JP2005273051A - 耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布およびそれらの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械的特性に優れた耐炎化繊維不織布を提供すること、または機械的特性、電気特性に優れた炭素繊維不織布を提供する、すなわち、耐炎化繊維や炭素繊維が本来持っている良好な機械的特性、難燃性、電気特性等の諸特性をより高度に発揮することも可能になる新規な耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布とそれらの製造方法を提供する。
【解決手段】繊維どおしが直接接合してなる直鎖状ポリマー由来の耐炎化繊維不織布であり、あるいは繊維どおしが直接接合してなる直鎖状ポリマー由来の炭素繊維不織布であり、また、直鎖状ポリマーからなる繊維どおしが直接接合してなる前駆体繊維不織布を40〜300℃で耐炎化処理する耐炎化繊維不織布の製造方法であり、直鎖状ポリマーからなる繊維どおしが直接接合してなる前駆体繊維不織布を40〜300℃で耐炎化処理し、更に不活性雰囲気中において300〜2000℃で炭化処理する炭素繊維不織布の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】繊維どおしが直接接合してなる直鎖状ポリマー由来の耐炎化繊維不織布であり、あるいは繊維どおしが直接接合してなる直鎖状ポリマー由来の炭素繊維不織布であり、また、直鎖状ポリマーからなる繊維どおしが直接接合してなる前駆体繊維不織布を40〜300℃で耐炎化処理する耐炎化繊維不織布の製造方法であり、直鎖状ポリマーからなる繊維どおしが直接接合してなる前駆体繊維不織布を40〜300℃で耐炎化処理し、更に不活性雰囲気中において300〜2000℃で炭化処理する炭素繊維不織布の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、耐炎化繊維不織布と炭素繊維不織布、さらにそれぞれの製造方法に関するものである。
従来、炭素繊維が持っている特徴である良好な導電性、熱伝導性、耐腐食性等に着目し、炭素繊維で不織布を製造することが提案されている。また炭素繊維不織布製造の中間材料として耐炎化繊維不織布の製造が提案されており、耐炎化繊維不織布自体もその難燃性や防炎性を活かした用途で利用されている。
例えば、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維からなる短繊維が水流交絡されていて、熱伝導性マットや電極基材の材料等として使用するのに効果的な炭素繊維不織布についての発明が提案されている(特許文献1)。
また、燃料電池の電極に用いられるのに好適なPAN系炭素繊維からなる炭素繊維不織布やその中間材料としての耐炎化繊維不織布やそれらの製造方法が提案されている(特許文献2、3)。
しかし、これらの炭素繊維不織布は、いずれも用途が電極などというものであり、導電性や耐腐食性などの、いわば静置して使用される特質に着目されてなるものであって、不織布としての引っ張り強さ等の機械的特性については特別には検討されていないものであった。すなわち、2次製品の製造に耐えうる工程通過性を有しさえすれば良いというような立場での検討しかされなかったものであり、本来、炭素繊維などの持つ強度レベルからみれば不十分なものと言わざるを得ないものであった。
より高い機械的特性を得ようとすれば、例えば、接合をより強固にするためバインダーを使用する等の手段も考えられるが、それでは炭素繊維100%使用の不織布と比較して、導電性や熱伝導性等の諸特性が劣ってしまう方向となり、特性面や用途面では不利になる場合もある。
また、炭素繊維不織布の製造方法として、ピッチを原料とし、スパンボンド法やメルトブロー法からピッチ繊維不織布を作製し、不融化、炭化する方法が提案されており、高い導電性を有するピッチ系炭素繊維不織布が得られている(特許文献4)。
しかし、かかる方法ではピッチが直鎖状ポリマーではないためにピッチ繊維の機械的特性が低く、ピッチ繊維不織布および不融化したピッチ繊維不織布の機械的特性が低いために取り扱い性が難しく炭素繊維不織布の生産性が劣ることがある。また不融化したピッチ繊維不織布は難燃性や防炎性は有するものの、機械的特性が低いために2次製品の製造に耐えうる工程通過性を有しておらず、耐炎化繊維不織布として用途展開することは困難である。また炭素繊維不織布においても、ピッチ系であるために他の原料からなる炭素繊維不織布と比べ柔軟性に劣り、2次製品としたときの成形性に問題が生じることがある。
特開2002ー266217号公報
特開2003−239164号公報
特開2003−239163号公報
