JP2962487B2 - X線〜紫外線域のミラー装置 - Google Patents

X線〜紫外線域のミラー装置

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、いわゆる積層構造体から成る周期的積層体
を支持部材上に有し、前記積層構造体が、ミラーに入射
する波長線に対して反射性のいわゆる第1の重元素から
成る下側層と、これら波長線に対して低い光学吸収を有
するスペーサと称せられ軽元素から成る上側層とを含む
X線〜紫外線域のミラー装置に関するものである。
本発明は、X線を用いる分光器、顕微鏡又は望遠鏡、
並びにできるだけ大きな反射係数を達成するX線用ミラ
ーを必要とする装置、或は良好な選択性を呈するミラー
を必要とするモノクロメータを構成するのに適用され
る。
X線域用のミラーは、1989年に発行された“シン ソ
リッド フィルムズ(Thin Solid Films)”に記載され
ている文献“インターフェイス アナリシス オブ ス
パッタード W/C,Rh/C アンド Ni/C マルチレイヤズ
フォー ソフト X−レイ アプリケーションズ(In
terface analysis of sputtered W/C,Rh/C and Ni/C mu
ltilayers for soft X−ray applications)”ピー.ボ
ーファ(P.BOHER),ピーエィッチ.ハウデー(Ph.HOUD
Y)及びシーエル.シラー(Cl.SCHILLER)著から既知で
ある。
この文献より、X線域のミラーを構成するための2層
構造体から成る周期的積層体を構成することが必要であ
ることが教示されている。そして、この2層構造体の一
方の層は低吸収性で一般的にスペーサの名として称せら
れている軽元素で構成され、他方の層は反射性の重元素
で構成される。
上記文献では、カーボンをスペーサ元素とし、タング
ステン、ロジウム又はニッケルを反射性重元素とするW
−C,Rh−C及びNi−C対の中から選択することができる
旨記載されている。W−C対は、現在のところ一番よく
知られている。
この2層構造体の厚さすなわち1周期の厚さは作動波
長程度すなわちX線域の場合数nmである。
上記文献には、反射率に大きく作用する2個のパラメ
ータとして以下のものが記載されている。
○ 層界面の粗さ ○ 厚さの再現性 厚さの再現性は本質的に装置の課題であり、界面の粗
さは層を構成するため選択された材料の純粋性に依存す
る。
上記文献により、W−C界面は0.4nm程度の粗さであ
り、C−W界面はほとんど完全である。
Rh−C対の場合はより複雑である。拡散によりロジウ
ムがカーボン層を汚染し、カーボンがロジウム層の真性
粗さを減少させているようである。この結果、C−Rh界
面は0.5nm程度の厚さを呈し、この界面の内側に純粋な
ロジウム層が形成される。
Ni−C対の場合は最も複雑である。一方において、カ
ーボンへのニッケルの強力な相互拡散が現われ、他方に
おいてC−Ni界面は2nmの堆積厚さの場合においてさえ
もカーボンのニッケルへの相互拡散によって規制されて
いるように思われる。
X線用のミラーを構成することは、1989年5月に発行
された雑誌“ジャーナル オブ アプライト フィズク
ス(Journal of Applied Physics)"65(10)15 第390
7〜3913頁に記載されている文献“ザ ストラクチュヤ
オブ ウルトラ−シン C/W アンド Si/W マルチ
レイヤズ フォー ハイ パフォーマンス イン ソフ
ト−X−レイ オプティクス(The structure of ultra
−thin C/W and Si/W multilayers for high performan
ce in soft−X−ray optics)”ピー.ルテラナ(P.RU
TERANA)等著からも既知である。
この文献によれば、X線用のミラーはシリコン−タン
グステン対から成る多層によって構成される。この対に
おいて、シリコンはスペーサ成分であり、タングステン
は反射性重成分である。この文献によれば、反射率を改
善するため界面粗さを最小にする必要があることも教示
している。この目的のため、この対を構成する材料は併
合を標準として用いることにより選択される。低併合厚
さとすることにより、最小の界面厚さが形成される。
ミラーに入射する放射線の波長は、スペーサ元素−反
射性元素の対の選択と関連し、すなわち所定の用途及び
規定されたX線源の場合ミラーの選択性及び反射性は2
層構造体の材料の選択によってほとんど決定される。
しかしながら、上述の文献に教示されているように、
所定の波長域の選択された用途のミラーを構成する最良
の候補材料は、相互拡散と関連する界面粗さ又は欠陥を
生ずるため、満足し得る産業的用途について実際には適
切でない。
本発明の目的は、冒頭部で述べた型式のミラー装置に
おいて、技術的構成及び光学特性が2層構造体から成る
周期的積層体よりも一層改善されたミラー装置を提供す
