JP6826073B2 - 偏光板及びその製造方法、並びに光学機器 - Google Patents

偏光板及びその製造方法、並びに光学機器 Download PDF

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Description

本発明は、偏光板及びその製造方法、並びに光学機器に関する。
従来、偏光素子として、使用帯域の光の波長より小さいピッチの金属格子を基板上に形成し、当該金属格子上に誘電層及び無機微粒子層を形成することにより、金属格子から反射した光を干渉効果により打ち消すとともに、もう一方の偏光成分を透過させる吸収型のワイヤグリッド型偏光素子が提案されている。
このような偏光素子に対しては、近年の液晶プロジェクタの高輝度化や高精細化に伴い、ますますの反射率低下の要求が高まっている。反射率が高い場合には、液晶パネルの誤作動の原因となったり、迷光により画質の劣化を引き起こす。
ここで、反射率は、格子構造を構成する、層間の干渉や、層内の吸収によって決定づけられる。そして、要求に応じた材料を誘電層等に用いることによって、反射率を制御する方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら特許文献1においては、各層が矩形形状として設計されているため、ナノレベルで完全な矩形を形成することは困難であることから、形状を加味した材料設計は非常に困難な状況となる。
また、金属層を形成する前に、樹脂製の基材に微細パターンを形成して基材の反射率及び波長を制御することで、得られる偏光素子の反射率特性を制御する方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、特許文献2で用いられる基材は樹脂製であるため、無機材料で構成されるワイヤグリッド偏光素子と比較して、耐熱性や耐光性に劣り、強い光の環境下での長期使用については不安がある。
特表2010−530994号公報 特開2015−212741号公報
本発明は上記の背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、反射率特性の制御に優れ、優れた選択吸収性を有する偏光板及びその製造方法、並びにその偏光板を備える光学機器を提供することにある。さらに具体的には、吸収軸方向の反射を抑制した偏光板及びその製造方法、並びにその偏光板を備える光学機器を提供することにある。
本発明者らは、透明基板と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板上に配列され、所定方向に延在する格子状凸部と、を備えるワイヤグリッド構造を有する偏光板において、格子状凸部に、透明基板側から順に、反射層と、誘電体層と、を備えさせ、前記の所定方向から見たときの、反射層の形状を特定すれば、優れた選択吸収性を有する偏光板が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、ワイヤグリッド構造を有する偏光板であって、透明基板(例えば、後述の透明基板1)と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列され、所定方向に延在する格子状凸部(例えば、後述の格子状凸部20)と、を備え、前記格子状凸部は、前記透明基板側から順に、反射層(例えば、後述の反射層3)と、誘電体層(例えば、後述の誘電体層4)と、を有し、前記所定方向から見たとき、前記反射層は、少なくとも1つ以上のステップを側辺に有し、且つ、透明基板側となる底辺の幅が最も大きい偏光板(例えば、後述の偏光板10)である。
前記ステップは、直線及び/又は曲線で形成されていてもよい。
前記透明基板は、使用帯域の光の波長に対して透明であり、且つ、ガラス、水晶、又はサファイアで構成されていてもよい。
前記反射層は、アルミニウム、又はアルミニウム合金で構成されていてもよい。
前記誘電体層は、Si酸化物で構成されていてもよい。
前記吸収層は、Fe、又はTaを含むとともに、Siを含んで構成されていてもよい。
光が入射する前記偏光板の表面は、誘電体からなる保護膜により覆われていてもよい。
光が入射する前記偏光板の表面は、有機系撥水膜により覆われていてもよい。
また別の本発明は、ワイヤグリッド構造を有する偏光板の製造方法であって、透明基板の片面に反射層を形成する反射層形成工程と、前記反射層の前記透明基板とは反対面に誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、前記誘電体層の前記反射層とは反対面に吸収層を形成する吸収層形成工程と、形成された積層体を選択的にエッチングすることにより、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板上に配列される格子状凸部を形成するエッチング工程と、を有し、前記エッチング工程では、等方性エッチングと異方性エッチングを組み合わせることにより、前記反射層の側壁に少なくとも1つ以上のステップを形成するとともに、透明基板側の前記反射層の幅が最も大きくなるよう形成する偏光板の製造方法である。