特開平3−164414号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、引っ張り強さ、導電性等に優れた新規な耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布とそれらの製造方法を提供することにある。
上述した目的を達成する本発明の耐炎化繊維不織布は、以下の(1)の構成からなる。
(1)繊維どおしが直接接合してなることを特徴とする直鎖状ポリマー由来の耐炎化繊維不織布。
(1)繊維どおしが直接接合してなることを特徴とする直鎖状ポリマー由来の耐炎化繊維不織布。
また、かかる構成を有する本発明の耐炎化繊維不織布において、好ましくは以下の(2)の具体的態様を有するものである。
(2)三次元網状構造を呈する上記(1)記載の耐炎化繊維不織布。
(2)三次元網状構造を呈する上記(1)記載の耐炎化繊維不織布。
また、上述した目的を達成する本発明の炭素繊維不織布は、以下の(3)の構成からなる。
(3)繊維どおしが直接接合してなることを特徴とする直鎖状ポリマー由来の炭素繊維不織布。
(3)繊維どおしが直接接合してなることを特徴とする直鎖状ポリマー由来の炭素繊維不織布。
また、かかる構成を有する本発明の耐炎化繊維不織布において、好ましくは以下の(4)の具体的態様を有するものである。
(4)三次元網状構造を呈する上記(3)記載の炭素繊維不織布。
(4)三次元網状構造を呈する上記(3)記載の炭素繊維不織布。
上述した目的を達成する本発明の耐炎化繊維不織布の製造方法は、以下の(5)の構成からなる。
(5)直鎖状ポリマーからなる繊維どおしが直接接合してなる前駆体繊維不織布を40〜300℃で耐炎化処理することを特徴とする耐炎化繊維不織布の製造方法。
(5)直鎖状ポリマーからなる繊維どおしが直接接合してなる前駆体繊維不織布を40〜300℃で耐炎化処理することを特徴とする耐炎化繊維不織布の製造方法。
また、かかる構成を有する本発明の耐炎化繊維不織布の製造方法において、好ましくは以下の(6)の具体的態様を有するものである。
(6)前駆体繊維不織布がフラッシュ紡糸法によって得られたものであることを特徴とする上記(5)記載の耐炎化繊維不織布の製造方法。
(6)前駆体繊維不織布がフラッシュ紡糸法によって得られたものであることを特徴とする上記(5)記載の耐炎化繊維不織布の製造方法。
上述した目的を達成する本発明の炭素繊維不織布の製造方法は、以下の(7)の構成からなる。
(7)直鎖状ポリマーからなる繊維どおしが直接接合してなる前駆体繊維不織布を40〜300℃で耐炎化処理し、さらに不活性雰囲気中において300〜2000℃で炭化処理することを特徴とする炭素繊維不織布の製造方法。
(7)直鎖状ポリマーからなる繊維どおしが直接接合してなる前駆体繊維不織布を40〜300℃で耐炎化処理し、さらに不活性雰囲気中において300〜2000℃で炭化処理することを特徴とする炭素繊維不織布の製造方法。
また、かかる構成を有する本発明の炭素繊維不織布の製造方法において、好ましくは以下の(8)の具体的態様を有するものである。
(8)前駆体繊維不織布がフラッシュ紡糸法によって得られたものであることを特徴とする上記(7)記載の炭素繊維不織布の製造方法。
(8)前駆体繊維不織布がフラッシュ紡糸法によって得られたものであることを特徴とする上記(7)記載の炭素繊維不織布の製造方法。
請求項1にかかる本発明によれば、引っ張り強さに優れた耐炎化繊維不織布が提供され、ひいては、本来的にそのような機械的特性に優れていることから、特別なバインダー等の付加的使用も必要なく、耐炎化繊維が本来持っている良好な難燃性や防炎性をより高度に発揮することも可能になる新規な耐炎化繊維不織布を提供することができる。
また、この耐炎化繊維不織布は、炭素繊維不織布の製造において中間材料としても利用可能であり、該耐炎化繊維不織布を用いて、良好な特性を有する炭素繊維不織布を製造することができる。
請求項2にかかる本発明の耐炎化繊維不織布によれば、特に引っ張り強さに優れている耐炎化繊維不織布が提供される。
請求項3にかかる本発明によれば、引っ張り強さや導電性に優れた炭素繊維不織布が提供され、ひいては、本来的にそのような機械的特性に優れていることから、特別なバインダー等の付加的使用も必要なく、炭素繊維が本来持っている良好な導電性や熱伝導性をより高度に発揮することも可能になる新規な炭素繊維不織布を提供することができる。
請求項4にかかる本発明の炭素繊維不織布によれば、特に引っ張り強さや導電性に優れている炭素繊維不織布が提供される。
請求項5にかかる本発明によれば、引っ張り強さに優れた耐炎化繊維不織布であって、本来的にそのような機械的特性に優れていることから、特別なバインダー等の付加的使用も必要なく、耐炎化繊維が本来持っている良好な難燃性や防炎性をより高度に発揮することも可能になる新規な耐炎化繊維不織布を製造する方法を実現できるものである。
請求項6にかかる本発明によれば、請求項5に記載の方法による効果に加えて、さらに引っ張り強さに優れている耐炎化繊維不織布を製造する方法を実現できるものである。
