JP2880210B2 - 酵素法による抱合型ビリルビン比色定量法及び試薬 - Google Patents

酵素法による抱合型ビリルビン比色定量法及び試薬

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はビリルビンのうち抱合型ビリルビンを酵素的
に測定し比色定量する方法、およびそれに用いる定量用
試薬に関する。
〔従来の技術〕
ビリルビンは胆汁中に最も多く存在する色素で、主と
して老廃赤血球の崩壊により生成される血色素から作ら
れ、血清中では主にグルクロン酸と結合した抱合型ビリ
ルビン(直接型ビリルビン)またはアルブミンと結合し
た非抱合型ビリルビン(間接型ビリルビン)として存在
する。抱合型ビリルビンと非抱合型ビリルビンを合わせ
たものを総ビリルビンと呼んでいる。
抱合型ビリルビン、非抱合型ビリルビンの血清中存在
量から、肝機能障害の分別診断および肝機能障害の程度
を知ることが可能であるため、ビリルビンの定量は臨床
的に極めて重要であり、特に抱合型ビリルビンは肝機能
障害、胆汁うっ滞等の指標になるものと考えられる。
このようなビリルビンの測定法としては、ジアゾ試薬
による比色法(金井 泉:臨床検査法提要金原出版 ペ
ージ XII-24 昭和53年など)などの化学的測定法が主
に用いられている。しかし、これらの方法では、抱合型
ビリルビンのうちジグルクロナイドは速やかに反応し、
一方モノグルクロナイドは反応が遅いため、反応時間を
正確に規定しないと抱合型ビリルビンの正確な測定がで
きないという欠点を有している。また、ジアゾ試薬がビ
リルビン以外の生体成分と反応し正確性に欠けるなどの
問題もある。
一方、酵素を用いた抱合型ビリルビンの定量法として
は、ミロセシウム属(Myrothecium)の微生物由来のビ
リルビンオキシダーゼを用いる高坂らの方法[臨床病理
30(補冊)123(1982)]や、ビリルビンオキシダーゼ
をpH3.5〜4.5で作用させ測定を行う高木らの方法(特開
昭59-125899)などが報告されており、従来のジアゾ法
に比較し、いずれも簡便性に優れたものであった。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、本発明者らの追試によれば、前記酵素
による定量法のうち、前者では非抱合型ビリルビンの反
応が認められ、正確性に欠けるという問題があり、後者
では長い反応時間(15分間程度)が必要であるため測定
の自動化が困難であるなどの問題があった。
本発明は上記従来技術の実情に鑑み成されたものであ
り、酵素反応に基づく抱合型ビリルビンの定量を短時間
にかつ正確に行うことのできる方法及び試薬を提供する
ものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記の問題点を克服するために、鋭意
検討を行った結果ビリルビンオキシターゼに反応促進剤
としてアニリン類およびペンタシアノ鉄錯塩およびコバ
ルト(II)錯体を配合し、測定のpHをpH2.5〜4.0とする
ことにより、抱合型ビリルビンが選択的かつ迅速に測定
できることを見出し本発明を完成したのである。
すなわち本発明は、ビリルビン含有水性検体にビリル
ビンオキシダーゼを作用させ、それにより生ずるビリル
ビンの変化を光学的に測定することにより該検体中の抱
合型ビリルビンを定量する方法において、ビリルビンオ
キシダーゼによる酵素反応を、下記(i)又は(ii)の
少なくとも1つから成る反応促進剤により促進させるこ
とを特徴とする抱合型ビリルビン比色定量法、 (i)一般式(I)で表わされるアニリン類 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子又は
炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ス
ルホアルキル基、ヒドロキシスルホアルキル基若しくは
スルホンアミドアルキル基を示す。R3およびR4はそれぞ
れ独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭
素数1〜4のアルコキシル基を示す。) (ii)ペンタシアノ鉄錯塩 及び、上記(i)又は(ii)の少なくとも1つから成
る反応促進剤とビリルビンオキシダーゼとを組み合せて
成る、ビリルビン含有水性検体中の抱合型ビリルビン比
色定量用試薬である。
本発明によれば、従来知られていた酵素による抱合型ビ
リルビン定量法に比べ、短時間に安定して正確な抱合型
ビリルビン量を測定することができ、測定の自動化を容
易に図ることが可能となる。
又、上記(ii)ペンタシアノ鉄錯塩に反応促進剤(ii
i)としてコバルト(II)錯体を組み合せるとさらに良
好な効果を得ることができる。
酵素法によるビリルビンの測定において、抱合型ビリ
ルビンのみを定量しようとする場合、検体のpHを変化さ
せて行うことは知られている。すなわち、非抱合型ビリ
ルビンは抱合型ビリルビンに比べ酵素反応性が低く、低
いpH領域では酵素反応を受けにくくなるため、例えばpH
4.0付近で反応させると、抱合型ビリルビンが優先的に
反応するようになる。しかし、pH4.0程度では非抱合型
ビリルビンの反応を完全には阻害できないため、いわゆ
る測り込みが生じ正確に抱合型のみを定量することは困
難である。pHをさらに低くすると非抱合型はほとんど反
応を受けなくなるが、一方、ビリルビンオキシダーゼの
至適pHは6〜7であり酵素反応自体の活性が著しく低下
してしまうため、反応に長時間を要したり、充分に抱合
型のものも酸化されなくなり、結果的に満足のいく測定
ができなくなる。
本発明に係る反応促進剤は上記問題点を飛躍的に解決
するものである。すなわち、非抱合型ビリルビンがほと
んど反応しない低いpH領域においても酵素反応を抑制す
ることなく、促進し、さらに上記アニリン類は低いpH領
域において非抱合型ビリルビンの反応を阻害する効果を
有している。反応促進効果の作用機序については不明で
あるが、ビリルビンオキシダーゼの電子伝達系に関与し
ているものと考えられる。
本発明で用いることのできる反応促進剤は前記(i)
〜(iii)の化合物であるが、一般式(I)で表わされ
るアニリン類の例としては下の表に示すものを挙げるこ
とができる。
表中、記載が無い場合は水素である。
尚、アニリン類では特に、m−ドルイジン誘導体が好
ましい。
(ii)のペンタシアノ鉄錯塩の例としては、一般式
(II)に示したような化合物を上げることがでる。
Mn[Fe(CN)5X] ……(II) (式中、Mはアルカリ金属を示し、nは2〜5の正数
を示す。XはH2O、ハロゲン原子、SO3、SO4、SCN、CN、
CO、NH3、NO2またはNOを示す。) (iii)のコバルト(II)錯体の例としては、配位子
がエチレンジアミン四酢酸、CyDTA、ジアミノプロパノ
ール四酢酸、エチレンジアミン二酢酸またはジアミノプ
ロパン四酢酸である化合物を上げることができる。
次に、本発明の抱合型ビリルビン定量方法について説
明する。
本発明において、抱合型ビリルビンの定量を行う検体
としては、一般にビリルビンを含有する水性検体であ
り、例えば、血清、血漿、胆汁等が挙げられ、これらは
必要により希釈されたり、前処理されていてもよい。
又、用いることのできるビリルビンオキシダーゼとし
てはミロセシウム属微生物由来のものの他、アガリカス
ビスポーラス由来のもの等その由来に関係なく、一般に
ビリルビンオキシダーゼとして用いられる酵素であれば
いずれでもよいが、ミロセシウム属微生物由来のものは
入手し易く、取扱い易い。
