JP2005255562A - 多置換ブタジエン及びその選択的製造方法 - Google Patents

多置換ブタジエン及びその選択的製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 発光材料等に好適な多置換ブタジエンの選択的製造方法の提供。
【解決手段】 アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第二の炭素原子に、元素の長周期型周期表における第13族から第16族から選択される原子を含む有機基が該原子を介して結合してなるアルケン化合物の2つを、少なくとも銅(Cu)含有触媒を含む触媒の存在下で反応させる多置換ブタジエンの選択的製造方法である。触媒が更にセシウム(Cs)含有触媒を含む態様、反応がホモカップリング反応である態様、アルケン化合物における原子が、Si原子、S原子、Se原子、O原子、Ge原子、Sn原子、Pb原子及びB原子のいずれかである態様、アルケン化合物の2つが互いに同じである態様、などが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、発光材料等をはじめとする各種分野に好適な多置換ブタジエン及び効率的なその選択的製造方法に関する。
ブタジエン結合を形成する炭素原子の内の両末端に位置する2つの炭素原子に多数の置換基(アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基など)が置換してなる多置換ブタジエンは、各種分野において好適に使用可能であり、特に発光材料として有望であることから、その効率的で選択的な合成方法の開発が望まれている。従来においては、前記多置換ブタジエンの合成は、公知の各種の化学合成法を組み合わせることにより行われてきたが、収率が悪い上に、所望の置換基を所望の位置に選択的に導入することができず、所望の構造の多置換ブタジエンを合成するのは難しく、それを効率的かつ選択的に合成することができないという問題があった(非特許文献1〜4参照)。
Yamada,S.;Ohsawa,H.;Suzuki,t.;Takayama,H.J.Org.Chem.1986,51,4934 Stefan,O.;Englbert,B.;Herbert,m.Chem.Ber.1991,124,2785 Effenberger,F.;Schlosser,H.Synthesis 1990,1085 Babudri,F.;Cicciomessere,A.R.;Farinola,G.m.;Fiandanese,V.;Marchese,G.; Musio,R.;Naso,F.;Sciacovelli,O.J.Org.Chem.1997,62,3291
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、発光材料等をはじめとする各種分野に好適な多置換ブタジエン及び効率的なその選択的製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、原料として特定のアルケン化合物(例えば、アリール基等が置換(導入)されたアルケニルシランなど)をホモカップリングさせることにより、発光材料等に好適な所望の多置換ブタジエンを効率的かつ選択的に合成可能であるという知見を得た。本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第二の炭素原子に、元素の長周期型周期表における第13族から第16族から選択される原子を含む有機基が該原子を介して結合し、前記第一の炭素原子に少なくとも1つの置換基が置換してなるアルケン化合物の2つを、
少なくとも銅(Cu)含有触媒を含む触媒の存在下で反応させることを特徴とする多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<2> 触媒が、更にセシウム(Cs)含有触媒を含む前記<1>に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<3> 反応が、ホモカップリング反応である前記<1>から<2>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<4> 反応が、攪拌下で行われる前記<1>から<3>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<5> アルケン化合物における原子が、Si原子、S原子、Se原子、O原子、Ge原子、Sn原子、Pb原子及びB原子のいずれかである前記<1>から<4>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<6> アルケン化合物の2つが、互いに同じである前記<1>から<5>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<7> アルケン化合物が、第一π電子含有基及び第二π電子含有基の少なくともいずれかが置換基として第一の炭素原子に置換されてなる前記<1>から<6>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<8> アルケン化合物が、第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を含む第一のπ電子含有化合物を反応させて該第一π電子含有基を結合させ、かつ第二π電子含有基を含む第二のπ電子含有化合物を反応させて該第二π電子含有基を結合させて得られる前記<1>から<7>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<9> 第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を結合させた後、該第一π電子含有基を結合させた時よりも高い温度で、第二π電子含有基を結合させる前記<8>に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<10> 第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を結合させた時よりも5〜100℃高い温度で第二π電子含有基を結合させる前記<9>に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<11> 第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を結合させた時よりも20〜40℃高い温度で第二π電子含有基を結合させる前記<9>に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<12> 第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を結合させる反応の温度が、45℃以上75℃未満であり、第二π電子含有基を結合させる反応の温度が、75℃以上105℃未満である前記<9>から<11>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<13> 第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を結合させる反応、及び、第二π電子含有基を結合させる反応が、ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応である前記<9>から<12>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<14> ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応が、遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われる前記<13>に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<15> 遷移金属触媒がパラジウム触媒である前記<14>に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<16> 第一の炭素原子に第二π電子含有基を結合させる反応が、該第一の炭素原子に第一π電子含有基を結合させる反応の際に用いた遷移金属触媒、塩基及び反応容器を用いて行われる前記<9>から<15>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<17> 第一のπ電子含有化合物及び第二のπ電子含有化合物が、ハロゲン化物から選択される前記<9>から<16>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<18> 第一π電子含有基及び第二π電子含有基が、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択される前記<7>から<17>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<19> アリール基が下記構造式a〜qのいずれかで表されるものから選択される前記<18>に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<20> アルケン化合物が、下記構造式のいずれかで表される前記<1>から<19>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
ただし、上記各構造式中、Meは、メチル基を表す。
ただし、該構造式においては、
Ar及びArが共に、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、及び1−ナフチル基のいずれかであるか、
Arがフェニル基で、Arが2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基又は4−メトキシフェニル基であるか、
Arが4−メチルフェニル基で、Arがフェニル基又は4−メトキシフェニル基であるか、
Arが4−メトキシフェニル基で、Arがフェニル基、4−メチルフェニル基又は1−ナフチル基であるか、
Arが3−チエニル基で、Arが4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基又は1−ナフチル基である。
ただし、該構造式中、Phは、フェニル基を表し、p−Anisは、4−メトキシフェニル基を表し、Tol−pは、4−メチルフェニル基を表す。
