JP6100492B2 - 偏光素子、プロジェクター及び偏光素子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、直交する偏光成分(いわゆるP偏光波、S偏光波)の一方を吸収し、他方を透過させる偏光素子に関するものである。
液晶表示装置は、その画像形成原理から液晶パネル表面に偏光素子を配置することが必要不可欠である。偏光素子の機能は、直交する偏光成分(いわゆるP偏光波、S偏光波)の一方を吸収し、他方を透過させることである。
従来、このような偏光素子として、フィルム内にヨウ素系や染料系の高分子有機物を含有させた二色性の偏光板が多く用いられている。これらの一般的な製法として、ポリビニルアルコール系フィルムとヨウ素などの二色性材料で染色を行った後、架橋剤を用いて架橋を行い、一軸延伸する方法が用いられる。このように二色性の偏光板は、延伸により作製されるため、一般に収縮し易い。また、ポリビニルアルコール系フィルムは、親水性ポリマーを使用していることから、特に加湿条件下においては非常に変形し易い。また、根本的にフィルムを用いるため、デバイスとしての機械的強度が弱く、透明保護フィルムを接着する必要がある場合がある。
近年、液晶表示装置は、その用途が拡大し、高機能化している。それに伴い、液晶表示装置を構成する個々のデバイスに対して、高い信頼性、耐久性が求められる。例えば、透過型液晶プロジェクターのような光量の大きな光源を使用する液晶表示装置の場合には、偏光板は強い輻射線を受ける。よって、これらに使用される偏光板には、優れた耐熱性が必要となる。しかしながら、上記のようなフィルムベースの偏光板は、有機物であることから、これらの特性を上げることにはおのずと限界がある。
米国では、コーニング社よりPolarcorという商品名で耐熱性の高い無機偏光板が販売されている。この偏光板は、銀微粒子をガラス内に拡散させた構造をしておりフィルム等の有機物を使用していない。原理は、島状微粒子のプラズマ共鳴を利用するものである。すなわち、貴金属や遷移金属の島状粒子に光が入射した時の表面プラズマ共鳴による光吸収を利用するものであり、吸収波長は、粒子形状、周囲の誘電率の影響を受ける。ここで島状微粒子の形状を楕円形にすると長軸方向と短軸方向の共鳴波長が異なり、これにより偏向特性が得られ、具体的には長波長側での長軸に平行な偏光成分を吸収し、短軸と平行な偏光成分を透過させるという偏光特性が得られる。しかしながら、Polarcorの場合、偏光特性が得られる波長域は赤外部に近い領域であり、液晶表示装置で求められるような可視光域をカバーしていない。これは島状微粒子に用いられている銀の物理的性質によるものである。
特許文献1には、上記の原理を応用し熱還元によりガラス中に微粒子を析出させることによるUV偏光板が示されており、金属微粒子として銀を用いることが提示されている。この場合、先のPolarcorとは逆に短軸方向での吸収を用いるものと考えられる。Figure1に示されているように400nm付近でも偏光板として機能はしているが消光比が小さくかつ吸収できる帯域が非常に狭いので、仮にPolarcorと特許文献1の技術を組み合わせたとしても可視光全域をカバーできる偏光板にはならない。
また、非特許文献1には、金属島状微粒子のプラズマ共鳴を使った無機偏光板の理論解析が述べられている。この文献によればアルミニウム微粒子は銀微粒子より共鳴波長が200nm程度短く、このためアルミニウム微粒子を用いることで可視光域をカバーする偏光板を製作できる可能性があることが記述されている。
また、特許文献2には、アルミニウム微粒子を使った偏光板の幾つかの作成方法が示されている。その中で、ケイ酸塩をベースとしたガラスでは、アルミニウムとガラスが反応するので基板としては望ましくなく、カルシウム・アルミノ硼酸塩ガラスが適していると記述されている(段落0018,0019)。しかし、ケイ酸塩を使用したガラスは、光学ガラスとして広く流通しており、信頼性の高い製品を安価に入手でき、これが適さないということは経済的に好ましくない。また、レジストパターンをエッチングすることで島状粒子を形成する方法が述べられている(段落0037,0038)。通常、プロジェクターで使用する偏光板は、数cm程度の大きさが必要でかつ高い消光比が要求される。従って、可視光用偏光板を目的とした場合、レジストパターンサイズは可視光波長より充分に短い、すなわち、数十ナノメートルの大きさが必要であり、また、高い消光比を得るためには、パターンを高密度に形成する必要がある。また、プロジェクター用として使用する場合には、大面積が必要である。しかしながら、記述されているようなリソグラフィにより高密度微細パターン形成を応用する方法では、そのようなパターンを得るために電子ビーム描画などを用いる必要がある。電子ビーム描画は、個々のパターンを電子ビームにより描く方法であり生産性が悪く実用的でない。