請求項7にかかる本発明によれば、引っ張り強さや導電性に優れた炭素繊維不織布であって、本来的にそのような機械的特性に優れていることから、特別なバインダー等の付加的使用も必要なく、炭素繊維が本来持っている良好な導電性や熱伝導性をより高度に発揮することも可能になる新規な炭素繊維不織布を製造する方法を実現できるものである。
請求項8にかかる本発明の炭素繊維不織布によれば、請求項7に記載の方法による効果に加えて、さらに引っ張り強さや導電性に優れている炭素繊維不織布を製造する方法を実現できるものである。
以下、更に詳しく本発明について説明する。
本発明の耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布は直鎖状ポリマーからなる前駆体繊維を原料とすることを特徴とする。直鎖状ポリマーを用いることで、紡糸性が良く、紡糸において配向しやすく強度発現しやすいために、得られる前駆体繊維は機械的特性が高いものが得られ、本発明の耐炎化繊維不織布も機械的特性に優れる。かかる前駆体繊維および耐炎化繊維不織布を用いることで生産性良く炭素繊維不織布を得ることができる。ここで、直鎖状ポリマーとは、主鎖に直鎖状に結合した炭素鎖を持つポリマーのことであり、直鎖状ポリマーからなる前駆体繊維は、具体例としては、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが挙げられるが、中でも高強度という点でポリアクリロニトリルを主原料とするPAN系前駆体繊維が好ましい。
また、本発明の耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布は繊維どおしが直接接合してなることを特徴とする。
本発明において、「直接接合してなる」とは、不織布内の異なる構成繊維どおしがニードルパンチ、ウォータージェットパンチ等による繊維間交絡によって不織布構造が形成されている状態や、異なる構成繊維どおしがバインダー、接着剤を介して接合されて不織布構造が形成されている状態とは異なるものであって、構成繊維どおしが互いに自己接合して不織布構造がもたらされ形成されている状態をいうものである。
したがって、一般的には、繊維交絡あるいはバインダー、接着剤などにより不織布構造がもたらされるものは本発明の不織布を構成することができないものであり、特に、代表的には、フラッシュ紡糸法による不織布、メルトブロー法による不織布、およびスパンボンド法による不織布において、中でも、特に構成繊維どおしが互いに自己接合をすることによって不織布構造がもたらされている不織布や、また、短繊維不織布でも構成短繊維どおしが自己接合によって不織布構造をもたらしているものが本発明の不織布を形成できるものである。
このように繊維どおしが直接接合していることで、本発明の耐炎化繊維不織布は不織布目付を100g/m2 に換算した引っ張り強さが3kgf/cm以上と高いことを見出した。これは、従来知られているニードルパンチ、ウォータージェットパンチ等により耐炎化短繊維を交絡した耐炎化繊維不織布が1〜2kgf/cmであることと併せ考えれば画期的なことである。同じく、本発明の炭素繊維不織布は不織布目付を100g/m2 に換算した引っ張り強さが2kgf/cm以上と高いことを見出した。これは、従来知られているニードルパンチ、ウォータージェットパンチ等により耐炎化短繊維を交絡した耐炎化繊維不織布を炭化処理して得られる炭素繊維不織布が0.4〜1kgf/cmであることと併せ考えれば画期的なことである。
また、本発明の炭素繊維不織布は、厚み方向の電気抵抗値が3mΩ・cm2 以下の値を示すものである。これは従来知られているニードルパンチ、ウォータージェットパンチ等により耐炎化短繊維を交絡した耐炎化繊維不織布を炭化処理して得られる炭素繊維不織布や、炭素短繊維をバインダーを介して接合した炭素繊維不織布の該値が5〜50mΩ・cm2 の範囲内であることを考えれば画期的なことである。このような高い導電性を示す理由は、炭素繊維どおしが直接接合しているために本来炭素繊維が持つ導電性を高い次元で発現すると考える。
本発明において、好ましくは、耐炎化繊維不織布および炭素繊維不織布が三次元網状構造を呈していることである。三次元網状構造を呈する耐炎化繊維不織布を得るためには、三次元網状構造を呈する前駆体繊維不織布を耐炎化処理することによって得ることができ、かかる耐炎化繊維不織布を炭化処理することにより、三次元網状構造を呈する炭素繊維不織布を得ることができる。ここで、三次元網状構造を呈する前駆体繊維不織布の一具体例として図1、図2を示し、この図を用いて「三次元網状構造」について説明する。
「三次元網状構造」とは、断面構造が図1のように不規則な間隔で互いに結合しかつ分離して蜂の巣状またはスポンジ状構造を呈しており、平面構造が図2のように繊維またはフィブリルのような微細構造が不規則な間隔で互いに結合しかつ分離して網状構造を呈している状態をいい、厚み方向、面方向ともに三次元的に結合し一体化した構造である。このような三次元網状構造を呈することで不織布としてより強固な一体化構造となり、より強い引っ張り強さを得ることができるようになる。