また別の本発明は、前記偏光板を備える光学機器である。
本発明によれば、優れた選択吸収性を有する偏光板及びその製造方法、並びにその偏光板を備える光学機器を提供できる。さらに具体的には、吸収軸方向の反射を抑制した偏光板及びその製造方法、並びにその偏光板を備える光学機器を提供できる。従って、本発明によれば、高い透過率特性を有するとともに低い反射率を実現した偏光板及びその製造方法、並びにその偏光板を備える光学機器を提供できる。
また本発明によれば、底部が最も太い形状のグリッドを有する偏光板を形成できるため、偏光板の機械的強度を向上できる。
さらに、反射層のステップ数や形状を調整することにより、光学特性の制御が可能となるため、例えば、必要な波長において最適となる偏光板を作成することができ、設計の自由度が増加する。
本発明の一実施形態に係る偏光板を示す断面模式図である。 従来構造の一実施形態に係る偏光板を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る偏光板を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る偏光板を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る偏光板を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る偏光板を示す断面模式図である。 ステップ角87°の偏光板を示す断面模式図である。 ステップ角45°の偏光板を示す断面模式図である。 ステップ角4°の偏光板を示す断面模式図である。 実施例1、2、及び5、並びに比較例1の偏光板について、波長と吸収軸透過率との関係を検証した結果を示すグラフである。 実施例1、2、及び5、並びに比較例1の偏光板について、波長と吸収軸反射率との関係を検証した結果を示すグラフである。 実施例1〜5、および比較例1の偏光板について、波長520〜590nmにおけるステップ角度と吸収軸反射率(Rs)との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳しく説明する。
[偏光板]
本発明の偏光板は、ワイヤグリッド構造を有する偏光板であって、透明基板と、使用帯域の光の波長よりも短いピッチ(周期)で透明基板上に配列されて所定方向に延在する格子状凸部と、を備える。また、この格子状凸部は、透明基板側から順に、少なくとも、反射層と、誘電体層と、を有する。なお、本発明の偏光板は、本発明の効果を発現する限りにおいて、透明基板、反射層、誘電体層、以外の層が存在していてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る偏光板100を示す断面模式図である。図1に示すように、偏光板100は、使用帯域の光に透明な透明基板1と、透明基板1の一方の面上に使用帯域の光の波長よりも短いピッチで配列された格子状凸部20と、を備える。格子状凸部20は、透明基板1側から順に、第2の誘電体層2と、反射層3と、誘電体層4と、吸収層5と、第3の誘電体層6と、を有する。即ち、偏光板100は、反射層3と、誘電体層4と、が透明基板1側からこの順に積層されて形成された格子状凸部20が、透明基板1上に一次元格子状に配列されたワイヤグリッド構造を有する。
ここで、図1に示すように格子状凸部20の延在する方向(所定方向)を、Y軸方向と称する。また、Y軸方向に直交し、透明基板1の主面に沿って格子状凸部20が配列する方向を、X軸方向と称する。この場合、偏光板100に入射する光は、透明基板1の格子状凸部20が形成されている側において、好適にはX軸方向及びY軸方向に直交する方向から入射する。
ワイヤグリッド構造を有する偏光板は、透過、反射、干渉及び光学異方性による偏光波の選択的光吸収の4つの作用を利用することで、Y軸方向に平行な電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を減衰させ、X軸方向に平行な電界成分をもつ偏光波(TM波(P波))を透過させる。従って、図1においては、Y軸方向が偏光板の吸収軸の方向であり、X軸方向が偏光板の透過軸の方向である。
図1に示される偏光板100の格子状凸部20が形成された側から入射した光Lは、吸収層5及び誘電体層4を通過する際に一部が吸収されて減衰する。吸収層5及び誘電体層4を透過した光のうち、偏光波(TM波(P波))は高い透過率で反射層3を透過する。一方、吸収層5及び誘電体層4を透過した光のうち、偏光波(TE波(S波))は反射層3で反射される。反射層3で反射されたTE波は、吸収層5及び誘電体層4を通過する際に一部は吸収され、一部は反射して反射層3に戻る。反射層3で反射されたTE波は、吸収層5及び誘電体層4を通過する際に干渉して減衰する。以上のようにTE波の選択的減衰を行うことにより、偏光板100は、所望の偏光特性を得ることができる。
本発明の偏光板における格子状凸部は、図1に示すように各一次元格子の延在する方向(所定方向)から見たとき、すなわち所定方向に直交する断面視で、反射層3と、誘電体層4と、を有する。
