屈折はほとんど起こらないため、原理的に屈折を利用した屈折光学系を使用する事が出来ない。
そこで軟X線領域では、反射を利用した反射光学系(反射鏡)を用いなければならない。しかしながら反射光学系に単層膜を形成した反射鏡を使用した場合、反射鏡に入射する軟X線の入射角が小さいと、反射鏡の反射率は極端に小さくなる。これは反射鏡に入射する軟X線が全反射する限界角度(臨界角θc)が小さいためであり、波長10nmの軟X線では70゜以上となる。すなわち入射角が70°以下で反射鏡を使用する場合、軟X線の反射率は非常に小さくなり、使用する事ができなくなる。
そのため、従来から軟X線用の反射鏡には、2つの異なる物質層を交互に積層した、多層膜反射鏡が用いられている。この多層膜反射鏡は、使用する軟X線の波長における屈折率と真空の屈折率(=1)との差が相対的に小さい物質層(低屈折率層)と、真空の屈折率との差が相対的に大きい物質層(高屈折率層)とを、光学的な厚さが入射する軟X線の波長以下である非常に薄い膜を、交互に複数層積層することによって形成されている。低屈折率層と高屈折率層を交互に数十層以上積層させることにより、使用するX線波長の反射面となる数十層以上の界面が形成される。この時の各屈折率層の厚さを、各界面からの反射光の位相が一致するように、光学的干渉理論を用いて設計することより、反射面に垂直に入射する軟X線に対しても、良好な反射特性を発現することが可能となる。
低屈折率層(屈折率n)と高屈折率層(屈折率n)の組合せとしては、吸収係数ができるだけ小さく、屈折率nとnの差ができるだけ大きい2つの物質を選ぶことで、より高反射率の多層膜反射鏡を得ることができる。2種類の物質の組合せとして幾つか選択肢として挙げられる。特開平8−262198号公報(特許文献1)には、低屈折率層としてMo、高屈折率層としてSiを使用した多層膜反射鏡が記載されている。特許文献1によれば、MoとSiの交互多層膜は、X線領域である波長13nmにおいて、最も高反射率が得られる物質対であることも記載されている。また特開平11−258396号公報(特許文献2)には、低屈折率層としてMo、高屈折率層としてBeを使用した多層膜反射鏡が記載されている。また特開平06−230194号公報(特許文献3)には、低屈折率層としてNi、高屈折率層としてC60もしくはCを使用した多層膜反射鏡が記載されている。
図4に従来の多層膜反射鏡100の断面図を示す。図4において、101はNiからなる基材である。基材101の上には、Siからなる高屈折率層104(結晶状態での屈折率n=0.999、厚さ約4nm)と、Moからなる低屈折率層105(結晶状態での屈折率n=0.921、厚さ約3nm)とが積層されている。尚、各屈折率層の厚さは、何層目の屈折率層かによりその設計値は異なる。高屈折率層104と低屈折率層105は交互に60層積層され、多層膜102が形成されている。ただし図4では説明を容易にするため、多層膜102は10層として示している。
図4において各屈折率層の厚さや層数は、波長13.5nmの軟X線を、入射角10度で照射したときに最も高い反射率が得られるように設計されている。この多層膜反射鏡100に波長12.5〜14.5nmのX線106を、入射角10度で照射したときの反射特性を、シミュレーションにより求め図5に示した。図5からわかるように、多層膜反射鏡100は波長13.5nmのX線に対しては、74.4%という非常に高い反射率を有していることがわかる。
特開平08−262198号公報 特開平11−258396号公報 特開平06−230194号公報
前述の図4に示す多層膜反射鏡100を実際に製造し、その反射特性を測定すると、図6の実測値で示す結果となった。尚図6には図5に示した理論値も示してある。
図6に示す実測値と理論値を比較すると、図5に示すシミュレーションによる理論値と比べ、実測値の反射率が大幅に低下していることがわかる。特に波長13.5nmのX線に対しては68.5%であり、理論値に比べて5.9%も低下している。