<21> 多置換ブタジエンが、ブタジエン結合を含み、該ブタジエン結合を形成する炭素原子の内の両末端に位置する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に第一π電子含有基及び第二π電子含有基が結合し、前記第二の炭素原子に第三π電子含有基及び第四π電子含有基が結合してなる前記<1>から<20>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<22> 多置換ブタジエンにおける、第一π電子含有基及び第三π電子含有基、並びに、第二π電子含有基及び第四π電子含有基、がそれぞれ点対称に位置する前記<21>に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<23> 多置換ブタジエンにおける、第一π電子含有基及び第三π電子含有基、並びに、第二π電子含有基及び第四π電子含有基が、互いに同じである前記<21>から<22>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<24> 第一π電子含有基、第二π電子含有基、第三π電子含有基及び第四π電子含有基が、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択される前記<21>から<23>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法である。
<25> 前記<1>から<24>のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法により製造されることを特徴とする多置換ブタジエンである。
<26> ブタジエン結合を含み、該ブタジエン結合を形成する炭素原子の内の両末端に位置する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に第一π電子含有基及び第二π電子含有基が結合し、前記第二の炭素原子に第三π電子含有基及び第四π電子含有基が結合してなる前記<25>に記載の多置換ブタジエンである。
<27> 第一π電子含有基及び第三π電子含有基、並びに、第二π電子含有基及び第四π電子含有基、がそれぞれ点対称に位置する前記<26>に記載の多置換ブタジエンである。
<28> 第一π電子含有基及び第三π電子含有基、並びに、第二π電子含有基及び第四π電子含有基、がそれぞれ互いに同じである前記<26>から<27>のいずれかに記載の多置換ブタジエンである。
<29> 第一π電子含有基、第二π電子含有基、第三π電子含有基及び第四π電子含有基が、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択される前記<26>から<28>のいずれかに記載の多置換ブタジエンである。
<30> 下記構造式のいずれかで表される前記<25>から<29>のいずれかに記載の多置換ブタジエンである。
<31> 発光材料として用いられる前記<25>から<30>のいずれかに記載の多置換ブタジエンである。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、発光材料等をはじめとする各種分野に好適な多置換ブタジエン及び効率的なその選択的製造方法を提供することができる。
(多置換ブタジエン及びその選択的製造方法)
本発明の多置換ブタジエンの選択的製造方法は、アルケン化合物結合工程を含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
本発明の多置換ブタジエンは、本発明の前記多置換ブタジエンの選択的製造方法により製造することができる。
以下、本発明の多置換ブタジエンの選択的製造方法の説明を通じて本発明の前記多置換ブタジエンの内容も明らかにする。
<アルケン化合物結合工程>
前記アルケン化合物結合工程は、前記アルケン化合物の2つを互いに反応させ、結合させる工程である。
−アルケン化合物−
前記アルケン化合物としては、アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第二の炭素原子に、元素の長周期型周期表における第13族から第16族から選択される原子を含む有機基が該原子を介して結合し、前記第一の炭素原子に少なくとも1つの置換基が置換してなる構造を有するものが好ましく(一置換体又は二置換体)、前記置換基として第一π電子含有基が前記第一の炭素原子に結合してなるものがより好ましく(一置換体)、前記置換基が第一π電子含有基及び第二π電子含有基であるもの(二置換体)が特に好ましい。
前記原子としては、例えば、Si原子、S原子、Se原子、O原子、Ge原子、Sn原子、Pb原子及びB原子のいずれかから選択されるものが好ましく、これらの中でも、Si原子が特に好ましい。前記原子がSi原子である場合の前記アルケン化合物は、アルケニルシランと称されることがある。
前記有機基における前記原子に結合する部分としては、有機基であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、フェニル基、ピリジル基、ピリミジル基、などが挙げられる。これらの中でも、ピリジル基、ピリミジル基などが好ましい。
−−アルケン化合物の合成−−
前記アルケン化合物は、例えば、アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第二の炭素原子に、元素の長周期型周期表における第13族から第16族から選択される原子を含む有機基が該原子を介して結合してなる化合物(前記第一の炭素原子には置換基が結合していない)に対し、後述する、第一π電子含有基結合工程と、第二π電子含有基結合工程とを行うことにより好適に合成することができる。
−−−第一π電子含有基結合工程−−−
前記第一π電子含有基結合工程は、前記アルケン化合物における前記第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を含む第一のπ電子含有化合物を反応させて該第一π電子含有基を結合させる工程である。
前記第一のπ電子含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記第一π電子含有基を含み、例えば、ハロゲン化物などが特に好適に挙げられる。
前記ハロゲン化物におけるハロゲンとしては、例えば、フッ素(F)、塩素(Cl)、ヨウ素(I)、臭素(Br)などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ヨウ素(I)、臭素(Br)などが特に好ましい。
前記第一π電子含有基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記第一π電子含有基の具体例としては、下記構造式a〜qのいずれかで表されるものなどが好適に挙げられる。
前記第一の炭素原子に前記第一のπ電子含有化合物を反応させる際の該反応としては、例えば、ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応が特に好適に挙げられる。
前記ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応は、例えば、(a) Mizoroki, T.; Mori, K.; Ozaki, A. Bull. Chem. Soc. Jpn. 1971, 44, 581. 、(b) Heck, R. F.; Nolley, J. P. J. Org. Chem. 1972, 14, 2320. 、(c) Beletskaya, I. P.; Cheprakov, A. V. Chem. Rev. 2000, 100, 3009. 、(d) Cabri, W.; Candiani, I. Acc. Chem. Res. 1995, 28, 2. 、(e) de Meijere, A.; Meyer, F. E. Angew. Chem., Int. Ed. Engl. 1994, 33, 2379. 、(f) Heck, R. F. In Comprehensive Organic Synthesis; Trost, B. M., Ed.; Pergamon: New York, 1991; Vol. 4, Chapter 4.3、などの文献に記載されている通りである。
前記ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われるのが好ましい。
前記遷移金属触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、パラジウム触媒が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記パラジウム触媒の中でも、Pd[P(t−ブチル)が特に好ましい。
前記遷移金属触媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常20モル%以下であり、10モル%以下が好ましく、3〜7モル%がより好ましい。
前記塩基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アミン化合物が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記アミン化合物の中でも、トリエチルアミンが特に好ましい。
前記塩基の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記遷移金触媒に対して、通常10当量以下であり、0.5〜5当量が好ましく、1.5〜3.5当量がより好ましい。
前記第一アリール基結合工程におけるミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常40〜120℃程度であり、50〜100℃が好ましく、45℃以上75℃未満がより好ましく、前記アルケン化合物としてアルケニルスルフィドを使用する場合には、40〜80℃が好ましく、45℃以上75℃未満がより好ましい。
なお、該反応は、公知のものの中から適宜選択した反応容器中で混合乃至攪拌等することにより行うことができ、前記アルケン化合物を有機溶媒に溶解させた状態で好適に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの有機溶媒の中でも、ジオキサン、トルエンなどが好ましい。
前記第一π電子含有基結合工程により、前記アルケン化合物における前記第一の炭素原子に、前記第一π電子含有基が選択的に結合(導入)される。
−−−第二π電子含有基結合工程−−−
前記第二π電子含有基結合工程は、前記アルケン化合物における前記第一の炭素原子に対し、第二π電子含有基を含む第二のπ電子含有化合物を反応させて該第二π電子含有基を結合させる工程である。
前記第二のπ電子含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記第一のπ電子含有化合物と同様のものが挙げられ、その中でもハロゲン化物が特に好適に挙げられる。
前記第二π電子含有基、及び前記ハロゲン化物におけるハロゲンとしては、上述したものが好適に挙げられる。なお、これらの前記第二π電子含有化合物及び前記ハロゲンは、前記第一π電子含有基結合工程におけるものと同じであってもよいし、異なっていてもよい。
