JP2002047292A - フェニルボロン酸類およびトリフェニルボロキシン類の製造方法 - Google Patents
フェニルボロン酸類およびトリフェニルボロキシン類の製造方法Info
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Abstract
ボロキシンを高収率かつ低コストで製造する方法を提供
すること。 【解決手段】 下記式1で示されるフェニルグリニャー
ル試薬と、非エーテル系芳香族溶剤に溶解された下記式
2で示されるホウ酸エステルとを、−10〜+15℃で
反応させることにより、下記式3で示されるフェニルボ
ロン酸類を得る。さらにこのフェニルボロン酸類を脱水
することにより下記式4で示されるトリフェニルボロキ
シン類を得る。 【化1】 (式中、R1は2位、3位、4位、5位または6位の置換
基であり、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アル
コキシ基、ハロゲン原子を示す。nは1または2であ
り、n=2の場合、各R1は同一でもあるいは異なってもよ
い。R2は、アルキル基、フェニル基を示す。Xは、塩
素、臭素原子を示す。) また、前記非エーテル系芳香族溶剤は、トルエンまたは
ベンゼン、あるいはこれらの混合物を使用するのが好ま
しい。
Description
びトリフェニルボロキシン類の製造方法に関するもので
ある。より詳しくは、本発明はビフェニル化合物などの
合成原料としても有用なフェニルボロン酸類およびトリ
フェニルボロキシン類を安価に大量に製造する方法に関
するものである。
ェニルボロキシン類は、たとえば各種ビフェニル化合物
などを合成する際の出発物質となるために重要な化合物
である。これらの化合物の合成方法は、Organic Synthe
ses,Coll. Vol.IV, p68, John Wiley & Sons (196
3)に記載された方法が知られている。この文献に記載さ
れた方法では、アルキルボレートとフェニルグリニャー
ル試薬とを反応させてフェニルボロン酸を得ているが、
この反応は反応選択性が悪く、しかも温度により著しい
影響を受けやすい。すなわち、温度が高いとアルキルボ
レート1当量に対してフェニルグリニャール試薬が2当
量または3当量反応してしまい、ジフェニルボリン酸、
トリフェニルボランが生成する結果となる。このことか
ら選択性よくフェニルボロン酸類を得るためには、エー
テル溶媒中で、−60℃以下の温度で反応を行わなけれ
ばならない。しかしながら、合成のスケールを拡大し、
このような極低温で工業的に実施するためには、反応の
間、極低温に維持するための特殊な装置を必要とするこ
とから著しい困難さを伴う。したがって、工業的規模で
フェニルボロン酸およびトリフェニルボロキシンを製造
する場合、その採算性は満足できるものではなかった。
ェニルグリニャール試薬とアルキルボレートとを1:1.5
の比率で、エーテル系溶媒であるテトラヒドロフラン
(THF)溶剤中で、−10〜0℃で反応させ、フェニルボロ
ン酸が収率50〜70%で得られたことが記載されている。
しかし、この方法では、フェニルグリニャール試薬に対
してアルキルボレートを過剰に使用するために製造コス
トがかさむという問題があり、収率の点でもまだ改良の
余地があった。
意研究を重ねたところ、フェニルグリニャール試薬と、
非エーテル系芳香族溶剤に溶解されたホウ酸エステルと
を反応させると、驚くべきことに−10〜+15℃の温度で
反応を行っても選択性よく反応が進行し、フェニルボロ
ン酸およびトリフェニルボロキシンが極めて高収量で得
られることなどを見出して、本発明を完成するに至っ
た。しかも反応の際には、特殊な低温反応用の設備は必
要とせず、フェニルボロン酸類およびトリフェニルボロ
キシン類を工業的に安価にしかも容易に製造することが
実現できる。
よびトリフェニルボロキシン類を高収率かつ低コストで
容易に製造する方法を提供することである。
グリニャール試薬と、非エーテル系芳香族溶剤に溶解さ
