JP6401837B1 - 偏光板及び光学機器 - Google Patents

偏光板及び光学機器 Download PDF

Info

Publication number
JP6401837B1
JP6401837B1 JP2017155583A JP2017155583A JP6401837B1 JP 6401837 B1 JP6401837 B1 JP 6401837B1 JP 2017155583 A JP2017155583 A JP 2017155583A JP 2017155583 A JP2017155583 A JP 2017155583A JP 6401837 B1 JP6401837 B1 JP 6401837B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grid
polarizing plate
convex portion
shaped convex
lattice
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2017155583A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019035802A (ja
Inventor
昭夫 高田
昭夫 高田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dexerials Corp
Original Assignee
Dexerials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dexerials Corp filed Critical Dexerials Corp
Priority to JP2017155583A priority Critical patent/JP6401837B1/ja
Priority to US16/058,338 priority patent/US10859742B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP6401837B1 publication Critical patent/JP6401837B1/ja
Publication of JP2019035802A publication Critical patent/JP2019035802A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B5/00Optical elements other than lenses
    • G02B5/30Polarising elements
    • G02B5/3025Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state
    • G02B5/3058Polarisers, i.e. arrangements capable of producing a definite output polarisation state from an unpolarised input state comprising electrically conductive elements, e.g. wire grids, conductive particles
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B1/00Optical elements characterised by the material of which they are made; Optical coatings for optical elements
    • G02B1/10Optical coatings produced by application to, or surface treatment of, optical elements
    • G02B1/18Coatings for keeping optical surfaces clean, e.g. hydrophobic or photo-catalytic films

Abstract

【課題】機械的強度に優れた偏光板、及びその偏光板を備える光学機器を提供する。
【解決手段】ワイヤグリッド構造を有する偏光板1であって、透明基板10と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板10上に配列され、所定方向に延在する格子状凸部11と、を備え、格子状凸部11が、第1のピッチP1で配列された第1の格子状凸部群111と、第1の格子状凸部群の隣接する格子状凸部間に第2のピッチP2で配列された第2の格子状凸部群112と、を有し、第1の格子状凸部群111における格子状凸部の幅W1が、第2の格子状凸部群112における格子状凸部の幅W2よりも大きい偏光板1である。
【選択図】図1

