JP2008014416A - 変速伝動装置 - Google Patents

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上田  吉弘
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良行 片山
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Abstract

【課題】 エンジン駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速して出力できる変速伝動装置を構造簡単に得る。
【解決手段】 静油圧式無段変速部20と、静油圧式無段変速部20から出力される駆動力とエンジン駆動力とを合成する遊星伝動部3aと、遊星伝動部3aの一対の出力部41,42から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして出力する変速出力部3bとを備えてある。遊星伝動部3aは、静油圧式無段変速部20からの出力がサンギヤ50に入力されるとともにエンジン駆動力がキャリヤ52に入力される第1遊星伝動機構PFと、第1遊星伝動機構PFのサンギヤ50にリングギヤ63が一体回転自在に連結されるとともに第1遊星伝動機構PFのリングギヤ53にサンギヤ60が一体回転自在に連結された第2遊星伝動機構PRとを備えている。第2遊星伝動機構PRのサンギヤ60を一方の出力部42に連結し、第2遊星伝動機構PRのキャリヤ62を他方の出力部41に連結してある。
【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジンの出力が入力される静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部から出力される駆動力と前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の一対の出力部から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして出力する変速出力部とを備えた変速伝動装置に関する。
上記した変速伝動装置は、静油圧式無段変速部が変速操作され、この変速操作に併せて変速出力部が適切に切り換え操作されることにより、エンジンからの駆動力が複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速して出力されるものである。
この種の変速伝動装置として、従来、特許出願(特願2005−286073号)されたものを先に開発した。
図14は、先に開発した変速伝動装置3の線図である。この図に示すように、先に開発した変速伝動装置3は、静油圧式無段変速部20と遊星伝動部3aと変速出力部3bとを備えている。遊星伝動部3aは、第1遊星伝動機構P1と第2遊星伝動機構P2と第3遊星伝動機構P3とを備えている。第1遊星伝動機構P1は、静油圧式無段変速部20による変速作用を受けないエンジン駆動力が入力されるリングギヤと、静油圧式無段変速部20からの出力が入力されるサンギヤとを備えている。第2遊星伝動機構P2は、第1遊星伝動機構P1のリングギヤに連動されたキャリヤと、第1遊星伝動機構P1のキャリヤに連動されたリングギヤとを備えている。第3遊星伝動機構P3は、第2遊星伝動機構P2のサンギヤに連動されたサンギヤと、第2遊星伝動機構P2のリングギヤに連動されたキャリヤとを備えている。
変速出力部3bは、遊星伝動部3aの出力が入力されるクラッチ部Cと、このクラッチ部Cの出力が入力される副変速装置30とを備えている。クラッチ部Cは、遊星伝動部3aの一対の出力部に入力側が各別に連結された第1クラッチC1と第2クラッチC2とを備えている。副変速装置30は、この副変速装置30の入力軸と出力軸との間に設けた低速クラッチCLと高速クラッチCHとを備えている。
図15は、先に開発した変速伝動装置3における静油圧式無段変速部20の変速状態と、速度レンジと、副変速装置30の出力速度(以下、副変速出力と称する。)との関係を示す説明図である。図15に示す「−MAX」は、静油圧式無段変速部20の逆回転伝動状態での最高速度の変速状態を示し、「N」は、静油圧式無段変速部20の中立状態を示し、「+MAX」は、静油圧式無段変速部20の正回転伝動状態での最高速度の変速状態を示す。図16は、先に開発した変速伝動装置3における速度レンジとクラッチの操作状態との関係を示す説明図である。図16に示す「入り」は、各クラッチC1,C2,CL,CHの入り状態を示し、「−」は、各クラッチC1,C2,CL,CHの切り状態を示す。
これらの図に示すように、先に開発した変速伝動装置3は、次の如きものである。
すなわち、第1クラッチC1と低速クラッチCLとが入り状態に操作され、静油圧式無段変速部20が「−MAX」から「+MAX」に向けて変速操作されると、変速伝動装置3が1速レンジになって変速作動し、副変速出力の回転速度が「0」から無段階に増速していく。静油圧式無段変速部20が「+MAX」の変速状態になると、副変速出力の回転速度が「B11」になる。これに伴って第2クラッチC2と低速クラッチCLとが入り状態に操作され、かつ、静油圧式無段変速部20が「+MAX」から減速操作されると、変速伝動装置3が2速レンジになって変速作動し、副変速出力の回転速度が「B11」から無段階に増速していく。静油圧式無段変速部20が「+MAX」と「N」の間の変速状態「A」になると、副変速出力の回転速度が「B12」になる。これに伴って第1クラッチC1と高速クラッチCHとが入り状態に操作され、かつ、静油圧式無段変速部20が「A」から増速操作されると、変速伝動装置3が3速レンジになって変速作動し、副変速出力の回転速度が「B12」から無段階に増速していく。静油圧式無段変速部20が「+MAX」の変速状態になると、副変速出力の回転速度が「B13」になる。これに伴って第2クラッチC2と高速クラッチCHとが入り状態に操作され、かつ、静油圧式無段変速部20が「−MAX」に向けて変速操作されると、変速伝動装置3が4速レンジになって変速作動し、副変速出力の回転速度が「B13」から無段階に増速していく。静油圧式無段変速部20が「−MAX」の変速状態になると、副変速出力の回転速度が最高速度の「B14」になる。
先に開発した変速伝動装置の場合、遊星伝動部が備える遊星伝動機構の数量のために構造面で不利になっており、改善の余地があった。
本発明の目的は、エンジン駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速して出力できるものでありながら構造簡単に得ることができる変速伝動装置を提供することにある。
本第1発明は、エンジンの出力が入力される静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部から出力される駆動力と前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の一対の出力部から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして出力する変速出力部とを備えた変速伝動装置において、
前記遊星伝動部は、前記静油圧式無段変速部からの出力がサンギヤに入力されるとともに前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力がキャリヤに入力される第1遊星伝動機構と、第1遊星伝動機構のサンギヤにリングギヤが一体回転自在に連結されるとともに第1遊星伝動機構のリングギヤにサンギヤが一体回転自在に連結された第2遊星伝動機構とを備え、
前記第2遊星伝動機構のサンギヤを前記一対の出力部の一方に連結し、前記第2遊星伝動機構のキャリヤを前記一対の出力部の他方に連結してある。
本第1発明の構成によると、変速伝動装置は、エンジン駆動力と、静油圧式無段変速部の出力とを第1遊星伝動機構と第2遊星伝動機構とによって合成して合成駆動力を変速出力部に伝達し、静油圧式無段変速部の変速操作と、これに併せての変速出力部の適切な操作とが行われることにより、所定の速度段階の速度レンジになるとともに変速作動し、エンジン駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速して出力する。また、1速レンジと2速レンジとにおいて出力速度変化が同一になる変速特性を備えて変速作動するようにできる。