ることにある。
従って、本発明の目的は、反射率が既知の装置の反射
率よりも一層改善されたミラー装置を提供することにあ
る。
本発明の別の目的は、表面粗さ又は相互拡散が低減さ
れ、選択された作動波長線に対して最良な材料を用いる
ことが妨げられないミラー装置を提供することにある。
これらの目的は、冒頭部で述べたミラー装置におい
て、前記積層構造体が、前記下側層と上側層との間に前
記入射波長線に対して反射性を有するいわゆる第2の重
元素から成る中間層を有して3層構造体を形成し、前記
重元素を、スペーサ元素と一緒になって2個の対を形成
するように選択し、第1の対と称せられる一方の対が、
第2の対と称せられる他方の対よりも、入射波長線に対
してより大きな吸収性を有すると共に、より低い実指数
の差比及び複素指数を呈し、第1の対の重元素が、3層
構造体の下側層を構成するように選択され、前記中間層
が第2の対の重元素を構成することを特徴とすることに
より達成される。
これらの条件下において、このミラーの反射率は重元
素−軽元素対で構成される同数の2層構造体で構成され
るミラーの反射率よりも一層改善される。
本発明の一実施例として、このミラー装置は、前記重
元素および軽元素が、前記3層構造体の対の反射率が互
に等しくなるように選択されていることを特徴とする。
この実施例において、ミラーの反射率は一層改善され
る。
本発明の一実施例として、このミラー装置は、前記中
間層の重元素が、下側層の重元素及び上側層の軽元素と
一緒になって最も低い相互拡散及び最小界面粗さを呈す
る材料から選択されていることを特徴とする。
この実施例において、このミラーの性能レベルは予期
される理論的性能レベルに最も近づくことができる。
以下の添付図面に基いて本発明を詳細に説明する。
第1a図は本発明によるn個の3層構造体から成りX線
〜紫外線用ミラーを構成する支持部材上の積層体を示
す。
第1b図は3層構造体中における光ビームの光路を示
す。
第2a図及び第2b図は虚数部及び実数部の指数を波長の
関数として示し、成分Rhを実線で示し成分Cを破線で示
す。
第3a図〜第3c図は各対及び3層構造体中における複素
プロファイルをそれぞれ示す。
第4a図は(α,T)面における等価反射率曲線を示し、
第4b図は軽成分を全ての場合カーボンとして、λ=4.47
nmにおけるMe−カーボン対のこの面における実際の位置
を重成分Meだけをもって示す。
第5a図はMe−C対の最大反射率を重成分Meの原子番号
Zの関数として示す。
第5b図は対Cr−C曲線(曲線a)、W−C(曲線b)
及びRh−C(曲線c)の最大反射率を波長λの関数とし
て示す。
第6a図、第6b図及び第6c図はλ=4.47nmにおけるMe−
C対の等価反射率の増加曲線を(α,T)面に示す。
第7a図は対W−C(曲線d)、対Rh−C(曲線e)及
びW/Rh/Cをこの順序で積層した3層構造体(曲線f)の
反射率を入射角の関数として表わす。
第7b図は同一構造体の最大反射率Rmax(曲線d′,e′
及びf′)を波長λの関数としてそれぞれ示す。
第7c図はW/Rh/Cの順序で積層した3層構造体の最大反
射率(曲線f′)及びRh/W/Cの順序で積層した3層構造
体の最大反射率を波長λの関数で表わす。
第8a図及び第8b図はエネルギーEの変化を2層構造体
W−C及びRh−Cから成る積層体の厚さZの関数として
これら材料の実指数の比と共にそれぞれ示す。
第8c図は好適な順序で積層された3層構造体の実指数
のプロファイル及びこの3層構造体のエネルギー変化を
光が通過する厚さZの関数として示す。
第8d図は3層構造体の材料が好ましくない順序で積層
された場合の特性を第8c図と同一の変数で示す。
第1a図に示すように、X線〜紫外線領域例えば1nm〜2
0nmの波長領域で作動するミラーは、いわゆる層構造体S
1,S2……Snから成る周期的積層体で構成される。
各層構造体例えばS1は、第1b図に示すように、ミラー
に入射する波長λの範囲で反射性を有し高電子密度を有
する第1の重材料から成り厚さd1の下側層11と、同様に
λの波長線域で反射性を有する第2の重材料から成り厚
さd2の中間層12と、スペーサと称される軽材料から成り
厚さd3の上側層13とで構成される。
材料の誘電分極率εは当業者にとって既知のように
(1)式で表わされる。
ε=1−δ−iβ ……(1) ここで、δ及びβは、この材料の実指数及び複素指数で
ある。
X線〜紫外線領域において、指数δ及びβは層材料を
構成する元素の原子番号Zにほぼ比例する。この領域
は、例えばカーボンの場合波長λ=4.47nmにおいてKα
ラインに対応する吸収欠陥が見い出される特異領域の範
囲外の領域である。
従って、重材料は、原子番号Zが周期律表の高い位置
にある元素から成る材料を意味するものと理解され、軽
材料は原子番号Zが周期律表の低い位置にある元素から
成る材料を意味するものと理解される。この軽材料は特
に周期律表の最初の2列に見い出され、重材料は他の列
