JP6977417B2 - 変速機 - Google Patents

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本発明は、変速機に関する。
従来、静油圧式無段変速機(ハイドロ スタティック トランスミッション:HST)と差動機構とを組み合わせた、油圧機械式無段変速機(ハイドロ メカニカル トランスミッション:HMT)が知られている(例えば、特許文献1を参照)。特許文献1には、エンジンからの駆動力を遊星歯車機構で分割して2つの油圧ポンプモータに入力する、いわゆる「入力分割型」のHMTが開示されている。
特開平4−271946号公報
特許文献1に記載の変速機では、差動機構の一方の出力要素を、第1ポンプモータから切り離して固定するとともに、他方の出力要素に接続された第2ポンプモータで発生した油圧によって、第1ポンプモータを回転させることで、後進を成立させている。すなわち、特許文献1に記載の変速機は、後進時に、HSTとして機能する。
しかしながら、特許文献1に記載の変速機では、差動機構の一方の出力要素を、第1ポンプモータから切り離して固定するための機構が必要となり、構造が複雑化するという問題があった。
本発明の目的は、構造を複雑化することなく、車両を後進走行させることができる変速機を提供することである。
本発明に係る変速機は、差動機構で2つに分割された駆動源からの動力の一方が入力される一方の可変容量型ポンプモータおよび他方が入力される他方の可変容量型ポンプモータを閉回路で接続した油圧変速部と、前記一方の可変容量型ポンプモータの入出力軸の動力を、回転方向を逆転させて出力軸へ出力可能な第1の係合機構、および前記他方の可変容量型ポンプモータの入出力軸の動力を前記出力軸へ出力可能な第2の係合機構、を有する有段変速部と、を備え、前記一方の可変容量型ポンプモータの入出力軸の動力を、回転方向を逆転させて前記出力軸に出力し、かつ、前記他方の可変容量型ポンプモータの入出力軸の動力を前記出力軸に出力する場合、前記閉回路内を油圧が流れないように前記一方の可変容量型ポンプモータおよび前記他方の可変容量型ポンプモータのそれぞれの容量が調整される。
本発明に係る変速機によれば、構造を複雑化することなく、車両を後進走行させることができる。
本発明の実施形態に係る車両の全体構成を示すスケルトン図 有段変速部の状態と各スリーブの動作状態との関係を示す図表 後進状態を示すスケルトン図 直結後進1速状態を示すスケルトン図 直結後進2速状態を示すスケルトン図 速度比と押し除け容積との関係を示す図
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は一例であり、本発明はこの実施形態により限定されるものではない。
まず、図1を参照して、本実施形態に係る油圧機械式変速機を搭載した車両1の全体構成について説明する。図1には、車両1の前後方向が描かれている。以下の説明では、車両前側を単に「前」、車両後側を単に「後」と呼ぶことがある。
車両1は、駆動源10と、ダンパ20と、差動機構30と、油圧変速部40と、有段変速部50とを備えている。そして、有段変速部50の出力側に、プロペラシャフト61、デファレンシャル62およびドライブシャフト63を介して、駆動輪64が動力伝達可能に連結されている。
駆動源10は、例えばディーゼルエンジンである。なお、駆動源10は、ガソリンエンジン、電動機等でも構わない。駆動源10の出力軸11には、ダンパ20の入力側部材21が接続されている。なお、以下において、駆動源10はディーゼルエンジンであるとして説明を行う。
ダンパ20は、入力側部材21と、出力側部材22と、入力側部材21と出力側部材22とを弾性的に連結する弾性連結部材23とを備える。ダンパ20の出力側部材22は、差動機構30の入力軸31と接続されている。ダンパ20は、駆動源10の発生する回転振動が差動機構30に伝達されるのを抑制する機能を有する。ダンパ20の構造は一般的なダンパの構造と同様であるため、詳細な説明を省略する。
差動機構30は、円周方向に等配に設けられた複数のベベルギヤ32、第1差動出力ギヤ33および第2差動出力ギヤ34を備えている。ベベルギヤ32は、図1に示すように、入力軸31に相対回転可能に軸支されている。第1差動出力ギヤ33は、第1ポンプモータ41の第1入出力軸41aの前端に設けられている。第2差動出力ギヤ34は、差動出力軸35の前端に設けられている。
