JP2005255561A - 多置換ピリミジン及びその選択的製造方法 - Google Patents

多置換ピリミジン及びその選択的製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 発光材料等に好適な多置換ピリミジンの選択的製造方法の提供。
【解決手段】 元素の長周期型周期表における第13〜16族から選択される原子を含む有機基が該原子を介して結合したピリミジンにおける、有機基に対してメタ位に位置する2つの炭素原子の内の、第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を含む第一のπ電子含有化合物を反応させて該第一π電子含有基を結合させ、第二の炭素原子に対し、第二π電子含有基を含む第二のπ電子含有化合物を反応させて第二π電子含有基を結合させた後、有機基を、第三π電子含有基を含む第三のπ電子含有化合物を反応させて第三π電子含有基で置換させる多置換ピリミジンの選択的製造方法。第一〜第三π電子含有基が、アリ−ル基、ヘテロアリ−ル基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択される態様、有機基を第三π電子含有基で置換させる反応がクロスカップリング反応である態様などが好ましい。
【選択図】 なし

Description

本発明は、エストロゲン受容体のアゴニスト・アンタゴニストや、発光材料等として各種分野に好適な多置換ピリミジン及び効率的なその選択的製造方法に関する。
多置換ピリミジンは、エストロゲン受容体のアゴニスト・アンタゴニストや、特に発光材料等として有望であることから、その選択的かつ効率的な合成方法の開発が望まれている。
従来においては、例えば、下記スキ−ムで表されるクロスカップリング反応により、ピリミジンに置換基を導入することが知られている。
また、下記スキ−ムで表されるアルキル性環化反応により、ピリミジンの環化合成を利用して置換基をピリミジンに導入することが知られている(非特許文献1参照)。
また、下記スキ−ムで表される付加・酸化反応により、ピリミジンに置換基を導入することが知られている(非特許文献2参照)。
しかし、これらの場合、置換基の導入位置を制御することができず、選択的かつ効率よく所望の多置換ピリミジンを合成することができないという問題がある。
Kakiya,H.;Yagi,K.;Shinokubo,H.;Oshima,K., J.Am.Chem.Soc.2002,124,9032 Bredereck,H.Gompper,R.;Herlinger,H., Angew.Chem.1958,70,571
本発明は、従来における前記問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、エストロゲン受容体のアゴニスト・アンタゴニストや、発光材料等として各種分野に好適な多置換ピリミジン及び効率的なその選択的製造方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、ピリミジン環に置換した置換基に対してメタ位に位置する炭素原子にπ電子含有基を導入し、その後に前記置換基をπ電子含有基で置換させることにより、所望の多置換ピリミジンを効率的にかつ選択的に合成可能であるとの知見を得た。本発明は、本発明者らによる前記知見に基づくものであり、前記課題を解決するための手段は、以下の通りである。即ち、
<1> 元素の長周期型周期表における第13族から第16族から選択される原子を含む有機基が該原子を介して結合したピリミジンにおける、
該有機基に対してメタ位に位置する2つの炭素原子の内の、第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を含む第一のπ電子含有化合物を反応させて該第一π電子含有基を結合させ、第二の炭素原子に対し、第二π電子含有基を含む第二のπ電子含有化合物を反応させて該第二π電子含有基を結合させた後、
前記有機基を、第三π電子含有基を含む第三のπ電子含有化合物を反応させて該第三π電子含有基で置換させることを特徴とする多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<2> 原子が、S原子、Si原子、Se原子、O原子、Ge原子、Sn原子、Pb原子及びB原子のいずれかである前記<1>に記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<3> 第一π電子含有基、第二π電子含有基、及び第三π電子含有基が、アリ−ル基、ヘテロアリ−ル基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択される前記<1>から<2>のいずれかに記載のオレフィン結合複数含有化合物の選択的製造方法である。