前記第一の炭素原子に前記第二のπ電子含有化合物を反応させる際の該反応としては、前記第一π電子含有基結合工程と同様に、上述したミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応が特に好適に挙げられる。
前記ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応の条件としては、前記第一π電子含有基結合工程と同様に、上述した遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われるのが好ましく、前記第一π電子含有基結合工程において使用した遷移金属触媒及び塩基とは別の遷移金属触媒及び塩基を使用してもよいし、前記第一π電子含有基結合工程において使用した遷移金属触媒及び塩基をそのまま該第二π電子含有基結合工程において好適に使用することができる。更に、該反応を、前記第一π電子含有基結合工程を行ったのと同じ反応容器中で行うことができる。この場合、反応容器、触媒、有機溶媒等を前記第一π電子含有基結合工程と該第二π電子含有基結合工程との間で交換等する手間が不要で効率的であり、この場合をワンポット(ONE−POT)処理と称することがある。
前記第二π電子含有基結合工程におけるミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常40〜120℃程度であり、70〜110℃が好ましく、75℃以上105℃未満がより好ましく、前記アルケン化合物としてアルケニルスルフィドを使用する場合には、70〜110℃が好ましく、75℃以上105℃未満がより好ましい。
また、該温度としては、前記第一π電子含有基結合工程において、前記第一の炭素原子に前記第一π電子含有基を結合させた時よりも高い温度で前記第二π電子含有基を結合させるのが好ましく、前記第一の炭素原子に前記第一π電子含有基を結合させた時よりも5〜100℃高い温度で前記第二π電子含有基を結合させるのがより好ましく、前記第一の炭素原子に前記第一π電子含有基を結合させた時よりも20〜40℃高い温度で前記第二π電子含有基を結合させるのが特に好ましく、また、前記アルケン化合物としてアルケニルスルフィドを使用する場合には、前記第一π電子含有基結合工程において、前記第一の炭素原子に前記第一π電子含有基を結合させた時よりも高い温度で前記第二π電子含有基を結合させる必要があり、前記第一の炭素原子に前記第一π電子含有基を結合させた時よりも5〜100℃高い温度で前記第二π電子含有基を結合させるのが好ましく、前記第一の炭素原子に前記第一π電子含有基を結合させた時よりも20〜40℃高い温度で前記第二π電子含有基を結合させるのがより好ましい。
前記第二π電子含有基結合工程により、前記アルケン化合物における、前記第一π電子含有基が選択的に結合(導入)された前記第一の炭素原子に、更に、前記第二π電子含有基が選択的に結合(導入)される。
以上の第一π電子含有基結合工程及び第二π電子含有基結合工程により、アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の、該第二の炭素原子に前記第一π電子含有基及び前記第二π電子含有基が選択的に結合し、前記第一の炭素原子には前記有機基が結合したままのアルケン化合物の三置換体(アルケニル化合物)が得られる。
このようなアルケン化合物の三置換体(アルケニル化合物)としては、例えば、以下に示すアルケニルシラン、アルケニルスルフィド、などが好適に挙げられる。
前記アルケニルシランとしては、例えば、以下に示す構造を有する化合物が好適に挙げられる。
ただし、上記各構造式中、Meは、メチル基を表す。
前記アルケニルスルフィドとしては、例えば、以下に示す構造を有する化合物が好適に挙げられる。
ただし、該構造式においては、
Ar及びArが共に、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、及び1−ナフチル基のいずれかであるか、
Arがフェニル基で、Arが2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基又は4−メトキシフェニル基であるか、
Arが4−メチルフェニル基で、Arがフェニル基又は4−メトキシフェニル基であるか、
Arが4−メトキシフェニル基で、Arがフェニル基、4−メチルフェニル基又は1−ナフチル基であるか、
Arが3−チエニル基で、Arが4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基又は1−ナフチル基である。
ただし、該構造式中、Phは、フェニル基を表し、p−Anisは、4−メトキシフェニル基を表し、Tol−pは、4−メチルフェニル基を表す。
以上の前記第一π電子含有基結合工程と前記第二π電子含有基結合工程とを行うことにより、所望の前記アルケン化合物の三置換体(アルケニル化合物)が得られる。
−反応−
前記アルケン化合物の2つを互いに反応させ、結合させる際の該反応(以下「アルケン化合物結合反応」と称することがある)としては、適宜選択した該アルケン化合物の2つを互いに結合させ、ブタジエン結合を有するブタジエン化合物を合成することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記2つのアルケン化合物が、前記原子を含む有機基を脱離しつつ、互いに結合させるのが好ましい。
前記アルケン化合物結合反応に使用する前記アルケン化合物の2つは、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
前記アルケン化合物の2つが、互いに同じである場合には、点対称な分子骨格を有する多置換ブタジエン(二置換体、四置換体)が得られる点で好ましい。
前記アルケン化合物の2つが、互いに異なる場合には、前記置換基を1つ有するアルケン化合物どうしを結合させると二置換体が得られ、前記置換体を2つ有するアルケン化合物どうしを結合させると四置換体が得られ、前記置換体を1つ有するアルケン化合物と前記置換体を2つ有するアルケン化合物とを結合させると三置換体が得られる。
前記アルケン化合物結合反応としては、例えば、ホモカップリング反応が特に好適に挙げられる。
該ホモカップリング反応によると、前記アルケン化合物における前記置換基(例えば、該置換基が前記第一π電子含有基及び第二π電子含有基である場合にはこれらのπ電子含有基)を攻撃することなく、該アルケン化合物の2つにおける前記第二の炭素原子に結合した前記有機基(例えば、シラン誘導基、スルフィド誘導基など)どうしを脱離させた状態で該第二の炭素原子どうしを結合させることができる。そして、該ホモカップリング反応の結果、ブタジエン結合が形成され、多置換ブタジエンが選択的に合成される。
前記ホモカップリング反応は、例えば、(a) Weber, W. P.; Felix, R. A.; Willard, A. K.; Koenig, K. E. Tetrahedron Lett. 1971, 4701. (b) Yoshida, J.; Tamao, K.; Yamamoto, H.; Kakui, T.; Uchida, T.; Kumada, M. Organometallics 1982, 1, 542. (c) Yamaguchi, S.; Ohno, S.; Tamao, K. Synlett 1997, 1199. (d) Yoshida, H.; Yamaryo, Y.; Ohshita, J.; Kunai, A. Chem. Commun. 2003, 1510. (e) Yoshida, J.; Tamao, K.; Kakui, T.; Kumada, M. Tetrahedron Lett. 1979, 1141. (f) Kang, S.-K.; Kim, T.-H.; Pyun, S.-J. J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1 1997, 797. (g) Nishihara, Y.; Ikegashira, K.; Toriyama, F.; Mori, A.; Hiyama, T. Bull. Chem. Soc. Jpn. 2000, 73, 985. (h) Mueller, R.; Dressler, M.; Dathe, C. J. Prakt. Chem. 1970, 312, 150. (i) Tamao, K.; Matsumoto, H.; Kakui, T.; Kumada, M. Tetrahedron Lett. 1979, 1137、などの文献に記載されている通りである。
前記ホモカップリング反応の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、触媒の存在下で行われるのが好ましい。
前記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、銅(Cu)含有触媒を含むものが好ましく、銅(Cu)含有触媒とセシウム(Cs)含有触媒とを含むものがより好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記銅(Cu)含有触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ハロゲン化銅などが好ましく、具体的には、塩化銅(CuCl)、臭化銅(CuBr)、ヨウ化銅(CuI)、などが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記セシウム(Cs)触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ハロゲン化セシウムなどが好ましく、具体的には、フッ化セシウム(CsF)、塩化セシウム(CsCl)、臭化セシウム(CsBr)、などが好ましい。
前記触媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、該触媒として前記銅(Cu)含有触媒と前記セシウム(Cs)含有触媒とを併用する場合、該銅(Cu)含有触媒の使用量としては、0.1〜3当量程度であり、0.5〜1.5当量程度が好ましく、前記セシウム(Cs)含有触媒の使用量としては、0.1〜3当量程度であり、0.5〜2.0当量程度が好ましい。
前記アルケン化合物結合反応の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常0〜120℃程度であり、0〜100℃が好ましく、20〜50℃がより好ましい。
なお、該反応は、公知のものの中から適宜選択した反応容器中で、攪拌条件下で好適に行うことができ、例えば、前記反応容器中で混合乃至攪拌等することにより行うことができ、前記アルケン化合物の合成に用いた反応液中、例えば、前記第一のπ電子含有基結合工程及び第二のπ電子含有基結合工程を行った場合には、該第二π電子含有基結合工程を行った反応液中、で好適に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの有機溶媒の中でも、アセトニトリル、トルエン、テトラヒドロフランなどが好ましく、アセトニトリルが特に好ましい。
