JP2005247200A - 運搬車 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】動力源と駆動連結される駆動入力軸11と、該駆動入力軸11に同心配置される遊星歯車機構50と、該遊星歯車機構50と駆動連結されるHST40と、一対の車軸(後輪車軸15・15)を差動連結する差動装置70と、とを具備する入力分割型のHMT10であって、前記駆動入力軸11の(軸断面視)前後一側(図4の紙面左右方向)に前記HST40のポンプ軸42とモータ軸44が配され、前記駆動入力軸11の前後他側に前記車軸(後輪車軸15・15)が配される構成とする。
【選択図】図4
Description
また、前記トランスミッションには、機械式リバーサ機構が設けられており、該機械式リバーサ機構により前後進の変速の切替を行うようにしている。
また、従来、HST〈Hydro Static Transmission〉と遊星歯車機構とを組み合わせてなるHMT〈Hydro Mechanical Transmission〉も公知となっている。
また、前記トランスミッションに設けた機械式リバーサ機構では、動力伝達状態において、前後進の変速の切替ができない、つまりは、クラッチの断接が必要とされ、このクラッチの断接に伴い変速ショック、あるいは、変速時のギヤ鳴りが発生するといった問題がある。この点、例えば、油圧クラッチ式を採用することで動力伝達状態での前後進の切替は可能となり、変速ショックやギヤ鳴りを抑えることも可能となるが、油圧源を備える等の必要が生じ、コスト高を招いてしまうことになる。
また、動力伝達した状態で前後進へ無段変速することは困難である。
また、トランスミッションをコンパクトにすることができれば、当該荷台の地上高をより低く設定することが可能となり、これにより、積載作業等の作業性に優れた構成を実現することや、運搬車のロードクリランスを高く設定することや、車両重心位置を低くして安定性のある車両の提供が可能となる。
前記油圧・機械式無段変速装置は、入力分割型であり、前記駆動入力軸の前後一側に前記HSTのポンプ軸とモータ軸が配され、前記駆動入力軸の前後他側に前記車軸が配される構成としたことである。
該副変速軸には、副変速機構が同心配置されることである。
前記副変速軸は、前記駆動入力軸の下方に配されることとし、
前記副変速軸の軸心と、前記車軸の軸心とは、上下方向において略同一位置に配されることである。
また、CVTとの比較では、ベルトとプーリの間において機械的に摩擦駆動する構成のベルト式CVTと比べて、原動機からの駆動力の伝達効率を優れたものとすることができ、また、ベルトが濡れることによるスリップ損失も回避できる。
また、当該HMTを備える構成によれば、機械式リバーサ機構は必要とされないため、前後進切替の際に変速ショックやギヤ鳴りが生じることもない。
尚、以下の説明において、図1における紙面上側を上側とし、同じく紙面下側を下側とする。また、図1における紙面左側を前側とし、同じく紙面右側を後側とする。また、図1における紙面に垂直の向きを左右方向とする。
また、運搬車1の前部に運転操作部6、座席7が配され、後部に荷台8が配される構成としている。
また、前記荷台8の下方において、車体フレーム2にエンジン3、HMT10が支持されている。
また、該HMT10と、前輪4・4を駆動する前輪車軸駆動装置80とがドライブシャフト9を介して連動連結されており、HMT10の駆動により前輪4・4が駆動される構成となっている。
以上のようにして、運搬車1は、前輪4・4と後輪5・5とが駆動される四輪駆動の車両に構成されている。
図2に示すごとく、HMT10においては、HST40と、遊星歯車機構50が備えられており、該遊星歯車機構50においては、遊星キャリア51にエンジン3の回転動力が入力され、サンギア52からHST40の油圧ポンプ41に対する動力が出力され、インターナルギア53にHST40の油圧モータ42の出力が入力される構成としている。
以上のようにして、図2に示されるHMT10は、いわゆる入力分割型に構成されている。
