JP4757412B2 - ディスクブレーキ - Google Patents

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JP4757412B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制動用に用いられるディスクブレーキに関し、特に、キャリパをディスク半径方向に沿う取付ボルトで車体側に支持するラジアルマウント型のディスクブレーキに関する。
【0002】
【従来の技術】
摺動可能に設けられたピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するキャリパと、キャリパを車体側に支持する支持部材とを備え、キャリパのキャリパ側取付部と支持部材の支持部材側取付部とを当接させ、これらキャリパ側取付部および支持部材側取付部のディスク半径方向に沿って形成されたボルト取付孔に取付ボルトを取り付けることによって、キャリパを支持部材に固定するラジアルマウント型のディスクブレーキに関するものとして、例えば、特開2000−18291号公報に開示されたものがある。この公報に開示されたディスクブレーキの中には、キャリパ側取付部および支持部材側取付部のそれぞれのボルト取付孔の当接面側に座ぐり穴を設け、これら座ぐり穴に跨るように円筒状のカラーをはめ込みつつ、当接面同士を当接させて、ボルト取付孔に取付ボルトを取り付けてキャリパを支持部材に固定するものがある。
【0003】
ところで、取付時や制動時にキャリパがディスクに対し傾いた姿勢になってしまうと、キャリパによるパッドのディスクへの押圧性能すなわち制動性能が著しく低下する可能性があるため、支持部材に対してキャリパをディスク半径方向に精度良く位置決めした状態で固定する必要があり、この位置決めを上記のディスクブレーキでは、フライス加工された当接面同士の当接で行うようになっている。このため、キャリパ側取付部については、座ぐり穴およびボルト取付孔の同時穴あけ加工と、当接面のフライス加工の二工程を行う必要があり、また、支持部材側取付部についても、座ぐり穴およびボルト取付孔の同時穴あけ加工と、当接面のフライス加工との二工程を行う必要がある。
【0004】
また、上記公報に開示されたディスクブレーキ中には、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を防止するために、キャリパ側取付部および支持部材側取付部にディスクの軸線に直交する方向に広がる形状の位置決め面が形成されたものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように、キャリパおよび支持部材が、それぞれ、座ぐり穴およびボルト取付孔の同時穴あけ加工と、当接面のフライス加工という二工程を行うものであると、キャリパおよび支持部材の製造コストが増大してしまうことになる。
【0006】
また、上記のように、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を防止するためにキャリパ側取付部および支持部材側取付部にディスクの軸線に直交する方向に広がる形状の位置決め面を形成するものでは、さらに加工コストが増大してしまうという問題があった。
【0007】
加えて、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を防止するためにキャリパ側取付部および支持部材側取付部にディスクの軸線に直交する方向に広がる形状の位置決め面を形成するものでは、キャリパ側取付部および支持部材側取付部を取付ボルトにより取り付ける際に、位置決め面同士を当接させた状態としなければならず、取付作業が繁雑であるという問題があった。
【0008】
加えて、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を防止するためにキャリパ側取付部および支持部材側取付部にディスクの軸線に直交する方向に広がる形状の位置決め面を形成するものでは、位置決め面に沿う方向であるキャリパ側取付部および支持部材側取付部の制動時におけるディスク円周方向の相対移動を阻止できないという問題もあった。
【0009】
本発明の目的は、キャリパの支持部材への取付精度を確保するとともに、キャリパおよび支持部材の製造コストを低減することができるディスクブレーキを提供することである。また、本発明の目的は、取付作業を容易に行うことができるディスクブレーキを提供することである。さらに、本発明の目的は、キャリパおよび支持部材の制動時におけるディスク円周方向の相対移動を阻止することができるディスクブレーキを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のディスクブレーキは、摺動可能に設けられたピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するべく車体側の支持部材に固定されるキャリパを備え、前記キャリパのキャリパ側取付部と前記支持部材の支持部材側取付部とを対向させ、これらキャリパ側取付部および支持部材側取付部のディスク半径方向に沿って形成されたボルト取付孔に取付ボルトを取り付けることによって前記キャリパを前記支持部材に固定するラジアルマウント型のものであって、前記キャリパ側取付部および前記支持部材側取付部のうち、いずれか一方に内周側が前記ボルト取付孔とされる円筒部を設け、いずれか他方に前記ボルト取付孔が底面に形成される穴部を設けるとともに、前記円筒部を前記穴部に挿入し、いずれか一方の前記円筒部の基端側の端面といずれか他方の前記穴部の開口側の端面とを当接させずに、前記円筒部の先端面と前記穴部の底面とを当接させて前記支持部材に前記キャリパを固定することを特徴としている。
【0011】
このように、キャリパ側取付部および支持部材側取付部のうち、いずれか一方に内周側がボルト取付孔とされる円筒部を設け、いずれか他方にボルト取付孔が底面に形成される穴部を設けた構成であるため、円筒部のボルト取付孔と円筒部の先端面とを一工程の穴あけ加工で加工でき、また、底面を含む穴部とボルト取付孔とを一工程の穴あけ加工で加工できる。そして、このようにして加工された円筒部の先端面と穴部の底面とを当接させることで、キャリパを支持部材に、ディスク半径方向に沿って適正に位置決めした状態で固定することができる。
【0012】
本発明の請求項2記載のディスクブレーキは、請求項1記載のものに関して、前記円筒部は、前記キャリパ側取付部に一体成形されることを特徴としている。
【0013】
このように、円筒部がキャリパ側取付部に一体成形されるため、別材質により円筒部を形成するものに対し、キャリパ側取付部に対し熱間時および冷間時のいずれにおいても円筒部がずれてしまうことがない。
【0014】
本発明の請求項3記載のディスクブレーキは、請求項1または2記載のものに関して、前記円筒部の先端面および前記穴部の底面を、それぞれ互いに当接するテーパ形状に形成してなることを特徴としている。
【0015】
このように、円筒部の先端面および穴部の底面を、それぞれ互いに当接するテーパ形状に形成してなるため、取付ボルトを締め付けると、円筒部と穴部とが、これらの軸の直交方向に自動的に位置決めされるとともに、この方向にずれるのが防止される。
【0016】
本発明の請求項4記載のディスクブレーキは、摺動可能に設けられたピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するべく車体側の支持部材に固定されるキャリパを備え、前記キャリパのキャリパ側取付部と前記支持部材の支持部材側取付部とを対向させ、これらキャリパ側取付部および支持部材側取付部のディスク半径方向に沿って形成されたボルト取付孔に取付ボルトを取り付けることによって前記キャリパを前記支持部材に固定するラジアルマウント型のものであって、前記キャリパ側取付部および前記支持部材側取付部に前記ボルト取付孔が底面に形成される穴部をそれぞれ設けるとともに、これら穴部に円筒状のカラーを挿入し、前記キャリパ側取付部および前記支持部材側取付部のそれぞれの前記穴部の開口側の端面同士を当接させずに、前記カラーの各端面と前記各穴部の底面とを当接させて前記支持部材に前記キャリパを固定することを特徴としている。
【0017】
このように、キャリパ側取付部および支持部材側取付部に、底面にボルト取付孔が形成された穴部を形成し、これら穴部に円筒状のカラーを挿入する構成であるため、底面を含む穴部とボルト取付孔とを一工程の穴あけ加工で加工できる。そして、このようにして加工された両穴部の底面とカラーの両端面とを当接させることで、キャリパを支持部材に、ディスク半径方向に沿って適正に位置決めした状態で固定することができる。