れた下記式2で示されるホウ酸エステルとを、−10〜
+15℃で反応させることにより、下記式3で示される
フェニルボロン酸類を得ることを特徴としている。
は6位の置換基であり、水素原子、アルキル基、アルケ
ニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示す。nは1ま
たは2であり、n=2の場合、各R1は同一でもあるいは異
なってもよい。R2は、アルキル基、フェニル基を示す。
Xは、塩素、臭素原子を示す。) また、本発明は、下記式1で示されるフェニルグリニャ
ール試薬と、非エーテル系芳香族溶剤に溶解された下記
式2で示されるホウ酸エステルとを、−10〜+15℃
で反応させることにより、下記式3で示されるフェニル
ボロン酸類を生成させ、次いでこのフェニルボロン酸類
を脱水することにより下記式4で示されるトリフェニル
ボロキシン類を得ることを特徴としている。
は6位の置換基であり、水素原子、アルキル基、アルケ
ニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示す。nは1ま
たは2であり、n=2の場合、各R1は同一でもあるいは異
なってもよい。R2は、アルキル基、フェニル基を示す。
Xは、塩素、臭素原子を示す。) また、本発明による製造方法において、前記非エーテル
系芳香族溶剤が、トルエンまたはベンゼン、あるいはこ
れらの混合物であることが好ましい。
びトリフェニルボロキシン類の製造方法では、下記式1
で示されるフェニルグリニャール試薬と、非エーテル系
芳香族溶剤に溶解された下記式2で示されるホウ酸エス
テル(ボレート化合物)とを、−10〜+15℃で反応
させることにより下記式3で示されるフェニルボロン酸
類を生成させるとともに、さらにこのフェニルボロン酸
類を脱水することにより下記式4で示されるトリフェニ
ルボロキシン類を得ている。
は6位の置換基であり、水素原子、アルキル基、アルケ
ニル基、アルコキシ基、ハロゲン原子を示す。nは1ま
たは2であり、n=2の場合、各R1は同一でもあるいは異
なってもよい。R2は、アルキル基、フェニル基を示す。
Xは、塩素、臭素原子を示す。) なお、本発明においては、上記(3)と(4)をともに
製造する場合に限られず、(1)と(2)から(3)の
みを製造する態様、および(1)と(2)から(3)を
製造してさらにこれを脱水して(4)のみを得る態様も
包含される。
ル結合を含まない芳香族溶剤を言い、ベンゼン又はトル
エンのいずれか1種、またはベンゼンとトルエンの2種
の混合溶剤が好ましく、特にトルエンが望ましい。この
ように本発明においては、フェニルボロン酸類、さらに
トリフェニルボロキシン類の合成において、溶解または
希釈用の溶剤として非エーテル系溶剤のトルエンあるい
はベンゼンなどを使用することにより、常温に近い−1
0〜+15℃で反応させているにもかかわらず、予想外
の高収率で上記目的化合物を得ている。式3で示される
フェニルボロン酸類のベンゼン環に結合する置換基の数
および種類は,フェニルグリニャール試薬(1)のもと
となるハロゲン化合物(5)においてその置換基の数お
よび種類を選択することとなる。以下、本発明で用いら
れるフェニルグリニャール試薬(1)およびホウ酸エス
テル(2)、反応条件などについて、さらに具体的に説
明する。フェニルグリニャール試薬(1) 一般式1で示されるフェニルグリニャール試薬におい
て、R1は2位、3位、4位、5位または6位の置換基で
ある。nは1または2であり、n=2の場合、各R 1は同
一でもあるいは異なってもよい。R1がアルキル基である
場合は、炭素数が1〜16、好ましくは1〜10である
ことが望ましく、具体的にはメチル基、エチル基、n−
プロピル基、n−ブチル基などが挙げられる。R1がアル
ケニル基である場合には、炭素数が1〜16、好ましく
は1〜10であることが望ましく、たとえば、エテニル
基、プロペニル基、ブテニル基などが挙げられる。R1が
アルコキシ基である場合には、総炭素数が1〜16、好