また、図2に示すごとく、HMT10においては、差動装置70が設けられており、副変速機構60の回転動力が、差動装置70を介して後輪車軸15・15に伝達される。
また、図2に示すごとく、HMT10においては、前輪駆動用の動力を取り出すためのギア式動力取出機構85が設けられており、副変速機構60の回転動力が、該ギア式動力取出機構85及び前記ドライブシャフト9を介して前輪車軸駆動装置80に伝達される。
図3に示すごとく、ハウジングケース25内に、前記遊星歯車機構50、差動装置70が配されている。また、ハウジングケース25に、前記HST40が付設される構成としている。
駆動入力軸11は、ハウジングケース25に軸受支持されるとともに、該ハウジングケース25の外部においてプーリ12がスプライン結合されている。
駆動入力軸11には、ハウジングケース25内において、遊星歯車機構50の遊星キャリア51がスプライン結合されている。
駆動入力軸11には、ハウジングケース25内において、遊星歯車機構50のサンギア52が遊嵌されている。
また、ハウジングケース25内において、前記駆動入力軸11の軸線の延長上に中間軸55が軸受支持されており、該中間軸55に、遊星歯車機構50のインターナルギア53がスプライン結合されている。該インターナルギア53のリングギア53aは、遊星キャリア51に回転自在に支持されるプラネットギア51a・51aと噛合されている。また、該プラネットギア51a・51aは、前記サンギア52と噛合されている。
以上のようにして、駆動入力軸11と、中間軸55を回転中心とする遊星歯車機構50が構成されるものとしている。
また、該中間ギア92にHST駆動入力ギア94が噛合される。該HST駆動入力ギア94は、ハウジングケース25に軸受支持されるHST駆動入力軸95にスプライン結合されている。
また、該HST駆動入力軸95における反HST駆動入力軸95側の端部には、HST40の油圧ポンプ41のポンプ軸42がスプライン結合される。
また、前記油圧ポンプ41は、可変容積型に構成され、可動斜板41aと、その操作アーム41bが備えられる。
また、該油圧ポンプ41より吐出される作動油は油圧モータ43に吸入され、これにより、モータ軸44が回転駆動される。前記油圧モータ43は、可動斜板43aと、その操作アーム43bを備えた可変容積型に構成される。
また、該モータ軸44は、ハウジングケース25内に延設されて、該ハウジングケース25にて軸受支持されるHST出力ギア45とスプライン結合される。
そして、該HST出力ギア45は、前記中間軸55にスプライン結合される駆動連結ギア56と噛合される。
以上のようにして、遊星歯車機構50とHST40とが駆動連結されることとしており、当該連結の形態より、入力分割型のHMT10が構成されている。
また、副変速軸61には、減速ギア63が遊嵌されており、該減速ギア63は、前記中間軸55に刻設した出力ギア57と噛合されている。
また、副変速軸61には、シフトギア64が軸方向摺動自在にスプライン結合されており、シフト操作により、シフトギア64を増速ギア62又は減速ギア63のいずれかに噛合させて副変速軸61を高速又は低速回転させることができ、車速の高速/低速切替を可能としている。
また、図示せぬシフトの操作により、シフトギア64を増速ギア62及び減速ギア63のいずれにも噛合させないこととすれば、副変速軸61を回転させずに、ニュートラルの状態が作れるようになっている。
該差動装置70においては、デフケース72内にサイドギア73・73及びピニオン74を配して構成されるものであり、前記サイドギア73・73は前記後輪車軸15・15にスプライン結合されることにより、両後輪車軸15・15が差動連結されることとしている。
また、ハウジングケース25において、差動装置70の両側部にブレーキ室75・75が構成され、該ブレーキ室75・75の内部において、各後輪車軸15・15のブレーキ装置76・76が配される構成としている。
また、該駆動出力軸86には、駆動出力ギア86aが固設されており、該駆動出力ギア86aに、駆動連結軸88に固設された駆動入力ギア88aが噛合されている。該駆動連結軸88は、ハウジングケース25に軸受け支持されるものであり、前記ドライブシャフト9(図2参照)と駆動連結されることとしている。
