JP2015196933A - 吸音材構造物 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄くて軽量であり、力学的特性が良好であり、かつ優れた吸音性能を有する吸音材構造物を提供する。【解決手段】第1吸音材層と第2吸音材層の少なくとも2層以上が接合してなる吸音材構造物であって、第1吸音材層は、繊維径が0.5〜10μmの芳香族ポリアミド連続繊維を含み、かつ目付が20g/m2以上の不織布からなり、第2吸音材層は、熱可塑性樹脂成形体または一部の繊維が溶融してなる熱可塑性繊維集合体であり、該熱可塑性樹脂成形体中または該熱可塑性繊維集合体中に、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上の耐熱繊維を含み、該耐熱繊維が少なくとも一部で交絡していることを特徴とする吸音材構造物とする。【選択図】なし
Description
本発明は、吸音材構造物に関し、さらには耐熱性、剛性を必要とされる車輌、電気製品、建築材などに好適な吸音材構造物に関する。
現在、車両、電気製品、建築材などの吸音材において、軽量性・厚み低減・吸音性・成形性・環境性等が要求されている。従来用いられているウレタン等の発泡樹脂体を芯材にして、その両面に補強用の面材を積層及び接合した吸音材がある(特許文献1)。しかし、ポリウレタンを燃焼すると猛毒のシアンガスが発生し、ウレタン自身環境性の点で問題となりやすいため、最近では脱ウレタンの要求がある。また、ガラス繊維のニードルパンチマットを芯材にして、その両面に補強用の面材を積層及び接合した吸音材がある(特許文献2、3)。しかしながら、ガラス繊維は有機繊維と比較して比重が高いためガラス繊維のみから成る吸音材を利用することは、軽量化の観点から望ましくない。そこで近年では、より軽量な有機繊維構造体を用いた種々の吸音材が提案されている。
このような繊維構造体による吸音現象は、気体の通過する連続孔の形状による吸収や繊維自体による振動の吸収などが複雑に絡み合ったものであると説明されている。一般に、繊維構造体においては、繊維の種類が同じであればその径が細い方が、比表面積が大きくなることに起因して吸音性が向上することが知られており、このような繊維構造体を比較的容易に製造できる方法として、熱可塑性溶融ポリマーをオリフィスから吐出し、その近傍より噴出する高温高速気体によって細化繊維化し、これを金網等のベルトコンベアー上に捕集して不織布を得る、いわゆるメルトブローン法で得られた各種ポリオレフィン、ポリエステル不織布や、分割繊維などの極細繊維用いる方法が提案されている。
例えば、断面直径が6μm以下の極細繊維を含有する目付が30〜200g/m2の不織布と、断面直径が7〜40μmで目付が50〜2000g/m2の短繊維不織布とがこれらの繊維の交絡により一体化されていることを特徴とする吸音材(特許文献4)や繊度1.0〜10dtexで面密度100〜500g/m2のニードルパンチ有機繊維不織布の片側一面に、主に繊度1.0dtex以下で面密度20〜100g/m2のメルトブローン熱可塑性繊維不織布が積層され、さらにニードルパンチされて、積層体全体の厚みが2〜30mmであることを特徴とする吸音材(特許文献5)が提案されている。これらの吸音材は、2種以上の不織布を積層するのにニードルパンチ処理を施している。一般的に十分にニードルパンチをした場合、ヘタリによる厚みの減少が問題になるのに加え、ニードルの針孔による吸音性能の低下も懸念される。また、吸音性能については詳細な記載がない。
本発明は上記の従来技術の背景になされたもので、薄くて軽量であり、力学的特性が良好であり、かつ優れた吸音性能を有する吸音材構造物を提供することである。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の繊維径を有する連続繊維を含む第1吸音材層と耐熱繊維と熱可塑樹脂からなる補強層も兼ねた第2吸音材層を巧みに組み合わせることにより、上記課題を解決することができる吸音材構造物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして本発明によれば、第1吸音材層と第2吸音材層の少なくとも2層以上が接合してなる吸音材構造物であって、
第1吸音材層は、繊維径が0.5〜10μmの連続繊維を含み、かつ目付が20g/m2以上の不織布からなり、
第2吸音材層は、熱可塑性樹脂成形体または一部の繊維が溶融してなる熱可塑性繊維集合体であり、該熱可塑性樹脂成形体中または該熱可塑性繊維集合体中に、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上の耐熱繊維を含み、該耐熱繊維が少なくとも一部で交絡していることを特徴とする吸音材構造物が提供される。
第1吸音材層は、繊維径が0.5〜10μmの連続繊維を含み、かつ目付が20g/m2以上の不織布からなり、
