JP2566564B2 - 軟x線又は真空紫外線用多層膜反射鏡 - Google Patents

軟x線又は真空紫外線用多層膜反射鏡

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は光学装置、特に軟X線から真空紫外線と称さ
れる波長200nm以下の光を対象とし、入射角が鏡面に対
し垂直に近い正入射にも好適に使用できる軟X線又は真
空紫外線用多層膜反射鏡に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、真空紫外と称される領域より短波長側の光に対
しては、面に垂直もしくはそれに近い角度で入射したと
きに高い反射率を有するような反射鏡は存在せず、垂直
入射に近い入射角では1%以下の反射率しか得られてい
なかった。一方比較的高い反射率を有する斜入射反射鏡
では、入射角を鏡面から1゜以下もしくは2〜3゜の範
囲に調整する必要があった。また面に対し小さい角度で
入射させるために細い光束に対しても非常に大きな形状
を必要とし、その使用は困難かつ限定されていた。また
光学系の設計の自由度が少なく反射鏡の作製に関しても
大面積にわたり高精度の平面度を有するように研磨し、
保持するなど実際の使用にあたっては困難が少なくなか
った。
近年では、真空蒸着技術の発展に伴ない超薄膜を多層
構造に多数積層した多層膜反射鏡が作製されるようにな
り、干渉の利用により高反射率化した実用に供し得るも
のができつつある。
ところで、X線及び真空紫外光の領域では、ほとんど
の物質の屈折率は吸収を表わす虚数部分kをもつ複素屈
折率(n+ik、以下屈折率と呼ぶ)で表わされ、実数部
分nはほぼ1.0(n=1−δ,δ−10-1〜10-3)となる
ため真空と物質薄膜との境界におけるフレネルの反射率
は非常に小さく0.1%以下のオーダである。また、異種
材料の積層薄膜の境界においても反射率は単一の境界面
あたり数%を越えることがない。しかるに異種材料を交
互に多層積層構造とし、各々の層境界からの反射光が干
渉により強め合い、多層膜全体としての反射率が最大と
なるような膜厚構成をとることにより、高反射率化が可
能となる。さらに隣接する層間での屈折率の差が大きく
なるような異種材料の組合わせを選択し、先の膜厚構成
とあわせて、高反射率化を図ることにより、正入射に近
い入射角で高反射率の得られる反射鏡が実現できること
が知られている。
現在までに知られている材料の組合わせとしては高吸
収層をなす材料として高融点を有する遷移金属元素、低
吸収層をなす材料として炭素、シリコン等の半導体元素
が用いられていた。代表的な例を挙げるとタングステン
(W)と炭素(C)の組合わせ、モリブデン(Mo)とシ
リコン(Si)の組合わせがある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしこれらの組合わせを用いた反射鏡を実際にシン
クロトロン軌道放射光のような強度の大きい光を照射す
ると、局所的に加熱され、低吸収層の融点が低いために
容易に多層構造が破壊されるという問題点を有してい
る。従って多層膜反射鏡の有すべき特性として局所的な
加熱に他し耐性を有しており、更にいえば各層の材料が
すべて高融点材料であり、かつ温度上昇に対しても化学
的に安定かつ拡散等をしないことが要求される。
本発明は上記問題点に鑑み成されたものであり、その
目的は上記従来の欠点を除去し、高い反射率を保持しつ
つ、耐熱性に優れた反射鏡を提供することを目的とす
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の上記目的は、軟X線又は真空紫外線の高吸収
層と低吸収層の交互層よりなる多層膜構造を有する多層
膜反射鏡において、該高吸収層は遷移金属の単体のうち
の一種以上を主成分として有してなり、該低吸収層は窒
化ケイ素又は窒化ホウ素のいずれかを主成分として有し
てなることを特徴とする軟X線又は真空紫外線用多層膜
反射鏡によって達成される。
第1図は本発明の軟X線又は真空紫外線用多層膜反射
鏡の一実施態様の模式図である。
第1図に示す本発明の軟X線又は真空紫外線用多層膜
反射鏡は,使用波長に比べて充分に滑らかに研磨された
(例えば面粗さはrms値で10Å以下)平面もしくは曲面
の基板1上に高吸収層である第1の層2,4,6…、および
低吸収層である第2の層3,5,7…が交互に積層されて構
成されている。
本発明の高吸収層は遷移金属の単体のうちの一種以上
を主成分として有してなる。
本発明で用いる遷移金属は、3d、4d、5d軌道に電子の
空席をもつ元素であるスカンジウム(Sc)、チタン(T
i)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、ニ
ッケル(Ni)、コバルト(Co)、ジルコニウム(Zr)、
ニオブ(Nb)、モリブデン(Mo)、テクネチウム(T
c)、ルテニウム(Ru)、ロジウム(Rh)、ハフニウム
(Hf)、タンタル(Ta)、タングステン(W)、レニウ
ム(Re)、オスミウム(Os)、イリジウム(Ir)、白金
(Pt)、及び3d、4d、5d軌道が電子で満たされている銅
(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(Au)であ
る。
また低吸収層は、窒化ケイ素(Si3N4)又は窒化ホウ
素(BN)のいずれかを主成分として有してなる。
各々の層の膜厚d1、d2、…はすべて使用波長のほぼ1/
4以上であり、交互に同一の材質よりなる積層膜であっ
て、その膜厚は、各層間の境界における反射光がすべて
強め合うように干渉する条件を満たすか、もしくは吸収