ここで本明細書における寸法につき、図1を用いて説明する。高さとは、図1における透明基板1の主面に垂直な方向の寸法を意味する。幅Wとは、格子状凸部20の延びる方向に沿うY軸方向から見たときに、高さ方向に直交するX軸方向の寸法を意味する。また、偏光板100を格子状凸部20の延びる方向に沿うY軸方向から見たときに、格子状凸部20のX軸方向の繰り返し間隔を、ピッチPと称する。
本発明の偏光板において、格子状凸部のピッチPは、使用帯域の光の波長よりも短ければ特に制限されない。作製の容易性及び安定性の観点から、格子状凸部のピッチPは、例えば、100nm〜200nmが好ましい。この格子状凸部のピッチPは、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡で観察することにより測定することができる。例えば、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて、任意の4箇所についてピッチPを測定し、その算術平均値を格子状凸部のピッチPとすることができる。以下、この測定方法を電子顕微鏡法と称する。
本発明の偏光板は、格子状凸部の延在する方向(所定方向:Y軸方向)から見たとき、反射層が、少なくとも1つ以上のステップを側辺に有し、且つ、透明基板側となる底辺の幅が最も大きいことを特徴とする。これにより、反射率特性の制御に優れ、優れた選択吸収性を有する偏光板、具体的には、吸収軸方向の反射を抑制した偏光板を実現することができる。
なお、反射層に形成されるステップとは、反射層を格子状凸部の延在する方向(所定方向:Y軸方向)から見たとき、反射層の幅が段階的または連続的に変化する形状を意味する。したがって、本発明におけるステップは、直線で形成されるものに限られず、例えば曲線等で形成されていてもよい。またステップは、1つのみに限らず、2つ以上が含まれるマルチステップとなっていてもよい。
ワイヤグリッド構造を有する偏光板は、上記の通り、格子状凸部の延在する方向(Y軸方向)に平行な電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を減衰させ、X軸方向に平行な電界成分をもつ偏光波(TM波(P波))を透過させる。すなわち、格子状凸部の延在する方向(Y軸方向)に平行な電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を、透過させず反射させない特性が求められ、反射率の低減は重要な要求特性となる。
ここで、本発明の偏光板は、反射層にステップが形成されているため、透明基板に垂直に入射した、格子状凸部の延在する方向(Y軸方向)に平行な電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))は、反射層で反射された後に一部がステップによって屈曲し、散乱する。格子状凸部の延在する方向(Y軸方向)に平行な電界成分をもつ、散乱した偏光波(TE波(S波))は、反射に寄与しないこととなり、その結果、吸収軸方向の反射を抑制することができる。
(透明基板)
透明基板(図1における透明基板1)としては、使用帯域の光に対して透光性を示す基板であれば特に制限されず、目的に応じて適宜選択することができる。「使用帯域の光に対して透光性を示す」とは、使用帯域の光の透過率が100%であることを意味するものではなく、偏光板としての機能を保持可能な透光性を示せばよい。使用帯域の光としては、例えば、波長380nm〜810nm程度の可視光が挙げられる。
透明基板の主面形状は特に制限されず、目的に応じた形状(例えば、矩形形状)が適宜選択される。透明基板の平均厚みは、例えば、0.3mm〜1mmが好ましい。
透明基板の構成材料としては、屈折率が1.1〜2.2の材料が好ましく、ガラス、水晶、サファイア等が挙げられる。コスト及び透光率の観点からは、ガラス、特に石英ガラス(屈折率1.46)やソーダ石灰ガラス(屈折率1.51)を用いることが好ましい。ガラス材料の成分組成は特に制限されず、例えば光学ガラスとして広く流通しているケイ酸塩ガラス等の安価なガラス材料を用いることができる。
また、熱伝導性の観点からは、熱伝導性が高い水晶やサファイアを用いることが好ましい。これにより、強い光に対して高い耐光性が得られ、発熱量の多いプロジェクタの光学エンジン用の偏光板として好ましく用いられる。
なお、水晶等の光学活性の結晶からなる透明基板を用いる場合には、結晶の光学軸に対して平行方向又は垂直方向に格子状凸部20を配置することが好ましい。これにより、優れた光学特性が得られる。ここで、光学軸とは、その方向に進む光のO(常光線)とE(異常光線)の屈折率の差が最小となる方向軸である。
(第2の誘電体層)
第2の誘電体層(図1における第2の誘電体層2)は、本発明においては任意の層である。透明基板上に形成され、本発明における反射層と透明基板との間に形成される。
図1に示される本発明の一実施形態に係る偏光板100における第2の誘電体層2は、透明基板1上に積層されており、エッチングにより掘り込まれた掘込み量Hの部分は、格子状凸部20の一部を形成する。