第2吸音材層は、熱可塑性樹脂成形体または一部の繊維が溶融してなる熱可塑性繊維集合体であり、該熱可塑性樹脂成形体中または該熱可塑性繊維集合体中に、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上の耐熱繊維を含み、該耐熱繊維が少なくとも一部で交絡していることを特徴とする吸音材構造物が提供される。
本発明の吸音材構造物は、第1吸音材層の不織布を構成する連続繊維の平均繊維直径が小さく、薄く、軽量な繊維構造体においても、高い吸音性能が得られ、さらには耐熱性、難燃性に優れる全芳香族アラミドポリマーからなる繊維を使用していることにより、耐熱性に優れ、かつ耐熱繊維を用いた吸音性能と補強性能を兼ね備えた第2吸音材層を有することにより、吸音性と剛性との両方に優れている。
本発明を以下の好適例により説明するが、これらに限定されるものではない。
本発明の吸音材構造物は、第1吸音材層と第2吸音材層の少なくとも2層以上が接合してなる吸音材構造物であって、
第1吸音材層は、繊維径が0.5〜10μmの連続繊維を含み、かつ目付が20g/m2以上の不織布からなり、
第2吸音材層は、熱可塑性樹脂成形体または一部の繊維が溶融してなる熱可塑性繊維集合体であり、該熱可塑性樹脂成形体中または該熱可塑性繊維集合体中に、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上の耐熱繊維を含み、該耐熱繊維が少なくとも一部で交絡していることを特徴とする。
本発明の吸音材構造物は、第1吸音材層と第2吸音材層の少なくとも2層以上が接合してなる吸音材構造物であって、
第1吸音材層は、繊維径が0.5〜10μmの連続繊維を含み、かつ目付が20g/m2以上の不織布からなり、
第2吸音材層は、熱可塑性樹脂成形体または一部の繊維が溶融してなる熱可塑性繊維集合体であり、該熱可塑性樹脂成形体中または該熱可塑性繊維集合体中に、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上の耐熱繊維を含み、該耐熱繊維が少なくとも一部で交絡していることを特徴とする。
本発明の吸音構造物は、第1吸音材層が芳香族ポリアミド連続繊維を含む不織布からなり、かつ第2吸音材層が、耐熱繊維を含む熱可塑性樹脂成形体または熱可塑性繊維集合体からなることで、車両エンジンルームやモーターなどの発熱体に近接あるいは接触する用途での使用や、高い温度での成形加工に供することが可能な耐熱性を有し、高い温度域でも寸法安定性の優れた吸音材構造物となる。
本発明の第1吸音材層は、繊維径が0.5〜10μmの連続繊維を含む不織布からなり、これにより高い吸音性能を発揮する。なお、繊維の繊維径は、不織布の電子顕微鏡写真で確認することのできる繊維の直径を意味し、具体的には100本の繊維の巾を計測して得ることができる。
本発明の第1吸音材層に用いる連続繊維は、溶融紡糸または溶液紡糸技術により製造される。ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィンなどの熱可塑性樹脂に該当するポリマーは溶融温度が低いため、メルトブローン法等による不織布としても良い。また、湿式抄紙技術により作製した湿式不織布を用いて良い。
一方で、芳香族ポリアミド等の耐熱性ポリマーは、加熱しても溶融しないため、一般的な溶融紡糸による不織布の製造が困難である。そこで、かかる耐熱性ポリマーからなる不織布の製造は、特開2005−200779号公報のエレクトロスピニング法や、エレクトロブローイング法などを適用できる。さらにメルトブローン法を改良し効果的に細繊化する技術(US6013223)が、不織布を製造する方法、詳細には、耐熱性ポリマーを溶剤により溶解したポリマー溶液を、ダイからキャビティーに付属した紡糸ノズルに供給し、該ノズルの内管を通し、ポリマー吐出孔の外側に設置されたガス吐出口から噴出したガスによって加速し細化して、ポリマー吐出孔から吐出し、大気と接触させるとともに、その下に設けた凝固液供給ノズルから供給された凝固液と接触させることによって固化し、連続繊維からなる不織布とする方法も適用できる。
また、これらの方法を用いることにより、上記繊維径を有する不織布を製造することができる。
また、これらの方法を用いることにより、上記繊維径を有する不織布を製造することができる。
本発明の第1吸音材層に使用される不織布の目付は、20g/m2以上であり、好ましくは30g/m2以上である。目付が20g/m2より小さいと、不織布に含まれる空間が小さくなり、後述する空隙率とすることが難しくなり、吸音性能が低下する。
本発明の第1吸音材層に使用される不織布の厚みは、特に限定されるものではないが、吸音性能の面から、好ましくは10μm以上、より好ましく50μm以上、さらに好ましくは100μm以上である。厚みが10μmより小さいと、不織布に含まれる空間が小さく、後述する所望の空隙率や、さらに機械物性が発現しにくくなる。