以上の駆動出力軸86、駆動出力ギア86a、駆動連結軸88、駆動入力ギア88aによりギア式動力取出機構85が構成されることとしている。
以上のように構成し、副変速軸61の回転動力が、ギア式動力取出機構85を介してドライブシャフト9に出力され、前輪車軸駆動装置80に伝達されるようになっており、本発明にかかるHMT10を搭載することにより、四輪駆動の車両を構成できるようになっている。
なお、前輪4・4の夫々にサスペンション機構が備えられ、該前輪と前輪車軸駆動装置80の左右から突出するデフ出力軸との間はユニバーサルジョイント付きの伝動軸14・14にて連結されている。
即ち、前記動力源(エンジン3)と駆動連結される駆動入力軸11と、該駆動入力軸11に同心配置される遊星歯車機構50と、該遊星歯車機構50と駆動連結されるHST40と、一対の車軸(後輪車軸15・15)を差動連結する差動装置70と、とを具備する入力分割型のHMT10であって、前記駆動入力軸11の(軸断面視)前後一側(図4の紙面左右方向)に前記HST40のポンプ軸42とモータ軸44が配され、前記駆動入力軸11の前後他側に前記車軸(後輪車軸15・15)が配されることとしている。
また、前記ポンプ軸42とモータ軸44は、軸断面視において、互いに上下方向の位置関係で配される。
また、前記駆動入力軸11、ポンプ軸42、モータ軸44、及び車軸(後輪車軸15・15)は、平行配置される。
また、前記駆動入力軸11と、前記車軸(後輪車軸15・15)の間には、副変速軸61が前記駆動入力軸11と平行配置され、該副変速軸61には、副変速機構60が同心配置される。
また、前記駆動入力軸11と、前記車軸(後輪車軸15・15)とは、上下方向にずらして配される。
また、前記副変速軸61は、前記駆動入力軸11の軸心と前記車軸(後輪車軸15・15)の軸心とを結ぶ線に対し、上下方向にずれた位置に配される。
即ち、遊星歯車機構50が駆動入力軸11に同心配置されることで、遊星歯車機構50の配置に必要なスペースが削減され、駆動入力軸11の半径方向におけるHMT10のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、前記駆動入力軸11の(軸断面視)前後一側に前記HST40のポンプ軸42とモータ軸44が配され、前記駆動入力軸11の前後他側に前記車軸(後輪車軸15・15)が配されることで、上下方向(図4の紙面上下方向)におけるHMT10のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、前記駆動入力軸11、ポンプ軸42、モータ軸44、及び車軸(後輪車軸15・15)は、平行配置されることで、各軸に設けられるギア等の半径寸法が、HMT10の左右方向(図3の紙面上下方向)の寸法に影響することがなく、HMT10の左右方向のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、前記駆動入力軸11と、前記車軸(後輪車軸15・15)の間には、副変速軸61が前記駆動入力軸11と平行配置され、該副変速軸61には、副変速機構60が同心配置されることで、車速の高速/低速切替が可能となるとともに、副変速軸61の半径方向におけるHMT10のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、前記駆動入力軸11と、前記車軸(後輪車軸15・15)とは、上下方向にずらして配されることで、上下方向(図4の紙面上下方向)におけるHMT10のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、前記副変速軸61は、前記駆動入力軸11の軸心と前記車軸(後輪車軸15・15)の軸心とを結ぶ線に対し、上下方向にずれた位置に配されることで、駆動入力軸11と車軸(後輪車軸15・15)との間隔を狭く構成することが可能となり、前後方向(図4の紙面左右方向)におけるHMT10のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、特に、上下方向(図4の紙面上下方向)におけるHMT10のコンパクト化によれば、荷台8の地上高をより低く設定することが可能となり、これにより、積載作業等の作業性に優れた構成を実現することができ、また車両全体を低重心にすることができる。