本発明者は、図4に示す多層膜反射鏡100の反射率の実測値が、理論値に比べて低下している原因を分析した。その結果、低屈折率膜であるMoの屈折率の値が、理論値に比べて大きくなっていることを突き止めた。低屈折率膜であるMoの屈折率の値が大きくなることにより、高屈折率膜であるSiの屈折率の値との差か小さくなることで、多層膜反射鏡100の反射率が低下していた。以下にその分析の内容を示す。
まず、高屈折率膜105であるSi層は、基材101の上にスパッタリング法により成膜した時点においてはアモルファス状態で形成されていた。これはSiの原子間結合力が弱いため、通常スパッタリング法で使用するエネルギーで成膜すると結晶格子が破壊されアモルファス構造となるためである。一般にアモルファス物質の屈折率は、結晶状態の屈折率よりの大きな値となることが知られている。従って結晶状態のSiの屈折率は0.999である事が知られており、このアモルファス状態のSiの屈折率は、結晶状態のSiの屈折率よりも更に1に近い状態となっていると考えられる。
これに対して低屈折率層104であるMo層は、高屈折率膜105の上にスパッタリング法により成膜した時点においては、Si層と同様にアモルファス状態である。しかしながらが、Moの原子間結合力がSiに比べて非常に強いため、成膜直後から結晶格子が徐々に再生され結晶化が進んでいく。理論的にはこの結晶化は完全に結晶化するまで進み、Mo層の屈折率は、完全に結晶化した場合の値である0.921となるはずである。しかしながら成膜が終了した時点でのMoの屈折率を測定したところ0.935であった。このことから、成膜されたMo層は完全には結晶化していない準結晶化状態であると考えられる。
またさらに成膜されたMo層の状態を断面TEM像(透過型顕微鏡)により観測すると、Mo層の基材101側のSi層との界面近傍における結晶化率は非常に小さく、Si層と逆の界面に向かって結晶化の割合は徐々に増えていることがわかった。すなわち成膜されたアモルファス状態のMo層が結晶化するのを、Mo層を成膜するさいの基材となるアモルファス状態のSi層が阻害しているものと考えられる。これにより低屈折率層であるMo層と高屈折率膜であるSi層の屈折率の差が理論値よりも小さくなり、理論値のような反射特性が得られなかったことがわかった。
そこで本発明は、Mo層等の低屈折率層の結晶化を促進して屈折率を小さくすることにより、高屈折率層の屈折率との屈折率の差を大きくし、軟X線領域においても良好な反射特性を有する多層膜反射鏡を提供することを目的としている。
前記課題を解決するために本発明においては、基板の上に、相対的に屈折率の高い高屈折率層と、相対的に屈折率の低い低屈折率層とを、交互に複数層積み重ねて形成された軟X線多層膜反射鏡において、前記高屈折率層と低屈折率層との界面のうち、前記高屈折率層の前記基板と逆側の界面には、結晶構造を有する中間層が配置されている軟X線多層膜反射鏡を提案している。
また本発明は、前記高屈折率層はアモルファス構造を有する膜であり、前記低屈折率層は準結晶構造を有する膜である軟X線多層膜反射鏡を提案している。
また本発明は、基板の上に、相対的に屈折率の高い高屈折率層と、相対的に屈折率の低い低屈折率層とを、交互に複数層積み重ねて形成された多層膜反射鏡において、前記高屈折率層と低屈折率層との間には、結晶構造を有する中間層が配置されている軟X線多層膜反射鏡を提案している。
本発明は、アモルファス構造を有する前記高屈折率層の上に、結晶構造を有する低屈折率層を成膜する際に、結晶構造を有する中間層を介して成膜することにより、低屈折率層の結晶化を促進する。これにより、低屈折率層の屈折率は小さくなり、高屈折率層の屈折率との屈折率の差を大きくすることができるため、軟X線領域においても良好な反射特性を発現することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明する。