<4> 第一のπ電子含有化合物及び第二のπ電子含有化合物が、アリ−ル基、ヘテロアリ−ル基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択されるπ電子含有基を含む金属塩である前記<1>から<3>のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<5> 金属塩がリチウム塩である前記<4>に記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<6> 第一の炭素原子に対し第一π電子含有基を結合させる反応、及び、第二の炭素原子に対し第二π電子含有基を結合させる反応が、触媒を用いて行われる前記<1>から<5>のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<7> 触媒が、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンを含む前記<6>に記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<8> 第二の炭素原子に第二π電子含有基を結合させる反応が、該第一の炭素原子に第一π電子含有基を結合させる反応の際に用いた触媒及び反応容器を用いて行われる前記<1>から<7>のいずれかに記載のオレフィン結合複数含有化合物の選択的製造方法である。
<9> 有機基が、ピリミジン環における2つの窒素原子と隣接する2位の炭素原子に結合している前記<1>から<8>のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<10> 有機基を、第三π電子含有基を含む第三のπ電子含有化合物を反応させて該第三π電子含有基で置換させる反応が、クロスカップリング(Cross−Coupling)反応である前記<1>から<9>のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<11> クロスカップリング(Cross−Coupling)反応が、金属触媒の存在下で行われる前記<10>に記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<12> 金属触媒がニッケル触媒である前記<11>に記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<13> 第三のπ電子含有化合物が、アリ−ル基、ヘテロアリ−ル基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択されるπ電子含有基を含むマグネシウム含有ハロゲン化物である前記<1>から<12>のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<14> 多置換ピリミジンが、ピリミジン環における、2位、4位及び6位に位置する炭素原子にπ電子含有基が置換したピリミジンである前記<1>から<13>のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<15> (1)第一のπ電子含有化合物、第二のπ電子含有化合物、及び第三のπ電子含有化合物が1価の化合物である、(2)第一のπ電子含有化合物及び第二のπ電子含有化合物が1価の化合物であり、第三のπ電子含有化合物が2価の化合物である、(3)第一のπ電子含有化合物及び第三のπ電子含有化合物が1価の化合物であり、第二のπ電子含有化合物が2価の化合物である、(4)第一のπ電子含有化合物が1価の化合物であり、第二のπ電子含有化合物及び第三のπ電子含有化合物が2価の化合物である、(5)第一のπ電子含有化合物が2価のアリ−ル化合物であり、第二のπ電子含有化合物及び第三のπ電子含有化合物が1価のアリ−ル化合物である、(6)第一のπ電子含有化合物及び第三のπ電子含有化合物が2価のアリ−ル化合物であり、第二のπ電子含有化合物が1価のアリ−ル化合物である、並びに、(7)第一のπ電子含有化合物及び第二のπ電子含有化合物が2価のアリ−ル化合物であり、第三のπ電子含有化合物が1価のアリ−ル化合物である、の少なくともいずれかである前記<1>から<14>のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法である。
<16> 前記<1>から<15>のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法により製造されることを特徴とする多置換ピリミジンである。
<17> ピリミジン環における、2位、4位及び6位に位置する炭素原子にπ電子含有基が置換してなる前記<16>に記載の多置換ピリミジンである。
本発明によると、従来における問題を解決することができ、発光材料等をはじめとする各種分野に好適な多置換ピリミジン及び効率的なその選択的製造方法を提供することができる。
(多置換ピリミジン及びその選択的製造方法)
本発明の多置換ピリミジンの選択的製造方法は、特定の有機基が結合したピリミジンにおける、該有機基に対してメタ位に位置する2つの炭素原子の内の、第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を含む第一のπ電子含有化合物を反応させて該第一π電子含有基を結合させ(第一π電子含有基結合工程)、第二の炭素原子に対し、第二π電子含有基を含む第二のπ電子含有化合物を反応させて該第二π電子含有基を結合させた後(第二π電子含有基結合工程)、前記有機基を、第三π電子含有基を含む第三のπ電子含有化合物を反応させて該第三π電子含有基で置換させる(第三π電子含有基結合工程)ことを含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程を含む。
本発明の多置換ピリミジンは、本発明の前記多置換ピリミジンの選択的製造方法により好適に製造することができる。