また、特許文献2には、アルミニウムを塩素プラズマにより除去すると記述されているが、通常そのようにエッチングした場合には、アルミニウムパターンの側壁に塩化物が付着する。市販のウエットエッチング液(例えば東京応化工業のSST−A2)により除去可能であるが、アルミ塩化物に反応するこのような薬液はアルミニウムにもエッチング速度は遅いながらも反応はするので、述べられているような方法で所望のパターン形状を実現することは難しい。
さらに、特許文献2には、別な方法として、パターン化されたフォトレジスト上に斜め成膜によりアルミニウムを堆積し、フォトレジストを除去する方法が記述されている(段落0045,0047)。しかし、このような方法では、基板とアルミニウムの密着性を得るために、ある程度基板面にもアルミニウムを堆積する必要があるものと考えられる。しかし、これは堆積したアルミニウム膜の形状が段落0015に記述されている適当な形状である扁長の楕円体を含む扁長の球体とは異なることを意味する。また、段落0047には表面に垂直な異方性エッチングにより過沈積分を除去すると記述されている。偏光板として機能させるには、アルミニウムの形状異方性は極めて重要である。従ってレジスト部と基板面に堆積するアルミニウムの量をエッチングにより所望の形状が得られるように調整する必要があると考えられるが、段落0047に記述されているような0.05μmというサブミクロン以下のサイズでこれらを制御することは非常に困難と考えられ、生産性の高い製作方法として適しているか疑問である。また、偏光板の特性として透過軸方向については高い透過率が求められるが、通常、基板にガラスを用いた場合、ガラス界面から数%の反射は避けられず、高い透過率を得ることが難しい。
また、特許文献3には、斜め蒸着による偏光板について記述されている。この方法は、使用帯域の波長に対して透明及び不透明な物質を斜め蒸着により微小柱状構造を製作することで偏光特性を得るものであり、特許文献1と異なり、簡便な方法で微細パターンを得られるため生産性の高い方法と考えられる。しかしながら、使用帯域に対して不透明な物質の微小柱状構造のアスペクト比、個々の微小柱状構造の間隔、直線性は、良好な偏光特性を得るために重要な要素であり、特性の再現性の観点からも意図的に制御されるべきものであるが、この方法では蒸着粒子の初期堆積層の影となる部分に次に飛来する蒸着粒子が堆積しないことにより柱状構造が得られるという現象を利用しているため、上記の項目を意図的に制御することが難しい。これを改善する方法として、蒸着前にラビング処理により基板に研磨痕を設ける方法が記述されているが、一般的には蒸着膜の粒子径は最大でも数十nm程度の大きさであり、このような粒子の異方性を制御するにはサブミクロン以下のピッチを研磨により意図的に製作する必要がある。しかし、一般の研磨シート等では、サブミクロン程度が限界であり、そのような微細な研磨痕を製作することは容易でない。また、前記のようにAl微粒子の共鳴波長は周りの屈折率に大きく依存し、この場合、透明及び不透明な物質の組み合わせが重要であるが、特許文献3には、可視光域で良好な偏光特性を得るための組み合わせについて記述がされていない。また、特許文献1と同様に、基板としてガラスを用いた場合、ガラス界面から数%の反射は避けられない。
また、非特許文献2には、Lamipolと称する赤外通信用の偏光板について記述されている。これは、AlとSiOの積層構造をしており、この文献によれば非常に高い消光比を示す。また、非特許文献3には、Lamipolの光吸収を担うAlの代わりにGeを使うことで、波長1μm以下で高い消光比を実現できることが述べられている。また、同資料中のFig3からTe(テルル)も高い消光比が得られることが期待できる。このようにLamipolは、高い消光比が得られる吸収型偏光板であるが、吸光物質と透過性物質の積層厚が受光面の大きさとなるために数cm角の大きさが必要なプロジェクター用途の偏光板には向かない。
また、特許文献4には、金属格子上に誘電層と無機微粒子層が堆積した構造の無機偏光板の構造及び特性が述べられ、この構造によって高いコントラストが得られることが示されている。この構造を発展させ、コントラストを増大し、反射率を軽減し、簡単な製作工程で製造することができる無機偏光板があれば、産業上さらに有用である。
しかしながら、特許文献4の技術は、光を吸収する無機微粒子層が空気界面に存在するため、光の吸収により変換された熱が放熱され難く、熱吸収により偏光板の温度が上昇し易い。このため、強い光に対する耐光性が低い。また、[0083]には、反射層直下に反射防止層を付加した構造が記載されているが、この場合、使用方法によっては、上部の無機微粒子層は必ずしも必要でない。