まず、本実施例における実施例1の多層膜反射鏡の構成を、図1に示した断面図を参照して説明する。図1において、1はNiからなる基材である。基材1の上には、Siからなる高屈折率層4(結晶状態での屈折率n=0.999、厚さ3.5nm)と、Znからなる中間層3(厚さ1nm)と、Moからなる低屈折率層5(結晶状態での屈折率n=0.921、厚さ2.5nm)とが積層されている。基材1から見て、高屈折率層4、中間層3、低屈折率層5の順で、繰り返し60層積層することで多層膜2は形成されている。ただし図1では説明を容易にするため、多層膜2は15層として示している。尚、図1において各屈折率層の厚さや層数は、光学的干渉理論により、波長13.5nmの軟X線を、入射角10度で照射したときに最も高い反射率が得られるように設計されている。
次に図1に示した多層膜反射鏡10の製造方法を説明する。
まず、Niからなる基板1の上に、Niをターゲットとしたスパッタリング法によりSiからなる高屈折率層4を3.5nmになるまで成膜する。この時、成膜されたSi層はアモルファス構造を有している。
次にZrをターゲットとしたスパッタリング法により、高屈折率層4の上にZrからなる中間層3を1nmになるまで成膜する。この時、成膜されたZr層は結晶構造を有している。
次に中間層3の上に、Moをターゲットとしたスパッタリング法により、Moからなる低屈折率層5を2.5nmになるまで成膜する。この時の成膜条件はMo層は成膜した直後はアモルファス構造を有しているが、すぐに結晶化が始まる。成膜したMo層を、TEM像(透過型顕微鏡)で観測したところ、Mo層中のMo結晶格子の割合が、図10に示した中間層の無い場合に比べて明らかに増加していることが確認できた。これは、Mo層はZrからなる中間層の上に成膜されるため、アモルファス状態のSi層により阻害されること無く結晶化が進むためである。
同様にして低屈折率層4→中間層3→高屈折率層5の順で、60層の多層膜を順に成膜していく。
図1に示す多層膜反射鏡10に、波長12.5〜14.5nmのX線6を照射したときの反射特性を測定した。その結果を図2に示す。尚図2には図5に示した理論値及び図6に示した実測値も示してある。
図2からわかるように、前記中間層3を挟んだ多層膜反射鏡10の13.5nmにおける反射率は、図4示す多層膜反射鏡より、0.9%改善されていることがわかる。反射率0.9%は光学設計においては非常に影響は大きく、各屈折率膜の材料の選定や、膜厚等の設計の幅を広げることが可能となる。
本実施例における実施例2の多層膜反射鏡の構成を、図3に示した断面図を参照して説明する。図3に示した断面図を参照して説明する。図3において、図1と異なり、高屈折率層と低屈折率層とのすべての界面に中間層が形成されている。
図3において11はCuからなる基材である。基材11の上には、Siからなる高屈折率層14(結晶状態での屈折率n=0.999、厚さ約3.5nm)と、Zrからなる中間層13(厚さ約1nm)と、Moからなる低屈折率層15(結晶状態での屈折率n=0.921、厚さ約2.5nm)とが積層されている。基材11から見て、高屈折率層14、中間層13、低屈折率層15、中間層13の順で、繰り返し50層積層することで多層膜12は形成されている。ただし図1では説明を容易にするため、多層膜12は18層として示している。尚、図3において各屈折率層の厚さや層数は、光学的干渉理論により、波長13.5nmの軟X線を、入射角10度で照射したときに最も高い反射率が得られるように設計されている。
図3において、高屈折率層14の上面で低屈折率層15の下面の間に設けられた中間層13は、図1に示した実施例1と同様に、高屈折率層14の上に低屈折率層15を成膜する際に、高屈折率層14であるアモルファス状態のSi層により、低屈折率層15であるMo層の結晶化が妨げられるのを防止している。これによりMo層の屈折率をより小さくすることができ、多層膜反射鏡20の反射率を向上させている。
また、高屈折率層14の下面で低屈折率層15の上面の間に設けられた中間層13は、低屈折率層15の上に高屈折率層14を成膜する際に、低屈折率層15である準結晶状態のMo層により、高屈折率層14であるSi層が結晶化するのを防止している。これによりSi層の屈折率をより大きく、すなわち1に近くすることができ、多層膜反射鏡20の反射率を向上させている。
