JP2004257504A - ゴルフカー - Google Patents
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Abstract
【課題】ゴルフカーにディスクブレーキを装備するに当たって、大きな制動力が得られるようにする。
【解決手段】後輪2の径方向の内側から車体方向に延びるアーム35を後輪と一体に回転するように設ける。このアーム35の車体内側の端部にブレーキディスク32を取付ける。前記車軸13を支持する車軸支持部材のブレーキ支持用ブラケット22にブレーキキャリパー31を設けた。
【選択図】 図4
【解決手段】後輪2の径方向の内側から車体方向に延びるアーム35を後輪と一体に回転するように設ける。このアーム35の車体内側の端部にブレーキディスク32を取付ける。前記車軸13を支持する車軸支持部材のブレーキ支持用ブラケット22にブレーキキャリパー31を設けた。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクブレーキを装備したゴルフカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴルフカーの車輪毎にブレーキを設ける場合には、例えば特開2000−230594号公報に開示されているように、ドラムブレーキが用いられている。この公報に示されているゴルフカーは、車輪として横幅が広いバルーンタイヤが用いられ、この車輪内の空間にドラムブレーキが収容されている。
このゴルフカーにおいて、前輪用のドラムブレーキのブレーキドラムは、車軸に回転自在に支持されたハブに設けられ、ブレーキシューは、車軸を有するステアリングナックルに支持されている。一方、後輪用のドラムブレーキのブレーキドラムは、車軸の先端部に固定されたハブに設けられ、ブレーキシューは、車軸を回転自在に支持する車軸支持用パイプに支持されている。
【0003】
前記車軸支持用パイプは、前記車軸が挿通された状態でスイングアームに支持され、車軸の左右方向の支持スパンを可及的長くとることができるように、車軸の車体外側の端部を車輪内で軸受によって回転自在に支持する構成が採られている。詳述すると、車軸支持用パイプの車体外側の端部は、ハブに隣接するように形成されて車輪内に臨み、この端部に溶接されたブレーキ支持用ブラケットと、このブレーキ支持用ブラケットに嵌合された軸受とを介して車軸を回転自在に支持している。前記ブレーキ支持用ブラケットは、円環板状を呈するように形成され、内周部に前記軸受が嵌合されるとともに、外周部にドラムブレーキのバックプレートやブレーキシューなどの部材が取付けられている。
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−230594号公報(図7、図8)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにドラムブレーキを装備した従来のゴルフカーにおいては、車速が相対的に遅い状態で走行しているときに停止させる場合問題があった。これは、ドラムブレーキは、いわゆる倍力作用により制動力が増大するからである。すなわち、低速で走行しているときは、ブレーキの性能に充分な余裕があるにもかかわらず、前記倍力作用によって過度に大きな制動力が生じるようになるから、運転者が意図する以上に車体が急停車するようになる。
【0006】
このような不具合は、ドラムブレーキの代わりにディスクブレーキを使用することによってある程度は解消することができる。しかし、ブレーキディスクを車輪内に収容した構造にすると、ブレーキディスクの外径が小さくなるために制動力が不足するおそれがあった。
【0007】
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、ゴルフカーにディスクブレーキを装備するに当たって、大きな制動力が得られるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明に係るゴルフカーは、車輪の径方向の内側から車体方向に延びるアームを車輪と一体に回転するように設け、このアームの車体内側の端部にブレーキディスクを取付けるとともに、車軸を支持する車軸支持部材にブレーキキャリパーを設けたものである。
本発明によれば、車輪より車体内側にブレーキディスクが設けられ、このブレーキディスクの外径を車輪の大きさによって規制されることなく大きく形成することができる。
【0009】
請求項2に記載した発明に係るゴルフカーは、請求項1に記載した発明に係るゴルフカーにおいて、車軸支持部材の車体外側の端部を車輪内に臨ませ、この端部に軸受を介して車軸を回転自在に支持させ、アームをハブに形成したものである。