差動出力軸35は、第1入出力軸41aと同軸かつ第1入出力軸41aの外周側に設けられた円筒状の部材である。差動出力軸35の後端には、第1ギヤ36が設けられている。差動出力軸35は、不図示の軸受を介して、第1入出力軸41aに軸支されている。第1ギヤ36は、第2ポンプモータ42の第2入出力軸42aの前端に設けられた第2ギヤ37と噛合している。
なお、本実施形態では、第1差動出力ギヤ33の歯数は、第2差動出力ギヤ34の歯数と同一である。また、第1ギヤ36の歯数は、第2ギヤ37の歯数と同一である。差動機構30の構造は一般的なベベルギヤ型差動機構の構造と同様であるため、詳細な説明を省略する。
油圧変速部40は、第1ポンプモータ41と、第2ポンプモータ42と、第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42を油圧接続する閉回路43とからなる。また、閉回路43には、高圧側油路43aの油圧が所定以上となった場合に開き、圧油を低圧側油路43bへ排出するリリーフ弁44が設けられている。なお、図1では、閉回路43における一部の構成部品(チャージポンプ、チャージ油路等)を省略している。
第1ポンプモータ41は、押し除け容積をゼロから正負の両方向に変化させることのできる、いわゆる両振り型のポンプモータである。第1ポンプモータ41の第1入出力軸41aは、第1ポンプモータ41を前から後へ貫通している。このような第1ポンプモータ41としては、アキシャルピストン型、ラジアルピストン型等、各種の形式のものを採用することができる。なお、第1ポンプモータ41は、本発明の「他方の可変容量型ポンプモータ」に相当する。
第2ポンプモータ42は、押し除け容積をゼロから正負の両方向に変化させることのできる、いわゆる両振り型のポンプモータである。第2ポンプモータ42の第2入出力軸42aは、第2ポンプモータ42を前から後へ貫通している。このような第2ポンプモータ42としては、アキシャルピストン型、ラジアルピストン型等、各種の形式のものを採用することができる。なお、第2ポンプモータ42は、本発明の「一方の可変容量型ポンプモータ」に相当する。
なお、本実施形態では、第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42は同形式のものを用いている。また、第1ポンプモータ41の最大押し除け容積は、第2ポンプモータ42の最大押し除け容積と等しい。
有段変速部50は、第1入出力軸41aと、第1入出力軸41aと平行に配置された第2入出力軸42aと、副軸51と、出力軸52とを備えている。なお、第1入出力軸41aは、本発明の「他方の可変容量型ポンプモータの入出力軸」に相当する。また、第2入出力軸42aは、本発明の「一方の可変容量型ポンプモータの入出力軸」に相当する。
第1入出力軸41aの前端には、上述のとおり、差動機構30の第1差動出力ギヤ33が設けられている。また、第1入出力軸41aの後端には、第1入力ハブ41bが、第1入出力軸41aと一体回転するように設けられている。
第1入力ギヤ41cは、第1入出力軸41aの外周側に、第1入出力軸41aに対して相対回転可能に設けられている。第1入力ギヤ41cは、副軸51と第1入力ハブ41bとの間に設けられている。第2入力ギヤ41dは、第1入出力軸41aの外周側に、第1入出力軸41aに対して相対回転可能に設けられている。第2入力ギヤ41dは、第1入力ハブ41bの後側に設けられている。
第2入出力軸42aの前端には、上述のとおり、差動機構30の第2ギヤ37が設けられている。また、第2入出力軸42aの後端には、第2入力ハブ42bが、第2入出力軸42aと一体回転するように設けられている。
第3入力ギヤ42cは、第2入出力軸42aと一体回転するように設けられている。第3入力ギヤ42cは、第2ポンプモータ42と第2入力ハブ42bとの間に設けられている。第3入力ギヤ42cは、第1副ギヤ51aと噛合している。
副軸51は、第1入出力軸41aと同軸かつ第1入出力軸41aの外周側に設けられた円筒状の部材である。副軸51の前端には第1副ギヤ51aが設けられ、副軸51の中間部には第2副ギヤ51bが設けられ、副軸51の後端には第3副ギヤ51cが設けられている。
出力軸52の前端には、第1出力ハブ52aが、出力軸52と一体回転するように設けられている。出力軸52の中間部には、第2出力ハブ52bが、出力軸52と一体回転するように設けられている。
第1出力ギヤ52cは、出力軸52の外周側に、出力軸52に対して相対回転可能に設けられている。第1出力ギヤ52cは、第1出力ハブ52aの後側に設けられている。第1出力ギヤ52cは、第2副ギヤ51bと噛合している。