米国特許第6772608号明細書 特開2000−147253号公報 特開2002−372620号公報 特開2008−216957号公報
J.Opt.Soc.Am.A Vol.8,No.4 619−624 Applied Optics Vol.25 No.2 1986 311−314 J. Lightwave Tec. Vol.15 No.6 1997 1042−1050
ここで、偏光素子ででは遮蔽側の偏光光が吸収され偏光板中で熱となるため、熱的耐性が高いことが望まれる。しかし、上記各特許文献に記載された発明では、吸収層に熱が加わると誘電体層側に拡散し、特性が低下する。特に、吸収層にSi、誘電体層にSiOを用いた場合、高温下で吸収層が誘電体層へ拡散し、両層のミキシングが起き、これにより光学特性が劣化するおそれがある。
本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、優れた光学特性を有するとともに高温下においても吸収層と誘電体層とのミキシングを防止することができる偏光素子、この偏光素子を用いたプロジェクター及び偏光素子の製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明に係る偏光素子は、透明基板と、上記透明基板上に使用帯域の光の波長よりも小さいピッチで配列された格子状凸部を構成する反射層と、上記反射層上に形成された誘電体層と、上記誘電体層上に形成された拡散バリア層と、上記拡散バリア層上に形成され、上記誘電体層とともに上記拡散バリア層を挟持する吸収層とを備え、上記拡散バリア層は、Ta、Nb又はTiのいずれかであり、上記吸収層は、Siを含むものである。
また、本発明に係るプロジェクターは、上記偏光素子と、光源と、画像表示パネルとを備え、上記偏光素子は、上記光源からの使用帯域の光を上記透明基板の格子状凸部が形成された面に向かって入射し、通過させるものである。
また、本発明に係る偏光素子の製造方法は、透明基板上に、反射層と、誘電体層と、Ta、Nb又はTiのいずれかからなる拡散バリア層と、Siを含む吸収層とを、この順に積層し、使用帯域の光の波長よりも小さいピッチで配列されたワイヤグリッドをパターニングにより形成するものである。
本発明によれば、可視光域で所望の消光比を持った偏光素子を提供することが可能となる。また、本発明では、従来構造の無機偏光板と比較した場合、拡散バリア層により熱劣化を抑制できるので、偏光板の耐熱性が向上する。このため、液晶プロジェクターに使われるような強い光に対しての耐光特性が求められる場合にも信頼性の高い偏光素子が実現できる。
本発明が適用された偏光素子を示す断面図である。 本発明が適用された他の偏光素子を示す断面図である。 拡散バリア層を構成する材料の各光学定数を示す表である。 拡散バリア層を構成する各種材料を用いた偏光素子における透過率とコントラストとの相関特性を示すグラフである。 拡散バリア層を構成する各種材料を用いた偏光素子における透過軸反射率と吸収軸反射率との相関特性を示すグラフである。 実施例及び比較例に係る偏光素子の初期の透過率とコントラストとの相関特性を示すグラフである。 実施例及び比較例に係る偏光素子の初期の透過軸反射率と吸収軸反射率との相関特性を示すグラフである。 熱処理後の実施例に係る偏光素子と初期の比較例に係る偏光素子の、各透過率とコントラストとの相関特性を示すグラフである。 熱処理後の実施例に係る偏光素子と初期の比較例に係る偏光素子の、各透過軸反射率と吸収軸反射率との相関特性を示すグラフである。 実施例及び比較例に係る偏光素子の150℃耐熱試験における経過時間と透過軸透過率との相関特性を示すグラフであり、(A)は実施例、(B)は比較例に関する。 実施例及び比較例に係る偏光素子の150℃耐熱試験における経過時間と吸収軸透過率との相関特性を示すグラフであり、(A)は実施例、(B)は比較例に関する。 実施例及び比較例に係る偏光素子の150℃耐熱試験における経過時間とコントラストとの相関特性を示すグラフであり、(A)は実施例、(B)は比較例に関する。 実施例及び比較例に係る偏光素子の150℃耐熱試験における経過時間と透過軸反射率との相関特性を示すグラフであり、(A)は実施例、(B)は比較例に関する。 実施例及び比較例に係る偏光素子の150℃耐熱試験における経過時間と吸収軸反射率との相関特性を示すグラフであり、(A)は実施例、(B)は比較例に関する。 本発明が適用された偏光素子のエッチングプロセスを示す断面図である。 本発明が適用されたさらに他の偏光素子を示す断面図である。 本発明の一実施の形態に係る液晶プロジェクターの光学エンジン部分の構成を示す概略断面図である。
