JP2019011286A - ホスフィン化合物及びこれを配位子とするカップリング用触媒 - Google Patents

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Abstract

【課題】パラジウム触媒を用いる9−アリール−9H−カルバゾールの製造においてより良好な収率及び選択性を与えるホスフィン配位子を提供する。【解決手段】パラジウム化合物と一般式(1)【化1】(式中、Arは、メチル基、エチル基、又は炭素数3〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいピレニル基を示す。)で表されるホスフィン化合物からなるパラジウム触媒を用いる。【選択図】 なし

Description

本発明は、ホスフィン化合物及びこれを配位子とするカップリング用触媒に関するものである。
パラジウム触媒は、種々の有機合成反応における触媒として有用であるが、所望の有機合成反応の触媒作用を発現させるためには、ホスフィン配位子の選択が重要である(例えば、辻二郎著,Palladium Reagents and Catalysts,Wiley社,2004年)。例えば、ハロゲン化アリールと一級又は二級アミンのパラジウム化合物を触媒とするカップリングによる炭素−窒素結合形成反応で高活性を示すパラジウム触媒としては、トリ(tert−ブチル)ホスフィン(例えば、特許文献1)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−1,1’−ビフェニル化合物(例えば、特許文献2)2−(ジ−tert−ブチル)ホスフィノ−1,1’−ビフェニル化合物(例えば、非特許文献1)等をホスフィン配位子とするパラジウム触媒が知られている。
炭素−窒素結合形成反応の中でも、有機電子材料の中間体として有用な9−アリール−9H−カルバゾール(例えば特許文献3及び4)を与えるハロゲン化アリールと9H−カルバゾールとのカップリング反応は、合成化学的にも有効な反応である。パラジウム触媒のホスフィン配位子としてトリ−tert−ブチルホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−1,1’−ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシ−1,1’−ビフェニル、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル、1−(2−ジシクロヘキシルホスフィノフェニル)ナフタレン、又は9−(2−ジシクロヘキシルフェニル)フェナントレンを用いて、4−ブロモアニソールと9H−カルバゾールのカップリング反応(炭素−窒素結合形成反応)を検討したところ、目的物である9−(4−メトキシフェニル)−9H−カルバゾールの収率は必ずしも満足できるものではなかった(比較例1−7)。
特開平10−139742号公報 米国特許出願公開第2002/156295号明細書 国際公開第WO2013/062043号パンフレット 国際公開第WO2014/181878号パンフレット
Chemical Review,116巻,12564−12649ページ,2016年
9−アリール−9H−カルバゾールは、工業的に有用な化合物であるため、パラジウム触媒を用いる9−アリール−9H−カルバゾールの製造においてより良好な収率及び選択性を与えるホスフィン配位子の開発が望まれている。
本発明者らは、上記課題を鑑み、鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(1)で表されるホスフィン化合物を配位子とするパラジウム触媒が、9−アリール−9H−カルバゾール製造用触媒として特に高活性であることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、
(i)一般式(1)
Figure 2019011286
(式中、Arは、メチル基、エチル基、又は炭素数3〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいピレニル基を示す。)
で表されるホスフィン化合物;
(ii)Arが、メチル基、エチル基、又は炭素数3〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基で置換されていてもよい1−ピレニル基又は4−ピレニル基である(i)に記載のホスフィン化合物;
(iii)Arが、1−ピレニル基である(i)に記載のホスフィン化合物;
(iv)9H−カルバゾールの触媒的N−アリール化反応による9−アリール−9H−カルバゾールの製造方法において、パラジウム化合物と(i)に記載のホスフィン化合物からなるパラジウム触媒を用いることを特徴とする9−アリール−9H−カルバゾールの製造方法;
(v)パラジウム化合物が、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、酢酸パラジウム又はπ−アリルパラジウムクロリドダイマーである(iv)に記載の製造方法;
に関するものである。
本発明は、本発明のホスフィン化合物を配位子として用いることで9H−カルバゾールのN−アリール化反応において高い活性を示すパラジウム触媒を得ることができるため、9−アリール−9H−カルバゾールの経済性に富んだ効率的な製造方法を提供できる。
以下に本発明を詳細に説明する。
Arで示されるピレニル基としては、1−ピレニル基、2−ピレニル基、又は4−ピレニル基を挙げることができる。9−アリール化反応における触媒活性が高く、ホスフィン化合物の合成における原料入手が容易な点で、1−ピレニル基又は4−ピレニル基が好ましい。