これにより、エンジン駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速でき、殊に走行用に利用しやすい高品質の変速伝動装置を得ることができる。しかも、遊星伝動機構として第1と第2遊星伝動機構の一対を備えるだけの構造簡単なものにして安価に得ることができる。さらには、1速レンジと2速レンジとにおいて同一の変速特性で変速できるよう優れた変速操作フィーリングを備えた状態に得ることができる。
本第2発明は、エンジンの出力が入力される静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部から出力される駆動力と前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の一対の出力部から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして出力する変速出力部とを備えた変速伝動装置において、
前記遊星伝動部は、前記静油圧式無段変速部からの出力がリングギヤに入力されるとともに前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力がキャリヤに入力される第1遊星伝動機構と、第1遊星伝動機構のサンギヤにサンギヤが一体回転自在に連結されるとともに第1遊星伝動機構のキャリヤにキャリヤが一体回転自在に連結された第2遊星伝動機構とを備え、
第2遊星伝動機構のサンギヤを前記一対の出力部の一方に連結し、前記第2遊星伝動機構のリングギヤを前記一対の出力部の他方に連結してある。
本第2発明の構成によると、変速伝動装置は、エンジン駆動力と、静油圧式無段変速部の出力とを第1遊星伝動機構と第2遊星伝動機構とによって合成して合成駆動力を変速出力部に伝達し、静油圧式無段変速部の変速操作と、これに併せての変速出力部の適切な操作とが行われることにより、所定の速度段階の速度レンジになるとともに変速作動し、エンジン駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速して出力する。また、遊星伝動機構のギヤに掛かる最大荷重を比較的小に済ませてギヤを小形化ができるようにできる。さらに、第1遊星伝動機構と第2遊星伝動機構のサンギヤどうし及びキャリヤどうしを連結する構造簡単な連動手段を採用し、遊星伝動機構をコンパクトに得ることができる。
これにより、エンジン駆動力を4段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速でき、殊に走行用に利用しやすい高品質の変速伝動装置を得ることができる。しかも、遊星伝動機構として第1と第2遊星伝動機構の一対を備えるだけの構造簡単なものにして安価に得ることができる。さらには、遊星伝動機構がコンパクトで狭いスペースにも設置しやすいなど、設置が容易な状態に得ることができる。
本第3発明は、エンジンの出力が入力される静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部から出力される駆動力と前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の一対の出力部から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして出力する変速出力部とを備えた変速伝動装置において、
前記遊星伝動部は、前記静油圧式無段変速部からの出力がサンギヤに入力されるとともに前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力がキャリヤに入力される第1遊星伝動機構と、第1遊星伝動機構のキャリヤにキャリヤが一体回転自在に連結されるとともに第1遊星伝動機構のリングギヤにサンギヤが一体回転自在に連結された第2遊星伝動機構とを備え、
第2遊星伝動機構のサンギヤを前記一対の出力部の一方に連結し、前記第2遊星伝動機構のキャリヤを前記一対の出力部の他方に連結してある。
本第3発明の構成によると、変速伝動装置は、エンジン駆動力と、静油圧式無段変速部の出力とを第1遊星伝動機構と第2遊星伝動機構とによって合成して合成駆動力を変速出力部に伝達し、静油圧式無段変速部の変速操作と、これに併せての変速出力部の適切な操作とが行われることにより、所定の速度段階の速度レンジになるとともに変速作動し、エンジン駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速して出力する。また、2速レンジにおいて1速レンジよりも加速性に富んだ変速特性を備えて変速作動するようにできる。
これにより、エンジン駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速でき、殊に走行用に利用しやすい高品質の変速伝動装置を得ることができる。しかも、遊星伝動機構として第1と第2遊星伝動機構の一対を備えるだけの構造簡単なものにして安価に得ることができる。さらには、2速レンジにおいて1速レンジの場合よりも優れた加速性を発揮するよう優れた変速操作フィーリングを備えた状態に得ることができる。
本第4発明は、エンジンの出力が入力される静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部から出力される駆動力と前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の一対の出力部から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして出力する変速出力部とを備えた変速伝動装置において、
前記遊星伝動部は、前記静油圧式無段変速部からの出力がサンギヤに入力されるとともに前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力がキャリヤに入力される第1遊星伝動機構と、第1遊星伝動機構のキャリヤにキャリヤが一体回転自在に連結されるとともに第1遊星伝動機構のリングギヤにリングギヤが一体回転自在に連結された第2遊星伝動機構とを備え、
前記第2遊星伝動機構のサンギヤを前記一対の出力部の一方に連結し、前記第2遊星伝動機構のリングギヤを前記一対の出力部の他方に連結してある。
本第4発明の構成によると、変速伝動装置は、エンジン駆動力と、静油圧式無段変速部の出力とを第1遊星伝動機構と第2遊星伝動機構とによって合成して合成駆動力を変速出力部に伝達し、静油圧式無段変速部の変速操作と、これに併せての変速出力部の適切な操作とが行われることにより、所定の速度段階の速度レンジになるとともに変速作動し、エンジン駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速して出力する。また、第1遊星伝動機構と第2遊星伝動機構のキャリヤどうし及びリングギヤどうしを連結する構造簡単な連動手段を採用し、遊星伝動機構をコンパクトに得ることができる。静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力を効率よく伝達できて、静油圧式無段変速部の小形化ができる。
これにより、エンジン駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして、かつ、各段階の速度レンジにおいて無段階に変速でき、殊に走行用に利用しやすい高品質の変速伝動装置を得ることができる。しかも、遊星伝動機構として第1と第2遊星伝動機構の一対を備えるだけの構造簡単なものにして安価に得ることができる。さらには、遊星伝動機構がコンパクトで、かつ、静油圧式無段変速部が小形で狭いスペースにも設置しやすいなど、設置が容易な状態に得ることができる。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
〔第一実施例〕