【0018】
本発明の請求項5記載のディスクブレーキは、請求項4記載のものに関して、前記カラーの各端面および前記各穴部の底面を、それぞれ互いに当接するテーパ形状に形成してなることを特徴としている。
【0019】
このように、カラーの各端面および各穴部の底面を、それぞれ互いに当接するテーパ形状に形成してなるため、取付ボルトを締め付けると、カラーと両穴部とが、これらの軸の直交方向に自動的に位置決めされるとともに、この方向にずれるのが防止される。
【0020】
本発明の請求項6記載のディスクブレーキは、請求項4または5記載のものに関して、前記カラーの材質と前記キャリパの少なくとも前記キャリパ側取付部を含んで一体成形されるキャリパ本体の材質とを同じにしたことを特徴としている。
【0021】
このように、カラーの材質をキャリパの少なくともキャリパ側取付部を含んで一体成形されるキャリパ本体の材質と同じにしたため、熱間時および冷間時のクリアランスがほぼ一定に保てる。
【0022】
本発明の請求項7記載のディスクブレーキは、摺動可能に設けられたピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するべく車体側の支持部材に固定されるキャリパを備え、前記キャリパのキャリパ側取付部と前記支持部材の支持部材側取付部とを対向させ、これらキャリパ側取付部および支持部材側取付部のディスク半径方向に沿って形成されたボルト取付孔に取付ボルトを取り付けることによって前記キャリパを前記支持部材に固定するラジアルマウント型のものであって、前記取付ボルトの座面をテーパとし、前記ボルト取付孔の前記座面に当接する口元部を前記座面と逆のテーパとして当該テーパ同士を当接させて前記支持部材に前記キャリパを固定することを特徴としている。
【0023】
このように、取付ボルトの座面をテーパとし、座面に当接するボルト取付孔の口元部を座面と逆のテーパとしているため、ボルト取付孔と口元部とを一工程の穴あけ加工で加工できる。そして、このようにして加工されたボルト取付孔のテーパ状の口元部に取付ボルトのテーパ状の座面を当接させ、取付ボルトを締め付けることでキャリパを支持部材に取り付ければ、これらのテーパ形状で、ボルトの半径方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を規制することになり、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を防止することができる。このように、取付ボルトの締め付けで自動的に当接する、ボルト取付孔および取付ボルトのテーパ形状で、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を防止するものであるため、ディスク軸線方向に直交する方向の位置決め面同士を取付時に当接させるといった作業が不要となる。しかも、ボルト取付孔および取付ボルトのテーパ形状で移動規制を行うため、ボルトの半径方向の全方向の移動を規制することになる。
【0024】
本発明の請求項8記載のディスクブレーキは、請求項7記載のものに関し、互いに対向する前記キャリパ側取付部および前記支持部材側取付部の組がディスクの円周方向に沿って二組設けられており、互いに対向する前記キャリパ側取付部および前記支持部材側取付部の一方の組側に形成された前記ボルト取付孔が、前記口元部を含んで、ディスクの円周方向に沿った長穴形状に形成されていることを特徴としている。
【0025】
このように、キャリパ側取付部および支持部材側取付部の一方の組側に形成されたボルト取付孔が、口元部を含んで、ディスクの円周方向に沿った長穴形状に形成されているため、他方の組のボルト取付孔に対する寸法精度に多少ずれがあっても、この長穴形状で吸収できる。
【0026】
本発明の請求項9記載のディスクブレーキは、摺動可能に設けられたピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するべく車体側の支持部材に固定されるキャリパを備え、前記キャリパのキャリパ側取付部と前記支持部材の支持部材側取付部とを対向させ、これらキャリパ側取付部および支持部材側取付部のディスク半径方向に沿って形成されたボルト取付孔に取付ボルトを取り付けることによって前記キャリパを前記支持部材に固定するラジアルマウント型のものであって、前記キャリパ側取付部および前記支持部材側取付部の当接面が前記ボルト取付孔に対し傾斜して当該傾斜した当接面同士を当接させて前記支持部材に前記キャリパを固定することを特徴としている。
【0027】
このように、キャリパ側取付部および支持部材側取付部の当接面がボルト取付孔に対し傾斜しているため、取付ボルトを締め付けると、キャリパが支持部材に対しこの当接面に沿って傾斜方向に移動することになり、最終的にキャリパまたは支持部材が取付ボルトに当接することによりこの移動方向の位置決めをする。この状態では、当接面および取付ボルトにより、ボルトの半径方向におけるキャリパの支持部材に対する傾斜方向の移動を規制することができ、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を防止することができる。このように、取付ボルトの締め付けで自動的に当接する、傾斜面とされたキャリパ側取付部および支持部材側取付部の当接面と取付ボルトとで、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を防止するものであるため、ディスク軸線方向に直交する方向の位置決め面同士を取付時に当接させるといった作業が不要となる。
【0028】
本発明の請求項10記載のディスクブレーキは、摺動可能に設けられたピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するべく車体側の支持部材に固定されるキャリパを備え、前記キャリパの二箇所のキャリパ側取付部と前記支持部材の二箇所の支持部材側取付部とをそれぞれ対向させ、これら二組のキャリパ側取付部および支持部材側取付部のディスク半径方向に沿ってそれぞれ形成されたボルト取付孔に取付ボルトを取り付けることによって前記キャリパを前記支持部材に固定するラジアルマウント型のものであって、前記二組のキャリパ側取付部および支持部材側取付部には、支持部材のディスク円周方向における中央位置を中心として互いに鏡面対称形状をなして前記ディスクの側面に対して傾斜する傾斜面または前記ディスクの側面に対して湾曲する円弧面が互いに当接するように形成され、該傾斜面または円弧面によりディスク円周方向の位置ずれを規制する位置規制部が設けられていることを特徴としている。
【0029】
このように、キャリパ側取付部および支持部材側取付部には、互いに当接する傾斜面または円弧面を有し該傾斜面または円弧面によりディスク円周方向の位置ずれを規制する位置規制部が設けられているため、キャリパおよび支持部材のディスク円周方向の位置ずれを規制することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明の第1実施形態のディスクブレーキを図1〜図3を参照して以下に説明する。
【0031】
第1実施形態のディスクブレーキは、車両の車輪と一体回転するディスク12と、ディスク12の面に対向するように車体側に取り付けられた支持部材13と、ディスク12の半径方向(図2に示すX方向。以下同)の外側にこのディスク12を跨ぐ状態で支持部材13に固定されるキャリパ14とを有している。
【0032】
キャリパ14は、支持部材13に固定されるキャリパ本体16と、ディスク12を挟んで両側に配置された状態でディスク12の軸線方向に移動可能となるようにキャリパ本体16に支持された図示せぬブレーキパッドと、両ブレーキパッドのディスク12に対し反対側にそれぞれ配置された状態でディスク12の軸線方向に摺動可能となるようにキャリパ本体16に設けられた図示せぬピストンとを有するいわゆる対向ピストン型のものであり、ディスク12の軸線方向に対向して設けられたピストンでブレーキパッドをディスク12に押しつけることにより車輪の回転を制動するものである。
【0033】
キャリパ本体16には、ディスク12の円周方向における両端側に、支持部材13への取付部分であるキャリパ側取付部18が設けられており、支持部材13には、これらキャリパ側取付部18にそれぞれ対向する位置に、キャリパ14を取り付けるための支持部材側取付部19が設けられている。なお、キャリパ側取付部18および支持部材側取付部19の各組は、同一構成であるため、以下は一方の組についてのみ説明する。
