JP5492037B2 - トラクタの伝動装置 - Google Patents

トラクタの伝動装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5492037B2
JP5492037B2 JP2010205886A JP2010205886A JP5492037B2 JP 5492037 B2 JP5492037 B2 JP 5492037B2 JP 2010205886 A JP2010205886 A JP 2010205886A JP 2010205886 A JP2010205886 A JP 2010205886A JP 5492037 B2 JP5492037 B2 JP 5492037B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
transmission
speed
gear
output
reverse
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2010205886A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012062925A (ja
Inventor
実 平岡
篤史 林
勝 安藤
真和 日野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kubota Corp filed Critical Kubota Corp
Priority to JP2010205886A priority Critical patent/JP5492037B2/ja
Priority to EP11824822.8A priority patent/EP2618027B1/en
Priority to KR1020117018970A priority patent/KR101403121B1/ko
Priority to US13/202,702 priority patent/US8608605B2/en
Priority to PCT/JP2011/056948 priority patent/WO2012035810A1/ja
Priority to CN201180001447.5A priority patent/CN102523751B/zh
Publication of JP2012062925A publication Critical patent/JP2012062925A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5492037B2 publication Critical patent/JP5492037B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、エンジンからの駆動力を入力する静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部が出力する駆動力とエンジンからの駆動力を合成して出力する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の出力を走行装置に伝動する走行伝動部とを備えたトラクタの伝動装置に関する。
上記したトラクタの伝動装置として、従来、たとえば特許文献1に記載されたものがあった。特許文献1に記載されたものでは、遊星伝動部からの出力を入力する変速出力部、及びこの変速出力部からの出力を入力する前後進切換え装置を備えて、走行伝動部が構成されている。
つまり、特許文献1に記載されたものでは、変速出力部は、1速クラッチ、2速クラッチ、3速クラッチ及び4速クラッチを備えて構成され、静油圧式無段変速部の変速制御に伴って1速クラッチ、2速クラッチ、3速クラッチ及び4速クラッチが適切に入り状態と切り状態に切換え制御されることにより、遊星伝動部からの出力が1速レンジから4速レンジの4段階の速度レンジに段階分けして、かつ各速度レンジにおいて無段階に変速して前後進切換え装置を介して走行装置に伝達される。そして、前後進切換え装置は、前進クラッチ及び後進クラッチを備えて構成され、前進クラッチが入り状態に切換え操作されることにより、変速出力部からの出力を前進側の駆動力に変換して走行装置に伝達し、後進クラッチが入り状態に切換え操作されることにより、変速出力部からの出力を後進側の駆動力に変換して走行装置に伝達する。
特開2008−25803号公報
上記した従来の技術を適用することにより、走行装置の前進駆動と後進駆動を可能にした場合、遊星伝動部からの出力が複数段の速度レンジに段階分けして走行装置に伝達されるように遊星伝動部からの出力を変速する変速処理部としての速度レンジ設定部を備える他に、走行装置に伝動される駆動力が前進用の駆動力になるように伝動作用する前進伝動状態と走行装置に伝動される駆動力が後進用の駆動力になるように伝動作用する後進伝動状態とに切換え操作自在な前後進切換え装置を備えねばならず、コスト高になっていた。