本発明の第1吸音材層に使用される不織布の厚みは、特に限定されるものではないが、吸音性能の面から、好ましくは10μm以上、より好ましく50μm以上、さらに好ましくは100μm以上である。厚みが10μmより小さいと、不織布に含まれる空間が小さく、後述する所望の空隙率や、さらに機械物性が発現しにくくなる。
本発明の第1吸音材層に使用される不織布の見かけ密度は、好ましくは0.04〜1.0g/cm3、より好ましくは0.1〜0.8g/cm3である。不織布の見掛け密度が0.04g/cm3未満であると、外圧がかかった時に、厚みの低下し易い傾向にあり、取扱い性が悪い。一方、不織布の見掛け密度が1.0g/cm3を越えると、所望の厚みを得るのに、繊維集積量を多くする必要があり、硬くなって、吸音材構造物を設置するときの柔軟性に欠け、また、不経済である。
本発明の第1吸音材層に使用される不織布の空隙率は30〜97%であることが好ましい。これは、不織布中に多数の空気が含まれていると、空気層の粘性抵抗により、音波を熱エネルギーに変換して、吸収し易くなり、不織布の空隙率が30%より小さいと、期待する吸音効果が得られない。一方、不織布の空隙率が97%より大きいと、外圧がかかった時に、厚みの低下や形体が変形し易い傾向にあり、取扱い性が悪い。不織布の空隙率は、より好ましくは40〜90%、さらに好ましくは50〜85%である。
本発明の第1吸音材層に使用される不織布を構成する連続繊維の融点または熱分解温度は300℃以上であることが好ましい。これは、車両エンジンルームやモーターなどの発熱体に近接あるいは接触する用途での使用する際は、150〜200℃にもなる高温環境であり、その部位で用いられる部材は高い耐熱性が要求される。不織布を構成する連続繊維の融点または熱分解温度が300℃以上であれば、高温で高摩擦を受ける過酷な使用環境においても、繊維屑や溶融劣化物等異物の発生が極めて少なく、有用な吸音材となりえる。また、単一の耐熱性不織布のみで吸音材を構成することができるため、他成分との偏在がない、均一な不織布となって、安定した吸音性能を有するという利点もある。不織布を構成する連続繊維の融点または熱分解温度は、より好ましくは350℃以上、更に好ましくは400℃以上である。
なお、本発明における「融点または熱分解温度」とは、JIS K 7121、または、JIS K 7120に準じ、示差走査熱量測定により得られるDSC曲線の融解ピークの頂点の温度、もしくは、熱重量測定より得られるTG曲線にて、試料の重量減少が始まる温度から求めた。
本発明における第1吸音材層に使用される不織布の200℃での乾熱収縮率は2%以下であることが好ましい。これは、乾熱収縮率が2%より大きいと、高温で使用される環境下においてもシワの発生が起こり易く、吸音材として用いた場合、吸音性能を低下させる。より好ましくは、不織布の200℃での乾熱収縮率は1.75%以下、さらに好ましくは1.5%以下である。
本発明における第1吸音材層に使用される不織布を構成する連続繊維は、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等の無機繊維、芳香族ポリアミド繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、ナイロン繊維、ポリエステル繊維、全芳香族ポリエステル繊維、アクリル繊維、塩化ビニル繊維、ポリケトン繊維、セルロース繊維、パルプ繊維等の有機繊維等を挙げることができ、これらの一種を、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、メタ型アラミド繊維であるポリメタフェニレンイソフタルアミド繊維や、パラ型アラミド繊維であるポリパラフェニレンテレフタラミドやコポリパラフェニレン・3,4’オキシジフェニレン・テレフタラミド等の芳香族ポリアミド繊維は、高強力で高い耐熱性を有するので好ましい。
一方、本発明の第2吸音材層は、熱可塑性樹脂成形体または一部の繊維が溶融してなる熱可塑性繊維集合体であり、該熱可塑性樹脂成形体中または該熱可塑性繊維集合体中に、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上の耐熱繊維を含み、該耐熱繊維が少なくとも一部で交絡している層である。
かかる第2吸音材層は、例えば、耐熱繊維および熱可塑性繊維を含む不織布等の繊維構造物を、熱可塑性繊維の融点または軟化点以上で加熱し、熱可塑性繊維の一部またはすべてを溶融し、上記の熱可塑性樹脂成形体または一部の繊維が溶融してなる熱可塑性繊維集合体とすることにより得られる。ここで、耐熱繊維と熱可塑性繊維の比率が5:95〜70:30となるよう不織布として成型し、加熱あるいは加熱圧縮成型することにより、熱可塑繊維の一部またはすべてを溶融圧着させる。