に見い出される。軽材料の場合、(1)式の指数δ及び
βは低い値を有している。
一例として、第2a図においてカーボンの実指数δを破
線で示し、ロジウムの実指数を実線で示す。第2b図にお
いて、カーボンの複素指数βを破線で示し、ロジウムの
複素指数βを実線で示す。
この層構造体は厚さLを有している。
L=d1+d2+d3 ……(2) この厚さLは、ミラーを構成する層構造体S1……Snの積
層周期の厚さであると共に入射線波長程度の大きさであ
る。非かすめ入射条件でこのミラーを用いることができ
るようにするため、上述したように設定する。この条件
を満たすためには、波長λが1〜100nmの範囲の入射線
に対して数nm程度の微小厚さが要求される。
この波長域で作動するミラーを必要とする放射源はX
線〜紫外線を放射する新しい放射源(例えば、シンクロ
トン、ストレージリング……)である。また、このミラ
ーの用途として種々の分野があり、高反射係数を必要と
する分光学,X線リソグラフィ,X線望遠鏡に用いられる。
前述したように、このミラーの反射率及び選択率は以
下の事項を含むパラメータに依存する。すなわち、材料
の選択,積層構造体の厚さ方向の厚さの規則性,界面に
おける層の粗度,及び材料の純度に依存する。
従来技術においてW−Cの2層構造体が有益な産業的
適応性を有していることが知られている。けだし、低い
界面粗度及び低い内部拡散で容易に製造できるためであ
る。しかしながら、このW−C 2層構造体は、4.4nm
付近の波長域、極めて狭い通過帯域及び44%程度の理論
的反射率を有するものに限られている(表I参照)。
実際には、当業者は、実際に得られる反射率が計算に
よって与えられる理論的反射率の1/2程度であることを
認識している。
この理由により、本発明による3層構造体はX−UVミ
ラーの構成において大きな利点が得られる。この利点は
以下の通りである。
○ 一方において、材料を選択することにより理論的反
射率が増大し、従って実際に得られる反射率が増大す
る。
○ 他方において、低い内部拡散及び界面における低い
粗度を呈する材料から選択された材料を導入できる。こ
れにより、反射率の実際の値と理論値との間の差が減少
し、従って実際に得られる反射率が増大する。
実際には、3層構造ミラーの作成と関連するパラメー
タの数が増加することは、材料選択の自由度が一層増大
し、しかも既知の型式の2層構造ミラーを作成するため
に技術的には適合するが低理論反射率の2層構造体用の
2個の材料、又は高理論反射率であるが技術的に好まし
くない2層構造体を構成する2個の材料のいずれかを当
業者が用いなければならない状況を回避することも可能
になる。
表Iにおいて、種々の2層構造体に関するカーボンの
Kα放射ラインに対応する波長λ=4.47nmにおける特性
を示す。この表Iにおいて、βは式(1)によって規定
される複数指数である。また、Rmaxは、従来技術で述べ
た所定の材料対すなわち重材料から成る低側層とスペー
サとしてのカーボンで構成される上側層とを有する材料
対から予想される最大理論反射率である。また、N
optは、垂直入射条件下でRmaxを得るための理論最適層
数である。
従来のミラーよりも一層良好な反射率、集積光の一層
良好な品質、及びミラーの製造上の容易性を得るため、
いかにして材料を選択するか並びに3層構造体中にどの
ように層配置するかについて説明する。
1977年に発行された雑誌アプライド オプティックス
第16−89巻に記載されているエー.ブイ.ヴィノグロー
ドブ(A.V.Vinogradov)及びビー.ワイ.ゼルドブィッ
ヒ(B.Y.Zeldovich)による第1の文献には、周期的指
数のプロファイルを有する層構造体における伝播式を解
く数学的手段が開示されている。これらの数学的手段
は、仮定を簡単化することにより、通常の入射条件にお
いて従来技術から既知であるミラーの反射率に対する形
式的な式を作成する手段である。すなわち、これらの数
学的手段は、周期的2層構造体をミラーのパラメータの
関数として、すなわち周期、2種の材料の厚さ比及び2
層構造体の周期数の関数として導入することである。
1977年4月に発行された雑誌“オプティック スペク
トローズ(Optic Spectrose)第42巻 No.4に記載され
ている同一著者による第2の文献には、垂直入射ではな
く斜め入射の条件下において同一の式を解くための数学
的手段が開示されている。前述したように、このミラー
の構造は2個の層構造を含み、斜め入射条件を考慮する
と必要な層の全数は因子cos2θだけ減少することが記載
されている。ここで、θ入射角である。最大反射率は垂
直入射の場合と同一である。
この種の計算により、ミラーに望まれる理論的性能レ
ベル(反射率,選択性)に達する構造体のパラメータを
単一ステップで決定できる。この計算により当業者の一
般的知識の一部である界面計算として称せられている計
算方法に関して進歩が図られる。この界面計算では、ミ