第2の誘電体層を構成する材料としては、後述する誘電体層と同じであっても、異なるものであってもよく、例えば、SiO等のSi酸化物、Al、酸化ベリリウム、酸化ビスマス、等の金属酸化物、MgF、氷晶石、ゲルマニウム、二酸化チタン、ケイ素、フッ化マグネシウム、窒化ボロン、酸化ボロン、酸化タンタル、炭素、又はこれらの組み合わせ等の一般的な材料が挙げられる。中でも、第2の誘電体層は、Si酸化物で構成されることが好ましい。
第2の誘電体層の屈折率は、1.0より大きく、2.5以下であることが好ましい。反射層の光学特性は、周囲の屈折率によっても影響を受けるため、誘電体層の材料を選択することで、偏光板特性を制御することができる。
第2の誘電体層の膜厚は、特に制限されず、例えば、10nm〜100nmが好ましい。なお、第2の誘電体層の膜厚は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
(反射層)
反射層(図1における反射層3)は、透明基板の片側面に形成され、吸収軸であるY軸方向に、帯状に延びた金属膜が配列されたものである。なお、本発明においては、例えば上記した図1に示される偏光板100のように、透明基板と反射層との間に、第2の誘電体層等の別の層が存在していてもよい。
反射層は、ワイヤグリッド型偏光子としての機能を発現に寄与し、反射層の延在する方向(長手方向)に平行な方向に電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を減衰させ、反射層の延在する方向(長手方向)に直交する方向に電界成分をもつ偏光波(TM波(P波))を透過させる。
本発明の偏光板における反射層は、透明基板の面方向に対して略垂直に延びており、格子状凸部の延在する方向(所定方向:Y軸方向)から見たとき、すなわち所定方向に直交する断面視で、少なくとも1つ以上のステップを側辺に有し、且つ、透明基板側となる底辺の幅が最も大きいことを特徴とする。本発明においてはこれにより、反射率特性の制御に優れた偏光板を実現することができ、優れた選択吸収性を有する偏光板、具体的には、吸収軸方向の反射を抑制した偏光板を得ることができる。
反射層の構成材料としては、使用帯域の光に対して反射性を有する材料であれば特に制限されず、例えば、Al、Ag、Cu、Mo、Cr、Ti、Ni、W、Fe、Si、Ge、Te等の元素単体、又はこれらの1種以上の元素を含む合金が挙げられる。中でも、反射層は、アルミニウム又はアルミニウム合金で構成されることが好ましい。なお、これらの金属材料以外にも、例えば着色等により表面の反射率が高く形成された金属以外の無機膜や樹脂膜で構成してもよい。
反射層の膜厚(図1における8)は、特に制限されず、例えば、100nm〜300nmが好ましい。なお、反射層の膜厚は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
本発明の偏光板の反射層の幅では最も大きい幅となる、透明基板側となる底辺の幅は、格子状凸部のピッチPとの関係にもよるが、例えば、ピッチPに対する割合が20〜50%であることが好ましい。なお、これらの幅は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
図1に示される本発明の一実施形態に係る偏光板100においては、反射層3は、格子状凸部20の延在する方向(所定方向:Y軸方向)から見たとき、すなわち所定方向に直交する断面視で、両側辺にそれぞれ1つのステップ10を有し、且つ、透明基板1側となる底辺の幅が最も大きい。さらに詳細には、偏光板100の反射層3は、所定方向に直交する断面視で、略長方形の上に略等脚台形が結合した形状であり、台形部分の下底の長さが長方形部分の幅と等しく、台形部分の上底(透明基板1の反対側)ほど幅が狭くなるよう側辺が傾斜した先細形状を有する。
図1に示される本発明の一実施形態に係る偏光板100においては、θsで示される反射層3のステップ角は、0°<θs<90°の範囲を取りうるが、中では、15°<θs<90°の範囲であることが好ましい。
反射層の側辺に少なくとも1つ以上のステップを備えさせ、且つ、透明基板側となる底辺の幅を最も大きくする方法としては、例えば、等方性エッチングと異方性エッチングを組み合わせて用いて、そのバランスを変化させる方法が挙げられる。
(誘電体層)
誘電体層(図1における誘電体層4)は、反射層上に形成され、吸収軸であるY軸方向に帯状に延びた誘電体膜が配列されたものである。なお、本発明においては、反射層と誘電体層との間には、別の層が存在していてもよい。
誘電体層の膜厚(図1における9)は、吸収層で反射した偏光に対して、吸収層を透過して反射層で反射した偏光の位相が半波長ずれる範囲で形成される。具体的には、誘電体層の膜厚は、偏光の位相を調整して干渉効果を高めることが可能な1〜500nmの範囲で適宜設定される。この誘電体層の膜厚は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
誘電体層を構成する材料としては、SiO等のSi酸化物、Al、酸化ベリリウム、酸化ビスマス、等の金属酸化物、MgF、氷晶石、ゲルマニウム、二酸化チタン、ケイ素、フッ化マグネシウム、窒化ボロン、酸化ボロン、酸化タンタル、炭素、又はこれらの組み合わせ等の一般的な材料が挙げられる。中でも、誘電体層4は、Si酸化物で構成されることが好ましい。