本発明においては、第2吸音材層は、吸音性と強化材の両方の性能を兼ね備える。よって、熱可塑性繊維の溶融状態と吸音材構造物の厚みを調整することによって、剛性などを自由に設計可能である。この際、第2吸音材層を空隙率によりかかる調整を行うことが可能であり、空隙率は60〜81%が好ましいことがわかった。空隙率が60%未満では良好な吸音特性を示さず、81%を超えると、強化材としての剛性を保ちにくくなる傾向にある。上記空隙率は、より好ましくは62〜78%である。
本発明の第2吸音材層に使用される耐熱繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維などの無機繊維、芳香族ポリアミド繊維、ポリアリレート繊維、ポリベンズオキサゾール(PBO)繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、全芳香族ポリエステル繊維などの有機繊維等を挙げることができ、これらの一種を、又は二種以上を組み合わせて使用することができる。なかでも、軽量で剛性、強度を付与できる観点から、炭素繊維やアラミド繊維を含むことが好ましい。
上記炭素繊維とは、引張強度3000MPa以上、弾性率200GPa以上の炭素繊維が好ましい。前記炭素繊維の原料としては特に限定するものではないが、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維等が例示できる。これらの炭素繊維のうち、取扱性能、製造工程通過性能に適したPAN系炭素繊維が特に好ましい。
また、芳香族ポリアミド繊維としては、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレン−テレフタルアミドなどを例示でき、特に高強度であるポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレン−テレフタルアミドが好ましい。
上記耐熱繊維の形態は、加工性の観点から、カットファイバーの状態が好ましく、なかでも高い剛性を保持するためには繊維長が20〜150mmの短繊維であることがより好ましい。上記繊維長は、より好ましくは20〜100mm、さらに好ましくは20〜50mmである。
上記耐熱繊維の直径は加工性、強度の観点から5〜40μmであることが好ましい。5μm未満では、強度が発現しにくく、40μmを超えると繊維の製造における工程通過性が悪く、コスト的にメリットが低い。上記耐熱繊維の直径は、より好ましくは5〜30μm、さらに好ましくは5〜25μmである。
前記の繊維構造物に用いる熱可塑性繊維は、熱可塑性樹脂を原料とし、一般的な溶融紡糸方により紡糸される繊維状物であって、原料となる熱可塑性樹脂としては、ポリプロプピレン樹脂、ポリエチレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂が好ましく使用されるが、この限りではない。
本発明は、吸音材の第二層として、耐熱繊維を強化材として含む繊維構造物に関するものである。強化材である耐熱繊維を予めマトリックスである熱可塑性繊維状物と混合することにより、均一な基材を作成可能であり、例えばポリカーボネート樹脂のように溶融時の粘度が高い樹脂であっても、強化繊維近傍にマトリックスが存在することになるため、強化繊維である炭素繊維および耐熱繊維と容易に密着することが可能である。
また、温度、圧力をコントロールすることにより、空隙率の均一な軽量かつ剛直な吸音材構造物を得ることができる。
また、温度、圧力をコントロールすることにより、空隙率の均一な軽量かつ剛直な吸音材構造物を得ることができる。
耐熱繊維と熱可塑性繊維との混合方法としては、一般的な乾式不織布、湿式不織布のいずれもが使用可能であるが、剛性、耐衝撃性を特に要求される製品においては、繊維長の長いことが有益であるため、乾式不織布法にて作成することがより好ましい。また、繊維は開繊機、カードなどの工程により一方向に引き揃えられることが剛性、耐衝撃性をより向上させる。
一方、湿式不織布法においては、完成した繊維強化プラスチックの剛性面では劣るものの、黒鉛、セラミックなどに代表されるフィーラーを同時に添加することにより、耐熱性、導電性、蓄熱性、伝熱性、電磁波遮蔽性などの新たな機能を追加した吸音材構造物の作成が可能であり、非常に有用である。
第2吸音材層の成型方法としては、プレス成型、スタンパブル成型などが好適例として示されるが、一般的な熱圧成型法は全て適用可能である。
第2吸音材層を製造するのに用いる繊維構造物の目付は、特に限定されるものではないが、80〜2000g/m2が好ましい。80g/m2未満であると、剛性が低く、取扱性が悪くなり、2000g/m2を超えると軽量化ができず、また高コストとなる。繊維構造物の目付は、より好ましくは100〜1500g/m2であり、さらに好ましくは100〜1000g/m2である。
第2吸音材層を製造するのに用いる繊維構造物の目付は、特に限定されるものではないが、80〜2000g/m2が好ましい。80g/m2未満であると、剛性が低く、取扱性が悪くなり、2000g/m2を超えると軽量化ができず、また高コストとなる。繊維構造物の目付は、より好ましくは100〜1500g/m2であり、さらに好ましくは100〜1000g/m2である。
