JP2005292110A - 非特異的発色の抑制方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、1試薬系又は2試薬系の酵素的測定試薬であり、ビリルビンの影響回避のためにこの酵素的測定試薬中にフェロシアン化物を含有させた酵素的測定試薬において、UIBCが低値の生体試料を測定した場合でも、非特異的な発色が起こるのを防ぎ、誤差のない正確な測定を行うことができる方法を提供することである
【解決手段】本発明は、色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬並びに酸化酵素及びペルオキシダーゼを用いる酵素的測定試薬であって、第1の金属イオン又はこれを含有する物質を含む前記酵素的測定試薬に、キレート剤を含有させることを特徴とする、試料に依存する非特異的発色の抑制方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、酵素的測定試薬を用いた試料中の特定成分の測定における、試料に依存する非特異的発色の抑制方法に関するものである。
本発明は、特に、化学、生命科学、分析化学及び臨床検査等の分野において有用なものである。
血液、尿などの生体試料中に含まれる特定成分を測定することは、疾病の診断において大変有用なものであり、臨床検査においては酵素学的測定法が普及し、様々な測定方法が開発されている。このような方法としては、例えば、酸化酵素を用いて、特定成分から直接又は間接的に、酸化性物質である過酸化水素を生成させ、これをペルオキシダーゼ及び被酸化性発色試薬と混合、接触させて発色系に導き、酸化縮合反応により被酸化性発色試薬から生成した色素を光学的に測定することにより生成した過酸化水素の測定を行い、これにより生体試料中に含まれる特定成分を測定する方法を挙げることができる。
例えば、コレステロール、尿酸、及びブドウ糖等の測定に、それぞれコレステロールオキシダーゼ、ウリカーゼ、及びグルコースオキシダーゼ等の酸化酵素を働かせて過酸化水素を生成させ、この生成した過酸化水素をペルオキシダーゼ及び被酸化性発色試薬と混合、接触させて発色系に導き、酸化縮合反応により被酸化性発色試薬から生成した色素を光学的に測定することにより測定し、これより各特定成分を正確に測定することができる。
また、このような測定方法は、1ステップ法あるいは2ステップ法で行なわれており、前者は測定試薬成分が全部一緒になった1試薬系であり、後者は測定試薬成分を2つに分けた2試薬系を使う。
従来、この方法に用いられる被酸化性発色試薬としては、主にフェノール又はその誘導体あるいはアニリン誘導体等の水素供与体である色原体と、その縮合対象物として、4−アミノアンチピリン等のカップラーとを組み合わせたものが用いられてきた。しかしながら、これらの被酸化性発色試薬は、生体試料中のビリルビンの影響を受け易いことも知られている(例えば、非特許文献1参照。)。
また、この生体試料中のビリルビンの影響を回避する方法としては、測定試薬中にフェロシアン化物を含有させる方法が一般的に使用されている(例えば、非特許文献2参照。)。
更に、これら従来の酵素的測定試薬を使用して生体試料中に含まれる特定成分の測定を行う場合、他の試薬中に含まれる金属イオンや、自動分析装置のステンレス合金に由来する金属イオンが測定試薬に混入することによって、被酸化性発色試薬である色原体及びカップラーの酸化縮合反応が促進され、非特異的発色が生じることにより、正確な測定が行えないということが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開昭58−141797号公報 臨床化学 8巻,1号,63〜72頁,1980年 Clinical Chemistry 26巻,2号,227〜231頁,1980年
これら従来の酵素的測定試薬を使用して生体試料中に含まれる特定成分の測定を行う場合、約3%の出現頻度で、通常よりも高い測定値が得られる場合があった。
本発明者が、検討を行った結果、酵素的測定試薬中の被酸化性発色試薬が非特異的に発色することにより、測定値に正の誤差を生じさせてしまい、測定値が高くなる場合があることを見出した。また、この正の誤差には、酵素的測定試薬中のフェロシアン化物が関与していることが判明した。更に、非特異的な発色が起こる生体試料は、全て不飽和鉄結合能(UIBC)が低値であることを本発明者が初めて見出した。
よって、本発明の課題は、1試薬系又は2試薬系の酵素的測定試薬であり、ビリルビンの影響回避のためにこの酵素的測定試薬中にフェロシアン化物を含有させた酵素的測定試薬において、UIBCが低値の生体試料を測定した場合でも、非特異的な発色が起こるのを防ぎ、誤差のない正確な測定を行うことができる方法を提供することである。
本発明者は、上記の問題点の解決を目指して鋭意検討を行った結果、色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬並びに酸化酵素及びペルオキシダーゼを用いる酵素的測定試薬であって、第1の金属イオン又はこれを含有する物質を含む前記酵素的測定試薬に、キレート剤を含有させることにより、前記被酸化性発色試薬が非特異的な発色を起こさず、試料に依存するこの非特異的発色を抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明を提供する。
(1) 色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬並びに酸化酵素及びペルオキシダーゼを用いる酵素的測定試薬であって、第1の金属イオン又はこれを含有する物質を含む前記酵素的測定試薬に、キレート剤を含有させることを特徴とする、試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
(2) 前記の試料に依存する非特異的発色が、試料の前記第1の金属イオン又はこれを含有する物質との結合能に依存する非特異的発色である、前記(1)記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