本発明の抱合型ビリルビン定量方法は基本的に、ビリ
ルビン含有水性検体(以下、単に検体と略称す。)に、
非抱合型ビリルビンが反応しないような低いpH領域下で
ビリルビンオキシダーゼを作用させ、反応促進剤で該オ
キシダーゼで起る酵素反応を抱合型ビリルビンに対し選
択的に促進し、所定時間経過後に吸光度変化を測定する
ことにより抱合型ビリルビンを定量するというものであ
る。これは酵素反応によりビリルビンが酸化を受けビリ
ベルジンに変化し、吸光特性が変化することに基づいて
いる。
尚、ビリルビンオキシダーゼの至適pHは6〜7、至適
温度は40℃付近であるが、非抱合型ビリルビンの酵素反
応を抑制するため、該反応が阻害される低いpH領域で測
定を行う。本発明においては、低いpH領域においても高
い反応性を保持できるため実用上ほとんど制限されるも
のではないが、好ましくはpHを2.5〜4.0に調節すること
により、遊離型である非抱合型ビリルビンの反応を抑止
し、抱合型ビリルビンを選択的かつ速やかに測定するこ
とができる。
一方、検体中のビリルビンはpHにより吸光特性が変化
するため、測定中は反応液のpHは一定に保つことが必要
である。このため、一般に酵素反応によりビリルビンを
定量する場合は、緩衝液を用いる。本発明で用いること
のできる緩衝液としては、pHが2.5〜4.0程度のものであ
ればいずれでもよく、例えばクエン酸緩衝液、乳酸緩衝
液等を用いることができる。
すなわち本発明において、検体中の抱合型ビリルビン
量を定量するのに用いる試薬は、基本的に(a)緩衝液
(b)反応促進剤(c)ビリルビンオキシダーゼの3つ
で構成される。
上記3つの試薬をどのような手順及び形態で検体に加
えるかは用いる反応促進剤とビリルビンオキシダーゼ、
又は反応促進剤同士の反応性及び測定の便宜等により設
定する。
反応促進剤である前記アニリン類、ペンタシアノ鉄錯
塩およびコバルト(II)錯体のうち、アニリン類および
ペンタシアノ鉄錯塩は、ビリルビンオキシダーゼにそれ
ぞれ単独で配合しても、ビリルビンオキシターゼのビリ
ルビンの酸化反応に対する反応促進剤として有用であ
る。コバルト(II)錯体は、ビリルビンオキシダーゼに
単独で配合した場合には、何らの効果も示さないが、ペ
ンタシアノ鉄錯塩と併用することにより、ペンタシアノ
鉄錯塩を単独で配合した場合よりも、より顕著な反応促
進効果を得ることができる。
さらに、アニリン類およびペンタシアノ鉄錯塩および
コバルト(II)錯体の3種を組み合わせてビリルビンオ
キシダーゼに配合することにより、pH2.5〜4.0でより迅
速かつ選択的に抱合型ビリルビンを測定することができ
る。
アニリン類、特にm−トルイジン誘導体は、pH2.5〜
4.0で、抱合型ビリルビン測定に対する反応促進効果の
他に、間接型ビリルビンの反応を阻害する効果を有して
おり、間接型ビリルビンの反応阻害剤としても有用であ
る。
ここで、アニリン類はビリルビンオキシダーゼと長時
間接触すると酵素反応により酸化され着色したりするた
め、検体に投入される前まではビリルビンオキシダーゼ
と分離しておく必要がある。
一方、ペンタシアノ鉄錯塩はpH安定性が低いため、前
記酸性緩衝液と一緒にしておくことは好ましくない。
本発明においては、反応促進剤(i)〜(iii)のす
べてを用いる必要はなく、(i)のアニリン類と(ii)
のペンタシアノ鉄錯塩はそれぞれ独立に用いることがで
きるが、例えば、(i)〜(iii)のすべてを用いた場
合は(1種しか用いない場合も同様の要領で試薬を分け
る。)、前記試薬を用いる態様として、次に示すものが
挙げられる。
(1)検体に、アニリン類、コバルト(II)錯体を含有
したpH2.5〜4.0の緩衝液(第1試薬)を加え予備加温
後、ペンタシアノ鉄錯塩を含有したビリルビンオキシダ
