JP3434553B2 - 無機リン測定用試薬 - Google Patents

無機リン測定用試薬

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、無機リン測定用試薬に
関する。更に詳細には、長期間安定な無機リン測定用の
液状化された試薬組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】人体のリン(無機リン又は有機リン)
は、骨を形成し、高エネルギーリン酸化化合物、核酸又
はリン脂質などを構成する他、血液の緩衝能保持にも貢
献している。無機リンは、各種ホルモンやビタミンDに
よる代謝調節を受けており、カルシウムと共に電解質代
謝の動態を知る上で血中又は尿中濃度の測定が重要であ
る。臨床的には腎機能や骨代謝をよく反映し、特に尿中
排泄が低下する慢性腎不全では著しい高リン症が見られ
る。
【0003】無機リン測定法としては従来から種々の方
法が確立されており、それぞれの特徴をもっている。例
えば、検体中の無機リンを酸性溶液中でモリブデン酸ア
ンモニウムと反応させ、生成するリンモリブデン酸アン
モニウムを比色測定して無機リン量を求める方法や、リ
ンモリブデン酸アンモニウムを更に還元処理してモリブ
デンブルーにし、これを比色測定して無機リン量を求め
る方法などがあった。しかし、これらの方法には、操作
の煩雑さ、低感度、機器の着色や腐食など種々の問題も
ある。
【0004】そこで、近年は以下の工程からなる測定方
法がよく用いられている。すなわち、検体中の無機リン
に、イノシンの存在下でプリンヌクレオシドホスフォリ
ラーゼ(以下PNPと略す)及びキサンチンオキシダー
ゼ(以下XODと略す)を作用させてH22 を生成さ
せ、続いてこのH22 をペルオキシダーゼ(以下PO
Dと略す)の存在下で、カプラーとしての4−アミノア
ンチピリン(以下4AAPと略す)と水素供与体として
のN−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジン
(以下ESPTと略す)、N−エチル−N−(2−ヒド
ロキシ−3−スルホプロピル)3,5−ジメトキシアニ
リン(以下DAOSと略す)又はN−(2−ヒドロキシ
−3−スルホプロピル)3,5−ジメトキシアニリン
(以下HDAOSと略す)などと酸化縮合反応させてキ
ノイド色素を形成させ、得られた色素を比色測定して無
機リン量を求める方法である。この測定法は再現性及び
直線性に優れており、機器の着色や腐食の心配もないの
で繁用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記のキノイ
ド色素を形成させる方法では不安定なPNPやXODな
どの酵素が用いられており、液状での長期保存が難しい
ので、試薬形態を凍結乾燥品として供給されていた。ま
た、各成分の安定条件もそれぞれ異なるため、試薬を構
成する場合、それら試薬の安定性は各成分の組み合わせ
により大きく変化し、特に液状試薬の場合、通常の組み
合わせでは長期間安定性を維持するのが困難であった。
【0006】一方、自動分析機の普及に伴って、無機リ
ン測定法の試薬構成も1試薬系から2試薬系に代わって
きている。2試薬系での試薬組成の従来の組み合わせ
は、第一試薬がXOD、POD、ESPT及びイノシン
からなり、第二試薬がPNPと4AAPとからなる構成
や、あるいは第一試薬がXOD、POD及びESPTか
らなり、第二試薬がイノシン、PNP及び4AAPとか
らなるように構成されていたが、液状での保存安定性は
極めて乏しいものであった。更に、近年、使用時に試薬
を液状に調製するのではなく、供給時の試薬形態から液
状とし、ユーザーの作業性を向上させることが求められ
ている。
【0007】本発明者らは、こうした従来の問題を解決
すべく鋭意研究を重ねた結果、液状試薬の形態で供給し
ても、長期間にわたって充分な保存安定性を有する試薬
組成を見出した。更に、この試薬組成における酵素の安
定化についても検討した結果、好適な安定化剤を見出す
ことに成功した。本発明はこうした知見に基づくもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、プリンヌクレ