ドラムブレーキを装備した従来のゴルフカーは、車軸支持部材の車体外側の端部が車輪内に臨み、この端部に軸受を介して車軸が回転自在に支持されているから、この発明に係るゴルフカーは、ドラム式ブレーキを装備した従来のゴルフカーと車軸を支持する部品の構成が同等になる。したがって、この発明に係るゴルフカーは、従来のゴルフカーのハブと、車軸支持部材のブレーキ支持用ブラケットとを、ドラムブレーキ用のものからディスクブレーキ用のものにそれぞれ交換することによって、ディスクブレーキを装備することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係るゴルフカーの一実施の形態を図1ないし図5によって詳細に説明する。
図1は本発明に係るゴルフカーの側面図、図2は後輪支持部分の正面図で、同図はブレーキキャリパーを省略した状態で描いてある。図3は図2における車軸部分のIII−III線断面図、図4は要部を拡大して示す断面図、図5はディスク用ホルダーの正面図である。
【0011】
これらの図において、符号1で示すものはこの実施の形態によるゴルフカーである。このゴルフカー1は、図示していないエンジンによって後輪2が駆動されて走行するもので、図2に示すように、後輪2にディスクブレーキ3が設けられている。
図1において、4は前輪を示し、5は操舵ハンドル、6は前部シート、7は後部シート、8は後部車体カバー、9はキャディバッグ、10はキャディバッグ用キャリアを示す。
【0012】
前記後輪2は、図2および図4に示すように、低圧バルーンタイヤ11がホイール12に装着され、後述する車軸13のハブ14に取付用ボルト15によって取付けられている。前記ハブ14は、車軸13の車体外側の端部にスプライン嵌合によって車軸13と一体に回転するように取付けられている。このスプライン嵌合部のスプライン溝16は、図4に示すように、前記ハブ14より車体内側(同図においては左側)に延びるように車軸13に形成されている。このスプライン溝16の前記車体内側の延設部分には、後述するディスク用ホルダー17が嵌合されている。
【0013】
前記車軸13は、図2中に符号21で示す車軸支持用パイプと、この車軸支持用パイプ21の車体外側の端部に溶接されたブレーキ支持用ブラケット22とからなる車軸支持部材の中に挿通されて後輪2側から車体の内側に延びている。この車軸13の車体内側の端部は、図示してはいないが、従来からよく知られているように、エンジンを有する動力ユニットにディファレンシャルギヤを介して接続されており、エンジンの動力が伝達されるように構成されている。
【0014】
前記車軸支持用パイプ21は、図2に示すように、スイングアーム23に固定されるとともに、クッションユニット24を介して車体フレーム25の上部支持ブラケット26に接続されている。前記スイングアーム23は、車体前側の端部が前記車体フレーム25の前部に上下方向に揺動自在に支持され、車軸支持用パイプ21とともに上述した動力ユニットやディファレンシャルギヤなどを支持している。
【0015】
また、前記車軸支持用パイプ21の端部に溶接されたブレーキ支持用ブラケット22は、図3および図4に示すように、前記車軸13が貫通するボス27と、このボス27の外周部から径方向の外方に突出するブラケット本体28とから構成されている。前記ボス27は、車軸13との間に軸受29が介装されており、この軸受29を介して車軸13の車体外側の端部を回転自在に支持している。すなわち、この実施の形態によれば、前記車軸13の後輪2側の端部は、前記軸受29と、前記ブレーキ支持用ブラケット22のボス27とを介して車軸支持用パイプ21に回転自在に支持されることになる。
【0016】
前記ブレーキ支持用ブラケット22のブラケット本体28は、図3に示すように、車軸13より車体前側(同図において右側)であって、図4に示すように、後輪2より車体の内側に位置するように設けられ、先端部に前記ディスクブレーキ3のブレーキキャリパー31が取付けられている。このブレーキキャリパー31は、従来からよく知られているように、ブレーキペダル(図示せず)を乗員が踏込んだときの踏力が圧油を介して伝達され、ブレーキディスク32を一対のパッド33,33で挟持するように構成されている。
【0017】
前記ブレーキディスク32は、上述したディスク用ホルダー17に保持されてブレーキキャリパー31と対応する位置、すなわち後輪2より車体内側の位置に配設されている。このように後輪2の外にブレーキディスク32を設けることができるから、このブレーキディスク32の外径は、後輪2のホイール12の内径(タイヤ11が係合するリム部分の内径)より大きく形成できるから、このゴルフカー1を停止させるために充分な制動力が得られるような寸法に設定できる。
【0018】