以上により得られる多置換ブタジエンの中でも新規化合物であるものとしては、例えば、下記構造式でのいずれかで表される化合物が好適に挙げられる。なお、以下の多置換ブタジエンは、いずれも四置換体で点対称な分子構造を有している。
本発明の多置換ブタジエンの選択的製造方法によれば、適宜選択した前記アルケン化合物の2つを、前記アルケン化合物結合反応(ホモカップリング反応)により、前記原子を有する有機基を脱離しながら、互いに結合させ、ブタジエン結合を形成させることにより、多置換ブタジエンを選択的かつ効率的に製造(合成)することができる。
本発明の前記多置換ブタジエンの選択的製造方法により製造された本発明の前記多置換ブタジエンは、各種分野において好適に使用可能であるが、発光材料等として特に好適に使用することができる。
本発明の多置換ブタジエンの化学構造としては、ブタジエン結合を含み、該ブタジエン結合を形成する炭素原子の内の両末端に位置する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に前記置換基が少なくとも1つ結合し、前記第二の炭素原子に前記置換基の少なくとも1つが結合してなる構造が挙げられるが、ブタジエン結合を含み、該ブタジエン結合を形成する炭素原子の内の両末端に位置する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に第一π電子含有基及び第二π電子含有基が結合し、前記第二の炭素原子に第三π電子含有基及び第四π電子含有基が結合してなる下記構造が特に好適に挙げられる。
この好ましい多置換ブタジエンにおいては、前記第一π電子含有基及び前記第三π電子含有基、並びに、前記第二π電子含有基及び前記第四π電子含有基、がそれぞれ点対称に位置するのが好ましく、該第一π電子含有基及び該第三π電子含有基、並びに、該第二π電子含有基及び該第四π電子含有基、がそれぞれ互いに同じであると、点対称構造の多置換オレフィンを選択的に製造(合成)することができる点でより好ましい。
なお、前記第一π電子含有基、前記第二π電子含有基、前記第三π電子含有基、及び前記第四π電子含有基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、などが好適に挙げられる。
ここで、本発明の前記多置換ブタジエンの選択的製造方法の一例をより具体的に説明する。以下の反応スキームに示す通り、前記遷移金属触媒及び前記塩基の存在下、前記アルケン化合物としてのアルケニルシランに対し、前記第一のπ電子含有化合物及び前記第二のπ電子含有化合物としての有機ハロゲン化物(ハロゲン化アリール)を反応させると、オレフィン結合を形成する2つの炭素原子の内の、シランが結合した炭素原子ではない炭素原子に2つのアリール基を選択的に結合(導入)させることができ、多置換アルケニルシランを得ることができる。得られた多置換アルケニルシランの2分子を前記銅(Cu)含有触媒であるヨウ化銅(CuI)及び前記セシウム(Cs)含有触媒であるフッ化セシウム(CsF)の存在下で反応させると、多置換ブタジエンを高収率かつ高立体選択的に得ることができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
前記アルケン化合物であるアルケニルシランとして、ビニル(2−ピリミジル)シラン又はビニル(2−ピリジル)シランを用いた多置換ブタジエンの選択的製造方法を実施した。
(合成例1)
−第一π電子含有基結合工程及び第二π電子含有基結合工程−
ビニル(2−ピリミジル)シラン又はビニル(2−ピリジル)シランと、前記第一のπ電子含有化合物及び前記第二のπ電子含有化合物としての4−メトキシフェニル・ヨウ素とを、下記反応スキームに示す、ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応にてワンポット(ONE−POT)処理で2回反応させた。
上記反応において、前記ビニル(2−ピリミジル)シラン又はビニル(2−ピリジル)シランの添加量は1当量、前記4−メトキシフェニル・ヨウ素の添加量は2当量、トリエチルアミンの添加量は2.5当量、Pd[P(t−Bu) の添加量は5%、及び下記表1に示す溶媒、反応条件とした。以上により、前記アルケン化合物としての、下記に示すアルケニルシラン(三置換体)を合成した。なお、上記表1中に収率(%)を示した。
表1に示す通り、前記ビニル(2−ピリジル)シランと、前記ビニル(2−ピリミジル)シランとを比較した結果、前記アルケン化合物における前記有機基のSi原子に結合する部分としては、2−ピリジル基よりも2−ピリミジル基の方が良い結果が得られた。また、前記パラジウム触媒としては、Pd[P(t−Bu)が良好な結果が得られた。
−ビニル(2−ピリミジル)シランの合成−
上記比較実験により、良好な結果が得られたビニル(2−ピリミジル)シランを以下のように合成した。即ち、トリブチル(2−ピリミジル)スタンナン19.0g(51.4mmol)のテトラヒドロフラン(THF)50mL溶液が、アルゴン雰囲気下、−78℃で、n−ブチルリチウム(51.5mmol)のn−ヘキサン溶液に滴下された。この混合物を−78℃で2時間攪拌した。得られた2−ピリミジルリチウム溶液を−78℃でクロロジメチルビニルシラン6.63g(54.9mmol)のテトラヒドロフラン(THF)20mL溶液に加えた。室温で2.5時間攪拌した後、水100mLを混合物に加えた。そして、この混合物をジエチルエーテル3×100mLで抽出し、有機溶媒相をMgSOにて水分を除去させた。減圧下(96〜98℃/22.6mmHg)で有機溶媒を留去して、ビニル(2−ピリミジル)シラン4.06g(48質量%)の無色透明の溶液が得られた。ビニル(2−ピリミジル)シランのH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.44(s,6H), 5.86 (dd, J = 20.1, 3.6 Hz, 1H), 6.11 (dd, J = 14.4, 3.6 Hz, 1H), 6.37 (dd, J = 20.1, 14.4 Hz, 1H), 7.17 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 8.75 (d, J = 5.1 Hz, 2H)であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、−3.9, 119.8, 133.8, 136.0, 155.2, 180.0であった。また、IR(neat)の分析データは、1547, 1393, 1248 cm−1であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C8H12N2Si: 164.0770, found 164.0773。
−第一アリール基結合工程及び第二アリール基結合工程−
先に得たビニル(2−ピリミジル)シランと、前記第一のπ電子含有化合物及び前記第二のπ電子含有化合物としての下記表2中に示すハロゲン化アリール(ArX)とを、下記反応スキームに示す、ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応にてワンポット(ONE−POT)処理で2回反応させた。具体的には、ジメチル(2−ピリミジル)ビニルシラン173.5mg(1.06mmol)、ヨードベンゼン421.6mg(2.07mmol)、トリエチルアミン253.0mg(2.50mmol)、及びPd[P(t−Bu) 25.6mg(50.1mol) の乾燥ジオキサン(3.0mL)溶液を、アルゴン雰囲気下で80℃で8時間攪拌した。反応後、溶液を室温まで冷却し、触媒及び塩をシリカゲルパッド(酢酸エチル)を通して濾過して除去した。例えば、表2に示すアルケニルシラン(表2中の3aa)の粗生成物の収率をH NMRにより、>99%。と評価した。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(CHCl)では、アルケニルシラン(表2中の3aa)330.6mgの収率は99%であった。なお、表2に示す他のアルケニルシランについてもアルケニルシラン(表2中の3aa)と同様に処理した。
上記反応において、前記ビニル(2−ピリミジル)シランの添加量は0.50mmol、前記ハロゲン化アリール(ArX)の添加量は1.25mmol、トリメチルアミンの添加量は1.25mmol(2.5当量)、Pd[P(t−Bu) の添加量は25μmol(5%)、及びジオキサンの添加量は2mLである。反応条件は、80℃、3〜12時間とした。反応は、Pd(dba) 2.5mol%及びPd[P(t−Bu) の代わりにトリス(2,4−ジ−ターシャリー−ブチルフェニル)ホスファイト5molの存在下で行われた。以上により、表2中に示した新規なアルケニルシランを合成した。なお、表2中の収率(%)は、NMR分析による(% in parentheses refer to isolated yields)。
アルケニルシラン(表2中の3aa)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.21 (s, 6H), 6.59 (s, 1H), 7.12−7.16 (m, 3H), 7.23−7.34 (m, 8H), 8.72 (d, J = 5.1 Hz, 2H)であった。13C NMR(125MHz,CDCl)の分析データは、−2.2, 119.4, 125.6, 127.40, 127.44, 127.81, 127.83, 127.9, 129.5, 142.2, 142.8, 154.9, 159.0, 180.8. IR (neat) 1736, 1559, 1393 cm−1であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C20H20N2Si: 316.1396, found 316.1398。
アルケニルシラン(表2中の3bb)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.25 (s, 6H), 2.58 (s, 3H), 2.62 (s, 3H), 6.77 (s, 1H), 7.16 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 7.24 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.35 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.85 (d, J = 8.1 Hz, 4H), 8.70 (d, J = 5.1 Hz, 2H) であった。13C NMR(125MHz,CDCl)の分析データは、−2.3, 26.6 (two carbons), 119.6, 127.4, 128.0, 128.1, 129.7, 129.8, 136.24, 136.22, 146.36, 146.40, 155.0, 156.6, 179.8, 197.47, 197.48. IR (neat) 1682, 1603 cm−1であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C24H24N2O2Si: 400.1607, found 400.1605。