尚、本発明において、各屈折率層の厚さや層数は、照射する軟X線の入射角により、最も高い反射率が得られるように適宜設計されるものである。従って多層膜反射鏡10に入射するX線の入射角が大きくなるにつれ、低屈折率層、高屈折率層の厚さは厚く設定する必要がある。従って、入射角が70〜80度である場合は、各屈折率層の厚さは10〜15nmとなり、低屈折率層→中間層→高屈折率層の1周期の膜厚は、25〜30nmとしなければならない。
入射角が大きくなると、Mo層の膜厚も厚くなるため、Mo層の結晶化の割合が反射特性に大きく影響する。従って、実施例1のように中間層を形成することが非常に重要となってくる。
以上の説明においては、高屈折率層としてMo層、中間層としてZr層、低屈折率層としてSi層を例にとって説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、他の材料の場合においても適応可能である。
低屈折率層の材料としては、原子間結合力が強く、成膜後にアモルファス状態から準結晶状態となる材料が適応可能である。すなわち、VIa族に属する元素を含む金属、合金又は化合物を選択することができる。VIa族に属する元素としてはMo、W等をあげることができる。その化合物としてはZrMo、MoSi、Mo−Ru等があげることができる。
高屈折率層の材料としては、原子間結合力が弱く、成膜後にアモルファス状態で安定する材料が適応可能である。IVb属に属する元素を含む金属、合金又は化合物を選択することができる。IVb属に属する元素としては、C、Si等あげることができる。
また高屈折率層と低屈折率層の組合せは、屈折率の差が大きければ多層膜反射鏡の反射特性を向上させることができる。たとえば、高屈折率層がMo層で低屈折率層がBe層の組合せや、高屈折率層がNi層で低屈折率層がC層の組合せは、屈折率の差が大きい組合せといえる。
中間層の材料としては、原子間結合力が強く、成膜後に安定した結晶状態となる材料が適応可能である。V,Mo,Nb,Zr,Be,Mg,Ti,Zn,Ag,Al,Au,Si,Ca,Cu,Ni,Pb,Pt,Ba,Cr,Fe,Wから選ばれた1又は2以上を含む金属、合金又は化合物が好ましい。
特に、中間層と高屈折率層とが同じ結晶構造の材料を選択することにより、高屈折率層の結晶性をさらに高めることが可能となる。結晶構造としては、高屈折率層の構造にあわせて、体心立方構造、面心立方構造、六方細密構造、ダイヤモンド構造、NaCl構造などを選択すれば良い。さらに結晶構造の主軸に関しても、高屈折率層の構造にあわせて、[111]、[110]、[001]方向を向いているものを選択すればより好ましい。
また、高屈折率層がSiの場合、中間層をSi結晶とすれば、高屈折率層の成膜条件を変化させるだけで中間層を成膜できるため、生産性を高めることができる。尚、中間層のSi層が結晶化していれば、Si同士の結合力が強いため、Si層の上にMo層を成膜してもMoの結晶化を阻害することは無い。
また、基板の材質としては熱伝導率が高いものが好ましく、Ni以外にも、Si、Cu、Agなどを使用することができる。
また、高屈折率層、低屈折率層、中間層は、スパッタリング法以外にも、蒸着法、CVD法、マグネトロンスパッタリング法、EB蒸着法、イオンビームスパッタ法等の薄膜形成技術により成膜することができる。
また、本発明の多層膜反射鏡は、各種X線光学系において使用される。例えば、X線リソグラフィ、X線望遠鏡、露光装置に使用できる。
実施例1における多層膜反射鏡を示す断面図。 実施例1における多層膜反射鏡の反射特性を示すグラフ。 実施例2における多層膜反射鏡を示す断面図。 従来技術における多層膜反射鏡を示す断面図。 図4に示す多層膜反射鏡の反射特性の理論値を示すグラフ。 図4に示す多層膜反射鏡の反射特性の実測値を示すグラフ。
符号の説明
1、21、101 基板
2、22、102 多層膜
3、23、103 中間層
4、24、104 低屈折率層
5、25、105 高屈折率層
6、26、106 X線