【0034】
図2のZ−Z線に沿う断面図である図3に示すように、キャリパ側取付部18には、ディスク半径方向に沿ってボルト取付孔21が貫通形成されており、支持部材側取付部19にも、ディスク半径方向に沿ってボルト取付孔22が貫通形成されている。
【0035】
第1実施形態のディスクブレーキは、同軸に配置されたキャリパ側取付部18のボルト取付孔21および支持部材側取付部19のボルト取付孔22に取付ボルト(図1および図2参照)23を取り付けることによってキャリパ14を支持部材13に固定するいわゆるラジアルマウント型のものとなっている。
【0036】
そして、第1実施形態のディスクブレーキは、キャリパ側取付部18の支持部材13側に、内周側がボルト取付孔21とされる円筒部25が形成されており、支持部材側取付部19のキャリパ14側に、ボルト取付孔22が同軸をなすように底面26に形成される断面円形状の座ぐりの穴部27が形成されている。
【0037】
ここで、キャリパ側取付部18の円筒部25は、キャリパ14の少なくともキャリパ側取付部18を含むキャリパ本体16と鋳造時に一体成形されており、ボルト取付孔21と円筒部25の先端面28と円筒部25の外径面29が、例えば、特殊な形状のドリルを用いた一工程の穴あけ加工で形成される。このドリルは、ボルト取付孔21を形成するドリルの基端側に半径方向外方に突出するとともに円筒部25の先端面28を削る刃部が形成され、さらに、この刃部の外径側からドリルと平行に突出して円筒部25の外径面29を削る刃部が形成された形状をなしている。なお、第1実施形態では、円筒部25の先端面28は、円筒部25の軸線に直交する平面状とされている。
【0038】
他方、支持部材側取付部19においても、底面26を含む穴部27とボルト取付孔22とが、例えば段付きドリルを用いた一工程の穴あけ加工で形成される。なお、第1実施形態では、穴部27の底面26は、穴部27の軸線に直交する平面状とされている。
【0039】
そして、上記のように加工された円筒部25の先端面28までの突出高さは、穴部27の底面26までの深さよりも長く設定されており、これにより、キャリパ側取付部18の円筒部25を、支持部材側取付部19の穴部27に挿入すると、円筒部25の先端面28と穴部27の底面26とが当接する。すなわち、円筒部25の先端面28および穴部27の底面26が、キャリパ14および支持部材13の合わせ面となる。
【0040】
このようにして、円筒部25の先端面28と穴部27の底面26とを当接させた状態で、連続する両ボルト取付孔21,22にキャリパ側取付部18の側から取付ボルト23を挿入し、この取付ボルト23を例えば支持部材側取付部19のボルト取付孔22に形成された図示せぬメネジ部にねじ込むことでキャリパ14が支持部材13に固定される。なお、取付ボルトを、支持部材側取付部の側から挿入し、キャリパ側取付部のボルト取付孔に形成されたメネジ部にねじ込む構造とすることも可能である。
【0041】
以上に述べた第1実施形態のディスクブレーキによれば、キャリパ側取付部18に内周側がボルト取付孔21とされる円筒部25を設け、支持部材側取付部19にボルト取付孔22が底面26に形成される穴部27を設けた構成であるため、円筒部25のボルト取付孔21と円筒部25の先端面28と円筒部25の外径面29とを一工程の穴あけ加工で加工でき、また、底面26を含む穴部27とボルト取付孔22とを一工程の穴あけ加工で加工できる。そして、このようにして加工された円筒部25の先端面28と穴部27の底面26とを当接させることで、キャリパ14を支持部材13に、ディスク半径方向に沿って適正に位置決めした状態で固定することができる。
【0042】
したがって、キャリパ14の支持部材13への取付精度を確保した上で、キャリパ14および支持部材13の製造コストを低減することができる。
【0043】
また、円筒部25が、キャリパ14の少なくともキャリパ側取付部18を含むキャリパ本体16と鋳造または加工により一体成形されるため、熱間時および冷間時のいずれにおいてもキャリパ本体16に対し円筒部25がずれてしまうことがない。
【0044】
したがって、キャリパ14によるブレーキパッドのディスク12への押圧性能すなわち制動性能を安定させることができる。
【0045】
加えて、円筒部25の先端面28が、円筒部25の軸線に直交する平面状とされており、穴部27の底面26も、穴部27の軸線に直交する平面状とされているため、キャリパ14の支持部材13に対するディスク半径方向の取付精度を良好にできる。また、これら先端面28と底面26とに加えて円筒部25の外径側でキャリパ14の制動トルクを受けられるため、制動時のキャリパ14の姿勢を安定させることができる。
【0046】
次に、本発明の第2実施形態のディスクブレーキを図4を参照して以下に第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その説明は略す。
【0047】
第2実施形態のディスクブレーキは、キャリパ側取付部18の円筒部25の先端面28および支持部材側取付部19の穴部27の底面26を、それぞれ互いに面接触で当接するテーパ形状に形成している。すなわち、円筒部25の先端面28は、中心側ほど突出量が大きくなるように傾斜するテーパ形状とされており、穴部27の底面26は、中心側ほど深さが深くなるようにテーパ形状とされていて、これらは面接触可能なようにテーパの角度が等しくされている。なお、円筒部25の先端面28を、中心側ほど突出量が小さくなるように傾斜するテーパ形状とし、穴部27の底面26を、中心側ほど深さが浅くなるようにテーパ形状としてもよい。
【0048】
ここで、第2実施形態においても、キャリパ側取付部18におけるボルト取付孔21と円筒部25のテーパ状の先端面28とが、例えば段付きドリルを用いた一工程の穴あけ加工で形成されており、支持部材側取付部19におけるテーパ状の底面26を有する穴部27とボルト取付孔22とが、例えば段付きドリルを用いた一工程の穴あけ加工で形成される。
【0049】
そして、キャリパ側取付部18の円筒部25を、支持部材側取付部19の穴部27に挿入すると、円筒部25のテーパ状の先端面28と穴部27のテーパ状の底面26とが当接する。このときも、円筒部25の先端面28および穴部27の底面26が、キャリパ14および支持部材13の合わせ面となる。
【0050】
この当接状態で、連続する両ボルト取付孔21,22にキャリパ側取付部18から取付ボルト23を挿入し、この取付ボルト23を例えば支持部材側取付部19のボルト取付孔22に形成された図示せぬメネジ部にねじ込むことでキャリパ14が支持部材13に固定される。このとき、取付ボルト23を締め付けると、円筒部25のテーパ状の先端面28が穴部27のテーパ状の底面26に当接しつつ案内されて、これらの軸の直交方向に自動的に位置決めされるとともに、この方向にずれるのも防止される。なお、取付ボルトを、支持部材側取付部の側から挿入し、キャリパ側取付部のボルト取付孔に形成されたメネジ部にねじ込む構造とすることも可能である。
【0051】
以上に述べた第2実施形態のディスクブレーキにおいては、制動トルクを円筒部25のテーパ状の先端面28と穴部27のテーパ状の底面26とで受ける点以外は、第1実施形態と同様の効果を奏し、その上、円筒部25の先端面28および穴部27の底面26を、それぞれ互いに当接するテーパ形状に形成しているため、取付ボルト23を締め付けると、上記のように、円筒部25と穴部27とが、これらの軸の直交方向に自動的に位置決めされる(すなわちセンタリングされる)とともに、この方向にずれるのが防止される。
【0052】
したがって、キャリパ14の支持部材13への取付時にキャリパ14の支持部材13への位置合わせ作業を行う必要がないため、作業が容易であるとともに、取付精度を向上させることができる。
【0053】
なお、以上に述べた第1実施形態および第2実施形態のディスクブレーキにおいては、キャリパ側取付部18に円筒部25を設け、支持部材側取付部19に穴部27を設ける場合を例にとり説明したが、キャリパ側取付部18に穴部27を設け、支持部材側取付部19に円筒部25を設けてもよい。すなわち、キャリパ側取付部18および支持部材側取付部19のうち、いずれか一方に内周側がボルト取付孔となる円筒部25を設け、いずれか他方にボルト取付孔が底面26に形成される穴部27を設けるとともに、円筒部25を穴部27に挿入し、円筒部25の先端面28と穴部27の底面26とを当接させるように構成すればよい。
【0054】