ラーの理論的性能レベルの程度、経験的に選択され順次
近似することによってわずかに改善されるミラーのパラ
メータを確立することができるにすぎなかった。
はじめに、X−UVの波長域において、例えば1nmと20n
mの間の波長域の波長λの場合全ての材料はεで示され
た式(3)で規定される誘電分極率を有している。
ε−1〈〈1 ……(3) 従って、固体材料の反射率は極めて低く、すなわち、か
すめ入射の場合は別にして10-4程度である。この理由に
より、非かすめ入射で作動し得るためには、上述した波
長域で使用されるミラーを多層構造体で構成する必要が
ある。2層構造体が形成されている多層ミラーにより、
重材料で構成されるミラーよりも約103の反射率の増加
が達成される。本発明においては、これらの性能レベル
を最適化することが目的となる。
誘電分極率ε(Z)は層と直交する方向において周期
的であることを銘記されたい。
以下の説明において、以下の表示を用いることにす
る。
虚数部についてIm, 実数部についてRe; 材料11,12及び13の厚さd1,d2及びd3の式(4)及び
(5)によって規定される比をB及びCとする。
本発明による3層構造体から成る周期的積層体で構成
されるミラーの場合、複素指数プロファイルを第3c図に
示す。
物理的に、3個の材料の組み合せ系の場合誘電分極率
のZ方向の依存性は第3a図及び第3b図に示す2個の依存
性の和として表わすことができる。第3c図のプロファイ
ルは第3a図と第3b図のプロファイルの和である。層1及
び2の材料が重材料で層3が軽材料であり、式(6)及
び(7)が満足される場合について検討する。
Imε>Imε ……(6) Imε>Imε ……(7) ε1及びεは層11,12及び13の材料の誘電分極率
とする。
前述したビノグラドックの文献によって処理される場
合、計算は2層構造体についてなされ、従って対称にな
ることに銘記されたい。
本発明においては、全体として非対称な3層構造につ
いて計算が行なわれ、従って数学的検討は極めて困難で
ある。
従って、デジタル、シュミレーション プログラムを
用いて3層構造体から成るミラーの理論的反射率を計算
した。
最も一般的な場合、3層構造体の材料は式(8)及び
(9)によって与えられる2個の吸収の差α及びα 及び次式で与えられる実数部及び虚数部の指定T1及びT2
の2個の比較比によって特徴付けられる。
本発明の目的を達成するため(α1,T1)の組を固定し
他の組(α2,T2)を変化させることにより3層構造体か
ら予期される得る理論的性能レベルについて検討した。
重材料から成る2個の積層形成された層とその上に形成
されたスペーサとで構成される3層構造体の理論的最大
反射率は、2個の重材料の一方の重材料と同一のスペー
サとによって構成される2層構造体のより良好なものの
理論的最大反射率よりも一層改善された。
以下において、理論的最大反射率を改善するため材料
をいかに選択するか及び選択した材料をどのように配置
するかについて説明する。
この材料選択を行なうプロセスは以下の一連の工程を
有している。
すなわち a) 最大等価反射率の理論曲線すなわち反射率Rが最
大(Rmax)になると共にMe−Spの2層構造体を形成する
と考えられる重材料(Me)−軽材料(Sp)対に対して同
一となる曲線を(α,T)面に形成する。
一般的に、これらの曲線は波長又はスペーサ材料13のい
ずれにも依存しない。
しかしながら、当業者は、初めに3層構造体の上側層
13すなわちスペーサを構成する軽材料について検討する
であろう。この層は、周期律表中の所定の波長に対して
吸収が最小になる成分によって構成されるべきである。
従って、例えば、当業者は、カーボンのKα放射ライ
ンに対応する波長λ=4.47nmにおいてカーボンの吸収が
急激に減少することが観測されることにすでに気付いて
いる(第2a図及び第2b図参照)。この波長において、指
数β及びδは小さい。
別の例として、カーボンのKαラインに対応するλ=
6.67nmにおいて、例えばボロン カーバイドB4Cのよう
なボロンを含むスペーサを好ましく選択するであろう。
このスペーサは、この波長において最小吸収を呈する。
上述した事項に基けば、ミラー用に選択された波長が
λ=4.47nmの場合、3層構造体のスペーサ材料すなわち
上側層13の材料としてカーボンを選択することが特に有
益である。ステップa)において波長がλ=4.47nmでス
ペーサ元素としてカーボンを用いる場合の最大等価反射
率の曲線を形成する特性は表Iに示される。
これらの曲線をプロットするため、所定の材料対Me−
Spの指数が(α,T)面の点つまりこの材料対によって達
成される得る最大等価反射率Rmaxを全体的に決定するこ
とを考慮する。
第4a図は最大等価反射率Rmaxの曲線を示し、吸収差
(absorption contrast)αを横軸にプロットし、指数
差比(index contrast ratio)Tを縦軸にプロットし
た。これらの層は5%の変化分でプロットされている。