誘電体層の屈折率は、1.0より大きく、2.5以下であることが好ましい。反射層の光学特性は、周囲の屈折率によっても影響を受けるため、誘電体層の材料を選択することで、偏光特性を制御することができる。
また、誘電体層の膜厚や屈折率を適宜調整することにより、反射層で反射したTE波について、吸収層を透過する際に一部を反射して反射層に戻すことができ、吸収層を通過した光を干渉により減衰させることができる。このようにしてTE波の選択的減衰を行うことにより、所望の偏光特性を得ることができる。
本発明の偏光板においては、誘電体層の幅は特に限定されるものではなく、下層として位置する反射層の幅よりも大きくても小さくても問題ない。誘電体層の幅は、格子状凸部のピッチPとの関係にもよるが、例えば、ピッチPに対する割合が20〜50%であることが好ましい。なお、これらの幅は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
図1に示される本発明の一実施形態に係る偏光板100の誘電体層4は、反射層4上に、透明基板1の面方向に対して垂直に積層されており、格子状凸部の延在する方向(所定方向:Y軸方向)から見たとき、すなわち所定方向に直交する断面視で、矩形状を有する。また誘電体層4の幅は、下層に位置する反射層4における長方形部分の幅と略同一である。
(吸収層)
吸収層(図1における吸収層5)は、誘電体層上に形成され、吸収軸であるY軸方向に帯状に延びて配列されたものである。吸収層は、格子状凸部20の一部を形成する。
吸収層の構成材料としては、金属材料や半導体材料等の光学定数の消衰定数が零でない、光吸収作用を持つ物質の1種以上が挙げられ、適用される光の波長範囲によって適宜選択される。金属材料としては、Ta、Al、Ag、Cu、Au、Mo、Cr、Ti、W、Ni、Fe、Sn等の元素単体、又はこれらの1種以上の元素を含む合金が挙げられる。また、半導体材料としては、Si、Ge、Te、ZnO、シリサイド材料(β−FeSi、MgSi、NiSi、BaSi、CrSi、CoSi、TaSi等)が挙げられる。これらの材料を用いることにより、偏光板100は、適用される可視光域に対して高い消光比が得られる。中でも、吸収層は、Fe又はTaを含むとともに、Siを含んで構成されることが好ましい。
吸収層として半導体材料を用いる場合には、吸収作用に半導体のバンドギャップエネルギーが関与するため、バンドギャップエネルギーが使用帯域以下であることが必要である。例えば、可視光で使用する場合、波長400nm以上での吸収、即ち、バンドギャップとしては3.1ev以下の材料を使用する必要がある。
吸収層の膜厚(図1における10)は、特に制限されず、例えば、10nm〜100nmが好ましい。この吸収層5の膜厚は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
なお、吸収層は、蒸着法やスパッタ法により、高密度の膜として形成可能である。また、吸収層は、構成材料の異なる2層以上から構成されていてもよい。
吸収層の幅は、格子状凸部のピッチPとの関係にもよるが、例えば、ピッチPに対する割合が20〜50%であることが好ましい。なお、これらの幅は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
図1に示される本発明の一実施形態に係る偏光板100の吸収層5は、誘電体層4上に、透明基板1の面方向に対して垂直に積層されており、格子状凸部の延在する方向(所定方向:Y軸方向)から見たとき、すなわち所定方向に直交する断面視で、矩形状を有する。また吸収層5の幅は、下層に位置する反射層4における長方形部分の幅、及び誘電体層5の幅と略同一である。
(第3の誘電体層)
第3の誘電体層(図1における誘電体層2)は、本発明においては任意の層である。透明基板上に形成され、本発明における誘電体層のとは別に、その上層として形成される。
図1に示される本発明の一実施形態に係る偏光板100における第3の誘電体層6は、吸収層5上に積層されており、格子状凸部20の一部を形成する。
第3の誘電体層を構成する材料としては、前述した誘電体層、及び存在する場合には第2の誘電体層と同じであっても、異なるものであってもよく、例えば、SiO等のSi酸化物、Al、酸化ベリリウム、酸化ビスマス、等の金属酸化物、MgF、氷晶石、ゲルマニウム、二酸化チタン、ケイ素、フッ化マグネシウム、窒化ボロン、酸化ボロン、酸化タンタル、炭素、又はこれらの組み合わせ等の一般的な材料が挙げられる。中でも、第2の誘電体層は、Si酸化物で構成されることが好ましい。
第3の誘電体層の屈折率は、1.0より大きく、2.5以下であることが好ましい。反射層の光学特性は、周囲の屈折率によっても影響を受けるため、誘電体層の材料を選択することで、偏光板特性を制御することができる。
第3の誘電体層の膜厚(図1における11)は、特に制限されず、例えば、10nm〜100nmが好ましい。なお、第3の誘電体層の膜厚は、例えば上述の電子顕微鏡法により測定可能である。