次に、本発明の第3実施形態のディスクブレーキを図5を参照して以下に第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その説明は略す。
【0055】
第3実施形態のディスクブレーキは、第1実施形態と同様、支持部材側取付部19のキャリパ14側に、ボルト取付孔22が同軸をなすように底面26に形成される断面円形状の穴部27が設けられているが、キャリパ側取付部18の支持部材13側にも、ボルト取付孔21が同軸をなすように底面30に形成される断面円形状の穴部31が設けられている。
【0056】
ここで、キャリパ側取付部18においては、穴部31とボルト取付孔21とが、例えば段付きドリルを用いた一工程の穴あけ加工で形成される。なお、第3実施形態では、この穴部31の底面30は、穴部31の軸線に直交する平面状とされている。
【0057】
他方、支持部材側取付部19においても、第1実施形態と同様、穴部27とボルト取付孔22とが、例えば段付きドリルを用いた一工程の穴あけ加工で形成される。なお、第3実施形態では、この穴部27の底面26も、穴部27の軸線に直交する平面状とされている。
【0058】
そして、第3実施形態では、これら穴部27,31に挿入される円筒状のカラー33を有している。このカラー33は、キャリパ14および支持部材13とは別に製作されるもので、その両端面34,35がこのカラー33の軸方向に直交する平面状をなすように加工されている。ここで、両端面34,35間の距離は、穴部27の深さと穴部31の深さとを加算した値よりも長く設定されており、これにより、キャリパ側取付部18の穴部31と、支持部材側取付部19の穴部27とにカラー33を挿入すると、カラー33の各端面34,35と各穴部27,31の底面26,30とが当接する。すなわち、カラー33の一方の端面34が支持部材側取付部19の穴部27の底面26に当接し、カラー33の他方の端面35がキャリパ側取付部18の穴部31の底面30に当接する。
【0059】
このようにして、カラー33の各端面34,35と各穴部27,31の底面26,30とを当接させた状態で、カラー33の内周部を介して連続する両ボルト取付孔21,22にキャリパ側取付部18の側から取付ボルト23を挿入し、この取付ボルト23を例えば支持部材側取付部19のボルト取付孔22に形成された図示せぬメネジ部にねじ込むことでキャリパ14が支持部材13に固定される。なお、取付ボルトを、支持部材側取付部の側から挿入し、キャリパ側取付部のボルト取付孔に形成されたメネジ部にねじ込む構造とすることも可能である。
ここで、カラー33の材質は、少なくともキャリパ側取付部18を含んで一体成形されるキャリパ本体16の材質と同じとされている。なお、カラー33の材質を、少なくとも支持部材側取付部19を含んで一体成形される支持部材13の材質と同じとしてもよい。
【0060】
以上に述べた第3実施形態のディスクブレーキにおいては、キャリパ側取付部18および支持部材側取付部19のそれぞれに、底面30,26にボルト取付孔21,22が形成された穴部31,27を形成し、これら穴部31,27に円筒状のカラー33を挿入する構成であるため、底面30を含む穴部31とボルト取付孔21とを一工程の穴あけ加工で加工でき、底面26を含む穴部27とボルト取付孔22とを一工程の穴あけ加工で加工できる。そして、このようにして加工された両穴部27,31の底面26,30とカラー33の両端面34,35とを当接させることで、キャリパ14を支持部材13に、ディスク半径方向に沿って適正に位置決めした状態で固定することができる。
【0061】
したがって、第1実施形態と同様、キャリパ14の支持部材13への取付精度を確保した上で、キャリパ14および支持部材13の製造コストを低減することができる。
【0062】
しかも、ディスク12の径変更等に伴うキャリパ14のディスク半径方向での取付位置に変更があった場合も、カラー33を長さの異なるものに交換することで容易に対応できる。
【0063】
加えて、カラー33の材質をキャリパ14の少なくともキャリパ側取付部18を含んで一体成形されるキャリパ本体16の材質、または少なくとも支持部材側取付部19を含んで一体成形される支持部材13の材質と同じにしたため、熱間時および冷間時のクリアランスがほぼ一定に保てる。
【0064】
したがって、キャリパ14によるブレーキパッドのディスク12への押圧性能すなわち制動性能を安定させることができる。
【0065】
加えて、カラー33の各端面34,35が、カラー33の軸線に直交する平面状とされており、各穴部27,31の底面26,30も、穴部27,31の軸線に直交する平面状とされているため、キャリパ14の支持部材13に対するディスク半径方向の取付精度を良好にできる。
【0066】
次に、本発明の第4実施形態のディスクブレーキを図6を参照して以下に第3実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第3実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その説明は略す。
【0067】
第4実施形態のディスクブレーキは、カラー33の各端面34,35と、穴部27の底面26および穴部31の底面30とを、それぞれ互いに面接触で当接するテーパ形状に形成している。すなわち、カラーの各端面34,35は、それぞれ、中心側ほど軸方向長が長くなるように互いに逆向きに同じ大きさで傾斜するテーパ形状とされており、両穴部27,31のそれぞれの底面26,30は、中心側ほど深さが深くなるように同じ大きさで傾斜するテーパ形状とされている。なお、このカラー33も第3実施形態と同様にキャリパ本体16と同じ材質とされている。ここで、カラーの各端面34,35を、それぞれ、中心側ほど軸方向長が短くなるように互いに逆向きに同じ大きさで傾斜するテーパ形状とし、両穴部27,31のそれぞれの底面26,30を、中心側ほど深さが浅くなるように同じ大きさで傾斜するテーパ形状としてもよい。
【0068】
ここで、第4実施形態においても、キャリパ側取付部18におけるテーパ状の底面30を有する穴部31とボルト取付孔21とが、例えば段付きドリルを用いた一工程の穴あけ加工で形成されており、支持部材側取付部19におけるテーパ状の底面26を有する穴部27とボルト取付孔22とが、例えば段付きドリルを用いた一工程の穴あけ加工で形成される。
【0069】
そして、カラー33を、キャリパ側取付部18の穴部31および支持部材側取付部19の穴部27に挿入すると、カラー33のテーパ状の各端面34,35と各穴部27,31のテーパ状の底面26,30とが当接する。この状態で、カラー33の内周部を介して連続する両ボルト取付孔21,22にキャリパ側取付部18の側から取付ボルト23を挿入し、この取付ボルト23を例えば支持部材側取付部19のボルト取付孔22に形成された図示せぬメネジ部にねじ込むことでキャリパ14が支持部材13に固定される。このとき、取付ボルト23を締め付けると、カラー33のテーパ状の端面34が穴部27のテーパ状の底面26に当接しつつ案内されるとともに、カラー33のテーパ状の端面35が穴部31のテーパ状の底面30に当接しつつ案内されて、これらの軸の直交方向に自動的に位置決めされるとともに、この方向にずれるのが防止される。なお、取付ボルトを、支持部材側取付部の側から挿入し、キャリパ側取付部のボルト取付孔に形成されたメネジ部にねじ込む構造とすることも可能である。
【0070】
以上に述べた第4実施形態のディスクブレーキにおいても、第3実施形態と同様の効果を奏することは勿論、カラー33の各端面34,35および各穴部27,31の底面26,30を、それぞれ対応するもの同士が当接するテーパ形状に形成しているため、取付ボルト23を締め付けると、上記のように、カラー33と両穴部27,31とが、これらの軸の直交方向に自動的に位置決めされる(すなわちセンタリングされる)とともに、この方向にずれるのが防止される。
【0071】
したがって、キャリパ14の支持部材13への取付時にキャリパ14の支持部材13への位置合わせ作業を行う必要がないため、作業が容易であるとともに、取付精度を向上させることができる。
【0072】
次に、本発明の第5実施形態のディスクブレーキを図7〜図10を参照して以下に第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その説明は略す。
【0073】
