JP2005260215A - 窒化物半導体素子 - Google Patents

窒化物半導体素子 Download PDF

Info

Publication number
JP2005260215A
JP2005260215A JP2005032950A JP2005032950A JP2005260215A JP 2005260215 A JP2005260215 A JP 2005260215A JP 2005032950 A JP2005032950 A JP 2005032950A JP 2005032950 A JP2005032950 A JP 2005032950A JP 2005260215 A JP2005260215 A JP 2005260215A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
side layer
nitride semiconductor
semiconductor device
type impurity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2005032950A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5162809B2 (ja
Inventor
Masahito Yamazoe
雅仁 山添
Masayuki Eguchi
昌幸 江口
Hiroki Narimatsu
宏記 成松
Kazunori Sasakura
一憲 笹倉
Yukio Narukawa
幸男 成川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nichia Chemical Industries Ltd
Original Assignee
Nichia Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nichia Chemical Industries Ltd filed Critical Nichia Chemical Industries Ltd
Priority to JP2005032950A priority Critical patent/JP5162809B2/ja
Publication of JP2005260215A publication Critical patent/JP2005260215A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5162809B2 publication Critical patent/JP5162809B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Abstract

【課題】
従来の発光素子では、ウエハ内の順方向電圧(Vf)が不均一であったり、駆動時間経過にともないVfが変動する等、素子特性が十分とは言えない場合があった。
【解決手段】
本発明は、n電極を有するn側コンタクト層とp電極を有するp側コンタクト層との間に、活性層を有する窒化物半導体素子に関する。特に、n側コンタクト層と活性層の間に、n側コンタクト層側から順に、第1のn側層、第2のn側層、第3のn側層および第4のn側層を少なくとも有し、少なくとも第2のn側層および第4のn側層はそれぞれn型不純物を含み、第2のn側層および第4のn側層のn型不純物濃度はそれぞれ、第1のn側層および第3のn側層のn型不純物濃度よりも高いことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード(LD)、太陽電池、光センサー等の発光素子、受光素子、あるいはトランジスタ、パワーデバイス等の電子デバイスに使用される窒化物半導体(例えば、InaAlbGa1-a-bN、0≦a、0≦b、a+b≦1)素子に関する。
窒化物半導体は例えば高輝度青色LED、純緑色LEDの材料として、フルカラーLEDディスプレイ、交通信号灯、イメージスキャナー光源等の各種光源で実用化されている。LEDの構造としては種々知られており、例えば、特許文献1などがある。
特開2000−232237号公報
しかしながら、上記従来の発光素子では、ウエハ内の順方向電圧(Vf)が不均一であったり、駆動時間経過にともないVfが変動する等、素子特性が十分とは言えない場合があった。ウエハ内における平均Vfを下げ、Vfのバラツキを抑えることにより、よりよい歩留まりとすることができる。さらに、駆動時間経過にともなうVfの変動を抑えることが、素子の汎用性を広げるとともに信頼性を向上させることにつながる。例えば、複数のLEDを並列に接続した場合、あるLEDのみのVfが駆動時間経過とともに変動してしまうと、各々が均一に光らなくなってしまい、問題となる。
またさらに、静電耐圧を高くする構造として、n型半導体層とp型半導体層とで活性層を挟む窒化物半導体素子において、複数の層からなるn型半導体層に、n型不純物を含むn型半導体層を設けることでVfが低下する傾向にあり、低濃度のn型不純物もしくはアンドープのn型半導体層を設けることで静電耐圧が向上する傾向にある。そして、この低濃度のn型不純物もしくはアンドープのn型半導体層を厚膜で設けると静電耐圧特性がさらに向上する傾向にあるが、その一方で、上記課題のVfが駆動時間経過とともに変動してしまう問題が特に目立つ傾向にあった。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決する窒化物半導体素子を提供することである。
請求項1に記載の発明は、n電極を有するn側コンタクト層とp電極を有するp側コンタクト層との間に、活性層を有する窒化物半導体素子に関する。特に、前記窒化物半導体素子は、前記n側コンタクト層と前記活性層の間に、前記n側コンタクト層側から順に、第1のn側層、第2のn側層、第3のn側層および第4のn側層を少なくとも有し、少なくとも前記第2のn側層および前記第4のn側層はそれぞれn型不純物を含み、前記第2のn側層および前記第4のn側層のn型不純物濃度はそれぞれ、前記第1のn側層および第3のn側層のn型不純物濃度よりも高いことを特徴とする窒化物半導体素子である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の窒化物半導体素子であって、前記第4のn側層のn型不純物濃度は、前記第2のn側層のn型不純物濃度よりも高いことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の窒化物半導体素子であって、前記窒化物半導体素子は、前記第4のn側層と前記活性層の間に、第5のn側層をさらに備え、前記第2のn側層および前記第4のn側層のn型不純物濃度はそれぞれ、前記第5のn側層のn型不純物濃度よりも高いことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の窒化物半導体素子であって、前記第1のn側層、前記第3のn側層および前記第5のn側層のn型不純物濃度は1X1018/cm以下であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子であって、前記第2のn側層の膜厚が、前記第1のn側層の膜厚より小さく、前記第4のn側層の膜厚が、前記第3のn側層の膜厚よりも小さいことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子であって、前記第1のn側層と第3のn側層は、実質的に組成が同じかバンドギャップエネルギーが同じであることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子であって、前記第2のn側層が第1のn側層と実質的に組成が同じかバンドギャップエネルギーが同じであることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子であって、前記第1のn側層および第3のn側層の膜厚が100nm以上であることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子であって、前記第1乃至第3のn側層がGaNからなることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、n電極を有するn側コンタクト層と活性層との間に、該n側コンタクト層側から順に、第1のn側層、第2のn側層、第3のn側層とを少なくとも有する窒化物半導体素子において、前記第1のn側層と第2のn側層は接しており、前記第2のn側層は、n型不純物を含み、
前記第2のn側層のn型不純物濃度が第1のn側層及び第3のn側層のn型不純物濃度よりも高く、前記第2のn側層は、前記第1のn側層と実質的に組成が同じかバンドギャップエネルギーが同じであり、前記第2のn側層の膜厚が、第1のn側層及び第3のn側層の膜厚よりも小さいことを特徴とする窒化物半導体素子である。
請求項11に記載の発明は、請求項10に記載の窒化物半導体素子であって、前記第1のn側層及び第3のn側層は、実質的に組成が同じかバンドギャップエネルギーが同じであることを特徴とする。
請求項12に記載の発明は、請求項10または11に記載の窒化物半導体素子であって、前記第1のn側層の膜厚が100nm以上であることを特徴とする。
請求項13に記載の発明は、請求項10乃至12のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子であって、前記第1のn側層および第2のn側層がGaNからなることを特徴とする。
請求項14に記載の発明は、請求項10乃至13のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子であって、前記第1乃至第3のn側層がGaNからなることを特徴とする。
請求項15に記載の発明は、請求項10乃至14のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子であって、前記第3のn側層と活性層との間に、第3のn側層に接して、第4のn側層を有し、前記第4のn側層は、n型不純物を含み、前記第4のn側層は、前記第3のn側層と実質的に組成が同じがバンドギャップエネルギーが同じであることを特徴とする。
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の窒化物半導体素子であって、 前記第3のn側層の膜厚が100nm以上であることを特徴とする。
請求項17に記載の発明は、請求項15または16に記載の窒化物半導体素子であって、前記第4のn側層は、n型不純物を含み、前記第2のn側層のn型不純物濃度以上の濃度であることを特徴とする。
請求項18に記載の発明は、請求項15乃至17に記載の窒化物半導体素子であって、前記第4のn側層と活性層との間に第5のn側層を有し、前記第4のn側層のn型不純物濃度は、前記第5のn型不純物濃度よりも高いことを特徴とする。
請求項19に記載の発明は、請求項1乃至18のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子であって、前記第1のn側層の、隣接する層との界面の表面積が、1mm以下であることを特徴とする。
請求項20に記載の発明は、請求項1乃至19のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子であって、前記n側コンタクト層は、活性層側と反対の第1の主面側に窒化物半導体と異なる基板を有し、さらに活性層側に、隣接する窒化物半導体層との界面をなす第2の主面と、前記第2の主面より基板側にn電極を有する第3の主面とを有し、第1の主面から第3の主面までの膜厚が、3μm以上または第1の主面から第2の主面までの膜厚に対して80%以下であることを特徴とする。
本発明の構成により、静電耐圧が高く、また駆動時間経過にともなうVfの変動を抑えた、信頼性の高い素子を得ることができる。
(実施の形態1)
図1は、本発明の窒化物半導体素子である発光ダイオード(LED)の構造を示す模式的断面図であるが、本発明はこれに限定されない。
図1は、基板1の上に、バッファ層2、下地層3、n側コンタクト層4、第1のn側層5、第2のn側層6、第3のn側層7、第4のn側層8、活性層11、p側コンタクト層14が順に積層された構造を有するLEDを示す。ここで、本件発明の実施の形態1においては、第2のn側層および第4のn側層のn不純物濃度はそれぞれ、第1のn側層および第3のn側層のn型不純物濃度よりも高いことを特徴とする。なお、本実施の形態におけるn型不純物とはSiである。本発明において、窒化物半導体におけるn型不純物としては、炭素(C),ケイ素(Si),ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)、硫黄(S),セレン(Se)およびテルル(Te)などを用いることができるが、好ましくは導電性の点でSiを用いる
このように、n側コンタクト層4と活性層11の間に、第1のn側層5、第2のn側層6、第3のn側層7、第4のn側層8を設けることにより、ウエハ内におけるVf(所定の電流値、例えば20mAの電流を流すのに必要な電圧)の平均値が低下するとともにバラツキも軽減されるので、出荷可能なチップ数が増え歩留まりが向上する。さらには、駆動初期のVfが低下するチップ数も減少するので歩留まりと共に汎用性も向上する。
また、複数のLEDを並列に接続した場合、あるLEDのみのVfが駆動時間経過とともに変動してしまうという、Vfの変動の問題も解決される。以下に、このVfの駆動時間経過による変動の問題について詳説する。
例えば従来のn型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層とが活性層を挟むような窒化物半導体発光素子では、素子特性のよい発光素子として、Vfの低い素子が、また静電耐圧の高い素子が必要とされる。そして、n型窒化物半導体層がn導電型を示す不純物(n型不純物)を含むことでVfの低い窒化物半導体素子が得られる傾向にあり、逆にn型窒化物半導体層がアンドープか、低濃度のn型不純物を含む場合、静電耐圧の高い窒化物半導体素子が得られる傾向にあるが、これらはn型不純物の濃度については相反するものとなり、静電耐圧を高くしようとすると、Vfが高くなるなどの問題がある。本発明者らは、アンドープか、低濃度のn型不純物を含む窒化物半導体層を厚膜で設けることにより、Vfの駆動時間経過による変動がおこりやすいと考え、本発明にいたり、静電耐圧特性に優れかつVfの駆動時間経過による変動を抑えた窒化物半導体素子を得ることができた。
図6、図7、は本発明の静電耐圧特性に優れかつVfの駆動時間経過による変動を抑えた窒化物半導体素子を説明するための図であり、これら図示した半導体積層体がn型コンタクト層と活性層との間に有する窒化物半導体素子の説明である。