本発明の吸音材構造物は、上記の第1吸音材層と第2吸音材層とを積層させた後、熱処理、加圧加熱処理などを施すことにより、これらを強固に接着させることができる。また、第1吸音材層と第2吸音材層とを積層させる際、両方の層または片方の層の一方の面に接着剤を塗布しておき、これらを接合してより強固に接着させてもよい。かかる接着加工を施すことにより、第1吸音材層と第2吸音材層との密着性が向上し、より加工性、取扱い性に優れた吸音複合体を得ることができる。
上記接着剤は、特に限定されるものではないが、アクリル系樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、エポキシ樹脂エマルジョン接着剤、酢酸ビニル樹脂エマルジョン接着剤、シリコーン系接着剤、などの有機系接着剤でもよく、シリカ系接着剤などの無機系接着剤が挙げられる。
上記熱処理方法は、特に限定されるものではないが、スルーエアー加工などの熱処理、カレンダー加工、エンボス加工などの加圧加熱処理などが挙げられる。
上記熱処理方法は、特に限定されるものではないが、スルーエアー加工などの熱処理、カレンダー加工、エンボス加工などの加圧加熱処理などが挙げられる。
吸音材構造物は、第1吸音材層および第2吸音材層を、それぞれ複数層積層したものであってもよい。さらに、第2吸音材層上に積層した第1吸音材層の上に、さらに第2吸音材層を積層し、第2吸音材層を第1吸音材層で挟んだ構造としてもよい。
以上により得られる吸音材構造物は、薄く軽量でありながら高い吸音性能を有しており、さらに耐熱性、難燃性に優れ、高温雰囲気下においても使用が可能である。
以上により得られる吸音材構造物は、薄く軽量でありながら高い吸音性能を有しており、さらに耐熱性、難燃性に優れ、高温雰囲気下においても使用が可能である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。ただし、以下の実施例は、本発明を限定するものではない。なお、実施例中における各物性値は、下記の方法で測定し
た。
た。
<固有粘度(IV)>
ポリマーをNMPに100mg/20mLで溶解し、オストワルド粘度計を用い30℃で測定した。
ポリマーをNMPに100mg/20mLで溶解し、オストワルド粘度計を用い30℃で測定した。
<平均繊維径>
得られた繊維から任意にサンプリングし、繊維50本について、走査型電子顕微鏡JSM6330F(JEOL社製)にて観察および測長を行い、平均繊維径を算出した。なお観察は、3,000倍の倍率で行った。
得られた繊維から任意にサンプリングし、繊維50本について、走査型電子顕微鏡JSM6330F(JEOL社製)にて観察および測長を行い、平均繊維径を算出した。なお観察は、3,000倍の倍率で行った。
<厚み>
小野測器 ディジタルリニアゲージDG−925(測定端子部の直径1cm)を用い、任意に選択した20箇所において厚さを測定し、平均値を求めた。
小野測器 ディジタルリニアゲージDG−925(測定端子部の直径1cm)を用い、任意に選択した20箇所において厚さを測定し、平均値を求めた。
<目付>
JIS L1906の単位面積当たりの重量試験方法に準じて測定を行った。
JIS L1906の単位面積当たりの重量試験方法に準じて測定を行った。
<透気度(ガーレー)>
JIS L1906の通気性試験方法(フラジール法)準じて測定を行った。
JIS L1906の通気性試験方法(フラジール法)準じて測定を行った。
<繊維長、繊度>
JIS L 1015に準拠して測定した。
JIS L 1015に準拠して測定した。
<繊維の引張強度、弾性率>
ASTM D885に準拠して測定した。
ASTM D885に準拠して測定した。
<各繊維の融点、軟化点、熱分解開始温度>
株式会社リガク社製示差熱分析装置TAS200にて窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分にて測定し算出した。
株式会社リガク社製示差熱分析装置TAS200にて窒素雰囲気下、昇温速度10℃/分にて測定し算出した。
<吸音特性(吸音率(%))>
吸音材および複合吸音材を、JIS 1405に準じて、垂直の入射法の測定器で、500〜6300Hzの周波数におけるそれぞれの吸音率を測定した。
吸音材および複合吸音材を、JIS 1405に準じて、垂直の入射法の測定器で、500〜6300Hzの周波数におけるそれぞれの吸音率を測定した。
<第1吸音材層の曲げ強度、弾性率>
JIS K 7171に準拠し、厚さ5mm、長さ100mm、幅10mmの試験片を用いて、支点間距離80mmでの3点曲げにて測定した。
JIS K 7171に準拠し、厚さ5mm、長さ100mm、幅10mmの試験片を用いて、支点間距離80mmでの3点曲げにて測定した。