Description

本発明は、偏光板及び光学機器に関する。
偏光板は、一方向の偏光を吸収又は反射し、これと直交する方向の偏光を透過させる光学素子である。近年、耐熱性が要求される液晶プロジェクタ等の光学機器において、有機偏光板に代わり、ワイヤグリッド型の無機偏光板が採用され始めている。
ワイヤグリッド型の偏光板は、少なくとも反射層を含み、一方向に延在する格子状凸部を、使用帯域の光の波長よりも短いピッチ(数十nm〜数百nm)で透明基板上に多数並べて配置した構造を有する。この偏光板に光が入射すると、格子状凸部の延在方向に平行な電界成分をもつ偏光(TE波(S波))は透過することができず、格子状凸部の延在方向に垂直な電界成分をもつ偏光(TM波(P波))はそのまま透過する。
ワイヤグリッド型の偏光板としては、これまで種々の構造の偏光板が提案されている。例えば、特許文献1では、一方向に延在する一対の格子状凸部からなるナノ構造体を透明基板上に多数並べて配置した構造を有し、一対の格子状凸部間の間隔Wと、ナノ構造体間の間隔Wとが異なる偏光板が提案されている。
ところで、ワイヤグリッド構造を有する偏光板の透過率は、格子状凸部のピッチに依存することが知られている。このため、偏光板の透過率を向上させるには、格子状凸部のピッチを短くする必要がある。偏光板の透過率と格子状凸部のピッチとの関係の一例を図3に示す。格子状凸部のピッチを短くすると、通常、格子状凸部の幅も小さくなる。
また、ドライエッチングにより格子状凸部を形成する際の再デポジションを抑える観点からは、格子状凸部の幅は、格子状凸部間のスペースの幅よりも小さくすることが好ましいとされている。例えば、格子状凸部のピッチが100nmである場合、格子状凸部の幅は50nm未満が好ましいことになる。
その一方で、偏光板のコントラストは反射層の幅及び膜厚に依存するため、反射層の幅(即ち、格子状凸部の幅)を小さくする場合には、反射層の膜厚を大きくする必要がある。
このように、格子状凸部のピッチを短くすると、格子状凸部のアスペクト比(=高さ/幅)が大きくなるため、偏光板の機械的強度(耐久性)が低下する問題が生じる。
そこで、特許文献1には、偏光板の機械的強度を向上させるため、格子状凸部間のスペース及びナノ構造体間のスペースに固形充填材料を配置する技術が示されている。
米国特許第9348076号明細書
しかし、特許文献1のように固形充填材料を配置すると、偏光板の機械的強度は向上するものの、偏光板の透過率が低下することになる。このため、固形充填材料を配置することなく偏光板の機械的強度を向上させ得る技術が望まれる。
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、機械的強度に優れた偏光板、及びその偏光板を備える光学機器を提供することを目的とする。
(1) 上記目的を達成するため、本発明は、ワイヤグリッド構造を有する偏光板であって、透明基板(例えば、後述の透明基板10)と、使用帯域の光の波長よりも短い100nm〜200nmのピッチで前記透明基板上に一次元格子状に配列され、所定方向に延在し、前記透明基板側から順に、反射層、誘電体層、吸収層、及び透明層を有する格子状凸部(例えば、後述の格子状凸部11)と、を備え、前記格子状凸部が、第1のピッチで配列された第1の格子状凸部群(例えば、後述の格子状凸部群111)と、前記第1の格子状凸部群の隣接する格子状凸部間に第2のピッチで配列された第2の格子状凸部群(例えば、後述の格子状凸部群112)と、を有し、前記第1の格子状凸部群における格子状凸部の幅が、前記第2の格子状凸部群における格子状凸部の幅よりも大きく、前記第2の格子状凸部群の前記透明基板からの高さが、前記第1の格子状凸部群の前記透明基板からの高さよりも低い偏光板(例えば、後述の偏光板1、2)を提供する。
(2) (1)の偏光板において、前記格子状凸部の幅が、使用帯域の光の波長の1/2以下であってもよい。
) (1)又は(2)の偏光板において、前記格子状凸部が、前記第2の格子状凸部群の隣接する格子状凸部間に第3のピッチで配列された第3の格子状凸部群(例えば、後述の格子状凸部群113)をさらに有し、前記第2の格子状凸部群における格子状凸部の幅が、前記第3の格子状凸部群における格子状凸部の幅よりも大きく、前記第3の格子状凸部群の前記透明基板からの高さが、前記第2の格子状凸部群の前記透明基板からの高さよりも低くてもよい
(4) (1)から()いずれかの偏光板において、前記透明基板の前記格子状凸部間に凹部が形成されていてもよい。
) (1)から()いずれかの偏光板において、前記格子状凸部を覆う保護膜をさらに備えていてもよい。
) ()の偏光板において、前記保護膜がフッ素系撥水膜を含んでもよい。
) また、本発明は、(1)から()いずれかの偏光板を備える光学機器を提供する。
本発明によれば、機械的強度に優れた偏光板、及びその偏光板を備える光学機器を提供することができる。
本実施形態に係る偏光板の一例を示す断面模式図である。 本実施形態の変形例に係る偏光板の一例を示す断面模式図である。 偏光板の透過率と格子状凸部のピッチとの関係の一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。
[偏光板]
本実施形態に係る偏光板は、ワイヤグリッド構造を有する偏光板であって、透明基板と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチ(周期)で透明基板上に配列され、所定方向に延在する格子状凸部と、を備える。また、この格子状凸部が、第1のピッチで配列された第1の格子状凸部群と、第1の格子状凸部群の隣接する格子状凸部間に第2のピッチで配列された第2の格子状凸部群と、を有し、第1の格子状凸部群における格子状凸部の幅が、第2の格子状凸部群における格子状凸部の幅よりも大きい。