以下、本発明の多置換ピリミジンの選択的製造方法の説明を通じて本発明の前記多置換ピリミジンの内容も明らかにする。
−ピリミジン−
本発明においては、反応に用いるピリミジンが、元素の長周期型周期表における第13族から第16族から選択される原子を含む有機基により置換されているものを使用する。該有機基が、前記原子を介して前記ピリミジンに結合している。
前記原子としては、元素の長周期型周期表における第13族から第16族から選択されるが、これらの中でも、S原子、Si原子、Se原子、O原子、Ge原子、Sn原子、Pb原子及びB原子のいずれかから選択されるものが好ましく、S原子がより好ましい。
前記原子を含む有機基の前記ピリミジンにおける置換位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ピリミジン環を形成する2つの窒素原子に隣接し、該ピリミジン環における2位の位置の炭素原子の位置であるのが好ましい。
前記有機基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルキルチオ基などが好適に挙げられ、具体的には、メチルチオ基がより好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−第一π電子含有基結合工程−
前記第一π電子含有基結合工程は、前記ピリミジンにおける、前記有機基に対してメタ位に位置する2つの炭素原子の内の、第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を含む第一のπ電子含有化合物を反応させて該第一π電子含有基を結合させる工程である。
前記第一のπ電子含有化合物としては、π電子含有基を含んでいれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、第一π電子含有基を含む金属塩、などが好適に挙げられる。
前記第一π電子含有基としては、π電子を含んでいる基であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1価の基であってもよいし、2価の基であってもよく、例えば、アリ−ル基、ヘテロアリ−ル基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択されるものが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リチウム塩、などが好適に挙げられる。なお、前記金属塩における前記リチウム等の金属は、前記第一π電子含有基結合工程において、前記第一π電子含有基をピリミジンに結合させる際に触媒として機能する。
前記第一π電子含有基の中でも、例えば、前記アリ−ル基については、1価のものとしては、下記構造式a〜qのいずれかで表されるものが好ましく、2価のものとしては、下記構造式a〜qのいずれかで表される1価のものの任意の箇所に更に結合手を有しているものが好ましい。
−−反応−−
前記第一の炭素原子に1価又は2価の前記第一のπ電子含有化合物を反応させる際の該反応としては、例えば、触媒を用いて行われるのが好ましい。
前記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、金属触媒などが好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記金属触媒としては、例えば、リチウム触媒、などが好適に挙げられる。なお、該金属触媒は、前記第一のπ電子含有化合物に含まれる前記リチウム等の金属を該金属触媒として使用することもできる。
前記金属触媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常、0.01〜10M程度であり、0.1〜5Mが好ましい。
本発明においては、前記反応の際に、前記金属触媒のみならず、更に2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)を触媒として用いるのが好ましい。
前記DDQの使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常、0.01〜10M程度であり、0.1〜5Mが好ましい。
前記反応の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常、−20〜40℃程度であり、−5〜10℃が好ましい。
なお、該反応は、公知のものの中から適宜選択した反応容器中で混合乃至攪拌等することにより行うことができ、前記アルケン化合物を有機溶媒に溶解させた状態で好適に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチルエ−テル、ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの有機溶媒の中でも、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフランなどが好ましい。
前記第一π電子含有基結合工程により、前記ピリミジンにおける、前記有機基に対してメタ位に位置する前記第一の炭素原子に、前記第一π電子含有基(アリ−ル基、ヘテロアリ−ル基、アルケニル基、アルキニル基など)が選択的に結合(導入)される。
−第二π電子含有基結合工程−