(拡散バリア層)
本発明の偏光板は、誘電体層と吸収層との間に、拡散バリア層を有していてもよい。拡散バリア層を有することにより、吸収層における光の拡散が防止される。拡散バリア層は、Ta、W、Nb、Ti等の金属膜で構成することができる。
(保護膜)
また、本発明の偏光板は、光学特性の変化に影響を与えない範囲において、光の入射側の表面が、誘電体からなる保護膜により覆われていてもよい。保護膜は、誘電体膜で構成され、例えば偏光板の表面(ワイヤグリッドが形成された面)上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)やALD(Atomic Layer Deposition)を利用することにより形成可能である。これにより、金属膜に対する必要以上の酸化反応を抑制することができる。
(有機系撥水膜)
さらに、本発明の偏光板は、光の入射側の表面が、有機系撥水膜により覆われていてもよい。有機系撥水膜は、例えばパーフルオロデシルトリエトキシシラン(FDTS)等のフッ素系シラン化合物等で構成され、例えば上述のCVDやALDを利用することにより形成可能である。これにより、偏光板の耐湿性等の信頼性を向上できる。
なお、本発明は図1に示される上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形及び改良は、本発明に含まれる。
図3は、本発明の実施形態の一つに係る偏光板300を示す断面模式図である。図3に示される偏光板300は、透明基板1上に格子状凸部20を備える。格子状凸部20としては、透明基板1上に直接、反射層3が形成されており、反射層3の上に誘電体層4、その上に吸収層5が形成されている。すなわち、図3に示される偏光板300は、図1に示される偏光板100に存在する、第2の誘電体層2、第3の誘電体層6を備えない偏光板である。
図3に示される実施形態においては、図1と同様に、格子状凸部20の延在する方向(所定方向:Y軸方向)から見たとき、すなわち所定方向に直交する断面視で、両側辺にそれぞれ1つのステップを有し、且つ、透明基板1側となる底辺の幅が最も大きい。さらに詳細には、偏光板300の反射層3は、所定方向に直交する断面視で、略長方形の上に略等脚台形が結合した形状であり、台形部分の下底の長さが長方形部分の幅と等しく、台形部分の上底(透明基板1の反対側)ほど幅が狭くなるよう側辺が傾斜した先細形状を有する。
図4は、本発明のまた別の実施形態に係る偏光板400を示す断面模式図である。図4に示される偏光板400は、格子状凸部20として、透明基板1上に直接、反射層3が形成されており、反射層3の上に誘電体層4、その上に吸収層5が形成されている。
図4に示される実施形態においては、格子状凸部20の延在する方向(所定方向:Y軸方向)から見たとき、すなわち所定方向に直交する断面視で、両側辺にそれぞれ4つのステップを有し、且つ、透明基板1側となる底辺の幅が最も大きい。
図5は、本発明のまた別の実施形態に係る偏光板500を示す断面模式図である。図5に示される偏光板500は、格子状凸部20として、透明基板1上に直接、反射層3が形成されており、反射層3の上に誘電体層4、その上に吸収層5が形成されている。
図5に示される実施形態においては、格子状凸部20の延在する方向(所定方向:Y軸方向)から見たとき、すなわち所定方向に直交する断面視で、略直角の2つのステップを両側辺にそれぞれ有し、且つ、透明基板1側となる底辺の幅が最も大きい。
図6は、本発明のまた別の実施形態に係る偏光板600を示す断面模式図である。図6に示される偏光板600は、格子状凸部20として、透明基板1上に直接、反射層3が形成されており、反射層3の上に誘電体層4、その上に吸収層5が形成されている。
図6に示される実施形態においては、格子状凸部20の延在する方向(所定方向:Y軸方向)から見たとき、すなわち所定方向に直交する断面視で、曲線で形成されるステップを両側辺にそれぞれ1つ有し、且つ、透明基板1側となる底辺の幅が最も大きい。曲線で形成される領域は、誘電体層4に近づくほど(透明基板1の反対側ほど)小さくなり、幅が狭くなる先細形状を有する。
[偏光板の製造方法]
本発明の偏光板の製造方法は、反射層形成工程と、誘電体層形成工程と、吸収層形成工程と、エッチング工程と、を有する。
反射層形成工程では、透明基板の片面に反射層を形成する。誘電体層形成工程では、反射層形成工程で形成された反射層上に、誘電体層を形成する。吸収層形成工程では、誘電体層形成工程で形成された誘電体層上に、吸収層を形成する。これらの各層形成工程では、例えばスパッタ法や蒸着法により、各層を形成可能である。
エッチング工程では、上述の各層形成工程を経て形成された積層体を選択的にエッチングすることにより、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板上に配列される格子状凸部を形成する。具体的には、例えばフォトリソグラフィ法やナノインプリント法により、一次元格子状のマスクパターンを形成する。そして、上記積層体を選択的にエッチングすることにより、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板上に配列される格子状凸部を形成する。エッチング方法としては、例えば、エッチング対象に対応したエッチングガスを用いたドライエッチング法が挙げられる。