ましくは1〜10であることが望ましく、具体的にはメ
トキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキ
シ基、t−ブトキシ基などが挙げられる。R1がハロゲン
原子である場合には、具体的には、塩素、フッ素、臭素
などが挙げられる。このようなフェニルグリニャール試
薬(1)として、具体的には、フェニルマグネシウムブロ
ミド、フェニルマグネシウムクロリド、4−メトキシフ
ェニルマグネシウムクロリド、2,6−ジメチルフェニル
マグネシウムブロミドなどを例示できる。
試薬は、通常のグリニャール試薬と同様の調製法で得ら
れるが、たとえば、活性化した金属マグネシウムを無水
テトラヒドロフラン(THF)中で撹拌しつつ、前記一般
式5で示されるハロゲン化合物を20℃ないし溶剤の還
流温度で滴下し、さらに1〜8時間撹拌することにより
得られる。一般式5で示されるハロゲン化合物のハロゲ
ンとしては、臭素が特に好ましいが、塩素でもよい。ま
た、この時に使用される溶剤は、芳香族系溶剤との混合
物であっても何ら差し支えない。ホウ酸エステル(2) 一般式2で示されるホウ酸エステル、B(O R2)3におい
て、R2がアルキル基の場合には、炭素数が1〜16、好
ましくは1〜10であることが望ましく、具体的にはメ
チル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n
−ペンチル基、n−ヘキシル基などが挙げられる。この
ホウ酸エステル(2)は、たとえば、アルコールR2OHま
たはナトリウムアルコキシドR2ONaとホウ酸または無水
ホウ酸との反応により容易に合成できる。このようなホ
ウ酸エステル(2)として、具体的には、トリメチルボレ
ート、トリエチルボレート、トリブチルボレート、トリ
フェニルボレートなどが例示できる。フェニルグリニャール試薬(1)とホウ酸エステル(2)との
反応 一般式1で表されるフェニルグリニャール試薬と、一般
式2で表されるホウ酸エステルとの反応に際して、フェ
ニルグリニャール試薬1モルに対して、ホウ酸エステル
が0.1〜5モル、好ましくは0.8〜1.5モルの量を用い
る。フェニルグリニャール試薬(1)とホウ酸エステル(2)
とを交互に反応器中の冷却した溶剤に滴下するか、ある
いは冷却したホウ酸エステル溶液にフェニルグリニャー
ル試薬を滴下してもよい。
は、常圧下−10〜0℃の温度で、30分から30時間、好ま
しくは3時間から10時間撹拌することが望ましい。反応
温度を上記範囲より低下させるとフェニルボロン酸類
(3)またはトリフェニルボロキシン類(4)の反応収率は上
がり、逆に上記範囲を超えて上昇させると反応の進行が
早まるが、反面、副成物の生成が増加して収率低下が著
しくなることから、反応温度の上限は15℃以下にとど
めるのが好ましい。
ール試薬(1)と、ベンゼン、トルエンなどの非エーテル
系芳香族溶剤により溶解または希釈したホウ酸エステル
(2)とを反応させているため、反応収率は著しく上昇す
る。上記のような特定の溶剤の使用により予想外の高収
率でフェニルボロン酸類(3)およびトリフェニルボロキ
シン類(4)を得られる点が本発明の最大の技術的特徴で
あり、本発明のように−10〜+15℃で反応を行う場合
に、エーテル系溶剤を含む他の溶剤を使用するとかかる
高い収率を確保することはできない。すなわち、上記の
溶解または希釈をたとえばエーテル、テトラヒドロフラ
ン(THF)などのエーテル系溶剤で行うと、Organic Syn
theses,Coll. Vol.IV, p68, John Wiley & Sons
(1963)に記載されているように、反応温度が0〜15℃で
は、収率は49〜76%となってしまい、これより高収率で
得ようとすれば、−60℃という極低温を終始維持して反
応を行わなければならない。
は希釈する溶剤として、非エーテル系芳香族溶剤を使用
するが、具体的な溶剤としては、トルエン、ベンゼン、
キシレン、エチルベンゼンなどが例示さる。本発明では