本発明の耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布の繊維体積含有率Vf(体積%)は、好ましくは1〜60体積%、より好ましくは2〜40体積%、更に好ましくは3〜30体積%を満たす必要がある。Vfが1体積%未満の場合、不織布の引っ張り強さが低くなり、2次製品の製造に耐えうる工程通過性を有さないことがある。ここで、繊維体積含有率Vfとは不織布体積中において繊維が占める体積の割合をいう。Vfが60体積%を超える場合、不織布特有の柔軟性や賦型性が失われることがあり、炭素繊維不織布において60体積%を超えると炭素繊維の粉体化が発生し物性が低下することがある。
本発明にかかる耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布の目付は好ましくは10〜3000g/m2 、より好ましくは50〜2000g/m2 の範囲内である。10g/m2 未満では引っ張り強さが低くなり2次製品の製造に耐えうる工程通過性を有さないことがあり、また、3000g/m2 を超える場合には厚さが厚過ぎるために取り扱い性が低下することがある。
次に、上記耐炎化繊維不織布および炭素繊維不織布を得るのに好適な製造方法について説明する。
本発明において耐炎化繊維不織布の前駆体繊維としては、PAN、ポリビニルアルコール、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができるが、中でも高強度という点でポリアクリロニトリルを主原料とするPAN系共重合体からなるものが好ましい。かかるPAN系前駆体繊維は、好ましくは85モル%以上、より好ましくは90モル%以上、更に好ましくは94モル%以上のアクリロニトリルと、いわゆる耐炎化促進成分が共重合された共重合体からなるものが好ましい。かかる共重合体を重合する方法としては、特に限定されないが溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法等を用いることができる。耐炎化促進成分としては、ビニル基を含有する化合物が好ましい。具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等、より好ましくは、これらの一部または全量を、アンモニアで中和したアクリル酸、メタクリル酸、またはイタコン酸のアンモニウム塩からなる共重合体が挙げられる。その他、アリルスルホン酸金属塩、メタリルスルホン酸金属塩、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルやアクリルアミドなども共重合できる。
耐炎化繊維不織布の製造方法の一つの態様としては、フラッシュ紡糸法、スパンボンド法やメルトブロー法により前駆体繊維不織布を製造し耐炎化処理する方法がある。フラッシュ紡糸法、スパンボンド法やメルトブロー法により得られた前駆体繊維不織布は、繊維どおしが直接接合しているために続く耐炎化処理により得られる耐炎化繊維不織布も繊維どおしが直接接合した構造を呈しており好ましい。特に、フラッシュ紡糸法は三次元網状構造を呈する前駆体繊維不織布を製造でき、続く耐炎化処理により得られる耐炎化繊維不織布も三次元網状構造を呈するためより好ましい。本発明において好適に用いることができるPAN系前駆体繊維不織布をフラッシュ紡糸法によって製造するにあたっては、例えば、特開平8−170261号公報に記載の方法により製造できるが、該公報記載の方法にのみ限定されるものではない。
また、フラッシュ紡糸法、スパンボンド法やメルトブロー法により前駆体繊維不織布を製造する場合には、前駆体繊維不織布のVfを1〜60体積%、目付を10〜3000g/m2 にしておくことで、耐炎化繊維不織布のVf、目付が容易に好適な範囲となり好ましい。
耐炎化繊維不織布の製造方法の別の態様としては湿式紡糸法、乾式紡糸、乾湿式紡糸法などにより得られた前駆体繊維の連続繊維または短繊維を積層し、熱融着することで形成された前駆体繊維不織布を耐炎化処理する方法である。前駆体繊維不織布の製造においては200℃以下で熱融着が開始する前駆体繊維を0〜50体積%混ぜておくのが熱融着させる上で好ましい。熱融着は好ましくは温度400℃以下で、圧力50MPa以下でプレスするのが良く、繊維の一部が接着し不織布を形成すれば良い。かかる温度が400℃を超えると前駆体繊維の熱分解が生じるために品位が低下することがあり、圧力が50MPaを超えると前駆体繊維を傷めてしまい機械的特性が低下することがある。かかる圧力付与の方法は、特に限定されるものではないが、ロールプレスやベルトプレスを用いることが連続処理の場合に好ましく、ホットプレートプレスを用いることがバッチ処理の場合には好ましく、その時間は適宜決められるが、0.5秒〜60分の範囲が好ましく、より好ましくは1秒〜10分である。かかる範囲から外れると、融着が不完全となり不織布形態を保てないことがあったり、繊維を傷める場合がある。