図1は、本実施形態に係る偏光板の一例を示す断面模式図である。図1に示すように、偏光板1は、透明基板10と、透明基板10の一方の面上に使用帯域の光の波長よりも短いピッチで配列され、所定方向に延在する格子状凸部11と、を備える。格子状凸部11は、透明基板10側から順に、反射層12と、誘電体層13と、吸収層14と、必要に応じて形成された透明層15と、を有する。即ち、偏光板1は、反射層12、誘電体層13、吸収層14、及び透明層15が透明基板10側からこの順に積層されて形成された格子状凸部11が、透明基板10上に一次元格子状に配列されたワイヤグリッド構造を有する。
本明細書では、図1に示すように、格子状凸部11の延在する方向(所定方向)をY軸方向と称する。また、Y軸方向に直交し、透明基板10の主面に沿って格子状凸部11が配列する方向をX軸方向と称する。この場合、偏光板1に入射する光は、好適には、透明基板10の格子状凸部11が形成されている側において、X軸方向及びY軸方向に直交する方向から入射する。
偏光板1は、吸収、干渉、反射等の作用を利用することで、Y軸方向に平行な電界成分をもつ偏光(TE波(S波))を減衰させ、X軸方向に平行な電界成分をもつ偏光(TM波(P波))を透過させる。従って、Y軸方向が偏光板1の吸収軸の方向であり、X軸方向が偏光板1の透過軸の方向である。
ここで、以下の説明において、格子状凸部11のピッチとは、偏光板1をY軸方向から見たときの、格子状凸部11のX軸方向の繰り返し間隔を意味する。また、格子状凸部11の幅とは、偏光板1をY軸方向から見たときの、格子状凸部11のX軸方向の寸法を意味する。
格子状凸部11のピッチは、使用帯域の光の波長よりも短ければ特に制限されない。使用帯域の光としては、例えば、波長380nm〜810nm程度の可視光が挙げられる。格子状凸部11のピッチは、作製の容易性及び安定性の観点から、例えば、100nm〜200nmが好ましい。
格子状凸部11のピッチは、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。例えば、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて、任意に選択した10箇所についてピッチを測定し、その算術平均値を格子状凸部11のピッチとすることができる。以下、この測定方法を電子顕微鏡法と称する。
格子状凸部11の幅は特に制限されず、例えば、使用帯域の光の波長の1/2以下であることが好ましい。また、ドライエッチングにより格子状凸部11を形成する際の再デポジションを抑える観点から、格子状凸部11の幅は、格子状凸部11間のスペースの幅よりも小さいことが好ましい。具体的に、格子状凸部11の幅は、例えば、35nm〜45nmが好ましい。格子状凸部11の幅は、格子状凸部11の高さの中心位置において、上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
格子状凸部11は、図1に示すように、第1のピッチP1で配列された第1の格子状凸部群111と、第1の格子状凸部群111の隣接する格子状凸部間に第2のピッチP2で配列された第2の格子状凸部群112と、を有する。
なお、図1では、第1の格子状凸部群111の隣接する格子状凸部間に、第2の格子状凸部群112を構成する4つの格子状凸部が配置された例について示したが、この例に限定されるものではない。第1の格子状凸部群111の隣接する格子状凸部間に配置される、第2の格子状凸部群112を構成する格子状凸部の数は、2〜4であってもよく、2〜8であってもよい。
第1の格子状凸部群111における格子状凸部の幅W1は、第2の格子状凸部群112における格子状凸部の幅W2よりも大きい。幅W1と幅W2との比率は特に制限されず、例えば、W1/W2=1.1〜1.5が好ましい。
また、第2の格子状凸部群112の透明基板10からの高さH2は、第1の格子状凸部群111の透明基板10からの高さH1よりも低い。高さH2と高さH1との比率は特に制限されず、例えば、H2/H1=1.1〜1.3が好ましい。なお、高さH2及び高さH1は、後述する透明層15の膜厚により調整することができる。
以上のように、本実施形態に係る偏光板1は、幅の小さい第2の格子状凸部群112の格子状凸部が、幅の大きい第1の格子状凸部群111の格子状凸部間に挟まれた構造となっている。このような構造により、本実施形態に係る偏光板1は、機械的強度に優れたものとなる。特に、本実施形態に係る偏光板1は、第2の格子状凸部群112の高さが第1の格子状凸部群111の高さよりも低くなっているため、両者の高さが同じである場合に比べて、機械的強度により優れたものとなる。
なお、本実施形態に係る偏光板1は、幅の小さい第2の格子状凸部群112の格子状凸部が、幅の大きい第1の格子状凸部群111の格子状凸部間に挟まれた構造となっているため、後述のようにドライエッチングにより格子状凸部11を形成する際のレジストパターンについても、幅の小さいパターン群のパターンが、幅の大きいパターン群のパターン間に挟まれた構造となる。このため、本実施形態に係る偏光板1によれば、格子状凸部11を形成する際のレジストパターンの耐久性も向上するという利点がある。
以下、透明基板10及び格子状凸部11の層構成について詳しく説明する。
透明基板10としては、使用帯域の光に対して透光性を示す基板であれば特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。「使用帯域の光に対して透光性を示す」とは、使用帯域の光の透過率が100%であることを意味するものではなく、偏光板としての機能を保持可能な透光性を示せばよい。
透明基板10の主面形状は特に制限されず、目的に応じた形状(例えば、矩形形状)が適宜選択される。透明基板10の平均厚みは、例えば、0.3mm〜1mmが好ましい。
透明基板10の構成材料としては、屈折率が1.1〜2.2の材料が好ましく、ガラス、水晶、サファイア等が挙げられる。透明基板10の構成材料としては、コスト及び透光率の観点から、ガラスがより好ましい。