このブレーキディスク32を保持する前記ディスク用ホルダー17は、図4および図5に示すように、前記車軸13にスプライン嵌合によって一体に回転するように装着されたボス34と、このボス34の外周部に一体に形成された4本のアーム35とから構成されている。前記ボス34は、車軸13を回転自在に支持する軸受29とハブ14とに挟まれるように設けられ、車軸13の軸端部に螺着されたロックナット36と前記軸受29との間にハブ14とともに挟持されている。
【0019】
前記4本のアーム35は、前記後輪2の径方向の内側から車体方向に延びるように形成され、車体内側の端部にブレーキディスク用取付座37が形成されている。この取付座37には、ブレーキディスク32が固定用ボルト38によって固定されている。この実施の形態によるアーム35は、前記ボス34の外周部から径方向の外側に延びる基部35aと、この基部35aの先端部分から車体内側に向かうにしたがって次第にアーム35どうしの間隔が拡がるように傾斜して延びる横方向延在部35bとから形成されており、アーム35の長さが可及的短く形成されてブレーキディスク32を強固に保持することができるように構成されている。
【0020】
また、これらのアーム35の長さがより一層短く形成されるように、ディスク用ホルダー17のボス34は、図4に示す正面視において、後輪2の車体内側の端部と対応する位置に位置付けられている。この構成を採るに当たっては、車軸13の左右方向の支持スパンを可及的長くとることができるように、車軸13を回転自在に支持する前記軸受29は、後輪2より車体の内側であって後輪2の近傍に位置付けられている。
【0021】
上述したように構成されたゴルフカー1においては、走行中は後輪2の車軸13とともにディスク用ホルダー17が回転し、これに伴ってブレーキディスク32が回転する。走行時に乗員がブレーキペダルを踏込むことによって、ブレーキキャリパー31のパッド33,33がブレーキディスク32を挟圧し、後輪2が制動される。この制動時には、ブレーキディスク32が後輪2より車体の内側に位置付けられていて後輪2に規制されることなくブレーキディスク32の大径化が図られていることから、充分に大きな制動力が得られる。すなわち、ブレーキディスク32が後輪2内に設けられる場合に較べて、後輪2に規制されることなくブレーキディスク32の外径を大きく形成することができ、前記パッド33が摺接する摩擦部の半径を大きくとることができるから、上述したように大きな制動力が得られる。
【0022】
(第2の実施の形態)
請求項2に記載した発明に係るゴルフカーの一実施の形態を図6ないし図9によって詳細に説明する。
図6は後輪支持部分の正面図で、同図はブレーキキャリパーを省略した状態で描いてある。図7は要部を拡大して示す断面図、図8はハブを車体内側から見た正面図、図9は図8におけるIX−IX線断面図である。これらの図において、前記図1〜図5によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0023】
図6〜図9において、符号41で示すハブは、前記第1の実施の形態を採る場合に用いたディスク用ホルダーの機能を有するように形成されている。詳述すると、このハブ41は、車軸13にスプライン嵌合によって一体に回転するように装着されたボス42と、このボス42の車体内側の端部から車体方向に延びてブレーキディスク32を保持する4本のアーム43と、前記ボス42の車体外側の端部から径方向の外側に延びるフランジ44とから構成されている。前記ボス42と、アーム43およびフランジ44は、鋳造によって一体に成形されている。
【0024】
前記ボス42は、前記第1の実施の形態で示したディスク用ホルダー17のボス34に較べて、車体内側の端面がホイール12の左右方向の中心に近付くように形成されている。このボス42の軸線方向の長さは、従来のブレーキドラムが取付けられるハブのボス部分と同等になるように形成されている。また、このボス42に隣接する車軸支持用パイプ21の車体外側の端部は、後輪2内に臨むように形成され、車軸13の車体外側の端部は、前記車軸支持用パイプ21の前記端部に溶接されたブレーキ支持用ブラケット22のボス27に軸受29を介して回転自在に支持されている。すなわち、この実施の形態による車軸13の支持構造は、従来のドラムブレーキを装備したゴルフカーの車軸の支持構造と同等になるように形成されている。
【0025】
前記アーム43は、後輪2より車体の内側に延びるように形成され、先端部の取付座37にブレーキディスク32が固定用ボルト38によって固定されている。この実施の形態による前記アーム35は、上述したようにボス42が前記第1の実施の形態で示したディスク用ホルダー17のボス34に較べて車体外側に位置していることから、相対的にアーム長が長くなり、ボス42との接続部分がホイール12の左右方向の中心に近付くように形成されている。
前記フランジ44は、後輪2のホイール12が取付用ボルト15によって固定されている。
【0026】