アルケニルシラン(表2中の3cc)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.22 (s, 6H), 3.79 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 6.40 (s, 1H), 6.75−6.80 (m, 4H), 7.06 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.14 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.25 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 8.71 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、−2.1, 54.98, 55.05, 113.00, 113.05, 119.3, 122.6, 128.7, 130.6, 134.8, 135.7, 154.8, 158.2, 158.9, 159.3, 181.0であった。また、IR(neat)の分析データは、1547, 1248 cm−1であった。また、HRMS(EI)m/zは、calcd for C22H24N2O2Si: 376.1607, found 376.1606。
アルケニルシラン(表2中の3dd)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.24 (s, 6H), 3.71 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 6.56 (s, 1H), 6.67 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 6.73 (d, J = 7.4 Hz, 1H), 6.79 (dt, J = 8.4, 2.4 Hz, 2H), 6.88 (t, J = 2.4 Hz, 1H), 6.91 (dm, J = 7.4 Hz, 1H), 7.11−7.20 (m, 3H), 8.70 (d, J = 6.0 Hz, 2H) であった。13C NMR(100MHz,CDCl)の分析データは、−2.0, 55.0, 55.2, 113.0, 113.1, 113.3, 114.6, 119.3, 119.9, 121.9, 125.5, 128.66, 128.68, 143.2, 143.9, 154.7, 158.4, 158.8, 159.0, 180.4であった。また、IR(neat)の分析データは、1738, 1559, 1547 cm−1であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C22H24N2O2Si: 376.1607, found 376.1605。
アルケニルシラン(表2中の3ee)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.23 (s, 6H), 2.93 (s, 6H), 2.95 (s, 6H), 6.27 (s, 1H), 6.58 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 6.60 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 7.02 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.11 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 8.71 (d, J = 4.8 Hz, 2H)であった。
アルケニルシラン(表2中の3ff)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.26 (s, 6H), 6.78 (s, 1H), 7.18 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.23 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.34 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 7.57 (d, J = 6.6 Hz, 2H), 8.69 (d, J = 4.8 Hz, 2H)であった。
アルケニルシラン(表2中の3gg)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.19 (s, 6H), 6.69 (s, 1H), 6.92 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.15−7.24 (m, 3H), 7.30−7.35 (m, 1H), 7.39−7.62 (m, 4H), 7.68−7.74 (m, 3H), 7.82 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.87 (dd, J = 8.1, 1.8 Hz, 1H), 8.49 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 8.83 (d, J = 8.1 Hz, 1H)であった。また、H NMR(125MHz, CDCl)の分析データは、2.4, 119.0, 124.7, 124.9, 125.47, 125.52, 125.6, 125.8, 126.0, 126.2, 126.3, 127.7, 127.8, 127.9, 128.0, 128.5, 130.8, 131.8, 133.5, 134.4, 134.9, 141.1, 142.2, 154.4, 155.5, 180.0であった。また、IR(KBr)の分析データは、1391, 1246 cm−1であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C28H24N2Si: 416.1709, found 416.1709。
アルケニルシラン(表2中の3hh)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.28 (s, 6H), 6.61 (s, 1H), 6.85−6.95 (m, 4H), 7.17 (t, J = 6.4 Hz, 1H), 7.20−7.30 (m, 2H), 8.73 (d, J = 6.4 Hz, 2H)であった。13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、−2.5, 119.5, 125.8, 126.1, 126.3, 126.6, 127.2, 127.3, 128.0, 141.9, 144.3, 147.9, 155.0, 180.3であった。また、IR(neat)の分析データは、1559, 1547, 1393 cm−1であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C16H16N2SiS2: 328.0524, found 328.0522。
アルケニルシラン(表2中の3ii)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.25 (s, 6H), 6.50 (s, 1H), 6.85−6.93 (m, 2H), 7.15−7.25 (m, 4H), 7.31 (dd, J = 5.1, 1.2 Hz, 1H), 8.73 (d, J = 5.1 Hz, 2H) であった。13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、−2.4, 119.4, 123.7, 124.0, 124.5, 124.9, 125.3, 126.0, 128.8, 142.4, 144.7, 148.1, 154.9, 180.7であった。また、IR(neat)の分析データは、1547, 1393 cm−1であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C16H16N2SiS2: 328.0524, found 328.0519。
−第一π電子含有基結合工程及び第二π電子含有基結合工程−
次に、ビニル(2−ピリミジル)シランと、前記第一のπ電子含有化合物、前記第二のπ電子含有化合物として、下記表3中に示す、2種の異なるハロゲン化アリール(なお、表3中の番号は表2中に示す化合物に対応する)とを、下記反応スキームに示す、ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応にてワンポット(ONE−POT)処理で2回反応させた。そして、表3に示す新規なアルケニルシランを合成した。具体的には、ジメチル(2−ピリミジル)ビニルシラン(1b; 171.4mg、1.04mmol)、4−ヨードアセトフェノン(2b; 246.4mg, 1.00mmol)、トリエチルアミン(253.0mg, 2.50mmol)及びPd[P(t−Bu)(25.6mg, 50.1mol)の乾燥ジオキサン(2.0mL)をアルゴン雰囲気下で80℃で5時間攪拌した。この混合物が2−ヨードアニソール(2c; 286.1mg,1.22mmol)に添加され、更に反応物が80℃で19時間反応させられた。室温まで冷却後、触媒及び塩が、ショート・シリカゲルパッド(酢酸エチル)により濾過されて除去された。アルケニルシラン(3bc)の収率は、粗生成物のH NMRにより測定し、>99%(3bc/3cb = 98/2)であった。アルケニルシラン(3bc)の収率は、318.5mg(79%)であった。なお、表3中の収率(%)は、NMR分析による(% in parentheses refer to isolated yields)。
a NMR yields. b Isolated yield was 79%. c Isolated yield was 84%. d Isolated yield was 80%.