また、同じく、上下方向(図4の紙面上下方向)におけるHMT10のコンパクト化によれば、HMT10につき最低地上高を高く設定することが可能となり、これにより、運搬車1のロードクリランスを高く設定することが可能となる。
図5において、線Pθは、油圧ポンプ41の斜板角度率を示す。尚、油圧モータ43の場合と同様、斜板角度率は、油圧ポンプ41の可動斜板の傾き度合いに対応するものであり、油圧ポンプ41の斜板の傾きがない場合、つまり中立状態においてゼロとされ、油圧ポンプ41からの吐出量はゼロとなる。また、斜板角度率が、図の最大(+)、又は最大(−)の位置においてポンプ容積は最大とされるものであり、ゼロを境として作動油の吐出方向が切換わることとなっている。
また、線Pvは、ポンプ軸42の回転数を示す。ポンプ軸42の回転数は、最大後進車速において最大となり、前進最大において最小(ゼロ)となる。
また、線Mθは、油圧モータ43の斜板角度率を示す。尚、斜板角度率は、油圧モータ43の可動斜板の傾き度合いに対応するものであり、油圧モータ43の斜板の傾きがない場合、つまり中立状態においてゼロとされ、また、図の最大の位置においてモータ容積は最大とされる。
また、線Mvは、モータ軸44の回転数を示す。モータ軸44の回転数は、最大後進車速において、逆回転方向(ポンプ軸42の回転方向を正回転方向とした場合の逆回転方向)に最大となり、最大前進車速において、正回転方向に最大となる。
そして、このように、車両の進行方向の切換えが油圧モータ43の回転方向の切替で行え、また、その際には、車軸(後輪車軸15・15、及び前輪車軸14・14)が停止されることとなっており、前後進切替の際における変速ショックが生じることもない。
また、以上の構成のHMT10は、ベルト式CVTと、機械式リバーサ機構を組み合わせたトランスミッションの構成と比較した場合に、
(1)本発明にかかるHMT10では、油圧モータ43の斜板制御により、動力伝達状態での前後進切替を可能とするため、機械式リバーサ機構が不要となる。
(2)機械式リバーサ機構の場合、前後進切替の際に変速ショックが生じることがあるが、本発明にかかるHMT10では、前後進切替の際に変速ショックが生じることもなく、無段変速ができる。
(3)本発明にかかるHMT10は、ベルトとプーリの間において機械的に摩擦駆動する構成のベルト式CVTと比べて、原動機からの駆動力の伝達効率が優れる。また、ベルトが濡れてスリップしてしまうといった不具合が生じることもない。
といった利点を有することになる。
図7は実施例2の油圧・機械式無段変速装置を備える運搬車のスケルトン図、図8は実施例2の油圧・機械式無段変速装置の平面断面展開図、図9は同じく側面断面図である。
また、該HMT10Aと、前輪4・4を駆動する前輪車軸駆動装置80とがドライブシャフト9を介して連動連結されており、HMT10Aの駆動により前輪4・4が駆動される構成となっている。
以上のようにして、運搬車1Aは、前輪4・4と後輪5・5とが駆動される四輪駆動の車両に構成されている。
図7に示すごとく、HMT10Aにおいては、HST40Aと、遊星歯車機構50Aが備えられており、該遊星歯車機構50Aにおいては、遊星キャリア51Aにエンジン30Aの回転動力が入力され、サンギア52AからHST40Aの油圧ポンプ41Aに対する動力が出力され、インターナルギア53AにHST40Aの油圧モータ42Aの出力が入力される構成としている。
以上のようにして、図7に示されるHMT10Aは、いわゆる入力分割型に構成されている。
また、図7に示すごとく、HMT10Aにおいては、差動装置70Aが設けられており、副変速機構60Aの回転動力が、差動装置70Aを介して後輪車軸15・15に伝達される。