この実施の形態によれば、車軸支持用パイプ21の車体外側の端部が車輪2内に臨み、この端部に設けられたブレーキ支持用ブラケット22のボス27に軸受29を介して車軸13が回転自在に支持されているから、上述したように車軸13を支持する構成が従来のゴルフカーと同等になる。すなわち、ハブ41とブレーキ支持用ブラケット22とを除いて他の殆どの部品は、従来のゴルフカーのものを用いることができる。
【0027】
このため、この実施の形態を採ることによって、既存の部品を多く使用しながら、ディスクブレーキを装備したゴルフカーを製造することができる。なお、上述した第1および第2の実施の形態においては、後輪2にディスクブレーキ3を装備する例を示したが、本発明は、前輪4のブレーキにも適用することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、車輪より車体内側にブレーキディスクが設けられ、このブレーキディスクの外径が車輪の大きさによって規制されることがなくなる。このため、外径が相対的に大きいブレーキディスクを使用することができるから、充分な制動力が得られるディスクブレーキを装備したゴルフカーを提供することができる。
【0029】
請求項2記載の発明によれば、車軸を支持する部品の構成が従来のゴルフカーと同等になるから、既存の部品を多く使用してコストダウンを図りながら、ディスクブレーキを装備することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゴルフカーの側面図である。
【図2】後輪支持部分の正面図である。
【図3】図2における車軸部分のIII−III線断面図である。
【図4】要部を拡大して示す断面図である。
【図5】ディスク用ホルダーの正面図である。
【図6】後輪支持部分の正面図である。
【図7】要部を拡大して示す断面図である。
【図8】ハブを車体内側から見た正面図である。
【図9】図8におけるIX−IX線断面図である。
【符号の説明】
2…後輪、13…車軸、17…ディスク用ホルダー、21…車軸支持用パイプ、22…ブレーキ支持用ブラケット、35,43…アーム、41…ハブ。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスクブレーキを装備したゴルフカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴルフカーの車輪毎にブレーキを設ける場合には、例えば特開2000−230594号公報に開示されているように、ドラムブレーキが用いられている。この公報に示されているゴルフカーは、車輪として横幅が広いバルーンタイヤが用いられ、この車輪内の空間にドラムブレーキが収容されている。
このゴルフカーにおいて、前輪用のドラムブレーキのブレーキドラムは、車軸に回転自在に支持されたハブに設けられ、ブレーキシューは、車軸を有するステアリングナックルに支持されている。一方、後輪用のドラムブレーキのブレーキドラムは、車軸の先端部に固定されたハブに設けられ、ブレーキシューは、車軸を回転自在に支持する車軸支持用パイプに支持されている。
【0003】
前記車軸支持用パイプは、前記車軸が挿通された状態でスイングアームに支持され、車軸の左右方向の支持スパンを可及的長くとることができるように、車軸の車体外側の端部を車輪内で軸受によって回転自在に支持する構成が採られている。詳述すると、車軸支持用パイプの車体外側の端部は、ハブに隣接するように形成されて車輪内に臨み、この端部に溶接されたブレーキ支持用ブラケットと、このブレーキ支持用ブラケットに嵌合された軸受とを介して車軸を回転自在に支持している。前記ブレーキ支持用ブラケットは、円環板状を呈するように形成され、内周部に前記軸受が嵌合されるとともに、外周部にドラムブレーキのバックプレートやブレーキシューなどの部材が取付けられている。
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに発見するには至らなかった。
【0004】
【特許文献1】
特開2000−230594号公報(図7、図8)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したようにドラムブレーキを装備した従来のゴルフカーにおいては、車速が相対的に遅い状態で走行しているときに停止させる場合問題があった。これは、ドラムブレーキは、いわゆる倍力作用により制動力が増大するからである。すなわち、低速で走行しているときは、ブレーキの性能に充分な余裕があるにもかかわらず、前記倍力作用によって過度に大きな制動力が生じるようになるから、運転者が意図する以上に車体が急停車するようになる。
【0006】
このような不具合は、ドラムブレーキの代わりにディスクブレーキを使用することによってある程度は解消することができる。しかし、ブレーキディスクを車輪内に収容した構造にすると、ブレーキディスクの外径が小さくなるために制動力が不足するおそれがあった。