以下、本発明が適用された偏光素子、プロジェクター及び偏光素子の製造方法について、図面を参照しながら下記順序にて、詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。また、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることがある。具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
1.偏光素子の構成
2.光学特性の評価試験
3.偏光素子の製造方法
4.液晶プロジェクターの構成例
<1.偏光素子の構成>
図1は、本発明の一実施の形態に係る偏光素子を示す概略断面図である。図1に示すように、偏光素子1は、使用帯域の光に透明な透明基板11と、透明基板11の一方の面上に使用帯域の光の波長よりも小さいピッチで配列された格子状凸部を構成する反射層12と、反射層12上に形成された誘電体層13と、誘電体層13上に形成された拡散バリア層14と、拡散バリア層14上に形成された吸収層15とを備える。すなわち、偏光素子1は、透明基板11側から反射層12と誘電体層13と拡散バリア層14と吸収層15とがこの順に積層された凸部が、透明基板11上に一定間隔に並んだ一次元格子状のワイヤグリッド構造を有する。
吸収層15及び拡散バリア層14は金属、半導体など光学定数の消衰定数が零でない、すなわち光吸収作用を持つ物質である。そして、偏光素子1は、誘電体層13と吸収層15の間に、吸収層15の拡散防止を目的とした拡散バリア層14を備えていることを特徴とする。なお、図2に示すように、偏光素子1は、必要に応じて、光学特性の変化が応用上影響を与えない範囲で、最上部に耐湿性などの信頼性改善の目的でSiOなどの保護膜16を堆積してもよい。
そして、偏光素子1は、透過、反射、干渉、光学異方性による偏光波の選択的光吸収の4つの作用を利用することで、反射層12の格子に平行な電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を減衰させ、格子に垂直な電界成分をもつ偏光波(TM波(P波))を透過させる。
すなわち、TE波は、吸収層15及び拡散バリア層14の光吸収作用によって減衰される。格子状の反射層12は、ワイヤグリッドとして機能し、吸収層15、拡散バリア層14及び誘電体層13を透過したTE波を反射する。また、誘電体層13の厚さ及び屈折率を適宜調整することによって、反射層12で反射したTE波は、吸収層15及び拡散バリア層14を通過し透過する際に一部は吸収され、一部は反射し、反射層12に戻る。また吸収層15及び拡散バリア層14を通過した光は干渉して減衰する。以上のようにして、偏光素子1は、TE波の選択的減衰を行うことにより、所望の偏光特性を得ることができる。
[透明基板]
透明基板11は、使用帯域の光に対して透明で、屈折率が1.1〜2.2の材料、例えば、ガラス、サファイア、水晶などで構成されている。本実施の形態では、透明基板11の構成材料として、熱伝導性の高い水晶やサファイア基板を用いることが好ましい。これにより、強い光に対して高い耐光性を有することとなり、発熱量の多いプロジェクターの光学エンジン用の偏光素子として有用となる。
また、透明基板11が水晶のような光学活性の結晶からなる場合、結晶の光学軸に対して平行方向又は垂直方向に格子状凸部を配置することにより、優れた光学特性を得ることができる。ここで、光学軸とは、その方向に進む光のO(常光線)とE(異常光線)の屈折率の差が最小となる方向軸である。
なお、偏光素子の用途によっては、ガラス、特に、石英(屈折率1.46)やソーダ石灰ガラス(屈折率1.51)を用いてもよい。ガラス材料の成分組成は特に制限されず、例えば光学ガラスとして広く流通しているケイ酸塩ガラスなどの安価なガラス材料を用いることができ、製造コストの低減を図ることができる。
[反射層]
反射層12は、透明基板11上に吸収軸であるY方向に帯状に延びた金属薄膜が配列されてなるものである。すなわち、反射層12は、ワイヤグリッド型偏光子としての機能を有し、透明基板11のワイヤグリッドが形成された面に向かって入射した光のうち、ワイヤグリッドの長手方向に平行な方向(Y軸方向)に電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を減衰させ、ワイヤグリッドの長手方向と直交する方向(X軸方向)に電界成分をもつ偏光波(TM波(P波))を透過させる。