前記第二π電子含有基結合工程は、前記ピリミジンにおける、前記有機基に対してメタ位に位置する前記第二の炭素原子に対し、第二π電子含有基を含む1価又は2価の第二のπ電子含有化合物を反応させて該第二π電子含有基を結合させる工程である。
前記第二π電子含有基としては、前記第一π電子含有基と同様のものが好適に挙げられる。前記第二のπ電子含有化合物としては、前記第一のπ電子含有化合物と同様のものが好適に好適に挙げられる。
なお、前記第二のπ電子含有化合物は、前記第一のπ電子含有化合物と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
前記第二の炭素原子に1価又は2価の前記第二のπ電子含有化合物を反応させる際の該反応としては、前記第一π電子含有基結合工程と同様の反応、条件が好適に挙げられる。また、該反応は、前記第一π電子含有基結合工程において使用した触媒とは別の触媒を使用してもよいし、前記第一π電子含有基結合工程において使用した触媒をそのまま該第二π電子含有基結合工程において好適に使用することができる。更に、該反応を、前記第一π電子含有基結合工程を行ったのと同じ反応容器中で行うことができる。この場合、反応容器、触媒、有機溶媒等を前記第一π電子含有基結合工程と該第二π電子含有基結合工程との間で交換等する手間が不要で効率的であり、この場合をワンポット(ONE−POT)処理と称することがある。
前記第二π電子含有基結合工程により、前記ピリミジンにおける、前記有機基に対してメタ位に位置する前記第二の炭素原子に前記第二π電子含有基が選択的に結合(導入)される。
以上の第一π電子含有基結合工程及び第二π電子含有基結合工程により、ピリミジンにおける、前記有機基に対してメタ位に位置する前記第一の炭素原子及び前記第二の炭素原子に、前記第一π電子含有基及び前記第二π電子含有基がそれぞれ選択的に結合したピリミジンが得られる。
−第三π電子含有基結合工程−
前記第三π電子含有基結合工程は、ピリミジンにおける前記有機基を、前記第三π電子含有基を含む1価又は2価の第三のπ電子含有化合物を用いて該第三π電子含有基により置換させる工程である。
前記第三のπ電子含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、1価又は2価の化合物が挙げられ、ハロゲン化物や、マグネシウム含有化合物などが特に好適に挙げられる。
なお、前記マグネシウム含有化合物としては、例えば、π−MgX、又は、XMg−π−MgX、の式で表される化合物などが好適に挙げられる。該式中、πは、前者では1価のπ電子含有基を表し、後者では2価のπ電子含有基を表し、アリ−ル基、ヘテロアリ−ル基、アルケニル基、アルキニル基などが好適に挙げられ、Mgはマグネシウム原子を表し、Xはハロゲン(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)を表す。前記第三π電子含有基は、前記第一π電子含有基及び前記第二π電子含有基と同じであってもよいし、異なっていてもよい。
前記第三π電子含有基としては、π電子を含んでいる基であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、前記第一π電子含有基、前記第二π電子含有基と同様のものが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−反応−−
前記有機基を前記第三π電子含有基で置換する際の該反応としては、例えば、クロスカップリング(Cross−Coupling)反応が特に好適に挙げられる。
該クロスカップリング(Cross−Coupling)反応によると、前記第一π電子含有基結合工程及び前記第二π電子含有基結合工程により、前記ピリミジンに結合した前記第一π電子含有基及び前記第二π電子含有基を攻撃することなく、該ピリミジンにおける前記有機基(シラン誘導基、スルフィド誘導基など)を前記第三π電子含有基により置換させることができる。
前記クロスカップリング(Cross−Coupling)反応は、例えば、(a) Okamura, H.; Miura, M.; Takei, H. Tetrahedron Lett. 1979, 43. (b) Wenkert, E.; Ferreira, T. W.; Michelotti, E. L. Chem. Commun. 1979, 637. (c) Luh, T.−Y.; Ni, Z.−J. Synthesis 1990, 89、などの文献に記載されている通りである。
前記クロスカップリング(Cross−Coupling)反応の条件としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、遷移金属触媒の存在下で行われるのが好ましい。
前記遷移金属触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ニッケル触媒が好適に挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記ニッケル触媒の中でも、NiCl等のNi塩が特に好ましい。
前記遷移金属触媒の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常20モル%以下であり、10モル%以下が好ましく、3〜7モル%がより好ましい。