耐炎化処理は処理雰囲気として、空気、一酸化窒素、塩素、硫化水素などの気体や、有機溶媒または塩酸などの無機溶媒といった液体や、黒鉛粒子などの固体が好ましく用いることができる。特に不織布内部への浸透や膨潤効果が期待できる有機溶媒を好適に用いることができ、更には酸化力を有する有機溶媒が耐炎化反応における酸化反応を促進するため好ましい。例えば、ニトロ化合物やニトロソ化合物などのニトロ系化合物、またはアミン系化合物が好ましい。例えば、ニトロ化合物としてはニトロベンゼン、オルト−ニトロトルエン、メタ−ニトロトルエン、パラ−ニトロトルエン、オルト−ニトロフェノール、パラ−ニトロフェノール、オルト−ニトロアニソール、パラ−ニトロアニソール、オルト−ニトロアニリン、メタ−ニトロアニリン、パラ−ニトロアニリン、パラ−ニトロ安息香酸、メタ−ニトロ−パラ−トルイジンなどがその化合物の沸点からも好ましく、ニトロソ化合物としてはN−ニトロソジフェニルアミンなどが好ましい。また、アミン化合物としてはエチレンジアミン、アニリン、N−メチルアニリン、N,N−メチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、オルト−トルイジン、メタ−トルイジン、パラ−トルイジン、パラ−フェニレンジアミン、オクチルアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−アミノエチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−アミノエチルピペラジン、2−エチルヘキシルアミンなどが好ましい。
耐炎化処理温度は好ましくは40〜300℃、より好ましくは150〜290℃、更に好ましくは170〜280℃である。温度が40℃未満では耐炎化が進行しないこと、または耐炎化に長時間要し生産性が低下することがあり、温度が300℃を超えると前駆体繊維の耐熱性を超えてしまい、耐炎化が進行する前に前駆体繊維が分解または暴走し耐炎化繊維が得られないことがある。
本発明において耐炎化繊維の比重は耐炎化処理時間や耐炎化温度に依存するが、1.3〜1.5g/cm3 の範囲にあることが好ましく、より好ましくは1.35〜1.45g/cm3 である。耐炎化繊維の比重が1.3g/cm3 未満であると、十分な難燃性や防炎性を有さないために難燃用途に用いることができないことがある。また耐炎化繊維の比重が1.5g/cm3 を超えると、繊維自体の脆弱化が進行し、続く炭化工程や2次製品の製造時に粉体化し炭素繊維不織布または2次製品が得られないことがある。
本発明の炭素繊維不織布は、上述した製造方法により得られた耐炎化繊維不織布を引き続き炭化処理することで得られる。
より好ましくは、三次元網状構造を呈する炭素繊維不織布を得られることから、フラッシュ紡糸法により得られた前駆体繊維不織布を耐炎化処理して得た耐炎化繊維不織布を炭化処理することである。
炭化処理は不活性雰囲気中、好ましくは300〜2,000℃、より好ましくは800〜2,000℃、更に好ましくは1,000〜2,000℃で行う。
本発明において炭素繊維の比重は炭化処理時間や炭化温度に依存するが、1.7〜1.95g/cm3 の範囲内にあることが好ましく、より好ましくは1.72〜1.9g/cm3 である。炭素繊維の比重が1.7g/cm3 未満であると、十分に炭化が進行していないために導電性を発現しないことがある。また炭素繊維の比重が1.95g/cm3 を超えると、繊維自体の脆弱化が進行し、2次製品の製造時に粉体化し2次製品が得られないことがある。
上述のようにして得られる耐炎化繊維不織布は、その難燃性、防炎性、強度特性を活かして、溶接作業等で飛散する高熱の鉄粉や溶接火花等から人体を保護するスパッタシート、さらには、航空機等の防炎断熱材、または防炎カーテンなどに好適に用いることができる。
また、上述のようにして得られる炭素繊維不織布はその導電性を活かした燃料電池用電極や強度特性を活かしたコンポジット材料などに好適に用いることができる。
本発明をより具体的に説明する。なお、本発明の説明で用いた各種物性値の測定方法は以下に記載の方法によるものであり、これら実施例、比較例の内容は表1に示した。
<厚み t(mm)>
JIS L 1096(1999)記載の方法に従った。試料から20cm×20cmの試験片を1枚採取し、平滑な台上に置き、平坦な直径5mmのマイクロメーター圧子を上から下ろした。圧子に荷重を加えて面圧23.5kPaにして厚みを測定し、異なる5カ所の測定値の平均値を用いた。