また、図7に示すごとく、HMT10Aにおいては、前輪駆動用の動力を取り出すためのギア式動力取出機構85Aが設けられており、副変速機構60Aの回転動力が、該ギア式動力取出機構85A及びドライブシャフト9を介して前輪車軸駆動装置80に伝達される。
図8に示すごとく、ハウジングケース25A内に、前記遊星歯車機構50A、差動装置70Aが配されている。また、ハウジングケース25Aに、前記HST40Aが付設される構成としている。
駆動入力軸11Aは、ハウジングケース25Aに軸受支持されるとともに、クラッチ機構21Aを介してエンジン3Aの出力軸31Aに連結されている。
駆動入力軸11Aには、ハウジングケース25A内において、遊星歯車機構50Aの遊星キャリア51Aがスプライン結合されている。
駆動入力軸11Aには、ハウジングケース25A内において、遊星歯車機構50Aのサンギア52Aが遊嵌されている。
また、ハウジングケース25A内において、前記駆動入力軸11Aの軸線の延長上に中間軸55Aが軸受支持されており、該中間軸55Aに、遊星歯車機構50Aのインターナルギア53Aがスプライン結合されている。該インターナルギア53Aのリングギア153aは、遊星キャリア51Aに回転自在に支持されるプラネットギア151a・151aと噛合されている。また、該プラネットギア151a・151aは、前記サンギア52Aと噛合されている。
以上のようにして、駆動入力軸11Aと、中間軸55Aを回転中心とする遊星歯車機構50Aが構成されるものとしている。
また、該中間ギア92AにHST駆動入力ギア94Aが噛合される。該HST駆動入力ギア94Aは、ハウジングケース25Aに軸受支持されるHST駆動入力軸95Aにスプライン結合されている。
また、該HST駆動入力軸95Aにおける反HST駆動入力軸95A側の端部には、HST40Aの油圧ポンプ41Aのポンプ軸42Aがスプライン結合される。
また、前記油圧ポンプ41Aは、可変容積型に構成され、可動斜板41aと、その操作アーム41bが備えられる。
また、該油圧ポンプ41Aより吐出される作動油は油圧モータ43Aに吸入され、これにより、モータ軸44Aが回転駆動される。前記油圧モータ43Aは、可動斜板43aと、その操作アーム43bを備えた可変容積型に構成される。
また、該モータ軸44Aは、ハウジングケース25A内に延設されて、該ハウジングケース25Aにて軸受支持されるHST出力ギア45Aとスプライン結合される。
そして、該HST出力ギア45Aは、前記中間軸55Aにスプライン結合される駆動連結ギア56Aと噛合される。
以上のようにして、遊星歯車機構50AとHST40Aとが駆動連結されることととしており、当該連結の形態より、入力分割型のHMT10Aが構成されている。
また、副変速軸61Aには、減速ギア63Aが遊嵌されており、該減速ギア63Aは、前記中間軸55Aに刻設した出力ギア57Aと噛合されている。
また、副変速軸61Aには、シフトギア64Aが軸方向摺動自在にスプライン結合されており、シフト操作により、シフトギア64Aを増速ギア62A又は減速ギア63Aのいずれかに噛合させて副変速軸61Aを高速又は低速回転させることができ、車速の高速/低速切替を可能としている。
また、図示せぬシフトの操作により、シフトギア64Aを増速ギア62A及び減速ギア63Aのいずれにも噛合させないこととすれば、副変速軸61Aを回転させずに、ニュートラルの状態が作れるようになっている。
該差動装置70Aにおいては、デフケース72A内にサイドギア73A・73A及びピニオン74Aを配して構成されるものであり、前記サイドギア73A・73Aは前記後輪車軸15・15にスプライン結合されることにより、両後輪車軸15・15が差動連結されることとしている。
また、ハウジングケース25Aにおいて、差動装置70Aの両側部にブレーキ室75A・75Aが構成され、該ブレーキ室75A・75Aの内部において、各後輪車軸15・15のブレーキ装置76A・76Aが配される構成としている。