これらのピレニル基は、メチル基、エチル基、若しくはプロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、又はtert−ブチル基で例示される炭素数3から4の直鎖又は分岐のアルキル基で置換されていてもよい。すなわち、Arの具体的としては、特に限定するものではないが、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−メチルピレン−1−イル基、2−メチルピレン−4−イル基、1−メチルピレン−2−イル基、1−メチルピレン−4−イル基、4−メチルピレン−1−イル基、4−メチルピレン−2−イル基、2−エチルピレン−1−イル基、2−エチルピレン−4−イル基、1−エチルピレン−2−イル基、1−エチルピレン−4−イル基、2−プロピルピレン−1−イル基、2−プロピルピレン−4−イル基、1−プロピルピレン−2−イル基、1−プロピルピレン−4−基、2−イソプロピルピレン−1−イル基、2−イソプロピルピレン−4−イル基、1−イソプロピルピレン−2−イル基、1−イソプロピルピレン−4−イル基、2−tert−ブチルピレン−1−イル基、2−tert−ブチルピレン−4−イル基、1−tert−ブチルピレン−2−イル基、1−tert−ブチルピレン−4−イル基、2,7−ジメチルピレン−1−イル基、2,7−ジメチルピレン−4−イル基、2,7−ジエチルピレン−1−イル基、2,7−ジエチルピレン−4−イル基、2,7−ジ−tert−ブチルピレン−1−イル基、2,7−ジ−tert−ブチルピレン−4−イル基等を挙げることができる。
Arで表される基については、9−アリール化反応における触媒活性が高く、ホスフィン化合物の合成における原料入手が容易な点で、メチル基、エチル基、若しくは炭素数3〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基で置換されていてもよい1−ピレニル基、又はメチル基、エチル基、若しくは炭素数3〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基で置換されていてもよい4−ピレニル基が好ましく、1−ピレニル基、4−ピレニル基、2,7−ジメチルピレン−1−イル基、2,7−ジメチルピレン−4−イル基、又は2,7−ジ−tert−ブチルピレン−4−イル基がさらに好ましい。
本発明のホスフィン化合物(1)としては、特に限定するものではないが、例えば、以下の(1−1)〜(1−39)に示す構造の化合物を具体的に例示することができる。なお、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基、iPrはイソプロピル基、tBuはtert−ブチル基を示す。
Figure 2019011286
Figure 2019011286
Figure 2019011286
(1−1)〜(1−39)に示すホスフィン化合物のうち、9−アリール化反応における触媒活性が高い点及びホスフィン化合物の合成における原料の入手が容易な点で、(1−1)、(1−3)、(1−34)、(1−35)、(1−38)、又は(1−39)に示すホスフィン化合物が好ましい。
本発明のホスフィン化合物(1)は、例えばJournal of the American Chemical Society,126巻,13028−13032ページ,2004年に記載の方法又は参考例1に開示した方法に従がって調製した2−ピレニルフェニル金属試薬と、ジ−tert−ブチルクロロホスフィンとを反応させることで製造することができる。また、Advanced Synthesis&Catalysis,350巻,652−656ページ(2008年)に記載された方法に従い、ジ−tert−ブチルクロロホスフィンと1−(2−ハロフェニル)ピレンとを反応させることでも本発明のホスフィン化合物を得ることができる。
本発明のパラジウム触媒は、ホスフィン化合物(1)とパラジウム化合物とを混合することで調製することができる。パラジウム化合物としては、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム等の0価パラジウム化合物や塩化パラジウム、臭化パラジウム、酢酸パラジウム、π−アリルパラジウムクロリドダイマー、ビス(アセチルアセトナト)パラジウム、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム、ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム等の二価パラジウム化合物を例示することができる。9−アリール化反応における触媒活性が高い点で、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、酢酸パラジウム又はπ−アリルパラジウムクロリドダイマーが好ましい。
本発明のパラジウム触媒の調製に用いるホスフィン化合物(1)及びパラジウム化合物のモル比は、ホスフィン化合物(1):パラジウム化合物=1:5〜10:1の範囲にあることが好ましく、ホスフィン化合物(1):パラジウム化合物=2:5〜5:1の範囲にあることがさらに好ましい。
本発明のパラジウム触媒の調製は溶媒中で行ってもよく、該溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、シクロペンチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン、メチル−tert−ブチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、トルエン、ベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒が例示できる。9−アリール化反応における触媒活性が高い点で、o−キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン又は1,4−ジオキサンが好ましい。
本発明のパラジウム触媒は、反応系中で調製した後、単離することなく、カップリング反応等に用いることができる。また、濃縮、再結晶等、当業者の良く知る方法で単離してもよい。
本発明のカップリング用触媒は、本発明に関わる9H−カルバゾールの9−アリール化反応や、バックワルド−ハートウィグアミノ化反応のような炭素−窒素結合を形成するカップリング反応用の触媒として有効であるばかりでなく、例えば、鈴木カップリング、熊田カップリング、根岸カップリング、スティレカップリング、薗頭カップリング、ヘック反応等の炭素−炭素結合を形成するカップリング反応の触媒として用いることができる。