JIS L 1096(1999)記載の方法に従った。試料から20cm×20cmの試験片を1枚採取し、平滑な台上に置き、平坦な直径5mmのマイクロメーター圧子を上から下ろした。圧子に荷重を加えて面圧23.5kPaにして厚みを測定し、異なる5カ所の測定値の平均値を用いた。
<目付 W(g/m2 )>
試料から20cm×20cmの試験片を3枚採取し、それぞれの質量を量り、3枚の平均値を用い、1m2 当たりの質量で示した。
試料から20cm×20cmの試験片を3枚採取し、それぞれの質量を量り、3枚の平均値を用い、1m2 当たりの質量で示した。
<繊維比重 D>
JIS R7601(1986)記載の方法に従った。試薬はエタノール(和光純薬社製特級)を精製せずに用いた。1.0〜1.5gの繊維を採取し、120℃で2時間絶乾した。絶乾重量A(g)を測定した後、比重既知(比重ρ)のエタノールに含浸し、エタノール中の繊維重量B(g)を測定し、下式により繊維比重Dを求めた。
D=(A(g)×ρ)/(A(g)−B(g))
JIS R7601(1986)記載の方法に従った。試薬はエタノール(和光純薬社製特級)を精製せずに用いた。1.0〜1.5gの繊維を採取し、120℃で2時間絶乾した。絶乾重量A(g)を測定した後、比重既知(比重ρ)のエタノールに含浸し、エタノール中の繊維重量B(g)を測定し、下式により繊維比重Dを求めた。
D=(A(g)×ρ)/(A(g)−B(g))
<繊維体積含有率 Vf(体積%)>
上記方法により求めた厚みt(mm)、目付W(g/m2 )、繊維比重Dを用い、下式により繊維体積含有率Vf(体積%)を求めた。
Vf(体積%)=W(g/m2 )/(t(mm)×D×10)
上記方法により求めた厚みt(mm)、目付W(g/m2 )、繊維比重Dを用い、下式により繊維体積含有率Vf(体積%)を求めた。
Vf(体積%)=W(g/m2 )/(t(mm)×D×10)
<厚み方向の電気抵抗(mΩ・cm2 )>
2枚の2.5cm×2cm(厚み:1cm)の金メッキした電極で炭素繊維不織布(試料寸法:2.5cm×2cm)の両面を全面接触するように挟み、1MPaでプレスし、電流1Aを流した。
2枚の2.5cm×2cm(厚み:1cm)の金メッキした電極で炭素繊維不織布(試料寸法:2.5cm×2cm)の両面を全面接触するように挟み、1MPaでプレスし、電流1Aを流した。
そのときの電圧E(V)を測定し、厚み方向の電気抵抗R(mΩ・cm2 )を下式により求め、n数=3の平均値を用いた。
R(mΩ・cm2 )=1000×E(V)×炭素繊維不織布面積(cm2 )
R(mΩ・cm2 )=1000×E(V)×炭素繊維不織布面積(cm2 )
<布帛の引っ張り強さS(kgf/cm)>
長さ6cm、幅1cmにカットした布帛を試験片として用い、万能材料試験機により、スパン間距離3cm、引っ張り速度3mm/分で測定し、n数=3の平均値を用いた。
なお、万能材料試験機としてはテンシロン(登録商標)試験機を用いた。
長さ6cm、幅1cmにカットした布帛を試験片として用い、万能材料試験機により、スパン間距離3cm、引っ張り速度3mm/分で測定し、n数=3の平均値を用いた。
なお、万能材料試験機としてはテンシロン(登録商標)試験機を用いた。
<コンポジット物性:曲げ強さ、曲げ弾性率>
凸凹噛み合わせの溝幅15mmの凹側金型に、Vfが30体積%前後となるように炭素繊維不織布を積層し、樹脂を流し込んだ後、加熱しながら真空脱泡した。脱泡後、厚さ2mmのスペーサーを挟んで凸凹金型を噛み合わせて、プレス機にセットし、加圧しながら加熱して樹脂を硬化させ、幅15mm、厚さ2mmのコンポジット平板を作製し、かかる平板を長さ100mmに切断し、試験片とした。
凸凹噛み合わせの溝幅15mmの凹側金型に、Vfが30体積%前後となるように炭素繊維不織布を積層し、樹脂を流し込んだ後、加熱しながら真空脱泡した。脱泡後、厚さ2mmのスペーサーを挟んで凸凹金型を噛み合わせて、プレス機にセットし、加圧しながら加熱して樹脂を硬化させ、幅15mm、厚さ2mmのコンポジット平板を作製し、かかる平板を長さ100mmに切断し、試験片とした。
樹脂組成は、以下のとおりである。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Ep828、ジャパンエポキシレジン(株)製)100重量部
・3フッ化ホウ素モノエチルアミン(ステラケミファ(株)製) 3重量部
成形条件は、以下のとおりである。
・脱泡:真空(1000Pa以下)下、70℃×4時間
・成形:プレス圧(4.9MPa以下)、170℃×1時間
・アフターキュア:大気圧下、170℃×2時間
上記試験片を用い、圧子の曲率半径を5mm、支点の曲率半径を2mm、支点間距離を80mmとし、JIS K−7047に準じて3点曲げを行った。曲げ強度、曲げ弾性率はn数=6の平均値を用い、次式により求め、Vf=30体積%に換算した値を用いた。
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(Ep828、ジャパンエポキシレジン(株)製)100重量部