図1は、本発明の第一実施例に係る変速伝動装置3の線図である。この図に示すように、第一実施例に係る変速伝動装置3は、トラクタが備える走行伝動装置に装備されている。この走行伝動装置は、エンジン1の出力軸1aからの出力が入力される主クラッチ2と、この主クラッチ2の出力軸2aに入力軸21が連動されている前記変速伝動装置3と、この変速伝動装置3の出力軸71に入力軸31が連動されている前後進切換え装置30と、この前後進切換え装置30の出力軸32に入力ギヤ5aが連動されている後輪差動機構5と、前記前後進切換え装置30の前記出力軸32に伝動ギヤ6a,6bを介して連動されている前輪用出力軸7と、この前輪用出力軸7に伝動軸8を介して入力軸9aが連動されている前輪差動機構9とを備えている。
尚、図1に示す如くミッションケース10の後部に設けた動力取り出し軸11は、トラクタの車体後部に連結されたロータリ耕耘装置(図示せず)など、各種の作業装置に前記エンジン1の駆動力を伝達するものである。この動力取り出し軸11は、伝動軸12と、作業クラッチ13と、伝動ギヤ14a,14bとを介して前記変速伝動装置3の入力軸21に連動されている。
図1に示すように、前記変速伝動装置3は、前記入力軸21となっているポンプ軸(以下、入力軸21をポンプ軸21と呼称する。)を有した静油圧式無段変速部20(以下、無段変速部20と略称する。)と、一対の遊星伝動機構PF,PRを有した遊星伝動部3aと、前記出力軸71を有した変速出力部3bとを備えて構成してある。前記無段変速部20は、ミッションケース10の前部に連設し、前記遊星伝動部3aおよび前記変速出力部3bと、前記前後進切換え装置30と、前記後輪差動機構5とは、前記ミッションケース10の内部に設けてある。
前記無段変速部20は、前記ポンプ軸21を有した油圧ポンプ23と、この油圧ポンプ23からの圧油によって駆動される油圧モータ24とを備えている。油圧ポンプ23は、アキシャルプランジャ形で、かつ可変容量形の油圧ポンプによって構成してある。油圧モータ24は、アキシャルプランジャ形の油圧モータによって構成してある。
すなわち、無段変速部20は、エンジン1の出力軸1aからの出力を主クラッチ2を介してポンプ軸21に入力し、油圧ポンプ23の斜板角が変更されることにより、入力したエンジン駆動力を正回転方向の駆動力と、逆回転方向の駆動力とに変換して、かつ、正回転方向においても逆回転方向においても無段階に変速してモータ軸22から出力する。
前記遊星伝動部3aは、車体前後方向に並ぶ前記一対の遊星伝動機構PF,PRを備える他、前記一対の遊星伝動機構PF,PRのうちの車体後方側に位置する第2遊星伝動機構PRの後側に二重筒軸構造になって位置する相対回転自在な一対の筒軸形の出力部41,42を備えている。
前記一対の遊星伝動機構PF,PRのうち車体前方側に位置する第1遊星伝動機構PFは、前記モータ軸22の後端側に支持されたサンギヤ50と、このサンギヤ50の外周囲にサンギヤ50の周方向に分散させて配置するとともにサンギヤ50に噛み合った複数個の遊星ギヤ51と、各遊星ギヤ51を回転自在に支持するキャリヤ52と、前記各遊星ギヤ51に内歯で噛み合ったリングギヤ53とを備えている。
前記サンギヤ50は、前記モータ軸22に一体回転自在に支持されており、無段変速部20のモータ軸22からの出力がサンギヤ50に入力される。前記キャリヤ52は、このキャリヤ52の取り付け筒部52aに一体回転自在に設けた伝動ギヤ54と、この伝動ギヤ54に噛み合った伝動ギヤ55とを介して前記ポンプ軸21の後端側に連動されている。これにより、エンジン1の出力軸1aからポンプ軸21の前端側に伝達され、無段変速部20による変速作用を受けることがない状態でポンプ軸21の後端側から出力されるエンジン駆動力がキャリヤ52に入力される。前記リングギヤ53は、前記一対の出力部41,42のうちの外筒軸側の出力部42(以下、第2出力部42と呼称する。)に連動部材56を介して一体回転自在に連動されている。
前記一対の遊星伝動機構PF,PRのうちの前記第2遊星伝動機構PRは、前記第2出力部42の前端部に支持されたサンギヤ60と、このサンギヤ60の外周囲にサンギヤ60の周方向に分散させて配置するとともにサンギヤ60に噛み合った複数個の遊星ギヤ61と、各遊星ギヤ61を回転自在に支持するキャリヤ62と、前記各遊星ギヤ61に内歯で噛み合ったリングギヤ63とを備えている。
前記サンギヤ60は、前記第2出力部42に一体回転自在に支持されており、サンギヤ60と第2出力部42とは一体回転自在に連動している。前記キャリヤ62は、前記一対の出力部41,42のうちの内筒軸側の出力部41(以下、第1出力部41と呼称する。)の前端部に一体回転自在に連動されている。前記リングギヤ63は、前記第1遊星伝動機構PFのサンギヤ50に連動部材64を介して一体回転自在に連動されている。
すなわち、遊星伝動部3aは、エンジン1の出力軸1aから出力され、無段変速部20による変速作用を受けないでキャリヤ52に伝達されたエンジン駆動力と、無段変速部20のモータ軸22から出力され、サンギヤ50に伝達された駆動力とを第1遊星伝動機構PFと第2遊星伝動機構PRとによって合成し、合成駆動力を第1出力部41と第2出力部42とから出力する。
前記変速出力部3bは、第1クラッチC1および第2クラッチC2を有したクラッチ部Kと、前記第1クラッチC1および前記第2クラッチC2の出力側回転部材に連動部材95および伝動ギヤ96,97を介して入力軸72が連動された副変速装置70とを備えて構成してある。
第1クラッチC1は、前記連動部材95に一体回転自在に連結された前記出力側回転部材を備える他、前記第1出力部41に一体回転自在に連結された入力側回転部材を備えており、第1出力部41の駆動力を前記入力軸72に伝達する入り状態と、第1出力部41から入力軸72への伝動を絶った切り状態とに切換え操作できる。第2クラッチC2は、前記連動部材95に一体回転自在に連結された前記出力側回転部材を備える他、前記第2出力部42に一体回転自在に連結された入力側回転部材を備えており、第2出力部42の駆動力を前記入力軸72に伝達する入り状態と、第2出力部42から入力軸72への伝動を絶った切り状態とに切換え操作できる。
前記副変速装置70は、前記入力軸72と前記出力軸71とを備える他、入力軸72に入力側回転部材が一体回転自在に連結された低速クラッチCLおよび高速クラッチCHと、前記低速クラッチCLの出力側回転部材を出力軸71に連動させている低速伝動ギヤ73および74と、前記高速クラッチCHの出力側回転部材を前記出力軸71に連動させている高速伝動ギヤ75および76とを備えている。
すなわち、副変速装置70は、低速クラッチCLが入り状態に、高速クラッチCHが切り状態にそれぞれ操作されることにより、入力軸72の駆動力を低速クラッチCLおよび低速伝動ギヤ73,74を介して出力軸71に伝達するよう低速状態になる。副変速装置70は、低速クラッチCLが切り状態に、高速クラッチCHが入り状態にそれぞれ操作されることにより、入力軸72の駆動力を高速クラッチCHおよび高速伝動ギヤ75,76を介して出力軸71に伝達するよう高速状態になる。
図2は、前記各クラッチC1,C2,CL,CHの操作状態と、変速出力部3bの操作状態としての速度レンジとの関係を示す説明図である。図2に示す「入り」は、各クラッチC1,C2,CL,CHの入り状態を示し、「−」は、各クラッチC1,C2,CL,CHの切り状態を示す。図3は、無段変速部20の変速状態と、変速出力部3bの速度レンジと、変速出力部3bの出力軸71による出力速度との関係を示す説明図である。図3の横軸は、無段変速部20の変速状態を示し、縦軸は、出力軸71による出力速度を示す。横軸の「−MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が逆回転方向での最高速度になる変速状態を示し、「N」は、無段変速部20の中立状態を示し、「+MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が正回転方向での最高速度になる変速状態を示し、「A1」は、無段変速部20の「N」と「+MAX」との間の変速状態を示す。