特に本発明においては、等方性エッチングと異方性エッチングを組み合わせてバランスを変化させることにより、反射層の側壁に少なくとも1つ以上のステップを形成するとともに、透明基板側の前記反射層の幅が最も大きくする。
なお、本発明の偏光板の製造方法は、その表面を誘電体からなる保護膜で被覆する工程を有していてもよい。また、本発明の偏光板の製造方法は、その表面を有機系撥水膜で被覆する工程を有していてもよい。
[光学機器]
本発明の光学機器は、上述した本発明に係る偏光板を備える。光学機器としては、液晶プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ、デジタルカメラ等が挙げられる。本発明に係る偏光板は、透過軸方向の偏光の透過率力が高い偏光板として、種々の用途に利用することが可能である。また、有機材料からなる有機偏光板に比べて、耐熱性に優れる無機偏光板であるため、耐熱性が要求される液晶プロジェクタ、ヘッドアップディスプレイ等の用途に特に好適である。
本発明に係る光学機器が複数の偏光板を備える場合、複数の偏光板の少なくとも1つが本発明に係る偏光板であればよい。例えば、本実施形態に係る光学機器が液晶プロジェクタである場合、液晶パネルの入射側及び出射側に配置される偏光板の少なくとも一方が、本発明に係る偏光板であればよい。
以上説明した本発明の偏光板及びその製造方法、並びに光学機器によれば、次のような効果が奏される。
本発明に係る偏光板は、優れた選択吸収性を有する偏光板となり、具体的には、吸収軸方向の反射を抑制した偏光板となる。従って、本発明によれば、高い透過率特性を有するとともに低い反射率を実現した偏光板及びその製造方法、並びにその偏光板を備える光学機器を提供できる。
また本発明によれば、底部が最も太い形状のグリッドを有する偏光板を形成できるため、偏光板の機械的強度を向上できる。
さらに、反射層のステップ数や形状を調整することにより、光学特性の制御が可能となるため、反射率特性の制御に優れ、例えば、必要な波長において最適となる偏光板を作成することができ、設計の自由度が増加する。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜5及び比較例1>
[偏光板の作成]
実施例1〜5では、図1に示す構造を有する偏光板100であって、反射層3のステップ角θsが、それぞれ、87°、45°、21°、8°、4°である偏光板につき、シミュレーションに供した。
また、比較例1として、実施例1の偏光板100とは吸収層3の構造のみが異なる偏光板200を作成し、シミュレーションに供した。比較例1となる偏光板200は、図2に示される構造であり、格子状凸部20の延在する方向(所定方向:Y軸方向)から見たとき、すなわち所定方向に直交する断面視で、反射層3の形状が矩形であり、ステップを有さない(ステップ角θs=0°)。
偏光板100におけるステップ角θsは、以下の式1により求められる。
[式1]
θs=arctan{Hs/(W−Ws)/2}
ここで、図1に示すように、Hsはステップ10の高さ、Wは格子状凸部20の幅、Wsは反射層3の頂点幅、である。
図7に、実施例1とした、反射層3のステップ角θsが87°の偏光板700の断面模式図、図8に、実施例2とした、反射層3のステップ角θsが45°の偏光板800の断面模式図、図9に、実施例5とした、反射層3のステップ角θsが4°の偏光板900の断面模式図を示す。
[シミュレーション方法]
実施例1〜3及び比較例1の偏光板の光学特性について、RCWA(Rigorous Coupled Wave Analysis)法による電磁界シミュレーションにより検証した。シミュレーションには、Grating Solver Development社のグレーティングシミュレータGsolverV51を用いた。
波長と吸収軸透過率との関係の検証にあたっては、格子状凸部の延在する方向(長手方向)に平行な方向に電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を入射させたときの透過率を検証した。また、波長と吸収軸反射率との関係の検証にあたっては、格子状凸部の延在する方向(長手方向)に平行な方向に電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を、入射角5°で入射させたときの反射率を検証した。
[シミュレーション結果]
図10に、実施例1、2、及び5、並びに比較例1の偏光板について、波長と吸収軸透過率との関係を検証した結果を示す。
図11に、実施例1、2、及び5、並びに比較例1の偏光板について、波長と吸収軸反射率との関係を検証した結果を示す。
図12に、実施例1〜5、および比較例1の偏光板について、波長520〜590nmにおけるステップ角度と吸収軸反射率(Rs)との関係を示す。