第2出力ギヤ52dは、出力軸52の外周側に、出力軸52に対して相対回転可能に設けられている。第2出力ギヤ52dは、第2出力ハブ52bの後側に設けられている。第2出力ギヤ52dは、リバースアイドラギヤ53を介して、第3副ギヤ51cと噛合している。
第3出力ギヤ52eは、出力軸52と一体回転するように設けられている。第3出力ギヤ52eは、第2出力ギヤ52dの後側に設けられている。第3出力ギヤ52eは、第1入力ギヤ41cと噛合している。
第4出力ギヤ52fは、出力軸52と一体回転するように設けられている。第4出力ギヤ52fは、第3出力ギヤ52eの後側に設けられている。第4出力ギヤ52fは、第2入力ギヤ41dと噛合している。
有段変速部50には、第1入出力軸41aと第1入力ギヤ41cまたは第2入力ギヤ41dとを選択的に一体回転可能に連結する第1連結機構71が設けられている。第1連結機構71は、第1入力ハブ41bと、第1入力ギヤ41cと一体に設けられた第1入力クラッチギヤ41eと、第2入力ギヤ41dと一体に設けられた第2入力クラッチギヤ41fと、第1スリーブ72とを備えている。
第1スリーブ72は、第1入力ハブ41bの外周側に、第1入力ハブ41bと一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に設けられている。第1スリーブ72が図1に示す中央位置の場合、第1入出力軸41aと第1入力ギヤ41cおよび第2入力ギヤ41dとは相対回転可能である。
第1スリーブ72を前位置とすることで、第1入力ギヤ41cは、第1入出力軸41aと一体に回転する。また、第1スリーブ72を後位置とすることで、第2入力ギヤ41dは、第1入出力軸41aと一体に回転する。本実施形態では、第1連結機構71として、一般的なシンクロナイザ方式のものを使用している。シンクロナイザ方式の連結機構は公知であるため、詳細な説明は省略する。なお、第1連結機構71は、本発明の「第2の係合機構」に相当する。
有段変速部50には、第2入出力軸42aと出力軸52、または、第1出力ギヤ52cと出力軸52とを、選択的に一体回転可能に連結する第2連結機構73が設けられている。第2連結機構73は、第2入力ハブ42bと、第1出力ハブ52aと、第1出力ギヤ52cと一体に設けられた第1出力クラッチギヤ52gと、第2スリーブ74とを備えている。
第2スリーブ74は、第1出力ハブ52aの外周側に、第1出力ハブ52aと一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に設けられている。第2スリーブ74が図1に示す中央位置の場合、第2入出力軸42aと出力軸52とは相対回転可能である。また、第2スリーブ74が図1に示す中央位置の場合、第1出力ギヤ52cと出力軸52とは相対回転可能である。
第2スリーブ74を前位置とすることで、出力軸52は、第2入出力軸42aと一体に回転する。また、第2スリーブ74を後位置とすることで、出力軸52は、第1出力ギヤ52cと一体に回転する。なお、第2連結機構73は、本発明の「第1の係合機構」に相当する。
有段変速部50には、出力軸52と第2出力ギヤ52dとを選択的に一体回転可能に連結する第3連結機構75が設けられている。第3連結機構75は、第2出力ハブ52bと、第2出力ギヤ52dと一体に設けられた第2出力クラッチギヤ52hと、第3スリーブ76とを備えている。
第3スリーブ76は、第2出力ハブ52bの外周側に、第2出力ハブ52bと一体回転可能かつ軸方向に相対移動可能に設けられている。第3スリーブ76が図1に示す前位置の場合、第2出力ギヤ52dと出力軸52とは相対回転可能である。第3スリーブ76を後位置とすることで、出力軸52は、第2出力ギヤ52dと一体に回転する。なお、第3連結機構75は、本発明の「第1の係合機構」に相当する。
次に、図2を参照して、有段変速部50の動作について説明する。図2は、有段変速部50の状態と、各スリーブ72、74および76の動作状態との関係を示す図表である。
第1スリーブ72が中央位置とされ、第2スリーブ74が後位置とされ、第3スリーブ76が前位置とされる状態を、「前進1速状態」という。前進1速状態では、第2入出力軸42aの回転が第3入力ギヤ42c、第1副ギヤ51a、第2副ギヤ51bおよび第1出力ギヤ52cを経由して出力軸52に伝達される。
第1スリーブ72が前位置とされ、第2スリーブ74が中央位置とされ、第3スリーブ76が前位置とされる状態を、「前進2速状態」という。前進2速状態では、第1入出力軸41aの回転が第1入力ギヤ41cおよび第3出力ギヤ52eを経由して出力軸52に伝達される。