体による吸収損と位相のずれによる反射率低下を比較し
たときに全反射率の低下がより少なくなる条件を満たす
かのいずれかにより決まるものとする。例えばその際、
膜厚は同一材料層についてはすべて等しくするか、もし
くは膜厚を各層毎に変化させ反射率が最大となるような
必ずしも等しくない厚さとしてもよい。
積層の構成としては、空気に面する層である最終層の
屈折率と空気の屈折率の差が大きくなる材料を選択する
ことが望ましい。このように最終層を形成するためには
高吸収層を最終層とすることが願ましい。
また本発明の反射鏡は高吸収層1層と低吸収層1層か
らなる2層構造のものも含むが、交互層の層数が大きい
ほど反射率が増大するため、層数は20以上あることが好
ましい。しかし、層数が余り多くなると吸収の影響が顕
著となるため、作製の容易さも考慮するならば200層程
度までがよい。また最終層の上には吸収の少ない安定な
材料による保護層を設けてもよい。
本発明の軟X線又は真空紫外線用多層膜反射鏡の作成
には、超高真空中における真空蒸着や、また化合物材料
を用いる場合は残留酸素等の量が十分少ない真空中にお
けるスパッタリング法が有効な手段として用いられ、そ
の他抵抗加熱、CVD、反応性スパッタリング等の様々の
薄膜を形成する方法を用いることができる。
本発明の軟X線又は真空紫外線用多層膜反射鏡は通常
は、ガラス、溶融石英、シリコン単結晶、炭化ケイ素等
の基板であって、その表面が使用波長に比べて充分に滑
らかになるように研磨されたものの上に作成される。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
実施例1 面精度λ/20(λ=6328Å)、面粗さ10Å(rms値)に
光学研磨した溶融石英基板に高吸収層2としてハフニウ
ム(Hf)を25.5Å厚に、低吸収層3として窒化シリコン
(Si3N4)を36.8Å厚に41層(Hf:21層、Si3N4:20層)積
層した。交互層の最終層は高吸収体のハフニウムであ
る。更にその上に保護膜10として炭素膜を10Å積層し
て、本発明の軟X線又は真空紫外線用多層膜反射鏡を得
た。
高吸収層、低吸収層供に超高真空中(1×10-7Pa以
下)での電子ビーム蒸着によって成膜した。蒸着速度は
両材料とも0.2Å/sであった。
この軟X線又は真空紫外線用多層膜反射鏡に124.0Å
の光を垂直に入射したところ13.7%の反射率を得た。
また、高吸収層、低吸収層の厚さをそれぞれ26.6Å、
39.7Åずつ交互に計41層積層したものに法線よりの入射
角20度で波長124.0Åの光を入射したところ14.6%の反
射率を得た。
参考例 実施例1と同様に研磨したシリコン・カーバイト(Si
C)基板に高吸収層として金(Au)を34.3Å厚に、低吸
収層として炭素(C)を31.0Å厚に41層(Au:21層、C:2
0層)積層した。交互層の最終層は金であり、更にその
上に保護膜として炭素(C)を5Å積層して軟X線又は
真空紫外線用多層膜反射鏡を得た。上記の成膜は金、炭
素共、超高真空中(1×10-7Pa以下)での電子ビーム蒸
着によって成膜した。蒸着速度は両材料とも0.2Å/sと
なるように設定した。保護層は電子ビーム法によった。
この反射鏡をシンクロトロン軌道放射光(SR)を使用
する軟X線分光装置に装着して、放射光を合計5時間照
射したところ膜のヒビ割れ、剥離という劣化が生じてい
た。また実施例1で得られた本発明の軟X線又は真空紫
外線用多層膜反射鏡をこの装置に装着して同じ時間照射
を行ったが、全く損傷が発生しなかった。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明のX線用多層膜反射鏡は
軟X線又は真空紫外線領域の光に対しても高い反射率を
有するのみならず、従来シンクロトロン軌道放射光(S
R)の照射等により著しい損傷を短時間に生じていたも
のが、充分長時間の耐久性が得られるようになった。
とりわけ複数枚の平面ないし曲面を有する反射鏡を組
み合わせることにより、X線領域における縮小、拡大光
学系、軟X線・真空紫外領域におけるレーザ用共振器の
反射鏡、さらには反射鏡が格子の構造を有する反射型分
散素子など、従来なかったX線光学の領域における新規
光学部品として使用され、光学部品応用の領域拡大に大
きく寄与するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は多層膜反射鏡の原理を示す断面図である。 1:基板 2,4:第1の層(高吸収層) 3,5:第2の層(低吸収層) A:保護層 d1、d2、d3:層の厚さ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】軟X線又は真空紫外線の高吸収層と低吸収
    層の交互層よりなる多層膜構造を有する多層膜反射鏡に
    おいて、該高吸収層は遷移金属の単体のうちの一種以上
    を主成分として有してなり、該低吸収層は窒化ケイ素又
    は窒化ホウ素のいずれかを主成分として有してなること
    を特徴とする軟X線又は真空紫外線用多層膜反射鏡。
  2. 【請求項2】前記多層膜構造の上に炭素膜を形成したこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の軟X線又は
    真空紫外線用多層膜反射鏡。
JP61231246A 1986-10-01 1986-10-01 軟x線又は真空紫外線用多層膜反射鏡 Expired - Lifetime JP2566564B2 (ja)

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