なお、後述のようにドライエッチングにより格子状凸部11を形成する場合、エッチング残渣を無くすためには、透明基板10の一部が除去されるまでエッチングを続けるオーバーエッチングが必要になる。オーバーエッチング量が少なすぎると、エッチング残渣が透明基板10上に残り、偏光板1の透過率が低下する虞がある。一方、オーバーエッチング量が多すぎると、エッチングにより除去された透明基板10の材料が格子状凸部11に付着し、格子状凸部11の形状が乱れる虞がある。格子状凸部11の形状の乱れは、光の散乱等の原因となり、光学特性の劣化に繋がる。
本発明者らの実験によれば、格子状凸部11の透明基板10からの高さが100nm以上の場合には、透明基板10に形成される凹部の最大深さが5nm〜30nmとなるように、オーバーエッチング量を制御することが好ましい。凹部の断面形状は特に制限されないが、再デポジションを抑える観点から、図1に示すように、凹部中心に対して円弧状となることが好ましい。
格子状凸部11は、図1に示すように、透明基板10側から順に、反射層12と、誘電体層13と、吸収層14と、透明層15と、を有する。
反射層12は、透明基板10上に形成され、吸収軸であるY軸方向に帯状に延びた金属膜が配列されてなるものである。この反射層12は、ワイヤグリッド型偏光子としての機能を有し、反射層12の長手方向に平行な方向に電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を減衰させ、反射層12の長手方向に直交する方向に電界成分をもつ偏光波(TM波(P波))を透過させる。
反射層12の構成材料としては、使用帯域の光に対して反射性を有する材料であれば特に制限されず、例えば、Al、Ag、Cu、Mo、Cr、Ti、Ni、W、Fe、Si、Ge、Te等の元素単体又はこれらの1種以上の元素を含む合金が挙げられる。中でも、反射層12は、Al、Al合金、又はAgで構成されることが好ましい。
反射層12の膜厚は、特に制限されず、例えば、100nm〜300nmが好ましい。なお、反射層12の膜厚は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
誘電体層13は、反射層12上に形成され、吸収軸であるY軸方向に帯状に延びた誘電体膜が配列されてなるものである。誘電体層13は、吸収層14で反射した偏光に対して、吸収層14を透過して反射層12で反射した偏光の位相が半波長ずれる膜厚で形成される。具体的には、誘電体層13の膜厚は、偏光の位相を調整して干渉効果を高めることが可能な1nm〜500nmの範囲で適宜設定される。この誘電体層13の膜厚は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
誘電体層13を構成する材料としては、SiO等のSi酸化物、Al、酸化ベリリウム、酸化ビスマス等の金属酸化物、MgF、氷晶石、ゲルマニウム、二酸化チタン、ケイ素、フッ化マグネシウム、窒化ボロン、酸化ボロン、酸化タンタル、炭素、又はこれらの組み合わせ等の一般的な材料が挙げられる。中でも、誘電体層13は、Si酸化物で構成されることが好ましい。
誘電体層13の屈折率は、1.0より大きく、2.5以下であることが好ましい。反射層12の光学特性は、周囲の屈折率によっても影響を受けるため、誘電体層13の材料を選択することで、偏光板1の特性を制御することができる。
また、誘電体層13の膜厚及び屈折率を適宜調整することにより、反射層12で反射したTE波について、吸収層14を透過する際に一部を反射して反射層12に戻すことができ、吸収層14を通過した光を干渉により減衰させることができる。このようにしてTE波の選択的減衰を行うことにより、所望の偏光特性を得ることができる。
吸収層14は、誘電体層13上に形成され、吸収軸であるY軸方向に帯状に延びて配列されたものである。吸収層14の構成材料としては、金属材料、半導体材料等の光学定数の消衰定数が零でない、光吸収作用を持つ物質の1種以上が挙げられ、適用される光の波長範囲によって適宜選択される。金属材料としては、Ta、Al、Ag、Cu、Au、Mo、Cr、Ti、W、Ni、Fe、Sn等の元素単体又はこれらの1種以上の元素を含む合金が挙げられる。また、半導体材料としては、Si、Ge、Te、ZnO、シリサイド材料(β−FeSi、MgSi、NiSi、BaSi、CrSi、CoSi、TaSi等)が挙げられる。これらの材料を用いることにより、偏光板1は、適用される可視光域に対して高いコントラストが得られる。中でも、吸収層14は、Fe又はTaを含むとともに、Siを含んで構成されることが好ましい。
吸収層14として半導体材料を用いる場合には、吸収作用に半導体のバンドギャップエネルギーが関与するため、使用帯域に応じたバンドギャップを有する材料を使用する必要がある。例えば、波長400nm以上の可視光で使用する場合、3.1eV以下のバンドギャップを有する材料を使用する必要がある。
吸収層14の膜厚は特に制限されず、例えば、10nm〜100nmが好ましい。この吸収層14の膜厚は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
透明層15は、吸収層14上に形成され、吸収軸であるY軸方向に帯状に延びて配列されたものである。透明層15の構成材料としては、使用帯域の光に対して透光性を示す材料であれば特に制限されず、中でも、SiO等のSi酸化物が好ましい。
透明層15の膜厚は特に制限されず、例えば、5nm〜30nmが好ましい。この透明層15の膜厚は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
本実施形態に係る偏光板1は、光学特性を損なわない範囲において、格子状凸部11を覆う保護膜をさらに備えていてもよい。保護膜としては、誘電材料からなる膜が挙げられ、特に、パーフルオロデシルトリエトキシシラン(FDTS)等のフッ素系シラン化合物をコートして形成されるフッ素系撥水膜を含むことが好ましい。保護膜がフッ素系撥水膜を含むことにより、偏光板1の耐湿性等の信頼性を向上させることができる。なお、保護膜は、CVD法(化学蒸着法)、ALD法(原子層堆積法)等を利用することにより形成可能である。