(3) 前記第1の金属イオン又はこれを含有する物質が、前記の色原体及びカップラーの酸化縮合反応を促進し、非特異的発色を生じさせるものである、前記(1)又は(2)に記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
(4) 前記第1の金属イオン又はこれを含有する物質が、フェロシアン化物である、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
(5) 前記第1の金属イオンが鉄イオンであり、前記の試料に依存する非特異的発色が試料の不飽和鉄結合能に依存する非特異的発色である、前記(1)〜(4)のいずれかに記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
(6) 前記キレート剤が、第1の金属イオン又はこれを含有する物質に配位するものである、前記(1)〜(5)のいずれかに記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
(7) 前記キレート剤が、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、ビス(アミノフェニル)エチレングリコール四酢酸、クエン酸、酒石酸、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、サリチル酸、若しくはN-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸又はその塩よりなる群から選択される少なくとも一つの物質である、前記(1)〜(6)のいずれかに記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
(8) 更に第2の金属イオン又はこれを含有する物質を前記酵素的測定試薬に含む、前記(1)〜(7)のいずれかに記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
(9) 前記第2の金属イオン又はこれを含有する物質が、前記酵素的測定試薬に含まれる試薬成分を安定化及び/又は活性化させるものである、前記(8)記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
(10) 前記第2の金属イオン又はこれを含有する物質により安定化及び/又は活性化される試薬成分が、コレステロールエステラーゼ、リポプロテインリパーゼ又はホスホリパーゼよりなる群から選択される少なくとも一つの試薬成分である、前記(8)又は(9)に記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
(11) 前記第2の金属イオンが、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンである、前記(8)〜(10)のいずれかに記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
(12) 前記キレート剤が、第1の金属イオン又はこれを含有する物質には配位するが、第2の金属イオン又はこれを含有する物質には配位しないものである、前記(8)〜(11)のいずれかに記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
(13) 前記キレート剤が、グルコン酸、酒石酸、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、又はサリチル酸よりなる群から選択される少なくとも一つの物質である、前記(12)記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
本発明の試料に依存する非特異的発色の抑制方法では、色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬並びに酸化酵素及びペルオキシダーゼを用いる酵素的測定試薬であって、ビリルビンの影響回避のためにこの酵素的測定試薬にフェロシアン化物を含有させた酵素的測定試薬にキレート剤を含有させることにより、試料に依存する非特異的発色を防ぎ、誤差のない正確な測定を行うことができるようになった。
被酸化性発色試薬
本発明において用いられる被酸化性発色試薬とは、酸化酵素の作用により生成した過酸化水素を測定することにより特定成分を測定する場合に、ペルオキシダーゼの作用により過酸化水素と酸化縮合させ色素を生成させるための、色原体とカップラーの組み合わせからなる試薬のことをいう。
色原体とは、酸化縮合の反応時に水素を放出する水素供与体のことをいい、ペルオキシダーゼの作用により酸化され、後記の4−アミノアンチピリン等のカップラーとともに酸化縮合し色素を生成するものであれば特に限定されず、例えば、フェノール若しくはその誘導体、又はアニリン誘導体等を挙げることができる。
ここで、フェノールの誘導体としては、例えば、4−クロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、2,4−ジブロモフェノール、若しくは2,4,6−トリクロロフェノール、又はこれらの塩等を挙げることができる。
また、アニリン誘導体としては、例えば、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(HDAOS)、N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン(HDAPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン(DAOS)、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン(DAPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシ−4−フルオロアニリン(FDAOS)、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシ−4−フルオロアニリン(FDAPS)、N−(