図10においては、横軸は波長λ(nm)を示しており、縦軸は吸収軸透過率(%)を示している。ここで、吸収軸透過率とは、偏光板に入射する吸収軸方向(Y軸方向)の偏光(TE波)の透過率を意味する。図10においては、破線で示されるグラフが、実施例となる本発明の偏光板100の結果を表しており、実線で示されるグラフ(Ref)が、比較例となる偏光板200の結果を表している。
図11においては、横軸は波長λ(nm)を示しており、縦軸は吸収軸反射率(%)を示している。ここで、吸収軸反射率とは、偏光板に入射する吸収軸方向(Y軸方向)の偏光(TE波)の反射率を意味する。図11においては、破線で示されるグラフが、実施例となる本発明の偏光板100の結果を表しており、実線で示されるグラフ(Ref)が、比較例となる偏光板200の結果を表している。
図11に示されるように、図1に示す構造を有する偏光板100については、ステップ角θsを87°から小さくしていくと、可視域全体の吸収軸反射率が小さくなる傾向がみられ(45°付近)、ステップ角θsをさらに小さくしていくと、波長650nm以下の透過軸反射率が上昇していく傾向がある。
図12に示されるように、ステップ角θが90°となるときの吸収軸反射率(Rs)は3.5であり、吸収軸反射率(Rs)が3.5未満となる範囲は、15°<θ<90°の範囲であることが判る。したがって、本発明の偏光板におけるステップ角θは、15°<θ<90°の範囲とすることが好ましい。
100、200、300、400、500、600、700、800、900 偏光板
1 透明基板
2 第2の誘電体層
3 反射層
4 誘電体層
5 吸収層
6 第3の誘電体層
7 第2の誘電体層の膜厚
8 反射層の膜厚
9 誘電体層の膜厚
10 吸収層の膜厚
11 第3の誘電体層の膜厚
10 ステップ
20 格子状凸部
L 入射光
P 格子状凸部のピッチ
W ライン幅
S スペース幅
H 掘り込み量
Hs ステップ高さ
Ws 金属層頂点の幅

Claims (9)

  1. ワイヤグリッド構造を有する偏光板であって、
    透明基板と、
    使用帯域の光の波長よりも短いピッチで前記透明基板上に配列され、所定方向に延在する格子状凸部と、を備え、
    前記格子状凸部は、前記透明基板側から順に、反射層と、誘電体層と、を有し、
    前記所定方向から見たとき、前記反射層は、
    前記透明基板側から順に、矩形部分と、台形部分とから構成され、
    前記台形部分は、前記矩形部分側を下底とし、前記誘電体側を上底としたとき、前記下底の長さは、前記上底の長さよりも大きく、且つ、前記反射層の前記透明基板側となる底辺の幅が最も大きく、
    前記台形部分の、前記下底の側端部から前記上底の側端部を結ぶ辺と、前記下底に垂直な直線とのなす角θsは、15°<θs<90°の範囲内であり、
    前記所定方向から見たとき、前記誘電体層は、矩形状である偏光板。
  2. 前記透明基板は、使用帯域の光の波長に対して透明であり、且つ、ガラス、水晶、又はサファイアで構成される請求項1に記載の偏光板。
  3. 前記反射層は、アルミニウム、又はアルミニウム合金で構成される請求項1または2記載の偏光板。
  4. 前記誘電体層は、Si酸化物で構成される請求項1から3いずれか記載の偏光板。
  5. 前記格子状凸部は、前記誘電体層の上に吸収層を有し、
    前記吸収層は、Fe、又はTaを含むとともに、Siを含んで構成される請求項1から4いずれか記載の偏光板。
  6. 光が入射する前記偏光板の表面は、誘電体からなる保護膜により覆われている請求項1から5いずれか記載の偏光板。
  7. 光が入射する前記偏光板の表面は、有機系撥水膜により覆われている請求項1から6いずれか記載の偏光板。
  8. ワイヤグリッド構造を有する偏光板の製造方法であって、
    透明基板の片面に反射層を形成する反射層形成工程と、
    前記反射層の前記透明基板とは反対面に誘電体層を形成する誘電体層形成工程と、
    前記誘電体層の前記反射層とは反対面に吸収層を形成する吸収層形成工程と、
    形成された積層体を選択的にエッチングすることにより、使用帯域の光の波長よりも短いピッチで透明基板上に配列され、所定方向に延在する格子状凸部を形成するエッチング工程と、を有し、
    前記エッチング工程では、等方性エッチングと異方性エッチングを組み合わせることにより、
    前記所定方向から見たとき、前記反射層が、前記透明基板側から順に、矩形部分と、台形部分と、からなり、前記台形部分は、前記矩形部分側を下底とし、前記誘電体側を上底としたとき、前記下底の長さは、前記上底の長さよりも大きく、且つ、前記反射層の前記透明基板側となる底辺の幅が最も大きく、前記台形部分の、前記下底の側端部から前記上底の側端部を結ぶ辺と、前記下底に垂直な直線とのなす角θsは、15°<θs<90°の範囲内となるように、且つ、
    前記所定方向から見たとき、前記誘電体層および前記吸収層が、矩形状となるように、前記積層体をエッチングする、偏光板の製造方法。
  9. 請求項1から7いずれか記載の偏光板を備える光学機器。
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