JP2005271666A - 自動二輪車における車輪速センサ取付け構造 - Google Patents

Abstract

【課題】ラジアルマウントのディスクブレーキのブレーキキャリパがフロントフォークの下部に取付けられる自動二輪車において、コストおよびメンテナンスの上で合理的な位置に車輪速センサを配置する。
【解決手段】前輪ＷＦを軸支するフロントフォーク５の下部に設けられた取付けボス１７に、車輪速センサ３２が取付けられる。
【選択図】 図１

Description

本発明は、前輪を軸支するフロントフォークの下部に設けられた取付けボスに、前輪を制動するディスクブレーキのブレーキキャリパが、前輪の半径方向に沿う方向を取付け方向として取付けられる自動二輪車に関し、特に、前輪の車輪速を検出するための車輪速センサの取付け構造の改良に関する。

前輪の車輪速を検出する車輪速センサがフロントフォークの下部に取付けられる自動二輪車がたとえば特許文献１によって既に知られており、またレース用自動二輪車等でブレーキキャリパの着脱作業性を高めるために、ブレーキキャリパの取付け方向を車輪の半径方向に沿う方向に定めたラジアルマウントのディスクブレーキが特許文献２で既に知られている。
実公平７−１７６０９号公報 特開平７−１２１４９号公報

ところで、ラジアルマウントのディスクブレーキにおけるブレーキキャリパがフロントフォークの下部に取付けられた自動二輪車では、ブレーキキャリパの交換作業に邪魔にならない位置に車輪速センサを配置する必要があるが、その場合、コストおよびメンテナンスの上で合理的な位置に車輪速センサを配置することが望まれる。

本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、ラジアルマウントのディスクブレーキのブレーキキャリパがフロントフォークの下部に取付けられる構成にあって、コストおよびメンテナンスの上で合理的な位置に車輪速センサを配置し得るようにした自動二輪車における車輪速センサ取付け構造を提供することを目的とする。

上記目的を達成するために、請求項１記載の発明は、前輪を軸支するフロントフォークの下部に設けられた取付けボスに、前輪を制動するディスクブレーキのブレーキキャリパが、前輪の半径方向に沿う方向を取付け方向として取付けられる自動二輪車において、前記取付けボスに車輪速センサが取付けられることを特徴とする。

また請求項２記載の発明は、請求項１記載の発明の構成に加えて、前記前輪を軸支するようにして前記フロントフォークの下部に設けられる車軸支持部に、前記取付けボスが一体に連なって形成されることを特徴とする。

さらに請求項３記載の発明は、請求項１または２記載の発明の構成に加えて、上下に離れた一対の前記取付けボスが前記フロントフォークの下部に設けられ、前記両取付けボスのうち下方の取付けボスの下面に車輪速センサが取付けられることを特徴とする。

請求項１記載の発明によれば、ラジアルマウントのディスクブレーキを取付けるためにフロントフォークの下部に設けられた取付けボスに、車輪速センサが取付けられるので、ブレーキキャリパの交換作業時に車輪速センサが邪魔にならないようにするとともに、車輪速センサ専用のボスやステー等を設けることを不要として、ディスクブレーキのメンテナンスを良好にした上でコストの低減を図り得る位置に車輪速センサを配置することができる。

また請求項２記載の発明によれば、ディスクブレーキのブレーキキャリパおよび車輪速センサを取り付けるための専用部品を不要とし、部品点数を低減することができる。

さらに請求項３記載の発明によれば、取付けボスの下方のスペースを有効に活用して車輪速センサを配置することができる。

以下、本発明の実施の形態を、添付の図面に示した本発明の一実施例に基づいて説明する。

図１〜図３は本発明の一実施例を示すものであり、図１は自動二輪車の前輪付近の一部切欠き側面図、図２は図１の２−２線断面図、図３は図１の３−３線断面図である。

先ず図１および図２において、自動二輪車のフロントフォーク５は前輪ＷＦの両側に配置される一対の脚部６，７を備えており、両脚部６，７がその下端に備える車軸支持部６ａ，７ａ間に、アクスルカラー８と、該アクスルカラー８を貫通する車軸９とが、軸方向の位置を定めて固定的に設けられる。

前輪ＷＦは、前記アクスルカラー８との間に一対のボールベアリング１０，１１を介在させてアクスルカラー８を同軸に囲繞する円筒状のハブ１２と、該ハブ１２を同軸に囲繞するリム１３と、ハブ１２およびリム１３間を一体に連結する複数のスポーク１４…と、前記リム１３に装着されるタイヤ１５とで構成される。

フロントフォーク５における前記両脚部６，７の下部には、上下に離れた一対の取付けボス１６，１７が前記車軸支持部６ａ，７ａに一体に連なるようにしてそれぞれ形成されており、前輪ＷＦを制動する一対のディスクブレーキ１８…のブレーキキャリパ１９…が、前輪ＷＦの半径方向に沿う方向を取付け方向２０として２組の前記取付けボス１６，１７…にそれぞれ取付けられる。

図３を併せて参照して、ディスクブレーキ１８は、前記ハブ１２の端部に複数のねじ部材２１…によって取付けられるブレーキディスク２２と、該ブレーキディスク２２の両側に配置される一対の摩擦パッド２３，２３と、ディスクブレーキ２２の外周部を跨いで前記両摩擦パッド２３，２３を支承するブレーキキャリパ１９とを備えるものであり、ブレーキキャリパ１９は、作用部２４および反作用部２５が相互に締結されて成る。