この結果より、最大反射率は、Me−Sp対が高い指数差比
T及び低い吸収差αを呈する場合に得られることを示し
ている。また、Me−Sp対が低い指数差比T及び高い吸収
差αを呈する場合に同一の反射率(例えば50%)が得ら
れる。第1のケースは例えば第4a図のM2点によって具体
的に示され、第2のケースは第4a図のM1点により示され
る。等価反射率50%の曲線上のM3点はα及びTが中間値
の場合に対応している。
第4b図は、スペーサがカーボンで、カーボンのKα放
射ラインの波長の場合における実際のMe−Sp対の(α,
T)面の種々の材料の位置を示す。
この第4b図を検討すると、この波長において上述した
条件下においてカーボンと関連する重材料が選択されて
最大反射率を得ることができる3個の大きな領域が見い
出される。
○ 第1の領域 Tが低く,αが高い領域 この領域は、重材料が特にタングステン(W),オスミ
ウム(Os)又はプラチニウム(Pt)すなわち最も大きな
原子番号を有する重材料であるMe−カーボン対を含んで
いる。
○ 第2の領域 Tが高く,αが低い領域 この領域は、Meが特にタリウム(T1)、ロジウム(Rh)
又はクロミウム(Cr)であるMe−カーボン対を含んでい
る。
○ 第3の領域 T及びαが、ニッケル(Ni),コバルト(Co)等の
中から選択されたMeに対応する平均値を有している。
第4a図及び第4b図は同一スケールで表示されており、
これら第4a図及び第4b図を重ね合せることにより、Me−
Sp 2層構造系を用いて下側層として第4b図に示す材料
を用いスペーサとしてカーボンを用いλ=4.47nmにおけ
る多層ミラーを構成することによって予想し得る最大反
射率が与えられる。
所定の波長において、ある原子番号の材料と固定され
たスペーサを用いることによって達成され得る最大反射
率Rmaxの分布は、偶発的なものではない。すなわち、最
大反射率は、実際には、重元素(heavy element)Meの
最も近接する放射閾値との関係における位置に直接依存
する。このことは、第5a図を考慮すると一層良好に理解
される。この第5a図は、λ=4.47nmでMe−Sp 2層構造
系においてスペーサとしてカーボンSpを用いた場合の重
材料Meの原子番号Zの関数として達成され得る最大反射
率Rmaxを示す。第5a図はこれら元素の種々の吸収閾値
(K,L,M,N,……)も示す。最も高い反射率を与える重材
料Meは、常に吸収閾値(K,L,M,……)の上方に周期律表
の数個分だけシフトして位置すること明らかである。
これらの結果は、第2a図及び第2b図の曲線を用いて特
有のRh−C対(Rhは重材料Meであり、Cは軽材料Spのス
ペーサである)について考察することによって解明され
る。これら第2a図及び第2b図はロジウム(Rh)及びカー
ボン(C)の実数部の指数δ及び虚数部の指数βを波長
λの関数として示す。前述した式(1)により次式が導
かれる。
1−δ=Reε ……(12) β=Imε ……(13) 第2a図及び第2b図はロジウムのM5レベル及びカーボン
のKαレベルも示す。M5レベル(λ=3.0nmに位置す
る)及びそれより若干長い波長側において、ロジウムの
吸収は、遷移を考慮すると相当量弱くなっており、一方
その指数は急激に増大している。従って、λ=4.47nmに
おけるロジウムの吸収αは比較的低く、その指数差(in
dex contrast)Tは比較的大きく(T 3.69)、これに
よりRh−C対の場合55.8%の最大反射率を達成できる
(表I、第4a図及び第4b図)。
この工程a)において、X線〜紫外線領域における他
の波長λおける他のMe−Sp対についても上述の検討を行
なうことができ、従って以下の工程が行なわれる。
b) 2種の重材料と軽スペーサ材料を積層することに
より、すならち第1の重材料Me1を層11として第2の重
材料Me2を層12として及び軽スペーサ材料Spを層13とし
て積層して本発明による3層構造系を構成することによ
り得られる最大反射率の増加を決定する。
各種重材料Me1,Me2はスペーサ材料Spと共に対Me1−S
p,Me2−Spを構成する。これらの対はステップa)です
でに検討され、第4a図の等価反射率曲線上の点によって
参照されることができる。
(α,T)対は各Me−Sp対に対応する。
すなわち、 (Me1−Sp)は(α1,T1)に対応し、 (Me2−Sp)は(α、T2)に対応する。
最大反射率の決定は、一方においてはα及びα
与える式(8)及び(9)を用い他方においてはT1及び
T2を与える式(10)及び(11)を用いて行なう。
この後、第1対Me1−Spに対応する値(α1,T1)を固
定し、第2対Me2−Spに対応する値(α2,T2)を同一の
範囲、すなわち0α100,0T5の範囲で変化さ
せる。
この材料選択処理のステップについて一層良好な理解
を与えるため、3個の実施例について説明する。
[実施例1] 本実施例を第6a図に示す。重材料と軽材料より成るい