【0007】
本発明はこのような問題点を解消するためになされたもので、ゴルフカーにディスクブレーキを装備するに当たって、大きな制動力が得られるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明に係るゴルフカーは、車輪の径方向の内側から車体方向に延びるアームを車輪と一体に回転するように設け、このアームの車体内側の端部にブレーキディスクを取付けるとともに、車軸を支持する車軸支持部材にブレーキキャリパーを設けたものである。
本発明によれば、車輪より車体内側にブレーキディスクが設けられ、このブレーキディスクの外径を車輪の大きさによって規制されることなく大きく形成することができる。
【0009】
請求項2に記載した発明に係るゴルフカーは、請求項1に記載した発明に係るゴルフカーにおいて、車軸支持部材の車体外側の端部を車輪内に臨ませ、この端部に軸受を介して車軸を回転自在に支持させ、アームをハブに形成したものである。
ドラムブレーキを装備した従来のゴルフカーは、車軸支持部材の車体外側の端部が車輪内に臨み、この端部に軸受を介して車軸が回転自在に支持されているから、この発明に係るゴルフカーは、ドラム式ブレーキを装備した従来のゴルフカーと車軸を支持する部品の構成が同等になる。したがって、この発明に係るゴルフカーは、従来のゴルフカーのハブと、車軸支持部材のブレーキ支持用ブラケットとを、ドラムブレーキ用のものからディスクブレーキ用のものにそれぞれ交換することによって、ディスクブレーキを装備することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明に係るゴルフカーの一実施の形態を図1ないし図5によって詳細に説明する。
図1は本発明に係るゴルフカーの側面図、図2は後輪支持部分の正面図で、同図はブレーキキャリパーを省略した状態で描いてある。図3は図2における車軸部分のIII−III線断面図、図4は要部を拡大して示す断面図、図5はディスク用ホルダーの正面図である。
【0011】
これらの図において、符号1で示すものはこの実施の形態によるゴルフカーである。このゴルフカー1は、図示していないエンジンによって後輪2が駆動されて走行するもので、図2に示すように、後輪2にディスクブレーキ3が設けられている。
図1において、4は前輪を示し、5は操舵ハンドル、6は前部シート、7は後部シート、8は後部車体カバー、9はキャディバッグ、10はキャディバッグ用キャリアを示す。
【0012】
前記後輪2は、図2および図4に示すように、低圧バルーンタイヤ11がホイール12に装着され、後述する車軸13のハブ14に取付用ボルト15によって取付けられている。前記ハブ14は、車軸13の車体外側の端部にスプライン嵌合によって車軸13と一体に回転するように取付けられている。このスプライン嵌合部のスプライン溝16は、図4に示すように、前記ハブ14より車体内側(同図においては左側)に延びるように車軸13に形成されている。このスプライン溝16の前記車体内側の延設部分には、後述するディスク用ホルダー17が嵌合されている。
【0013】
前記車軸13は、図2中に符号21で示す車軸支持用パイプと、この車軸支持用パイプ21の車体外側の端部に溶接されたブレーキ支持用ブラケット22とからなる車軸支持部材の中に挿通されて後輪2側から車体の内側に延びている。この車軸13の車体内側の端部は、図示してはいないが、従来からよく知られているように、エンジンを有する動力ユニットにディファレンシャルギヤを介して接続されており、エンジンの動力が伝達されるように構成されている。
【0014】
前記車軸支持用パイプ21は、図2に示すように、スイングアーム23に固定されるとともに、クッションユニット24を介して車体フレーム25の上部支持ブラケット26に接続されている。前記スイングアーム23は、車体前側の端部が前記車体フレーム25の前部に上下方向に揺動自在に支持され、車軸支持用パイプ21とともに上述した動力ユニットやディファレンシャルギヤなどを支持している。
【0015】
また、前記車軸支持用パイプ21の端部に溶接されたブレーキ支持用ブラケット22は、図3および図4に示すように、前記車軸13が貫通するボス27と、このボス27の外周部から径方向の外方に突出するブラケット本体28とから構成されている。前記ボス27は、車軸13との間に軸受29が介装されており、この軸受29を介して車軸13の車体外側の端部を回転自在に支持している。すなわち、この実施の形態によれば、前記車軸13の後輪2側の端部は、前記軸受29と、前記ブレーキ支持用ブラケット22のボス27とを介して車軸支持用パイプ21に回転自在に支持されることになる。
【0016】