反射層12の構成材料には、使用帯域の光に対して反射性を有する材料であれば特に制限されず、例えばAl、Ag、Cu、Mo、Cr、Ti、Ni、W、Fe、Si、Ge、Teなどの金属単体もしくはこれらを含む合金あるいは半導体材料を用いることができる。なお、金属材料以外にも、例えば着色等により表面の反射率が高く形成された金属以外の無機膜や樹脂膜で構成されていてもよい。
また、反射層12の透過軸方向の幅(X軸方向)を他の層(誘電体層13、拡散バリア層14、吸収層15)より小さくすることにより、透過軸透過率が高くなる。したがって、ピッチ及びグリッド幅を最適に設計することにより、偏光素子の透過率を向上させることが可能となる。また、具体的な反射層12の透過軸方向の幅は、グリッド(誘電体層13、拡散バリア層14、吸収層15)幅の50%以上であることが好ましく、より好ましくは、グリッド幅の80%以上である。反射層12の幅(X軸方向)をグリッド幅の50%未満とした場合、熱伝導性が悪化し、物理的強度が低下してしまう。
[誘電体層]
誘電体層13は、吸収層15で反射した偏光に対して、吸収層15を透過し、反射層12で反射した当該偏光の位相が半波長ずれる膜厚で形成されている。具体的な膜厚は、偏光の位相を調整し、干渉効果を高めることが可能な1〜500nmの範囲で適宜設定される。本実施の形態では、吸収層15が反射した光を吸収するため、膜厚が最適化されていなくてもコントラストの向上が実現でき、実用上は、所望の偏光特性と実際の作製工程の兼ね合いで決定して構わない。
誘電体層13を構成する材料は、SiO、Al、酸化ベリリウム、酸化ビスマス、等の金属酸化物、MgF、氷晶石、ゲルマニウム、二酸化チタン、ケイ素、フッ化マグネシウム、窒化ボロン、酸化ボロン、酸化タンタル、炭素並びにそれらの組み合わせなどの一般的な材料を用いることができる。また、誘電体層13の屈折率は、1.0より大きく2.5以下とすることが好ましい。なお、反射層13の光学特性は、周囲の屈折率によっても影響を受けるため、誘電体層13の材料により偏光素子特性を制御してもよい。
[拡散バリア層]
拡散バリア層14は、吸収層15と拡散バリア層14の界面において、吸収層15の拡散防止効果を有する、又は拡散によリ生成される物質が、偏光素子の光学特性(透過率及び反射率)の変化に及ぼす影響の小さい材料を用いる。拡散バリア層14は、吸収層にSiを用いた場合に、好適には、Ta、W、Nb、Tiなどの金属膜が挙げられる。
また、拡散バリア層14は、後述する吸収層15との密着性の観点からも、吸収層15を構成する材料と熱膨張率が近似した材料を用いることが好ましい。例えば吸収層15をSiで形成した場合、拡散バリア層14は、Siの熱膨張率(2.6×10−6/K)と近似した熱膨張率を有するW(熱膨張率:4.5×10−6/K)、Nb(熱膨張率:7.3×10−6/K)、Ta(熱膨張率:6.3×10−6/K)、Ti(熱膨張率:8.6×10−6/K)等を用いることが好ましい。
偏光素子1は、拡散バリア層14を設けることにより、吸収層15の拡散及びこれによる光学特性の劣化を防止することができ、アニール処理や実使用時等における耐熱性を向上することができる。
[吸収層]
吸収層15は、金属、半導体など光学定数の消衰定数が零でない、光吸収作用を持つ物質の1種以上から構成され、その材料は、適用される光の波長範囲によって選択される。金属材料としては、Ta、Al、Ag、Cu、Au、Mo、Cr、Ti、W、Ni、Fe、Sn単体もしくはこれらを含む合金が挙げられる。半導体材料としては、Si、Ge、Te、ZnO、シリサイド材料(β−FeSi、MgSi、NiSi、BaSi、CrSi、CoSi、TaSi等)などが挙げられる。これにより、偏光素子1は、適用される可視光域に対して高い消光比を備えることができる。
なお、半導体材料を用いる場合、吸収作用に半導体のバンドギャップエネルギーが関与するため、バンドギャップエネルギーが使用帯域以下であることが必要である。例えば、可視光で使用する場合、波長400nm以上での吸収、すなわちバンドギャップとしては3.1eV以下の材料を使用する必要がある。
なお、吸収層15は、蒸着法やスパッタ法により、膜が高い密度で形成することができる。また、吸収層15は、材料の異なる2層以上から構成されていてもよい。
また、偏光素子1は、図2に示すように、光学特性の変化が実用上影響を与えない範囲で、透明基板11及び格子状凸部の表面を被覆する保護膜16を備えてもよい。保護膜16は、例えばSiOなどを堆積させることにより、耐湿性などの信頼性を改善することができる。保護膜16の形成方法としては、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)を用いることが好ましい。プラズマCVDを用いることにより、格子状凸部の隙間にも保護膜を堆積させることができる。