次に本発明を実施例、参考例及び比較例によってさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
なお、H−NMRの測定には、Bruker ASCEND 400(400MHz)を用いた。H−NMRは、重クロロホルム(CDCl)を測定溶媒とし、内部標準物質としてテトラメチルシラン(TMS)を用いて測定した。また、試薬類は市販品を用いた。HPLCは、Waters2690を用いて測定した。カラムはZORBAX Eclipsa XDB−C18を、溶離液はメタノール/テトラヒドロフラン=9/1の混合溶媒を用い、254nmの吸収を検出した。GCは、Shimadzu GC−14Bを用いて測定した。
比較例−1
Figure 2019011286
アルゴン雰囲気下、反応容器に9H−カルバゾール 167mg(1.0mmol)、4−ブロモアニソール 187mg(1.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム 13.8mg(15μmol)、ナトリウムtert−ブトキシド 125mg(1.3mmol)、トルエン 2mL及び2−ジシクロヘキシルホスフィノ−1,1’−ビフェニル 10.5mg(30μmol)加えた。反応容器を密閉した後、120℃で12時間攪拌した。反応容器を室温まで冷却した後、ガスクロマトグラフィーにより9−(4−メトキシフェニル)−9H−カルバゾールの生成を確認した(GC収率14%)。混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:0〜19:1)を用いて精製することにより、9−(4−メトキシフェニル)−9H−カルバゾールの白色固体を得た。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm):8.14(d,J=7.8Hz,2H),7.45(d,J=8.9Hz,2H),7.42−7.24(m,6H),7.11(d,J=8.9Hz,2H),3.91(s,3H).
比較例−2
2−ジシクロヘキシルホスフィノ−1,1’−ビフェニル 10.5mg(30μmol)に替えて1−(2−ジシクロヘキシルホスフィノフェニル)ナフタレン 12.0mg(30μmol)を用いた以外は全て比較例−1と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーにより9−(4−メトキシフェニル)−9H−カルバゾールの生成を確認した(GC収率26%)。
比較例−3
2−ジシクロヘキシルホスフィノ−1,1’−ビフェニル 10.5mg(30μmol)に替えて9−(2−ジシクロヘキシルホスフィノフェニル)フェナントレン 13.5mg(30μmol)を用いた以外は全て比較例−1と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーにより9−(4−メトキシフェニル)−9H−カルバゾールの生成を確認した(GC収率26%)。
比較例−4
2−ジシクロヘキシルホスフィノ−1,1’−ビフェニル 10.5mg(30μmol)に替えてトリ−tert−ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート 8.7mg(30μmol)を用いた以外は全て比較例−1と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーにより9−(4−メトキシフェニル)−9H−カルバゾールの生成を確認した(GC収率19%)。
比較例−5
2−ジシクロヘキシルホスフィノ−1,1’−ビフェニル 10.5mg(30μmol)に替えて2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジイソプロポキシ−1,1’−ビフェニル 14.0mg(30μmol)を用いた以外は全て比較例−1と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーにより9−(4−メトキシフェニル)−9H−カルバゾールの生成を確認した(GC収率12%)。
比較例−6
2−ジシクロヘキシルホスフィノ−1,1’−ビフェニル 10.5mg(30μmol)に替えて2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル 14.3mg(30μmol)を用いた以外は全て比較例−1と同じ操作を行い、ガスクロマトグラフィーにより9−(4−メトキシフェニル)−9H−カルバゾールの生成を確認した(GC収率44%)。
参考例−1
Figure 2019011286
アルゴン雰囲気下、反応容器に1−ピレンボロン酸 2.99g(12.1mmol)、2−ブロモヨードベンゼン 3.76g(13.3mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム 700mg(0.61mmol)、2.0M−炭酸ナトリウム水溶液 15mL(7.5mmol)、トルエン 20mL及びエタノール 15mLを加えた。この反応混合物を90℃に加熱し、9時間撹拌した。室温まで冷却後、溶媒を減圧下で留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液ヘキサン)で精製することにより、1−(2−ブロモフェニル)ピレンを得た(白色固体、3.20g,9.0mmol,収率75%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm):8.25−8.16(m,3H),8.11(brs,2H),8.03−7.99(m,2H),7.89(d,J=7.8Hz,1H),7.80(d,J=7.8Hz,1H),7.70(d,J=9.2Hz,1H),7.48−7.47(m,2H),7.38−7.34(m,1H).