前記ブレーキ支持用ブラケット22のブラケット本体28は、図3に示すように、車軸13より車体前側(同図において右側)であって、図4に示すように、後輪2より車体の内側に位置するように設けられ、先端部に前記ディスクブレーキ3のブレーキキャリパー31が取付けられている。このブレーキキャリパー31は、従来からよく知られているように、ブレーキペダル(図示せず)を乗員が踏込んだときの踏力が圧油を介して伝達され、ブレーキディスク32を一対のパッド33,33で挟持するように構成されている。
【0017】
前記ブレーキディスク32は、上述したディスク用ホルダー17に保持されてブレーキキャリパー31と対応する位置、すなわち後輪2より車体内側の位置に配設されている。このように後輪2の外にブレーキディスク32を設けることができるから、このブレーキディスク32の外径は、後輪2のホイール12の内径(タイヤ11が係合するリム部分の内径)より大きく形成できるから、このゴルフカー1を停止させるために充分な制動力が得られるような寸法に設定できる。
【0018】
このブレーキディスク32を保持する前記ディスク用ホルダー17は、図4および図5に示すように、前記車軸13にスプライン嵌合によって一体に回転するように装着されたボス34と、このボス34の外周部に一体に形成された4本のアーム35とから構成されている。前記ボス34は、車軸13を回転自在に支持する軸受29とハブ14とに挟まれるように設けられ、車軸13の軸端部に螺着されたロックナット36と前記軸受29との間にハブ14とともに挟持されている。
【0019】
前記4本のアーム35は、前記後輪2の径方向の内側から車体方向に延びるように形成され、車体内側の端部にブレーキディスク用取付座37が形成されている。この取付座37には、ブレーキディスク32が固定用ボルト38によって固定されている。この実施の形態によるアーム35は、前記ボス34の外周部から径方向の外側に延びる基部35aと、この基部35aの先端部分から車体内側に向かうにしたがって次第にアーム35どうしの間隔が拡がるように傾斜して延びる横方向延在部35bとから形成されており、アーム35の長さが可及的短く形成されてブレーキディスク32を強固に保持することができるように構成されている。
【0020】
また、これらのアーム35の長さがより一層短く形成されるように、ディスク用ホルダー17のボス34は、図4に示す正面視において、後輪2の車体内側の端部と対応する位置に位置付けられている。この構成を採るに当たっては、車軸13の左右方向の支持スパンを可及的長くとることができるように、車軸13を回転自在に支持する前記軸受29は、後輪2より車体の内側であって後輪2の近傍に位置付けられている。
【0021】
上述したように構成されたゴルフカー1においては、走行中は後輪2の車軸13とともにディスク用ホルダー17が回転し、これに伴ってブレーキディスク32が回転する。走行時に乗員がブレーキペダルを踏込むことによって、ブレーキキャリパー31のパッド33,33がブレーキディスク32を挟圧し、後輪2が制動される。この制動時には、ブレーキディスク32が後輪2より車体の内側に位置付けられていて後輪2に規制されることなくブレーキディスク32の大径化が図られていることから、充分に大きな制動力が得られる。すなわち、ブレーキディスク32が後輪2内に設けられる場合に較べて、後輪2に規制されることなくブレーキディスク32の外径を大きく形成することができ、前記パッド33が摺接する摩擦部の半径を大きくとることができるから、上述したように大きな制動力が得られる。
【0022】
(第2の実施の形態)
請求項2に記載した発明に係るゴルフカーの一実施の形態を図6ないし図9によって詳細に説明する。
図6は後輪支持部分の正面図で、同図はブレーキキャリパーを省略した状態で描いてある。図7は要部を拡大して示す断面図、図8はハブを車体内側から見た正面図、図9は図8におけるIX−IX線断面図である。これらの図において、前記図1〜図5によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
【0023】
図6〜図9において、符号41で示すハブは、前記第1の実施の形態を採る場合に用いたディスク用ホルダーの機能を有するように形成されている。詳述すると、このハブ41は、車軸13にスプライン嵌合によって一体に回転するように装着されたボス42と、このボス42の車体内側の端部から車体方向に延びてブレーキディスク32を保持する4本のアーム43と、前記ボス42の車体外側の端部から径方向の外側に延びるフランジ44とから構成されている。前記ボス42と、アーム43およびフランジ44は、鋳造によって一体に成形されている。
【0024】