好ましくはトルエン、ベンゼンが用いられ、さらに好ま
しくはトルエンが用いられる。これらの溶剤を1種また
は、2種以上組合せて使用してもよい。これらの溶剤を
使用すると、上記したように反応収率が著しく向上する
ことに加えて、たとえばトルエン(引火点;4.4℃、沸
点;110.6℃)を用いる場合には、低温引火性のエーテ
ル(引火点;−45℃、沸点;35℃)よりもはるかに
取り扱いやすく、しかもより安価に入手できる。トルエ
ンの使用は溶剤として再利用の点でも問題がないため、
特に大量の溶剤を使用するフェニルボロン酸類の工業的
規模の生産において、決定的な利点となる。
撹拌効率があり、適切な撹拌機の選択により系全体の効
率よい撹拌を実現することが望ましい。上記のようにグ
リニャール試薬(1)とホウ酸エステル(2)とを反応させる
と、まず、(R1)nArB(OR2)2(Ar:フェニル基)で示さ
れるエステルが生成する。これを酸性条件下で、たとえ
ば希硫酸などの希鉱酸により加水分解することにより容
易にフェニルボロン酸類(3)が得られる。このフェニル
ボロン酸類を脱水すればトリフェニルボロキシン類(4)
に変わる。たとえば、フェニルボロン酸類の反応液を濃
縮したり、あるいは必要に応じて加熱脱水して無水物に
することで、あるいは共沸脱水を行うことで容易にトリ
フェニルボロキシン類となる。
どの非エーテル系芳香族溶剤で希釈することにより、従
来技術よりはるかに常温に近い温度でも選択性よくフェ
ニルボロン酸類(3)そしてトリフェニルボロキシン類(4)
を高収率で合成することができる。
に反応の高選択性と併せて、極低温下で反応を行わない
ために特殊な低温反応設備を必要とせず、また反応速度
も上昇するので、従来技術の方法と比べて効率およびコ
スト面から格段の向上が可能である。
トルエンなど非エーテル系芳香族溶剤を使用しており、
低温引火性のエーテルを用いる場合と比較するとより安
全性および取り扱いやすさに優れている。特に大量の溶
剤を使用する工業的規模でフェニルボロン酸類およびト
リフェニルボロキシン類の生産を行う場合には、エーテ
ルから非エーテル系溶剤のトルエンなどへの変更を行う
ことは決定的に有利に作用する。
なフェニルボロン酸類およびトリフェニルボロキシン類
の工業的生産の採算性を画期的に改善する。
びトリフェニルボロキシンの製造方法について実施例に
よりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例
に何ら限定されるものではない。
入れ、THF/トルエン(1/1)の混合溶剤125m
lで希釈したブロモベンゼン39.3gを50〜60℃
で4時間かけて滴下し、更に同温度で1時間熟成してフ
ェニルマグネシウムブロミドを調製した。
チルボレート26.0gとトルエン50mlを入れて混
合し、予め0〜5℃に冷却しておいた。そこへ、先に調
製したフェニルマグネシウムブロミドを0〜5℃で2時
間かけて滴下し、更に同温度で1時間熟成した。熟成
後、10%硫酸水溶液128gを20℃以下で滴下して
注水分解を行なった。注水分解後1時間攪拌した。これ
を水層と有機層とに分液し、水層をトルエン50mlで
抽出し、先に分液しておいた有機層に合わせた。この有
機層を水25gで2回水洗した。
下に溶剤を半分程度留去し、更にヘプタン200mlを
加えて氷水冷却下に攪拌し、結晶を十分に析出させた。
これをろ過し、結晶をヘプタン150mlで洗浄し、3
0℃で乾燥させてフェニルボロン酸21.9gを得た。
上記ろ液の溶剤を減圧下に半分程度留去し、ヘプタン5
0mlを加えて氷水冷却下攪拌し、結晶を十分に析出さ
せた。これをろ過し、結晶をヘプタン50mlで洗浄
し、30℃で乾燥させてフェニルボロン酸3.9gを得
た。合計25.8g 収率84.6% 融点217.0〜220.0℃
モトルエンを用いた以外は実施例1と同様の操作を行
い、4−メチルフェニルボロン酸を得た。 収率83.9% 融点248〜250℃
シブロモベンゼンを用いた以外は実施例1と同様の操作