ーゼ溶液(第2試薬)を加える(2試薬系)。
(2)検体に、pH2.5〜4.0の緩衝液(第1試薬)を加え
予備加温後、アニリン類、コバルト(II)錯体を含有し
た溶液(第2試薬)とペンタシアノ鉄錯塩を含有したビ
リルビンオキシターゼ溶液(第3試薬)を同時に加える
(3試薬系)。
特に、自動分析装置により、ビリルビンを定量する場
合には、2試薬系である(1)が好適であり、測定の迅
速化を図ることができる。
ここで、ペンタシアノ鉄錯塩を溶液する溶媒は、安定
性の点で好ましくは緩衝液でありpH6〜9程度のもので
あるが水溶液でもよい。この程度のpH領域はビリルビン
オキシダーゼにも好適であり、2つを1つの溶液に溶解
することは都合がよい。このような緩衝液としてはトリ
ス−塩酸緩衝液、リン酸緩衝液等、いずれも用いること
ができる。ビリルビンオキシダーゼの溶解には上記緩衝
液の他、水溶液を用いてもよい。尚、本発明において、
酵素反応に要求されるpH領域は、2.5〜4.0であり、緩衝
液による緩衝作用は反応液(すなわち、すべての必要な
試薬を検体に加えたもの)でも維持されている必要があ
るため、ペンタシアノ鉄錯塩又はビリルビンオキシダー
ゼを溶解する溶液のpH等は加える量等により予め適当に
調整しておくとよい。
反応促進剤としてアニリン類を用いる場合の用量は反
応促進効果を奏する量であればよいが、反応液中の濃度
(最終濃度)として通常0.1〜100mM、好ましくは5〜20
mMである。
ペンタシアノ鉄錯塩を用いる場合の用量は同様に1μ
M〜500μM、好ましくは10μM〜100μMである。
同様に、コバルト(II)錯体の用量は1μM〜500μ
M、好ましくは10μM〜100μMである。
ビリルビンオキシダーゼの使用量は、基本的に検体中
に存在するビリルビンの量により異なるが、通常、最終
濃度として0.05〜1.0U/ml使用するのが好ましい。
上記それぞれの最終濃度は、反応液中での濃度であり
試薬溶液中の濃度及び試薬溶液の量は特に限定されな
い。ビリルビンオキシダーゼは水性溶液に相当量溶解す
るため(例えば100U/ml以上)、溶解性からの制約はな
く、この意味で各試薬溶液の割合は、所望のpH領域にな
れば、測定の操作上の便宜により設定することができ
る。自動測定装置を用いる場合は、前記(1)の2試薬
系を用い、第1試薬と第2試薬との比は、通常、5:1か
ら1:1程度が実用的である。
上述測定方法の具体的操作としては、前記(1)の2
試薬系の場合、ビリルビン含有水性検体に第1試薬を所
定量加え、予備加温後(例えば37℃、3分間)、所定量
の第2試薬を加え、反応液のpHを2.5〜4.0の範囲に保っ
て検体中に存在していた抱合型ビリルビンを酵素反応に
より酸化する。この際、反応液中の抱合型ビリルビンの
減少を比色定量すれば、結果的に検体中の抱合型ビリル
ビン量を測定することができる。本発明の方法によれば
ビリルビンオキシダーゼ装入後、1〜2分間程度で正確
な定量が可能となる。
本発明のビリルビン定量用試薬を自動測定装置等に適
用するには、キットとして取扱うと実用上非常に便利で
ある。すなわち、前記(i)又は(ii)の少なくとも1
つから成る反応促進剤とビリルビンオキシダーゼを含む
2試薬系の抱合型ビリルビン比色定量用キットであっ
て、(i)及び(iii)を含んでいてもよいpH2.5〜4.0
の緩衝液を第1試薬、(ii)を含んでいてもよいビリル
ビンオキシダーゼ含有溶液(pH6〜9)を第2試薬とす
るとよい。
尚、ビリルビンオキシダーゼは安定性が比較的低いた
め、溶液状態で保存することは好ましくなく、測定の直
前に調製するとよい。又、各成分はそれらの最終濃度が
前述した範囲内になるように調整し、かつ緩衝液のpHが
所定の範囲内になるようにする。例えば、検体10〜100
μlに対して、第1試薬としてアニリン類を0.2〜200m
M、コバルト(II)錯体を2〜1000μM含有しているpH
2.5〜4.0の緩衝液2ml、第2試薬としてペンタシアノ鉄
錯塩を6〜3000μM、ビリルビンオキシダーゼを0.3〜6
U/ml含有しているpH6〜9の緩衝液0.3ml〜2ml程度を用
いるとよい、ビリルビンオキシダーゼの量は検体中に存
在する抱合型ビリルビン量により調整すればよいが、血
清等を検体とする場合には通常、上記範囲内の程度でよ
い。
尚、比色定量は常法によって行うことができ、例え
ば、市販の分光光度計(例えば日立U-3200形自記分光光
度計)を用い、波長400〜480nmにて試薬盲検を対照にし
て吸光度を測定する。この際、対照として既知濃度の抱
合型ビリルビン含有検体(以下、標準という)を用い、
同様に吸光度を測定し、さらに検体盲検として検体血清
および標準にビリルビンオキシダーゼを含まない緩衝液
を添加したものについて同様に吸光度を測定し、これら
に基づいて下記式より抱合型ビリルビン濃度(mg/dl)
を算出すれば、抱合型ビリルビンを定量することができ
る。
式中、AB :検体血清の吸光度(検体盲検) AT :検体血清の吸光度(酵素反応したもの) ASB :標準の吸光度(検体盲検) AST :標準の吸光度(酵素反応したもの) X :標準中の抱合型ビリルビン濃度(mg/dl) 〔実施例〕 次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 オメガ社ビリルビンコントロール50μlに、N−エチ
ル−N−(β−メチルスルホンアミドエチル)−m−ト
ルイジン10mMおよびコバルト(II)エチレンジアミン四
酢酸錯体500μMを含有する0.1Mクエン酸緩衝液(第1
試薬:pH2.5,3,3.3,3.5または4.0)2mlを加え、3分間予
加温後、ペンタシアノアクア鉄(II)酸ナトリウム50μ
Mおよびビリルビンオキシダーゼ2U/mlを含む20mMトリ
ス−塩酸緩衝液(第2試薬)0.5mlを加え、37℃で波長4
50nmにおける反応曲線の測定を行った。また、この際N
−エチル−N−(β−メチルスルホンアミドエチル)−
m−トルイジンおよびコバルト(II)エチレンジアミン
四酢酸錯体を含まないクエン酸緩衝液およびペンタシア
ノアクア鉄(II)酸ナトリウムを含まないトリス−塩酸
緩衝液を用いた場合についても同様に測定を行い、比較
をした。得られた反応曲線を第1図(a)〜(e)に示
す。
ビリルビンオキシダーゼに、反応促進剤としてN−エ
チル−N−(β−メチルスルホンアミドエチル)−m−
トルイジンおよびコバルト(II)エチレンジアミン四酢
酸錯体およびペンタシアノアクア鉄酸ナトリウムの3種
の組み合わせを用いた場合は、pH2.5〜4.5において非常
に速やかに抱合型ビリルビンの測定を行うことが可能で
あり、特にビリルビンオキシダーゼ単独では、ほとんど
反応が進行しないまたは反応が非常に遅い、pH2.5〜3.3
においても反応は非常に速やかである。また、ビリルビ
ンオキシダーゼ単独の場合に間接型ビリルビンの反応が
見られるpH4においても、抱合型ビリルビンに対する反
応は速やかかつ特異的であり、間接型ビリルビンの反応
は全く見られない。
実施例2 オメガ社ビリルビンコントロール50μlに、N−エチ
ル−N−(β−メチルスルホンアミドエチル)−m−ト
ルイジン10mMを含有する0.1Mクエン酸緩衝液(第1試
薬:pH3.0,3.3,3.5,または4.0)2mlを加え、3分間予加
温後、これに2U/mlビリルビンオキシダーゼ水溶液(第
2試薬)0.5mlを加え、37℃で波長450nmにおける反応曲
線の測定を行った。また、この際N−エチル−N−(β
−メチルスルホンアミドエチル)−m−トルイジンを含
まない緩衝液についても同様に測定を行い、反応時間を
比較した。得られた反応曲線を第2図(a)〜(d)に
示す。
図からもわかるように反応促進剤を加えたものは反応
が速やかに進行し、かつ、(d)で明らかであるが非抱
合型ビリルビンの反応を阻害する効果も認められ、抱合
型ビリルビンの正確な測定が実現できた。
実施例3 下記の第1試薬、第2試薬を用い、標準液および抱合
型ビリルビン溶液(ジタウロビリルビン溶液約30mg/d
l)を5段希釈した液を各々検体として測定し、試薬の
直線性を検討した。
(試薬組成) 第1試薬:0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0) 10mM N−エチル−N−(β−メチルスルホンアミドエ
チル)−m−トルイジン 50μMコバルト(II)エチレンジアミン四酢酸錯体 第2試薬:20μMトリス−塩酸緩衝液(pH9.0) 2U/mlビリルビンオキシダーゼ 50μMペンタシアノアクア鉄(II)酸ナトリウム (測定法および結果) 検体14μlに第1試薬400μlを加え37℃で5分間反
応させる。5分後に吸光度を測定する(A )。次に、
該当反応液に第2試薬を加え、37℃で5分間反応させ、
吸光度を測定する(A )。吸光度差=A −A を求
め、標準液(抱合型ビリルビン既知濃度)との吸光度差
と比較して抱合型ビリルビン濃度を求めた。なお、測定
には日立705形自動分析装置(日立製作所)を使用し、
測定波長は主波長450nm、副波長546nmの2波長で行っ
た。
その結果第3図に示す如く、約30mg/dlまでの直線性
が明かであった。
実施例4 下記の第1試薬、第2試薬を用い、標準液および抱合
型ビリルビン溶液(ジタウロビリルビン溶液約30mg/d
l)を5段希釈した液を各々検体として測定し、試薬の
直線性を検討した。
(試薬組成) 第1試薬:0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.2) 10mM N−エチル−N−(β−メチルスルホンアミドエ
チル)−m−トルイジン含有。
第2試薬:2U/mlビリルビンオキシダーゼ水溶液 (測定法および結果) 検体14μlに第1試薬400μlを加え37℃で5分間反
応させる。5分後に吸光度を測定する(A )。次に、
該当反応液に第2試薬100μlを加え、37℃で5分間反
応させ、吸光度を測定する(A )。吸光度差=A
を求め、標準液(抱合型ビリルビン既知濃度)との
吸光度差と比較して抱合型ビリルビン濃度を求めた。な
お、測定には日立705形自動分析装置(日立製作所)を
使用し、測定波長は主波長450nm、副波長546nmの2波長
で行った。
その結果第4図に示す如く、約30mg/dlまでの直線性
が明かであった。
実施例5 本発明による酵素法と従来法であるジアゾ法とを比較
し抱合型ビリルビン定量値の相関を求めた。すなわち、
検体(血清)14μlに下記第1試薬400μlを加え37℃
で5分間反応させる。5分後に吸光度を測定する
(A )。次に、該当反応液に下記第2試薬100μlを
加え、37℃で5分間反応させ、吸光度を測定する
(A )。吸光度差=A −A を求め、標準液(抱合
型ビリルビン既知濃度)との吸光度差と比較して抱合型
ビリルビン濃度を求めた。なお、測定には日立705形自
動分析装置(日立製作所)を使用し、測定波長は主波長
450nm、副波長546nmの2波長で行った。
試薬組成 第1試薬:0.1Mクエン酸緩衝液(pH3.0) 10mM N−エチル−N−(β−メチルスルホンアミドエ
チル)−m−トルイジン 50μMコバルト(II)エチレンジアミン四酢酸錯体 第2試薬:20mMトリス−塩酸緩衝液(pH9) 2U/mlビリルビンオキシダーゼ 50μMペンタシアノアクア鉄(II)酸ナトリウム 結果は下記及び第5図に示すように、相関係数r=0.