静油圧式無段変速部が逆回転方向の駆動力を出力する機能を、走行装置に後進用の駆動力を伝動する機能として使用するよう構成すれば、前後進切換え装置を備えずに後進用の駆動力を走行装置に伝動することが可能になる。この場合、静油圧式無段変速部の伝動効率があまり良くないことから、動力ロスが大きくなりがちであった。
本発明の目的は、走行装置に変速範囲が広い前進用の駆動力を伝動することができながら、走行装置に後進用の駆動力を安価にかつ伝動効率が良い状態で伝動することができるトラクタの伝動装置を提供することにある。
本第1発明は、エンジンからの駆動力を入力する静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部が出力する駆動力とエンジンからの駆動力を合成して出力する遊星伝動部と、
前記遊星伝動部の出力を走行装置に伝動する走行伝動部とを備えたトラクタの伝動装置において、
前記遊星伝動部を、前記静油圧式無段変速部が正回転方向の駆動力を出力する正回転変速状態と逆回転方向の駆動力を出力する逆回転変速状態のいずれに変速された状態においても一定の回転方向の駆動力を出力するように構成し、
前記走行伝動部に、前記遊星伝動部が出力する一定の回転方向の駆動力を複数段の速度レンジに段階分けして、かつ前進用の駆動力として出力する複数段の変速伝動状態と伝動を停止する中立状態とに変速操作自在な速度レンジ設定部、及び、前記遊星伝動部が出力する一定の回転方向の駆動力を後進用の駆動力に変換して出力する後進伝動状態と伝動を停止する中立状態とに切換え操作自在な後進伝動部を設け、
前記遊星伝動部に、前記遊星伝動部の出力軸に回転自在に支持された低速側出力ギヤ及び高速側出力ギヤを設け、前記遊星伝動部にて合成した駆動力を前記低速側出力ギヤ及び前記高速側出力ギヤから出力し、
前記低速側出力ギヤに噛合った状態でカウンタ軸に相対回転自在に支持される低速側変速ギヤ、前記高速側出力ギヤに噛合った状態で前記カウンタ軸に相対回転自在に支持される高速側変速ギヤ、前記カウンタ軸に一体回転自在に支持されるカウンタギヤ、前記カウンタギヤに噛合った状態で出力軸に一体回転自在に支持される出力軸ギヤ、前記低速側変速ギヤを前記カウンタ軸に一体回転自在に連結する入り状態と前記低速側変速ギヤの前記カウンタ軸に対する相対回転を可能にする切り状態とに切換え自在な低速伝動クラッチ、前記高速側変速ギヤを前記カウンタ軸に一体回転自在に連結する入り状態と前記高速側変速ギヤの前記カウンタ軸に対する相対回転を可能にする切り状態とに切換え自在な高速伝動クラッチを備えて、前記速度レンジ設定部を構成し、
前記低速側出力ギヤに噛合った状態で前記出力軸に相対回転自在に支持される後進伝動ギヤ、前記後進伝動ギヤを前記出力軸に一体回転自在に連結する入り状態と前記後進伝動ギヤの前記出力軸に対する相対回転を可能にする後進伝動クラッチを備えて、前記後進伝動部を構成してある。
本第1発明の構成によると、静油圧式無段変速部が正回転変速状態と逆回転変速状態のいずれに変速されても、遊星伝動部から一定の回転方向の駆動力が出力される。速度レンジ設定部が変速伝動状態に変速操作され、後進伝動部が中立状態に変速操作された場合、遊星伝動部から出力される一定の回転方向の駆動力が、前進用の駆動力として走行装置に伝動される。この場合、静油圧式無段変速部の変速制御に伴って速度レンジ設定部の低速伝動クラッチ及び高速伝動クラッチが適切に入り状態と切り状態に切換え制御されることにより、遊星伝動部から出力される一定の回転方向の駆動力が、速度レンジ設定部によって1速レンジと2速レンジの2段階の速度レンジに段階分けされ、1速レンジと2速レンジのいずれの速度レンジに段階分けされた場合でも、静油圧式無段変速部が変速制御されることにより、走行装置に伝達される前進用の駆動力が無段階に変速される。一方、速度レンジ設定部が中立状態に変速操作され、後進伝動部が後進伝動状態に変速操作された場合、遊星伝動部から出力される一定の回転方向の駆動力が、後進伝動部によって後進用の駆動力に変換して走行装置に伝動される。この場合、静油圧式無段変速部が変速制御されることにより、走行装置に伝達される後進用の駆動力が無段階に変速される。
本第1発明の構成によると、低速伝動クラッチを低速側変速ギヤとカウンタ軸に亘って設け、高速伝動クラッチを高速側変速ギヤとカウンタ軸に亘って設け、後進伝動クラッチを後進伝動ギヤと出力軸に亘って設けるものだから、低速伝動クラッチ及び高速伝動クラッチと後進伝動クラッチをカウンタ軸と出力軸に振り分けて装着して走行伝動部に作業容易に組み込むことができる。
従って、走行装置に前進用の駆動力を2段階の速度レンジに亘る広い変速範囲で無段変速して伝動して作業や走行箇所に適応した走行速度を現出させやすいものでありながら、静油圧式無段変速部に後進用の駆動力を現出される機能を備えさせずに後進伝動部を備えるだけで走行装置に後進用の駆動力を伝動することができて、後進走行を伝動効率が良い状態でかつ安価に行なわせることができる。さらに、低速伝動クラッチ、高速伝動クラッチ及び後進伝動クラッチを走行伝動部に作業容易に組み込んで、この面からも安価に得ることができる。