わゆる第1対Me1−Spの選択を行なう。この第1対のパ
ラメータ(α1,T1)は、第4a図のM1点に近接する点によ
って具体的形態として表わされるように固定する。前述
したように、この第1対は以下の材料組に適用される。
W−C Pt−C Os−C Au−C Ir−C λ=4.47nm 本例におけるM1点は、αが高く,T1が低い等価反射
率50%のライン上にある。
これらの条件のもとで、この面の第2対Me2−Spに対
応する点(α2,T2)により、3層構造系の指数値が全体
として固定される。この説明により、この面の領域(α
2,T2)が、(α1,T1)によって特徴付けられると共に点
M1に近接する点によって表わされる材料Me1−Spから成
る2層構造系だけを用いる場合に比べて反射率が増加す
ることが実証される。
第6a図は等価反射率50%のラインに関する等価反射率
の増加のラインを示し、この反射率を2種の材料が組み
合された系のうち一層良好な系による最大反射率と考え
る。この等価反射率の増加は50%の等価反射率に対して
1%の増分となり、すなわち100%の増大反射率につい
て2%の増分になる。
反射率の顕著な増加が観測される大きな領域があるこ
とが見い出される。この増加は、50%の等価反射率の本
例では6%に達しており、従って100%の等価反射率の
場合12%になる。
この増加は、M1点から遠く離れた点に対応すると共に
M1点が位置する等価反射率が50%のラインに比較的接近
した対(α2,T2)の場合に発生する。
従って、以下の条件が満たされる場合反射率の最大増
加が得られる。
○ 3層構造体の下側層11を構成する重材料Me1が高い
α及び低いT1を有する。
○ 3層構造体の中間層12を構成する重材料Me2が、α
<α1,T2>T1を満たす。
○ さらに、3種の材料Me1,Me2及びSpが互いに接近し
た反射率を有すること。
従って、複数の層を積層する意義は極めて重要な因子
である。これらの条件に従うW/Rh/Cの3層構造体を選択
して実験を行なった。第7a図及び第7b図に示すように、
予期した反射率の増加が得られた。さらに、積層順序を
反転させた実験、すなわち重材料Me2上に重材料Me1を形
成し、最上層としてスペーサSp(本例の場合カーボン)
を形成した実験、すなわちRh/W/Cの積層構造体について
も実験した。尚、全ての場合においてスペーサSpが上側
層を形成する。本例では、第7c図に示すように、反射率
の減少が見られた。
W/Rh/Cの積層構造体において、 W/C系の最大反射率は、Rmax=44.71であった(表I)。
Rh/C系の最大反射率は、Rmax=55.81であった(表
I)。
理論的最大反射率は、Rmax=57.80であろう(表II)。
実施例1の条件において、Os/Sb/Cの積層構造系から
予期し得る良好な性能レベルについても言及することが
できる。(ここで、OsはMe1であり、SbはMe2であり、C
はスペーサSpである)。
Os−C対の場合、α=80,T1=0.88,Rmax=46.2% Sb−C対の場合、α21,T2=3,Rmax=44.9% Os/Sb/Cの3層構造体の場合、Rmax=52.5%、すなわ
ち、2組の2層構造体の良好なものより12.5%の反射率
の改善があった。
[実施例2] この実施例を第6b図に示す。重材料と軽材料Me2−Sp
から成る第2の組について選択した。これら第2の組の
パラメータ(α2,T2)は、第4a図のM2点に近接する点に
よって具体例形態として表わされるように固定した。前
述したように、本例はλ=4.47nmにおいて以下の組に適
用される。
Ti−C Rh−C Cr−C Mn−C M2点は、T2が高く、αが低い等価反射率50%のライ
ン上にある。
この3層構造系の指数値を固定するため、この場合2
層構造系Me2−Spだけを用いる場合よりも反射率が増加
するいわゆる第1の組Me1−Spに対応する点(α1,T1
を決定する必要がある。
第6b図は2種の材料が組み込まれている場合の一層良
好なケースを考慮した50%の等価反射率ラインに関する
等価反射率の増加を示す。この第6b図は、50%の等価反
射率ラインについて1%の増分変化を以て第6a図と同様
に示されている。
この場合も同様に、反射率の増加が観察される大きな
領域がある。この反射率の増加は、M2点から離れると共
にM2点が存在する50%等価反射率ラインに比較的接近し
た対(α1,T1)について起きている。
上述したように、反射率の増加は、3層構造体が2個
の重材料Me1,Me2が順次積層されその上に第6b図の場合
カーボンであるスペーサが形成され、 α<α T2>T1 となるように設定されると共に3種の材料が互いに接近
した反射率をとる場合に観察される。
[実施例3] この実施例を第6c図に示す。第1の場合、中間層12の
重材料12を、カーボンCと共に50%の等価反射率ライン
上のM3点によって表わされる中間特性(α2,T2)の対を
形成するように適切に選択して固定することができる。