これらの図に示すように、第1クラッチC1と低速クラッチCLとが入り状態に操作され、第2クラッチC2と高速クラッチCHとが切り状態に操作されると、変速出力部3bは、遊星伝動部3aの第1出力部41と第2出力部42とから出力される合成駆動力を第1クラッチC1と低速クラッチCLと低速伝動ギヤ73,74とによって1速レンジの速度段階の駆動力となるよう変速して出力軸71に伝達し、この出力軸71から前後進切換え装置30に伝達する。変速出力部3bがこのように操作された状態において、無段変速部20が「−MAX」から「+MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「0」から無段階に増速する。無段変速部20が「+MAX」になると、出力軸71による出力速度が「B1」になる。
第2クラッチC2と低速クラッチCLとが入り状態に操作され、第1クラッチC1と高速クラッチCHとが切り状態に操作されると、変速出力部3bは、遊星伝動部3aの第1出力部41と第2出力部42とから出力される合成駆動力を第2クラッチC2と低速クラッチCLと低速伝動ギヤ73,74とによって2速レンジの速度段階の駆動力となるよう変速して出力軸71に伝達し、この出力軸71から前後進切換え装置30に伝達する。変速出力部3bがこのように操作された状態において、無段変速部20が「+MAX」から減速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「B1」から無段階に増速する。無段変速部20が「A1」になると、出力軸71による出力速度が「B2」になる。
第1クラッチC1と高速クラッチCHとが入り状態に操作され、第2クラッチC2と低速クラッチCLとが切り状態に操作されると、変速出力部3bは、遊星伝動部3aの第1出力部41と第2出力部42とから出力される合成駆動力を第1クラッチC1と高速クラッチCHと高速伝動ギヤ75,76とによって3速レンジの速度段階の駆動力となるよう変速して出力軸71に伝達し、この出力軸71から前後進切換え装置30に伝達する。変速出力部3bがこのように操作された状態において、無段変速部20が正回転速度「A1」から「+MAX」に向けて増速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「B2」から無段階に増速する。無段変速部20が「+MAX」になると、出力軸71による出力速度が「B3」になる。
第2クラッチC2と高速クラッチCHとが入り状態に操作され、第1クラッチC1と低速クラッチCLとが切り状態に操作されると、変速出力部3bは、遊星伝動部3aの第1出力部41と第2出力部42とから出力される合成駆動力を第2クラッチC2と高速クラッチCHと高速伝動ギヤ75,76とによって4速レンジの速度段階の駆動力となるよう変速して出力軸71に伝達し、この出力軸71から前後進切換え装置30に伝達する。変速出力部3bがこのように操作された状態において、無段変速部20が「+MAX」から「−MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「B3」から無段階に増速する。無段変速部20が「−MAX」になると、出力軸71による出力速度が最高速度の「B4」になる。
図1に示すように、前記前後進切換え装置30は、前記入力軸31と前記出力軸32とを備える他、入力軸31に連動部材34を介して入力側回転部材が一体回転自在に連結され、出力側回転部材が連動部材35を介して出力軸32に一体回転自在に連結された前進クラッチCFと、入力軸31に逆転伝動ギヤ機構33を介して入力側回転部材が連動され、出力側回転部材が前記連動部材35を介して出力軸32に一体回転自材に連動された後進クラッチCRとを備えている。
すなわち、前後進切換え装置30は、前進クラッチCFが入り状態に、後進クラッチCRが切り状態にそれぞれ操作されることにより、入力軸31の駆動力を連動部材34と前進クラッチCFと連動部材35とを介して出力軸32に伝達するよう前進状態になる。前後進切換え装置30は、前進クラッチCFが切り状態に、後進クラッチCRが入り状態にそれぞれ操作されることにより、入力軸31の駆動力を逆転伝動ギヤ機構33と後進クラッチCRと連動部材35とを介して出力軸32に伝達するよう後進状態になる。
図4は、トラクタが備える走行操作装置のブロック図である。この図に示すように、走行操作装置は、トラクタの運転部に設けた主変速レバー80および前後進レバー81と、主変速レバー80に連動された変速検出手段82と、前後進レバー81に連動された前後進検出手段83と、この前後進検出手段83および前記変速検出手段82に連係された制御手段84とを備えている。制御手段84は、無段変速部20を変速操作する変速バルブ85と、前記各クラッチC1,C2,CL,CHを切換え操作するクラッチバルブ86〜89と、前記前進クラッチCFを切換え操作する前進バルブ90と、前記後進クラッチCRを切換え操作する後進バルブ91とのそれぞれの電磁操作部に連係されている。制御手段84は、無段変速部20に設けた変速状態検出手段92に連係されている。
主変速レバー80は、中立位置S1から最高速位置Maxに至る操作域で揺動操作するようになっている。主変速レバー80の操作域のうち、中立位置S1から中間位置Mまでは、主として作業時に使用する低速域Lとなり、中間位置Mから最高速位置Maxまでは、主として移動走行時に使用する高速域Hとなっている。前後進レバー81は、中立位置S2と前進位置Fと後進位置Rとに切換え操作するようになっている。
変速検出手段82は、主変速レバー80に操作部が連動された回転ポテンショメータによって構成してあり、主変速レバー80が操作された操作位置を検出し、この検出結果を制御手段84に出力する。前後進検出手段83は、前後進レバー81に操作部が連動された回転ポテンショメータによって構成してあり、前後進レバー81が操作された操作位置を検出し、この検出結果を制御手段84に出力する。変速状態検出手段92は、無段変速部20の変速状態を検出し、この検出結果を制御手段84にフィードバックする。
制御手段84は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、変速検出手段82および変速状態検出手段92による検出情報を基に、変速伝動装置3が主変速レバー80の操作位置に対応した操作状態になるよう、変速バルブ85を操作することによって無段変速部20を変速操作し、かつ、各クラッチバルブ86〜89を切換え操作することによって各クラッチC1,C2,CL,CHを切換え操作する。また、制御手段84は、速度レンジが1速レンジと2速レンジの一方から他方に、あるいは2速レンジと3速レンジの一方から他方に、あるいは3速レンジと4速レンジの一方から他方に切り換わるレンジ超え変速を行う際、出力部41,42の回転速度を検出するセンサ(図示せず)による検出情報と、変速検出手段82による検出情報とを基に、速度レンジを下段側と上段側のいずれに切り換えるべきかを判断し、速度レンジが主変速レバー80の操作方向に対応した下段側あるいは上段側に切り換わった適切なレンジ超え変速を行う。
制御手段84は、前後進検出手段83による検出情報を基に、前後進切換え装置30が前後進レバー81の操作位置に対応した操作状態になるよう、前進バルブ90を切換え操作することによって前進クラッチCFを切換え操作し、かつ、後進バルブ91を切換え操作することによって後進クラッチCRを切換え操作する。
つまり、トラクタを走行させるに当たり、主変速レバー80を中立位置S1から揺動操作することによってトラクタが走行し、主変速レバー80の中立位置S1からの操作ストロークを大にするほど、トラクタの走行速度が速くなり、主変速レバー80を最高速位置Maxに操作すると、トラクタの走行速度が最高速度になる。