[偏光板の製造方法]
本実施形態に係る偏光板1の製造方法は、積層体形成工程と、レジストパターン形成工程と、エッチング工程と、を有する。
まず、積層体形成工程では、透明基板10上に、反射層と、誘電体層と、吸収層と、透明層と、を透明基板10側からこの順で有する積層体を形成する。これらの各層の形成方法としては、スパッタ法、蒸着法等が挙げられる。
次いで、レジストパターン形成工程では、積層体上に、第1の格子状凸部群111及び第2の格子状凸部群112に対応するレジストパターンを形成する。レジストパターンの形成方法は特に制限されず、任意の方法を採用することができる。
例えば、フォトリソグラフィ法又はナノインプリント法により、第1の格子状凸部群111及び第2の格子状凸部群112に対応するレジストパターンを同時に形成してもよい。また、フォトリソグラフィ法又はナノインプリント法により、第1の格子状凸部群111に対応するレジストパターンを形成した後、フォトリソグラフィ法により、第2の格子状凸部群112に対応するレジストパターンを形成してもよい。
あるいは、ブロックコポリマーのミクロ相分離を利用してレジストパターンを形成してもよい。ブロックコポリマーとしては、ミクロ相分離によりラメラ構造を形成し得るものであれば特に制限されず、例えば、ポリスチレン(PS)とポリメチルメタクリレート(PMMA)とのブロックコポリマー(PS−b−PMMA)が挙げられる。フォトリソグラフィ法又はナノインプリント法により、第1の格子状凸部群111に対応するレジストパターンを形成した後、パターン間のスペースにPS−b−PMMAをコートして熱処理(アニール)すると、PS−b−PMMAが格子状に整列する。その後、酸素プラズマを用いてPMMAを選択的にエッチングすることにより、PSのパターンを形成することができる。なお、PSのパターンのピッチは、PS−b−PMMAの共重合比や分子量により調整可能である。
次いで、エッチング工程では、形成されたレジストパターンをマスクとして積層体を選択的にエッチングすることにより、格子状凸部11を形成する。エッチング方法としては、例えば、エッチング対象に対応したエッチングガスを用いたドライエッチング法が挙げられる。
なお、本実施形態に係る偏光板1の製造方法は、格子状凸部11を覆う保護膜を形成する保護膜形成工程をさらに有していてもよい。保護膜は、CVD法、ALD法等を利用することにより形成可能である。
[光学機器]
本実施形態に係る光学機器は、上述した本実施形態に係る偏光板を備える。光学機器としては、液晶プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ、デジタルカメラ等が挙げられる。本実施形態に係る偏光板は、有機偏光板に比べて耐熱性に優れる無機偏光板であるため、耐熱性が要求される液晶プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ等の用途に好適である。
本実施形態に係る光学機器が複数の偏光板を備える場合、複数の偏光板の少なくとも1つが本実施形態に係る偏光板であればよい。例えば、本実施形態に係る光学機器が液晶プロジェクタである場合、液晶パネルの入射側及び出射側に配置される偏光板の少なくとも一方が本実施形態に係る偏光板であればよい。
[変形例]
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形及び改良は本発明に含まれる。
図2は、本実施形態の変形例に係る偏光板の一例を示す断面模式図である。図2中、図1に示す偏光板1と同一の構成については同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
図2に示す偏光板2において、格子状凸部11は、第1のピッチP1で配列された第1の格子状凸部群111と、第1の格子状凸部群111の隣接する格子状凸部間に第2のピッチP2で配列された第2の格子状凸部群112と、第2の格子状凸部群112の隣接する格子状凸部間に第3のピッチP3で配列された第3の格子状凸部群113と、を有する。
第2の格子状凸部群112における格子状凸部の幅W2は、第3の格子状凸部群113における格子状凸部の幅W3よりも大きい。幅W2と幅W3との比率は特に制限されず、例えば、W2/W3=1.1〜1.5が好ましい。
また、第3の格子状凸部群113の透明基板10からの高さH3は、第2の格子状凸部群112の透明基板10からの高さH2よりも低い。高さH3と高さH2との比率は特に制限されず、例えば、H2/H3=1.1〜1.3が好ましい。なお、高さH3は、透明層15の膜厚により調整することができる。
本実施形態の変形例に係る偏光板2は、幅の最も小さい第3の格子状凸部群113の格子状凸部が、幅のより大きい第2の格子状凸部群112の格子状凸部間に挟まれ、第2の格子状凸部群112の格子状凸部が、幅の最も大きい第1の格子状凸部群111の格子状凸部間に挟まれた構造となっている。このような構造により、偏光板2は、機械的強度に優れたものとなる。特に、偏光板2は、第3の格子状凸部群113の高さが第2の格子状凸部群112の高さよりも低く、第2の格子状凸部群112の高さが第1の格子状凸部群111の高さよりも低くなっているため、三者の高さが同じである場合に比べて、機械的強度により優れたものとなる。
なお、図1及び図2では、本発明を、TE波(S波)を吸収する吸収型の偏光板に適用するものとしたが、TE波(S波)を反射する反射型の偏光板に適用することも可能である。
1,2 偏光板、10 透明基板、11 格子状凸部、12 反射層、13 誘電体層、14 吸収層、15 透明層、111 第1の格子状凸部群、112 第2の格子状凸部群、113 第3の格子状凸部群