Claims (8)

  1. 基板の上に、相対的に屈折率の高い高屈折率層と、相対的に屈折率の低い低屈折率層とを、交互に複数層積み重ねて形成された軟X線多層膜反射鏡において、前記高屈折率層と低屈折率層との界面のうち、前記高屈折率層の前記基板と逆側の界面には、結晶構造を有する中間層が配置されていることを特徴とする軟X線多層膜反射鏡。
  2. 前記高屈折率層はアモルファス構造を有する膜であり、前記低屈折率層は結晶構造を有する膜であることを特徴とする請求項1に記載の軟X線多層膜反射鏡。
  3. 前記中間層は、V,Mo,Nb,Zr,Be,Mg,Ti,Zn,Ag,Al,Au,Si,Ca,Cu,Ni,Pb,Pt,Ba,Cr,Fe,Wから選ばれた1又は2以上を含む金属、合金又は化合物であることを特徴とする請求項2に記載の軟X線多層膜反射鏡。
  4. 前記高屈折率層は、VIa族に属する元素を含む金属、合金又は化合物からなり、前記低屈折率層は、IVb属に属する元素を含む金属、合金又は化合物からなることを特徴とする請求項2に記載の軟X線多層膜反射鏡。
  5. 前記中間層と前記低屈折率層は、同じ結晶構造を有している事を特徴とする請求項2に記載の軟X線多層膜反射鏡。
  6. 前記高屈折率層はアモルファス構造を有するSi層であり、前記中間層は結晶構造を有するSi層であることを特徴とする請求項2に記載の軟X線多層膜反射鏡。
  7. 基板の上に、相対的に屈折率の高い高屈折率層と、相対的に屈折率の低い低屈折率層とを、交互に複数層積み重ねて形成された多層膜反射鏡において、前記高屈折率層と低屈折率層との間には、結晶構造を有する中間層が配置されていることを特徴とする軟X線多層膜反射鏡。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項記載の軟X線多層膜反射鏡を備えたことを特徴とする軟X線反射光学系。
JP2005069167A 2004-03-26 2005-03-11 軟x線多層膜反射鏡 Expired - Fee Related JP4566791B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005069167A JP4566791B2 (ja) 2004-03-26 2005-03-11 軟x線多層膜反射鏡
US11/087,679 US7342715B2 (en) 2004-03-26 2005-03-24 Multilayer film reflector for soft X-rays and manufacturing method thereof