すなわち、主変速レバー80が中立位置S1から揺動操作されて低速域Lの設定位置La(以下、低速設定位置Laと呼称する。)に至るまでの間、制御手段84が第1クラッチC1と低速クラッチCLとを入り状態に維持操作し、変速伝動装置3が1速レンジになって変速作動する。また、主変速レバー80が中立位置S1から揺動操作されるに伴い、制御手段84が無段変速部20を「−MAX」の変速状態から「+MAX」の変速状態に向けて変速操作していく。これにより、主変速レバー80が中立位置S1から操作されるに伴い、出力軸71の出力速度が「0」から無段階に増速していく。主変速レバー80が低速設定位置Laに至ると、出力軸71の出力速度が「B1」になる。このとき、制御手段84が低速クラッチCLを入り状態に維持操作するとともに第2クラッチC2を入り状態に切換え操作し、変速伝動装置3が2速レンジに切り換わる。この後、主変速レバー80が低速設定位置Laから中間位置Mに至るまでの間、制御手段84が第2クラッチC2と低速クラッチCLとを入り状態に維持操作し、変速伝動装置3が2速レンジに維持されて変速作動する。また、主変速レバー80が低速設定位置Laから揺動操作されるに伴い、制御手段84が無段変速部20を「+MAX」の変速状態から正回転速度「A1」に向けて減速操作していく。これにより、主変速レバー80が設定低速位置Laから操作されるに伴い、出力軸71による出力速度が「B1」から無段階に増速していく。主変速レバー80が中間位置Mに至ると、出力軸71による出力速度が「B2」なる。このとき、制御手段84が第1クラッチC1と高速クラッチCLとを入り状態に切換え操作し、変速伝動装置3が3速レンジに切り換わる。この後、主変速レバー80が中間位置Mから高速域Hの設定位置Ha(以下、高速設定位置Haと呼称する。)に至るまでの間、制御手段84が第1クラッチC1と高速クラッチCHを入り状態に維持操作し、変速伝動装置3が3速レンジになって変速作動する。また、主変速レバー80が中間位置Mから揺動操作されるに伴い、制御手段84が無段変速部20を正回転速度「A1」から「+MAX」に向けて増速操作していく。これにより、主変速レバー80が中間位置Mから揺動操作されるに伴い、出力軸71による出力速度が「B2」から無段階に増速していく。主変速レバー80が高速設定位置Haに至ると、出力軸71による出力速度が「B3」になる。このとき、制御手段84が高速クラッチCHを入り状態に維持するとともに第2クラッチC2を入り状態に切換え操作し、変速伝動装置3が4速レンジに切り換わる。この後、主変速レバー80が高速設定位置Haから最高速位置Maxに至るまでの間、制御手段84が第2クラッチC2と高速クラッチCHとを入り状態に維持操作し、変速伝動装置3が4速レンジになって変速作動する。また、主変速レバー80が高速設定位置Haから揺動操作されるに伴い、制御手段84が無段変速部20を「+MAX」の変速状態から「−MAX」の変速状態に向けて変速操作していく。これにより、主変速レバー80が高速設定位置Haから揺動操作されるに伴い、出力軸71による出力速度が「B3」から無段階に増速していく。主変速レバー80が最高速位置Maxに至ると、制御手段84が第2クラッチC2と高速クラッチCHとを入り状態に維持操作していて変速伝動装置3が4速レンジになっており、かつ、制御手段84が無段変速部20を「−MAX」の変速状態に操作する。これにより、出力軸71による出力速度が最高速度の「B4」になる。
このように走行するとき、前後進レバー81を前進位置Fに操作しておくと、制御手段84が前進クラッチCFを入り状態に、後進クラッチCRを切り状態にそれぞれ操作する。これにより、前後進切換え装置30が前進状態になり、出力軸71からの出力が前進駆動力にして後輪差動機構5および前輪差動機構9に伝達され、トラクタが前進走行する。一方、前後進レバー81を後進位置Rに操作しておくと、制御手段84が前進クラッチCFを切り状態に、後進クラッチCRを入り状態にそれぞれ操作する。これにより、前後進切換え装置30が後進状態になり、出力軸71からの出力が後進駆動力にして後輪差動機構5および前輪差動機構9に伝達され、トラクタが後進走行する。
尚、前後進レバー81を中立位置S2に操作すると、制御手段84が前進クラッチCF及び後進クラッチCRを切り状態に切換え操作する。これにより、後輪差動機構5および前輪差動機構9への伝動が停止し、トラクタが停止状態になる。
〔第二実施例〕
図5は、本発明の第二実施例に係る変速伝動装置3の線図である。この図に示すように、第二実施例に係る変速伝動装置3は、トラクタが備える走行伝動装置に装備されている。この走行伝動装置は、エンジン1の出力軸1aからの出力が入力される主クラッチ2と、この主クラッチ2の出力軸2aに入力軸21が連動されている前記変速伝動装置3と、この変速伝動装置3の出力軸71に入力軸31が連動されている前後進切換え装置30と、この前後進切換え装置30の出力軸32に入力ギヤ5aが連動されている後輪差動機構5と、前記前後進切換え装置30の前記出力軸32に伝動ギヤ6a,6bを介して連動されている前輪用出力軸7と、この前輪用出力軸7に伝動軸8を介して入力軸9aが連動されている前輪差動機構9とを備えている。
図5に示すように、前記変速伝動装置3は、前記入力軸21となっているポンプ軸(以下、入力軸21をポンプ軸21と称する。)を有した静油圧式無段変速部20(以下、無段変速部20と略称する。)と、一対の遊星伝動機構PF,PRを有した遊星伝動部3aと、前記出力軸71を有した変速出力部3bとを備えて構成してある。変速出力部3bは、第1クラッチC1および第2クラッチC2を有したクラッチ部Kと、低速クラッチCLおよび高速クラッチCHを有した副変速装置70とを備えている。
第二実施例に係る変速伝動装置3は、第一実施例に係る変速伝動装置3と比較して、遊星伝動部3aにおけるギヤを連動させる構成の点と、クラッチ部KにおけるクラッチC1及びC2を遊星伝動部3aに連動させる構成の点と、出力軸71による出力速度の点において第一実施例に係る変速伝動装置3と相違しており、他の点において第一実施例に係る変速伝動装置3と同一の構成を備えている。
第二実施例に係る変速伝動装置3における遊星伝動部3aのギヤを連動させる構成と、遊星伝動部3aの出力構成の点と、出力軸71による出力速度の点について説明する。
図5に示すように、第1遊星伝動機構PFのキャリヤ52が連動部材57を介して無段変速部20のポンプ軸21に一体回転自在に連結されており、エンジン1の出力軸1aからポンプ軸21の前端側に伝達され、無段変速部20による変速作用を受けることがない状態でポンプ軸21の後端側から出力されるエンジン駆動力が、第1遊星伝動機構PFのキャリヤ52に入力される。第1遊星伝動機構PFのリングギヤ53が連動部材58aと、この連動部材58aに一体回転自在に設けた伝動ギヤ58bと、この伝動ギヤ58bに噛み合った伝動ギヤ58cとを介してモータ軸22に連動されており、無段変速部20のモータ軸22から出力される駆動力が第1遊星伝動機構PFのリングギヤ53に入力される。第1遊星伝動機構PFのサンギヤ50と、第2遊星伝動機構PRのサンギヤ60とが回転軸65を介して一体回転自在に連結されている。第1遊星伝動機構PFのキャリヤ52と、第2遊星伝動機構PRのキャリヤ62とが連動部材66を介して一体回転自在に連結されている。遊星伝動部3aの第1出力部41は、第2遊星伝動機構PRのリングギヤ63に連動部材67を介して一体回転自在に連動されている。遊星伝動部3aの第2出力部42は、第2遊星伝動機構PRのサンギヤ60に回転軸68を介して一体回転自在に連動されている。
図6は、無段変速部20の変速状態と、変速出力部3bの速度レンジと、変速出力部3bの出力軸71による出力速度との関係を示す説明図である。図6の横軸は、無段変速部20の変速状態を示し、縦軸は、出力軸71による出力速度を示す。横軸の「−MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が逆回転方向での最高速度になる変速状態を示し、「N」は、無段変速部20の中立状態を示し、「+MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が正回転方向での最高速度になる変速状態を示し、「A2」は、無段変速部20の「N」と「+MAX」との間の変速状態を示す
この図に示すように、変速出力部3bが1速レンジに操作された状態において無段変速部20が「−MAX」から「+MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「0」から無段階に増速する。無段変速部20が「+MAX」になると、出力軸71による出力速度が「B1a」になる。変速出力部3bが2速レンジに操作された状態において無段変速部20が「+MAX」から減速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「B1a」から無段階に増速する。無段変速部20が「A2」になると、出力軸71による出力速度が「B2a」になる。変速出力部3bが3速レンジに操作された状態において、無段変速部20が「A2」から「+MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「B2a」から無段階に増速する。無段変速部20が「+MAX」になると、出力軸71による出力速度が「B3a」になる。変速出力部3bが4速レンジに操作された状態で無段変速部20が「+MAX」から「−MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「B3a」から無段階に増速する。無段変速部20が「−MAX」になると、出力軸71による出力速度が最高速度の「B4」になる。
〔第三実施例〕
図7は、本発明の第三実施例に係る変速伝動装置3の線図である。この図に示すように、第三実施例に係る変速伝動装置3は、トラクタが備える走行伝動装置に装備されている。この走行伝動装置は、エンジン1の出力軸1aからの出力が入力される主クラッチ2と、この主クラッチ2の出力軸2aに入力軸21が連動されている前記変速伝動装置3と、この変速伝動装置3の出力軸71に入力軸31が連動されている前後進切換え装置30と、この前後進切換え装置30の出力軸32に入力ギヤ5aが連動されている後輪差動機構5と、前記前後進切換え装置30の前記出力軸32に伝動ギヤ6a,6bを介して連動されている前輪用出力軸7と、この前輪用出力軸7に伝動軸8を介して入力軸9aが連動されている前輪差動機構9とを備えている。
図7に示すように、前記変速伝動装置3は、前記入力軸21となっているポンプ軸(以下、入力軸21をポンプ軸21と称する。)を有した静油圧式無段変速部20(以下、無段変速部20と略称する。)と、一対の遊星伝動機構PF,PRを有した遊星伝動部3aと、前記出力軸71を有した変速出力部3bとを備えて構成してある。変速出力部3bは、第1クラッチC1および第2クラッチC2を有したクラッチ部Kと、低速クラッチCLおよび高速クラッチCHを有した副変速装置70とを備えている。
第三実施例に係る変速伝動装置3は、第一実施例に係る変速伝動装置3と比較して、遊星伝動部3aにおけるギヤを連動させる構成の点と、クラッチ部KにおけるクラッチC1及びC2を遊星伝動部3aに連動させる構成の点と、出力軸71による出力速度の点において第一実施例に係る変速伝動装置3と相違しており、他の点において第一実施例に係る変速伝動装置3と同一の構成を備えている。
第三実施例に係る変速伝動装置3における遊星伝動部3aのギヤを連動させる構成と、遊星伝動部3aの出力構成の点と、出力軸71による出力速度の点について説明する。
図7に示すように、第1遊星伝動機構PFのキャリヤ52がこのキャリヤ52の取り付け筒部52aに一体回転自在に設けた伝動ギヤ54と、この伝動ギヤ54に噛み合った伝動ギヤ55とを介してポンプ軸21に連動されている。すなわち、エンジン1の出力軸1aからポンプ軸21の前端側に伝達され、無段変速部20による変速作用を受けることがない状態でポンプ軸21の後端側から出力されるエンジン駆動力が第1遊星伝動機構PFのキャリヤ52に入力される。第1遊星伝動機構PFのサンギヤ50が無段変速部20のモータ軸22に一体回転自在に支持されており、無段変速部20のモータ軸22から出力される駆動力が第1遊星伝動機構PFのサンギヤ50に入力される。第1遊星伝動機構PFのキャリヤ52と、第2遊星伝動機構PRのキャリヤ62とが連動部材66を介して一体回転自在に連結されている。第1遊星伝動機構PFのリングギヤ53と、第2遊星伝動機構PRのサンギヤ60とが連動部材69を介して一体回転自在に連結されている。遊星伝動部3aの第1出力部41は、第2遊星伝動機構PRのリングギヤ63に連動部材67を介して一体回転自在に連動されている。遊星伝動部3aの第2出力部42は、第2遊星伝動機構PRのサンギヤ60に回転軸68を介して一体回転自在に連動されている。
図8は、無段変速部20の変速状態と、変速出力部3bの速度レンジと、変速出力部3bの出力軸71による出力速度との関係を示す説明図である。図8の横軸は、無段変速部20の変速状態を示し、縦軸は、出力軸71による出力速度を示す。横軸の「−MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が逆回転方向での最高速度になる変速状態を示し、「N」は、無段変速部20の中立状態を示し、「+MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が正回転方向での最高速度になる変速状態を示す。「A3」は、無段変速部20の「N」と「+MAX」との間の変速状態を示す。
この図に示すように、変速出力部3bが1速レンジに操作された状態において無段変速部20が「−MAX」から「+MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「0」から無段階に増速する。無段変速部20が「+MAX」になると、出力軸71による出力速度が「B1b」になる。変速出力部3bが2速レンジに操作された状態において無段変速部20が「+MAX」から減速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「B1b」から無段階に増速する。無段変速部20が「A3」になると、出力軸71による出力速度が「B2b」になる。変速出力部3bが3速レンジに操作された状態において、無段変速部20が「A3」から「+MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「B2b」から無段階に増速する。無段変速部20が「+MAX」になると、出力軸71による出力速度が「B3b」になる。変速出力部3bが4速レンジに操作された状態で無段変速部20が「+MAX」から「−MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「B3b」から無段階に増速する。無段変速部20が「−MAX」になると、出力軸71による出力速度が最高速度の「B4」になる。
〔第四実施例〕
図9は、本発明の第四実施例に係る変速伝動装置3の線図である。この図に示すように、第四実施例に係る変速伝動装置3は、トラクタが備える走行伝動装置に装備されている。この走行伝動装置は、エンジン1の出力軸1aからの出力が入力される主クラッチ2と、この主クラッチ2の出力軸2aに入力軸21が連動されている前記変速伝動装置3と、この変速伝動装置3の出力軸71に入力軸31が連動されている前後進切換え装置30と、この前後進切換え装置30の出力軸32に入力ギヤ5aが連動されている後輪差動機構5と、前記前後進切換え装置30の前記出力軸32に伝動ギヤ6a,6bを介して連動されている前輪用出力軸7と、この前輪用出力軸7に伝動軸8を介して入力軸9aが連動されている前輪差動機構9とを備えている。
図9に示すように、前記変速伝動装置3は、前記入力軸21となっているポンプ軸(以下、入力軸21をポンプ軸21と称する。)を有した静油圧式無段変速部20(以下、無段変速部20と略称する。)と、一対の遊星伝動機構PF,PRを有した遊星伝動部3aと、前記出力軸71を有した変速出力部3bとを備えて構成してある。変速出力部3bは、第1クラッチC1および第2クラッチC2を有したクラッチ部Kと、低速クラッチCLおよび高速クラッチCHを有した副変速装置70とを備えている。
第四実施例に係る変速伝動装置3は、第一実施例に係る変速伝動装置3と比較して、遊星伝動部3aにおけるギヤを連動させる構成の点と、クラッチ部KにおけるクラッチC1及びC2を遊星伝動部3aに連動させる構成の点と、出力軸71による出力速度の点において第一実施例に係る変速伝動装置3と相違しており、他の点において第一実施例に係る変速伝動装置3と同一の構成を備えている。
第四実施例に係る変速伝動装置3における遊星伝動部3aのギヤを連動させる構成と、遊星伝動部3aの出力構成の点と、出力軸71による出力速度の点について説明する。