第5実施形態のディスクブレーキも、ディスク12の円周方向におけるキャリパ本体16の両端側にキャリパ側取付部18が設けられており、支持部材13には、これらキャリパ側取付部18にそれぞれ対向する位置に支持部材側取付部19が設けられている。すなわち、二箇所のキャリパ側取付部18と二箇所の支持部材側取付部19とが、互いに対向するキャリパ側取付部18および支持部材側取付部19の組を二組設けるように配置されている。そして、互いに対向するキャリパ側取付部18および支持部材側取付部19の組の各組それぞれについてディスク半径方向に沿って形成されたボルト取付孔21,22に取付ボルトを取り付けることによりキャリパ14が支持部材13に固定される。なお、第5実施形態もキャリパ側取付部18および支持部材側取付部19の各組は、同一構成であるため、以下は一方の組について説明する。
【0074】
図7のZ1−Z1線に沿う断面図である図8および図9に示すように、第5実施形態のディスクブレーキは、キャリパ側取付部18の支持部材13側に、第1実施形態の円筒部は形成されておらず、ボルト取付孔21に直交する当接面40が形成されている。また、支持部材側取付部19のキャリパ14側にも、第1実施形態の座ぐりの穴部は形成されておらず、ボルト取付孔22に直交する当接面41が形成されている。そして、キャリパ側取付部18の当接面40と支持部材側取付部19の当接面41とが当接させられる。
【0075】
第5実施形態のディスクブレーキにおいても、取付ボルト43でキャリパ14が支持部材13に固定されることになるが、第5実施形態では、取付ボルト43の頭部44のオネジ45側の座面46が、軸直交断面円形状の凸テーパとされている。そして、これに合わせて、キャリパ側取付部18のボルト取付孔21の当接面40に対し反対側であって、取付ボルト43の座面46に当接する口元部47が、軸直交断面円形状の、座面46と逆の凹テーパとされている。
【0076】
ここで、この口元部47は、例えば、特殊な形状のドリルを用いた一工程の穴あけ加工で形成される。このドリルは、ボルト取付孔21を形成するドリルの基端側に半径方向外方に突出するテーパ状の刃部が形成された形状をなしている。
【0077】
そして、キャリパ側取付部18の当接面40と支持部材側取付部19の当接面41とを当接させた状態で、連続する両ボルト取付孔21,22にキャリパ側取付部18の側から取付ボルト43を挿入し、この取付ボルト43を支持部材側取付部19のボルト取付孔22に形成されたメネジ部49にねじ込むことでキャリパ14が支持部材13に固定される。このとき、取付ボルト43の凸テーパ状の座面46がキャリパ側取付部18の凹テーパ状の口元部47に当接することで、取付ボルト43がキャリパ14に対し半径方向に位置決めされ、メネジ部49に螺合されることで支持部材13に対し半径方向に位置決めされて、その結果、キャリパ14および支持部材13が互いに取付ボルト43の半径方向において位置決めされる。二本の取付ボルト43の取付の手順は、一方の取付ボルト43を一方のボルト取付孔21,22に通しメネジ部49にねじ込んで仮止めした状態で、他方の取付ボルト43を他方のボルト取付孔21,22に通しメネジ部49にねじ込んで規定のトルクで締め込んだ後、上記一方の取付ボルト43を規定のトルクで締め込む手順となる。
【0078】
なお、取付ボルト43を、支持部材側取付部19の側から挿入し、キャリパ側取付部18のボルト取付孔21に形成されたメネジ部にねじ込む構造とすることも可能であり、この場合は、支持部材側取付部19のボルト取付孔22の当接面41に対し反対側に凹テーパ状の口元部を形成することになる。
【0079】
以上に述べた第5実施形態のディスクブレーキによれば、取付ボルト43の座面46を凸テーパとし、座面46に当接するボルト取付孔22の口元部47を凹テーパとしているため、ボルト取付孔22と口元部47とを一工程の穴あけ加工で加工できる。そして、このようにして加工されたボルト取付孔22の凹テーパ状の口元部47に取付ボルト43の凸テーパの座面46を当接させつつ、取付ボルト43を締め付けることでキャリパ14を支持部材13に取り付ければ、これらのテーパ形状で、取付ボルト43の半径方向におけるキャリパ14の支持部材13に対する移動を規制することになり、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパ14の支持部材13に対する移動を防止することができる。このように、取付ボルト43の締め付けで自動的に当接する、ボルト取付孔22の口元部47および取付ボルト43の座面46のテーパ形状で、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパ14の支持部材13に対する移動を防止するものであるため、ディスク軸線方向に直交する方向の位置決め面同士を取付時に当接させるといった作業が不要となる。したがって、取付作業を容易に行うことができる。
【0080】
しかも、ボルト取付孔22の口元部47および取付ボルト43の座面46のテーパ形状で移動規制を行うため、取付ボルト43の半径方向の全方向の移動を規制することになる。したがって、キャリパ14および支持部材13の制動時におけるディスク円周方向の相対移動をも阻止することができる。
【0081】
ここで、以上の第5実施形態では、寸法精度的に管理する項目は、キャリパ本体16側では、二箇所のボルト取付孔21のシリンダとの直角度およびピッチ寸法であり、支持部材13側ではキャリパ取付用の二箇所のメネジ部49のディスク制動面との平行度およびそのピッチ寸法である。しかし、その公差寸法は、従来のように厳密に管理する必要がなく、通常の加工公差の設定でも、位置決め機能は働き、ましてや車体にキャリパ14が組み付かないことはない。
【0082】
なお、以上においては、キャリパ側取付部18および支持部材側取付部19の組の二組がそれぞれ断面円形状のボルト取付孔21,22を有する場合を例にとり説明したが、図10に示すように、一方のキャリパ側取付部18に形成されたボルト取付孔21のみについて、口元部47を含んで、ディスクの円周方向に沿って長い長穴形状に形成してもよい。このようにすれば、断面円形状をなす他方の組のボルト取付孔21に対する一方の組のボルト取付孔21の寸法精度に多少ずれがあっても、この長穴形状で吸収できる。したがって、キャリパ14を支持部材13に確実に取り付けることができる。
【0083】
この場合、寸法精度的に管理する項目は、キャリパ本体16側では、二箇所のボルト取付孔21のシリンダとの直角度であり、支持部材13側ではキャリパ取付用の二箇所のメネジ部49のディスク制動面との平行度だけである。
【0084】
次に、本発明の第6実施形態のディスクブレーキを図7,図11〜図14を参照して以下に第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その説明は略す。
【0085】
第6実施形態のディスクブレーキも、ディスク12の円周方向におけるキャリパ本体16の両端側にキャリパ側取付部18が設けられており、支持部材13には、これらキャリパ側取付部18にそれぞれ対向する位置に支持部材側取付部19が設けられている。すなわち、二箇所のキャリパ側取付部18と二箇所の支持部材側取付部19とが、互いに対向するキャリパ側取付部18および支持部材側取付部19の組を二組設けるように配置されている。そして、互いに対向するキャリパ側取付部18および支持部材側取付部19の組の各組それぞれについてディスク半径方向に沿って形成されたボルト取付孔21,22に取付ボルトを取り付けることによりキャリパ14が支持部材13に固定される。なお、第6実施形態もキャリパ側取付部18および支持部材側取付部19の各組は、同一構成であるため、以下は一方の組について説明する。
【0086】
図7のZ1−Z1線に沿う断面図である図11および図12に示すように、第6実施形態のディスクブレーキは、キャリパ側取付部18の支持部材13側に、第1実施形態の円筒部は形成されておらず、ボルト取付孔21の軸直交方向に対し所定の角度で傾斜する当接面51が形成されている。また、支持部材側取付部19のキャリパ14側にも、第1実施形態の座ぐりの穴部は形成されておらず、ボルト取付孔22の軸直交方向に対し当接面51と同角度で傾斜する当接面52が形成されている。そして、キャリパ側取付部18の当接面51と支持部材側取付部19の当接面52とが当接させられる。
【0087】
ここで、ディスク円周方向において離間配置される二箇所のキャリパ側取付部18のそれぞれの当接面51同士は同一平面に配置されるように傾斜しており、二箇所の支持部材側取付部19のそれぞれの当接面52同士も同一平面に配置されるように傾斜している。
【0088】
なお、キャリパ側取付部18の当接面51および支持部材側取付部19の当接面52は、ディスク12からその軸線方向おいて離れるほど(図11,図12における左側に行くほど)ディスク12の軸線に近づくように(図11,図12における下側に行くように)傾斜している。