Claims (7)

  1. ワイヤグリッド構造を有する偏光板であって、
    透明基板と、
    使用帯域の光の波長よりも短い100nm〜200nmのピッチで前記透明基板上に一次元格子状に配列され、所定方向に延在し、前記透明基板側から順に、反射層、誘電体層、吸収層、及び透明層を有する格子状凸部と、を備え、
    前記格子状凸部が、第1のピッチで配列された第1の格子状凸部群と、前記第1の格子状凸部群の隣接する格子状凸部間に第2のピッチで配列された第2の格子状凸部群と、を有し、
    前記第1の格子状凸部群における格子状凸部の幅が、前記第2の格子状凸部群における格子状凸部の幅よりも大きく、
    前記第2の格子状凸部群の前記透明基板からの高さが、前記第1の格子状凸部群の前記透明基板からの高さよりも低い偏光板。
  2. 前記格子状凸部の幅が、使用帯域の光の波長の1/2以下である請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記格子状凸部が、前記第2の格子状凸部群の隣接する格子状凸部間に第3のピッチで配列された第3の格子状凸部群をさらに有し、
    前記第2の格子状凸部群における格子状凸部の幅が、前記第3の格子状凸部群における格子状凸部の幅よりも大きく、
    前記第3の格子状凸部群の前記透明基板からの高さが、前記第2の格子状凸部群の前記透明基板からの高さよりも低い請求項1又は2に記載の偏光板。
  4. 前記透明基板の前記格子状凸部間に凹部が形成されている請求項1からのいずれかに記載の偏光板。
  5. 前記格子状凸部を覆う保護膜をさらに備える請求項1からのいずれかに記載の偏光板。
  6. 前記保護膜がフッ素系撥水膜を含む請求項に記載の偏光板。
  7. 請求項1からのいずれかに記載の偏光板を備える光学機器。
JP2017155583A 2017-08-10 2017-08-10 偏光板及び光学機器 Active JP6401837B1 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017155583A JP6401837B1 (ja) 2017-08-10 2017-08-10 偏光板及び光学機器
US16/058,338 US10859742B2 (en) 2017-08-10 2018-08-08 Polarizing plate and optical device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017155583A JP6401837B1 (ja) 2017-08-10 2017-08-10 偏光板及び光学機器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6401837B1 true JP6401837B1 (ja) 2018-10-10
JP2019035802A JP2019035802A (ja) 2019-03-07