第1スリーブ72が中央位置とされ、第2スリーブ74が前位置とされ、第3スリーブ76が前位置とされる状態を、「前進3速状態」という。前進3速状態では、第2入出力軸42aの回転が出力軸52へ直接伝達される。
第1スリーブ72が後位置とされ、第2スリーブ74が中央位置とされ、第3スリーブ76が前位置とされる状態を、「前進4速状態」という。前進4速状態では、第1入出力軸41aの回転が第2入力ギヤ41dおよび第4出力ギヤ52fを経由して出力軸52に伝達される。
第1スリーブ72が中央位置とされ、第2スリーブ74が中央位置とされ、第3スリーブ76が後位置とされる状態を、「後進状態」という(図3を参照)。後進状態では、第2入出力軸42aの回転が第3入力ギヤ42c、第1副ギヤ51a、第3副ギヤ51c、リバースアイドラギヤ53および第2出力ギヤ52dを経由して、回転方向が逆転されて出力軸52に伝達される。
なお、本実施形態では、リバースアイドラギヤ53を、副軸51と、出力軸52との間に設けている。これにより、後進状態において、第2入出力軸42aから副軸51および副軸51から出力軸52の二段のギヤ機構を経由させることができる。そのため、リバースアイドラギヤ53を、第1入出力軸41aと、出力軸52との間に設けるのに比べて、減速比を大きくとることができる。
さらに、本実施形態では、以下に示す変速状態を取る。第1スリーブ72が前位置とされ、第2スリーブ74が中央位置とされ、第3スリーブ76が後位置とされる状態を、「直結後進1速状態」という(図4を参照)。なお、直結後進1速状態が成立するためには、後進ギヤ比の絶対値が前進2速ギヤ比の絶対値よりも大きい必要がある。
直結後進1速状態では、第2入出力軸42aの回転が第3入力ギヤ42c、第1副ギヤ51a、第3副ギヤ51c、リバースアイドラギヤ53および第2出力ギヤ52dを経由して、回転方向が逆転されて出力軸52に伝達されるとともに、第1入出力軸41aの回転が第1入力ギヤ41cおよび第3出力ギヤ52eを経由して出力軸52に伝達される。
また、直結後進1速状態では、第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42の容量が調整され、第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42が仕事をしないようにされる(詳細は後述する)。
第1スリーブ72が後位置とされ、第2スリーブ74が中央位置とされ、第3スリーブ76が後位置とされる状態を、「直結後進2速状態」という(図5を参照)。なお、直結後進2速状態が成立するためには、後進ギヤ比の絶対値が前進4速ギヤ比の絶対値よりも大きい必要がある(前進4速ギヤ比は、前進2速ギヤ比より小さいので、直結後進1速状態が成立する場合には常に直結後進2速状態は成立する)。
直結後進2速状態では、第2入出力軸42aの回転が第3入力ギヤ42c、第1副ギヤ51a、第3副ギヤ51c、リバースアイドラギヤ53および第2出力ギヤ52dを経由して、回転方向が逆転されて出力軸52に伝達されるとともに、第1入出力軸41aの回転が第2入力ギヤ41dおよび第4出力ギヤ52fを経由して出力軸52に伝達される。
また、直結後進2速状態では、第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42の容量が調整され、第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42が仕事をしないようにされる。
次に、図3〜図6を参照して、後進状態、直結後進1速状態および直結後進2速状態における動力伝達経路について説明する。図3〜図5は、後進状態、直結後進1速状態および直結後進2速状態におけるスケルトン図である。図6は、後進状態における速度比と容量との関係を示す図である。
まず、図3を参照して、後進状態について説明する。車両1の後進方向への発進は、図3に示す後進状態で行われる。この場合、第1ポンプモータ41はポンプとして動作し、第2ポンプモータ42はモータとして動作する。なお、以下の説明において、「ポンプとして動作」および「モータとして動作」は、駆動源10により車両1が駆動されている場合(すなわち、タイヤが正の仕事をしている場合)における第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42の役割をいう。車両1が車輪側から駆動されている場合には、ポンプおよびモータの役割は逆転する 。