図9に示すように、第1遊星伝動機構PFのキャリヤ52がこのキャリヤ52の取り付け筒部52aに一体回転自在に設けた伝動ギヤ54と、この伝動ギヤ54に噛み合った伝動ギヤ55とを介して無段変速部20のポンプ軸21に連動されている。すなわち、エンジン1の出力軸1aからポンプ軸21の前端側に伝達され、無段変速部20による変速作用を受けることがない状態でポンプ軸21の後端側から出力されるエンジン駆動力が、第1遊星伝動機構PFのキャリヤ52に入力される。第1遊星伝動機構PFのサンギヤ50が無段変速部20のモータ軸22に一体回転自在に支持されており、無段変速部20のモータ軸22から出力される駆動力が第1遊星伝動機構PFのサンギヤ50に入力される。第1遊星伝動機構PFのキャリヤ52と、第2遊星伝動機構PRのキャリヤ62とが連動部材66を介して一体回転自在に連結されている。第1遊星伝動機構PFのリングギヤ53と、第2遊星伝動機構PRリングギヤ63とが連動部材59を介して一体回転自在に連結されている。遊星伝動部3aの第1出力部41は、第2遊星伝動機構PRのサンギヤ60に一体回転自在に連動されている。遊星伝動部3aの第2出力部42は、第2遊星伝動機構PRのリングギヤ63に連動部材43を介して一体回転自在に連動されている。
図10は、無段変速部20の変速状態と、変速出力部3bの速度レンジと、変速出力部3bの出力軸71による出力速度との関係を示す説明図である。図10の横軸は、無段変速部20の変速状態を示し、縦軸は、出力軸71による出力速度を示す。横軸の「−MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が逆回転方向での最高速度になる変速状態を示し、「N」は、無段変速部20の中立状態を示し、「+MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が正回転方向での最高速度になる変速状態を示す。「A4」は、無段変速部20の「N」と「+MAX」との間の変速状態を示す。
この図に示すように、変速出力部3bが1速レンジに操作された状態において無段変速部20が「−MAX」から「+MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「0」から無段階に増速する。無段変速部20が「+MAX」になると、出力軸71による出力速度が「B1c」になる。変速出力部3bが2速レンジに操作された状態において無段変速部20が「+MAX」から減速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「B1c」から無段階に増速する。無段変速部20が「A4」になると、出力軸71による出力速度が「B2c」になる。変速出力部3bが3速レンジに操作された状態において、無段変速部20が「A4」から「+MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「B2c」から無段階に増速する。無段変速部20が「+MAX」になると、出力軸71による出力速度が「B3c」になる。変速出力部3bが4速レンジに操作された状態で無段変速部20が「+MAX」から「−MAX」に向けて変速操作されると、これに伴って出力軸71による出力速度が「B3c」から無段階に増速する。無段変速部20が「−MAX」になると、出力軸71による出力速度が最高速度の「B4」になる。
図11は、第四実施例に係る変速伝動装置3が備える変速操作装置における主変速レバー80の操作位置と、変速検出手段82による検出情報を基に制御手段84によって変速操作される無段変速部20の変速状態と、出力軸71による出力速度との関係を示す説明図である。この図の横軸は、無段変速部20の変速状態を示し、縦軸は、出力軸71による出力速度を示す。横軸の「−MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が逆回転方向での最高速度になる変速状態を示し、「N」は、無段変速部20の中立状態を示し、「+MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が正回転方向での最高速度になる変速状態を示す。この図に示す主変速レバー80の操作位置S1は、中立位置であり、主変速レバー80の操作位置Faは、主変速レバー80が中立位置S1から全操作ストロークの1/4の操作ストロークを操作された操作位置である。この図の出力軸71による出力速度「Bf」は、出力速度「B1c」よりもやや低速度の出力速度である。
この図に示すように、第四実施例に係る変速伝動装置3は、1速レンジにおける無段変速部20の速度変化に対する出力軸71の出力速度変化が2速レンジにおけるそれよりも大となった状態で変速作動する。しかし、第四実施例に係る変速伝動装置3が備える変速操作装置では、変速伝動装置3が1速レンジになって変速作動し、出力軸71による出力速度が「0」と「B1c」との間で変化する際と、変速伝動装置3が2速レンジになって変速作動し、出力軸71による出力速度が「B1c」と「B2c」との間で変化する際とにおいて操作フィーリングが良い状態で変速操作できる。
つまり、図12は、第四実施例に係る変速伝動装置3が備える変速操作装置と比較する変速操作装置における主変速レバー80の操作位置と、無段変速部20の変速状態と、出力軸71による出力速度との関係を示す説明図である。この図の横軸は、無段変速部20の変速状態を示し、縦軸は、出力軸71による出力速度を示す。横軸の「−MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が逆回転方向での最高速度になる変速状態を示し、「N」は、無段変速部20の中立状態を示し、「+MAX」は、無段変速部20のモータ軸22による出力速度が正回転方向での最高速度になる変速状態を示す。この図に示す主変速レバー80の操作位置S1は、中立位置であり、主変速レバー80の操作位置Faは、主変速レバー80が中立位置S1から全操作ストロークの1/4の操作ストロークを操作された操作位置である。
図11に示すように、第四実施例に係る変速伝動装置3が備える変速操作装置では、主変速レバー80が操作位置Faに操作されると、制御手段84による無段変速部20の変速操作により、出力軸71による出力速度が「Bf」になる。図12に示すように、比較例の変速操作装置では、主変速レバー80が操作位置Faに操作されると、出力軸71による出力速度が「B1c」になる。このため、図12に示すように、比較の変速操作装置では、主変速レバー80が操作位置Faよりも低速側で基準ストロークを操作されるに伴って発生する出力速度変化の大きさVL1と、主変速レバー80が操作位置Faよりも高速側で、かつ、2速レンジで基準ストロークを操作されるに伴って発生する出力速度変化の大きさVH1との差が大になる。これに対し、図11に示すように、本第4発明の実施例における変速操作装置では、主変速レバー80が操作位置Faよりも低速側で基準ストロークを操作されるに伴って発生する出力速度変化の大きさVL2と、主変速レバー80が操作位置Faよりも高速側で、かつ、2速レンジで基準ストロークを操作されるに伴って発生する出力速度変化の大きさVH2との差が小になっている。
図13は、第一〜第四実施例に係る変速伝動装置3が備える特性を示す説明図である。この図に示す出力は、4段階の各速度レンジにおいて第2遊星伝動機構PRのサンギヤ60とキャリヤ62とリングギヤ63のいずれから出力されるかを示している。加速性は、無段変速部20の速度変化に対する出力軸71による出力速度変化を1速レンジと2速レンジとで比較した結果、及び3速レンジと4速レンジとで比較した結果を示している。ギヤ荷重は、遊星伝動機構PF,PRにおいて最大荷重が掛かるギヤ(サンギヤ、遊星ギヤ、リングギヤ)の荷重と、最小荷重が掛かるギヤ(サンギヤ、遊星ギヤ、リングギヤ)の荷重との比(荷重比)を大、中、小の3段階に段階分けすると、いずれに該当するかをしている。伝動効率は、無段変速部20による変速作用を受けないエンジン駆動力が出力軸71による出力となる効率を高、中、低の3段階に段階分けすると、いずれに該当するかを示している。この伝動効率が高くなるほど、無段変速部20の容量をより小に済ませることができる。
この図に示すように、第一実施例に係る変速伝動装置3では、1速および3速レンジにおいて第2遊星伝動機構PRのキャリヤ62から出力され、2速および4速レンジにおいて後遊星伝動機構PRのサンギヤから出力される。1速と2速レンジとでの加速性が同一になり、3速レンジと4速レンジとで加速性が同一になる。ギヤ荷重および伝動効率が中に該当する。