オシドホスフォリラーゼ、キサンチンオキシダーゼ、ペ
ルオキシダーゼ、イノシン、4−アミノアンチピリン及
びN−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジンを
含む無機リン測定用試薬において、少なくともキサンチ
ンオキシダーゼ及びプリンヌクレオシドホスフォリラー
ゼを含有するが、イノシンを含有しない第一試薬と、少
なくともイノシンを含有するが、キサンチンオキシダー
ゼ及びプリンヌクレオシドホスフォリラーゼを含有しな
第二試薬とからなり、それぞれが液状試薬であること
を特徴とする、無機リン測定用試薬に関する。
【0009】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
よる無機リン測定用試薬を適用することのできる測定方
法は、検体中の無機リンにプリンヌクレオシドホスフォ
リラーゼ(PNP)の存在下でイノシンを反応させてヒ
ポキサンチンを生成させ、得られたヒポキサンチンにキ
サンチンオキシダーゼ(XOD)を作用させて過酸化水
素を生成させ、得られた過酸化水素にペルオキシダーゼ
(POD)の存在下で4−アミノアンチピリン(4AA
P=カプラー)及びN−エチル−N−スルホプロピル−
m−トルイジン(ESPT=水素供与体)を反応させて
キノイド色素を形成させ、こうして形成されるキノイド
色素の増加量を測定することからなる。この測定方法を
反応式で示せば、以下のとおりである。
【0010】
【0011】前記の反応工程からなる無機リン測定方法
に用いる本発明の無機リン測定用試薬は、(1)少なく
ともXODとPNPとを含む液状第一試薬と、(2)少
なくともイノシンを含む液状第二試薬とから構成され
る。イノシンとPNPとを共存させると、これらが保存
中に反応してしまい、無機リンの測定に大きな影響を与
える(キサンチン様物質が生成するためと考えられ
る)。この影響を回避するために両者を分ける必要があ
る。
【0012】更に、これらの第一試薬と第二試薬とを用
いて無機リンを測定する場合には、検体中の内因性キサ
ンチンを予め消去しておくことが好ましい。このため、
最初に検体と接触させる第一試薬にXODを含ませてお
くと共に、第一試薬には更にESPTを添加するか、あ
るいは、第一試薬に更にカタラーゼを添加するのが好ま
しい。後者の場合には、ESPTを第二試薬に添加す
る。また、第一試薬にESPTとカタラーゼとを添加
し、第二試薬にPODを添加してもよい。すなわち、X
ODを含有する第一試薬を検体と接触させると、このX
ODが内因性キサンチンに作用してH22 が生成され
る。第一試薬内に、更にESPTが存在すると、ESP
Tによる自己縮合反応によりH22 が消去される。ま
た、第一試薬内にカタラーゼが存在すると、カタラーゼ
による消去反応によりH22 が消去される。こうして
内因性キサンチンによる影響をなくした後で、イノシン
を含有する第二試薬を検体に接触させると、測定対象物
である無機リンがイノシンの存在下でPNP及びXOD
の作用によりH22 を生成し、このH22 がPOD
の存在下でカプラーと水素供与体を酸化縮合反応してキ
ノイド色素を形成させる。この際に、イノシンとPNP
との共存を避けるために、PNPを第一試薬に添加する
のが好ましい。
【0013】従って、第一試薬がXOD、PNP及びP
ODを含有し、第二試薬がイノシン及び4AAPを含有
し、更に、内因性キサンチンを予め消去するために、上
記第一試薬にESPTを添加(自己縮合反応による消
去)するか、あるいは上記第一試薬にカタラーゼを添加
し、第二試薬にESPTを添加(カタラーゼによる消去
反応)した試薬構成とすることが好適である。なお、上
記の反応工程に参加するH2 OとO2 は、検体から供給
される。
【0014】第一試薬に含まれるXODの由来について
は特に限定されないが、微生物由来のXODが好適に用
いられる。その添加量は個々の具体的測定系を考慮して
適宜選択することができるが、一般的に1〜100U/
ml、好ましくは5〜50U/mlであれば良い。1U
/ml未満になると充分な酵素活性が得られない。10
0U/mlを超えても測定上の支障はないが、不純物混
入の問題やコストの面からは必ずしも有利ではなく、必