所望の反射率の増加は、3層構造体の第1層を構成する
重材料Me1を、α<α1,T2>T1となる特性を有する領
域N1内に位置する特性対(α1,T1)をカーボンと共に形
成する材料から選択することにより得られる。
第2の場合において、3層構造体の下側層11の重材料
Me1を、50%等価反射率ライン上のM3点によって表わさ
れる特性対(α1,T1)をカーボンCと共に形成するよう
に選択固定することができる。所望の反射率の増加は、
中間層12を構成する重材料Me2を、α<α1,T2>T1
条件を有し領域N2内に位置する特性対(α2,T2)をカー
ボンと一緒になって形成するように選択することによっ
て得られる。
最良の結果は、(α1,T1)及び(α2,T2)が同一の等
価反射率ラインの近傍にある場合に得られる。
第4a図、第4b図、第6a図、第6b図及び第6c図の曲線を
他の対について特に別のスペーサ材料を有するものにつ
いて並びに別のX−UV波長について繰り返すことができ
る。理論的結果は上述した結果のまま維持され、実際の
実施例は予期した理論的な結果の通りである。これに対
して、選択した材料が相互拡散又は厚さ方向の界面作用
を生ずる場合全ての場合理論結果よりわずかにずれてい
る。
本発明によれば、反射率を増大させるため多数の候補
材料から1又は2種以上の重材料Me1,Me2を選択するこ
とができる。選択に際し、反射率の理論的増加を達成で
きる範囲内の材料を選択し、さらに実際に技術的適合性
に一層秀れ、ほとんど相互拡散を発生せず或は界面特性
が改善され、或る厳密で積層され得る所定の厚さの層を
構成するために用いるのに一層容易な材料を選択する。
[実施例4] カーボンをスペーサ材料Spとして波長λをλ=4.47nm
に設定するものとすれば、第4a図及び第4b図を重ね合せ
ることにより、この波長における最良の候補材料はα
16,T 3.8,Rmax=60.41%(理論値)のCr−C対である
言い得る。しかしながら、実際に得られた結果は全ての
場合低い。これらの結果を改善するため、本発明の教示
によれば、X−UV多層ミラーを構成するため表IIIに揚
げられている材料系を構成することができる。
[実施例5] 別の良好な候補材料は、α 13,T 3.7,Rmax=55.81
のRh−C対であった。
Rmax 57.80を有するW/Rh/Cの3層構造体を形成するこ
とにより極めて良好な技術的品質と共に極めて良好な結
果が得られたことは明らかである。
表IIは技術的結果を示し、この表IIにおいて適切な材
料であり適当な方法で積層される重材料を結合すること
によりRh−C対を用いる場合についてアプローチするこ
とができる。
当業者であれば、本発明の教示することにより、特定
の波長又は特定の波長域の多層ミラーを構成するのに好
適な多数の3層構造系を決定することできる。
反射率(縦軸)を入射角に関数として示す第7a図を参
照すれば、得られたピークが2層構造系よりも一層広い
ことが示される。この結果は特定の用途については極め
て好適である。この理由は、集積光の品質が一層高くな
るからである。
第8a図〜第8d図により、2層構造系を構成する2個の
対のうちより良好な対との関連における3層構造系の反
射率の増加の基本を物理的意味において理解することが
できる。
第8a図はタングステン−カーボン(W−C)の2層構
造系で構成される実際の多層ミラーにおけるエネルギー
Eの展開及び2種の材料の実指数の比δ/δを光が通
過する厚さZの関数で示す。
第8b図は2層構造系がロジウム−カーボン(Rh−C)
の場合のエネルギーE及び実指数の展開を示す。W−C
系の吸収差α 75はRh−C系(α 12)よりも一層大き
い。この結果より、指数プロファイルは、タングステン
層の厚さdWがロジウム層の厚さdRhよりも一層薄い場合
最適になることを示している。ここで、d′はカーボン
層の厚さを示す。
第8c図は層構造系が3層構造の場合における同一の展
開を示す。この3層構造系において層は本発明に基いて
積層されている。最大エネルギー点は反射層に位置し、
最小エネルギー点は吸収層に位置する。実指数プロファ
イルδ2は重畳されて反射エネルギーの量における
重材料の積層効果を示す。
第8d図は、エネルギー曲線上に重畳されている実指数
のプロファイルによって示されるように、2種の重材料
が悪い意味で積層されている3層構造系の同一の展開を
示す。
最大エネルギー点は反射層の外部に位置し、反射率は
相当減少している。
多層ミラーを技術的に構成するためには、理論的最大
反射率に近づくための層構造系S1……Snの最適数に関す
る知識も必要である。この最適数Noptは当業者の一般的
知識を用いて計算することにより決定することができ
る。この最適数は、垂直入射については表I,II及びIII
に与えられている。
上述した多数ミラーを形成するためのプロセスは選択
材料の基板上におけるラジオ周波数微粒子処理(rf微粒
子処理)を含んでいる。このrf微粒子処理はターゲット