ブレーキキャリパ１９の作用部２４および反作用部２５には、それぞれ一対ずつのピストン２６…が摺動可能に嵌合されており、ブレーキディスク２２の両側の摩擦パッド２３，２３の裏金２３ａ，２３ａが一対ずつのピストン２６…によって押圧されることで、摩擦パッド２３，２３がブレーキディスク２２に摩擦接触することになる。

このようなディスクブレーキ１８は、ラジアルマウントタイプのものであり、ブレーキキャリパ１９における作用部２４は、前輪ＷＦの半径方向に沿う軸線を有する一対の取付けボルト２７，２８によって前記取付けボス１６，１７にそれぞれ締結される。

ところで、前輪ＷＦの右側に配置されるディスクブレーキ１８におけるブレーキディスク２２の中央部外側面には磁性金属から成るパルサーリング３０が当接されており、このパルサーリング３０は、前記複数のねじ部材２１…による共締めによりハブ１２の左端に一体に締結され、パルサーリング３０は前輪ＷＦとともに回転する。

パルサーリング３０の外周部外側面には多数の突起３１，３１…が周方向に等間隔をあけて突設されており、それらの突起３１，３１…を検出することで前輪ＷＦの車輪速を検出する磁気近接センサである車輪速センサ３２が、前記各突起３１，３１…に近接対向するようにして支持板３３にボルト３４…により締結される。

前記支持板３３は、略Ｌ字状に形成されており、フロントフォーク５が備える両脚部６，７のうち前輪ＷＦの右側に配置される脚部６に設けられた一対の取付けボス１６，１７のうち下方の取付けボス１７の下面にボルト３５…によって締結される。すなわち車輪速センサ３２は、前輪ＷＦの右側でフロントフォーク５の下部に設けられ、フロントフォーク５の右側下部に一体に設けられる一対の取付けボス１６，１７のうち下方の取付けボス１７の下面に支持板３３を介して取付けられることになる。

前輪ＷＦは、その上方からフロントフェンダー３６で覆われるものであり、このフロントフェンダー３６は、フロントフォーク５の両脚部６，７の下部に一対ずつ一体に突設される取付け板部３７，３８…にそれぞれ締結される。

次にこの実施例の作用について説明すると、前輪ＷＦを軸支するフロントフォーク５が前輪ＷＦの両側に備える一対の脚部６，７の下部にそれぞれ設けられた取付けボス１６，１７…に、前輪ＷＦを制動するディスクブレーキ１８…のブレーキキャリパ１９…が、前輪ＷＦの半径方向に沿う方向を取付け方向２０として取付けられるものであり、右側の前記脚部６に設けられた取付けボス１６に車輪速センサ３２が支持板３３を介して取付けられる。

すなわちラジアルマウントのディスクブレーキ１８が備えるブレーキキャリパ１９を取付けるためにフロントフォーク５の下部に設けられた取付けボス１７に、車輪速センサ３２が取付けられるので、ブレーキキャリパ１９の交換作業時に車輪速センサ３２が邪魔にならないようにするとともに、車輪速センサ３２専用のボスやステー等を設けることを不要として、ディスクブレーキ１８のメンテナンスを良好にした上でコストの低減を図り得る位置に車輪速センサ３２を配置することができる。

またフロントフォーク５が備える脚部６，７の下部に、前輪ＷＦの車軸９を軸支するための車軸支持部６ａ，７ａが設けられ、それらの車軸支持部６ａ，７ａに取付けボス１６，１７…が一体に連なって形成されるので、ディスクブレーキ１８のブレーキキャリパ１９を取り付けるための専用部品を不要とすることができ、しかも右側の車軸支持部６ａに一体に連なって形成される取付けボス１７に車輪速センサ３２が取付けられるので、車輪速センサ３２を取り付けるための専用部品を不要とすることができ、部品点数を低減することができる。

さらにフロントフォーク５が備える脚部６，７のうち右側の脚部６に上下に離れて一体に設けられた一対の取付けボス１６，１７のうち下方の取付けボス１７の下面に車輪速センサ３２が取付けられるので、取付けボス１７の下方のスペースを有効に活用して車輪速センサ３２を配置することができる。

以上、本発明の実施例を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の設計変更を行うことが可能である。

自動二輪車の前輪付近の一部切欠き側面図である。 図１の２−２線断面図である。 図１の３−３線断面図である。

符号の説明

５・・・フロントフォーク
６ａ・・・車軸支持部
１６，１７・・・取付けボス
１８・・・ディスクブレーキ
１９・・・ブレーキキャリパ
２０・・・取付け方向
３２・・・車輪速センサ
ＷＦ・・・前輪

Claims (3)

1. 前輪（ＷＦ）を軸支するフロントフォーク（５）の下部に設けられた取付けボス（１７）に、前輪（ＷＦ）を制動するディスクブレーキ（１８）のブレーキキャリパ（１９）が、前輪（ＷＦ）の半径方向に沿う方向を取付け方向（２０）として取付けられる自動二輪車において、前記取付けボス（１７）に車輪速センサ（３２）が取付けられることを特徴とする自動二輪車における車輪速センサ取付け構造。
2. 前記前輪（ＷＦ）を軸支するようにして前記フロントフォーク（５）の下部に設けられる車軸支持部（６ａ）に、前記取付けボス（１７）が一体に連なって形成されることを特徴とする請求項１記載の自動二輪車における車輪速センサ取付け構造。
3. 上下に離れた一対の前記取付けボス（１６，１７）が前記フロントフォーク（５）の下部に設けられ、前記両取付けボス（１６，１７）のうち下方の取付けボス（１７）の下面に車輪速センサ（３２）が取付けられることを特徴とする請求項１または２記載の自動二輪車における車輪速センサ取付け構造。

Images