前記第三π電子含有基結合工程におけるクロスカップリング(Cross−Coupling)反応の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、通常、40〜120℃程度であり、50〜100℃が好ましく、45℃以上75℃未満がより好ましい。
なお、該反応は、公知のものの中から適宜選択した反応容器中で混合乃至攪拌等することにより行うことができ、前記第二π電子含有基結合工程を行った反応液中で好適に行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの有機溶媒の中でも、トルエン、テトラヒドロフランなどが好ましい。
前記第三π電子含有基結合工程により、前記ピリミジンにおける前記有機基が、前記第三π電子含有基により選択的に置換(導入)される。
上述の第三π電子含有基結合工程により、前記ピリミジンにおける、前記有機基が前記第三π電子含有基により選択的に置換され、本発明の多置換ピリミジンが選択的に合成される。
本発明の多置換ピリミジンの選択的製造方法においては、下記スキ−ムに示す通り、例えば、フェニルリチウム及び前記DDQを用い、フェニル基を前記第一π電子含有基及び前記第二π電子含有基とし、リチウム及び前記DDQを触媒とした前記第一π電子含有基結合工程及び第二π電子含有基結合工程により、ピリミジンにおける、前記有機基に対してメタ位に位置する前記第一の炭素原子及び前記第二の炭素原子に、前記第一π電子含有基及び前記第二π電子含有基がそれぞれ選択的に置換し(導入され)、例えば、フェニル臭化マグネシウム及びNi塩を用い、フェニル基を前記第三π電子含有基とし、Niを触媒とした前記第三π電子含有基結合工程により、前記有機基が前記第三π電子含有基により選択的に置換され、本発明の多置換ピリミジンが選択的に合成される。なお、前記第一π電子含有基及び前記第二π電子含有基は、上述したワンポット(ONE−POT)処理にて行うことができる。この場合、本発明の多置換ピリミジンの合成を効率に行うことができる。
上述の本発明の多置換ピリミジンの選択的製造方法においては、(1)第一のπ電子含有化合物、第二のπ電子含有化合物、及び第三のπ電子含有化合物が1価の化合物である態様(下記反応スキ−ムの一番上の段)、(2)第一のπ電子含有化合物及び第二のπ電子含有化合物が1価の化合物であり、第三のπ電子含有化合物が2価の化合物である態様(下記反応スキ−ムの上から2番目の段)、(3)第一のπ電子含有化合物及び第三のπ電子含有化合物が1価の化合物であり、第二のπ電子含有化合物が2価の化合物である態様(下記反応スキ−ムの上から3番目の段)、(4)第一のπ電子含有化合物が1価の化合物であり、第二のπ電子含有化合物及び第三のπ電子含有化合物が2価の化合物である態様(下記反応スキ−ムの上から4番目の段)、(5)第一のπ電子含有化合物が2価のアリ−ル化合物であり、第二のπ電子含有化合物及び第三のπ電子含有化合物が1価のアリ−ル化合物である態様(下記反応スキ−ムの上から5番目の段)、(6)第一のπ電子含有化合物及び第三のπ電子含有化合物が2価のアリ−ル化合物であり、第二のπ電子含有化合物が1価のアリ−ル化合物である態様(下記反応スキ−ムの上から6番目の段)、並びに、(7)第一のπ電子含有化合物及び第二のπ電子含有化合物が2価のアリ−ル化合物であり、第三のπ電子含有化合物が1価のアリ−ル化合物である態様(下記反応スキ−ムの上から6番目及び7番目の段)、が好ましい。
これらの好ましい態様で製造された多置換ピリミジンは、ピリミジン環における2位、4位及び6位の炭素原子がπ電子含有基で置換された構造を有しており、下記スキ−ムで表される反応により、下記スキ−ムの右側に示す構造のいずれかの構造を有する。
ただし、上記中、nは、重合度を表し、πは、π電子含有基(アリ−ル基、ヘテロアリ−ル基、アルケニル基、アルキニル基など)を表す。
本発明の多置換ピリミジンの選択的製造方法によれば、前記第一π電子含有基及び前記第二π電子含有基を、前記有機基に対してメタ位に位置する前記第一の炭素原子及び前記第二の炭素原子にそれぞれ選択的かつ効率よく結合(置換)させることができ、前記第三π電子含有基を前記有機基により選択的にかつ効率よく置換されることができ、所望の構造を有する多置換ピリミジンを選択的かつ効率的に製造することができる。
本発明の前記多置換ピリミジンの選択的製造方法により製造された本発明の前記多置換ピリミジンは、各種分野において好適に使用可能であるが、発光材料として特に好適に使用することができる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
以下のようにして、多置換ピリミジンを選択的に合成した。
−第一π電子含有基結合工程−
原料としての下記1で表される2−メチルチオピリミジン63.6mg(0.50mmol)のジエチルエ−テル溶液1.5mLに対して、前記第一のπ電子含有化合物としてのフェニルリチウム0.525mmol(0.93Mシクロヘキサン・エ−テル溶液)を0℃で滴下した。なお、前記フェニルリチウムにおけるフェニル基が前記第一π電子含有基であり、前記リチウムが前記触媒として機能する。0℃で1時間攪拌した後、反応溶液にHO(1mL)を加えた。混合物をCHClで抽出(1mL×4)し、有機層をMgSOで乾燥した。有機層を濃縮し、付加体の粗生成物を得た。これをテトラヒドロフラン(1.5mL)に溶かし、その溶液に対してHO(1.5mL)及び酢酸(14mL)を加え、更に、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)116.3mg(0.51mmol)のテトラヒドロフラン(1.5mL)溶液を加えた。室温で15分間攪拌した後、混合物に3MのNaOH水溶液(0.18mL)とHO(10mL)とを加えた。混合物をジエチルエ−テルで抽出(10mL×3)し、有機層をMgSOで乾燥した。有機層を濃縮することで粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィ−により、下記2で表されるピリミジン化合物101.2mg(収率:>99%)を白色の固体として得た。
得られたピリミジン化合物は、ピリミジン環における、前記有機基としてのメチルチオ基に対してメタ位に位置する第一の炭素原子(4位)にフェニル基が置換した構造を有し、そのH NMR(400 MHz,CDCl)の分析値は、δ2.65 (s, 3H), 7.36 (d, J = 5.2 Hz, 1H), 7.45−7.52 (m, 3H), 8.05−8.10 (m, 2H), 8.53 (d, J = 5.2 Hz, 2H)であり、13C NMR(100MHz,CDCl)の分析値は、δ14.4, 111.8, 127.0, 128.8, 131.0, 136.2, 157.4, 163.6, 172.6であった。
−第二π電子含有基結合工程−
次に、下記2で表される2−メチルチオ−4−フェニルピリミジン49.4mg(0.24mmol)のテトラヒドロフラン溶液1.0mLに対して、フェニルリチウム0.40mmol(0.87Mシクロヘキサン・エ−テル溶液)を0℃で滴下した。室温で4時間攪拌した後、反応溶液に酢酸23mLと、HO1.0mLとを加え、更に2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)61.6mg(0.27mmol)のテトラヒドロフラン溶液1.0mLを加えた。室温で45分間攪拌した後、混合物に3MのNaOH水溶液0.17mLを加えた。混合物を酢酸エチルで抽出(1mL×3)し、有機層をMgSOで乾燥した。有機層を濃縮することで粗生成物を得た。シリカゲルクロマトグラフィ−により、下記3で表されるピリミジン化合物67.9mg(収率:>99%)を白色の固体として得た。
得られたピリミジン化合物は、ピリミジン環における、前記有機基としてのメチルチオ基に対してメタ位に位置する第二の炭素原子(6位)にフェニル基が置換した構造を有し、そのH NMR(400MHz,CDCl)の分析値は、δ2.72 (s, 3H), 7.50−7.52 (m, 6H), 7.77 (s, 1H), 8.10−8.16 (m, 4H)であり、13C NMR(100MHz,CDCl)は、δ14.5, 107.8, 127.1, 128.7, 130.8, 136.8, 164.5, 172.6であった。
−第三π電子含有基結合工程−
次に、下記3で表される2−メチルチオ−4,6−ジフェニルピリミジン53.8mg(0.19mmol)と、NiCl(dppe)1.1mg(2.08μmol、1%)のトルエン溶液1.0mLに対して、フェニルMgBr0.30mmol(2.94Mテトラヒドロフラン溶液)を加えた。なお、該フェニルMgBrにおけるフェニル基が前記第三π電子含有基である。トルエン溶液を60℃で14時間攪拌した後、室温に戻し、1NのHCl1.0mLを加え、その後、炭酸水素ナトリウムで中和した。混合物を酢酸エチルで抽出(2mL×3)し、有機層をMgSOで乾燥した。有機層を濃縮することで粗生成物を得た後、シリカゲルクロマトグラフィ−により、下記4で表される多置換ピリミジン58.5mg(収率:>99%)を白色の固体として得た。
得られたピリミジン化合物は、ピリミジン環における、前記有機基がフェニル基により置換され(2位の炭素原子位置)、2,4,6−トリフェニルピリミジンの構造を有し、そのH NMR(400 MHz,CDCl)の分析値は、δ7.50−7.60 (m, 9H), 8.02 (s, 1H), 8.25−8.35 (m, 4H), 8.70−8.80 (m, 2H)であり、13C NMR(100MHz,CDCl)は、δ110.2, 127.1, 128.3, 128.4, 128.8, 130.5, 130.6, 137.4, 138.0, 164.3, 164.5であった。
(実施例2)
以下のようにして、多置換ピリミジンを選択的に合成した。
−第一π電子含有基結合工程−
原料としての下記5で表されるアリ−ルジブロミド82.7mg(0.151mmol)のジエチルエ−テル溶液1.5mLに対して、BuLi0.315mmol(1.52Mヘキサン溶液)を−78℃で滴下した。−78℃で30分間、室温で30分間攪拌した後、2−メチルチオピリミジン41.6mg(0.33mmol)を−78℃で滴下した。0℃で1時間、室温で3時間攪拌した後、反応溶液に酢酸20Lと、HO 1mLとの混合溶液を加えた。これに対して、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)74.9mg(0.33mmol)のテトラヒドロフラン(1.0mL)溶液を加え、室温で30分間攪拌した。3M NaOH水溶液(0.2mL)と、HO(10mL)を加えた後に、混合物をCHClで抽出(2mL×3)し、有機層をMgSOで乾燥した。有機層を濃縮し、付加体の粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィ−により精製すると、下記6で表されるピリミジン化合物59.4mg(収率59%)が得られた。