【0089】
そして、キャリパ側取付部18の当接面51と支持部材側取付部19の当接面51とを当接させた状態で、連続する両ボルト取付孔21,22にキャリパ側取付部18の側から取付ボルト23を挿入し、この取付ボルト23を支持部材側取付部19のボルト取付孔22に形成されたメネジ部49にねじ込むことでキャリパ14が支持部材13に固定される。このとき、傾斜するキャリパ側取付部18の当接面51および支持部材側取付部19の当接面52の傾斜によってキャリパ14が支持部材13に対しディスク軸線方向においてディスク12から離れる方向(図11,図12における左方)に移動する。すると、支持部材13に螺合された取付ボルト23に当接して停止する。その結果、キャリパ14および支持部材13がディスク軸線方向において互いに位置決めされる。この場合も、二本の取付ボルト23の取付の手順は、一方の取付ボルト23をボルト取付孔21,22に通しメネジ部49にねじ込んで仮止めした状態で、他方の取付ボルト23をボルト取付孔21,22に通しメネジ部49にねじ込んで規定のトルクで締め込んだ後、一方の取付ボルト23を規定のトルクで締め込む手順となる。
【0090】
なお、取付ボルト23を、支持部材側取付部19の側から挿入し、キャリパ側取付部18のボルト取付孔21に形成されたメネジ部にねじ込む構造とすることも可能である。
【0091】
以上に述べた第6実施形態のディスクブレーキによれば、キャリパ側取付部18の当接面51がボルト取付孔21に対し傾斜しており、同様に支持部材側取付部19の当接面52もボルト取付孔22に対し傾斜しているため、取付ボルト23を締め付け、キャリパ14がその当接面51において支持部材13の当接面52の傾斜に沿って移動すると、最終的にキャリパ14が取付ボルト23に当接することでこの移動方向の位置決めがなされる。この状態では、傾斜する当接面51,52および取付ボルト23により、傾斜方向すなわち取付ボルト23の半径方向におけるキャリパ14の支持部材13に対する移動を規制することができ、しかも、当接面51,52が、ディスク12からその軸線方向おいて離れるほどディスク12の軸線に近づくように傾斜しているため、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパ14の支持部材13に対する移動を防止することができる。このように、取付ボルト23の締め付けで自動的に当接する、傾斜面とされたキャリパ側取付部18の当接面51および支持部材側取付部19の当接面52と取付ボルト23とで、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパ14の支持部材13に対する移動を防止するものであるため、ディスク軸線方向に直交する方向の位置決め面同士を取付時に当接させるといった作業が不要となる。したがって、取付作業を容易に行うことができる。
【0092】
また、以上の第6実施形態では、寸法精度的に管理する項目は、キャリパ本体16側では、二箇所のキャリパ側取付部18の当接面51の角度および二箇所のボルト取付孔21のピッチ寸法であり、支持部材13側ではキャリパ取付用の二箇所のメネジ部49のディスク制動面との平行度およびそのピッチ寸法である。しかし、その公差寸法は、従来のように厳密に管理する必要がなく、通常の加工公差の設定でも、位置決め機能は働き、ましてや車体にキャリパ14が組み付かないことはない。
【0093】
なお、以上においては、キャリパ側取付部18の当接面51および支持部材側取付部19の当接面52をともにボルト取付孔21,22に対し傾斜させる場合を例にとり説明したが、図13および図14に示すように、キャリパ側取付部18の当接面51および支持部材側取付部19の当接面52の間に一方の当接面55が他方の当接面56に対し傾斜するスペーサ57を介装させることも可能である。このとき、スペーサ57の傾斜する一方の当接面55にキャリパ側取付部18の当接面51を当接させる場合には、この当接面51を傾斜させ、支持部材側取付部19の当接面52はボルト取付孔22に直交させることになる。また、スペーサ57の傾斜する一方の当接面に支持部材側取付部19の当接面52を当接させる場合には、図示は略すが、この当接面52を傾斜させ、キャリパ側取付部18の当接面51はボルト取付孔21に直交させることになる。
【0094】
次に、本発明の第7実施形態のディスクブレーキを図15〜図20を参照して以下に第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と同様の部分には同一の符号を付し、その説明は略す。
【0095】
第7実施形態のディスクブレーキも、ディスク12の円周方向におけるキャリパ本体16の両端側にキャリパ側取付部18が設けられており、支持部材13には、これらキャリパ側取付部18にそれぞれ対向する位置に支持部材側取付部19が設けられている。すなわち、二箇所のキャリパ側取付部18と二箇所の支持部材側取付部19とが、互いに対向するキャリパ側取付部18および支持部材側取付部19の組を二組設けるように配置されている。そして、互いに対向するキャリパ側取付部18および支持部材側取付部19の組の各組それぞれについてディスク半径方向に沿って形成されたボルト取付孔21,22に取付ボルトを取り付けることによりキャリパ14が支持部材13に固定される。
【0096】
図15のZ3−Z3線に沿う断面図である図16および図17に示すように、第7実施形態のディスクブレーキは、キャリパ側取付部18の支持部材13側に、第1実施形態の円筒部は形成されておらず、ボルト取付孔21に直交する当接面60と、この当接面60から垂直に切り欠かれた平面状の位置決め面(位置規制部)61とが形成されている。また、支持部材側取付部19のキャリパ14側には、座ぐりの穴部は形成されておらず、ボルト取付孔22に直交する当接面62とこの当接面62から垂直に立ち上がる平面状の位置決め面(位置規制部)63とが形成されている。そして、キャリパ側取付部18の当接面60と支持部材側取付部19の当接面62とが当接させられる際に、位置決め面61と位置決め面63とが当接する。
【0097】
ここで、ディスク円周方向において離間する各キャリパ側取付部18のそれぞれの位置決め面61は、図18に示すように、キャリパ14のディスク円周方向における中央位置(図18に一点鎖線Aで示す)を中心として互いに鏡面対称形状をなしており、ディスク軸線方向においてディスク12に近づくほど(図18における上側に位置するほど)、前記中央位置側に近接するように傾斜している。これに合わせて、ディスク円周方向において離間する各支持部材側取付部19のそれぞれの位置決め面63も、支持部材13のディスク円周方向における中央位置を中心として互いに鏡面対称形状をなしており、ディスク軸線方向においてディスク12に近づくほど前記中央位置側に近接するように傾斜している。
【0098】
そして、キャリパ側取付部18の当接面60と支持部材側取付部19の当接面62とを当接させ、かつキャリパ側取付部18の位置決め面61と支持部材側取付部19の位置決め面63とを当接させた状態で、連続する両ボルト取付孔21,22にキャリパ側取付部18の側から取付ボルト23を挿入し、この取付ボルト23を支持部材側取付部19のボルト取付孔22に形成されたメネジ部49にねじ込むことでキャリパ14が支持部材13に固定される。このとき、各キャリパ側取付部18のそれぞれの位置決め面61および各支持部材側取付部19のそれぞれの位置決め面63は、ディスク軸線方向においてディスク12に近づくほどキャリパ14のディスク円周方向における中央位置側に近接するように傾斜しているため、ディスク円周方向におけるキャリパ14および支持部材13の位置ずれを規制することになる。この場合も、二本の取付ボルト23の取付の手順は、一方の取付ボルト23をボルト取付孔21,22に通しメネジ部49にねじ込んで仮止めした状態で、他方の取付ボルト23をボルト取付孔21,22に通しメネジ部49にねじ込んで規定のトルクで締め込んだ後、一方の取付ボルト23を規定のトルクで締め込む手順となる。
【0099】
なお、取付ボルト23を、支持部材側取付部19の側から挿入し、キャリパ側取付部18のボルト取付孔に形成されたメネジ部にねじ込む構造とすることも可能である。
【0100】
以上に述べた第7実施形態のディスクブレーキによれば、キャリパ側取付部18および支持部材側取付部19には、互いに当接する傾斜面からなる位置決め面61,63が形成され、これら位置決め面61,63でディスク円周方向の位置ずれを規制するため、キャリパ14および支持部材13のディスク円周方向の位置ずれを規制することができる。