第二実施例に係る変速伝動装置3では、1速および3速レンジにおいて第2遊星伝動機構PRのリングギヤ63から出力され、2速および4速レンジにおいて第2遊星伝動機構PRのサンギヤ60から出力される。1速よりも2速レンジの方で、かつ、3速レンジよりも4速レンジの方で加速性が大になる。ギヤ荷重が小に該当し、伝動効率が低に該当する。
第三実施例に係る変速伝動装置3では、1速および3速レンジにおいて第2遊星伝動機構PRのリングギヤ63から出力され、2速および4速レンジにおいて第2遊星伝動機構PRのサンギヤ60から出力される。1速よりも2速レンジの方で、かつ、3速レンジよりも4速レンジの方で加速性が大になる。ギヤ荷重および伝動効率が中に該当する。
第四実施例に係る変速伝動装置3では、1速および3速レンジにおいて第2遊星伝動機構PRのサンギヤ60から出力され、2速および4速レンジにおいて第2遊星伝動機構PRのリングギヤ63から出力される。2速よりも1速レンジの方で、かつ、4速レンジよりも3速レンジの方で加速性が大になる。ギヤ荷重が大に該当し、伝動効率が高に該当する。
〔別実施例〕
上記各実施例の変速伝動装置が備える変速出力部に替え、遊星伝動部の第1出力部に伝動比が異なる複数の第1伝動機構を介して、かつ、遊星伝動部の第2出力部に伝動比が異なる複数の第2伝動機構を介してそれぞれ連動された出力軸と、前記複数の第1伝動機構に各別に設けた複数のクラッチと、前記複数の第2伝動機構に設けた複数のクラッチとを備えた変速出力部を採用し、無段変速部が変速操作され、これに併せて各クラッチが適切に切り換え操作されることにより、エンジン出力が3段階や、4段階よりも多数の複数段階の速度レンジに段階分けされて、かつ、各段階の速度レンジで無段階に変速されて出力されるように変速伝動装置を構成する場合にも本発明は適用できる。
第一実施例の変速伝動装置を備えた走行伝動装置の線図 クラッチの操作状態と、速度レンジとの関係を示す説明図 第一実施例の変速伝動装置における無段変速部の変速状態と、速度レンジと、出力速度との関係を示す説明図 走行操作装置のブロック図 第二実施例の変速伝動装置を備えた走行伝動装置の線図 第二実施例の変速伝動装置における無段変速部の変速状態と、速度レンジと、出力速度との関係を示す説明図 第三実施例の変速伝動装置を備えた走行伝動装置の線図 第三実施例の変速伝動装置における無段変速部の変速状態と、速度レンジと、出力速度との関係を示す説明図 第四実施例の変速伝動装置を備えた走行伝動装置の線図 第四実施例の変速伝動装置における無段変速部の変速状態と、速度レンジと、出力速度との関係を示す説明図 第四実施例の変速伝動装置における主変速レバーの操作位置と、出力速度との関係を示す説明図 比較構造における主変速レバーの操作位置と、出力速度との関係を示す説明図 第一〜第四実施例の変速伝動装置の特性を示す説明図 先に開発した変速伝動装置の線図 先に開発した変速伝動装置における無段変速部の変速状態と、速度レンジと、出力速度との関係を示す説明図 先に開発した変速伝動装置におけるクラッチの操作状態と、速度レンジとの関係を示す説明図
符号の説明
1 エンジン
3a 遊星伝動部
3b 変速出力部
20 静油圧式無段変速部
41,42 出力部
50 第1遊星伝動機構のサンギヤ
52 第1遊星伝動機構のキャリヤ
53 第1遊星伝動機構のリングギヤ
60 第2遊星伝動機構のサンギヤ
62 第2遊星伝動機構のキャリヤ
63 第2遊星伝動機構のリングギヤ
PF 第1遊星伝動機構
PR 第2遊星伝動機構

Claims (4)

  1. エンジンの出力が入力される静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部から出力される駆動力と前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の一対の出力部から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして出力する変速出力部とを備えた変速伝動装置であって、
    前記遊星伝動部は、前記静油圧式無段変速部からの出力がサンギヤに入力されるとともに前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力がキャリヤに入力される第1遊星伝動機構と、第1遊星伝動機構のサンギヤにリングギヤが一体回転自在に連結されるとともに第1遊星伝動機構のリングギヤにサンギヤが一体回転自在に連結された第2遊星伝動機構とを備え、
    前記第2遊星伝動機構のサンギヤを前記一対の出力部の一方に連結し、前記第2遊星伝動機構のキャリヤを前記一対の出力部の他方に連結してある変速伝動装置。
  2. エンジンの出力が入力される静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部から出力される駆動力と前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の一対の出力部から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして出力する変速出力部とを備えた変速伝動装置であって、
    前記遊星伝動部は、前記静油圧式無段変速部からの出力がリングギヤに入力されるとともに前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力がキャリヤに入力される第1遊星伝動機構と、第1遊星伝動機構のサンギヤにサンギヤが一体回転自在に連結されるとともに第1遊星伝動機構のキャリヤにキャリヤが一体回転自在に連結された第2遊星伝動機構とを備え、
    第2遊星伝動機構のサンギヤを前記一対の出力部の一方に連結し、前記第2遊星伝動機構のリングギヤを前記一対の出力部の他方に連結してある変速伝動装置。
  3. エンジンの出力が入力される静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部から出力される駆動力と前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の一対の出力部から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして出力する変速出力部とを備えた変速伝動装置であって、
    前記遊星伝動部は、前記静油圧式無段変速部からの出力がサンギヤに入力されるとともに前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力がキャリヤに入力される第1遊星伝動機構と、第1遊星伝動機構のキャリヤにキャリヤが一体回転自在に連結されるとともに第1遊星伝動機構のリングギヤにサンギヤが一体回転自在に連結された第2遊星伝動機構とを備え、
    第2遊星伝動機構のサンギヤを前記一対の出力部の一方に連結し、前記第2遊星伝動機構のキャリヤを前記一対の出力部の他方に連結してある変速伝動装置。
  4. エンジンの出力が入力される静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部から出力される駆動力と前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力とを合成する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の一対の出力部から出力される合成駆動力を複数段階の速度レンジに段階分けして出力する変速出力部とを備えた変速伝動装置であって、
    前記遊星伝動部は、前記静油圧式無段変速部からの出力がサンギヤに入力されるとともに前記静油圧式無段変速部による変速作用を受けないエンジン駆動力がキャリヤに入力される第1遊星伝動機構と、第1遊星伝動機構のキャリヤにキャリヤが一体回転自在に連結されるとともに第1遊星伝動機構のリングギヤにリングギヤが一体回転自在に連結された第2遊星伝動機構とを備え、
    前記第2遊星伝動機構のサンギヤを前記一対の出力部の一方に連結し、前記第2遊星伝動機構のリングギヤを前記一対の出力部の他方に連結してある変速伝動装置。
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