要以上の過剰量を添加する必要はない。
【0015】PNPについてもその由来は特に限定され
ず、動物組織、赤血球又は酵母由来のPNPを用いるこ
とができる。その添加量は個々の具体的測定系を考慮し
て適宜選択することができるが、一般的に0.1〜10
U/ml、好ましくは0.5〜5U/mlであれば良
い。0.1U/ml未満になると充分な酵素活性が得ら
れない。10U/mlを超えても測定上の支障はない
が、不純物混入の問題やコストの面からは必ずしも有利
ではなく、必要以上の過剰量を添加する必要はない。
【0016】PODについてもその由来は特に限定され
ず、動物組織や西洋わさび由来のPODを用いることが
できる。その添加量は個々の具体的測定系を考慮して適
宜選択することができるが、一般的に1〜100U/m
l、好ましくは5〜50U/mlであれば良い。1U/
ml未満になると充分な酵素活性が得られない。100
U/mlを超えても測定上の支障はないが、不純物混入
の問題やコストの面からは必ずしも有利ではなく、必要
以上の過剰量を添加する必要はない。
【0017】第二試薬に含まれるイノシンの添加量も、
個々の具体的測定系を考慮して適宜選択することができ
るが、一般的に0.5〜50mM、好ましくは1〜10
mMであれば良い。0.5mM未満になると充分な酵素
反応が起こらない。50mMを超えても測定上の支障は
ないが、不純物混入の問題やコストの面、更には基質障
害の発生から必ずしも有利ではなく、必要以上の過剰量
を添加する必要はない。
【0018】4AAPについても、その添加量は個々の
具体的測定系を考慮して適宜選択することができるが、
一般的に0.1〜20mM、好ましくは0.5〜10m
Mであれば良い。0.1mM未満になると充分な酵素反
応が起こらない。20mMを超えても測定上の支障はな
いが、不純物混入の問題やコストの面から必ずしも有利
ではなく、必要以上の過剰量を添加する必要はない。
【0019】また、緩衝液及びそのpHは、第一試薬及
び第二試薬共に、XOD、PNP及びPODの反応至適
pHで、保存安定性のよいpH5.0〜pH9.0、特
にpH6.0〜pH8.0が好ましく、このpHで緩衝
能のある緩衝液を用いるのが好ましい。具体的にはPI
PES〔ピペラジン−N’,N’−ビス(2−エタンス
ルホン酸)〕、BES〔N,N−ビス(2−ヒドロキシ
エチル)−2−アミノエタンスルホン酸〕、HEPES
〔N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N’−2−エ
タンスルホン酸〕などのグッド緩衝液を使用することが
できる。この他、前記pH範囲で緩衝能のある緩衝液
で、反応性や安定性などに問題がないものであれば、何
を用いてもよい。
【0020】検体中の内因性キサンチンを予め消去する
ために、第一試薬にESPTを添加する場合、その添加
量は個々の具体的測定系を考慮して適宜選択することが
できるが、一般的に0.5〜50mM、好ましくは1〜
10mMであれば良い。0.1mM未満になると充分な
酵素反応が起こらない。20mMを超えても測定上の支
障はないが、不純物混入の問題やコストの面から必ずし
も有利ではなく、必要以上の過剰量を添加する必要はな
い。
【0021】また、第一試薬にカタラーゼを添加し、第
二試薬にESPTを添加する場合、ESPTは第一試薬
に添加する場合と同様の条件で第二試薬に添加すれば良
い。一方、カタラーゼについてはその由来は特に限定さ
れず、動物や細菌由来のカタラーゼを用いることができ
る。その添加量は個々の具体的測定系を考慮して適宜選
択することができるが、一般的に1〜100U/ml、
好ましくは5〜50U/mlであれば良い。1U/ml
未満になると充分な酵素活性が得られない。100U/
mlを超えても測定上の支障はないが、不純物混入の問
題やコストの面からは必ずしも有利ではなく、必要以上
の過剰量を添加する必要はない。
【0022】上述のように構成された本発明による無機
リン測定用液状試薬は、上記の態様で充分に長期間安定
性を維持することができるが、本発明者は更に、微生物
由来のXODについてその安定化方法を検討したとこ
ろ、オキソン酸又はその塩、あるいはエチレンジアミン
四酢酸二ナトリウム(EDTA2Na)などのキレ−ト