このような構成の偏光素子1によれば、透過、反射、干渉、偏光波の選択的光吸収の4つの作用を利用することで、反射層12の格子に平行な電界成分をもつ偏光波(TE波(S波))を減衰させ、格子に垂直な電界成分をもつ偏光波(TM波(P波))を透過させることができる。すなわち、TE波は、吸収層15及び拡散バリア層14の偏光波の選択的光吸収作用によって減衰され、吸収層15、拡散バリア層14及び誘電体層13を透過したTE波は、ワイヤグリッドとして機能する格子状の反射層12によって反射される。ここで、誘電体層13の厚さ、屈折率を適宜調整することによって、反射層12で反射したTE波について、吸収層15を透過する際に一部を反射し、反射層12に戻すことができ、また、吸収層15を通過した光を干渉により減衰させることができる。以上のようにしてTE波の選択的減衰を行うことにより、所望の偏光特性を得ることができる。
また、本発明が適用された偏光素子1は、吸収層15と誘電体層13との間に拡散バリア層14を介在させている。したがって、偏光素子1は、製造工程においてアニール処理を施した場合や、実使用時において高温化した場合にも、吸収層15と誘電体層13とミキシングを防止することができ、光学特性の劣化を防止することができる。このように、偏光素子1は、従来構造の無機偏光板と比較した場合、拡散バリア層14により熱劣化を抑制できるので、液晶プロジェクターに使われるような強い光に対して高い耐熱性を示し、信頼性を向上させることができる。
また、本発明により、可視光域で所望の消光比を持った偏光板を提供することが可能となる。ここで、本発明では、従来用いられてきたような有機物よりも耐久性の高い無機物を使用しているため、液晶プロジェクターに使われるような強い光に対しての耐光特性が求められる場合にも、このようなニーズに応えられる信頼性の高い偏光板が実現できる。
なお、偏光素子1は、拡散バリア層14として、上述したW、Ta、Nb、Tiのいずれを用いた場合にも、同等の光学特性が得られる。これは、図3に示すように、W、Ta、Nb、Tiは、いずれも吸収層15を構成するSiと、屈折率n、消衰係数kの値が近似しているためである。図4に、厚さ20nmのSiからなる吸収層15と、厚さ5nmの拡散バリア層14が形成された偏光素子1において、拡散バリア層14の材料別に、波長550nmの光に対する透過軸透過率とコントラストの相関特性を示す。また、図5に、同じ条件における透過軸反射率と吸収軸反射率の相関特性を示す。両シミュレーション結果からも、W、Ta、Nb、Tiのいずれを用いた場合にも、低い反射率が得られ、また透過率及びコントラストも高く、同等の光学特性が得られることがわかる。また、W、Ta、Nb、Tiのいずれも、吸収層15を構成するSiに対する拡散バリア性が高い。
<2.光学特性の評価試験>
次いで、拡散バリア層14を備えた偏光素子1について、拡散バリア層14を有しない比較例と対比した試験結果について説明する。各試験では、拡散バリア層14を備えた実施例に係る偏光素子と、拡散バリア層14を有しない比較例に係る偏光素子を作製し、作製直後(初期)の光学特性を測定するとともに、150℃又は300℃の熱処理を施した後の光学特性についても測定した。
以下に示す図では、拡散バリア層14を備えた実施例に係る偏光素子をTa/Siとし、拡散バリア層14を有しない比較例に係る偏光素子をSiとして、各種光学特性について測定した結果を示す。また、実施例、比較例共に5つ又は7つのサンプルを作製し、試験を行った。
実施例に係る偏光素子は、透明基板(ガラス)上に、誘電体層(SiO:35nm)/反射層(Al:200nm)/誘電体層(SiO:12.5nm)/拡散バリア層(Ta:5nm)/吸収層(Si:20nm)が、この順序で積層されている。
比較例に係る偏光素子は、透明基板(ガラス)上に、誘電体層(SiO:35nm)/反射層(Al:200nm)/誘電体層(SiO:12.5nm)/吸収層(Si:25nm)が、この順序で積層されている。
実施例、比較例は、共に格子ピッチは148nmとしている。また、実施例、比較例は、液晶表示装置で実用上重要である緑域(550nm近辺)において高いコントラストが得られ、反射率が低くなるように構造設計している。
図6は初期の透過軸透過率とコントラストの相関特性を示し、図7は初期の透過軸反射率と吸収軸反射率との相関特性を示す。同等のコントラストが得られる偏光素子について、理想的な特性とは、透過軸透過率が高く、反射率が低いことである。実施例(Ta/Si)は、長所として反射率が低いが、短所として透過率が低い。