アルケニルシラン(表3中の3bc)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.20 (s, 6H), 2.59 (s, 3H), 3.76 (s, 3H), 6.51 (s, 1H), 6.77 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 7.11 (t, J = 5.4 Hz, 1H), 7.18 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 7.22 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.81 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 8.66 (d, J = 5.4 Hz, 2H)であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、−2.1, 26.5, 55.2, 113.3, 119.4, 124.2, 127.9, 128.6, 129.8, 134.7, 136.0, 147.5, 154.9, 157.2, 159.6, 180.4, 197.6であった。また、IR(neat)の分析データは、1682, 1252 cm−1であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C23H24N2O2Si: 388.1607, found 388.1604。
アルケニルシラン(表3中の3cb)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.26 (s, 6H), 2.57 (s, 3H), 3.82 (s, 3H), 6.63 (s, 1H), 6.78 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.05 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.16 (t, J = 5.1 Hz, 1H), 7.39 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.72 (d, J = 5.1 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、−2.2, 26.6, 55.2, 113.3, 119.3, 127.7, 128.0, 128.3, 130.7, 133.9, 136.1, 147.7, 155.0, 157.7, 159.2, 180.5, 197.7であった。また、IR(neat)の分析データは、1682, 1246 cm−1であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C23H24N2O2Si: 388.1607, found 388.1606。
アルケニルシラン(表3中の3ja)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、0.24 (s, 6H), 2.35 (s, 3H), 6.54 (s, 1H), 7.00−7.05 (m, 4H), 7.14 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.21−7.29 (m, 3H), 7.30−7.35 (m, 2H), 8.75 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、−1.9, 21.3, 119.1, 125.2, 127.3, 127.5, 127.7, 128.3, 129.3, 136.8, 139.1, 142.8, 154.6, 158.9, 180.6であった。また、IR(neat)の分析データは、3023, 1393 cm−1であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C21H22N2Si: 330.1552, found 330.1551。
(合成例2)
まず、以下の実験を行った。即ち、前記アルケン化合物であるアルケニルスルフィドとして、表5に示す構造の化合物を用い、下記表5に示す反応スキーム(実施例1におけるのと同様)に従って多置換ブタジエンの選択的製造方法を実施した。なお、ハロゲン化アリールの種類及び当量、トリエチルアミンの当量、反応温度、反応時間、反応収率、などは表5に示した通りである。
表5に示す結果から、前記アルケニルスルフィドにおける前記有機基のS原子に結合する部分(基)がピリミジル基(表5中の5d)である場合が、他の部分(基)(表5中の5a〜5c)の場合(比較実験)よりも、前記第一π電子含有基結合工程及び前記第二π電子含有基結合工程後のアルケニルスルフィド(第一π電子含有基及び第二π電子含有基が導入された)の収率に優れることが判った。
次に、前記有機基におけるS原子に結合する部分(基)がピリミジル基(表5中の5d)であるアルケニルスルフィドに対し、前記第一π電子含有基結合工程を60℃にて、前記第二π電子含有基結合工程を90℃にて、この順にワンポット(ONE−POT)処理で行った。反応スキームは、下記に示す通りであり、反応条件、用いた前記第一のπ電子含有化合物、前記第二のπ電子含有化合物、反応収率等は、表6に示した通りである。2−ピリミジルビニルスルフィド(表6中に5dで表される化合物)41.4mg(0.30mmol)、2−ヨードトルエン(表6中に2lで表される化合物)131.1mg(0.60mmol)、トリエチルアミン119mg(0.92mmol)及びPd[P(t−Bu) 7.6mg(14.9mol)の乾燥トルエン(1.5mL)溶液を、アルゴン雰囲気下、80℃で14時間攪拌した。混合物を室温まで冷却した後、触媒及び塩をショートシリカゲル(酢酸エチル)を用いて濾過して除去した。濾過物が留去され、生成物がシリカゲル上でクロマトグラフィーにて分析され(ヘキサン/酢酸エチル=10/1〜5/1)、第一のπ電子含有基及び第二のπ電子含有基が導入されたアルケニルスルフィド(表6中に7llで表される化合物、pale yellow solid)85.4mg(収率90%)が合成されたことを確認した。表6中における「7」の欄に示す、他の新規なアルケニルスルフィドも同様に合成した。以上の第一π電子含有基結合工程及び第二π電子含有基結合工程により、新規なアルケニルスルフィド(表6中の「7」の欄に示す化合物)が得られた。
アルケニルスルフィド(表6中の7aa)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、7.01 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.22−7.50 (m, 10H), 7.79 (s, 1H), 8.56 (d, J = 4.8 Hz, 2H)であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、117.1, 119.1, 127.3, 127.4, 127.9, 128.2, 128.4, 129.6, 139.3, 140.8, 141.2, 157.4, 170.3であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C18H14N2S: 290.0878, found 290.0881。
アルケニルスルフィド(表6中の7ll)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、2.16 (s, 3H), 2.35 (s, 3H), 7.00 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.10−7.35 (m, 8H), 7.53 (s, 1H), 8.53 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(125MHz,CDCl)の分析データは、20.0, 21.2, 117.0, 122.8, 125.64, 125.65, 127.1, 127.9, 129.7, 130.1, 130.6, 130.9, 135.7, 136.1, 139.4, 140.4, 140.9, 157.4, 170.6であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C20H18N2S: 318.1191, found 318.1190。
アルケニルスルフィド(表6中の7mm)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、2.34 (s, 3H), 2.37 (s, 3H), 7.02 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.07−7.35 (m, 8H), 7.73 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(125MHz,CDCl)の分析データは、21.46, 21.47, 117.0, 118.7, 124.6, 126.7, 127.9, 128.1, 128.2, 128.3, 128.6, 130.2, 137.8, 138.0, 139.3, 141.2, 141.4, 157.4, 170.6であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C20H18N2S: 318.1191, found 318.1191。
アルケニルスルフィド(表6中の7jj)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、2.35 (s, 3H), 2.40 (s, 3H), 7.00 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.18−7.30 (m, 6H), 7.67 (s, 1H), 8.55 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、21.1, 21.2, 116.9, 117.6, 127.2, 128.9, 129.0, 129.5, 136.4, 137.1, 137.5, 138.7, 140.8, 157.3, 170.5であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C20H18N2S: 318.1191, found 318.1191。
アルケニルスルフィド(表6中の7cc)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、3.82 (s, 3H), 3.86 (s, 3H), 6.85 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 6.94 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.01 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.25−7.32 (m, 4H), 7.55 (s, 1H), 8.56 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、55.1, 55.2, 113.5, 113.6, 116.2, 116.9, 128.5, 130.9, 131.7, 134.3, 140.4, 157.3, 159.0, 159.1, 170.7であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C20H18N2O2S: 350.1089, found 350.1089。
アルケニルスルフィド(表6中の7gg)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、6.99 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.30−7.60 (m, 8H), 7.75−7.80 (m, 1H), 7.82−7.90 (m, 3H), 7.93 (s, 1H), 8.03 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.52 (d, J = 4.8 Hz, 2H), 8.63−8.70 (m, 1H) であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、117.0, 125.1, 125.3, 125.6, 125.7, 125.80, 125.83 (two carbons), 126.36, 126.41, 126.6, 127.7, 127.8, 128.50 (two carbons), 128.55, 130.7, 131.3, 134.0, 134.3, 137.6, 138.1, 140.0, 157.3, 170.4であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C26H18N2S: 390.1191, found 390.1191。
アルケニルスルフィド(表6中の7al)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、2.09 (s, 3H), 7.02 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.15−7.40 (m, 9H), 7.43 (s, 1H), 8.55 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(125MHz,CDCl)の分析データは、20.5, 117.1, 120.1, 125.7, 127.5, 127.6, 128.2, 128.8, 130.32, 130.34, 136.4, 139.4, 140.8, 142.4, 157.4, 170.2であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C19H16N2S: 304.1034, found 304.1034。
アルケニルスルフィド(表6中の7aj)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、2.41 (s, 3H), 7.02 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.22−7.40 (m, 9H), 7.74 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(125MHz,CDCl)の分析データは、21.1, 117.0, 118.1, 127.2, 127.9, 128.4, 129.0, 129.6, 137.3, 138.5, 139.5, 140.9, 157.4, 170.6であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C19H16N2S: 304.1034, found 304.1034。