を行い、4−メトキシフェニルボロン酸を得た。 収率82.8% 融点204〜206℃
ブロモベンゼンを用いた以外は実施例1と同様の操作を
行い4−クロロフェニルボロン酸を得た。 収率82.1% 融点284〜289℃
入れ、THF/トルエン(1/1)の混合溶剤125m
lで希釈したブロモベンゼン39.3gを50〜60℃
で4時間かけて滴下し、更に同温度で1時間熟成してフ
ェニルマグネシウムブロミドを調製した。
チルボレート26.0gとトルエン50ml入れて混合
し、予め0〜5℃に冷却しておいた。そこへ、先に調製
したフェニルマグネシウムブロミドを0〜5℃で2時間
かけて滴下し、更に同温度で1時間熟成した。熟成後、
10%硫酸水溶液128gを20℃以下の温度にて滴下
して注水分解を行なった。注水分解後1時間攪拌した。
これを水層と有機層とに分液し、水層をトルエン50m
lで抽出し、先に分液しておいた有機層に合わせた。こ
の有機層を水25gで2回水洗した。
粗トリフェニルボロキシン49.8gを得た。そこへト
ルエン150mlを加え50℃の湯浴で結晶を溶解さ
せ、更にヘプタン150mlを加えて氷水冷却下に攪拌
し、結晶を十分に析出させた。これをろ過し、結晶をヘ
プタン150mlで洗浄し、80℃で乾燥させてトリフ
ェニルボロキシン18.8gを得た。
フェニルボロキシンを得た。そこへトルエン50mlを
加え、加熱して結晶を溶解させた後、ヘプタン50ml
を加えて氷水冷却下攪拌し、結晶を十分に析出させた。
これをろ過し、結晶をヘプタン50mlで洗浄し80℃
で乾燥させてトリフェニルボロキシン3.0gを得た。
合計21.8g 収率83.9% 融点214.5〜216.0℃
反応温度を変えて反応させた以外は実施例1と同様の操
作により、フェニルボロン酸を合成してその収率を求め
た。
モトルエンを用いた以外は実施例1と同様の操作を行
い、2−メチルフェニルボロン酸を得た。 収率 82.2% 融点 162〜164℃
モトルエンを用いた以外は実施例1と同様の操作を行
い、3−メチルフェニルボロン酸を得た。 収率 83.1% 融点 160〜162℃
キシブロモベンゼンを用いた以外は実施例1と同様の操
作を行い、2−メトキシフェニルボロン酸を得た。 収率 82.5% 融点 105〜110℃
キシブロモベンゼンを用いた以外は実施例1と同様の操
作を行い、3−メトキシフェニルボロン酸を得た。 収率 83.4% 融点 160〜163℃
入れ、これにTHF125mlで希釈したブロモベンゼ
ン37.3gを50〜60℃で4時間かけて滴下し、更
に同温度で1時間熟成してフェニルマグネシウムブロミ
ドを調製した。
チルボレート26.0gとTHFを50ml秤取って入
れ混合して、予め0〜5℃に冷却しておいた。そこへ、
先に調製したフェニルマグネシウムブロミドを0〜5℃
で2時間かけて滴下し、更に同温度で1時間熟成した。
熟成後、10%硫酸水溶液128gを20℃以下で滴下
して注水分解を行なった。注水分解後1時間攪拌した。
これにトルエン150mlを入れ攪拌後分液し、この有
機層を水50gで2回水洗した。
下に溶媒を半分程度留去し、更にヘプタン200mlを
加えて氷水冷却下に攪拌し、結晶を十分に析出させた。
これをろ過し、結晶をヘプタン100mlで洗浄し、3
0℃で乾燥させてフェニルボロン酸13.4gを得た。
上記ろ液の溶媒を減圧下に半分程度留去し、ヘプタン5
0mlを加えて氷水冷却下攪拌し、結晶を十分に析出さ
せた。これをろ過し、結晶をヘプタン50mlで洗浄
し、30℃で乾燥させてフェニルボロン酸1.5gを得
た。合計14.9g 収率48.9%
秤取って入れ、これにエーテル125mlで希釈したブ
ロモベンゼン39.3gを30〜40℃で4時間かけて
滴下し、更に同温度で1時間熟成してフェニルマグネシ
ウムブロミドを調製した。
チルボレート26.0gとエーテル50mlを秤取って
入れ混合して、予め0〜5℃に冷却しておいた。そこ
へ、先に調製したフェニルマグネシウムブロミドを0〜
5℃で2時間かけて滴下し、更に同温度で1時間熟成し
た。熟成後、10%硫酸水溶液128gを20℃以下で