<繊維交絡数>
厚さ方向に切断した不織布の切断面を、走査型電子顕微鏡(倍率:12倍)にて観察し、不織布の厚さの半分以上の長さにわたって、厚さ方向(厚さ方向に対し、45°以内の方向を含む)に配列している5本以上の短繊維が集束した繊維束の本数を数えて、1cmあたりの本数で表わした。
厚さ方向に切断した不織布の切断面を、走査型電子顕微鏡(倍率:12倍)にて観察し、不織布の厚さの半分以上の長さにわたって、厚さ方向(厚さ方向に対し、45°以内の方向を含む)に配列している5本以上の短繊維が集束した繊維束の本数を数えて、1cmあたりの本数で表わした。
[実施例1]
<第1吸音材層の作成>
特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造した固有粘度(IV)=1.35のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉末(帝人製、密度1.38g/cm3)20重量部を、0℃に冷却したジメチルアセトアミド(DMAc)80重量部中に投入し、スラリー状にした後、45℃まで昇温して溶解させ、ポリマー溶液を得た。
上記のポリマー溶液を、ギアポンプを使ってUS6013223の紡糸装置に120g/minで供給し、紡糸温度35℃とし、10m3/minで圧空を供給して紡糸を行った。ここで、US6013223の紡糸装置は、ポリマー溶液吐出ノズルが、100×5列の配列で500本が設置されており、このうち吐出孔径が0.2mmのものが450本、0.6mmのものが50本、5mmピッチで等間隔となるように配置されたものを使用した。凝固液として水を使用し、吐出後のポリマー溶液に、ノズル孔から下方向に40cmの位置で、スプレーノズルを用いて、9L/minの水量で吹き付け、ポリマー溶液を固化させて連続繊維を得た。また、紡糸装置の下方50cmに捕集ベルトを設置し、連続繊維を積層しながらベルトの搬送速度を0.5m/minとし、表1記載の繊維構成、目付の不織布を得た。
得られた不織布を金属製カレンダーロールにて温度250℃、設定線圧50kg/cmで熱処理し、上下ロール間のクリアランスを設けることによって、任意に線圧を調整し、表1記載の厚みの第1吸音材層となる不織布を作成した。
<第1吸音材層の作成>
特公昭47−10863号公報記載の方法に準じた界面重合法により製造した固有粘度(IV)=1.35のポリメタフェニレンイソフタルアミド粉末(帝人製、密度1.38g/cm3)20重量部を、0℃に冷却したジメチルアセトアミド(DMAc)80重量部中に投入し、スラリー状にした後、45℃まで昇温して溶解させ、ポリマー溶液を得た。
上記のポリマー溶液を、ギアポンプを使ってUS6013223の紡糸装置に120g/minで供給し、紡糸温度35℃とし、10m3/minで圧空を供給して紡糸を行った。ここで、US6013223の紡糸装置は、ポリマー溶液吐出ノズルが、100×5列の配列で500本が設置されており、このうち吐出孔径が0.2mmのものが450本、0.6mmのものが50本、5mmピッチで等間隔となるように配置されたものを使用した。凝固液として水を使用し、吐出後のポリマー溶液に、ノズル孔から下方向に40cmの位置で、スプレーノズルを用いて、9L/minの水量で吹き付け、ポリマー溶液を固化させて連続繊維を得た。また、紡糸装置の下方50cmに捕集ベルトを設置し、連続繊維を積層しながらベルトの搬送速度を0.5m/minとし、表1記載の繊維構成、目付の不織布を得た。
得られた不織布を金属製カレンダーロールにて温度250℃、設定線圧50kg/cmで熱処理し、上下ロール間のクリアランスを設けることによって、任意に線圧を調整し、表1記載の厚みの第1吸音材層となる不織布を作成した。
<第2吸音材層の作成>
繊維径7μmの炭素繊維(東邦テナックス製、引張強度4200MPa)を35mmにカットした繊維と直径18μmのポリプロピレン繊維を51mmにカットした繊維を重量比で、40:60の割合で開繊機にて混合した後、カード機にて目付200g/m2の不織布を作成した。
カード工程を通過させることにより、繊維の引き揃え性を向上させた。上記で得られた不織布を5枚積層し1000g/m2の繊維積層物を得た。上記積層物を、ニードルパンチ機により38番針にて針深度10mm、500本/cm2の密度で打ち込みをしてニーパン不織布を得た。次いで、予め離型処理を施したステンレス板で挟み、ホットプレス熱盤上にセットした後、同じく予め離型処理を施した鋼製スペーサーを使用して、厚さ約1〜2mmの繊維構造物を作成した。尚、このときの成型条件は、成型圧力が6kgf/cm2、成型温度が180℃、成形時間10分であった。
次に上記で得られた厚さ約1〜2mmの繊維構造物を、圧力負荷をかけることなく、200℃にて加熱し、構造体の空隙率を増加させ、第2吸音材層を作成した。