図6Aは従来の、静電耐圧向上の効果を備えたn型半導体層の積層構造を模式的に示した図であり、図6Bは、図6Aの積層構造におけるn側コンタクト層4と活性層11とに挟まれた層についてのエネルギーバンド図を模式的に示した図である。n電極が形成されるn側コンタクト層と活性層との間において、n側コンタクト層から電子が移動し、この間にあるn型窒化物半導体層を通過して活性層に電子が注入される。n型窒化物半導体層とp型窒化物半導体層との間に活性層が設けられた窒化物半導体発光素子においては、活性層に電子および正孔が効率よく注入されるために、少なくとも活性層とその外側の層との間でバンドオフセットが設けられる。つまりバンドギャップ差をもつ活性層よりもバンドギャップエネルギーの大きい層が設けらるが、このとき、接合界面にそれによる図6Bに示すようなスパイクおよびノッチが現れてしまう。図6Aはその一例を示すもので、SiがドープされたGaNからなるn側コンタクト層20、アンドープのGaN層21、InGaN層22(活性層の井戸層よりもバンドギャップエネルギーが大きい層)、InGaNを井戸層とする活性層23である。図6Bには、このうちアンドープのGaN層21、InGaN層22とのエネルギーバンド図である。このアンドープのGaN層21を設けることによって、静電耐圧特性に優れた発光素子が得られるが、n側コンタクト層やその他の層が、n型不純物がドープされているのに対し、アンドープの層は、電気ポテンシャルエネルギーが高いために、n側コンタクト層からの電子の加速度が大きく、電子の移動する速度Vがその層を移動する際に、次第に大きくなってしまう。つまりn側コンタクト層からの電子がアンドープの層にV1の速度で入ると、アンドープの層から出るときの速度V2が、V1<V2となる。そしてこのアンドープの層で加速された電子がスパイクに当たり、界面に強い衝撃を与える。そしてこの衝撃が続くことにより、活性層側のバンドギャップエネルギーの異なる層であるInGaN層22の結晶が他の層と比べて急速に劣化し、部分的にその層にリーク電流が流れるようになり、Vfが変動するものと考えられる。つまりこのアンドープの層の膜厚が厚ければ厚いほど、電子はポテンシャルエネルギーの高い層を移動する時間が長くなり、移動速度Vが速くなるので、この現象が起こりやすい。また、図6AではアンドープのGaN層に接する層が、InGaN層である場合の説明であるが、アンドープのGaN層に接する層がInGaNなど、アンドープの層と組成が異なるか、バンドギャップエネルギーが異なる窒化物半導体層を有するときには、またInGaNからなる井戸層などの活性層に直接接する場合には、スパイクおよびノッチが現れるため、同様にこの現象が起りうると考えられる。また活性層の直前の層で電子の移動速度を小さくさせるより、n型不純物を含む層と活性層の間になんらかの別の層を設けて、活性層から離れた層で電子の移動速度を小さくさせる方が、電子が安定して活性層に流れるようになるので好ましい。例えば、アンドープの層がGaN層であるとき、AlGaN層やInGaN層(これらはアンドープでもn型不純物がドープされていてもよい)であれば、同様に起こりうる。
そこで本発明では、一例として図7に模式的に示したような、アンドープ層21に接してn型不純物を含む層25を設けることで、この問題が解消される。図7Aは、図6Aに加えてアンドープのGaN層21とInGaN層22との間に、SiがドープされたGaN層25を設けたものである。また図7Bは、図7Aの積層構造におけるエネルギーバンド図を模式的に示した図である。図6に示したように、スパイクおよびノッチは現れるが、アンドープのGaN層に接してSiドープのGaN層を設けることで、アンドープ層を通過した電子の移動する速度Vが一度小さくなり、スパイクへの衝撃を小さくすることができる。つまりn側コンタクト層からの電子がアンドープの層にV3の速度で入ると、アンドープの層から出るときの速度がV4となり、この関係はV3<V4となるが、従来の図6の構造に対して、V4<V2となるので、従来よりスパイクへの衝撃を小さくすることができる。このSiがドープされたGaN層(n型不純物を含むGaN層)の作用についてさらに説明すると、この層は、少なくともアンドープ層よりもn型不純物濃度が高いことが必要である。このような層は、n型ドーパントによる程度のポテンシャルエネルギーの低下がみられ、静電耐圧特性を大きく変えることなく、電子の加速度を小さくすること、言い換えれば電子の移動速度Vを低下させることができる。またこの層は、アンドープの層よりもn型不純物濃度が高いことに加えて、アンドープの層と組成が実質的に同じかバンドギャップエネルギーが同じであることがさらに好ましい。組成が実質的に同じかバンドギャップエネルギーが同じであることで、アンドープの層に対するポテンシャルエネルギーの低下が、n型ドーパントによるもののみになり、静電耐圧特性を変えることなく、電子の加速度を小さくすることができる。くわえて、この2層の格子整合性も良好となり、結晶性のよい半導体層とできる点でも好ましい。つまり、静電耐圧が高い素子において、Vfの駆動時間経過による変動を抑えた窒化物半導体素子が得られる。
また、このアンドープの層は、必ずしもアンドープである必要はなく、静電耐圧の高い素子が得られる程度の低濃度であればよく、具体的にはn型不純物の濃度が1X1018/cm3以下の範囲であることが好ましい。
さらに、このアンドープの層の活性層側に接するn型不純物を含む層のn型不純物濃度は、少なくとも隣接するアンドープの層よりもn型不純物濃度が高く、また5X1017/cm3以上、好ましくは1X1018/cm、より好ましくは5X1018/cm3以上とすることで、電子の移動速度Vを低下させ、Vfの駆動時間経過による変動を抑えることができる。加えて、n型不純物を含む層は、n側コンタクト層のn型不純物濃度とほぼ等しいかそれよりも小さいことが好ましい。n型不純物濃度がn側コンタクト層よりも大きくなると、この層から活性層への電子の供給が支配的となってしまい、隣接するアンドープの層やその他の層が好適に機能しない。
またこれらアンドープの層と、n型不純物を含む層のそれぞれの膜厚としては、これらの層の相関として、アンドープの層の膜厚が活性層側に隣接するn型不純物を含む層の膜厚よりも大きいことが好ましく、これにより、静電耐圧の高い素子が得られる。またそれぞれの膜厚については、n型不純物を含む層の膜厚が100nm以下が好ましい。n型不純物を含む層の膜厚が100nmよりも大きいと、順方向および逆方向、特に逆方向の静電耐圧が大きく低下する傾向にあるとともに、隣接するアンドープの層が窒化物半導体素子の静電耐圧特性に好適に機能しなくなる。図8は、後述する積層構造Bにおいて、n側に設けるアンドープGaNからなる下層(3000オングストローム)を、最小構成を含むように、下からアンドープGaNからなる第1の層(1500オングストローム)、Siを5X1017/cm含むGaNからなる第2の層及びアンドープGaNからなる第3の層(1500オングストローム)からなる3層構造とし、Siを含む層(第2の層)の膜厚(単位:オングストローム)に対する破壊電圧(単位:V)を示す図であるが、n型不純物を含む層の膜厚が100nmを越えると、破壊電圧が急激に低下し、静電耐圧が大きく低下してしまう。また、n型不純物を含む層の膜厚の下限としては、1nmであり、1nm以上とすることで、ウエハ内におけるVfが低下する傾向にあると共に、この層が少なくとも電子の移動速度Vを低下する層として好適に機能する。
また他方、アンドープの層の膜厚は、100nm以上であることが好ましい。この層が100nm以上であることで、静電耐圧特性に優れた窒化物半導体素子となる。またアンドープの層の膜厚の上限としては、500nmであり、500nmより厚いとVfが急激に上昇してしまい好ましくない。図9は、後述する積層構造Bにおいて、n側に設けるアンドープGaNからなる下層(3000オングストローム)を、後述する最小構成を含むように、下からアンドープGaNからなる第1の層(1500オングストローム)、Siを5X1017/cm含むGaNからなる第2の層(100オングストローム)及びアンドープGaNからなる第3の層(1500オングストローム)からなる3層構造とし、アンドープの層(第1の層)の膜厚(単位:オングストローム)に対するVf(単位:V)を示す図であるが、アンドープの層の膜厚が500nm以上となると、Vfが急激に上昇してしまう。
以上の説明が、本発明の主要となる特徴部分となり、このn側コンタクト層と活性層との間にある、隣接した2つの層を最小構成となる。
さらに、この最小構成をn側コンタクト層と活性層との間に備えた窒化物半導体素子において、最小構成のアンドープの層の隣接する層との界面の表面積が1mmよりも小さいことが好ましい。実施の形態1においては、第1のn側層もしくは第3のn側層の表面積が1mmよりも小さいことが好ましい。本発明の課題とするVfの駆動時間経過による変動は、n側コンタクト層から供給される電子が、スパイクに衝撃を継続的に与えることにより起こる問題から、アンドープの層の界面の表面積が小さい、すなわち単位面積あたりの電子の数が多くなる窒化物半導体素子に特に発生しうる問題である。すなわちアンドープの層の界面の表面積が小さいほど、本発明の最小構成を備えることによるVf変動の抑制が効果的にはたらく。窒化物半導体素子では、大きくは3インチのサファイア基板、その他2インチのGaN基板や、6インチのSiC基板上に、窒化物半導体層を積層し、積層した窒化物半導体ウエハを種々の面積となるようにチップ化して窒化物半導体素子を得るが、チップ化した際の表面積が特に1mmより小さいと、n側コンタクト層から活性層に向かう電子の数が多くなってしまい、スパイクに与える衝撃の回数も多くなることによるVfの変動が顕著に表れるが、本発明の最小構成を備えた素子ではVfの変動を抑制することができる。この特徴は、n電極を基板に設けるSi、SiC、GaNなどの導電性を有する基板を備えた窒化物半導体素子でも、p電極と同一面側にn電極を設けるサファイアなどの絶縁性の基板を備えた窒化物半導体素子でも、適用される。
さらに加えて、基板としてサファイアなどの絶縁性の基板を用いた窒化物半導体素子では、p電極とn電極とを同一面側に設ける構造が取られ、n側コンタクト層が活性層側の窒化物半導体層に接合する面とn電極が形成される面とは通常高さが異なる。また電極から注入された電子は、n側コンタクト層を層に平行な方向となる横方向に進み、次に活性層にむけて積層方向となる縦方向に進む。このため、n側コンタクト層が活性層側の窒化物半導体層に接合する面と、n電極が形成される面との高低差とともに、電子が通過する層となるn側コンタクト層の膜厚とによって、スパイクに与える衝撃の度合い、回数も異なると考えられる。
そこで、特に最小構成のアンドープの層の隣接する層との界面の表面積が1mmよりも小さい窒化物半導体素子において、n側コンタクト層は、活性層側と反対の第1の主面側に絶縁性からなる基板を有し、さらに活性層側に、隣接する窒化物半導体層との界面をなす第2の主面と、第2の主面より基板側にn電極を有する第3の主面とを有し、これら第1〜第3の主面について、第1の主面から第3の主面までの膜厚が、3μm以上であるか、または第1の主面から第2の主面までの膜厚に対して80%以下であることで、n側コンタクト層から活性層に向かう電子の数が多くなってしまい、スパイクに与える衝撃の回数も多くなることによるVfの変動が顕著に表れるが、本発明の最小構成を備えた素子ではVfの変動を抑制することができる。図10は、異種基板(30)上に有するn側コンタクト層(31)における第1の主面(F1)と第2の主面(F2)と第3の主面(F3)の関係を説明する図であり、第1の主面(F1)から第3の主面(F3)までの膜厚が3μm以上であると、n電極(32)からn側コンタクト層(31)に入った電子は、縦方向であって、異種基板(30)側に向けて深く入るため、横方向に進む時間も長くなり、n電極(32)から離れたn側コンタクト層の界面にまで到達する。また、第1の主面(F1)から第3の主面(F3)までの膜厚が、第1の主面(F1)から第2の主面(F2)までの膜厚に対して80%以下であると、第2の主面(F2)と第3の主面(F3)との高低差が大きくなり、n電極からn側コンタクト層に入った電子は、横方向に進むが、n側コンタクト層の界面(n側コンタクト層の活性層(34)側にアンドープの窒化物半導体層(33)が接している)に到達するまでの距離が大きいために、横方向に進み続け、この場合もn電極から離れたn側コンタクト層の界面にまで到達する。すなわちこれらの範囲においては、単位面積あたりの電子が多い領域が最小構成のアンドープの層の隣接する層との界面の全体にわたるため、界面のn電極側にのみ電子の多い領域が存在する窒化物半導体素子と比べて、スパイクに与える衝撃によるVfの変動が最も顕著に表れるが、本発明の最小構成を備えた素子では、このVfの変動を抑制することができる。
さらに、このアンドープの層とn型不純物を含む層とを最小構成とする構造を、n側コンタクト層と活性層との間に、複数設けてもよい。複数設ける場合、静電耐圧は向上し、Vfの変動を抑えた素子が得られるが、構造を多くしすぎると結晶性が悪くなり、発光効率が落ちる傾向になるので、適宜の数の最小構成を設けるとよい。
先に示した実施の形態1の構造は、この最小構成を2つ備えた構造であり、第1と第3のn側層が、この説明にあるアンドープの層もしくは1X1018/cm以下のn型不純物を含む層、第2と第4のn側層が、この説明にある隣接するn型不純物を含む層に該当し、また第1のn側層と第2のn側層とで最小構成、また第3のn側層と第4のn側層とで最小構成を形成する。
以上説明した、この最小構成および最小構成を備えた窒化物半導体素子としては、いくつかの実施形態が挙げられる。次に、この最小構成および最小構成を備えた窒化物半導体素子において、好ましい実施形態を順番に詳説する。
以下、実施の形態1として示した図1の窒化物半導体素子を構成する各部位について説明する。
(基板1)
基板1としては、C面、R面又はA面を主面とするサファイア、その他、スピネル(MgA124)のような絶縁性の基板の他、SiC(6H、4H、3Cを含む)、Si、ZnO、GaAs、GaN等の半導体基板を用いることができる。また、基板1は最終的に除去することもできる。
(バッファ層2)
バッファ層2としては、例えばAlGaN(GaNも含む)からなる窒化物半導体であり、好ましくはAl混晶比が0.3以下、より好ましくはAl混晶比が0.2以下のバッファ層2が挙げられる。また、バッファ層2は最終的に除去することもできるし、それ自体省略することもできる。
(下地層3)
下地層3としては、その組成は特に問うものではないが、好ましくはAl比率が0.2以下のAlGaN、より好ましくはGaNとすると結晶欠陥の少ない窒化物半導体層が得られやすい。また、下地層3は最終的に除去することもできるし、それ自体省略することもできる。
(n側コンタクト層4)
n側コンタクト層4としては、その組成は特に問うものではないが、好ましくはAl比率が0.2以下のAlGaN、より好ましくはGaNとすると結晶欠陥の少ない窒化物半導体層が得られやすい。膜厚は特に問うものではないが、n電極を形成する層であるので1μm以上の膜厚で成長させることが望ましい。
また、本発明において用いられるn電極は、特に限定されず、従来知られている電極等を用いることができ、例えば実施例に記載の電極が挙げられる。
(第1のn側層5)