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004091091 2004-03-26
JP2005069167A JP4566791B2 (ja) 2004-03-26 2005-03-11 軟x線多層膜反射鏡

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2005308722A true JP2005308722A (ja) 2005-11-04
JP2005308722A5 JP2005308722A5 (ja) 2008-04-24
JP4566791B2 JP4566791B2 (ja) 2010-10-20

Family

ID=34989494

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005069167A Expired - Fee Related JP4566791B2 (ja) 2004-03-26 2005-03-11 軟x線多層膜反射鏡

Country Status (2)

Country Link
US (1) US7342715B2 (ja)
JP (1) JP4566791B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016523388A (ja) * 2013-06-27 2016-08-08 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー マイクロリソグラフィ投影露光システムのミラー及びミラーを加工する方法

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4566791B2 (ja) 2004-03-26 2010-10-20 キヤノン株式会社 軟x線多層膜反射鏡
TWI427334B (zh) * 2007-02-05 2014-02-21 Zeiss Carl Smt Gmbh Euv蝕刻裝置反射光學元件
DE102007054731A1 (de) * 2007-11-14 2009-05-20 Carl Zeiss Smt Ag Optisches Element zur Reflexion von UV-Strahlung, Herstellungsverfahren dafür und Projektionsbelichtungsanlage damit
US20090252977A1 (en) * 2008-04-07 2009-10-08 Canon Kabushiki Kaisha Multilayer film reflector
DE102008040265A1 (de) 2008-07-09 2010-01-14 Carl Zeiss Smt Ag Reflektives optisches Element und Verfahren zu seiner Herstellung
US20100271693A1 (en) * 2009-04-24 2010-10-28 Manuela Vidal Dasilva Narrowband filters for the extreme ultraviolet
US8744048B2 (en) 2010-12-28 2014-06-03 General Electric Company Integrated X-ray source having a multilayer total internal reflection optic device
CN102682867B (zh) * 2011-03-07 2015-04-08 同济大学 一种基于铂分离层的多层膜反射镜及其制造方法
DE102013212780B4 (de) * 2013-07-01 2018-12-27 Carl Zeiss Smt Gmbh Spiegel für eine mikrolithographische Projektionslichtungsanlage sowie Verfahren zur Bearbeitung eines Spiegels
US9611999B2 (en) * 2014-07-21 2017-04-04 GE Lighting Solutions, LLC Reflecting apparatus including enhanced aluminum optical coatings

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0253001A (ja) * 1988-08-17 1990-02-22 Canon Inc 軟x線又は真空紫外線用多層膜の製造方法ならびに光学素子
JPH02242201A (ja) * 1989-03-16 1990-09-26 Canon Inc 軟x線・真空紫外線用多層膜反射鏡
JPH03274001A (ja) * 1990-03-24 1991-12-05 Seiko Epson Corp X線反射膜
JPH04502213A (ja) * 1989-10-13 1992-04-16 フィリップス エレクトロニクス ネムローゼ フェンノートシャップ X線〜紫外線域のミラー装置
JPH06273605A (ja) * 1993-01-05 1994-09-30 American Teleph & Telegr Co <Att> 光学素子修復方法
JPH09230098A (ja) * 1996-02-21 1997-09-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 多層膜x線反射鏡
JP2001183499A (ja) * 1999-12-22 2001-07-06 Rigaku Industrial Co X線分光素子およびそれを用いた蛍光x線分析装置
JP2004532413A (ja) * 2001-05-01 2004-10-21 ザ・リージェンツ・オブ・ジ・ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア 極値紫外線リソグラフィー(euvl)の多層構造

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4693933A (en) * 1983-06-06 1987-09-15 Ovonic Synthetic Materials Company, Inc. X-ray dispersive and reflective structures and method of making the structures
US5265143A (en) * 1993-01-05 1993-11-23 At&T Bell Laboratories X-ray optical element including a multilayer coating
JPH06230194A (ja) 1993-02-02 1994-08-19 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> X線反射鏡
JPH08262198A (ja) 1995-03-27 1996-10-11 Toyota Gakuen X線多層膜反射鏡
US5726805A (en) * 1996-06-25 1998-03-10 Sandia Corporation Optical filter including a sub-wavelength periodic structure and method of making
JP3602717B2 (ja) 1998-03-11 2004-12-15 エヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株式会社 多層膜x線反射鏡
TW561279B (en) * 1999-07-02 2003-11-11 Asml Netherlands Bv Reflector for reflecting radiation in a desired wavelength range, lithographic projection apparatus containing the same and method for their preparation
DE10150874A1 (de) * 2001-10-04 2003-04-30 Zeiss Carl Optisches Element und Verfahren zu dessen Herstellung sowie ein Lithographiegerät und ein Verfahren zur Herstellung eines Halbleiterbauelements
JP2005156201A (ja) 2003-11-21 2005-06-16 Canon Inc X線全反射ミラーおよびx線露光装置
US7169514B2 (en) * 2003-12-31 2007-01-30 Intel Corporation Extreme ultraviolet mask with molybdenum phase shifter
JP4566791B2 (ja) 2004-03-26 2010-10-20 キヤノン株式会社 軟x線多層膜反射鏡