2−カルボキシエチル)−N−エチル−3,5−ジメトキシアニリン(CEDB)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン(ADOS)、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン(ADPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン(ALOS)、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)アニリン(ALPS)、N−(3−スルホプロピル)アニリン(HALPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(MAOS)、N−エチル−N−(3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン(MAPS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メトキシアニリン(TOOS)、N−(2−カルボキシエチル)−N−エチル−3−メチルアニリン(CEMB)、若しくはN−(2−カルボキシエチル)−N−エチル−3−メトキシアニリン(CEMO)、又はこれらの塩等を挙げることができる。
また、色原体の濃度は、特に限定されないが、試料と酵素的測定試薬を混合した後の測定反応液中において、0.05〜20mMの範囲にあることが好ましく、0.1〜5mMの範囲にあることが特に好ましい。
カップラーとは、ペルオキシダーゼの作用により酸化され、前記の色原体とともに酸化縮合し色素を生成するものであれば特に限定されず、例えば、4−アミノアンチピリン又はその誘導体、フェニレンジアミン、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラゾン(MBTH)等を挙げることができる。
なお、本発明においては、カップラーが4−アミノアンチピリンであることが好ましい。
また、カップラーの濃度は、特に限定されないが、試料と酵素的測定試薬を混合した後の測定反応液中において、0.05〜10mMの範囲にあることが好ましく、0.1〜5mMの範囲が特に好ましい。
酸化酵素
本発明において、酸化酵素とは、特定成分から直接又は間接的に、酸化性物質である過酸化水素を生成させる反応を触媒する物質をいう。
ここで、酸化酵素としては、例えば、コレステロールオキシダーゼ、ウリカーゼ、グルコースオキシダーゼ、グリセロールオキシダーゼ、キサンチンオキシダーゼ、又はピルビン酸オキシダーゼ等を挙げることができる。
また、本発明において、酸化酵素の濃度は、特に限定されないが、試料と酵素的測定試薬を混合した後の測定反応液中において、7〜800単位/Lの範囲にあることが好ましい。
ペルオキシダーゼ
本発明において、ペルオキシダーゼとしては、いずれの由来のものも使用でき、例えば、ヒト若しくはウシなどの動物由来のもの、西洋ワサビなどの植物由来のもの、細菌若しくはカビなどの微生物由来のもの等を挙げることができる。
なお、このペルオキシダーゼとしては、微生物等のペルオキシダーゼの遺伝子を大腸菌等の微生物等に組み込む遺伝子組み換え技術により調製したもの、又は遺伝子の改変等により性質を改良した微生物等から調製したペルオキシダーゼ等も含まれる。
また、ペルオキシダーゼの濃度は、特に限定されないが、試料と酵素的測定試薬を混合した後の測定反応液中において、20単位/L以上であることが好ましい。
第1の金属イオン又はこれを含有する物質
本発明においては、酵素的測定試薬は、第1の金属イオン又はこれを含有する物質を含むものである。
そして、前記第1の金属イオン又はこれを含有する物質は、前記被酸化性発色試薬である色原体及びカップラーの酸化縮合反応を促進し、非特異的発色を生じさせるものである。
ここで、第1の金属イオンとしては、例えば、二価又は三価の鉄イオン等を挙げることができる。
また、第1の金属イオンとしての鉄イオンを含有する物質としては、例えば、フェロシアン化物等を挙げることができる。このフェロシアン化物としては、例えば、フェロシアン化カリウム、フェロシアン化ナトリウム等を挙げることができる。
キレート剤
本発明においては、酵素的測定試薬にキレート剤を含有させることを特徴とする。本発明においては、このキレート剤を酵素的測定試薬に含有させることにより、試料の第1の金属イオン又はこれを含有する物質との結合能に依存する非特異的発色を防ぎ、誤差のない正確な測定を行うことが可能となる。
すなわち、本発明者は、フェロシアン化物中の鉄イオンが、被酸化性発色試薬である色原体及びカップラーの酸化縮合反応を促進することにより、酵素的測定試薬中の被酸化性発色試薬が非特異的に発色し、測定値に正誤差を生じさせてしまうことを初めて見出した。
更に、この非特異的発色が、不飽和鉄結合能(UIBC)が低値である生体試料で起こることも見出した。
すなわち、フェロシアン化物中の鉄イオンが酵素的測定試薬中又は測定反応液中に遊離した場合、通常のUIBC値の試料では、試料中に含まれていたトランスフェリンが、この遊離した鉄イオンを捕獲するため、色原体及びカップラーの酸化縮合反応の促進は起こらない。これに対して、UIBCが低値である試料では、試料中のトランスフェリンの鉄イオンに対する結合能が飽和状態であるため、この鉄イオンが試料由来のトランスフェリンに捕獲されず遊離のままとなり、色原体及びカップラーの酸化縮合反応を促進し、非特異的発色を生じさせてしまうことが推察される。
以上のことから、本発明においては、このフェロシアン化物中の鉄イオンに配位するキレート剤を酵素的測定試薬に含有させることにより鉄イオンを捕獲し、これにより、UIBCが低値である試料においても、色原体及びカップラーの酸化縮合反応が起こらず、非特異的発色を抑制することが可能となった。
本発明において、キレート剤は、第1の金属イオン又はこれを含有する物質に配位することができる物質である。このようなキレート剤としては、例えば、有機化合物、無機化合物、蛋白質、ペプチド、又は薬剤等を挙げることができる。
ここで、有機化合物しては、例えば、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸〔EDTA〕、エチレンジアミン二プロピオン酸〔EDDP〕、ビス(アミノフェニル)エチレングリコール四酢酸〔BAPTA〕、クエン酸、コハク酸、酒石酸、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン〔トリシン〕、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン〔ビシン〕、サリチル酸、N-(2-アセトアミド)イミノ二酢酸〔ADA〕、シュウ酸、若しくはグリシルグリシン又はその塩等を挙げることができる。
また、無機化合物としては、例えば、チオ硫酸、若しくはチオシアン酸又はその塩等を挙げることができる。
更に、蛋白質としては、例えばトランスフェリン等を挙げることができる。
また、ペプチドとしては、例えば、メタロチオネイン等を挙げることができる。
薬剤としては、例えば、デフェロキサミン等を挙げることができる。
また、キレート剤の濃度は、酵素的測定試薬中に含まれる第1の金属イオンの全てと配位できる濃度であれば特に限定されないが、試料と酵素的測定試薬を混合した後の測定反応液中において、0.1μM〜200mMが好ましく、0.075〜50mMの範囲にあることが特に好ましい。
また、本発明の試料に依存する非特異的発色の抑制方法は、酸化酵素を用いる従来より公知の1試薬系又は2試薬系の酵素的測定試薬、例えば、特定成分に酸化酵素を作用させて直接又は間接的に過酸化水素を生成させ、得られた過酸化水素を、ペルオキシダーゼ及び被酸化性発色試薬と混合し、生成した色素を測定する従来公知の酵素的測定試薬に、前記したキレート剤の少なくとも1種類を含有させることによって実施することができる。
更に、本発明は、被酸化性発色試薬と第1の金属イオン又はこれを含有する物質とを含む酵素的測定試薬であれば、いずれのものにおいても実施することができる。
なお、このキレート剤は1種類だけを用いてもよいし、又は複数種類のものを同時に用いてもよい。
第2の金属イオン又はこれを含有する物質
本発明における酵素的測定試薬においては、前記の第1の金属イオン又はこれを含有する物質とは異なる、第2の金属イオン又はこれを含有する物質が含まれていてもよい。
この第2の金属イオン又はこれを含有する物質としては、例えば、酵素的測定試薬に含まれる試薬成分を安定化及び/又は活性化させるもの等を挙げることができる。
より具体的には、これらの第2の金属イオンとして、例えば、カルシウムイオン又はマグネシウムイオン等を挙げることができる。
なお、本発明は、前記した試薬成分に加えて、第2の金属イオン又はこれを含有する物質を含む酵素的測定試薬において好適である。
すなわち、本発明者は、フェロシアン化物中の鉄イオンが、被酸化性発色試薬である色原体及びカップラーの酸化縮合反応を促進することにより、酵素的測定試薬中の被酸化性発色試薬が非特異的に発色し、測定値に正誤差を生じさせてしまうことを見出し、フェロシアン化物中の鉄イオンにキレート剤を配位させることにより、非特異的発色が抑制できることを見出した。
しかしながら、例えば、微生物由来のコレステロールエステラーゼのように、カルシウムイオン(第2の金属イオン)によって安定化及び/又は活性化される酵素等を使用する酵素的測定試薬の場合、酵素的測定試薬中にカルシウムイオン(第2の金属イオン)を含有させることが必要となる。この場合、フェロシアン化物中の鉄イオンを配位する目的で添加したキレート剤がカルシウムイオンをも配位してしまい、コレステロールエステラーゼが不安定化されてしまう。
このような場合には、フェロシアン化物中の鉄イオン(第1の金属イオン)には配位するが、カルシウムイオン(第2の金属イオン)には配位しない(又は配位しにくい)キレート剤を選択することで、フェロシアン化物(第1の金属イオン又はこれを含有する物質)と被酸化性発色試薬による非特異的発色を抑制するということと、酵素等の試薬成分の安定化には悪影響を及ぼさないということを両立させることが可能となる。
すなわち、第1の金属イオン又はこれを含有する物質には配位するが、第2の金属イオン又はこれを含有する物質には配位しないキレート剤を選択することにより、第1の金属イオンと被酸化性発色試薬による非特異的発色を抑制し、かつ第2の金属イオンによる酵素的測定試薬に含まれる試薬成分の安定化及び/又は活性化作用等は妨げないことができる。
ここで、第1の金属イオン又はこれを含有する物質には配位するが、第2の金属イオン又はこれを含有する物質には配位しないキレート剤としては、例えば、グルコン酸、酒石酸、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン〔トリシン〕、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン〔ビシン〕、又はサリチル酸等を挙げることができる。
(7) 第2の金属イオン又はこれを含有する物質により安定化及び/又は活性化される試薬成分
本発明における、第2の金属イオン又はこれを含有する物質により安定化及び/又は活性化される試薬成分であるが、例えば、カルシウムイオン又はこれを含有する物質により安定化及び/又は活性化される試薬成分としては、コレステロールエステラーゼ又はホスホリパーゼ等を挙げることができる。
また、例えば、マグネシウムイオン又はこれを含有する物質により安定化及び/又は活性化される試薬成分としては、例えば、リポプロテインリパーゼ等を挙げることができる。
なお、本発明においては、第2の金属イオン又はこれを含有する物質により安定化及び/又は活性化される試薬成分が、コレステロールエステラーゼであることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこの実施例により限定されるものではない。
〔実施例1〕
(本発明による非特異的発色の抑制効果の確認−1)
試料の不飽和鉄結合能に依存して非特異的発色が生じること、及びキレート剤であるグルコン酸ナトリウムを酵素的測定試薬に含有させることによりこの非特異的発色が抑制できることを確かめた。