・3フッ化ホウ素モノエチルアミン(ステラケミファ(株)製) 3重量部
成形条件は、以下のとおりである。
・脱泡:真空(1000Pa以下)下、70℃×4時間
・成形:プレス圧(4.9MPa以下)、170℃×1時間
・アフターキュア:大気圧下、170℃×2時間
上記試験片を用い、圧子の曲率半径を5mm、支点の曲率半径を2mm、支点間距離を80mmとし、JIS K−7047に準じて3点曲げを行った。曲げ強度、曲げ弾性率はn数=6の平均値を用い、次式により求め、Vf=30体積%に換算した値を用いた。
なお、試験機にはインストロン(登録商標)試験機を用いた
曲げ強度(MPa)=3×P×L/(2×b×h2 )
曲げ弾性率(MPa)=(Q/δ)×L3 /(4×b×h3 )
ここで、P:破壊時荷重(N)
L:支点間距離(mm)
b:試験片幅(mm)
h:試験片厚さ(mm)
δ:荷重Pのときのたわみ(mm)
Q/δ:荷重−たわみ曲線の直線部の勾配(N/mm)
曲げ強度(MPa)=3×P×L/(2×b×h2 )
曲げ弾性率(MPa)=(Q/δ)×L3 /(4×b×h3 )
ここで、P:破壊時荷重(N)
L:支点間距離(mm)
b:試験片幅(mm)
h:試験片厚さ(mm)
δ:荷重Pのときのたわみ(mm)
Q/δ:荷重−たわみ曲線の直線部の勾配(N/mm)
実施例1
アクリロニトリル99.5モル%とイタコン酸0.5モル%からなるPAN系共重合体を用い、フラッシュ紡糸法によりVf20体積%、目付200g/m2 のPAN系前駆体繊維不織布を製造した。この不織布は、繊維どおしが自己接合することにより不織布構造がもたらされているものである。
アクリロニトリル99.5モル%とイタコン酸0.5モル%からなるPAN系共重合体を用い、フラッシュ紡糸法によりVf20体積%、目付200g/m2 のPAN系前駆体繊維不織布を製造した。この不織布は、繊維どおしが自己接合することにより不織布構造がもたらされているものである。
該得られたPAN系前駆体繊維不織布を空気中、240℃で比重が1.38g/cm3 になるまで耐炎化処理し、耐炎化繊維不織布を得た。耐炎化繊維不織布は良好な引っ張り強さを示した。
さらに、かかる耐炎化繊維不織布を窒素雰囲気中、300〜800℃で予備炭化し、次いで窒素雰囲気中、1,400℃で比重が1.8g/cm3 になるまで炭化処理し炭素繊維不織布を得た。炭素繊維不織布は良好な引っ張り強さ、導電性を示した。
得られた炭素繊維不織布を用いて前記した方法によりコンポジットを作製した。得られた耐炎化繊維不織布および炭素繊維不織布は、良好な引っ張り強さを示し、さらに炭素繊維不織布は良好な導電性を示した。また、コンポジットも良好な曲げ強さ、曲げ弾性率を示した。
実施例2
耐炎化処理をニトロベンゼン中、200℃で行った以外は実施例1と同様にして耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布およびコンポジットを得た。得られた耐炎化繊維不織布および炭素繊維不織布は良好な引っ張り強さを示し、さらに炭素繊維不織布は良好な導電性を示した。またコンポジットも良好な曲げ強さ、曲げ弾性率を示した。
耐炎化処理をニトロベンゼン中、200℃で行った以外は実施例1と同様にして耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布およびコンポジットを得た。得られた耐炎化繊維不織布および炭素繊維不織布は良好な引っ張り強さを示し、さらに炭素繊維不織布は良好な導電性を示した。またコンポジットも良好な曲げ強さ、曲げ弾性率を示した。
実施例3
アクリロニトリル99.5モル%とイタコン酸0.5モル%からなるPAN系共重合体を用い、湿式紡糸法により得られたPAN系前駆体連続繊維を、短繊維長さ51mmにカットしたPAN系前駆体短繊維を80体積%、アクリロニトリル90モル%とメタクリル酸10モル%からなるPAN系共重合体を用い湿式紡糸法により得られた200℃で熱融着を開始するPAN系前駆体連続繊維を51mmにカットしたPAN系前駆体短繊維を20体積%をランダムに積層し、200℃、1MPaで10秒間熱融着を行って自己接合させ、Vfが20体積%、目付200g/m2 のPAN系前駆体繊維不織布を得た。
アクリロニトリル99.5モル%とイタコン酸0.5モル%からなるPAN系共重合体を用い、湿式紡糸法により得られたPAN系前駆体連続繊維を、短繊維長さ51mmにカットしたPAN系前駆体短繊維を80体積%、アクリロニトリル90モル%とメタクリル酸10モル%からなるPAN系共重合体を用い湿式紡糸法により得られた200℃で熱融着を開始するPAN系前駆体連続繊維を51mmにカットしたPAN系前駆体短繊維を20体積%をランダムに積層し、200℃、1MPaで10秒間熱融着を行って自己接合させ、Vfが20体積%、目付200g/m2 のPAN系前駆体繊維不織布を得た。