アルケニルスルフィド(表6中の7ac)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、3.81 (s, 3H), 6.85 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.01 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.28 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.30−7.43 (m, 5H), 7.64 (s, 1H), 8.56 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(125MHz,CDCl)の分析データは、55.3, 113.6, 116.96, 117.02, 127.9, 128.4, 128.6, 129.7, 134.1, 139.5, 140.8, 157.4, 159.2, 170.8であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C19H16N2OS: 320.0983, found 320.0984。
アルケニルスルフィド(表6中の7ja)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、2.41 (s, 3H), 7.02 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.22−7.40 (m, 9H), 7.74 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(125MHz,CDCl)の分析データは、21.3, 117.1, 118.7, 127.3, 127.4, 128.2, 129.1, 129.5, 136.3, 137.7, 140.9, 141.5, 157.4, 170.5であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C19H16N2S: 304.1034, found 304.1034。
アルケニルスルフィド(表6中の7jc)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、2.40 (s, 3H), 3.81 (s, 3H), 6.85 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.00 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.20−7.30 (m, 6H), 7.59 (s, 1H), 8.55 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、21.3, 55.2, 113.5, 116.5, 116.9, 128.5, 129.1, 129.5, 134.2, 136.5, 137.6, 140.7, 157.3, 159.1, 170.7であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C20H18N2OS: 334.1140, found 334.1142。
アルケニルスルフィド(表6中の7ca)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、3.86 (s, 3H), 6.95 (d, J = 8.7 Hz, 2H), 7.02 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.20−7.40 (m, 7H), 7.70 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(125MHz,CDCl)の分析データは、55.1, 113.7, 117.0, 118.4, 127.26, 127.29, 128.1, 130.8, 131.5, 140.4, 141.5, 157.3, 159.0, 170.3であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C19H16N2OS: 320.0983, found 320.0983。
アルケニルスルフィド(表6中の7cj)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、2.35 (s, 3H), 3.85 (s, 3H), 6.94 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.01 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.12 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.25 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.28 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.64 (s, 1H), 8.56 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、21.1, 55.2, 113.7, 116.9, 117.4, 127.3, 128.9, 130.9, 131.7, 137.2, 138.8, 140.6, 157.3, 159.1, 170.6であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C20H18N2OS: 334.1140, found 334.1140。
アルケニルスルフィド(表6中の7cg)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、3.80 (s, 3H), 6.86 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.01 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.33−7.47 (m, 4H), 7.49−7.53 (m, 3H), 7.83−7.86 (m, 2H), 7.94 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 8.54 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、55.2, 113.6, 117.1, 119.8, 125.3, 125.6, 125.9, 126.3, 127.7, 128.0, 128.1, 130.1, 131.9, 132.5, 133.8, 139.1, 140.7, 157.4, 158.9, 170.3であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C23H18N2OS2: 370.1140, found 370.1141。
アルケニルスルフィド(表6中の7ij)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、2.36 (s, 3H), 7.03 (t, J = 4.5 Hz, 1H), 7.09 (d, J = 4.8 Hz, 1H), 7.14 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.27 (d, J = 8.1 Hz, 2H), 7.35 (dd, J = 4.8, 3.0 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 3.0 Hz, 1H), 7.64 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.5 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、21.0, 117.0, 118.3, 125.1, 125.4, 127.2, 128.6, 128.8, 135.4, 137.2, 138.5, 139.5, 157.3, 170.1であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C17H14N2S2: 310.0598, found 310.0600。
アルケニルスルフィド(表6中の7ic)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、3.83 (s, 3H), 6.87 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.03 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.09 (dd, J = 4.8, 1.5 Hz, 1H), 7.32 (d, J = 9.0 Hz, 2H), 7.37 (dd, J = 4.8, 3.3 Hz, 1H), 7.40 (dd, J = 3.3, 1.5 Hz, 1H), 7.56 (s, 1H), 8.57 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、55.2, 113.5, 117.0, 117.3, 125.2, 125.5, 128.6, 128.7, 134.1, 135.4, 139.6, 157.4, 159.1, 170.4であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C17H14N2OS2: 326.0548, found 326.0543。
アルケニルスルフィド(表6中の7ig)のH NMR(300MHz, CDCl)の分析データは、7.03 (t, J = 4.8 Hz, 1H), 7.14 (dd, J = 5.4, 1.5 Hz, 1H), 7.26 (dd, J = 5.4, 3.0 Hz, 1H), 7.30−7.60 (m, 6H), 7.84−7.90 (m, 3H), 8.55 (d, J = 4.8 Hz, 2H) であった。また、13C NMR(125MHz,CDCl)の分析データは、117.3, 120.0, 125.0, 125.1, 125.4, 125.7, 126.0, 126.2, 127.2, 128.10, 128.11, 128.2, 132.0, 133.7, 133.9, 140.5, 140.7, 157.5, 169.8であった。また、HRMS(EI)m/z calcd for C20H14N2S2: 346.0598, found 346.0601。
ここで、S原子に結合するアリール基がピリミジル基であるアルケニルスルフィドに対し、前記第一π電子含有基結合工程を60℃にて、前記第二π電子含有基結合工程を90℃にて、この順にワンポット(ONE−POT)処理で行った場合(実施例)と、前記第一π電子含有基結合工程及び前記第二π電子含有基結合工程が共に80℃にて行った場合(比較例)とを比較した。反応スキームは、下記に示す通りであり、反応条件、用いた前記第一のπ電子含有化合物、前記第二のπ電子含有化合物、反応収率等は、表7に示した通りである。表7に示す通り、前記第一π電子含有基結合工程を60℃にて、前記第二π電子含有基結合工程を90℃にて、この順にワンポット(ONE−POT)処理で行った場合(実施例)には、前記第一π電子含有基結合工程及び前記第二π電子含有基結合工程が共に80℃にて行った場合(比較例)に比べて、収率が高くなった(30%向上した)。
(実施例1)
前記銅(Cu)含有触媒としてのヨウ化銅(CuI:57.1mg,0.30mmol)と、前記セシウム(Cs)含有触媒としてのフッ化セシウム(CsF:59.2mg,0.39mmol)とを含有するアセトニトリル(3.0mL)溶液に対して、前記アルケン化合物としての下記1で表されるアルケニル(2−ピリジル)シラン(112.7mg,0.30mmol)を加え、室温で24時間攪拌することにより、前記アルケン化合物結合反応(ホモカップリング反応)を行った。反応混合物をろ過し、ろ液を濃縮した後にシリカゲルカラムにより精製すると、下記2で表される多置換ブタジエン(35.2mg,42%)が黄色の固体として得られた。
なお、得られた該多置換ブタジエンのH NMR(300MHz,CDCl)の分析データは、3.78 (s, 6H), 3.86 (s, 6H), 6.65 (s, 2H), 6.78 (d, J = 9.6 Hz, 4H), 6.94 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 7.11 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 7.24 (d, J = 9.6 Hz, 4H)であった。また、13C NMR(75MHz,CDCl)の分析データは、55.31, 55.32, 113.35, 113.39, 124.5, 128.7, 131.7, 132.4, 135.5, 141.9, 158.6, 158.7であった。
(実施例2)
表7に記載の各種のアルケニル(2−ピリジル)シランを用い、その2分子を、実施例1と同様にして前記アルケン化合物結合反応(ホモカップリング反応)を行うことにより、互いに結合させて、表7に示す各種の多置換ブタジエンを選択的にかつ効率よく製造(合成)した。
得られた多置換ブタジエンの可視・紫外線吸収スペクトル(UV−Vis)、及び、蛍光スペクトル(FL)の測定をクロロホルム溶液にて行い、結果を表7に示した。
得られた多置換ブタジエン(上記表7中のentry「1」で表される多置換ブタジエン)のH NMR(300MHz,CDCl)の分析データは、6.68 (dd, J = 18.9, 7.2 Hz, 2H), 6.98 (dd, 18.9, 7.2 Hz, 2H), 7.20-7.50 (m, 10H)であった。
得られた多置換ブタジエン(上記表7中のentry「2」で表される多置換ブタジエン)のH NMR(400MHz,CDCl)の分析データは、2.61 (s, 6H), 6.76 (dd, J = 18.9, 7.2 Hz, 2H), 7.07 (dd, J = 18.9, 7.2 Hz, 2H), 7.51 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.92 (d, J = 8.4 Hz, 4H)であった。
得られた多置換ブタジエン(上記表7中のentry「4」で表される多置換ブタジエン)のH NMR(400MHz,CDCl)の分析データは、6.71 (s, 2H), 7.05-7.20 (m, 20H)であった。