前記ボス42は、前記第1の実施の形態で示したディスク用ホルダー17のボス34に較べて、車体内側の端面がホイール12の左右方向の中心に近付くように形成されている。このボス42の軸線方向の長さは、従来のブレーキドラムが取付けられるハブのボス部分と同等になるように形成されている。また、このボス42に隣接する車軸支持用パイプ21の車体外側の端部は、後輪2内に臨むように形成され、車軸13の車体外側の端部は、前記車軸支持用パイプ21の前記端部に溶接されたブレーキ支持用ブラケット22のボス27に軸受29を介して回転自在に支持されている。すなわち、この実施の形態による車軸13の支持構造は、従来のドラムブレーキを装備したゴルフカーの車軸の支持構造と同等になるように形成されている。
【0025】
前記アーム43は、後輪2より車体の内側に延びるように形成され、先端部の取付座37にブレーキディスク32が固定用ボルト38によって固定されている。この実施の形態による前記アーム35は、上述したようにボス42が前記第1の実施の形態で示したディスク用ホルダー17のボス34に較べて車体外側に位置していることから、相対的にアーム長が長くなり、ボス42との接続部分がホイール12の左右方向の中心に近付くように形成されている。
前記フランジ44は、後輪2のホイール12が取付用ボルト15によって固定されている。
【0026】
この実施の形態によれば、車軸支持用パイプ21の車体外側の端部が車輪2内に臨み、この端部に設けられたブレーキ支持用ブラケット22のボス27に軸受29を介して車軸13が回転自在に支持されているから、上述したように車軸13を支持する構成が従来のゴルフカーと同等になる。すなわち、ハブ41とブレーキ支持用ブラケット22とを除いて他の殆どの部品は、従来のゴルフカーのものを用いることができる。
【0027】
このため、この実施の形態を採ることによって、既存の部品を多く使用しながら、ディスクブレーキを装備したゴルフカーを製造することができる。なお、上述した第1および第2の実施の形態においては、後輪2にディスクブレーキ3を装備する例を示したが、本発明は、前輪4のブレーキにも適用することができる。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、車輪より車体内側にブレーキディスクが設けられ、このブレーキディスクの外径が車輪の大きさによって規制されることがなくなる。このため、外径が相対的に大きいブレーキディスクを使用することができるから、充分な制動力が得られるディスクブレーキを装備したゴルフカーを提供することができる。
【0029】
請求項2記載の発明によれば、車軸を支持する部品の構成が従来のゴルフカーと同等になるから、既存の部品を多く使用してコストダウンを図りながら、ディスクブレーキを装備することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るゴルフカーの側面図である。
【図2】後輪支持部分の正面図である。
【図3】図2における車軸部分のIII−III線断面図である。
【図4】要部を拡大して示す断面図である。
【図5】ディスク用ホルダーの正面図である。
【図6】後輪支持部分の正面図である。
【図7】要部を拡大して示す断面図である。
【図8】ハブを車体内側から見た正面図である。
【図9】図8におけるIX−IX線断面図である。
【符号の説明】
2…後輪、13…車軸、17…ディスク用ホルダー、21…車軸支持用パイプ、22…ブレーキ支持用ブラケット、35,43…アーム、41…ハブ。
Claims (2)
- 車輪の径方向の内側から車体方向に延びるアームを車輪と一体に回転するように設け、このアームの車体内側の端部にブレーキディスクを取付けるとともに、車軸を支持する車軸支持部材にブレーキキャリパーを設けたことを特徴とするゴルフカー。
- 請求項1記載のゴルフカーにおいて、車軸支持部材の車体外側の端部を車輪内に臨ませ、この端部に軸受を介して車軸を回転自在に支持させ、アームをハブに形成してなるゴルフカー。
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WO2005090817A1 (en) * | 2004-03-18 | 2005-09-29 | Bendix Commercial Vehicle Systems, Llc | Large diameter brake disc having a thermal hinge |
KR20210035944A (ko) * | 2019-09-24 | 2021-04-02 | 한국타이어앤테크놀로지 주식회사 | 분할조립이 가능하고 유연한 자동차 휠 |
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2003
- 2003-02-27 JP JP2003050428A patent/JP2004257504A/ja active Pending
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