1. 酵素的測定試薬の調製
(1) 本発明・第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを6.9(20℃)に調整して、キレート剤であるグルコン酸ナトリウムを含有する総コレステロール測定用酵素的測定試薬の第1試薬(本発明・第1試薬)を調製した。
グッド緩衝剤(埼京化成) 100mM
4−アミノアンチピリン(第一化学) 0.11g/L
フェロシアン化カリウム(国産化学) 31μM
塩化カルシウム(国産化学) 2mM
コレステロールエステラーゼ(東洋紡績)500単位/L
グルコン酸ナトリウム(東京化成) 23mM
(2) 従来・第1試薬の調製
グルコン酸ナトリウムを含有しないこと以外は組成が上記(1)の本発明・第1試薬と同じである、キレート剤を含有しない総コレステロール測定用酵素的測定試薬の第1試薬(従来・第1試薬)を調製した。
(3) 第2試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを8.5(20℃)に調整し、総コレステロール測定用酵素的測定試薬の第2試薬を調製した。
グッド緩衝剤(埼京化成) 20mM
N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)
−3,5−ジメトキシアニリン[HDAOS](埼京化成) 2mM
ペルオキシダーゼ(東洋紡績) 8000単位/L
コレステロールオキシダーゼ(天野製薬) 1320単位/L
2. 試料
43種類のヒト血清試料(試料番号:1〜43)を用意した。
3. 試料中の総コレステロール濃度の測定
(1) 前記の各ヒト血清試料中の総コレステロール濃度の測定は、日立製作所社製7170S形自動分析装置にて行い、前記2のヒト血清試料の2μLに前記1の(1)で調製した本発明・第1試薬150μLを添加して、混和後37℃で5分間反応させた後、前記1の(3)で調製した第2試薬50μLを添加し、37℃で5分間反応させた。
第1試薬添加後4分30秒目(16ポイント目)と第2試薬添加後5分17秒目(34ポイント目)の主波長600nm及び副波長700nmにおける吸光度を測定し、その差を求めた。
そして、総コレステロール濃度が既知(200mg/dL)の試料〔標準液〕について、前記の通り測定を行い、この標準液の測定値(吸光度差)と前記のヒト血清試料の測定値(吸光度差)を比較することにより、前記のヒト血清試料中の総コレステロール濃度を求めた。
これを43種類のヒト血清試料全てについて行った。
(2) 前記1の(1)で調製した本発明・第1試薬に代えて前記1の(2)で調製した従来・第1試薬を用いること以外は、上記(1)の記載の通りに操作を行い、43種類のヒト血清試料についてそれぞれ総コレステロール濃度を求めた。
(3) 前記2の43種類のヒト血清試料のそれぞれについて、不飽和鉄結合能(UIBC)の値を求めた。
前記試料の不飽和鉄結合能の測定は、市販の不飽和鉄結合能測定試薬「クイックオートネオ UIBC」(シノテスト社)を用いて、日立製作所社製7170S形自動分析装置により行った。
なお、この7170S形自動分析装置における測定は、前記試薬の製造元であるシノテスト社が顧客及び販売店に案内、公表している所定の方法(パラメータ)に従い行った。
4. 測定結果
(1) 43種類のヒト血清試料の測定結果である、「従来・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度」、「本発明・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度」、「従来・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度から本発明・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度を差し引いた値」、及び「不飽和鉄結合能値」を表1に示した。
Figure 2005292110
この表より、以下のことが分かる。
不飽和鉄結合能が低くない試料(試料番号:1〜20)においては、「従来・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度から本発明・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度を差し引いた値」は、ほとんどゼロである。
しかしながら、不飽和鉄結合能が低い試料(試料番号:21〜43)においては、「従来・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度から本発明・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度を差し引いた値」は2.5mg/dL〜8.4mg/dLの数値となり、「従来・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度」(測定値)に正の誤差が生じていることが分かる。
つまり、不飽和鉄結合能が低くない試料では正の誤差が生じておらず、すなわち非特異的発色が生じておらず、これに対して、不飽和鉄結合能が低い試料では正の誤差が生じており、すなわち非特異的発色が生じていることが分かる。
そして、キレート剤であるグルコン酸ナトリウムを含有する酵素的測定試薬を用いた場合には、この試料の不飽和鉄結合能に依存する非特異的発色を抑制できることが分かる。
すなわち、酵素的測定試薬にキレート剤を含有させることにより、このキレート剤が非特異的発色の元であるフェロシアン化カリウムの鉄イオン(第1の金属イオン)に配位して、これにより鉄イオンが色原体とカップラーの酸化縮合反応を促進することを妨げ、その結果、非特異的な発色が生じるのを抑制できることが確かめられた。
(2) 不飽和鉄結合能が低くない試料(試料番号:1〜20)において、「本発明・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度」をxに、「従来・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度」をyに取ったときの回帰式は、y=0.997x+0.657(相関係数:1.000)となり、従来・第1試薬を用いた場合と本発明・第1試薬を用いた場合とで、試料の総コレステロール濃度測定値に差はなく、非特異的な発色が生じていないことがこれからも分かる。
(3) 不飽和鉄結合能が低い試料(試料番号:21〜43)において、「本発明・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度」をxに、「従来・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度」をyに取ったときの回帰式は、y=1.009x+3.879(相関係数:0.999)となり、従来・第1試薬を用いた場合の試料の総コレステロール濃度測定値は、本発明・第1試薬を用いた場合よりも、約3.9mg/dL高値となっており、非特異的な発色が生じていることがこれからも分かる。
〔参考例〕
(試料の不飽和鉄結合能に依存する非特異的発色の出現頻度の確認)
3,119種類のヒト血清試料を測定して、試料の不飽和鉄結合能に依存する非特異的発色の出現頻度を確かめた。
1. 酵素的測定試薬
(1) 本発明・第1試薬
前記実施例1の1の(1)の本発明・第1試薬を、本参考例の本発明・第1試薬として用いた。
(2) 従来・第1試薬
前記実施例1の1の(2)の従来・第1試薬を、本参考例の従来・第1試薬として用いた。
(3) 第2試薬
前記実施例1の1の(3)の第2試薬を、本参考例の第2試薬として用いた。
2. 試料
3,119種類のヒト血清試料を用意した。
3. 試料中の総コレステロール濃度の測定
前記2の3,119種類のヒト血清試料について、前記実施例1の3の(1)、(2)及び(3)の記載の通りに測定を行い、「従来・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度」、「本発明・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度」、及び「不飽和鉄結合能値」を求めた。
4. 測定結果
3,119種類のヒト血清試料の測定結果を図1に示した。
なお、この図において、横軸は「不飽和鉄結合能値」(μg/dL)を表し、縦軸は「従来・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度から本発明・第1試薬を用いた場合の総コレステロール濃度を差し引いた値」(mg/dL)を表す。
この図からも、不飽和鉄結合能が低い試料においては、総コレステロール濃度測定値に正の誤差が生じており、非特異的な発色が生じていることが分かる。
なお、この3,119種類のヒト血清試料のうち、非特異的発色が生じていると判断できたものは計109試料あり、その出現頻度は約3.5%であった。
〔実施例2〕
(本発明による非特異的発色の抑制効果の確認−2)
本発明において、各種のキレート剤を酵素的測定試薬に含有させた場合の非特異的発色の抑制効果を確かめた。
1. 酵素的測定試薬の調製
(1) 第1試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように、更に表2に記載した9種類のキレート剤をそれぞれ表2に記載した濃度になるように純水に溶解し、pHを6.9又は6.5(20℃)に調整し、表2に記載したキレート剤をそれぞれ含有する(又は含有しない)29種類の総コレステロール測定用酵素的測定試薬の第1試薬を調製した。
グッド緩衝剤(埼京化成) 100mM
4−アミノアンチピリン(第一化学) 0.11g/L
フェロシアン化カリウム(国産化学) 31μM
塩化カルシウム(国産化学) 2mM
コレステロールエステラーゼ(東洋紡績)500単位/L
(2) 第2試薬の調製
下記の試薬成分をそれぞれ記載の濃度になるように純水に溶解し、pHを8.5(20℃)に調整し、総コレステロール測定用酵素的測定試薬の第2試薬を調製した。(なお、非特異的な発色のみを測定するため、通常含有させるコレステロールオキシダーゼは含有させなかった。)
グッド緩衝剤(埼京化成) 20mM
N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)
−3,5−ジメトキシアニリン[HDAOS](埼京化成) 2mM
ペルオキシダーゼ(東洋紡績) 8000単位/L
2. 試料
(1)精製水試料
精製水を試料として用意した。
(2)ヒト血清試料
多人数の健常者の血清を混合したものを試料として用意した。
(3)低UIBC試料
上記(2)のヒト血清試料に鉄イオンを添加し、このヒト血清試料中のトランスフェリンに鉄イオンを結合させ、不飽和鉄結合能(UIBC)が低いヒト血清試料を実験的に調製した。
3. 非特異的発色の測定
前記の各酵素的測定試薬における非特異的な発色の測定は、日立製作所社製7170S形自動分析装置にて行い、前記2の各試料の2μLに各々前記1の(1)で調製した第1試薬150μLを添加して、混和後37℃で5分間反応させた後、前記1の(2)で調製した第2試薬50μLを添加し、37℃で5分間反応させた。
第1試薬添加後4分30秒目(16ポイント目)と第2試薬添加後5分17秒目(34ポイント目)の主波長600nm及び副波長700nmにおける吸光度を測定し、その差を求めた。
そして、総コレステロール濃度が既知(200mg/dL)の試料〔標準液〕について、前記の通り測定を行い、この標準液の測定値(吸光度差)と前記のヒト血清試料及び低UIBC試料の測定値(吸光度差)をそれぞれ比較することにより、前記のヒト血清試料及び低UIBC試料の測定値(吸光度差)について総コレステロール濃度に換算した値を各々求めた。
4. 測定結果
以上の測定結果を表2に示した。
なお、この表において、精製水試料における値は得られた吸光度差であり、ヒト血清試料及び低UIBC試料における値は前記の通り測定値(吸光度差)を総コレステロール濃度に換算した値である。
Figure 2005292110
この表2から次のことが分かる。
キレート剤を含有していない第1試薬(pH6.9)でのヒト血清試料における総コレステロール濃度換算値は0.3mg/dLであるが、このヒト血清試料に鉄イオンを添加した低UIBC試料における総コレステロール濃度換算値は7.1mg/dLであり、このヒト血清試料の不飽和鉄結合能の低下により、このキレート剤を含有していない第1試薬を用いた測定では非特異的な発色が生じていることが分かる。
これに対して、キレート剤であるグルコン酸ナトリウム、EDTA二ナトリウム、クエン酸、トリシン、ビシン、EDDP、酒石酸、サリチル酸、又はADAをそれぞれ含有する第1試薬(pH6.9)を用いた測定では、低UIBC試料においても非特異的な発色が抑制できていることが分かる。
以上のことより、本発明のキレート剤を含有させた酵素的測定試薬においては、このキレート剤がフェロシアン化カリウムの鉄イオン(第1の金属イオン)に配位することにより、この鉄イオンが色原体とカプラーの酸化縮合反応を促進することを妨げることができ、その結果、試料の不飽和鉄結合能に依存する非特異的な発色を抑制することが可能となり、正確な測定値を得ることができることが確かめられた。
〔実施例3〕
(キレート剤のコレステロールエステラーゼ活性に対する影響の確認−1)
本発明において、酵素的測定試薬に含有させたキレート剤のコレステロールエステラーゼに対する影響を確かめた。
1. 酵素的測定試薬の調製
(1) 第1試薬の調製
23mMのグルコン酸ナトリウムに代えて、表3に記載の9種類のキレート剤それぞれを表に記載した濃度で含有すること(又は含有しないこと)以外は、実施例1の1の(1)の本発明・第1試薬と同様にして、28種類の第1試薬をそれぞれ調製した。
(2) 第2試薬の調製
前記実施例1の1の(3)で調製した第2試薬をそのまま使用した。
2. 第1試薬及び第2試薬の保存
上記1の(1)で調製した28種類の第1試薬及び上記1の(2)で調製した第2試薬を10℃で36日間保存した。
3. コレステロールエステラーゼ活性値の測定
保存開始時及び保存7日後、並びに36日後に、28種類の第1試薬の各々のコレステロールエステラーゼの活性値(吸光度)を測定した。
なお、コレステロールエステラーゼ活性値(吸光度)の測定は、東洋紡績社酵素製品カタログ「TOYOBO ENZYMES」(2002年7月1日発行)の第54頁に記載されたコレステロールエステラーゼの活性測定方法に従って行った。
そして、保存7日後及び36日後の吸光度(コレステロールエステラーゼ活性値)をそれぞれ、キレート剤無添加第1試薬の保存開始時の吸光度(コレステロールエステラーゼ活性値)で除して100を乗ずることにより、保存7日後及び36日後のコレステロールエステラーゼ活性の残存率(%)をそれぞれ算出した。
4. 測定結果
コレステロールエステラーゼ活性値の測定結果を表3に示した。
なお、この表で、カッコ内の数値は、前記の通りに算出した保存後のコレステロールエステラーゼ活性の残存率(%)を示す。
Figure 2005292110
表3から明らかなように、第1試薬にEDTA二ナトリウムを含有させた場合には、試薬の保存開始時(0日)から、コレステロールエステラーゼの活性値(吸光度)が低下していることが分かる。
すなわち、EDTA二ナトリウム濃度が3mM、15mM、30mMの場合のコレステロールエステラーゼ活性の残存率は、保存開始時のコレステロールエステラーゼの活性値(吸光度)を100%とした場合に、保存開始時で各々67.5%、31.6%、27.0%となっており、7日後では各々45.1%、18.8%、15.5%であり、36日後では各々26.1%、9.5%、7.9%に低下していることが分かる。
また、第1試薬にクエン酸又はADAを含有させた場合も、濃度や保存日数による差はあるものの保存開始時のコレステロールエステラーゼの活性値(吸光度)を100%とした場合に、最低70%台まで低下していることが分かる。
これに対して、グルコン酸ナトリウム、トリシン、ビシン、コハク酸、酒石酸、又はサリチル酸を第1試薬に含有させた場合には、コレステロールエステラーゼ活性の残存率は、濃度や保存日数による差はあるものの、ほとんど低下していない。
これらの結果から、EDTA二ナトリウム、クエン酸、又はADAはコレステロールエステラーゼの活性を低下させてしまうが、グルコン酸ナトリウム、トリシン、ビシン、コハク酸、酒石酸、又はサリチル酸はコレステロールエステラーゼの活性に悪影響を及ぼしていないことが分かる。
以上の結果、並びに実施例1及び実施例2の結果より、フェロシアン化物中の鉄イオン(第1の金属イオン)には配位するが、カルシウムイオン(第2の金属イオン)には配位しない(又は配位しにくい)キレート剤を選択することにより、フェロシアン化物中の鉄イオン(第1の金属イオン)が色原体とカプラーの酸化縮合反応を促進することを防いで非特異的な発色が生じるのを抑制し、かつカルシウムイオン(第2の金属イオン)によるコレステロールエステラーゼ(酵素的測定試薬に含まれる試薬成分)の安定化には悪影響を及ぼさないことが確かめられた。
〔実施例4〕
(キレート剤のコレステロールエステラーゼ活性に対する影響の確認−2)
本発明において、酵素的測定試薬に含有させたキレート剤のコレステロールエステラーゼに対する影響を確かめた。
1. 酵素的測定試薬の調製
(1) 第1試薬の調製
23mMのグルコン酸ナトリウムに代えて、表4に記載の11種類のキレート剤それぞれを表に記載した濃度で含有すること(又は含有しないこと)こと以外は、実施例1の1の(1)の本発明・第1試薬と同様にして、33種類の第1試薬をそれぞれ調製した。
(2) 第2試薬の調製
前記実施例1の1の(3)で調製した第2試薬をそのまま使用した。
2. 第1試薬及び第2試薬の保存
上記1の(1)で調製した33種類の第1試薬及び上記1の(2)で調製した第2試薬を10℃で36日間保存した。
3. コレステロールエステラーゼ活性値の測定
保存開始時及び保存7日後、並びに36日後に、33種類の第1試薬の各々のコレステロールエステラーゼ活性値(吸光度)を実施例3と同様の方法で測定した。
4. 測定結果
コレステロールエステラーゼ活性値の測定結果を表4に示した。
なお、この表で、カッコ内の数値は、実施例3の3の記載と同様にして算出した保存後のコレステロールエステラーゼ活性の残存率(%)を示す。