得られた多置換ブタジエン(上記表7中のentry「5」で表される多置換ブタジエン)のH NMR(400MHz,CDCl)の分析データは、2.58 (s, 6H), 2.68 (s, 6H), 6.84 (s, 2H), 7.21 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.84 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 8.05 (d, J = 8.4 Hz, 4H)であった。また、13C NMR(CDCl,75MHz)の分析データは、26.6, 26.7, 127.6, 127.8, 128.5, 128.6, 130.8, 136.3, 136.7, 143.7, 144.0, 145.7, 197.3, 197.6であった。
得られた多置換ブタジエン(上記表7中のentry「6」で表される多置換ブタジエン)のH NMR(300MHz,CDCl)の分析データは、3.78 (s, 6H), 3.86 (s, 6H), 6.65 (s, 2H), 6.78 (d, J = 9.6 Hz, 4H), 6.94 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 7.11 (d, J = 8.7 Hz, 4H), 7.24 (d, J = 9.6 Hz, 4H)であった。また、13C NMR(CDCl,75MHz)の分析データは、55.31, 55.32, 113.35, 113.39, 124.5, 128.7, 131.7, 132.4, 135.5, 141.9, 158.6, 158.7であった。
得られた多置換ブタジエン(上記表7中のentry「7」で表される多置換ブタジエン)のH NMR(400MHz,CDCl)の分析データは、2.62 (s, 6H), 3.93 (s, 6H), 6.89 (s, 2H), 7.01 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.27 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.32 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.87 (d, J = 8.4 Hz, 4H)であった。また、13C NMR(CDCl,75MHz)の分析データは、55.31, 55.32, 113.35, 113.39, 124.5, 128.7, 131.7, 132.4, 135.5, 141.9, 158.6, 158.7であった。
得られた多置換ブタジエン(上記表7中のentry「8」で表される多置換ブタジエン)のH NMR(400MHz,CDCl)の分析データは、2.67 (s, 6H), 3.79 (s, 6H), 6.65 (s, 2H), 6.77 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.04 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.41 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 8.00 (d, J = 8.4 Hz, 4H)であった。
得られた多置換ブタジエン(上記表7中のentry「9」で表される多置換ブタジエン)のH NMR(400MHz,CDCl)の分析データは、3.88 (s, 6H), 6.80 (s, 2H), 6.97 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 7.20 (d, J = 8.8 Hz, 4H), 7.27 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.52 (d, J = 8.4 Hz, 4H)であった。また、13C NMR(CDCl,100MHz)の分析データは、55.3, 110.6, 113.9, 118.8, 127.7, 128.1, 130.4, 131.6, 131.8, 143.3, 146.7, 159.3であった。
得られた多置換ブタジエン(上記表7中のentry「10」で表される多置換ブタジエン)のH NMR(400MHz,CDCl)の分析データは、2.58 (s, 6H), 3.03 (s, 12H), 6.74 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 6.86 (s, 2H), 7.18 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.32 (d, J = 8.4 Hz, 4H), 7.82 (d, J = 8.4 Hz, 4H)であった。
本発明の多置換ブタジエンは、例えば、各種分野において使用可能であり、発光材料等として好適に使用することができ、本発明の発光材料に特に好適に使用することができる。
本発明の多置換ブタジエンの選択的製造方法は、例えば、所望の構造を有する多置換ブタジエンを選択的かつ効率的に合成可能であり、発光材料等の製造に好適に使用可能である。

Claims (31)

  1. アルケン結合を含み、該アルケン結合を形成する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第二の炭素原子に、元素の長周期型周期表における第13族から第16族から選択される原子を含む有機基が該原子を介して結合し、前記第一の炭素原子に少なくとも1つの置換基が置換してなるアルケン化合物の2つを、
    少なくとも銅(Cu)含有触媒を含む触媒の存在下で反応させることを特徴とする多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  2. 触媒が、更にセシウム(Cs)含有触媒を含む請求項1に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  3. 反応が、ホモカップリング反応である請求項1から2のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  4. 反応が、攪拌下で行われる請求項1から3のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  5. アルケン化合物における原子が、Si原子、S原子、Se原子、O原子、Ge原子、Sn原子、Pb原子及びB原子のいずれかである請求項1から4のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  6. アルケン化合物の2つが、互いに同じである請求項1から5のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  7. アルケン化合物が、第一π電子含有基及び第二π電子含有基の少なくともいずれかが置換基として第一の炭素原子に置換されてなる請求項1から6のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  8. アルケン化合物が、第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を含む第一のπ電子含有化合物を反応させて該第一π電子含有基を結合させ、かつ第二π電子含有基を含む第二のπ電子含有化合物を反応させて該第二π電子含有基を結合させて得られる請求項1から7のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  9. 第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を結合させた後、該第一π電子含有基を結合させた時よりも高い温度で、第二π電子含有基を結合させる請求項8に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  10. 第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を結合させた時よりも5〜100℃高い温度で第二π電子含有基を結合させる請求項9に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  11. 第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を結合させた時よりも20〜40℃高い温度で第二π電子含有基を結合させる請求項9に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  12. 第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を結合させる反応の温度が、45℃以上75℃未満であり、第二π電子含有基を結合させる反応の温度が、75℃以上105℃未満である請求項9から11のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  13. 第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を結合させる反応、及び、第二π電子含有基を結合させる反応が、ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応である請求項9から12のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  14. ミゾロキ−へック(Mizoroki−Heck)反応が、遷移金属触媒及び塩基の存在下で行われる請求項13に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  15. 遷移金属触媒がパラジウム触媒である請求項14に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  16. 第一の炭素原子に第二π電子含有基を結合させる反応が、該第一の炭素原子に第一π電子含有基を結合させる反応の際に用いた遷移金属触媒、塩基及び反応容器を用いて行われる請求項9から15のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  17. 第一のπ電子含有化合物及び第二のπ電子含有化合物が、ハロゲン化物から選択される請求項9から16のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  18. 第一π電子含有基及び第二π電子含有基が、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択される請求項7から17のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  19. アリール基が下記構造式a〜qのいずれかで表されるものから選択される請求項18に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  20. アルケン化合物が、下記構造式のいずれかで表される請求項1から19のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
    ただし、上記各構造式中、Meは、メチル基を表す。
    ただし、該構造式においては、
    Ar及びArが共に、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基、及び1−ナフチル基のいずれかであるか、
    Arがフェニル基で、Arが2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基又は4−メトキシフェニル基であるか、
    Arが4−メチルフェニル基で、Arがフェニル基又は4−メトキシフェニル基であるか、
    Arが4−メトキシフェニル基で、Arがフェニル基、4−メチルフェニル基又は1−ナフチル基であるか、
    Arが3−チエニル基で、Arが4−メチルフェニル基、4−メトキシフェニル基又は1−ナフチル基である。
    ただし、該構造式中、Phは、フェニル基を表し、p−Anisは、4−メトキシフェニル基を表し、Tol−pは、4−メチルフェニル基を表す。
  21. 多置換ブタジエンが、ブタジエン結合を含み、該ブタジエン結合を形成する炭素原子の内の両末端に位置する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に第一π電子含有基及び第二π電子含有基が結合し、前記第二の炭素原子に第三π電子含有基及び第四π電子含有基が結合してなる請求項1から20のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  22. 多置換ブタジエンにおける、第一π電子含有基及び第三π電子含有基、並びに、第二π電子含有基及び第四π電子含有基、がそれぞれ点対称に位置する請求項21に記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  23. 多置換ブタジエンにおける、第一π電子含有基及び第三π電子含有基、並びに、第二π電子含有基及び第四π電子含有基が、互いに同じである請求項21から22のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  24. 第一π電子含有基、第二π電子含有基、第三π電子含有基及び第四π電子含有基が、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択される請求項21から23のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法。
  25. 請求項1から24のいずれかに記載の多置換ブタジエンの選択的製造方法により製造されることを特徴とする多置換ブタジエン。
  26. ブタジエン結合を含み、該ブタジエン結合を形成する炭素原子の内の両末端に位置する第一の炭素原子及び第二の炭素原子の内の該第一の炭素原子に第一π電子含有基及び第二π電子含有基が結合し、前記第二の炭素原子に第三π電子含有基及び第四π電子含有基が結合してなる請求項25に記載の多置換ブタジエン。
  27. 第一π電子含有基及び第三π電子含有基、並びに、第二π電子含有基及び第四π電子含有基、がそれぞれ点対称に位置する請求項26に記載の多置換ブタジエン。
  28. 第一π電子含有基及び第三π電子含有基、並びに、第二π電子含有基及び第四π電子含有基、がそれぞれ互いに同じである請求項26から27のいずれかに記載の多置換ブタジエン。
  29. 第一π電子含有基、第二π電子含有基、第三π電子含有基及び第四π電子含有基が、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択される請求項26から28のいずれかに記載の多置換ブタジエン。
  30. 下記構造式でのいずれか表される請求項25から29のいずれかに記載の多置換ブタジエン。
  31. 発光材料として用いられる請求項25から30のいずれかに記載の多置換ブタジエン。
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