繊維径7μmの炭素繊維(東邦テナックス製、引張強度4200MPa)を35mmにカットした繊維と直径18μmのポリプロピレン繊維を51mmにカットした繊維を重量比で、40:60の割合で開繊機にて混合した後、カード機にて目付200g/m2の不織布を作成した。
カード工程を通過させることにより、繊維の引き揃え性を向上させた。上記で得られた不織布を5枚積層し1000g/m2の繊維積層物を得た。上記積層物を、ニードルパンチ機により38番針にて針深度10mm、500本/cm2の密度で打ち込みをしてニーパン不織布を得た。次いで、予め離型処理を施したステンレス板で挟み、ホットプレス熱盤上にセットした後、同じく予め離型処理を施した鋼製スペーサーを使用して、厚さ約1〜2mmの繊維構造物を作成した。尚、このときの成型条件は、成型圧力が6kgf/cm2、成型温度が180℃、成形時間10分であった。
次に上記で得られた厚さ約1〜2mmの繊維構造物を、圧力負荷をかけることなく、200℃にて加熱し、構造体の空隙率を増加させ、第2吸音材層を作成した。
<吸音材構造物の作成>
上記で得られた第1吸音材層と第2吸音材層とをアクリル系樹脂系接着剤を用いて、加圧力1kgf/cm2の圧力にて貼り合せたものを吸音材構造物として、吸音特性を評価した。結果を表1に示す。
上記で得られた第1吸音材層と第2吸音材層とをアクリル系樹脂系接着剤を用いて、加圧力1kgf/cm2の圧力にて貼り合せたものを吸音材構造物として、吸音特性を評価した。結果を表1に示す。
[実施例2]
<第1吸音材層の作成>
実施例1と同様の方法で第1吸音材層を作成した。
<第2吸音材層の作成>
繊維径7μmの炭素繊維(東邦テナックス製、引張強度4200MPa)を35mmにカットした繊維と繊維径12μmの芳香族ポリアミド繊維(ポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維)(帝人製テクノーラ(商標)、引張強度3400MPa、熱分解開始温度約500℃、表1にはアラミドと記載)を51mmにカットした繊維を重量比で、50:50の割合で開繊機にて混合し、強化繊維混合物を得たのち、該強化繊維混合物と、直径18μmのポリプロピレン繊維(PP繊維)を51mmにカットした繊維とを重量比で、40:60の割合で開繊機にて混合した後、カード機にて目付200g/m2の不織布を作成した以外は実施例1と同様の方法で第1吸音材層を作成した。
<吸音材構造物の作成>
実施例1と同様の方法で吸音材構造物を作成した。
<第1吸音材層の作成>
実施例1と同様の方法で第1吸音材層を作成した。
<第2吸音材層の作成>
繊維径7μmの炭素繊維(東邦テナックス製、引張強度4200MPa)を35mmにカットした繊維と繊維径12μmの芳香族ポリアミド繊維(ポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維)(帝人製テクノーラ(商標)、引張強度3400MPa、熱分解開始温度約500℃、表1にはアラミドと記載)を51mmにカットした繊維を重量比で、50:50の割合で開繊機にて混合し、強化繊維混合物を得たのち、該強化繊維混合物と、直径18μmのポリプロピレン繊維(PP繊維)を51mmにカットした繊維とを重量比で、40:60の割合で開繊機にて混合した後、カード機にて目付200g/m2の不織布を作成した以外は実施例1と同様の方法で第1吸音材層を作成した。
<吸音材構造物の作成>
実施例1と同様の方法で吸音材構造物を作成した。
[実施例3]
<第1吸音材層の作成>
実施例1と同様の方法で第1吸音材層を作成した。
<第2吸音材層の作成>
繊維径12μmのアラミド繊維(ポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維)(帝人製 テクノーラ(商標)、引張強度3400MPa、熱分解開始温度約500℃)を51mmにカットした繊維と繊維径18μmのポリプロピレン繊維を51mmにカットした繊維を重量比で、40:60の割合で開繊機にて混合した後、カード機にて目付200g/m2の不織布を作成した以外は実施例1と同様の方法で第2吸音材層を作成した。
<吸音材構造物の作成>
実施例1と同様の方法で吸音材構造物を作成した。
<第1吸音材層の作成>
実施例1と同様の方法で第1吸音材層を作成した。
<第2吸音材層の作成>
繊維径12μmのアラミド繊維(ポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維)(帝人製 テクノーラ(商標)、引張強度3400MPa、熱分解開始温度約500℃)を51mmにカットした繊維と繊維径18μmのポリプロピレン繊維を51mmにカットした繊維を重量比で、40:60の割合で開繊機にて混合した後、カード機にて目付200g/m2の不織布を作成した以外は実施例1と同様の方法で第2吸音材層を作成した。
<吸音材構造物の作成>
実施例1と同様の方法で吸音材構造物を作成した。
[比較例1]
<第1吸音材層の作成>
実施例1と同様の方法で第1吸音材層を作成した。