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0253001A (ja) * 1988-08-17 1990-02-22 Canon Inc 軟x線又は真空紫外線用多層膜の製造方法ならびに光学素子
JPH02242201A (ja) * 1989-03-16 1990-09-26 Canon Inc 軟x線・真空紫外線用多層膜反射鏡
JPH04502213A (ja) * 1989-10-13 1992-04-16 フィリップス エレクトロニクス ネムローゼ フェンノートシャップ X線〜紫外線域のミラー装置
JPH03274001A (ja) * 1990-03-24 1991-12-05 Seiko Epson Corp X線反射膜
JPH06273605A (ja) * 1993-01-05 1994-09-30 American Teleph & Telegr Co <Att> 光学素子修復方法
JPH09230098A (ja) * 1996-02-21 1997-09-05 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 多層膜x線反射鏡
JP2001183499A (ja) * 1999-12-22 2001-07-06 Rigaku Industrial Co X線分光素子およびそれを用いた蛍光x線分析装置
JP2004532413A (ja) * 2001-05-01 2004-10-21 ザ・リージェンツ・オブ・ジ・ユニバーシティ・オブ・カリフォルニア 極値紫外線リソグラフィー(euvl)の多層構造

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016523388A (ja) * 2013-06-27 2016-08-08 カール・ツァイス・エスエムティー・ゲーエムベーハー マイクロリソグラフィ投影露光システムのミラー及びミラーを加工する方法

Also Published As

Publication number Publication date
US7342715B2 (en) 2008-03-11
JP4566791B2 (ja) 2010-10-20
US20050213199A1 (en) 2005-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4566791B2 (ja) 軟x線多層膜反射鏡
JP2962487B2 (ja) X線〜紫外線域のミラー装置
EP1464061B1 (en) Protective layer for multilayers exposed to hard x-rays
JP2013219383A (ja) 第1および第2付加中間層を備えるeuvリソグラフィ装置用多層反射光学素子
JPWO2016189848A1 (ja) 反射防止膜、光学素子および光学系
JPH0545498A (ja) 多層膜反射鏡
JP2007163614A (ja) 多層膜ミラー
JP6615409B2 (ja) 光学薄膜、光学素子、光学系および光学薄膜の製造方法
JP2723955B2 (ja) 軟x線・真空紫外線用多層膜反射鏡
JPH075296A (ja) 軟x線用多層膜
JP6401837B1 (ja) 偏光板及び光学機器
JP5084603B2 (ja) 偏光子及び液晶プロジェクタ
JP2008026093A (ja) 多層膜反射鏡およびその製造方法
JP2008026093A5 (ja)
JPS63161403A (ja) X線又は真空紫外線用多層膜反射鏡
JPS62226047A (ja) 多層膜反射鏡
JPH0194300A (ja) X線又は真空紫外線用多層膜反射鏡の作成方法
CN111048226B (zh) 一种超反射镜
JP2003043193A (ja) 多層膜反射鏡及び多層膜反射鏡の製造方法
US5945204A (en) Multilayer film structure for soft X-ray optical elements
TW202111419A (zh) Euv掩模胚及製造方法
JP2006308483A (ja) 多層膜及び多層膜の製造方法
JP3101695B2 (ja) 軟x線光学素子用多層膜
JP2008151983A (ja) 多層膜反射鏡
JPS63266400A (ja) X線多層膜反射鏡

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080311

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080311

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20100201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100202

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100310

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20100630

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100803

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100804

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130813

Year of fee payment: 3

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees