JP2880209B2 - 総ビリルビンの定量法及びそれに用いる試薬 - Google Patents

総ビリルビンの定量法及びそれに用いる試薬

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はビリルビンを酵素的に定量する方法及び、そ
れに用いる定量用試薬に関し、特に血清中等の総ビリル
ビンの定量方法に関する。
〔従来技術〕
ビリルビンは胆汁中に最も多く存在する色素で、主と
して老廃赤血球の崩壊により生成される血色素から作ら
れ、血清中では主にグルクロン酸と結合した抱合型ビリ
ルビン(直接型ビリルビン)またはアルブミンと結合し
た非抱合型ビリルビン(間接型ビリルビン)として存在
する。抱合型ビリルビンと非抱合型ビリルビンを合わせ
たものを総ビリルビンと呼んでいる。
抱合型ビリルビン、非抱合型ビリルビンの血清中存在
量から、肝機能障害の分別診断および肝機能障害の程度
を知ることが可能であるため、ビリルビンの定量は臨床
的に極めて重要である。
従来、ビリルビンの定量法としては、ビリルビンとジ
アゾ試薬の反応で生成するアゾビリルビンを比色定量す
る方法(金井 泉:臨床検査法提要金原出版 ページ
XII-24 昭和53年)などの化学的測定法が主に用いられ
ている。しかし、これらの方法は、ジアゾ試薬が検体中
に存在するビリルビン以外の生体成分と反応するため正
確性に欠けるなど問題がある。
一方、酵素を用いたビリルビンの定量法としては、タ
イ−ウイング・ウらによる菌茸由来のビリルビンオキシ
ターゼを用いビリルビンを酸化させ、このときの吸光度
の減少を測定し定量する方法(特開昭56-27656)や、村
尾らによるミロセシウム属(Myrothecium)の微生物由
来のビリルビンオキシダーゼを用い同様にビリルビンの
吸光度の減少を測定し定量する方法(特開昭57-15948
7)などが報告されている。
[発明が解決しようとする課題] このような酵素を用いたビリルビンの定量法は前記ジ
アゾ試薬を用いる方法に比べ、正確性、分析精度などの
点で優れたものであるが、多量の酵素を必要とするため
試薬の価格が高く、また長い反応時間(15〜30分間程
度)が必要であるため測定の自動化が困難であるなどの
問題があった。
一方、上記酵素反応による定量法の改良方法も研究さ
れており、例えば、コール酸ナトリウム、サルファ剤等
の反応促進物質をビリルビンオキシダーゼと併用するこ
とにより、ビリルビンの酵素反応性を向上させる(特公
昭62-33880他)ことが知られている。しかしながら、こ
れらによる反応促進効果は不十分であり、若干の反応時
間の短縮が可能であるものの、自動化に適応するまでに
は至っていなかった(10分程度の反応時間が必要)。
本発明は上記従来技術の実情に鑑み成されたものであ
り、酵素反応に基づく総ビリルビンの定量を短時間にか
つ正確に行うことのできる方法及び試薬を提供するもの
である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らは、前記の問題点を克服するために、鋭意
研究を行った結果ビリルビンオキシターゼに特定のフェ
ノール類または/およびアニリン類を併用することによ
り、酵素反応を著しく促進させることができることを見
出し本発明を完成したのである。
すなわち、本発明は、ビリルビン含有水性検体にビリ
ルビンオキシダーゼを作用させ、それにより生ずるビリ
ルビンの変化を光学的に測定することにより該検体中の
総ビリルビンを定量する方法において、ビリルビンオキ
シダーゼによる酵素反応を、一般式(I)で表わされる
フェノール類および一般式(II)で表わされるアニリン
類から成る群より選ばれる1種又は2種以上の化合物に
より促進させることを特徴とする総ビリルビンの定量方
法、 (式中、R1〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲ
ン原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のア
ルコキシル基、水酸基又はカルボキシル基を示す。但
し、R3がカルボキシル基および水酸基であるものを除
く。) (式中、R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、又
は炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、
スルホアルキル基、ヒドロキシスルホアルキル基若しく
はスルホナミドアルキル基を示す。R8およびR9はそれぞ
れ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のア
ルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシル基を示す。) 及び、上記で示されるフェノール類およびアニリン類
から成る群より選ばれる1種又は2種以上の化合物とビ
リルビンオキシダーゼとを少なくとも組み合わせて成る
ビリルビン含有水性検体中の総ビリルビン比色定量用試
薬である。
本発明によれば、従来知られていた酵素による総ビリ
ルビン定量法に比べ、短時間に安定して正確な総ビリル
ビン(以下、特に記載がなければビリルビンと称す。)
量を測定することができ、測定の自動化を容易に図るこ
とが可能となる。
一般式(I)で示されるフェノール類及び一般式(I
I)で示されるアニリン類はビリルビンオキシダーゼに
よる酵素反応を促進する化合物(以下、酵素反応促進剤
と略称する。)であるが、これらは公知のコール酸ナト
リウム等の直接化剤とは異なり、直接型ビリルビンに対
しても有効な酵素反応促進効果を奏する。その作用機序
については不明であるが、前記フェノール類又はアニリ
ン類は電子供与体としての性質があり、ビリルビンオキ
シダーゼの電子伝達系に作用し、その結果、ビリルビン
の酸化反応を促進するものと考えられる。
本発明で用いることのできる酵素反応促進剤は一般式
(I)および(II)で示されるフェノール類およびアニ
リン類であるが、特に、モノまたはジ置換フェノール誘
導体、フェノール、モノまたはジ置換アニリン誘導体及
びアニリンでは良好な効果を得ることができる。これら
の化合物の例としては、以下の表に示すものを挙げるこ
とができる。
表中、記載が無い場合は水素である。
次に、本発明のビリルビン定量方法について説明す
る。
本発明において、ビリルビンの定量を行う検体として
は、一般にビリルビンを含有する水性検体であり、例え
ば、血清、血漿、胆汁等が挙げられ、これらは必要によ
り希釈されたり、前処理されていてもよい。
又、用いることのできるビリルビンオキシダーゼとし
てはミロセシウム属微生物由来のものの他、アガリカス
ビスポーラス由来のもの等その由来に関係なく、一般に
ビリルビンオキシダーゼとして用いられる酵素であれば
いずれでもよいが、ミロセシウム属微生物由来のものは
入手し易く、取扱い易い。
本発明のビリルビン定量方法は基本的にビリルビン含
有水性検体(以下、単に検体と略称す。)にビリルビン
オキシダーゼを作用させ、酵素反応促進剤で該オキシダ
ーゼで起る酵素反応を促進し、所定時間経過後に吸光度
変化を測定することにより総ビリルビンを定量するとい
うものである。これは酵素反応によりビリルビンが酸化
を受けビリベルジンに変化し、吸光特性が変化すること
に基づいている。
一般的にビリルビンオキシダーゼの至適pHは6〜7、
至適温度は40℃付近であるが、本発明の促進剤を用いる
ことにより、pH5〜11で顕著な反応促進効果を得ること
ができる。一方、検体中のビリルビンはpHにより吸光特
性が変化するため、測定中は反応液のpHは一定に保つこ
とが必要である。このため、一般に酵素反応によりビリ
ルビンを定量する場合は、緩衝液を用いる。本発明で用
いることのできる緩衝液としてはpHが5〜11程度のもの
であればいずれでもよく、例えばトリス−塩酸緩衝液、
リン酸緩衝液等を用いることができる。すなわち、総ビ
リルビンを定量するには、直接型及び間接型ビリルビン
の両者を定量しなければならないが、間接型ビリルビン
は低いpH領域(例えばpH4以下)ではほとんど酵素反応
を受けなくなるため、反応液のpHは5〜11、好ましくは
7〜10程度に設定しておくとよい。
本発明において、検体中のビリルビン量を定量するの
に用いる試薬は、基本的に(i)緩衝液(ii)酵素反応
促進剤(iii)ビリルビンオキシダーゼの3つで構成さ
れる。
上記3つの試薬をどのような手順及び形態で検体に加
えるかは、特に制限はないが、酵素反応促進剤とビリル
ビンオキシダーゼとが長時間接触すると該促進剤が酵素
反応により酸化され着色したりするため、前記2つの試
薬は検体に投入される前までは分離しておく必要があ
る。
本発明において上記試薬を用いる態様としては次に示
すものがある。
(1)検体に、酵素反応促進剤を含有した緩衝液を加え
予備加温後、ビリルビンオキシダーゼ溶液を加える(2
試薬系)。
(2)検体に、緩衝液を加え予備加温後、酵素反応促進
剤溶液とビリルビンオキシダーゼ溶液を同時に加える
(3試薬系)。
特に、自動分析装置によりビリルビンを定量する場合
には、2試薬系である(1)が好適であり、測定の迅速
化を図ることができる。ここで、酵素反応に要求される
pH領域は、総ビリルビンの場合、5〜11であるので緩衝
液にる緩衝作用は反応液(すなわち、すべての必要な試
薬を検体に加えたもの)でも維持されている必要があ
る。このため、酵素反応促進剤又はビリルビンオキシダ
ーゼを緩衝液とは別に加えかつそれらが溶液として量的
に多い場合は、所定のpH領域を維持することができなく
なるので、この場合、必要により前記成分を適当な緩衝
液に溶解して加えるとよい。いずれにせよ、酵素反応促
進剤は反応系で溶解している必要があり、反応液のpH帯
等により適宜選択して用いる。又、ビリルビンオキシダ
ーゼは水溶液でもよく、緩衝液を用いる場合はpH6〜9
程度の範囲とするとよい。
総ビリルビンの定量を行う場合の、フェノール類の用
量は、酵素反応の促進効果を奏する量であればよいが、
反応液中の濃度(最終濃度)として通常0.1〜50mM、好
ましくは1〜15mMがよい。アニリン類は同様に0.001〜5
0mM、好ましくは0.05〜10mMがよい。
ビリルビンオキシダーゼの使用量は、基本的に、検体
中に存在するビリルビンの量により異なるが、通常最終
濃度として0.05〜1.0U/ml使用するのが好ましい。
上記それぞれの最終濃度は、反応液中での濃度であ
り、試薬溶液中の濃度及び試薬溶液の量は特に限定され
ない。ビリルビンオキシダーゼは水性溶液に相当量溶解
するため(例えば100U/ml以上)、溶解性からの制約は
なく、この意味で各試薬溶液の割合は、所望のpH領域に
なれば、測定の操作上の便宜により設定することができ
る。自動分析装置を用いる場合は、前記(1)の2試薬
系を用い、酵素反応促進剤含有緩衝液とビリルビンオキ
シダーゼ溶液との比は、通常、5:1から1:1程度が実用的
である。
尚、本発明においては、反応液中に公知の直接化剤等
反応促進剤を加えてもよい。例えば、コール酸ナトリウ
ム、ドデシル硫酸ナトリウム等を緩衝液に存在させてお
くことができる。これらの反応促進剤を用いる場合は通
常0.1〜1%程度でよい。
上述測定方法の具体的操作としては、前記(1)の2
試薬系の場合、ビリルビン含有水性検体に酵素反応促進
剤含有緩衝液を所定量加え、予備加温後(例えば37℃、
3分間)、所定量のビリルビンオキシダーゼ溶液を加
え、反応液のpHを5〜11の範囲に保って検体中に存在し
ていたビリルビンを酵素反応により酸化する。この際、
反応液中のビリルビンの減少を比色定量すれば、結果的
に検体中のビリルビン量を測定することができる。本発
明の方法によればビリルビンオキシダーゼ装入後、1〜
2分間程度で正解な定量が可能となる。
尚、間接型ビリルビンの安定性はpHにより異なり低い
pHでは酵素反応を受けにくくなるため、アニリン類、特
にm−トルイジン誘導体(前記の表、A1,A5,A10,A18)
を用い、pHを3.0〜4.0に調節することにより、直接型ビ
リルビンの分別測定に対しても、非常に有効な反応促進
剤となり得る。
本発明のビリルビン定量用試薬を自動分析装置等に適
用するには、キットとして取扱うと実用上非常に便利で
ある。すなわち、前記一般式(I)及び(II)で表わさ
れるフェノール類およびアニリン類から成る群より選ば
れる1種又は2種以上の化合物を少なくとも溶解してい
る緩衝液を第1試薬、ビリルビンオキシダーゼ溶液を第
2試薬としたビリルビン定量用キットを用いると操作を
簡単化することができる。尚、ビリルビンオキシダーゼ
は安定性が比較的低いため、溶液状態で保存することは
好ましくなく、測定の直前に調製するとよい。この場合
の溶液は前述したようにpH6〜9程度の緩衝液か水溶液
でもよい。又、各成分はそれらの最終濃度が前述した範
囲内になるように調整し、かつ緩衝液のpHが所定の範囲
内になるようにする。例えば、検体10〜100μlに対し
て、第1試薬としてフェノール類を0.2〜100mM又は/及
びアニリン類を0.002〜100mM含有しているpH5〜11の緩
衝液2ml(さらにコール酸ナトリウム等を含有していて
もよい)、第2試薬としてビリルビンオキシダーゼを0.
3〜6U/ml含有している水溶液0.3ml〜2ml程度を用いると
よい。ビリルビンオキシダーゼの量は検体中に存在する
ビリルビン量により調整すればよいが、血清等を検体と
する場合には通常、上記範囲内の程度でよい。
尚、比色定量は常法によって行うことができ、例え
ば、市販の分光光度計(例えば日立U-3200形自記分光光
度計)を用い、波長400〜480nmにて試薬盲検を対照にし
て吸光度を測定する。この際、対照として既知濃度のビ
リルビン含有血清(以下、標準という)を用い、同様に
吸光度を測定し、さらに検体盲検としてこれら検体血清
および標準にビリルビンオキシダーゼを含まない緩衝液
を添加したものについて同様に吸光度を測定し、これら
に基づいて下記式よりビリルビン濃度(mg/dl)を算出
すれば、ビリルビンを定量することができる。
式中、AB :検体血清の吸光度(検体盲検) AT :検体血清の吸光度(酵素反応したもの) ASB :標準の吸光度(検体盲検) AST :標準の吸光度(酵素反応したもの) X :標準中のビリルビン濃度(mg/dl) 〔実施例〕 次に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。
実施例1 ビリルビン溶液(メルク社製結晶ビリルビン15mg/d
l)50μlに2,4−ジクロロフェノール5mMを含有するBri
tton-Robinsonの広域緩衝液(第1試薬:pH5、6、7、
8、9、10または11)2mlを加え3分間予備加温後、こ
れに3U/mlのビリルビンオキシダーゼ水溶液(第2試
薬)0.5mlを加え37℃で波長450nmにおける反応曲線の測
定を行った。また、この際2,4−ジクロロフェノールを
含まないBritton-Robinsonの広域緩衝液を用いた場合に
ついても同様に測定を行い、反応時間を比較した。得ら
れた反応曲線を第1図(a)〜(g)に示す。
2,4−ジクロロフェノールはpH5〜11において反応促進
効果を示し、特にpH7〜10において顕著であった。
実施例2 検体血清50μlに3,5−ジメチルフェノール5mMおよび
0.5%コール酸ナトリウムを含有する0.2mMトリス−塩酸
緩衝液(第1試薬:pH7、8、または9)2mlを加え3分
間予備加温後、これに3U/mlビリルビンオキシダーゼ水
溶液(第2試薬)0.5mlを加え37℃で波長450nmにおける
反応曲線の測定を行った。また、この際3,5−ジメチル
フェノールを含まない緩衝液についても同様に測定を行
い、反応時間を比較した。得られた反応曲線を第2図
(a)〜(c)に示す。実施例1と同様の効果が得られ
た。
実施例3 検体血清50μlにN−エチル−N−(2−ヒドロキシ
−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン5mMお
よび0.5%コール酸ナトリウムを含有する0.2Mトリス−
塩酸緩衝液(第1試薬:pH7、8、または9)2mlを加え
3分間予備加温後、これに3U/mlビリルビンオキシダー
ゼ水溶液(第2試薬)0.5mlを加えて37℃で波長450nmに
おける反応曲線の測定を行った。また、この際N−エチ
ル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,
5−ジメチルアニリンを含まない緩衝液についても同様
に測定を行い、反応時間を比較した。得られた反応曲線
を第3図(a)〜(c)に示す。実施例1と同様の効果
が得られた。
実施例4 下記の第1試薬、第2試薬を用い、標準液および高ビ
リルビン血清を5段希釈した液を各々検体として測定
し、試薬の直線性を検討した。
(試薬組成) 第1試薬:0.1Mトリス−塩酸緩衝剤(pH8.5)5mM 3,5−
ジメチルフェノール、0.5%コール酸ナトリウム含有。
第2試薬:3U/mlビリルビンオキシダーゼ水溶液 (測定および結果) 検体14μlに第1試薬400μlを加え37℃で5分間反
応させる。5分後に吸光度を測定する(A )。次に、
該当反応液に第2試薬100μlを加え、37℃で5分間反
応させ、吸光度を測定する(A )。吸光度差=A
を求め、標準液(ビリルビン既知濃度)との吸光度
差と比較してビリルビン濃度を求めた。なお、測定には
日立705形自動分析装置(日立製作所)を使用し、測定
波長は主波長450nm、副波長660nmの2波長で行った。
その結果第4図に示す如く、約35mg/dlまでの直線性
が明かであった。
実施例5 本発明によるビリルビン定量値と従来法であるジアゾ
法による定量値を比較した。すなわち、検体(血清)14
μlに下記第1試薬400μlを加え37℃で5分間反応さ
せる。5分後に吸光度を測定する(A )。次に該当反
応液に下記第2試薬100μlを加え、37℃で5分間反応
させ、吸光度を測定する(A )。吸光度差=A −A
を求め、標準液(総ビリルビン既知濃度)との吸光度
差と比較して総ビリルビン濃度を求めた。なお、測定に
は日立705形自動分析装置(日立製作所)を使用し、測
定波長は主波長450nm、副波長660nmの2波長で行った。
試薬組成 第一試薬 0.15M トリス−塩酸緩衝液(pH8.5) 10mM 3,5−ジメチルフェノール 0.5% コール酸ナトリウム 第二試薬 20mM トリス−塩酸緩衝液(pH9.0) 4U/ml ビリルビンオキシダーゼ 結果は下記及び第5図に示すように、相関係数r=0.
9979と極めて高い相関性が認められた。
データ数:N=40 相関係数:r=0.9979 平均値 :X(酵素法)=3.378mg/dl Y(ジアゾ法)=3.010mg/dl 回帰式 :Y=0.967X−0.256 Syx=0.3790 差の検定:t(0.05)=2.021; t(計算値)=0.283(有意差なし) 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明によれば、特定のフェノ
ール類又はアニリン類を用いることによりビリルビンオ
キシダーゼによる酵素反応を促進することが可能となる
ため、肝機能障害の診断に利用できる総ビリルビン量を
正確に、かつ迅速に測定することができ、測定の自動化
を容易に図ることができる。又本発明の各試薬をキット
とすることで取扱いが簡単になる等、本発明は実用上非
常に有用なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例1で行なった総ビリルビン測定結果を吸
光度の変化で示した図であり、(a)、(b)、
(c)、(d)、(e)、(f)、(g)はそれぞれ緩
衝液のpHが5、6、7、8、9、10、11のときの図、第
2図は実施例2で行なった総ビリルビン測定結果を吸光
度の変化で示した図であり、(a)、(b)、(c)は
それぞれ緩衝液のpHが7、8、9のときの図、第3図は
実施例3で行なった総ビリルビン測定結果を示した図で
あり、(a)、(b)、(c)はそれぞれ緩衝液のpHが
7、8、9のときの図、第4図は実施例4で行なった検
体を希釈した際の測定の直線性を示す図、第5図は実施
例5で行なった従来法(ジアゾ法)と本発明による酵素
法との相関を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12Q 1/26 - 1/46

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ビリルビン含有水性検体にビリルビンオキ
    シダーゼを作用させ、それにより生ずるビリルビンの変
    化を光学的に測定することにより該検体中の総ビリルビ
    ンを定量する方法において、ビリルビンオキシダーゼに
    よる酵素反応を、一般式(I)で表わされるフェノール
    類および一般式(II)で表わされるアニリン類から成る
    群より選ばれる1種又は2種以上の化合物により促進さ
    せることを特徴とする総ビリルビンの定量法。 (式中、R1〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアル
    コキシル基、水酸基又はカルボキシル基を示す。但し、
    R3がカルボキシル基および水酸基であるものを除く。) (式中、R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、又は
    炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ス
    ルホアルキル基、ヒドロキシスルホアルキル基若しくは
    スルホンアミドアルキル基を示す。R8およびR9はそれぞ
    れ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のア
    ルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシル基を示す。)
  2. 【請求項2】ビリルビン含有水性検体に、前記フェノー
    ル類およびアニリン類から成る群より選ばれる1種又は
    2種以上の化合物を含有している緩衝液を加え、予備加
    温後、ビリルビンオキシダーゼを加える請求項1に記載
    の定量法。
  3. 【請求項3】前記フェノール類がモノ又はジ置換体であ
    る請求項1に記載の定量方法。
  4. 【請求項4】前記アニリン類がモノ又はジ置換体である
    請求項1に記載の定量法。
  5. 【請求項5】下記で示されるフェノール類およびアニリ
    ン類から成る群より選ばれる1種又は2種以上の化合物
    とビリルビンオキシダーゼとを少なくとも組み合せて成
    るビリルビン含有水性検体中の総ビリルビン比色定量用
    試薬。 (式中、R1〜R5はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン
    原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアル
    コキシル基、水酸基又はカルボキシル基を示す。但し、
    R3がカルボキシル基および水酸基であるものを除く。) (式中、R6およびR7はそれぞれ独立に、水素原子、又は
    炭素数1〜4のアルキル基、ヒドロキシアルキル基、ス
    ルホアルキル基、ヒドロキシスルホアルキル基若しくは
    スルホンアミドアルキル基を示す。R8およびR9はそれぞ
    れ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜4のア
    ルキル基又は炭素数1〜4のアルコキシル基を示す。)
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