また、前記副変速軸61Aには、前記駆動出力ギア66Aの反対側に駆動出力ギア96Aが刻設され、前記中間軸87Aには中間ギア187aが固定され、両ギア86A・187aが噛合されている。また、前記駆動連結軸88Aには、駆動入力ギア188aが固定され、該駆動入力ギア188aと前記中間ギア187aが噛合されている。
以上の構成で、副変速軸61Aと、前記駆動連結軸88Aとが連動連結されることとし、中間軸87A、中間ギア187a、駆動連結軸88A、駆動入力ギア188aによりギア式動力取出機構85Aが構成されることとしている。
そして、該駆動連結軸88Aに前記ドライブシャフト9(図7参照)が連結されることで、副変速軸61Aの回転動力が、ギア式動力取出機構85Aを介してドライブシャフト9に出力され、前輪車軸14・14を駆動する前輪車軸駆動装置80に伝達されるようになっており、本発明にかかるHMT10Aを搭載することにより、四輪駆動の車両を構成できるようになっている。
即ち、前記動力源(エンジン30A)と駆動連結される駆動入力軸11Aと、該駆動入力軸11Aに同心配置される遊星歯車機構50Aと、該遊星歯車機構50Aと駆動連結されるHST40Aと、一対の車軸(後輪車軸15・15)を差動連結する差動装置70Aと、とを具備するHMT10Aであって、前記駆動入力軸11Aの(軸断面視)上下一側(図9の紙面上下方向)に前記HST40Aのポンプ軸42Aとモータ軸44Aが配され、前記駆動入力軸11Aの上下他側に前記車軸(後輪車軸15・15)が配されることとしている。
また、前記ポンプ軸42Aとモータ軸44Aは、軸断面視において、互いに略水平方向の位置関係に配される。
また、前記動力源(エンジン30A)の出力軸31Aと、前記駆動入力軸11Aとは、同心配置される。
また、前記駆動入力軸11A、ポンプ軸42A、及びモータ軸44Aは、平行配置され、これらの軸と、前記車軸(後輪車軸15・15)は直交配置される。
また、前記駆動入力軸11Aと、前記車軸(後輪車軸15・15)の間には、副変速軸61Aが前記駆動入力軸11と平行配置され、該副変速軸61Aには、副変速機構60Aが同心配置される。
また、前記HST40Aは、前記駆動入力軸11Aの上方に配され、前記副変速軸61Aは、前記駆動入力軸11Aの下方に配されることとし、前記副変速軸61Aの軸心と、前記車軸(後輪車軸15・15)の軸心とは、上下方向において略同一位置に配される。
即ち、遊星歯車機構50Aが駆動入力軸11Aに同心配置されることで、遊星歯車機構50Aの配置に必要なスペースが削減され、駆動入力軸11Aの半径方向におけるHMT10Aのコンパクト化を図ることが可能となる。
また、前記駆動入力軸11Aの(軸断面視)上下一側に前記HST40Aのポンプ軸42Aとモータ軸44Aが配され、前記駆動入力軸11Aの上下他側に前記車軸(後輪車軸15・15)が配されることで、左右方向(図9の紙面左右方向)におけるHMT10Aのコンパクト化を図ることが可能となる。
また、前記ポンプ軸42Aとモータ軸44Aは、軸断面視において、互いに水平方向の位置関係に配されることで、上下方向(図9の紙面上下方向)におけるHMT10のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、前記動力源(エンジン30A)の出力軸31Aと、前記駆動入力軸11Aとは、同心配置されるので、出力軸31Aと駆動入力軸11Aとの駆動連結をベルト・プーリを用いた形態とせずに、これらの軸に同心配置されるクラッチ機構21Aによる駆動連結とすることが可能となり、ベルト・プーリを用いた形態と比較して、動力ロスの少ない構成とすることができる。
また、前記駆動入力軸11A、ポンプ軸42A、及びモータ軸44Aは、平行配置され、これらの軸と、前記車軸(後輪車軸15・15)は直交配置されるので、前記駆動入力軸11A、ポンプ軸42A、及びモータ軸44Aに設けられるギア等の半径寸法が、HMT10Aの前後方向(図8の左右方向)の寸法に影響することがなく、HMT10Aの前後方向のコンパクト化を図ることが可能となる。