【0101】
また、以上の第7実施形態では、寸法精度的に管理する項目は、キャリパ本体16側では、二箇所のボルト取付孔21のシリンダとの直角度およびピッチ寸法と位置決め面61の角度であり、支持部材13側ではキャリパ取付用の二箇所のメネジ部49のディスク制動面との平行度およびそのピッチ寸法と位置決め面63の角度である。しかし、その公差寸法は、従来のように厳密に管理する必要がなく、通常の加工公差の設定でも、位置決め機能は働き、ましてや車体にキャリパ14が組み付かないことはない。
【0102】
なお、以上においては、キャリパ側取付部18の位置決め面61および支持部材側取付部19の位置決め面63をともに平面状の傾斜面とする場合を例にとり説明したが、図19および図20に示すように、キャリパ側取付部18の当接面60側に円筒面(円弧面)からなる位置決め面67を形成し、支持部材側取付部19には当接面62から垂直に立ち上がる部分的な円筒面(円弧面)からなる位置決め面68を形成し、これらの位置決め面67,68同士を当接させることにより、キャリパ14および支持部材13のディスク円周方向の位置ずれを規制するようにしてもよい。このとき、当然のことながら、位置決め面67を位置決め面68よりも小径にする。
【0103】
このようにすれば、位置決め面67を円筒面とするため、位置決め面67とボルト取付孔21とを同軸上で加工することができ、その結果、精度的に有利となる。
【0104】
なお、以上に述べた第1〜第7実施形態においては、対向ピストン型のディスクブレーキを例にとり説明したが、フローティング(ピンスライド)型のディスクブレーキ(この場合には本発明のキャリパはキャリアを含むものとする)にも勿論適用可能である。
【0105】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載のディスクブレーキによれば、キャリパ側取付部および支持部材側取付部のうち、いずれか一方に内周側がボルト取付孔とされる円筒部を設け、いずれか他方にボルト取付孔が底面に形成される穴部を設けた構成であるため、円筒部のボルト取付孔と円筒部の先端面とを一工程の穴あけ加工で加工でき、また、底面を含む穴部とボルト取付孔とを一工程の穴あけ加工で加工できる。そして、このようにして加工された円筒部の先端面と穴部の底面とを当接させることで、キャリパを支持部材に、ディスク半径方向に沿って適正に位置決めした状態で固定することができる。
【0106】
したがって、キャリパの支持部材への取付精度を確保した上で、キャリパおよび支持部材の製造コストを低減することができる。
【0107】
本発明の請求項2記載のディスクブレーキによれば、円筒部が、キャリパ側取付部に一体成形されるため、キャリパ側取付部に対し熱間時および冷間時のいずれにおいても円筒部がずれてしまうことがない。
【0108】
したがって、キャリパによるパッドのディスクへの押圧性能すなわち制動性能を安定させることができる。
【0109】
本発明の請求項3記載のディスクブレーキによれば、円筒部の先端面および穴部の底面を、それぞれ互いに当接するテーパ形状に形成してなるため、取付ボルトを締め付けると、円筒部と穴部とが、これらの軸の直交方向に自動的に位置決めされるとともに、この方向にずれるのが防止される。
【0110】
したがって、キャリパの支持部材への取付時にキャリパの支持部材への位置合わせ作業を行う必要がないため、作業が容易であるとともに、取付精度を向上させることができる。
【0111】
本発明の請求項4記載のディスクブレーキによれば、キャリパ側取付部および支持部材側取付部に底面にボルト取付孔が形成された穴部を形成し、これら穴部に円筒状のカラーを挿入する構成であるため、底面を含む穴部とボルト取付孔とを一工程の穴あけ加工で加工できる。そして、このようにして加工された両穴部の底面とカラーの両端面とを当接させることで、キャリパを支持部材に、ディスク半径方向に沿って適正に位置決めした状態で固定することができる。
【0112】
したがって、キャリパの支持部材への取付精度を確保した上で、キャリパおよび支持部材の製造コストを低減することができる。しかも、ディスクの径変更等に伴うキャリパの半径方向での取付位置の変更があった場合、カラーを交換することで容易に対応できる。
【0113】
本発明の請求項5記載のディスクブレーキによれば、カラーの各端面および各穴部の底面を、それぞれ互いに当接するテーパ形状に形成してなるため、取付ボルトを締め付けると、カラーと両穴部とが、これらの軸の直交方向に自動的に位置決めされるとともに、この方向にずれるのが防止される。
【0114】
したがって、キャリパの支持部材への取付時にキャリパの支持部材への位置合わせ作業を行う必要がないため、作業が容易であるとともに、取付精度を向上させることができる。
【0115】
本発明の請求項6記載のディスクブレーキによれば、カラーの材質をキャリパの少なくともキャリパ側取付部を含んで一体成形されるキャリパ本体の材質と同じにしたため、熱間時および冷間時のクリアランスがほぼ一定に保てる。
【0116】
したがって、キャリパによるパッドのディスクへの押圧性能すなわち制動性能を安定させることができる。
【0117】
本発明の請求項7記載のディスクブレーキによれば、取付ボルトの座面をテーパとし、座面に当接するボルト取付孔の口元部を座面と逆のテーパとしているため、ボルト取付孔と口元部とを一工程の穴あけ加工で加工できる。そして、このようにして加工されたボルト取付孔のテーパ状の口元部に取付ボルトのテーパ状の座面を当接させ、取付ボルトを締め付けることでキャリパを支持部材に取り付ければ、これらのテーパ形状で、ボルトの半径方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を規制することになり、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を防止することができる。このように、取付ボルトの締め付けで自動的に当接する、ボルト取付孔および取付ボルトのテーパ形状で、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を防止するものであるため、ディスク軸線方向に直交する方向の位置決め面同士を取付時に当接させるといった作業が不要となる。
【0118】
したがって、取付作業を容易に行うことができる。
【0119】
しかも、ボルト取付孔および取付ボルトのテーパ形状で移動規制を行うため、ボルトの半径方向の全方向の移動を規制することになる。
【0120】
したがって、キャリパおよび支持部材の制動時におけるディスク円周方向の相対移動をも阻止することができる。
【0121】
本発明の請求項8記載のディスクブレーキによれば、キャリパ側取付部および支持部材側取付部の一方の組側に形成されたボルト取付孔が、口元部を含んで、ディスクの円周方向に沿った長穴形状に形成されているため、他方の組のボルト取付孔に対する寸法精度に多少ずれがあっても、この長穴形状で吸収できる。
【0122】
したがって、キャリパを支持部材に確実に取り付けることができる。
【0123】
本発明の請求項9記載のディスクブレーキによれば、キャリパ側取付部および支持部材側取付部の当接面が、ボルト取付孔に対し傾斜しているため、取付ボルトを締め付けると、キャリパが支持部材に対しこの当接面の傾斜方向に沿って移動することになり、最終的にキャリパまたは支持部材が取付ボルトに当接することによりこの移動方向の位置決めをする。この状態では、当接面および取付ボルトにより、ボルトの半径方向におけるキャリパの支持部材に対する傾斜方向の移動を規制することができ、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を防止することができる。このように、取付ボルトの締め付けで自動的に当接する、傾斜面とされたキャリパ側取付部および支持部材側取付部の当接面と取付ボルトとで、制動時のディスク軸線方向におけるキャリパの支持部材に対する移動を防止するものであるため、ディスク軸線方向に直交する方向の位置決め面同士を取付時に当接させるといった作業が不要となる。
【0124】
したがって、取付作業を容易に行うことができる。
【0125】