剤、あるいはエチレンジアミン四酢酸亜鉛錯体(EDT
A−Zn)などの金属−キレート化合物を含有させるこ
とにより、XODを安定化することができることを見出
した。
【0023】従来技術においても、例えば、特開平4−
335887号公報にはXODを安定化させる方法が開
示されている。すなわち、鉄、銅、コバルト及びマンガ
ンからなる群より選ばれた金属の塩(錯塩を含む)及び
/又はこれらの金属キレート化合物によりXODが安定
化されることが記載されている。しかし、この方法は、
バターミルク由来のXODを使用した場合の安定化方法
であり、微生物由来XODの安定化条件とは異なる。こ
れに対して、微生物由来のXODでは、鉄、銅、コバル
ト及びマンガンからなる群より選ばれた金属の金属キレ
ート化合物以外にも、亜鉛、マグネシウム及びカルシウ
ムからなる群より選ばれた金属の金属キレート化合物に
より、好適な安定化効果を得ることができる。
【0024】本発明で微生物由来XODを使用する場合
には、その安定化剤として、具体的には、オキソン酸;
オキソン酸塩、例えば、オキソン酸カリウム又はオキソ
ン酸アンモニウム;キレート剤、例えば、エチレンジア
ミン四酢酸(EDTA)、1,2−シクロヘキサンジア
ミン四酢酸(CyDTA)、サルコシン二アンモニウム
塩(DTCS)、ニトリロ三プロピオン酸(NTP)、
イミノ二酢酸(IDA)、若しくはニトリロ三酢酸(N
TA)又はこれらの塩、例えば、エチレンジアミン四酢
酸二ナトリウム(EDTA2Na)やニトリロ三酢酸二
ナトリウム塩(NTA2Na);又は金属−キレート化
合物(すなわち、前述のキレート剤と鉄、銅、コバル
ト、マンガン、亜鉛、マグネシウム及びカルシウムから
なる群より選ばれた金属との化合物)、例えば、エチレ
ンジアミン四酢酸亜鉛錯体(EDTA−Zn)、1,2
−シクロヘキサンジアミン四酢酸カルシウム錯体(Cy
DTA−Ca)などを、単独で又は組み合わせて用いる
ことができる。
【0025】これらXOD安定化剤の添加量は、個々の
具体的測定系を考慮して適宜選択することができるが、
一般的に0.1〜100mM、好ましくは0.2〜20
mMであれば良い。0.1mM未満になると充分な安定
化効果を得ることができない。100mMを超えても安
定化効果の上では支障はないが、不純物混入の問題やコ
ストの面から必ずしも有利ではなく、必要以上の過剰量
を添加する必要はない。なお、バターミルク由来のXO
Dは不安定な酵素であり、前記特開平4−335887
号公報記載のXOD安定化方法を用いても、長期保存可
能な液状試薬を完成するために必要な安定性を得ること
はできない。
【0026】PNPについても同様に安定化方法を検討
したところ、微生物由来PNPに対しては、ウシ血清ア
ルブミン(BSA)を安定化剤として用いることができ
る。このPNP安定化剤の添加量も、個々の具体的測定
系を考慮して適宜選択することができるが、一般的に
0.1〜100g/リットル、好ましくは1〜10g/
リットルであれば良い。0.1g/リットル未満になる
と充分な安定化効果を得ることができない。100g/
リットルを超えても安定化効果の上では支障はないが、
不純物混入の問題やコストの面から必ずしも有利ではな
く、必要以上の過剰量を添加する必要はない。
【0027】第一試薬及び/又は第二試薬には、前記の
各成分の他に、NaN3 などの防腐剤やPODの安定化
剤(例えば、アスコルビン酸オキシダーゼなど)を適宜
添加することができる。
【0028】
【作用】このように構成された本発明による無機リン測
定用試薬により、検体中の無機リンから、イノシンの存
在下でPNP及びXODの作用によりH22 を生成さ
せ、このH22 をPODの存在下で4AAPとESP
Tとにより酸化縮合反応させて、キノイド色素を形成さ
せる。この色素を比色測定して無機リン量を求めること
ができる。更に、本発明の液状試薬は、長期間保存可能
で、臨床検査分野での取扱いが極めて容易になる。
【0029】
【実施例】以下、実施例によって本発明を具体的に説明
するが、これらは本発明の範囲を限定するものではな
い。実施例1 (1)試薬の調製 以下の組成からなる、本発明の第一試薬A〜D及び第二
試薬Aを調製した。 第一試薬A:50mM PIPES緩衝液(pH6.