得られたPAN系前駆体繊維不織布を実施例1と同様に耐炎化、炭化処理を行い、良好な特性を有するPAN系耐炎化繊維不織布およびPAN系炭素繊維不織布を得た。また、実施例1と同様にしてコンポジットを製造し、かかるコンポジットも良好な特性を示した。
実施例4
耐炎化処理をニトロベンゼン中、200℃で行った以外は実施例3と同様にして耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布およびコンポジットを得た。得られた耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布およびコンポジットは良好な特性を示した。
耐炎化処理をニトロベンゼン中、200℃で行った以外は実施例3と同様にして耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布およびコンポジットを得た。得られた耐炎化繊維不織布、炭素繊維不織布およびコンポジットは良好な特性を示した。
比較例1
アクリロニトリル99.5モル%とイタコン酸0.5モル%からなるPAN系共重合体を用い、湿式紡糸法により得られたPAN系前駆体連続繊維を、空気中、240℃で比重が1.38g/cm3 になるまで耐炎化処理し連続耐炎化繊維を得た。得られた連続耐炎化繊維に捲縮を付与し、さらに51mmにカットしカード開繊後、ニードルパンチにより耐炎化繊維不織布とした。この不織布は、繊維どおしが交絡することによって不織布構造がもたらされていると解されるものである。
アクリロニトリル99.5モル%とイタコン酸0.5モル%からなるPAN系共重合体を用い、湿式紡糸法により得られたPAN系前駆体連続繊維を、空気中、240℃で比重が1.38g/cm3 になるまで耐炎化処理し連続耐炎化繊維を得た。得られた連続耐炎化繊維に捲縮を付与し、さらに51mmにカットしカード開繊後、ニードルパンチにより耐炎化繊維不織布とした。この不織布は、繊維どおしが交絡することによって不織布構造がもたらされていると解されるものである。
得られた耐炎化繊維不織布を用いて、実施例1と同様にして炭化処理を行い炭素繊維不織布を得たが、引っ張り強さ、導電性は劣るものであった。また得られた炭素繊維不織布から実施例1と同様にしてコンポジットを製造したが、コンポジット物性が劣るものであった。
比較例2
比較例1で得られた連続耐炎化繊維を窒素雰囲気中、300〜800℃で予備炭化し、次いで窒素雰囲気中、1,400℃で比重が1.8g/cm3 になるまで炭化処理し連続炭素繊維を得た。得られた連続炭素繊維を51mmにカットし抄造した後、5重量%アクリル樹脂をバインダーとして炭素繊維不織布とした。かかるPAN系炭素繊維不織布の引っ張り強さは高いものであったが、導電性は十分ではなかった。また、得られた炭素繊維不織布から実施例1と同様にしてコンポジットを製造したが、若干、コンポジット物性が劣るものであった。
比較例1で得られた連続耐炎化繊維を窒素雰囲気中、300〜800℃で予備炭化し、次いで窒素雰囲気中、1,400℃で比重が1.8g/cm3 になるまで炭化処理し連続炭素繊維を得た。得られた連続炭素繊維を51mmにカットし抄造した後、5重量%アクリル樹脂をバインダーとして炭素繊維不織布とした。かかるPAN系炭素繊維不織布の引っ張り強さは高いものであったが、導電性は十分ではなかった。また、得られた炭素繊維不織布から実施例1と同様にしてコンポジットを製造したが、若干、コンポジット物性が劣るものであった。
Claims (8)
- 繊維どおしが直接接合してなることを特徴とする直鎖状ポリマー由来の耐炎化繊維不織布。
- 三次元網状構造を呈することを特徴とする請求項1記載の耐炎化繊維不織布。
- 繊維どおしが直接接合してなることを特徴とする直鎖状ポリマー由来の炭素繊維不織布。
- 三次元網状構造を呈することを特徴とする請求項3記載の炭素繊維不織布。
- 直鎖状ポリマーからなる繊維どおしが直接接合してなる前駆体繊維不織布を40〜300℃で耐炎化処理することを特徴とする耐炎化繊維不織布の製造方法。
- 前駆体繊維不織布がフラッシュ紡糸法によって得られたものであることを特徴とする請求項5記載の耐炎化繊維不織布の製造方法。
- 直鎖状ポリマーからなる繊維どおしが直接接合してなる前駆体繊維不織布を40〜300℃で耐炎化処理し、さらに不活性雰囲気中において300〜2000℃で炭化処理することを特徴とする炭素繊維不織布の製造方法。
- 前駆体繊維不織布がフラッシュ紡糸法によって得られたものであることを特徴とする請求項7記載の炭素繊維不織布の製造方法。
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-
2004
- 2004-03-24 JP JP2004085989A patent/JP2005273051A/ja active Pending
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