第1のn側層5としては、第2のn側層6〜第4のn側層8と同様に、それぞれ、Al比率が0.2以下のAlGaN、またはIn比率が0.1以下のInGaN、より好ましくはGaNとすると結晶欠陥の少ない窒化物半導体層が得られやすいので好ましい。また、第1のn側層5〜第4のn側層8はそれぞれが異なる組成でもよいが、同一組成であることが好ましく、より好ましくはGaNとすることができる。特に、第1のn側層と第3のn側層がGaNであることで、その両方が窒化物半導体素子の静電耐圧向上に好適に機能し、また第2のn側層と第4のn側層がGaNであることで、n型不純物を含む層として結晶性のよい膜が得られる。
第1のn側層5を設けることにより、静電耐圧を向上させることができる。第1のn側層5におけるn型不純物濃度は、1X1018/cm33以下、好ましくは5X1017/cm以下、より好ましくは1X1017/cm以下とすることができる。なお、これらのn型不純物濃度範囲はそれぞれがアンドープを含むものとする。これにより、特にn型不純物濃度が低くなるほど(n型不純物濃度がアンドープに近づくほど)、上記効果がより顕著なものとなる。
本発明において、アンドープとは、意図的に不純物をドープしない状態を指し、例えば隣接する窒化物半導体層から拡散により混入される不純物を含んでいても成長時に不純物をドープしないで成長させている場合も本発明ではアンドープという。なお、拡散により混入される不純物は層内において不純物濃度に勾配がついていることが多い。
第1のn側層5の膜厚は、少なくとも100オングストローム以上、好ましくは100〜5000オングストローム、より好ましくは1000オングストローム以上3000オングストローム以下とすることができる。100オングストローム未満では静電耐圧の低下に伴い歩留まりの低下が大きくなる傾向が見られる。さらには、5000オングストロームより厚いとVfが上昇しやすい。また1000オングストローム以上、3000オングストローム以下の範囲で、n型不純物を含む層(第2の層)との関係が静電耐圧特性が向上とVfの駆動時間経過による変動を抑制することができる。
(第2のn側層6)
n側不純物がドープされた第2のn側層6を設けることにより、ウエハ内における平均Vfが大幅に低下するとともにバラツキも軽減させることができる。また駆動初期のVfが低下するLEDチップの数も減少させることができる。また第1のn側層と接していることで、好適に加速された電子の速度を一度低下させることができる。
第2のn側層は、第1のn側層と組成が実質的に同じかバンドギャップエネルギーが同じであることが好ましく、先に説明したように、第1のn側層に対するポテンシャルエネルギーの低下が、n型ドーパント(n型不純物)によるもののみになり、静電耐圧特性を変えることなく、電子の加速度を小さくすることができる。最も好ましくは第1のn側層と第2のn側層とを共にGaNとすることである。
また、第2のn側層におけるn型不純物濃度は、少なくとも第1のn側層よりもn型不純物濃度が大きく、また5X1017/cm以上、好ましくは1X1018/cm以上、より好ましくは5X1018/cmとすることにより、上記効果がより顕著なものとなる。 第2のn側層6の膜厚は、10〜1000オングストローム、好ましくは30〜500オングストローム、より好ましくは50〜200オングストロームである。膜厚が1000オングストロームを超えると順方向および逆方向、特に逆方向の静電耐圧が大きく低下する傾向がある。一方、膜厚が10オングストローム未満ではウエハ内における平均Vfが低下しない傾向がある。
(第3のn側層7)
第3のn側層7を設けることにより、静電耐圧を向上させることができる。第3のn側層7におけるn型不純物濃度は、第2のn側層よりも小さいか、1X1018/cm以下、好ましくは5X1017/cm以下、より好ましくは1X1017/cm以下とすることができる。なお、これらのn型不純物濃度範囲はそれぞれがアンドープを含むものとする。これにより、特にn型不純物濃度が低くなるほど(n型不純物濃度がアンドープに近づくほど)、上記効果がより顕著なものとなる。
第3のn側層7の膜厚は、100オングストローム以上、好ましくは100〜5000オングストローム、より好ましくは1000オングストローム以上5000オングストローム以下とすることができる。100オングストローム未満では静電耐圧の低下に伴い歩留まりの低下が大きくなる傾向が見られる。さらには、5000オングストロームより厚いとVfが上昇しやすい。また1000オングストローム以上、3000オングストローム以下の範囲で、n型不純物を含む層(第4の層)との関係が静電耐圧特性が向上とVfの駆動時間経過による変動を抑制することができる。また詳細は不明だが、第3のn側層7は第1のn側層5と一体となってこのような作用効果が得られるものと考えられる。
(第4のn側層8)
n側不純物がドープされた第4のn側層8は、キャリア濃度を十分とさせて発光出力に比較的大きく作用する層であり、また第3の層を設けた本実施の形態において、第3の層が静電耐圧を上げる層として好適に機能することができる。つまり、第3のn側層と接しているので、第3のn側層で再度加速された電子の速度を低下させることができる。この層を形成させないと著しく発光出力が低下する傾向がある。
第4のn側層は、第3のn側層と組成が実質的に同じかバンドギャップエネルギーが同じであることが好ましく、先に説明したように、第3のn側層に対するポテンシャルエネルギーの低下が、n型ドーパント(n型不純物)によるもののみになり、静電耐圧特性を変えることなく、電子の加速度を小さくすることができる。最も好ましくは第3のn側層と第4のn側層とを共にGaNとすることである。
第4のn側層8の膜厚は、10オングストローム以上、好ましくは100〜1000オングストローム、より好ましくは100〜500オングストローム、さらに好ましくは200〜500オングストロームとすることができる。膜厚が10オングストローム未満では静電耐圧の低下が大きくなる傾向があり、またウエハ内における平均Vfが低下しない傾向がある。さらには、1000オングストロームを超えると発光出力が低下しやすい。
第4のn側層8におけるn型不純物濃度は、少なくとも第3のn側層7よりもn型不純物濃度が大きく、好ましくは1X1018/cm以上、より好ましくは5X1018/cm以上とすることにより、上記効果がより顕著なものとなる。
さらに、第4のn側層8のn型不純物濃度は、第2のn側層6のn型不純物濃度よりも高いことが好ましい。つまり複数の最小構成(本実施の形態では第1と第2のn側層、第3と第4のn側層の2つの最小構成)を持つ場合、n型不純物を含む層は、最小構成のうち、活性層に近い方のn型不純物濃度を高くすることが好ましい。これにより、発光出力および静電耐圧(特に逆方向の静電耐圧)の2つの特性を両立させて得ることができる。
さらに図示していないが、第4のn側層と活性層との間に、第5のn側層を設けてもよい。第5のn側層は、第2のn側層および第4のn側層のn型不純物濃度が、第5のn側層のn型不純物濃度よりも高くなるように設けることが好ましく、さらに第5のn側層のn型不純物濃度が1X1018/cm以下とすることが好ましい。また第5のn側層の膜厚は、少なくとも第1のn側層および第3のn側層の膜厚よりも小さく、また100nmより小さいことで、第1〜第5のn側層を設けたときの、第1と第3のn側層が静電耐圧特性向上に好適に機能すると共に、第2と第4のn側層が電子の移動速度を低下させる層として、Vfの駆動時間経過に伴う変動を抑制する層として好適に機能する。第5のn側層の膜厚の下限としては、1nmで、1nm以上の膜厚で第1〜第5のn側層を備えた素子として上記効果がより顕著なものとなる。また上限としては100nm以下が好ましく、100nm以下とすることで、第1のn側層と第2のn側層、またさらに第3のn側層と第4のn側層とが本発明の効果を十分に発揮できるので好ましい。
また図示していないが、さらに加えて、第5のn側層と活性層の間に、次の超格子構造のn側多層膜を設けてもよい。超格子構造のn側多層膜を設けることにより、発光出力をさらに向上させることができる。このn型多層膜層は、組成の異なる少なくとも2種類以上の窒化物半導体から構成されていればよく、好ましい組成としては、Al比率0.1以下のAlGaN(GaN含む)とIn比率が0.1以下のInGaNとの2種類の組成が挙げられる。超格子構造のn側多層膜を構成する単一層の膜厚は、特に限定されないが、100オングストローム以下、好ましくは70オングストローム以下、より好ましくは50オングストローム以下とする。これにより出力が向上する傾向にある。また超格子構造のn側多層膜を構成する単一層はそれぞれ、アンドープでも、n型不純物がドープされていてもよいが、好ましくは全層をアンドープとすることができる。
(活性層11)
活性層11としては、井戸層を有する単一量子井戸構造(SQW)、又は多重量子井戸構造(MQW)が好ましい。活性層11がMQWの場合、その積層順は特に問わず、井戸層または障壁層から積層することもできるし、同様に井戸層または障壁層で終わることもできる。
(p側コンタクト層14)
p側コンタクト層14としては、その組成は特に問わないが、GaN、Al比率0.2以下のAlGaN、In比率0.2以下のInGaNとすることができ、より好ましくはGaNとするとp電極材料と好ましいオーミック接触が得られやすい。本発明において用いられるp電極は、特に限定されず、従来知られているITO等を用いた電極や、実施例に記載の電極が挙げられる。
(実施の形態2)
実施の形態2は、実施の形態1で示した最小構成に加えて、第2のn側層よりも活性層側に第3のn側層を備えたもので、第3のn側層が、第2のn側層よりも膜厚が大きく、またn型不純物濃度が第2のn側層よりも小さいことを特徴とする。そしてn側コンタクト層と活性層との間に、第1のn側層と第2のn側層が接して、さらに第2のn側層より活性層側に第3のn側層を備えた構成を最小構成とした積層構造を備えた窒化物半導体素子である。
この実施の形態2による最小構成に含まれる第3のn側層は、第3のn側層を設けることで、第2のn側層が活性層から離れて位置するようになる。また第1のn側層と第2のn側層による、静電耐圧を上げ、駆動経過時間によるVfの変動を抑えた窒化物半導体素子を、さらに静電耐圧をあげることができる。すなわち静電耐圧を上げることができる第1のn側層と第3のn側層との間に電子の移動速度を低下させる第2のn側層を介在することで、静電耐圧特性を上げる層(具体的には、アンドープの層もしくはn型不純物濃度を1X1018/cm以下含む層)を擬似的に厚膜で設けることが可能となる。また、第2のn側層(n型不純物を含む層)を活性層から離して設けることができ、活性層から離れた層(第2のn側層)で電子の移動速度を小さくさせる方が、電子が安定して活性層に流れるようになるので好ましい。
実施の形態2の第1のn側層〜第3のn側層について、詳説すると、第1のn側層と第2のn側層は、実施の形態1に示したアンドープの層、n型不純物を含む層がそれぞれ適用される。
また第3のn側層については、実施の形態1に示したアンドープの層が適用される。さらに加えて第3のn側層は、第2のn側層に接してなることが好ましく、また第1のn側層と組成が実質的に同じか、バンドギャップエネルギーが同じであることが好ましく、第1のn側層と組成かバンドギャップエネルギーが同じであることで、第1のn側層と第3のn側層との両方が静電耐圧特性を向上させる層として、好適に機能する。いずれか一方のバンドギャップエネルギーが小さいと、偏りが生じてしまい、バンドギャップエネルギーが小さい層においては、静電耐圧の効果は十分に得られない傾向にある。そして、第1のn側層と第3のn側層とがいずれもGaNであることが好ましい。また第1のn側層、第2のn側層、第3のn側層がいずれもGaNであることで、第2のn側層について、第1のn側層に対するポテンシャルエネルギーの低下が、n型ドーパント(n型不純物)によるもののみになり、静電耐圧特性を変えることなく、電子の加速度を小さくすることができると共に、第3のn側層で第1のn側層で得られる静電耐圧特性をさらに向上することができる。このように実施の形態2では、第1のn側層〜第3のn側層を最小構成とした窒化物半導体素子を説明したが、これを図を用いて説明すると、図11のようになる。図11Aは、アンドープの層(第1のn側層)に接してn型不純物を含む層(第2のn側層)を設け、さらにn型不純物を含む層(第2のn側層)と活性層との間、図の例ではn型不純物を含む層に接して、アンドープの層(第3のn側層)を備えた構造の一例を模式的に示した図である。このような第1のn側層〜第3のn側層を備えることで、図6に示した従来の構造に対して同様の問題が解決できる。図11Aは、図6Aに加えてアンドープのGaN層とInGaN層との間に、SiがドープされたGaN層とアンドープのGaN層をさらに設けたものである。また図11Bは、図11Aの積層構造におけるエネルギーバンド図を模式的に示した図である。実施の形態1で示した第1のn側層と第2のn側層を備えた構造に加えて、第3のn側層(具体的には、アンドープの層もしくはn型不純物濃度を1X1018/cm以下含む層)を設けたことで、n型不純物を含む層が活性層から離すことができるとともに、さらに静電耐圧を上げる層を擬似的に厚膜で設けることが可能となる。
さらに実施の形態2では、第3のn側層の活性層側に接して、第4のn側層を設けることが好ましく、第4のn側層が、n型不純物を含む(少なくとも第3のn側層よりもn型不純物濃度が大きく、好ましくはn型不純物濃度が5X1017/cm以上)とともに、第3のn側層と実質的に組成が同じかバンドギャップエネルギーが同じであることを特徴とする。このような第4のn側層を設けることで、第3のn側層により加速された電子の速度を第4のn側層で再度小さくすることができる。すなわち第3のn側層は第1のn側層と第2のn側層とで最小構成をとるのみならず、第3のn側層と第4のn側層とで、実施の形態1で示した最小構成による効果ももたらすことになる。
さらに、第4のn側層を設ける場合、第4のn側層のn型不純物濃度は、第2のn側層のn型不純物濃度よりも高いことが好ましい。n型不純物を含む層が第2のn側層と第4のn側層と2つ有するが、活性層に近い方のn型不純物濃度を高くすることが好ましい。これにより、発光出力および静電耐圧(特に逆方向の静電耐圧)の2つの特性を両立させて得ることができる。
さらに実施の形態2においても、第4のn側層と活性層との間に第5のn側層を設けてもよい。第5のn側層は、第2のn側層および第4のn側層のn型不純物濃度が、第5のn側層のn型不純物濃度よりも高くなるように設けることが好ましく、さらに第5のn側層のn型不純物濃度が1X1018/cm以下とすることが好ましい。また第5のn側層の膜厚は、少なくとも第1のn側層および第3のn側層の膜厚よりも小さく、また100nmより小さいことで、第1〜第5のn側層を設けたときの、第1と第3のn側層が静電耐圧特性向上に好適に機能すると共に、第2と第4のn側層が電子の移動速度を低下させる層として、Vfの駆動時間経過に伴う変動を抑制する層として好適に機能する。第5のn側層の膜厚の下限としては、1nmで、1nm以上の膜厚で第1〜第5のn側層を備えた素子として上記効果がより顕著なものとなる。また上限としては100nm以下が好ましく、100nm以下とすることで、第1のn側層と第2のn側層、またさらに第3のn側層と第4のn側層が本発明の効果を十分に発揮できるので好ましい。