Family

ID=63788200

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017155583A Active JP6401837B1 (ja) 2017-08-10 2017-08-10 偏光板及び光学機器

Country Status (2)

Country Link
US (1) US10859742B2 (ja)
JP (1) JP6401837B1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7356291B2 (ja) * 2019-08-23 2023-10-04 デクセリアルズ株式会社 偏光板及び光学機器
FR3102565B1 (fr) * 2019-10-24 2024-01-05 Hydromecanique & Frottement Dispositif optique avec une texturation de surface

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003519818A (ja) * 2000-01-11 2003-06-24 モックステック 可視スペクトル用の埋込み型ワイヤ・グリッド偏光子
JP2009251544A (ja) * 2008-04-11 2009-10-29 Mitsubishi Electric Corp 導光板及びその製造方法
JP2012080065A (ja) * 2010-09-07 2012-04-19 Sony Corp 固体撮像素子、固体撮像装置、撮像機器、及び、偏光素子の製造方法
WO2013190681A1 (ja) * 2012-06-21 2013-12-27 日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 光学素子、光学素子の製造方法および光学装置
JP2014010219A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Asahi Kasei E-Materials Corp ワイヤグリッド偏光子シート及びワイヤグリッド偏光子の製造方法
JP2015180975A (ja) * 2015-07-17 2015-10-15 デクセリアルズ株式会社 偏光板の製造方法
US20160170115A1 (en) * 2014-12-10 2016-06-16 Samsung Display Co. Ltd. Wire grid polarizer and method of manufacturing the same
US20160266295A1 (en) * 2015-03-10 2016-09-15 Samsung Display Co., Ltd. Polarizer, method of manufacturing the polarizer and display panel having the polarizer
WO2017073044A1 (ja) * 2015-10-28 2017-05-04 デクセリアルズ株式会社 偏光素子およびその製造方法