実施例−1
Figure 2019011286
アルゴン雰囲気下、1−(2−ブロモフェニル)ピレン 1.43g(4.0mmol)のテトラヒドロフラン 25mL溶液を−78℃に冷却した後、2.7Mブチルリチウムヘキサン溶液 1.8mL(4.8mmol)を加えて1時間撹拌した。同温にて、この混合物にヨウ化第一銅 396mg(4.0mmol)を加えた後、ジ−tert−ブチルクロロホスフィン 0.91mL(4.8mmol)を滴下し、70℃で14時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、酢酸エチル 150mLを加え、さらに飽和塩化アンモニウム水溶液 40mL、12%アンモニア水溶液 50mL(3回)、飽和塩化ナトリウム水溶液 50mLで順次洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した後、固体をろ別し、ろ液から溶媒を減圧下で除去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液ヘキサン/クロロホルム)で精製することにより、1−[2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェニル]ピレンを得た(淡黄色固体、510mg,1.2mmol,収率30%)。
H−NMR(CDCl、400MHz)δ(ppm):8.19−8.13(m,2H),8.12−8.01(m,4H),7.99−7.94(m,1H),7.92−7.86(m,2H),7.72−7.67(m,1H),7.51−7.44(m,2H),7.42−7.35(m,1H)1.21(d,J=11.6Hz,9H),1.04(d,J=11.6Hz,9H).
31P−NMR(CDCl,161MHz)δ(ppm):19.3.
実施例−2
アルゴン雰囲気下、反応容器に9H−カルバゾール 167mg(1.0mmol)、4−ブロモアニソール 187mg(1.0mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム 13.8mg(15μmol)、ナトリウムtert−ブトキシド 125mg(1.3mmol)、トルエン 2mL及び1−[2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェニル]ピレン 12.7mg(30μmol)を加えた。反応容器を密閉した後、120℃で12時間攪拌した。反応溶液を室温まで冷却した後、ガスクロマトグラフィーにより、9−(4−メトキシフェニル)−9H−カルバゾールが、9H−カルバゾールに対して96%生成をしていることを確認した。反応溶液に水 25mLを加え、酢酸エチル 20mLで3回抽出した。酢酸エチル層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8/1)で精製し、9−(4−メトキシフェニル)−9H−カルバゾールを白色固体として得た(259mg,収率95%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm):8.14(d,J=7.8Hz,2H),7.45(d,J=8.9Hz,2H),7.42−7.24(m,6H),7.11(d,J=8.9Hz,2H),3.91(s,3H).
実施例−3
Figure 2019011286
アルゴン雰囲気下、反応容器に(4−ブロモフェニル)フェニルアミン 248mg(1.0mmol)、9H−カルバゾール 176mg(1.1mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム 4.6mg(5.0μmol)、1−[2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)フェニル]ピレン 14.8mg(35μmol)、ナトリウムtert−ブトキシド 144mg(1.5mmol)及びo−キシレン 3mLを加えた後、140℃に加熱し、15時間撹拌した。反応溶液を室温まで冷却後、水 25mL、酢酸エチル 20mLと内部標準物質として9−(p−トリル)−9H−カルバゾールを加え、酢酸エチル層が均一になるまで撹拌した。酢酸エチル層 0.2mLを採取し、テトラヒドロフラン 4mLで希釈後、HPLCで分析することにより、9−[4−(フェニルアミノ)フェニル]−9H−カルバゾールが(4−ブロモフェニル)フェニルアミンに対して98%生成していることを確認した。酢酸エチル層を飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで脱水した。ろ過後、溶媒を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=8/1)で精製し、9−[4−(フェニルアミノ)フェニル]−9H−カルバゾールを白色固体として得た(324mg、収率97%)。
H−NMR(CDCl,400MHz)δ(ppm):8.17−8.12(m,2H),7.44−7.31(m,8H),7.30−7.23(m,4H),7.22−7.17(m,2H),7.04−6.98(m,1H),5.88(brs,1H).

Claims (5)

  1. 一般式(1)
    Figure 2019011286
    (式中、Arは、メチル基、エチル基、又は炭素数3〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基で置換されていてもよいピレニル基を示す。)
    で表されるホスフィン化合物。
  2. Arが、メチル基、エチル基、又は炭素数3〜4の直鎖若しくは分岐のアルキル基で置換されていてもよい1−ピレニル基又は4−ピレニル基である請求項1に記載のホスフィン化合物。
  3. Arが、1−ピレニル基である請求項1に記載のホスフィン化合物。
  4. 9H−カルバゾールの触媒的9−アリール化反応による9−アリール−9H−カルバゾールの製造方法において、パラジウム化合物と請求項1に記載のホスフィン化合物からなるパラジウム触媒を用いることを特徴とする9−アリール−9H−カルバゾールの製造方法。
  5. パラジウム化合物が、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、酢酸パラジウム又はπ−アリルパラジウムクロリドダイマーである請求項4に記載の製造方法。
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