Figure 2005292110
表4から明らかなように、第1試薬にEDTA二ナトリウム、クエン酸、ADA、EDDP、又はBAPTAを含有させた場合には、試薬の保存開始時(0日)から、コレステロールエステラーゼの活性値(吸光度)が低下していることが分かる。
すなわち、第1試薬にEDTA二ナトリウム、クエン酸、ADA、EDDP、又はBAPTAを含有させた場合には、コレステロールエステラーゼ活性の残存率は、キレート剤の濃度が高い場合には大きく低下していることが分かる。
これに対して、グルコン酸ナトリウム、トリシン、ビシン、コハク酸、酒石酸、又はサリチル酸を第1試薬に含有させた場合には、コレステロールエステラーゼ活性の残存率は、濃度や保存日数による差はあるものの、ほとんど低下していない。
これらの結果から、EDTA二ナトリウム、クエン酸、ADA、EDDP、又はBAPTAはコレステロールエステラーゼの活性を低下させてしまうが、グルコン酸ナトリウム、トリシン、ビシン、コハク酸、酒石酸、又はサリチル酸はコレステロールエステラーゼの活性に悪影響を及ぼしていないことが分かる。
以上の結果、及び実施例1〜実施例3の結果より、フェロシアン化物中の鉄イオン(第1の金属イオン)には配位するが、カルシウムイオン(第2の金属イオン)には配位しない(又は配位しにくい)キレート剤を選択することにより、フェロシアン化物中の鉄イオン(第1の金属イオン)が色原体とカプラーの酸化縮合反応を促進することを防いで非特異的な発色が生じるのを抑制し、かつカルシウムイオン(第2の金属イオン)によるコレステロールエステラーゼ(酵素的測定試薬に含まれる試薬成分)の安定化には悪影響を及ぼさないことが確かめられた。
試料の不飽和鉄結合能に依存する非特異的発色の出現頻度を確認した図である。

Claims (13)

  1. 色原体及びカップラーからなる被酸化性発色試薬並びに酸化酵素及びペルオキシダーゼを用いる酵素的測定試薬であって、第1の金属イオン又はこれを含有する物質を含む前記酵素的測定試薬に、キレート剤を含有させることを特徴とする、試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
  2. 前記の試料に依存する非特異的発色が、試料の前記第1の金属イオン又はこれを含有する物質との結合能に依存する非特異的発色である、請求項1記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
  3. 前記第1の金属イオン又はこれを含有する物質が、前記の色原体及びカップラーの酸化縮合を促進し、非特異的発色を生じさせるものである、請求項1又は請求項2記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
  4. 前記第1の金属イオン又はこれを含有する物質が、フェロシアン化物である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
  5. 前記第1の金属イオンが鉄イオンであり、前記の試料に依存する非特異的発色が試料の不飽和鉄結合能に依存する非特異的発色である、請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
  6. 前記キレート剤が、第1の金属イオン又はこれを含有する物質に配位するものである、請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
  7. 前記キレート剤が、グルコン酸、エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン二プロピオン酸、ビス(アミノフェニル)エチレングリコール四酢酸、クエン酸、酒石酸、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、サリチル酸、若しくはN−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸又はその塩よりなる群から選択される少なくとも一つの物質である、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
  8. 更に第2の金属イオン又はこれを含有する物質を前記酵素的測定試薬に含む、請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
  9. 前記第2の金属イオン又はこれを含有する物質が、前記酵素的測定試薬に含まれる試薬成分を安定化及び/又は活性化させるものである、請求項8記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
  10. 前記第2の金属イオン又はこれを含有する物質により安定化及び/又は活性化される試薬成分が、コレステロールエステラーゼ、リポプロテインリパーゼ又はホスホリパーゼよりなる群から選択される少なくとも一つの試薬成分である、請求項8又は請求項9に記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
  11. 前記第2の金属イオンが、カルシウムイオン及び/又はマグネシウムイオンである、請求項8〜請求項10のいずれか1項に記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
  12. 前記キレート剤が、第1の金属イオン又はこれを含有する物質には配位するが、第2の金属イオン又はこれを含有する物質には配位しないものである、請求項8〜請求項11のいずれか1項に記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
  13. 前記キレート剤が、グルコン酸、酒石酸、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン、又はサリチル酸よりなる群から選択される少なくとも一つの物質である、請求項12記載の試料に依存する非特異的発色の抑制方法。
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