また図示していないが、さらに加えて、第5のn側層と活性層の間に、次の超格子構造のn側多層膜を設けてもよい。超格子構造のn側多層膜を設けることにより、発光出力をさらに向上させることができる。このn側多層膜について詳しくは実施の形態1と同様である。
また実施の形態2においても、この第1のn側層、第2のn側層、第3のn側層を最小構成とする構造を、n側コンタクト層と活性層との間に、複数設けてもよい。複数設ける場合、静電耐圧は向上し、Vfの変動を抑えた素子が得られるが、構造を多くしすぎると結晶性が悪くなり、発光効率が落ちる傾向になるので、適宜の数の最小構成を設けるとよい。
以上、実施の形態1と実施の形態2を説明したが、これらの窒化物半導体素子について、その他の構成については限定されるものではないが、窒化物半導体素子とするには、基板、n側窒化物半導体層、活性層、p側窒化物半導体層およびn電極、p電極とそれぞれの構成が必要となる。これらその他の構成について、好ましい形態を次に説明する。
基板としては、特に限定されるものではなく、半導体層を積層させることができるものであればよい。例えば、積層構造の成長方法に用いる基板、特にエピタキシャル成長用の基板としては、窒化物半導体と異なる材料の異種基板として、C面、R面及びA面のいずれかを主面とするサファイア、スピネル(MgA1)のような絶縁性基板、SiC(6H、4H、3Cを含む)、ZnS、ZnO、GaAs、Si及び窒化物半導体と格子整合する酸化物基板;窒化物基板として、GaN、AlN等の窒化物半導体基板等が挙げられる。なかでも、サファイア、スピネル基板を用いることが好ましい。さらにこれら基板のうち、窒化物半導体と屈折率が異なる材料については、基板の窒化物半導体成長面が凹凸形状を有することが好ましい。基板と窒化物半導体層との界面が凹凸形状であることで、発光層から出た光が効率よく窒化物半導体素子から出されるようになる。この凹凸は、凹部と凸部をつなぐ斜面が窒化物半導体積層方向に対して傾斜していると、さらに窒化物半導体素子の光取り出し効率が大きくなるので好ましい。
なお、基板は、基板上に下地層などが形成されたものを用いてもよい。下地層としては、特にその上に形成される半導体層に対して異種基板を用いた場合、例えば、結晶核形成層及び核成長層として、AlGa1−xN(0≦x≦1)を低温(200〜900℃)で成長させた低温成長バッファ層と、その上に形成される単結晶かつ高温成長層とからなるバッファ層等が挙げられる。膜厚は、例えば、50オングストローム〜0.1μm程度が挙げられる。また、ELO(Epitaxial Lateral Overgrowth)として知られるような層を設けてもよい。つまり、基板上又は下地層上に、島状部(凸部、マスク開口部)などの成長部を他の領域に比べて優先的又は選択的に成長させて、各選択成長部が横方向に成長して接合、会合することで層を形成するような成長層を設けてもよい。これにより結晶性、特に結晶欠陥を低減させた素子構造を得ることができる。下地層は、発光素子構造として動作部に含めてもよいが、通常、発光素子構造の成長用のためにのみ用いられて、発光素子として機能しない非動作部として設けられる。
窒化物半導体層としては、GaN、AlNもしくはInN又はこれらの混晶であるIII−V族窒化物半導体等が挙げられる。III−V族窒化物半導体としては、例えば、InαAlβGa1−α−βN(0≦α、0≦β、α+β≦1)、III族元素の一部又は全部をボロンで置換したもの、V族元素として窒素の一部をP、As、Sbで置換したもの等が挙げられる。なお、その他、半導体層として、一部にInAlGaP系材料、InP系材料、AlGaAs系材料又はこれらの混晶材料等を用いてもよい。
窒化物半導体層は、MOVPE(有機金属気相成長法)、HVPE(ハライド気相成長法)、MBE(分子線エピタキシー法)、MOCVD(有機金属化学気相成長法)等の種々の方法で形成することができる。なかでも、MOCVD、MBEにより形成することが好ましい。
窒化物半導体層は、アクセプター又はドナーとして機能するドーパントを添加することにより、各導電型の窒化物半導体層を形成することができる。n型ドーパントとしては、Si、Ge、Sn、S、O、Ti、Zr等のIV族又はVI族元素を用いることができる。なかでも、Si、Ge、Snが好ましく、Siがより好ましい。p型ドーパントとしては、Be、Zn、Mn、Cr、Mg、Caなどが挙げられる。なかでも、Mgが好ましい。なお、窒化物半導体層は、ドーパントをドープしないアンドープのままであってもn型半導体層として機能させることができる。また、n型半導体層及びp型半導体層は、部分的にアンドープの層、半絶縁性の層を含んでいてもよい。
n型半導体層は、いずれかの導電型のドーパントを含有させ、電極との接続と活性層(発光層)へのキャリアの供給、拡散とを実現するような層構造を有している。特に、電極との接続領域から発光層の直下にわたって、キャリア(電子)を面内に拡散して供給する層(コンタクト層)には、他の領域より高濃度にドープされることが好ましい。また、このようなキャリアの供給及び面内拡散層(コンタクト層及びその近傍層)の他に、積層方向において発光層へキャリアを移動・供給する介在層又はp型半導体層のキャリアを発光層に閉じ込めるクラッド層などを、コンタクト層とは別に設けることが好ましい。このような層は、面内拡散層よりドーパントが低濃度の低濃度不純物層か、アンドープのアンドープ層か、又はこれらの層を含む多層膜により形成することができる。
この層により、比較的不純物濃度が高い面内拡散層による結晶性の悪化を回復し、その上に成長させる層の結晶性を良好にすることができる。
ここで、多層膜としては、少なくとも組成の異なる2種の層を交互に積層させたような周期構造が好ましい。具体的には、Inを含む窒化物半導体層とそれとは異なる組成の層との周期構造、例えば、InGa1−xN/InGa1−yN(0≦x<y<1)等が挙げられる。また、組成が傾斜する構造であってもよいし、周期構造又は傾斜構造において不純物濃度を変調させた構造、膜厚を変動させた構造等であってもよい。特に、多層膜は、結晶性を考慮すると、20nm以下の膜厚の層を積層した構造、さらに10nm以下の膜厚の層を積層した構造であることが好ましい。
発光層は、n型半導体層と、p型半導体層との間に形成されることが好ましい。特に、Inを含む窒化物半導体(例えば、InGaN等)を発光層に用いると、Inの混晶比を変化させることにより、発光波長を紫外域から可視光(赤色、緑色、青色)の領域において調整することができ、さらに良好な発光効率が得られる。また、GaN、AlGaNなどのInGaNよりも高バンドギャップの材料を用いることにより、紫外域において発光するものが得られる。
さらに、発光層(活性層と称することがある)は、量子井戸構造の活性層を用いることが好ましい。例えば、井戸層が1つの単一量子井戸構造、さらに好ましくは、複数の井戸層が障壁層を介して積層した構造の多重量子井戸構造である。井戸層は、InGaN層を用いるものが好ましく、障壁層として、井戸層よりバンドギャップエネルギーが大きくなるような層、例えばInGaN、GaN、AlGaN等を設けることが好ましい。また障壁層は組成の異なる層が複数積層された積層体として井戸層と井戸層との間に有していてもよい。井戸層及び障壁層の膜厚は、30nm以下、好ましくは20nm以下であり、特に井戸層は10nm以下とすることで、量子効率に優れた発光層が得られる。井戸層及び障壁層は、各導電型層のドーパントがドープされていてもよいし、ドープされていなくてもよい。
p型半導体層は、キャリアを発光層に閉じ込めるクラッド層、電極と接続されるコンタクト層を設けることが好ましい。特に、発光層上にクラッド層、その上にコンタクト層を設け、コンタクト層に、ドーパントを高濃度にドープすることが好ましい。
クラッド層は、Alを含む窒化物半導体、さらにAlGaN層を用いることが好ましい。さらにクラッド層は、発光層に近接又は接触して形成されることにより、発光層の効率を高めることができる。
また、コンタクト層とクラッド層との間にそれらの層より低濃度の不純物層を介在させることにより、耐圧性に優れた素子を得ることができる。
さらに、コンタクト層を高濃度にドープすることにより、結晶性を改善することができる。コンタクト層は、電極を接続する領域の下方において発光するため、その面内でキャリアを拡散させる層としても機能し得る。また、電極により面内での電流拡散として機能させることで、窒化物半導体における低い移動度のp型キャリアの拡散を補助することができる。さらに、コンタクト層の膜厚を他の層(クラッド層、介在低濃度層)よりも小さくし、他の層よりも高濃度に不純物ドープすることにより、高キャリア濃度の層を形成して、電極からのキャリアの注入を効率的に行うことができる。
n型半導体層に備えるn電極及びp型半導体層に備えるp電極は、それぞれ、n型半導体層及びp型は半導体層に接続して形成されるものであれば、その形状、位置、材料、膜厚等は特に限定されるものではない。
例えば、n型半導体層、発光層及びp型半導体層がこの順に積層されている場合には、部分的にp型半導体層と発光層、任意にn型半導体層の膜厚方向の一部が除去されることにより露出したn型半導体層の上面にn電極が、p型半導体層の上面にp電極が形成されていることが適当である。
また、n電極及びp電極は、n型半導体層及びp型半導体層に対してオーミック接触が得られる材料、例えば、アルミニウム、ニッケル、金、銀、銅、クロム、モリブデン、チタン、インジウム、ガリウム、タングステン、白金族系材料(例えば、Pt、Rh、Pd、Ir、Ru、Os等)等の金属及びITO、ZnO、SnO等の導電性酸化物等の単層又は積層層により形成することができる。これら電極は、例えば、50nm〜15μm程度の膜厚で形成することができる。なお、得られた発光素子の実装形態(例えば、フェイスダウン、フェイスアップ等)、発光面の方向等により、最も発光光が効率的に取り出すことができるように、n電極及びp電極の材料を選択することが必要である。
n電極及びp電極は、当該分野で公知の方法、例えば、電極材料膜を半導体層上のほぼ全面に形成した後、フォトリソグラフィ及びエッチング工程、リフトオフ法、EB法等によりパターニングすることにより形成することができる。
このように窒化物半導体素子のその他の構成も踏まえて、本発明に適用できる窒化物半導体素子について、例えば次の積層構造A〜Eに示すような積層構造が挙げられる。そして本発明の特徴部である最小構造がn側コンタクト層と活性層との間のいずれかの層に置き換えられるか層間に挿入される。
下記の積層構造A〜Eは、いずれも成長基板上に形成され、成長基板としてはサファイアが好ましい。
積層構造A:GaNよりなるバッファ層(膜厚:200オングストローム)、Siドープn型GaNよりなるn型コンタクト層(4μm)、アンドープIn0.2Ga0.8Nよりなる単一量子井戸構造の発光層(30オングストローム)、Mgドープp型Al0.1Ga0.9Nよりなるp型クラッド層(0.2μm)、Mgドープp型GaNよりなるp型コンタクト層(0.5μm)。
積層構造B:AlGaNからなるバッファ層(膜厚:約100オングストローム)、アンドープGaN層(1μm)、Siを4.5X1018/cm含むGaNからなるn側コンタクト層(5μm)、アンドープGaNからなる下層(3000オングストローム)と、Siを4.5X1018/cm含むGaNからなる中間層(300オングストローム)と、アンドープGaNからなる上層(50オングストローム)との3層からなるn側第1多層膜層(総膜厚:3350オングストローム)、アンドープGaN(40オングストローム)とアンドープIn0.1Ga0.9N(20オングストローム)とが繰り返し交互に10層ずつ積層されてさらにアンドープGaN(40オングストローム)が積層された超格子構造のn側第2多層膜層(総膜厚:640オングストローム)、アンドープGaNからなる障壁層(250オングストローム)とIn0.3Ga0.7Nからなる井戸層(30オングストローム)とが繰り返し交互に6層ずつ積層されてさらにアンドープGaNからなる障壁層(250オングストローム)が積層された多重量子井戸構造の発光層(総膜厚:1930オングストローム)、Mgを5X1019/cm含むAl0.15Ga0.85N(40オングストローム)とMgを5X1019/cm含むIn0.03Ga0.97N(25オングストローム)とが繰り返し5層ずつ交互に積層されてさらにMgを5X1019/cm含むAl0.15Ga0.85N(40オングストローム)が積層された超格子構造のp側多層膜層(総膜厚:365オングストローム)、Mgを1X1020/cm含むGaNからなるp側コンタクト層(1200オングストローム)。
積層構造C:AlGaNからなるバッファ層(膜厚:約100オングストローム)、アンドープGaN層(1μm)、Siを4.5X1018/cm含むGaNからなるn側コンタクト層(5μm)、アンドープGaNからなる下層(3000オングストローム)と、Siを4.5X1018/cm含むGaNからなる中間層(300オングストローム)と、アンドープGaNからなる上層(50オングストローム)との3層からなるn側第1多層膜層(総膜厚:3350オングストローム)、アンドープGaN(40オングストローム)とアンドープIn0.1Ga0.9N(20オングストローム)とが繰り返し交互に10層ずつ積層されてさらにアンドープGaN(40オングストローム)が積層された超格子構造のn側第2多層膜層(総膜厚:640オングストローム)、アンドープGaNからなる障壁層(250オングストローム)と、In0.3Ga0.7Nからなる井戸層(30オングストローム)とIn0.02Ga0.98Nからなる第1の障壁層(100オングストローム)とアンドープGaNからなる第2の障壁層(150オングストローム)との3層が繰り返し交互に6層ずつ積層されて形成された多重量子井戸構造の発光層(総膜厚:1930オングストローム)(繰り返し交互に積層する層は3層〜6層の範囲が好ましい)、Mgを5X1019/cm含むAl0.15Ga0.85N(40オングストローム)とMgを5X1019/cm含むIn0.03Ga0.97N(25オングストローム)とが繰り返し5層ずつ交互に積層されてさらにMgを5X1019/cm含むAl0.15Ga0.85N(40オングストローム)が積層された超格子構造のp側多層膜層(総膜厚:365オングストローム)、Mgを1X1020/cm含むGaNからなるp側コンタクト層(1200オングストローム)。
さらに、p側多層膜層とp側コンタクト層との間に、GaN又はAlGaN(2000オングストローム)からなる層を形成してもよい。この層は、アンドープで形成され、隣接する層からのMgの拡散により、p型を示す。この層を設けることで、発光素子の静電耐圧が向上する。この層は、静電保護機能を別途設けた発光装置に用いる場合にはなくてもよいが、発光素子外部に静電保護素子など、静電保護手段を設けない場合には、静電耐圧を向上させることができるので設けることが好ましい。
積層構造D:バッファ層、アンドープGaN層、Siを6.0X1018/cm含むGaNからなるn側コンタクト層、アンドープGaN層(以上が総膜厚6nmのn型窒化物半導体層)、Siを2.0X1018/cm含むGaN障壁層とInGaN井戸層とを繰り返し5層ずつ交互に積層された多重量子井戸の発光層(総膜厚:1000オングストローム)、Mgを5.0X1018/cm含むGaNからなるp型窒化物半導体層(膜厚:1300オングストローム)。