8) XOD 16U/ml PNP 2U/ml POD 10U/ml ESPT 5mM 第一試薬B:第一試薬AにBSAを2mg/mlとなる
ように添加したもの。 第一試薬C:第一試薬Aにオキソン酸カリウム5mM、
EDTA−Znを0.5mMとなるように添加したも
の。 第一試薬D:第一試薬AにBSAを2mg/ml、オキ
ソン酸カリウム5mM、EDTA−Znを0.5mMと
なるように添加したもの。 第二試薬A:50mM PIPES緩衝液(pH6.
8) イノシン 3.7mM 4AAP 1mM
【0030】(2)安定性試験操作 上記の組み合わせにおいて、無機リン含量既知の管理血
清5μlに各第一試薬A〜D0.2mlを添加し、37
℃にて5分間加温した。次いで、第二試薬A0.2ml
を添加して、37℃で5分間反応させ、該反応液につい
て波長600nmにおける吸光度を測定した。同時に、
血清に代えて生理食塩水を用いて同様の操作を行い、そ
の時の値をブランク値とした。更に別に、標準としてリ
ン酸一カリウムの水溶液(5mg/ml)を調製して同
様の操作を行い管理血清中の無機リン量を求めた。ま
た、各試薬を10℃にて保存し、2ヶ月後、4ヶ月後、
6ヶ月後、9ヶ月後及び12ヶ月後に前記と同様の管理
血清を用いて同様の操作を行い無機リン量を求めた。こ
の時の標準は調製直後に測定した際の吸光度を用いて計
算した。得られた結果を図1に示す。本発明の試薬(第
一試薬A〜Dと第二試薬Aとの組み合わせ)によれば、
長期間保存後の無機リン測定値の変動は極めて少なく、
長期間安定な性能を維持していることを確認することが
できる。
【0031】比較例 比較対照用として、以下の組成からなる第一試薬aと第
二試薬aとの組み合わせa(比較例1)、及び第一試薬
bと第二試薬bとの組み合わせb(比較例2)を調製し
た。 (a)第一試薬a:50mM PIPES緩衝液(p
H6.8) XOD 16U/ml POD 10U/ml ESPT 5mM 第二試薬a:50mM PIPES緩衝液(pH6.
8) イノシン 3.7mM PNP 2U/ml 4AAP 1mM (b)第一試薬b:50mM PIPES緩衝液(p
H6.8) XOD 16U/ml POD 10U/ml ESPT 5mM イノシン 3.7mM 第二試薬b:PNP 2U/ml 4AAP 1mM 前記実施例1と同様の方法で安定性試験を実施した。結
果を図1に示す。
【0032】
【発明の効果】本発明の無機リン測定用試薬は、液状の
ままで、暗所又は明所にて、常温ないし低温下で長期間
(少なくとも1年程度)にわたって安定に貯蔵すること
ができる。従って、臨床検査を実施する現場で長期に保
存しておき、使用に際しては、溶解操作の必要もなく、
そのまま自動分析機などに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明試薬及び比較用試薬を10℃で保存した
場合の安定性を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12Q 1/00 - 3/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリンヌクレオシドホスフォリラーゼ、
    キサンチンオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、イノシ
    ン、4−アミノアンチピリン及びN−エチル−N−スル
    ホプロピル−m−トルイジンを含む無機リン測定用試薬
    において、少なくともキサンチンオキシダーゼ及びプリ
    ンヌクレオシドホスフォリラーゼを含有するが、イノシ
    ンを含有しない第一試薬と、少なくともイノシンを含有
    するが、キサンチンオキシダーゼ及びプリンヌクレオシ
    ドホスフォリラーゼを含有しない第二試薬とからなり、
    それぞれが液状試薬であることを特徴とする、無機リン
    測定用試薬。
  2. 【請求項2】 第一試薬が更にN−エチル−N−スルホ
    プロピル−m−トルイジンを含有する請求項1記載の無
    機リン測定用試薬。
  3. 【請求項3】 第一試薬が更にカタラーゼを含有し、第
    二試薬が更にN−エチル−N−スルホプロピル−m−ト
    ルイジンを含有する請求項1記載の無機リン測定用試
    薬。
  4. 【請求項4】 第一試薬が、更に、オキソン酸、オキソ
    ン酸塩、キレート剤、金属−キレート化合物及び/又は
    牛血清アルブミンを含有する請求項1〜3のいずれか一
    項に記載の無機リン測定用試薬。
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