<第2吸音材層の作成>
繊維径7μmのガラス繊維からなる不織布1000g/m2を第2吸音材層として用いた。
<吸音材構造物の作成>
実施例1と同様の方法で吸音材構造物を作成した。
<第1吸音材層の作成>
実施例1と同様の方法で第1吸音材層を作成した。
<第2吸音材層の作成>
繊維径7μmのガラス繊維からなる不織布1000g/m2を第2吸音材層として用いた。
<吸音材構造物の作成>
実施例1と同様の方法で吸音材構造物を作成した。
[比較例2]
<第1吸音材層の作成>
実施例1と同様の方法で吸音材構造物を作成した。
<第2吸音材層の作成>
繊維径14μmのポリエチレンテレフタレート繊維(帝人製テトロン(登録商標)、表1ではPET繊維と記載)からなる不織布1000g/m2を第2吸音材層として用いた。
<吸音材構造物の作成>
実施例1と同様の方法で吸音材構造物を作成した。
<第1吸音材層の作成>
実施例1と同様の方法で吸音材構造物を作成した。
<第2吸音材層の作成>
繊維径14μmのポリエチレンテレフタレート繊維(帝人製テトロン(登録商標)、表1ではPET繊維と記載)からなる不織布1000g/m2を第2吸音材層として用いた。
<吸音材構造物の作成>
実施例1と同様の方法で吸音材構造物を作成した。
[比較例3]
繊維径7μmのガラス繊維、および、繊維径18μmポリプロピレン繊維を重量比で40/60とした構造物を熱プレス処理し、厚み3.6mmとしたガラス繊維構造物の表面にポリエステルフィルム(150μm厚み)を貼り合せ、吸音材構造物として用いた。
繊維径7μmのガラス繊維、および、繊維径18μmポリプロピレン繊維を重量比で40/60とした構造物を熱プレス処理し、厚み3.6mmとしたガラス繊維構造物の表面にポリエステルフィルム(150μm厚み)を貼り合せ、吸音材構造物として用いた。
[比較例4]
従来品(住友スリーエム株式会社,シンサレート)を用いて吸音特性を評価した。
従来品(住友スリーエム株式会社,シンサレート)を用いて吸音特性を評価した。
本発明の吸音材構造物は、薄く軽量であるにも関わらず吸音性能が高いため、スペースを有効利用する必要のある車両、電気製品、建築材などの吸音材として用いるのに適している。また、第1吸音材層および/または第2吸音材層に耐熱性ポリマーからなる繊維を使用した場合、車両エンジンルームやモーターなどの発熱体に近接あるいは接触する用途での使用することもできる。特に、該繊維として、メタ型アラミド繊維を用いる場合には、耐薬品性も兼ね備えているため、酸性、アルカリ条件下でも使用することができ、その工業的価値は極めて大きい。
Claims (9)
- 第1吸音材層と第2吸音材層の少なくとも2層以上が接合してなる吸音材構造物であって、
第1吸音材層は、繊維径が0.5〜10μmの芳香族ポリアミド連続繊維を含み、かつ目付が20g/m2以上の不織布からなり、
第2吸音材層は、熱可塑性樹脂成形体または一部の繊維が溶融してなる熱可塑性繊維集合体であり、該熱可塑性樹脂成形体中または該熱可塑性繊維集合体中に、融点、軟化点又は熱分解開始温度が250℃以上の耐熱繊維を含み、該耐熱繊維が少なくとも一部で交絡していることを特徴とする吸音材構造物。 - 第2吸音材層の該熱可塑性樹脂成形体または該熱可塑性繊維集合体の空隙率が60〜81%である請求項1に記載の吸音材構造物。
- 第1吸音材層の不織布を構成する芳香族ポリアミド連続繊維が、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、コポリパラフェニレン−3,4’オキシジフェニレン−テレフタルアミドから選ばれる少なくとも1つである請求項1または2に記載の吸音材構造物。
- 第2吸音材層を構成する耐熱繊維の直径が5〜40μmである請求項1〜3のいずれかに記載の吸音材構造物。
- 第2吸音材層を構成する耐熱繊維の繊維長が20〜150mmである請求項1〜4のいずれかに記載の吸音材構造物。
- 第2吸音材層が、耐熱繊維および熱可塑性繊維を含む繊維構造物を、熱可塑性繊維の融点または軟化点以上で加熱することにより、熱可塑性繊維の一部またはすべてを溶融してなる熱可塑性樹脂成形体または一部の繊維が溶融してなる熱可塑性繊維集合体で構成されている請求項1〜5のいずれかに記載の吸音材構造物。
- 第2吸音材層を構成する耐熱繊維が炭素繊維を含む請求項1〜6のいずれかに記載の吸音材構造物。
- 第2吸音材層の熱可塑性繊維を構成する熱可塑性樹脂のメルトボリュームフローレイトが16〜60cm3/10分である請求項1〜7のいずれかに記載の吸音材構造物。
- 第2吸音材層の熱可塑性繊維が、ポリプロプピレン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂から選ばれる少なくとも一種からなる請求項1〜8のいずれかに記載の吸音材構造物。
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