この短所を補う為、300℃2時間のアニール処理を行うことで透過軸透過率を向上させた。図8は、比較例(Si)とアニール処理後の実施例(Ta/Si)の透過軸透過率とコントラストの相関特性を示し、図9は、透過軸反射率と吸収軸反射率の相関特性を示す。アニール処理後の実施例(Ta/Si)では、透過率が高く、反射率が低いという理想的な特性が得られている。
次いで、上記アニール処理後の実施例(Ta/Si)と比較例(Si)に係る偏光素子に対して、150℃耐熱試験を行った。図10は、150℃耐熱試験における経過時間と透過軸透過率の推移を示す。図11は、150℃耐熱試験における経過時間と吸収軸透過率の推移を示す。図12は、150℃耐熱試験における経過時間とコントラストの推移を示す。図13は、150℃耐熱試験における経過時間と透過軸反射率の推移を示す。図14は、150℃耐熱試験における経過時間と吸収軸反射率の推移を示す。いずれも、(A)は実施例(Ta/Si)のグラフであり、(B)は比較例(Si)のグラフであり、それぞれ7つのサンプルについて測定している。
透過軸反射率(図13)については有意差が見られなかったが、その他の特性についてはすべて拡散バリア層を備えた実施例(Ta/Si)の方が、特性の変化が小さい結果となった。すなわち、拡散バリア層を備えることにより、本発明に係る偏光素子は、耐熱性が向上していることが確認された。一方、拡散バリア層を備えていない比較例では、高温下で吸収層が誘電体操へ拡散し、両層のミキシングが起き、これによりコントラスの低下など光学特性の劣化が起きた。
<3.偏光素子の製造方法>
次に、本実施の形態における偏光素子1の製作方法について説明する。先ず、透明基板11上に、反射層12(Al)、誘電体層13(SiO)、拡散バリア層14(Ta)、吸収層15(Si)第1のエッチングマスク層20(SiO)及び第2のエッチングマスク層21(Al)をこの順に成膜する。
反射層12は、蒸着法やスパッタ法により成膜する。具体的には、成膜時に透明基板11をターゲットに対して対向させて配置し、アルゴンガス粒子をターゲットに衝突させ、その衝撃ではじき飛ばされたターゲット成分を基板上に付着させ、反射層12を得る。
また、誘電体層13、拡散バリア層14及び吸収層15は、スパッタ法、気相成長法、蒸着法などの一般的な真空成膜法あるいはゾルゲル法(例えばスピンコート法によりゾルをコートし熱硬化によりゲル化させる方法)により成膜することができる。また、シャドーイング効果を利用した蒸着やスパッタによる斜め成膜方法を用いて無機微粒子を堆積させ拡散バリア層14、吸収層15を成膜してもよい。
次いで、BARC等の反射防止膜22及びフォトレジスト23を形成し、ナノインプリント、フォトリソグラフィ等により格子状のマスクパターンを形成する(図15(a))。図15(b)〜(e)に、パターニングにフォトリソグラフィを用いた場合のドライエッチングフローを示す。
先ず、反射防止膜22(BARC)及び第2のエッチングマスク層21(Al)をドライエッチングにより除去する(図15(b))。反射防止膜22(BARC)のエッチングガスとしては、Ar/Oを使用することができる。また、第2のエッチングマスク層21(Al)のエッチングガスとしては、Cl/BClを使用することができる。
次いで、第1のエッチングマスク層20(SiO)、吸収層15(Si)、拡散バリア層14(Ta)、誘電体層13(SiO)をドライエッチングにより除去する(図15(c))。これらのエッチングガスとしては、CF/Arを挙げることができる。
次いで反射層12をドライエッチングにより除去する(図15(d))。このエッチングガスとしてはCl/BClを挙げることができる。
最後にCF/Arガスにより、第1のエッチングマスク層20(SiO)をエッチングする。エッチングにより第1のエッチングマスク層20(SiO)の厚さを最適化する事で、吸収軸反射率を低減することができる。(図15(e))。それぞれエッチング条件(ガス流量、ガス圧、パワー、基板の冷却温度)を最適化する事によって、垂直性の高い格子形状を実現できる。また、エッチング条件により、反射層12の幅(X軸方向)を調整することができる。
なお、反射層12にAlやAlSiを用いる場合には、吸収層15及び誘電体層13には、フッ素でエッチング可能な材料を選択することが望ましい。そうすることで、高いエッチング選択比が得られ、反射層12の膜厚設計値の幅を広くすることができ、プロセス構築上有利となる。
また、光学特性の変化が応用上影響を与えない範囲で、最上部に耐湿性などの信頼性改善の目的でSiOなどの保護膜16を堆積することも可能である。また、図16に示すように、透過率の向上を目的として、透明基板11と反射層12との間に、SiOからなる透明下地膜17を形成してもよい。