車両1を後進方向へ発進させるには、第2ポンプモータ42の押し除け容積を最大に保持した状態で、ポンプとして動作する第1ポンプモータ41の押し除け容積を、ゼロから徐々に増大させていく。こうすることで、図6に示すように、速度比(出力軸52の回転数Nout/駆動源10の回転数Nin)がゼロから減少(マイナス方向に増加)していく。
第1ポンプモータ41の押し除け容積が最大になると、第1ポンプモータ41の押し除け容積を最大に保持した状態で、モータとして動作する第2ポンプモータ42の押し除け容積をゼロに向けて徐々に減少させていく。こうすることで、速度比はさらに減少(マイナス方向に増加)していく。
本実施形態では、後進状態において、油圧式伝動系と、機械式伝動系を併用して走行する(すなわち、HMTモードで走行する)ため、油圧式伝動系のみを用いて走行する(すなわち、HSTモードで走行する)のに比べて、伝動効率を高くすることができる。
次に、図4を参照して、直結後進1速状態について説明する。直結後進1速状態では、駆動源10からの動力は、第2入出力軸42aから、第3入力ギヤ42c、第1副ギヤ51a、第3副ギヤ51c、リバースアイドラギヤ53および第2出力ギヤ52dを経由して出力軸52に伝達されるとともに、第1入出力軸41aから、第1入力ギヤ41cおよび第3出力ギヤ52eを経由して出力軸52に伝達される。
直結後進1速状態では、駆動源10からの動力は、油圧変速部40において油圧に変換されることなく、第1入出力軸41aおよび第2入出力軸42aから出力軸52へ出力されるため、伝達効率が良い。そのため、後進を長時間継続するような場合に、燃料(または電力)消費量を抑制することができる。また、油圧変速部40が失陥した場合にも、後進走行を行うことができる。
さらに、直結後進1速状態では、第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42の容量が調整され、第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42が仕事をしないようにされる。具体的には、閉回路43内を圧油が流れないように、第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42の容量が調整される。または、第1ポンプモータ41から流出して第2ポンプモータ42に流入する圧油の圧力と、第2ポンプモータ42から流出して第1ポンプモータ41に流入する圧油の圧力とが等しくなるように、第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42の容量が調整される。そのため、伝達効率をさらに高めることができる。
次に、図5を参照して、直結後進2速状態について説明する。直結後進2速状態では、駆動源10からの動力は、第2入出力軸42aから、第3入力ギヤ42c、第1副ギヤ51a、第3副ギヤ51c、リバースアイドラギヤ53および第2出力ギヤ52dを経由して出力軸52に伝達されるとともに、第1入出力軸41aから第2入力ギヤ41dおよび第4出力ギヤ52fを経由して出力軸52に伝達される。
直結後進2速状態においても、直結後進1速状態と同様に、駆動源10からの動力は、油圧変速部40において油圧に変換されることなく、第1入出力軸41aおよび第2入出力軸42aから出力軸52へ出力される。また、第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42の容量も、第1ポンプモータ41および第2ポンプモータ42が仕事をしないように調整される。そのため、伝達効率を高めることができる。
次に、後進時の高トルク発進について説明する。後進をHSTモードにより行う場合、走行トルクは、閉回路内の圧力に依存する。そのため、積載時、登坂時等で、走行トルクが不足する場合がある。
これに対して、本実施形態では、以下のようにして高トルク状態を成立させることができる。本実施形態では、後進時に、必要に応じて、駆動源10の負荷を上昇させ、駆動源10を高トルク状態で運転させる。そして、ポンプとして動作する第1ポンプモータ41から吐出される圧油の一部を、リリーフ弁44によって低圧油路へ排出する。
こうすることで、駆動源10を高トルク状態で運転させることができる。駆動源10からの動力の一部は、機械式伝動系によって出力軸52に伝達されるため、駆動源10を高トルク状態で運転させることにより、車両1を高トルクで発進させることができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、第2ポンプモータ42の第2入出力軸42aの回転を逆転して出力軸52に伝達する第3連結機構75を設けた。そのため、構造を複雑化することなく、車両1を後進走行させることができる。