に交流電圧を印加して基板上の材料を微粒子化すること
により構成される。この方法により、極めて広い範囲に
亘る層成長速度比0.001nm/s〜10nm/sの操作を行なうこ
とができる。種々の複数のターゲットを10-7トール程度
又はそれ以下の真空状態に維持される同一の容器内に配
置することができる。試料は各ターゲットの下側に交互
に配置され、例えば数秒で回転させて配置される。試料
に材料の微粒子化処理を行なうため又は処理してから試
料を回収するため、シャッタ機構により試料を遮蔽し又
は遮蔽から開放することができる。このシャッタ機構に
より、堆積時間を制御でき厚さを高精度に制御すること
ができる。
本発明の上述した図示の実施例においては、特にスペ
ーサとしてカーボンを有する材料系について説明した。
また、カーボンの密度よりも若干低い密度のボロン
カーボネートB4Cも同様に用いることができ、このボロ
ン カーボネートはボロン及びカーボンの吸収閾値に接
近した大きな利点を有する性能レベルを有している。さ
らに、このタングステンを有する化合物が平滑効果を有
していることが実験的に確認され、この平滑効果は当業
者に既知である。本発明による最適な積層構造は、W/Rh
/B4Cであり、この積層構造により有益な反射率増加は6.
76nm<λ<11.4nmの波長域で観測された。
W−Rh界面は本質的に理想である。Rh−B4C界面は僅
かに劣っているが、3層構造系が形成されているミラー
の性能レベルは、Rh−B4Cの2層構造系の最良のものに
よって得られる性能レベルよりも一層良好である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G21K 1/00 - 1/06 G02B 5/00 - 5/32

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】いわゆる積層構造体から成る周期的積層体
    を支持部材上に有し、前記積層構造体が、ミラーに入射
    する波長線に対して反射性のいわゆる第1の重元素から
    成る下側層と、これら波長線に対して低い光学吸収を有
    するスペーサと称せられ軽元素から成る上側層とを含む
    X線〜紫外線域のミラー装置において、前記積層構造体
    が、前記下側層と上側層との間に前記入射波長線に対し
    て反射性を有するいわゆる第2の重元素から成る中間層
    を有して3層構造体を形成し、前記重元素を、スペーサ
    元素と一緒になって2個の対を形成するように選択し、
    第1の対と称せられる一方の対が、第2の対と称せられ
    る他方の対よりも、入射波長線に対してより大きな吸収
    性を有すると共に、より低い実指数の差比及び複素指数
    を呈し、第1の対の重元素が、3層構造体の下側層を構
    成するように選択され、前記中間層が第2の対の重元素
    を構成することを特徴とするX線〜紫外線域のミラー装
    置。
  2. 【請求項2】前記重元素および軽元素が、前記3層構造
    体の対の反射率が互に等しくなるように選択されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のX線〜紫外線域のミ
    ラー装置。
  3. 【請求項3】前記中間層の重材料が、下側層の重材料及
    び上側層の軽材料と一緒になって最も低い相互拡散及び
    最小界面粗さを呈する材料から選択されていることを特
    徴とする請求項1又は2に記載のX線〜紫外線域のミラ
    ー装置。
  4. 【請求項4】前記軽材料が、カーボン(C)又はボロン
    カーボネート(B4C)から選択されていることを特徴
    とする請求項1から3までのいずれか1項に記載のX線
    〜紫外線域のミラー装置。
  5. 【請求項5】前記3層構造体が、W−Rh−Cから成りこ
    の順序で積層された積層構造体で構成されていることを
    特徴とする請求項4に記載のX線〜紫外線域のミラー装
    置。
  6. 【請求項6】前記3層構造体が、Os−Sb−Cから成りこ
    の順序で積層された積層構造体で構成されていることを
    特徴とする請求項4に記載のX線〜紫外線域のミラー装
    置。
  7. 【請求項7】前記3層構造体が、 Cr−Li−C Ti−Cr−C Ni−Cr−C W−Cr−C Pt−Cr−C Au−Cr−C Os−Cr−C から成り、この順序で積層された積層構造体から選択さ
    れていることを特徴とする請求項4に記載のX線〜紫外
    線域のミラー装置。
  8. 【請求項8】前記3層構造体が、W−Rh−B4Cから成り
    この順序で積層された積層構造体で構成されていること
    を特徴とする請求項4に記載のX線〜紫外線域のミラー
    装置。
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