滴下して注水分解を行なった。注水分解後1時間攪拌し
た。これを水層と有機層に分液し、水層をエーテル50
mlで抽出し、先に分液しておいた有機層に合わせた。
この有機層を水25gで2回水洗した。
に溶媒を半分程度留去し、更にヘプタン200mlを加
えて氷水冷却下に攪拌し、結晶を十分に析出させた。こ
れをろ過し、結晶をヘプタン100mlで洗浄し、30
℃で乾燥させてフェニルボロン酸14.6gを得た。上
記ろ液の溶媒を減圧下に半分程度留去し、ヘプタン50
mlを加えて氷水冷却下に攪拌し、結晶を十分に析出さ
せた。これをろ過し、結晶をヘプタン50mlで洗浄
し、30℃で乾燥させてフェニルボロン酸1.6gを得
た。合計16.2g 収率53.1%
モトルエンを用いた以外は比較例1と同様の操作を行
い、4−メチルフェニルボロン酸を得た。 収率47.3% 実施例1〜4、6〜8および比較例1〜3の結果を表1
に示す。なお、表1には、併せて文献、Organic Synthe
ses,Coll. Vol.IV, p68, John Wiley & Sons (196
3)における記載例および国際公開公報特許WO9964428号
の記載例も参考のために示した。
基づくと、ホウ酸エステルをトルエンなどの非エーテル
系芳香族溶剤で溶解または希釈することにより、−10
〜+15℃の温度でフェニルボロン酸を78%以上の収
率で効率よく製造することができることがわかる。従来
の方法では、これに匹敵する収率を得るためには、上記
温度範囲よりも低い温度を必要とする。
Claims (3)
- 【請求項1】下記式1で示されるフェニルグリニャール
試薬と、非エーテル系芳香族溶剤に溶解された下記式2
で示されるホウ酸エステルとを、−10〜+15℃で反
応させることを特徴とする、下記式3で示されるフェニ
ルボロン酸類の製造方法。 【化1】 (式中、R1は2位、3位、4位、5位または6位の置換
基であり、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アル
コキシ基、ハロゲン原子を示す。nは1または2であり、
n=2の場合、各R1は同一でもあるいは異なってもよ
い。R2は、アルキル基、フェニル基を示す。Xは、塩
素、臭素原子を示す。) - 【請求項2】下記式1で示されるフェニルグリニャール
試薬と、非エーテル系芳香族溶剤に溶解された下記式2
で示されるホウ酸エステルとを、−10〜+15℃で反
応させて、下記式3で示されるフェニルボロン酸類を生
成させ、次いでこのフェニルボロン酸類を脱水すること
を特徴とする、下記式4で示されるトリフェニルボロキ
シン類の製造方法。 【化2】 (式中、R1は2位、3位、4位、5位または6位の置換
基であり、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アル
コキシ基、ハロゲン原子を示す。nは1または2であ
り、n=2の場合、各R1は同一でもあるいは異なってもよ
い。R2は、アルキル基、フェニル基を示す。Xは、塩
素、臭素原子を示す。) - 【請求項3】前記非エーテル系芳香族溶剤が、トルエン
またはベンゼン、あるいはこれらの混合物である請求項
1または2に記載の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2000227107A JP4350281B2 (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | フェニルボロン酸類およびトリフェニルボロキシン類の製造方法 |
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JP2000227107A JP4350281B2 (ja) | 2000-07-27 | 2000-07-27 | フェニルボロン酸類およびトリフェニルボロキシン類の製造方法 |
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