JP5492037B2 - トラクタの伝動装置 - Google Patents
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つまり、特許文献1に記載されたものでは、変速出力部は、1速クラッチ、2速クラッチ、3速クラッチ及び4速クラッチを備えて構成され、静油圧式無段変速部の変速制御に伴って1速クラッチ、2速クラッチ、3速クラッチ及び4速クラッチが適切に入り状態と切り状態に切換え制御されることにより、遊星伝動部からの出力が1速レンジから4速レンジの4段階の速度レンジに段階分けして、かつ各速度レンジにおいて無段階に変速して前後進切換え装置を介して走行装置に伝達される。そして、前後進切換え装置は、前進クラッチ及び後進クラッチを備えて構成され、前進クラッチが入り状態に切換え操作されることにより、変速出力部からの出力を前進側の駆動力に変換して走行装置に伝達し、後進クラッチが入り状態に切換え操作されることにより、変速出力部からの出力を後進側の駆動力に変換して走行装置に伝達する。
前記遊星伝動部の出力を走行装置に伝動する走行伝動部とを備えたトラクタの伝動装置において、
前記遊星伝動部を、前記静油圧式無段変速部が正回転方向の駆動力を出力する正回転変速状態と逆回転方向の駆動力を出力する逆回転変速状態のいずれに変速された状態においても一定の回転方向の駆動力を出力するように構成し、
前記走行伝動部に、前記遊星伝動部が出力する一定の回転方向の駆動力を複数段の速度レンジに段階分けして、かつ前進用の駆動力として出力する複数段の変速伝動状態と伝動を停止する中立状態とに変速操作自在な速度レンジ設定部、及び、前記遊星伝動部が出力する一定の回転方向の駆動力を後進用の駆動力に変換して出力する後進伝動状態と伝動を停止する中立状態とに切換え操作自在な後進伝動部を設け、
前記遊星伝動部に、前記遊星伝動部の出力軸に回転自在に支持された低速側出力ギヤ及び高速側出力ギヤを設け、前記遊星伝動部にて合成した駆動力を前記低速側出力ギヤ及び前記高速側出力ギヤから出力し、
前記低速側出力ギヤに噛合った状態でカウンタ軸に相対回転自在に支持される低速側変速ギヤ、前記高速側出力ギヤに噛合った状態で前記カウンタ軸に相対回転自在に支持される高速側変速ギヤ、前記カウンタ軸に一体回転自在に支持されるカウンタギヤ、前記カウンタギヤに噛合った状態で出力軸に一体回転自在に支持される出力軸ギヤ、前記低速側変速ギヤを前記カウンタ軸に一体回転自在に連結する入り状態と前記低速側変速ギヤの前記カウンタ軸に対する相対回転を可能にする切り状態とに切換え自在な低速伝動クラッチ、前記高速側変速ギヤを前記カウンタ軸に一体回転自在に連結する入り状態と前記高速側変速ギヤの前記カウンタ軸に対する相対回転を可能にする切り状態とに切換え自在な高速伝動クラッチを備えて、前記速度レンジ設定部を構成し、
前記低速側出力ギヤに噛合った状態で前記出力軸に相対回転自在に支持される後進伝動ギヤ、前記後進伝動ギヤを前記出力軸に一体回転自在に連結する入り状態と前記後進伝動ギヤの前記出力軸に対する相対回転を可能にする後進伝動クラッチを備えて、前記後進伝動部を構成してある。
図1は、トラクタの全体を示す側面図である。この図に示すように、トラクタは、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2によって自走する自走車と、この自走車の車体前部に設けたエンジン3が装備された原動部と、車体後部に設けた運転座席4が装備された搭乗型の運転部と、自走車の車体フレーム5の後部を構成するミッションケースに揺動昇降操作自在に取り付けた左右一対のリフトアーム6a,6aを有したリンク機構6と、前記ミッションケースから車体後方向きに突出する動力取り出し軸7とを備えて構成してある。
図2に示すように、走行用の伝動装置部D1は、主クラッチ機構10の出力軸10aに入力ギヤ機構20を介して入力軸11aが連動されている静油圧式無段変速部11と、主クラッチ機構10の出力軸10aに遊星連動機構24を介して入力側リングギヤ33aが連動されている遊星伝動部30と、遊星伝動部30から速度レンジ設定部40あるいは後進伝動部50に入力するとともに速度レンジ設定部40と後進伝動部50のいずれに入力した場合も出力軸43から副変速部60を介して後輪差動機構12及び前輪差動機構13に伝動する走行伝動部Sとを備えて構成してある。