さらに、p型窒化物半導体層の上にInGaN層(30〜100オングストローム、好ましくは50オングストローム)を有してもよい。これにより、このInGaN層が電極と接するp側コンタクト層となる。
積層構造E:バッファ層、アンドープGaN層、Siを1.3X1019/cm含むGaNからなるn側コンタクト層、アンドープGaN層(以上が総膜厚6nmのn型窒化物半導体層)、Siを3.0X1018/cm含むGaN障壁層とInGaN井戸層とを繰り返し7層ずつ交互に積層された多重量子井戸の発光層(総膜厚:800オングストローム)、Mgを2.5X1020/cm含むGaNからなるp型窒化物半導体層。このp型窒化物半導体層の上には、p側コンタクト層として、InGaN層(30〜100オングストローム、好ましくは50オングストローム)を形成してもよい。
以上、積層構造A〜Eを例として挙げたが、本発明の窒化物半導体素子がこれらの積層構造に特に限定されないことはいうまでもない。
以下に、本発明に係る実施例を示す。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に基づいて実施例1について説明する。
(基板1)
サファイア(C面)よりなる基板1をMOVPEの反応容器内にセットし、水素を流しながら、基板の温度を1050℃まで上昇させ、基板のクリーニングを行う。
(バッファ層2)
続いて、温度を510℃まで下げ、キャリアガスに水素、原料ガスにアンモニアとTMG(トリメチルガリウム)とを用い、基板1上にGaNよりなるバッファ層2を約100オングストロームの膜厚で成長させる。
(下地層3)
バッファ層2成長後、TMGのみ止めて、温度を1050℃まで上昇させる。1050℃になったら、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガスを用い、アンドープGaN層からなる下地層3を約1.5μmの膜厚で成長させる。
(n型コンタクト層4)
1050℃で、同じく原料ガスにTMG、アンモニアガス、不純物ガスにシランガスを用い、Siを5X1018/cmドープしたGaNよりなるn側コンタクト層を約4μmの膜厚で成長させる。
(第1のn側層5)
1050℃で、シランガスのみを止めてアンドープGaN層からなる第1のn側層5を約1500オングストロームの膜厚で成長させる。
(第2のn側層6)
1050℃で、シランガスを用いSiを5X1017/cmドープしたSiドープGaN層からなる第2のn側層6を約100オングストロームの膜厚で成長させる。
(第3のn側層7)
1050℃で、シランガスのみを止めてアンドープGaN層からなる第3のn側層7を約1500オングストロームの膜厚で成長させる。
(第4のn側層8)
1050℃で、シランガスを用いSiを1X1019/cmドープしたSiドープGaN層からなる第4のn側層8を約300オングストロームの膜厚で成長させる。
(活性層11)
アンドープGaNよりなる障壁層を200オングストロームの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用いアンドープIn0.3Ga0.7Nよりなる井戸層を20オングストロームの膜厚で成長させる。そして障壁+井戸+障壁+井戸・・・・+障壁の順で障壁層を5層、井戸層4層交互に積層して、総膜厚1080オングストロームの多重量子井戸構造よりなる活性層11を成長させる。
(p側コンタクト層14)
1050℃で、TMG、アンモニア、Cp2Mgを用い、Mgを1X1020/cm3ドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層14を1000オングストロームの膜厚で成長させる。
反応終了後、温度を室温まで下げ、さらに窒素雰囲気中、ウエハを反応容器内において、700℃でアニーリングを行い、p側層をさらに低抵抗化する。アニーリング後、ウエハを反応容器から取り出し、最上層のp型コンタクト層14の表面に所定の形状のマスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチング)装置でp側コンタクト層側からエッチングを行い、図1に示すようにn側コンタクト層4の表面を露出させる。
エッチング後、最上層にあるp側コンタクト層のほぼ全面にNi、Auよりなる透光性の全面部15と、その上にボンディング用のW、Pt、Auを含むパッド部16を形成してp電極とする。一方、エッチングにより露出させたn側コンタクト層4の表面にはp電極のパッド部と同一工程にてW、Pt、Auを含むpパッド部と同じ部材からなるn電極17を形成する。
最終的に各チップ毎にカットされて得られるLEDは、第2のn側層6を設けないLEDと比較して、発光出力、静電耐圧等の特性はそのままに、ウエハ内における平均Vfが下がると共に、Vfのバラツキをほとんどなくすことができる。さらにLEDを駆動した際の、Vfの駆動時間経過による変動が抑えられる。また、初期Vfが低下するLED数も軽減される。
[実施例2]
図2に基づいて実施例2について説明する。第4のn側層8と活性層11との間に、次の第5のn側層9を設ける他は実施例1と同様である。実施例2のLEDは実施例1に比較して、他の特性はそのままに静電耐圧を大幅に向上させることができる。
(第5のn側層9)
1050℃で、TMG、アンモニアを用いてアンドープGaN層からなる第5のn側層9を約50オングストロームの膜厚で成長させる。
第5のn側層9は、Al比率が0.2以下のAlGaN、またはIn比率が0.1以下のInGaN、より好ましくはGaNとすると好ましい。また、第1のn側層5〜第5のn側層9はそれぞれが異なる組成でもよいが、同一組成であることが好ましく、より好ましくはGaNとすることができる。
第5のn側層9におけるn型不純物濃度は、1X1018/cm3以下、好ましくは5X1017/cm3以下、より好ましくは1X1017/cm3以下とすることができる。なお、これらのn型不純物濃度範囲はそれぞれがアンドープを含むものとする。これにより、特にn型不純物濃度が低くなるほど(n型不純物濃度がアンドープに近づくほど)、上記効果がより顕著なものとなる。
第2のn側層6および第4のn側層8のn型不純物濃度は、第5のn型不純物濃度よりも高くすることができる。これにより、上記効果をより効果的に得ることができる。
第5のn側層9の膜厚は、10〜1000オングストローム、好ましくは15〜500オングストローム、より好ましくは25〜150オングストロームであり、よりいっそう好ましくは30〜80オングストロームとすることができる。第5のn側層9の膜厚が10オングストローム未満では静電耐圧が低下し、一方、1000オングストロームを超えるとVfが上昇するばかりでなく静電耐圧も低下する傾向がある。
[実施例3]
図3に基づいて実施例3について説明する。第5のn側層9と活性層11の間に、次の超格子構造のn側多層膜を設ける他は実施例2と同様である。超格子構造のn側多層膜10を設けることにより、発光出力をさらに向上させることができる。
(超格子構造のn側多層膜10)
TMG、アンモニアを用い、アンドープGaN層を約35オングストローム成長させ、続いて温度を下げ、その上にTMG、TMI、アンモニアをアンドープIn0.03Ga0.97Nよりなる第1の窒化物半導体層を約15オングストローム成長させる。そしてこれらの操作を繰り返し、交互に10層づつ積層し、最後にアンドープGaN層を約35オングストローム成長させた超格子構造よりなるn型多層膜を成長させる。
本発明において、n型多層膜層6は、組成の異なる少なくとも2種類以上の窒化物半導体から構成されていればよく、好ましい組成としては、Al比率0.1以下のAlGaN(GaN含む)とIn比率が0.1以下のInGaNとの2種類の組成が挙げられる。
超格子構造のn側多層膜10を構成する単一層の膜厚は、特に限定されないが、100オングストローム以下、好ましくは70オングストローム以下、より好ましくは50オングストローム以下とする。これにより出力が向上する傾向にある。また超格子構造のn側多層膜10を構成する単一層はそれぞれ、アンドープでも、n型不純物がドープされていてもよいが、好ましくは全層をアンドープとすることができる。
ここでは第5のn側層9と活性層11の間に超格子構造のn側多層膜10を用いたが、超格子構造のn側多層膜10のかわりに、たとえば膜厚100オングストローム以上の厚膜からなる単一層を設けることもできる。
[実施例4]
図4に基づいて実施例4について説明する。活性層11とp側コンタクト層14の間に、次の超格子構造のp側多層膜を設ける他は実施例3と同様である。超格子構造のp側多層膜12を設けることにより、発光出力をさらに向上させることができる。
(超格子構造のp側多層膜12)
TMG、TMA、アンモニア、Cp2Mg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を用い、Mgを5X1019/cm3ドープしたAl0.15Ga0.85Nよりなる層を約35オングストロームの膜厚で成長させ、続いてTMAを止め代わりにTMIを用いてMgを5X1019/cm3ドープしたIn0.03Ga0.97Nよりなる層を約20オングストロームの膜厚で成長させる。これらの操作を繰り返し、5層ずつ積層した後、最後にMgを5X1019/cm3ドープしたAl0.15Ga0.85Nよりなる層を約35オングストロームの膜厚で成長させて、超格子構造のp側多層膜12を成長させる。
本発明において、p型多層膜層8は、組成の異なる少なくとも2種類以上の窒化物半導体から構成されていればよく、好ましい組成としては、Al比率が0.2以下のAlGaNとIn比率が0.1以下のInGaN(GaN含む)との2種類の組成が挙げられる。
超格子構造のn側多層膜12を構成する単一層の膜厚は、特に限定されないが、100オングストローム以下、好ましくは70オングストローム以下、より好ましくは50オングストローム以下とする。これにより出力が向上する傾向にある。
[実施例5]
図5に基づいて実施例5について説明する。超格子構造のp側多層膜12とp側コンタクト層14の間に、次のp側低ドープ層13を設ける他は実施例4と同様である。p側低ドープ層13を設けることにより、発光出力をさらに向上させることができると共に、静電耐圧をさらに向上させることができる。
(p側低ドープ層13)
1050℃で、TMG、TMA、アンモニアを用いてアンドープAl0.05Ga0.95N層からなるp側低ドープ層13を約2000オングストロームの膜厚で成長させる。
p側低ドープ層13は、GaN、Al比率が0.2以下のAlGaN、またはIn比率が0.1以下のInGaN、より好ましくはAl比率が0.15以下のAlGaNと好ましい。p側低ドープ層13におけるp型不純物濃度は、1X1018/cm3以下、好ましくは5X1017/cm3以下、より好ましくは1X1017/cm3以下、さらに好ましくはアンドープとすることにより、上記効果がより顕著なものとなる。
p側低ドープ層13の膜厚は、100オングストローム以上、好ましくは100〜10000オングストローム、より好ましくは300〜5000オングストローム、さらに好ましくは300〜3000オングストロームとすることができる。p側低ドープ層13の膜厚が100オングストローム未満では静電耐圧が低下し、一方、10000オングストロームを超えるとVfが上昇するばかりでなく静電耐圧も低下する傾向がある。
[比較例1]
第1のn側層5、第2のn側層6および第3のn側層7の3層を、実施例1の第2のn側層6と同じSi濃度(5X1017/cm)のGaNからなる1層とする他は、実施例5と同様である。なお、その膜厚は、実施例1における第1のn側層5、第2のn側層6および第3のn側層7の3層の合計膜厚とほぼ同じである。
本比較例のLEDは、実施例5のLEDに比較して静電耐圧が低下した。なお、実施例5の第1のn側層5のみを実施例1の第2のn側層6と同じSi濃度(5X1017/cm)のGaNとした場合、実施例5の第3のn側層7のみを実施例1の第2のn側層6と同じSi濃度(5X1017/cm)のGaNとした場合においても、同様の傾向が認められた。
[比較例2]
第2のn側層6を、実施例1の第1のn側層6と同じアンドープのGaNとし、第1のn側層5、第2のn側層6および第3のn側層7の3層を、アンドープのGaNからなる1層とする他は、実施例5と同様である。なお、その膜厚は、実施例1における第1のn側層5、第2のn側層6および第3のn側層7の3層の合計膜厚とほぼ同じである。
本比較例のLEDは、実施例5のLEDに比較して静電耐圧は同様に高いものの、Vfが高くなってしまい、またLEDを駆動させたときの、駆動時間経過によるVfの変動がみられる。
[実施例6]
実施例6は、実施例1において、第3のn側層と第4のn側層を省略した素子であり、最小構成の1つとして、以下の第1のn側層と第2のn側層とを備えた窒化物半導体素子である。
(第1のn側層5)
1050℃で、シランガスのみを止めてアンドープGaN層からなる第1のn側層5を約1500オングストロームの膜厚で成長させる。
(第2のn側層6)
1050℃で、シランガスを用いSiを1X1018/cmドープしたSiドープGaN層からなる第2のn側層6を約100オングストロームの膜厚で成長させる。
これによって得られた素子は、第2のn側層をアンドープで成長した(つまり第2のn側層を省略し、第1のn側層を約1600オングストローム成長した)素子と比べて、静電耐圧が高く、またLED駆動時、駆動時間経過によるVfの変動を抑えることができる。
[実施例7]
実施例5において、第2のn側層と第3のn側層との間に、InGaN層を100オングストロームの膜厚で設けたところ、静電耐圧が若干低下したが、比較例1より静電耐圧特性に優れた素子が得られる。また比較例2に対してVfの駆動時間経過による変動が抑えられる。
[実施例8]
実施例5において、第3のn側層と第4のn側層を次のように成長した他は実施例5と同様にして素子を得る。
第3のn側層7は、アンドープIn0.01Ga0.99N層を約1500オングストロームの膜厚で成長させる。
第4のn側層8は、Siを1X1019/cmドープしたSiドープIn0.01Ga0.99N層を約300オングストロームの膜厚で成長させる。
これによって得られた素子は、静電耐圧が実施例5には若干劣るが、比較例1に対して、静電耐圧の高い素子が得られる。また比較例2に対してVfの駆動時間経過による変動が抑えられる。
[実施例9]
実施例9は、実施例6に対して、第1のn側層と第2のn側層とをGaNからAl0.15Ga0.85Nに変えたもので、その他は実施例6と同様にして素子を得る。得られた素子は、実施例6に対して、Vfが高くなり、また結晶性の点で劣り、発光効率が低下する。しかしながら、静電耐圧は、実施例6に若干劣る程度で、LED駆動時、駆動時間経過によるVfの変動は実施例6と同様に抑えることができる。
[実施例10]
実施例10は、実施例5について、第2のn側層を次のようにして成長する他は実施例5と同様にして素子を得る。
(第2のn側層6)
Siを1X1019/cmドープしたSiドープGaN層を約100オングストロームの膜厚で成長させる。
これにより得られた素子は、実施例5と比べて、発光出力が低下し、静電耐圧が低下するが、比較例1と比べて静電耐圧は高く、また比較例2に対してVfの駆動時間経過による変動が抑えられる。
[実施例11]