また、上記では、第1、第2のエッチングマスク層20,21の2層のエッチングマスク膜を用いるプロセスとしたが、第1のエッチングマスク膜20(SiO)上にナノインプリント、フォトリソグラフィなどにより格子状のマスクパターンを形成することで、第2のエッチングマスク膜21(Al)を除き、より生産性の高いプロセスとする事も可能である。
なお、反射層12にAlやAlSiなど塩素系ガスでエッチングする材料を用いる場合には、反射層12上に形成される誘電体層13、拡散バリア層14、吸収層15、エッチングマスク層20,21の材料については、フッ素との反応性が良く、塩素との反応性が低いものを選択することが好ましい。これにより、エッチングプロセスを簡略化することが可能となり生産性が向上すると共に、垂直性の高い格子形状を形成しやすくなるため、プロセス構築上有利となる。
<4.液晶プロジェクターの構成例>
次に、本発明の一実施の形態に係る液晶プロジェクターについて説明する。液晶プロジェクター100は、光源となるランプと、液晶パネルと、前述した偏光素子1とを備える。
図17に、本発明に係る液晶プロジェクターの光学エンジン部分の構成例を示す。液晶プロジェクター100の光学エンジン部分は、赤色光LRに対する入射側偏光素子10A、液晶パネル50、出射プリ偏光素子10B、出射メイン偏光素子10Cと、緑色光LGに対する入射側偏光素子10A、液晶パネル50、出射プリ偏光素子10B、出射メイン偏光素子10Cと、青色光LBに対する入射側偏光素子10A、液晶パネル50、出射プリ偏光素子10B、出射メイン偏光素子10Cと、それぞれの出射メイン偏光素子10Cから出てくる光を合成し投射レンズに出射するクロスダイクロプリズム60とを備えている。ここで、前述した偏光素子1は、入射側偏光素子10A、出射プリ偏光素子10B、出射メイン偏光素子10Cそれぞれに適用され、光源からの使用帯域の光を透明基板11のワイヤグリッドの形成面に向かって入射し、通過させる。
この液晶プロジェクター100では、光源ランプ(不図示)から出射される光をダイクロイックミラー(不図示)により赤色光LR、緑色光LG、青色光LBに分離し、それぞれの光に対応する入射側偏光素子10Aに入射させ、ついでそれぞれの入射側偏光素子10Aで偏光された光LR、LG、LBは液晶パネル50にて空間変調されて出射され、出射プリ偏光素子10B、出射メイン偏光素子10Cを通過した後、クロスダイクロプリズム60にて合成されて投射レンズ(不図示)から投射される構成となっている。光源ランプは高出力のものであっても、強い光に対して優れた耐光特性をもつ偏光素子1を用いているため、信頼性の高い液晶プロジェクターを実現することができる。
なお、本発明の偏光素子は、前記液晶プロジェクターへの適用に限定されるわけではなく、使用環境として熱を受ける偏光素子として好適である。例えば、自動車のカーナビやインパネの液晶ディスプレイの偏光素子として適用することができる。
1 偏光素子、11 透明基板、12 反射層、13 誘電体層、14 拡散バリア層、15 吸収層、16 保護層、20 第1のエッチングマスク層、21 第2のエッチングマスク層、22 反射防止膜、23 フォトレジスト、50 液晶パネル、60 クロスダイクロプリズム

Claims (7)

  1. 透明基板と、
    上記透明基板上に使用帯域の光の波長よりも小さいピッチで配列された格子状凸部を構成する反射層と、
    上記反射層上に形成された誘電体層と、
    上記誘電体層上に形成された拡散バリア層と、
    上記拡散バリア層上に形成され、上記誘電体層とともに上記拡散バリア層を挟持する吸収層とを備え
    上記拡散バリア層は、Ta、Nb又はTiのいずれかであり、
    上記吸収層は、Siを含む偏光素子。
  2. 上記反射層の幅が、上記誘電体層の幅の50%以上である請求項1に記載の偏光素子。
  3. 上記拡散バリア層がアニール処理されている請求項1又は2に記載の偏光素子。
  4. 請求項1乃至のいずれか1項に記載の偏光素子と、光源と、画像表示パネルとを備え、
    上記偏光素子は、上記光源からの使用帯域の光を上記透明基板の格子状凸部が形成された面に向かって入射し、通過させるプロジェクター。
  5. 透明基板上に、反射層と、誘電体層と、Ta、Nb又はTiのいずれかからなる拡散バリア層と、Siを含む吸収層とを、この順に積層し、
    使用帯域の光の波長よりも小さいピッチで配列されたワイヤグリッドをパターニングにより形成する偏光素子の製造方法。
  6. 上記反射層の幅が、上記誘電体層の幅の50%以上である請求項に記載の偏光素子の製造方法。
  7. 上記ワイヤグリッドを形成した後、アニール処理を行う請求項5又は6に記載の偏光素子の製造方法。
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