得られたピリミジン化合物H NMR(400MHz,CDCl)の分析値は、δ0.60−0.70 (m, 4H), 0.77 (t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.00−1.20 (m, 20H), 2.05−2.12 (m, 4H), 2.68 (s, 6H), 7.44 (d, J = 5.2 Hz, 2H), 7.84 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 8.09 (s, 2H), 8.12 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 8.55 (d, J = 5.2 Hz, 2H)であった。
−第二π電子含有基結合工程−
次に、得られた下記6で表されるピリミジン化合物51.1mg(0.08mmol)のテトラヒドロフラン(1.5mL)溶液に対してフェニルリチウム(PhLi)0.40mmol(0.92M シクロヘキサン/エ−テル溶液)を−78℃で滴下した。0℃で1時間、室温で2時間攪拌した後、反応溶液に酢酸(40μL)と、HO(2mL)との混合溶液を加えた。これに対して、2,3−ジクロロ−5,6−ジクロロ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)40.0mg(0.18mmol)のテトラヒドロフラン(2.0mL)溶液を加え、室温で30分間攪拌した。3M NaOH水溶液(0.2mL)と、HO(10mL)を加えた後に、混合物をCHClで抽出(2mL×3)し、有機層をMgSOで乾燥した。有機層を濃縮し、付加体の粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィ−により精製すると、下記7で表されるピリミジン化合物35.8mg(収率75%)が得られた。
得られたピリミジン化合物H NMR(400MHz,CDCl)の分析値は、δ0.65−0.75 (m, 4H), 0.76 (t, J = 6.8 Hz, 6H), 1.00−1.20 (m, 20H), 2.05−2.10 (m, 4H), 2.76 (s, 6H), 7.50−7.55 (m, 6H), 7.83 (s, 2H), 7.87 (d, J = 8.4 Hz, 2H), 8.15−8.20 (m, 8H)であった。
−第三π電子含有基結合工程−
得られた下記7で表されるピリミジン化合物34.0mg(0.06mmol)と、NiCl(dppe)1.0mg(1.8μmol)のトルエン(1.5mL)溶液に対して2−トリルマグネシウム・ブロミド0.30mmol(1.0M テトラヒドロフラン溶液)を加えた。溶液を60℃で24時間攪拌した後、室温に戻し、1N HCl(1.0mL)を加え、その後、炭酸水素ナトリウムで中和した。混合物をクロロホルムで抽出(4mL×3)し、有機層をMgSO4で乾燥した。有機層を濃縮することで粗生成物を得、シリカゲルクロマトグラフィ−により精製すると、下記8で表される多置換ピリミジン(三置換体)37.8mg(収率:>99%)が得られた。
得られたピリミジン化合物H NMR(400MHz,CDCl)の分析値は、δ0.70−0.85 (m, 10H), 1.05−1.10 (m, 20H), 2.18−2.25 (m, 4H), 2.47 (s, 6H), 7.36 (d, J = 8.2 Hz, 4H), 7.50−7.60 (m, 6H), 7.93 (d, J = 7.6 Hz, 2H), 8.04 (s, 2H), 8.25−8.35 (m, 8H), 8.64 (d, J = 8.0 Hz, 4H)であった。また、13C NMR(100MHz,CDCl)の分析値は、14.1, 21.7, 22.7, 24.1, 29.3, 29.4, 30.1, 31.9, 40.4, 55.7, 110.1, 120.5, 121.6, 126.5, 127.2, 128.3, 128.8, 129.1, 130.5, 135.4, 137.0, 137.7, 140.7, 142.9, 152.1, 164.4, 164.5, 164.6であった。
本発明の多置換ピリミジンは、例えば、各種分野において使用可能であり、発光材料等として好適に使用することができる。
本発明の多置換ピリミジンの選択的製造方法は、例えば、所望のπ電子含有基を2位、4位及び6位に選択的かつ効率的に置換させることができ、発光材料等に好適な多置換ピリミジンの選択的かつ効率的な製造に好適に使用可能である。

Claims (17)

  1. 元素の長周期型周期表における第13族から第16族から選択される原子を含む有機基が該原子を介して結合したピリミジンにおける、
    該有機基に対してメタ位に位置する2つの炭素原子の内の、第一の炭素原子に対し、第一π電子含有基を含む第一のπ電子含有化合物を反応させて該第一π電子含有基を結合させ、第二の炭素原子に対し、第二π電子含有基を含む第二のπ電子含有化合物を反応させて該第二π電子含有基を結合させた後、