また、前記駆動入力軸11Aと、前記車軸(後輪車軸15・15)の間には、副変速軸61Aが前記駆動入力軸11と平行配置され、該副変速軸61Aには、副変速機構60Aが同心配置されるので、車速の高速/低速切替が可能となるとともに、副変速軸61Aの半径方向におけるHMT10Aのコンパクト化を図ることが可能となる。
また、前記HST40Aは、前記駆動入力軸11Aの上方に配され、前記副変速軸61Aは、前記駆動入力軸11Aの下方に配されることとし、前記副変速軸61Aの軸心と、前記車軸(後輪車軸15・15)の軸心とは、上下方向において略同一位置に配されることとするため、HMT10Aの最低地上高を高く設定することが可能となる。
また、特に、上下方向(図9の紙面上下方向)におけるHMT10のコンパクト化によれば、荷台8の地上高をより低く設定することが可能となり、これにより、積載作業等の作業性に優れた構成を実現することができ、また車両全体を低重心にすることができる。
また、同じく、HMT10の最低地上高を高く設定することを可能とすることで、運搬車1のロードクリランスを高く設定することが可能となる。
11 駆動入力軸
15 車軸
40 HST
42 ポンプ軸
44 モータ軸
50 遊星歯車機構
70 差動装置
Claims (13)
- 荷台の下方において、
動力源の出力軸と駆動連結される駆動入力軸と、
遊星歯車機構と、
該遊星歯車機構と駆動連結されるHSTと、
一対の車軸を差動連結する差動装置、
とを具備する油圧・機械式無段変速装置を備える運搬車。 - 前記油圧・機械式無段変速装置は、入力分割型であり、
前記駆動入力軸の前後一側に前記HSTのポンプ軸とモータ軸が配され、
前記駆動入力軸の前後他側に前記車軸が配される、
ことを特徴とする請求項1に記載の運搬車。 - 前記ポンプ軸とモータ軸は、軸断面視において、互いに上下方向の位置関係で配される、ことを特徴とする請求項2に記載の運搬車。
- 前記駆動入力軸、ポンプ軸、モータ軸、及び車軸は、平行配置される、ことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の運搬車。
- 前記駆動入力軸と、前記車軸の間には、副変速軸が前記駆動入力軸と平行配置され、
該副変速軸には、副変速機構が同心配置される、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の運搬車。 - 前記駆動入力軸と、前記車軸とは、上下方向にずらして配される、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項5のいずれか一項に記載の運搬車。 - 前記副変速軸は、前記駆動入力軸の軸心と前記車軸の軸心とを結ぶ線に対し、
上下方向にずれた位置に配される、
ことを特徴とする請求項2乃至請求項6のいずれか一項に記載の運搬車。 - 前記油圧・機械式無段変速装置は、入力分割型であり、
前記駆動入力軸の上下一側に前記HSTのポンプ軸とモータ軸が配され、
前記駆動入力軸の上下他側に前記車軸が配される、
ことを特徴とする請求項1に記載の運搬車。 - 前記ポンプ軸とモータ軸は、軸断面視において、互いに略水平方向の位置関係に配される、
ことを特徴とする請求項8に記載の運搬車。 - 前記動力源の出力軸と、前記駆動入力軸とは、同心配置される、
ことを特徴とする請求項8又は請求項9に記載の運搬車。 - 前記駆動入力軸、ポンプ軸、及びモータ軸は、平行配置され、これらの軸と、前記車軸は直交配置される、
ことを特徴とする請求項8乃至請求項10のいずれか一項に記載の運搬車。 - 前記駆動入力軸と、前記車軸の間には、副変速軸が前記駆動入力軸と平行配置され、該副変速軸には、副変速機構が同心配置される、
ことを特徴とする請求項8乃至請求項11のいずれか一項に記載の運搬車。 - 前記HSTは、前記駆動入力軸の上方に配され、
前記副変速軸は、前記駆動入力軸の下方に配されることとし、
前記副変速軸の軸心と、前記車軸の軸心とは、上下方向において略同一位置に配される、
ことを特徴とする請求項8乃至請求項12のいずれか一項に記載の運搬車。
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