実施例11は、実施例5について、第2のn側層と第4のn側層とを次のようにして成長する他は実施例5と同様にして素子を得る。
(第2のn側層6)
Siを1X1019/cmドープしたSiドープGaN層を約100オングストロームの膜厚で成長させる。
(第4のn側層8)
Siを5X1019/cmドープしたSiドープGaN層を約300オングストロームの膜厚で成長させる。
これにより得られた素子は、実施例5と比べて、発光出力が低下し、静電耐圧が低下し、また駆動時間経過によるVfの変動も若干起こるが、比較例1と比べて、静電耐圧は高く、また比較例2に対してVfの駆動時間経過による変動が抑えられる。
[実施例12]
図12に基いて、実施例12について説明する。
基板1からn側コンタクト層4までは、実施例5と同様にして成長する。
(第1のn側層5)
1050℃で、シランガスのみを止めてアンドープGaN層からなる第1のn側層5を約1500オングストロームの膜厚で成長させる。
(第2のn側層6)
1050℃で、シランガスを用いSiを5X1018/cmドープしたSiドープGaN層からなる第2のn側層6を約500オングストロームの膜厚で成長させる。
(第3のn側層7)
1050℃で、シランガスのみを止めてアンドープGaN層からなる第3のn側層7を約1500オングストロームの膜厚で成長させる。
(活性層11)
アンドープGaNよりなる障壁層を200オングストロームの膜厚で成長させ、続いて温度を800℃にして、TMG、TMI、アンモニアを用いアンドープIn0.3Ga0.7Nよりなる井戸層を20オングストロームの膜厚で成長させる。そして障壁+井戸+障壁+井戸・・・・+障壁の順で障壁層を5層、井戸層4層交互に積層して、総膜厚1080オングストロームの多重量子井戸構造よりなる活性層11を成長させる。
(p側コンタクト層14)
1050℃で、TMG、アンモニア、Cp2Mgを用い、Mgを1X1020/cmドープしたp型GaNよりなるp側コンタクト層14を1000オングストロームの膜厚で成長させる。
反応終了後、温度を室温まで下げ、さらに窒素雰囲気中、ウエハを反応容器内において、700℃でアニーリングを行い、p側層をさらに低抵抗化する。アニーリング後、ウエハを反応容器から取り出し、最上層のp型コンタクト層14の表面に所定の形状のマスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチング)装置でp側コンタクト層側からエッチングを行い、図1に示すようにn側コンタクト層4の表面を露出させる。
エッチング後、最上層にあるp側コンタクト層のほぼ全面にITO(Indiumu−Tin−Oxide)よりなる透光性の全面部15と、その上にボンディング用のW、Pt、Auを含むパッド部16を形成してp電極とする。一方、エッチングにより露出させたn側コンタクト層4の表面にはp電極のパッド部と同一工程にてW、Pt、Auを含むpパッド部と同じ部材からなるn電極17を形成する。
最終的に各チップ毎にカットされて得られるLEDは、第2のn側層6を設けないで、第1のn側層5と第3のn側層とで、実質的に3000オングストロームのアンドープからなるGaN層を成長したLEDと比較して、発光出力、静電耐圧等の特性はそのままに、ウエハ内における平均Vfが下がると共に、駆動時間経過によるVfの変動を抑えることができる。
[実施例13]
実施例13は、実施例12について、第3のn側層7の次に以下の第4のn側層8を成長する他は、実施例12と同様にして、素子を得る。
(第4のn側層8)
Siを1X1019/cmドープしたSiドープGaN層を約300オングストロームの膜厚で成長させる。
これによって得られた素子は、実施例12と同様の効果を奏する上に、さらにVfが低下した素子が得られる。
[実施例14]
実施例14は、実施例12について、第2のn側層6を次のようにして成長する他は、実施例12と同様にして素子を得る。
(第2のn側層6)
Siを5X1018/cmドープしたSiドープIn0.02Ga0.98N層を約500オングストロームの膜厚で成長させる。
これによって得られた素子は、実施例12と同様の効果を奏するが、静電耐圧が若干低下する。
[実施例15]
実施例15は、その他の実施例の窒化物半導体素子の断面から見た模式図が図10であるのに対し、図13のような断面から見た模式図にあるように、導電性基板1のp電極側と反対の面にn電極17を設けたものであり、本実施例ではSi基板を用いたものである。基板上の複数の窒化物半導体層およびp電極、n電極の材料は実施例5と同様にして素子を得る。
この素子も実施例5と同様の効果が得られる。
[実施例16]
実施例16として、実施例5において、第1のn側層と第2のn側層の接する界面の面積を変えて素子を作製する。本実施例の窒化物半導体素子は、素子をp電極側からみた図が図14となるように作製する。図14は、一実施例における窒化物半導体素子をp電極側から見たときの模式図であり、基板上に、n側窒化物半導体層、活性層、p側窒化物半導体層が順に積層され、p側窒化物半導体層のp側コンタクト層14表面に透光性の全面部15とパッド部16からなるp電極が形成され、パッド部16は窒化物半導体素子の一端面側に3つ設けられると共に、その一端面側から対向する他端面側に向けて電流拡散部を備えている。またn側コンタクト層4の露出面を有し、その露出面にn電極17が形成されると共に、そのn電極は、p電極のパッド部が形成された一端面側と対向した他端面側に3つのパッド部と、p電極の電流拡散部と平行であってp電極のパッド部を有する一端面側に向けて延伸した電流拡散部とを備えている。このような形状の窒化物半導体素子とすることで、p電極(全面部とパッド部と電流拡散部とからなるp電極)とn電極(パッド部と電流拡散部とからなるn電極)との距離を発光面内で均一にできる。
そして図14の形状のサンプル1〜4の4種類を、それぞれ以下の違いを設けて作製する。
(サンプル1)実施例5の素子で、第1のn側層から活性層、さらにp側コンタクト層までの層のそれぞれの界面の面積を0.36mmとなるように作製する。
(サンプル2)比較例1の素子で、第1のn側層から活性層、さらにp側コンタクト層までの層のそれぞれの界面の面積を0.36mmとなるように作製する。
(サンプル3)実施例5の素子で、第1のn側層から活性層、さらにp側コンタクト層までの層のそれぞれの界面の面積を2.25mmとなるように作製する。
(サンプル4)比較例1の素子で、第1のn側層から活性層、さらにp側コンタクト層までの層のそれぞれの界面の面積を2.25mmとなるように作製する。
サンプル1と3は、アンドープの層とn型不純物を含む層とを備えた(最小構成を備えた)素子であり、それぞれはサンプル2と4よりも、静電耐圧が高く、Vfの駆動時間経過による変動も抑えられる素子である。それぞれのサンプル1〜4は、2インチφのサファイア基板上に窒化物半導体層を積層して得るものであり、さらに窒化物半導体層が積層された基板をチップ化して得られるものであり、1枚の基板から複数の窒化物半導体素子が得られる。この複数の素子を実際に駆動させると、駆動時間経過によるVfの変動が抑制されたチップ(素子)の数を比較すると、サンプル2に対するサンプル1の歩留まり向上率(一定時間駆動し、Vfの変動が起こらない素子の割合が、サンプル2が85%に対し、サンプル1が98%)が、サンプル4に対するサンプル3の歩留まり向上率(一定時間駆動し、Vfの変動が起こらない素子の割合が、サンプル4が83%に対し、サンプル3が90%)よりも高い結果となる。これはサンプル1がサンプル3に対して、n側コンタクト層から活性層に流れる電子の単位面積あたりの個数が多いことによるものと考えられる。
[実施例17]
実施例17として、実施例5において、n側コンタクト層の活性層側の窒化物半導体層に接合する面とn電極が形成される面との高さを異ならせて作製する。なお本実施例は、第1のn側層から活性層、さらにp側コンタクト層までの層のそれぞれの界面の面積が1mm以下の0.1mmの素子を用いる。またp電極側から見た図は図15のように作製する。図15は、一実施例における窒化物半導体素子をp電極側から見たときの模式図であり、基板上にn側窒化物半導体層、活性層、p側窒化物半導体層が順に積層され、p側窒化物半導体層のp側コンタクト層14の表面に透光性の全面部15とパッド部16からなるp電極が形成され、p電極のパッド部16と対向する位置でかつn側コンタクト層4が露出された面にn電極17が形成されている。
そして図15の形状のサンプル5〜8の4種類を、それぞれ以下の違いを設けて作製する。
(サンプル5)実施例5の素子で、n側コンタクト層4の第1の主面F1から第3の主面F3(n電極17が形成された面)までの距離が3.5μmとする。
(サンプル6)比較例1の素子で、n側コンタクト層4の第1の主面F1から第3の主面F3(n電極17が形成された面)までの距離が3.5μmとする。
(サンプル7)実施例5の素子で、n側コンタクト層4の第1の主面F1から第3の主面F3(n電極17が形成された面)までの距離が2.0μmとする。
(サンプル8)比較例1の素子で、n側コンタクト層4の第1の主面F1から第3の主面F3(n電極17が形成された面)までの距離が2.0μmとする。
それぞれのサンプル5〜8は、2インチφのサファイア基板上に窒化物半導体層を積層して得るものであり、さらに窒化物半導体層が積層された基板をチップ化して得られるものであり、1枚の基板から複数の窒化物半導体素子が得られる。この複数の素子を実際に駆動させると、駆動時間経過によるVfの変動が抑制されたチップ(素子)の数を比較すると、サンプル6に対するサンプル5の歩留まり向上率(一定時間駆動し、Vfの変動が起こらない素子の割合が、サンプル6が80%に対し、サンプル5が95%)が、サンプル8に対するサンプル7の歩留まり向上率(一定時間駆動し、Vfの変動が起こらない素子の割合が、サンプル8が83%に対し、サンプル7が92%)よりも高い結果となる。これはサンプル5がサンプル7に対して、n側コンタクト層から活性層に流れる電子の単位面積あたりの個数が多い領域が、n電極から離れたコンタクト層表面にまで広がり、スパイクへの衝突がn側コンタクト層の界面の全面に渡って均一に起こっているものと考えられる。
[実施例18]
実施例17と同様の素子でサンプル5〜8の代わりに、次のサンプル9〜12の4種類を、それぞれ以下の違いを設けて作製する。
(サンプル9)実施例5の素子で、n側コンタクト層4の第1の主面F1から第3の主面F3(n電極17が形成された面)までの距離が、第1の主面F1から第2の主面F2(n側コンタクト層4が活性層側の窒化物半導体層と接する面)までの距離に対して70%とする。
(サンプル10)比較例1の素子で、n側コンタクト層4の第1の主面F1から第3の主面F3(n電極17が形成された面)までの距離が、第1の主面F1から第2の主面F2(n側コンタクト層4が活性層側の窒化物半導体層と接する面)までの距離に対して70%とする。
(サンプル11)実施例5の素子で、n側コンタクト層4の第1の主面F1から第3の主面F3(n電極17が形成された面)までの距離が、第1の主面F1から第2の主面F2(n側コンタクト層4が活性層側の窒化物半導体層と接する面)までの距離に対して90%とする。
(サンプル12)比較例1の素子で、n側コンタクト層4の第1の主面F1から第3の主面F3(n電極17が形成された面)までの距離が、第1の主面F1から第2の主面F2(n側コンタクト層4が活性層側の窒化物半導体層と接する面)までの距離に対して90%とする。
それぞれのサンプル9〜12は、2インチφのサファイア基板上に窒化物半導体層を積層して得るものであり、さらに窒化物半導体層が積層された基板をチップ化して得られるものであり、1枚の基板から複数の窒化物半導体素子が得られる。この複数の素子を実際に駆動させると、駆動時間経過によるVfの変動が抑制されたチップ(素子)の数を比較すると、サンプル10に対するサンプル9の歩留まり向上率(一定時間駆動し、Vfの変動が起こらない素子の割合が、サンプル10が80%に対し、サンプル9が92%)が、サンプル12に対するサンプル11の歩留まり向上率(一定時間駆動し、Vfの変動が起こらない素子の割合が、サンプル12が82%に対し、サンプル11が88%)よりも高い結果となる。これはサンプル9がサンプル11に対して、n側コンタクト層から活性層に流れる電子の単位面積あたりの個数が多い領域が、n電極から離れたコンタクト層表面にまで広がり、スパイクへの衝突がn側コンタクト層の界面の全面に渡って均一に起こっているものと考えられる。
本発明の窒化物半導体素子は、発光素子としては、バックライト光源、ディスプレイ、照明、車両用ランプ等の各種光源を構成する発光装置に好適に利用することができ、また発光素子のみならず、受光素子や窒化物半導体レーザ素子にも適用可能である。
本発明の一実施例である窒化物半導体素子の構造を示す模式的断面図である。 本発明の他の実施例である窒化物半導体素子の構造を示す模式的断面図である。 本発明の他の実施例である窒化物半導体素子の構造を示す模式的断面図である。 本発明の他の実施例である窒化物半導体素子の構造を示す模式的断面図である。 本発明の他の実施例である窒化物半導体素子の構造を示す模式的断面図である。 従来の窒化物半導体素子の積層構造の一部を示す模式図(従来のn型半導体層の積層構造を示す模式図)である。 図6Aの積層構造における一部のエネルギーバンド図を示す模式図である。 本発明の実施の形態1における窒化物半導体素子の積層構造の一部を示す模式図(本発明の実施の形態1のn型半導体層の積層構造を示す模式図)である。 図7Aの積層構造における一部のエネルギーバンド図を示す模式図である。 本発明の一実施の形態における、n型不純物を含む層の膜厚に対する破壊電圧の変化を示す図である。 本発明の一実施の形態における、アンドープの層の膜厚に対するVの変化を示す図である。 本発明の特徴を説明するための図である。 本発明の実施の形態2における窒化物半導体素子の積層構造の一部を示す模式図(本発明の実施の形態2のn型半導体層の積層構造を示す模式図)である。 図11Aの積層構造における一部のエネルギーバンド図を示す模式図である。 本発明の実施の形態2における窒化物半導体素子の構造を示す模式図である。 本発明の他の実施例である窒化物半導体素子の構造を示す模式図である。 本発明の他の実施例である窒化物半導体素子の構造を示す模式図(一実施例における窒化物半導体素子をp電極側から見たときの模式図)である。 本発明の他の実施例である窒化物半導体素子の構造を示す模式図(一実施例における窒化物半導体素子をp電極側から見たときの模式図)である。
符号の説明
1・・・基板、
2・・・バッファ層、
3・・・下地層、
4、20、31・・・n側コンタクト層、
5・・・第1のn側層、
6・・・第2のn側層、
7・・・第3のn側層、
8・・・第4のn側層、
9・・・第5のn側層、
10・・・超格子構造のn側多層膜、
11、23、34・・・活性層、
12・・・超格子構造のp側多層膜、
13・・・p側低ドープ層、
14・・・p側コンタクト層、
15・・・全面部(p電極)、
16・・・パッド部(p電極)、
17、32・・・n電極、
21・・・アンドープのGaN層、
22・・・InGaN層、
25・・・n型不純物を含む層、
30・・・異種基板、
33・・・アンドープの窒化物半導体層。