    前記有機基を、第三π電子含有基を含む第三のπ電子含有化合物を反応させて該第三π電子含有基で置換させることを特徴とする多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  2. 原子が、S原子、Si原子、Se原子、O原子、Ge原子、Sn原子、Pb原子及びB原子のいずれかである請求項1に記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  3. 第一π電子含有基、第二π電子含有基、及び第三π電子含有基が、アリ−ル基、ヘテロアリ−ル基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択される請求項1から2のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  4. 第一のπ電子含有化合物及び第二のπ電子含有化合物が、アリ−ル基、ヘテロアリ−ル基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択されるπ電子含有基を含む金属塩である請求項1から3のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  5. 金属塩がリチウム塩である請求項4に記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  6. 第一の炭素原子に対し第一π電子含有基を結合させる反応、及び、第二の炭素原子に対し第二π電子含有基を結合させる反応が、触媒を用いて行われる請求項1から5のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  7. 触媒が、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノンを含む請求項6に記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  8. 第二の炭素原子に第二π電子含有基を結合させる反応が、該第一の炭素原子に第一π電子含有基を結合させる反応の際に用いた触媒及び反応容器を用いて行われる請求項1から7のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  9. 有機基が、ピリミジン環における2つの窒素原子と隣接する2位の炭素原子に結合している請求項1から8のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  10. 有機基を、第三π電子含有基を含む第三のπ電子含有化合物を反応させて該第三π電子含有基で置換させる反応が、クロスカップリング(Cross−Coupling)反応である請求項1から9のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  11. クロスカップリング(Cross−Coupling)反応が、金属触媒の存在下で行われる請求項10に記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  12. 金属触媒がニッケル触媒である請求項11に記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  13. 第三のπ電子含有化合物が、アリ−ル基、ヘテロアリ−ル基、アルケニル基、及びアルキニル基から選択されるπ電子含有基を含むマグネシウム含有ハロゲン化物である請求項1から12のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  14. 多置換ピリミジンが、ピリミジン環における、2位、4位及び6位の位置の炭素原子にπ電子含有基が置換したピリミジンである請求項1から13のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  15. (1)第一のπ電子含有化合物、第二のπ電子含有化合物、及び第三のπ電子含有化合物が1価の化合物である、(2)第一のπ電子含有化合物及び第二のπ電子含有化合物が1価の化合物であり、第三のπ電子含有化合物が2価の化合物である、(3)第一のπ電子含有化合物及び第三のπ電子含有化合物が1価の化合物であり、第二のπ電子含有化合物が2価の化合物である、(4)第一のπ電子含有化合物が1価の化合物であり、第二のπ電子含有化合物及び第三のπ電子含有化合物が2価の化合物である、(5)第一のπ電子含有化合物が2価のアリ−ル化合物であり、第二のπ電子含有化合物及び第三のπ電子含有化合物が1価のアリ−ル化合物である、(6)第一のπ電子含有化合物及び第三のπ電子含有化合物が2価のアリ−ル化合物であり、第二のπ電子含有化合物が1価のアリ−ル化合物である、並びに、(7)第一のπ電子含有化合物及び第二のπ電子含有化合物が2価のアリ−ル化合物であり、第三のπ電子含有化合物が1価のアリ−ル化合物である、の少なくともいずれかである請求項1から14のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法。
  16. 請求項1から15のいずれかに記載の多置換ピリミジンの選択的製造方法により製造されることを特徴とする多置換ピリミジン。
  17. ピリミジン環における、2位、4位及び6位の位置の炭素原子にπ電子含有基が置換してなる請求項16に記載の多置換ピリミジン。
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