図6は、別の実施構造を備えた走行用の伝動装置部D1を示すスケルトン図である。この図に示すように、別の実施構造を備えた走行用の伝動装置部D1では、速度レンジ設定部40及び後進伝動部50の点において上記した実施例の伝動装置部D1と異なる構成を備え、その他の点においては、上記した実施例の伝動装置部D1と同じ構成を備えている。
(1)上記した実施例では、副変速部60を設けた例を示したが、副変速部60を設けないで実施してもよい。
3 エンジン
11 静油圧式無段変速部
30 遊星伝動部
31 低速側出力ギヤ
32 高速側出力ギヤ
40 速度レンジ設定部
41 低速側変速ギヤ
42 高速側変速ギヤ
43 出力軸
44 カウンタ軸
45 低速伝動クラッチ
46 高速伝動クラッチ
47 カウンタギヤ
48 出力軸ギヤ
50 後進伝動部
51 後進伝動ギヤ
52 後進伝動クラッチ
S 走行伝動部
Claims (2)
- エンジンからの駆動力を入力する静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部が出力する駆動力とエンジンからの駆動力を合成して出力する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の出力を走行装置に伝動する走行伝動部とを備えたトラクタの伝動装置であって、
前記遊星伝動部を、前記静油圧式無段変速部が正回転方向の駆動力を出力する正回転変速状態と逆回転方向の駆動力を出力する逆回転変速状態のいずれに変速された状態においても一定の回転方向の駆動力を出力するように構成し、
前記走行伝動部に、前記遊星伝動部が出力する一定の回転方向の駆動力を複数段の速度レンジに段階分けして、かつ前進用の駆動力として出力する複数段の変速伝動状態と伝動を停止する中立状態とに変速操作自在な速度レンジ設定部、及び、前記遊星伝動部が出力する一定の回転方向の駆動力を後進用の駆動力に変換して出力する後進伝動状態と伝動を停止する中立状態とに切換え操作自在な後進伝動部を設け、
前記遊星伝動部に、前記遊星伝動部の出力軸に回転自在に支持された低速側出力ギヤ及び高速側出力ギヤを設け、前記遊星伝動部にて合成した駆動力を前記低速側出力ギヤ及び前記高速側出力ギヤから出力し、
前記低速側出力ギヤに噛合った状態でカウンタ軸に相対回転自在に支持される低速側変速ギヤ、前記高速側出力ギヤに噛合った状態で前記カウンタ軸に相対回転自在に支持される高速側変速ギヤ、前記カウンタ軸に一体回転自在に支持されるカウンタギヤ、前記カウンタギヤに噛合った状態で出力軸に一体回転自在に支持される出力軸ギヤ、前記低速側変速ギヤを前記カウンタ軸に一体回転自在に連結する入り状態と前記低速側変速ギヤの前記カウンタ軸に対する相対回転を可能にする切り状態とに切換え自在な低速伝動クラッチ、前記高速側変速ギヤを前記カウンタ軸に一体回転自在に連結する入り状態と前記高速側変速ギヤの前記カウンタ軸に対する相対回転を可能にする切り状態とに切換え自在な高速伝動クラッチを備えて、前記速度レンジ設定部を構成し、
前記低速側出力ギヤに噛合った状態で前記出力軸に相対回転自在に支持される後進伝動ギヤ、前記後進伝動ギヤを前記出力軸に一体回転自在に連結する入り状態と前記後進伝動ギヤの前記出力軸に対する相対回転を可能にする後進伝動クラッチを備えて、前記後進伝動部を構成してあるトラクタの伝動装置。 - 前記低速側出力ギヤから前記後進伝動ギヤ及び前記後進伝動クラッチを介して前記出力軸に伝動される場合の減速伝動比を、前記低速側出力ギヤから前記低速側変速ギヤ、前記低速伝動クラッチ、前記カウンタ軸、前記カウンタギヤ及び前記出力軸ギヤを介して前記出力軸に伝動される場合の減速伝動比よりも小に設定してある請求項1記載のトラクタの伝動装置。
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