Claims (20)

  1. n電極を有するn側コンタクト層とp電極を有するp側コンタクト層との間に、活性層を有する窒化物半導体素子において、
    前記窒化物半導体素子は、前記n側コンタクト層と前記活性層の間に、前記n側コンタクト層側から順に、第1のn側層、第2のn側層、第3のn側層および第4のn側層を少なくとも有し、
    少なくとも前記第2のn側層および前記第4のn側層はそれぞれn型不純物を含み、
    前記第2のn側層および前記第4のn側層のn型不純物濃度はそれぞれ、前記第1のn側層および第3のn側層のn型不純物濃度よりも高いことを特徴とする窒化物半導体素子。
  2. 前記第4のn側層のn型不純物濃度は、前記第2のn側層のn型不純物濃度よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の窒化物半導体素子。
  3. 前記窒化物半導体素子は、前記第4のn側層と前記活性層の間に、第5のn側層をさらに備え、
    前記第2のn側層および前記第4のn側層のn型不純物濃度はそれぞれ、前記第5のn側層のn型不純物濃度よりも高いことを特徴とする請求項1または2に記載の窒化物半導体素子。
  4. 前記第1のn側層、前記第3のn側層および前記第5のn側層のn型不純物濃度は、1×1018/cm以下であることを特徴とする請求項3に記載の窒化物半導体素子。
  5. 前記第2のn側層の膜厚が、前記第1のn側層の膜厚より小さく、前記第4のn側層の膜厚が、前記第3のn側層の膜厚よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
  6. 前記第1のn側層と第3のn側層は、実質的に組成が同じかバンドギャップエネルギーが同じであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
  7. 前記第2のn側層が第1のn側層と実質的に組成が同じかバンドギャップエネルギーが同じであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
  8. 前記第1のn側層および第3のn側層の膜厚が100nm以上であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
  9. 前記第1乃至第3のn側層がGaNからなることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
  10. n電極を有するn側コンタクト層と活性層との間に、該n側コンタクト層側から順に、第1のn側層、第2のn側層、第3のn側層とを少なくとも有する窒化物半導体素子において、
    前記第1のn側層と第2のn側層は接しており、
    前記第2のn側層は、n型不純物を含み、
    前記第2のn側層のn型不純物濃度が第1のn側層及び第3のn側層のn型不純物濃度よりも高く、
    前記第2のn側層は、前記第1のn側層と実質的に組成が同じかバンドギャップエネルギーが同じであり、
    前記第2のn側層の膜厚が、第1のn側層及び第3のn側層の膜厚よりも小さいことを特徴とする窒化物半導体素子。
  11. 前記第1のn側層及び第3のn側層は、実質的に組成が同じかバンドギャップエネルギーが同じであることを特徴とする請求項10に記載の窒化物半導体素子。
  12. 前記第1のn側層の膜厚が100nm以上であることを特徴とする請求項10または11に記載の窒化物半導体素子。
  13. 前記第1のn側層および第2のn側層がGaNからなることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
  14. 前記第1乃至第3のn側層がGaNからなることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
  15. 前記第3のn側層と活性層との間に、第3のn側層に接して、第4のn側層を有し、
    前記第4のn側層は、n型不純物を含み、
    前記第4のn側層は、前記第3のn側層と実質的に組成が同じがバンドギャップエネルギーが同じであることを特徴とする 請求項10乃至14のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
  16. 前記第3のn側層の膜厚が100nm以上であることを特徴とする請求項15に記載の窒化物半導体素子。
  17. 前記第4のn側層は、n型不純物を含み、前記第2のn側層のn型不純物濃度以上の濃度であることを特徴とする請求項15または16に記載の窒化物半導体素子。
  18. 前記第4のn側層と活性層との間に第5のn側層を有し、前記第4のn側層のn型不純物濃度は、前記第5のn型不純物濃度よりも高いことを特徴とする請求項15乃至17のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
  19. 前記第1のn側層の、隣接する層との界面の表面積が、1mmより小さいことを特徴とする請求項1乃至18のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。
  20. 前記n側コンタクト層は、活性層側と反対の第1の主面側に窒化物半導体と異なる基板を有し、さらに活性層側に、隣接する窒化物半導体層との界面をなす第2の主面と、前記第2の主面より基板側にn電極を有する第3の主面とを有し、
    第1の主面から第3の主面までの膜厚が、3μm以上または第1の主面から第2の主面までの膜厚に対して80%以下であることを特徴とする請求項1乃至19のいずれか1項に記載の窒化物半導体素子。