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6122103A (en) * 1999-06-22 2000-09-19 Moxtech Broadband wire grid polarizer for the visible spectrum
US7570424B2 (en) * 2004-12-06 2009-08-04 Moxtek, Inc. Multilayer wire-grid polarizer
US7894019B2 (en) * 2005-10-17 2011-02-22 Asahi Kasei Kabushiki Kaisha Wire grid polarizer and liquid crystal display device using the same
JP5526851B2 (ja) * 2010-02-19 2014-06-18 セイコーエプソン株式会社 偏光素子及びプロジェクター
US8611007B2 (en) * 2010-09-21 2013-12-17 Moxtek, Inc. Fine pitch wire grid polarizer
KR101197776B1 (ko) * 2010-12-27 2012-11-06 엘지이노텍 주식회사 와이어그리드편광자의 제조방법
US8922890B2 (en) * 2012-03-21 2014-12-30 Moxtek, Inc. Polarizer edge rib modification
JP6100492B2 (ja) * 2012-09-05 2017-03-22 デクセリアルズ株式会社 偏光素子、プロジェクター及び偏光素子の製造方法
US9547107B2 (en) * 2013-03-15 2017-01-17 The Regents Of The University Of Michigan Dye and pigment-free structural colors and angle-insensitive spectrum filters
US9348076B2 (en) 2013-10-24 2016-05-24 Moxtek, Inc. Polarizer with variable inter-wire distance
ES2724241T3 (es) 2014-05-28 2019-09-09 Biscuit Gle Galleta multitexturada
KR20160060860A (ko) * 2014-11-20 2016-05-31 삼성디스플레이 주식회사 와이어 그리드 편광자, 이를 포함하는 표시 장치 및 이의 제조방법
KR20170079671A (ko) * 2015-12-30 2017-07-10 코오롱인더스트리 주식회사 와이어 그리드 편광판 및 이를 포함한 액정표시장치

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003519818A (ja) * 2000-01-11 2003-06-24 モックステック 可視スペクトル用の埋込み型ワイヤ・グリッド偏光子
JP2009251544A (ja) * 2008-04-11 2009-10-29 Mitsubishi Electric Corp 導光板及びその製造方法
JP2012080065A (ja) * 2010-09-07 2012-04-19 Sony Corp 固体撮像素子、固体撮像装置、撮像機器、及び、偏光素子の製造方法
WO2013190681A1 (ja) * 2012-06-21 2013-12-27 日立コンシューマエレクトロニクス株式会社 光学素子、光学素子の製造方法および光学装置
JP2014010219A (ja) * 2012-06-28 2014-01-20 Asahi Kasei E-Materials Corp ワイヤグリッド偏光子シート及びワイヤグリッド偏光子の製造方法
US20160170115A1 (en) * 2014-12-10 2016-06-16 Samsung Display Co. Ltd. Wire grid polarizer and method of manufacturing the same
US20160266295A1 (en) * 2015-03-10 2016-09-15 Samsung Display Co., Ltd. Polarizer, method of manufacturing the polarizer and display panel having the polarizer
JP2015180975A (ja) * 2015-07-17 2015-10-15 デクセリアルズ株式会社 偏光板の製造方法
WO2017073044A1 (ja) * 2015-10-28 2017-05-04 デクセリアルズ株式会社 偏光素子およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20190049643A1 (en) 2019-02-14
JP2019035802A (ja) 2019-03-07
US10859742B2 (en) 2020-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6230689B1 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
US9988724B2 (en) Inorganic polarizing plate having trapezoid shaped metal layers and production method thereof
JP6410906B1 (ja) 偏光素子及び光学機器
JP6312917B1 (ja) 無機偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP6302040B1 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
CN111913246B (zh) 偏光板和光学设备、以及偏光板的制造方法
JP6577641B2 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP6401837B1 (ja) 偏光板及び光学機器
WO2019159982A1 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP2019082672A (ja) 偏光板及び偏光板の製造方法
JP6484373B1 (ja) 偏光板及びこれを備える光学機器
JP6703050B2 (ja) 偏光板、光学機器及び偏光板の製造方法
CN109975910B (zh) 偏振光板及其制造方法以及光学设备
JP6935318B2 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP7075372B2 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP6826073B2 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP7333168B2 (ja) 偏光素子、偏光素子の製造方法及び光学機器
US11867938B2 (en) Polarizing plate having outermost layer of anti-reflection layer recessed towards substrate
JP7219735B2 (ja) 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器
JP2019061218A (ja) 偏光素子及びその製造方法、並びに光学機器
JP2020003771A (ja) 偏光板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20180821

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20180907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6401837

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250