9969と極めて高い相関性が認められた。
データ数:N=40 相関係数:r=0.9969 平均値 :X(酵素法)=2.188mg/dl :Y(ジアゾ法)=2.238mg/dl 回帰式 :Y=1.007X+0.034 Syx=0.2770 差の検定:t(0.05)=2.021; t(計算値)=0.065(有意差なし) 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば、ビリルビンオ
キシダーゼに、反応促進剤としてアニリン類、ペンタシ
アノ鉄錯塩、コバルト(II)錯体を単独又は組み合せて
配合することにより、酵素反応を抱合型ビリルビンに対
して選択的に促進させることが可能となるため、検体中
のビリルビン量を正確に、かつ迅速に測定することがで
き、測定の自動化を容易に図ることができる。又、本発
明の各試薬をキットとすることで取扱いが簡単になる
等、本発明は実用上非常に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で行った抱合型ビリルビン測定結果を
吸光度の変化で示した図であり、(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)はそれぞれ第1試薬の緩衝液の
pHが2.5,3.0,3.3,3.5,4.0のときの図、第2図は実施例
2で行なった抱合型ビリルビン測定結果を吸光度の変化
で示した図であり、(a)、(b)、(c)、(d)は
それぞれ緩衝液のpHが3.0,3.3,3.5のときの図、第3及
び第4図はそれぞれ実施例3及び4で行なった検体を希
釈した際の測定の直線性を示す図、第5図は実施例5で
行なった従来法(ジアゾ法)と本発明による酵素法との
相関を示す図である。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビリルビン含有水性検体にビリルビンオキ
    シダーゼを作用させ、それにより生ずるビリルビンの変
    化を光学的に測定することにより該検体中の抱合型ビリ
    ルビン量を定量する方法において、ビリルビンオキシダ
    ーゼによる酵素反応を、下記(i)又は(ii)の少なく
    とも1つから成る反応促進剤により促進させることを特
    徴とする抱合型ビリルビン比色定量法。 (i)一般式(I)で表わされるアニリン類 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭
    素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スル
    ホアルキル基、ヒドロキシスルホアルキル基若しくはス
    ルホンアミドアルキル基を示す。R3およびR4はそれぞれ
    独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素
    数1〜4のアルコキシル基を示す。) (ii)ペンタシアノ鉄錯塩
  2. 【請求項2】前記ペンタシアノ鉄錯塩にコバルト(II)
    錯体を組み合せる請求項1に記載の抱合型ビリルビン比
    色定量法。
  3. 【請求項3】ビリルビン含有水性検体に、前記アニリン
    類及びコバルト(II)錯体を含んでいてもよい緩衝液を
    加え、予備加温後、前記ペンタシアノ鉄錯塩を含んでい
    てもよいビリルビンオキシダーゼ含有溶液を加える請求
    項1又は2に記載の抱合型ビリルビン比色定量法。
  4. 【請求項4】下記(i)又は(ii)の少なくとも1つか
    ら成る反応促進剤とビリルビンオキシダーゼとを組み合
    せて成る、ビリルビン含有水性検体中の抱合型ビリルビ
    ン比色定量用試薬。 (i)一般式(I)で表わされるアニリン類 (式中、R1およびR2はそれぞれ独立に、水素原子又は炭
    素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、スル
    ホアルキル基、ヒドロキシスルホアルキル基若しくはス
    ルホンアミドアルキル基を示す。R3およびR4はそれぞれ
    独立に、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基又は炭素
    数1〜4のアルコキシル基を示す。) (ii)ペンタシアノ鉄錯塩
  5. 【請求項5】前記ペンタシアノ鉄錯塩にコバルト(II)
    錯体を組み合せる請求項4に記載の抱合型ビリルビン比
    色定量用試薬。
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