JP2005032950A 2004-02-09 2005-02-09 窒化物半導体素子 Active JP5162809B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005032950A JP5162809B2 (ja) 2004-02-09 2005-02-09 窒化物半導体素子

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004032688 2004-02-09
JP2004032688 2004-02-09
JP2005032950A JP5162809B2 (ja) 2004-02-09 2005-02-09 窒化物半導体素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005260215A true JP2005260215A (ja) 2005-09-22
JP5162809B2 JP5162809B2 (ja) 2013-03-13

Family

ID=35085598

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005032950A Active JP5162809B2 (ja) 2004-02-09 2005-02-09 窒化物半導体素子

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5162809B2 (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007180495A (ja) * 2005-12-02 2007-07-12 Toyoda Gosei Co Ltd Iii族窒化物系化合物半導体発光素子
JP2007214548A (ja) * 2006-01-12 2007-08-23 Mitsubishi Cable Ind Ltd GaN系発光素子およびその製造方法
JP2007234648A (ja) * 2006-02-27 2007-09-13 Sharp Corp 窒化物半導体発光素子の製造方法
JP2012248723A (ja) * 2011-05-30 2012-12-13 Sharp Corp 窒化物半導体発光素子およびその製造方法
JP2013157648A (ja) * 2006-01-12 2013-08-15 Mitsubishi Chemicals Corp GaN系発光素子およびその製造方法
JP2013229598A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Lg Innotek Co Ltd 発光素子及び発光素子パッケージ
WO2014178248A1 (ja) * 2013-04-30 2014-11-06 シャープ株式会社 窒化物半導体発光素子

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08228048A (ja) * 1994-12-22 1996-09-03 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体レーザ素子
JPH10145004A (ja) * 1996-11-06 1998-05-29 Toyoda Gosei Co Ltd GaN系発光素子
JP2000244013A (ja) * 1998-10-06 2000-09-08 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体素子
JP2000286451A (ja) * 1998-11-17 2000-10-13 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体素子
JP2002244013A (ja) * 2001-02-20 2002-08-28 Konica Corp レンズユニット

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08228048A (ja) * 1994-12-22 1996-09-03 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体レーザ素子
JPH10145004A (ja) * 1996-11-06 1998-05-29 Toyoda Gosei Co Ltd GaN系発光素子
JP2000244013A (ja) * 1998-10-06 2000-09-08 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体素子
JP2000286451A (ja) * 1998-11-17 2000-10-13 Nichia Chem Ind Ltd 窒化物半導体素子
JP2002244013A (ja) * 2001-02-20 2002-08-28 Konica Corp レンズユニット

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007180495A (ja) * 2005-12-02 2007-07-12 Toyoda Gosei Co Ltd Iii族窒化物系化合物半導体発光素子
JP2007214548A (ja) * 2006-01-12 2007-08-23 Mitsubishi Cable Ind Ltd GaN系発光素子およびその製造方法
JP2013157648A (ja) * 2006-01-12 2013-08-15 Mitsubishi Chemicals Corp GaN系発光素子およびその製造方法
JP2007234648A (ja) * 2006-02-27 2007-09-13 Sharp Corp 窒化物半導体発光素子の製造方法
JP2012248723A (ja) * 2011-05-30 2012-12-13 Sharp Corp 窒化物半導体発光素子およびその製造方法
JP2013229598A (ja) * 2012-04-26 2013-11-07 Lg Innotek Co Ltd 発光素子及び発光素子パッケージ
WO2014178248A1 (ja) * 2013-04-30 2014-11-06 シャープ株式会社 窒化物半導体発光素子
US9324908B2 (en) 2013-04-30 2016-04-26 Sharp Kabushiki Kaisha Nitride semiconductor light-emitting element
JPWO2014178248A1 (ja) * 2013-04-30 2017-02-23 シャープ株式会社 窒化物半導体発光素子

Also Published As

Publication number Publication date
JP5162809B2 (ja) 2013-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7345297B2 (en) Nitride semiconductor device
JP4954536B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP3374737B2 (ja) 窒化物半導体素子
US8513694B2 (en) Nitride semiconductor device and manufacturing method of the device
JP5125513B2 (ja) 窒化物半導体素子
KR100835116B1 (ko) 질화물 반도체 발광 소자
JP3250438B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP3744211B2 (ja) 窒化物半導体素子
JP3890930B2 (ja) 窒化物半導体発光素子
JP2890390B2 (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
JP2009027201A (ja) 窒化物半導体素子
JP5162809B2 (ja) 窒化物半導体素子
JP3620292B2 (ja) 窒化物半導体素子
JP3940933B2 (ja) 窒化物系半導体素子
JP3951973B2 (ja) 窒化物半導体素子
JPH11191638A (ja) 窒化物半導体素子
JP4292925B2 (ja) Iii族窒化物系化合物半導体発光素子の製造方法
KR20050096010A (ko) 질화물 반도체 발광소자 및 그 제조방법
KR20140013249A (ko) 자외선 발광 소자 및 발광 소자 패키지
JP3496480B2 (ja) 窒化物半導体素子
JPH10290047A (ja) 窒化物半導体素子
US11393948B2 (en) Group III nitride LED structures with improved electrical performance
JPH11220172A (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子
JP2007149984A (ja) 窒化物半導体発光素子の製造方法
JP4055794B2 (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体発光素子

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20060530

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20060530

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060608

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20080125

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100805

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100928

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110222

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110414

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110726

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110921

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120403

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120703

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20120814

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20121023

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121120

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121203

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151228

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5162809

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151228

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250