また、本実施形態によれば、第2入出力軸42aと出力軸52との間に、前進1速状態と前進3速状態とを選択的に成立させる第2連結機構73、および、後進状態を成立させる第3連結機構75を設けた。そのため、後進状態を成立させるための構造を単純化し、部品点数を削減することができる。
また、本実施形態によれば、第1入出力軸41aと出力軸52との間に、前進2速状態と前進4速状態とを選択的に成立させる第1連結機構71を設けた。これにより、直結後進1速状態および直結後進2速状態を成立させることができる。そのため、車両1を長時間にわたって後進させる場合に、燃料(または電力)消費量を抑制することができる。また、油圧変速部40が失陥した場合にも、車両1を後進させることができる。
また、本実施形態によれば、第1連結機構71、第2連結機構73および第3連結機構75を、ハブとスリーブの係合による機械式係合機構とした。そのため、伝達効率のロスを少なくすることができる。
なお、上述の実施形態では、差動機構を、ベベルギヤ型の差動機構としたが、これに限定されず、遊星歯車を用いた差動機構としてもよい。
また、上述の実施形態では、有段変速部を、第1入出力軸側を前進2段、第2入出力軸側を前進2段および後進段としたが、これに限定されない。第1入出力軸に後進段を設けてもよい。
本発明の変速機は、トラック等の輸送車両に好適に用いられる。
1 車両
10 駆動源
11 出力軸
20 ダンパ
21 入力側部材
22 出力側部材
23 弾性連結部材
30 差動機構
31 入力軸
32 ベベルギヤ
33 第1差動出力ギヤ
34 第2差動出力ギヤ
35 差動出力軸
36 第1ギヤ
37 第2ギヤ
40 油圧変速部
41 第1ポンプモータ
41a 第1入出力軸
41b 第1入力ハブ
41c 第1入力ギヤ
41d 第2入力ギヤ
41e 第1入力クラッチギヤ
41f 第2入力クラッチギヤ
42 第2ポンプモータ
42a 第2入出力軸
42b 第2入力ハブ
42c 第3入力ギヤ
43 閉回路
43a 高圧側油路
43b 低圧側油路
44 リリーフ弁
50 有段変速部
51 副軸
51a 第1副ギヤ
51b 第2副ギヤ
51c 第3副ギヤ
52 出力軸
52a 第1出力ハブ
52b 第2出力ハブ
52c 第1出力ギヤ
52d 第2出力ギヤ
52e 第3出力ギヤ
52f 第4出力ギヤ
52g 第1出力クラッチギヤ
52h 第2出力クラッチギヤ
53 リバースアイドラギヤ
61 プロペラシャフト
62 デファレンシャル
63 ドライブシャフト
64 駆動輪
71 第1連結機構
72 第1スリーブ
73 第2連結機構
74 第2スリーブ
75 第3連結機構
76 第3スリーブ

Claims (5)

  1. 差動機構で2つに分割された駆動源からの動力の一方が入力される一方の可変容量型ポンプモータおよび他方が入力される他方の可変容量型ポンプモータを閉回路で接続した油圧変速部と、
    前記一方の可変容量型ポンプモータの入出力軸の動力を、回転方向を逆転させて出力軸へ出力可能な第1の係合機構、および前記他方の可変容量型ポンプモータの入出力軸の動力を前記出力軸へ出力可能な第2の係合機構、を有する有段変速部と、を備え
    前記一方の可変容量型ポンプモータの入出力軸の動力を、回転方向を逆転させて前記出力軸に出力し、かつ、前記他方の可変容量型ポンプモータの入出力軸の動力を前記出力軸に出力する場合、前記閉回路内を油圧が流れないように前記一方の可変容量型ポンプモータおよび前記他方の可変容量型ポンプモータのそれぞれの容量が調整され
    変速機。
  2. 前記一方の可変容量型ポンプモータの入出力軸は、前記出力軸と同軸に配置される、
    請求項1に記載の変速機。
  3. 前記第1の係合機構は、前記一方の可変容量型ポンプモータの入出力軸の動力を複数の変速比で変速して前記出力軸へ出力可能である、
    請求項1または2に記載の変速機。
  4. 前記第2の係合機構は、前記他方の可変容量型ポンプモータの入出力軸の動力を複数の変速比で変速して前記出力軸へ出力可能である、
    請求項1ないし3のいずれか一項に記載の変速機。
  5. 前記第1および第2の係合機構は、機械式係合機構である、
    請求項1ないし4のいずれか一項に記載の変速機。
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