本発明の請求項10記載のディスクブレーキによれば、キャリパ側取付部および支持部材側取付部には、互いに当接する傾斜面または円弧面を有し該傾斜面または円弧面によりディスク円周方向の位置ずれを規制する位置規制部が設けられているため、キャリパおよび支持部材のディスク円周方向の位置ずれを規制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキを示す平面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキを示す側面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態のディスクブレーキの図2におけるZ−Z線に沿う断面図である。
【図4】 本発明の第2実施形態のディスクブレーキの図2におけるZ−Z線に沿う断面図である。
【図5】 本発明の第3実施形態のディスクブレーキの図2におけるZ−Z線に沿う断面図である。
【図6】 本発明の第4実施形態のディスクブレーキの図2におけるZ−Z線に沿う断面図である。
【図7】 本発明の第5実施形態のディスクブレーキを示す側面図である。
【図8】 本発明の第5実施形態のディスクブレーキの図7におけるZ1−Z1線に沿う分解断面図である。
【図9】 本発明の第5実施形態のディスクブレーキの図7におけるZ1−Z1線に沿う断面図である。
【図10】 本発明の第5実施形態のディスクブレーキの別の例の取付ボルトを除いた状態を示す平面図である。
【図11】 本発明の第6実施形態のディスクブレーキの図7におけるZ1−Z1線に沿う分解断面図である。
【図12】 本発明の第6実施形態のディスクブレーキの図7におけるZ1−Z1線に沿う断面図である。
【図13】 本発明の第6実施形態のディスクブレーキの別の例を示す側面図である。
【図14】 本発明の第6実施形態のディスクブレーキの別の例を示す図13におけるZ2−Z2線に沿う断面図である。
【図15】 本発明の第7実施形態のディスクブレーキを示す側面図である。
【図16】 本発明の第7実施形態のディスクブレーキの図15におけるZ3−Z3線に沿う分解断面図である。
【図17】 本発明の第7実施形態のディスクブレーキの図15におけるZ3−Z3線に沿う断面図である。
【図18】 本発明の第7実施形態のディスクブレーキのキャリパ側取付部および支持部材側取付部を示す図15におけるY−Y線に沿う断面図である。
【図19】 本発明の第7実施形態のディスクブレーキの別の例を示す図15におけるZ3−Z3線に沿う断面図である。
【図20】 本発明の第7実施形態のディスクブレーキのキャリパ側取付部および支持部材側取付部の別の例を示す図15におけるY−Y線に沿う断面図である。
【符号の説明】
12 ディスク
13 支持部材
14 キャリパ
16 キャリパ本体
18 キャリパ側取付部
19 支持部材側取付部
21 ボルト取付孔
22 ボルト取付孔
23 取付ボルト
25 円筒部
26 底面
27 穴部
28 先端面
30 底面
31 穴部
33 カラー
34 端面
35 端面
43 取付ボルト
46 座面
47 口元部
51,52,55,56 当接面
61,63,67,68 位置決め面(位置規制部)

Claims (10)

  1. 摺動可能に設けられたピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するべく車体側の支持部材に固定されるキャリパを備え、前記キャリパのキャリパ側取付部と前記支持部材の支持部材側取付部とを対向させ、これらキャリパ側取付部および支持部材側取付部のディスク半径方向に沿って形成されたボルト取付孔に取付ボルトを取り付けることによって前記キャリパを前記支持部材に固定するラジアルマウント型のディスクブレーキにおいて、
    前記キャリパ側取付部および前記支持部材側取付部のうち、いずれか一方に内周側が前記ボルト取付孔とされる円筒部を設け、いずれか他方に前記ボルト取付孔が底面に形成される穴部を設けるとともに、前記円筒部を前記穴部に挿入し、いずれか一方の前記円筒部の基端側の端面といずれか他方の前記穴部の開口側の端面とを当接させずに、前記円筒部の先端面と前記穴部の底面とを当接させて前記支持部材に前記キャリパを固定することを特徴とするディスクブレーキ。
  2. 前記円筒部は、前記キャリパ側取付部に一体成形されることを特徴とする請求項1記載のディスクブレーキ。
  3. 前記円筒部の先端面および前記穴部の底面を、それぞれ互いに当接するテーパ形状に形成してなることを特徴とする請求項1または2記載のディスクブレーキ。
  4. 摺動可能に設けられたピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するべく車体側の支持部材に固定されるキャリパを備え、前記キャリパのキャリパ側取付部と前記支持部材の支持部材側取付部とを対向させ、これらキャリパ側取付部および支持部材側取付部のディスク半径方向に沿って形成されたボルト取付孔に取付ボルトを取り付けることによって前記キャリパを前記支持部材に固定するラジアルマウント型のディスクブレーキにおいて、
    前記キャリパ側取付部および前記支持部材側取付部に前記ボルト取付孔が底面に形成される穴部をそれぞれ設けるとともに、これら穴部に円筒状のカラーを挿入し、前記キャリパ側取付部および前記支持部材側取付部のそれぞれの前記穴部の開口側の端面同士を当接させずに、前記カラーの各端面と前記各穴部の底面とを当接させて前記支持部材に前記キャリパを固定することを特徴とするディスクブレーキ。
  5. 前記カラーの各端面および前記各穴部の底面を、それぞれ互いに当接するテーパ形状に形成してなることを特徴とする請求項4記載のディスクブレーキ。
  6. 前記カラーの材質と前記キャリパの少なくとも前記キャリパ側取付部を含んで一体成形されるキャリパ本体の材質とを同じにしたことを特徴とする請求項4または5記載のディスクブレーキ。
  7. 摺動可能に設けられたピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するべく車体側の支持部材に固定されるキャリパを備え、前記キャリパのキャリパ側取付部と前記支持部材の支持部材側取付部とを対向させ、これらキャリパ側取付部および支持部材側取付部のディスク半径方向に沿って形成されたボルト取付孔に取付ボルトを取り付けることによって前記キャリパを前記支持部材に固定するラジアルマウント型のディスクブレーキにおいて、
    前記取付ボルトの座面をテーパとし、前記ボルト取付孔の前記座面に当接する口元部を前記座面と逆のテーパとして当該テーパ同士を当接させて前記支持部材に前記キャリパを固定することを特徴とするディスクブレーキ。
  8. 互いに対向する前記キャリパ側取付部および前記支持部材側取付部の組がディスクの円周方向に沿って二組設けられており、互いに対向する前記キャリパ側取付部および前記支持部材側取付部の一方の組側に形成された前記ボルト取付孔が、前記口元部を含んで、ディスクの円周方向に沿った長穴形状に形成されていることを特徴とする請求項7記載のディスクブレーキ。
  9. 摺動可能に設けられたピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するべく車体側の支持部材に固定されるキャリパを備え、前記キャリパのキャリパ側取付部と前記支持部材の支持部材側取付部とを対向させ、これらキャリパ側取付部および支持部材側取付部のディスク半径方向に沿って形成されたボルト取付孔に取付ボルトを取り付けることによって前記キャリパを前記支持部材に固定するラジアルマウント型のディスクブレーキにおいて、
    前記キャリパ側取付部および前記支持部材側取付部の当接面が前記ボルト取付孔に対し傾斜して当該傾斜した当接面同士を当接させて前記支持部材に前記キャリパを固定することを特徴とするディスクブレーキ。
  10. 摺動可能に設けられたピストンによりブレーキパッドをディスクに押圧するべく車体側の支持部材に固定されるキャリパを備え、前記キャリパの二箇所のキャリパ側取付部と前記支持部材の二箇所の支持部材側取付部とをそれぞれ対向させ、これら二組のキャリパ側取付部および支持部材側取付部のディスク半径方向に沿ってそれぞれ形成されたボルト取付孔に取付ボルトを取り付けることによって前記キャリパを前記支持部材に固定するラジアルマウント型のディスクブレーキにおいて、
    前記二組のキャリパ側取付部および支持部材側取付部には、支持部材のディスク円周方向における中央位置を中心として互いに鏡面対称形状をなして前記ディスクの側面に対して傾斜する傾斜面または前記ディスクの側面に対して湾曲する円弧面が互いに当接するように形成され、該傾斜面または円弧面によりディスク円周方向の位置ずれを規制する位置規制部が設けられていることを特徴とするディスクブレーキ。
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