本第2発明は、前記低速側出力ギヤから前記後進伝動ギヤ及び前記後進伝動クラッチを介して前記出力軸に伝動される場合の減速伝動比を、前記低速側出力ギヤから前記低速側変速ギヤ、前記低速伝動クラッチ、前記カウンタ軸、前記カウンタギヤ及び前記出力軸ギヤを介して前記出力軸に伝動される場合の減速伝動比よりも小に設定してある。
本第2発明の構成によると、後進伝動クラッチが入り状態に操作されて出力軸が後進側に駆動され、静油圧式無段変速部の変速に伴って出力軸が変速駆動される際の出力軸の変速範囲が、低速伝動クラッチが入り状態に操作されて出力軸が前進側に駆動され、静油圧式無段変速部の変速に伴って出力軸が変速駆動される際の出力軸の変速範囲よりも大になる。
従って、低速伝動クラッチが入り状態に操作されて走行装置が前進側に駆動される際の変速範囲よりも広い変速範囲で走行装置を後進側に変速駆動して、作業や走行箇所に適応した後進速度を現出させやすい。
トラクタの全体を示す側面図である。 伝動装置を示すスケルトン図である。 静油圧式無段変速部の変速状態と自走車の走行速度の関係を示す説明図である。 副変速部の変速状態、低速伝動クラッチの操作状態、高速伝動クラッチの操作状態及び後進伝動クラッチの操作状態と自走車の走行方向、速度レンジ及び速度モードとの関係を示す説明図である。 変速操作装置を示すブロック図である。 別の実施構造を備えた走行用の伝動装置部を示すスケルトン図である。 別の実施構造を備えた走行用の伝動装置部における速度レンジ設定部及び後進伝動部のギヤ配置を示す正面図である。 別の実施構造を備えた走行用の伝動装置部における静油圧式無段変速部の変速状態と自走車の走行速度の関係を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、トラクタの全体を示す側面図である。この図に示すように、トラクタは、左右一対の操向操作及び駆動自在な前車輪1,1と左右一対の駆動自在な後車輪2,2によって自走する自走車と、この自走車の車体前部に設けたエンジン3が装備された原動部と、車体後部に設けた運転座席4が装備された搭乗型の運転部と、自走車の車体フレーム5の後部を構成するミッションケースに揺動昇降操作自在に取り付けた左右一対のリフトアーム6a,6aを有したリンク機構6と、前記ミッションケースから車体後方向きに突出する動力取り出し軸7とを備えて構成してある。
このトラクタは、車体後部にリンク機構6を介して昇降操作自在にロータリ耕耘装置が連結され、かつエンジン3が出力する駆動力を動力取り出し軸7からロータリ耕耘装置に伝達するように構成されることによって乗用型耕耘機を構成するなど、車体後部に各種の作業装置が昇降操作及び駆動自在に連結されることにより、各種の乗用型作業機を構成する。
図2は、エンジン3が出力する駆動力を走行装置としての左右一対の前車輪1,1及び左右一対の後車輪2,2と、動力取り出し軸7に伝動するように自走車に設けられた伝動装置Dを示すスケルトン図である。この図に示すように、伝動装置Dは、エンジン3の出力軸3aからの駆動力を、エンジン3の後部に設けられた主クラッチ機構10の出力軸10aから静油圧式無段変速部11及び遊星伝動部30に入力するとともにこの遊星伝動部30から走行伝動部Sに伝動してこの走行伝動部Sから後輪差動機構12及び前輪差動機構13に伝動することによって左右一対の後車輪2,2及び左右一対の前車輪1,1に伝動する走行用の伝動装置部D1と、エンジン3の出力軸3aからの駆動力を、主クラッチ機構10の出力軸10aから回転伝動軸25及び回転伝動軸14aを介して作業クラッチ14に入力するとともにこの作業クラッチ14から作業変速部15に伝動してこの作業変速部15から動力取り出し軸7に伝動する作業用の伝動装置部D2とを備えている。
作業変速部15は、複数個のシフトギヤによって複数段の変速状態に変速可能であり、作業クラッチ14から入力して変速した駆動力を出力軸15aから作業伝動軸19を介して動力取り出し軸7に伝動する。
走行用の伝動装置部D1について説明する。
図2に示すように、走行用の伝動装置部D1は、主クラッチ機構10の出力軸10aに入力ギヤ機構20を介して入力軸11aが連動されている静油圧式無段変速部11と、主クラッチ機構10の出力軸10aに遊星連動機構24を介して入力側リングギヤ33aが連動されている遊星伝動部30と、遊星伝動部30から速度レンジ設定部40あるいは後進伝動部50に入力するとともに速度レンジ設定部40と後進伝動部50のいずれに入力した場合も出力軸43から副変速部60を介して後輪差動機構12及び前輪差動機構13に伝動する走行伝動部Sとを備えて構成してある。
主クラッチ機構10の出力軸10aと静油圧式無段変速部11の入力軸11aを連動させる入力ギヤ機構20は、主クラッチ機構10の出力軸10aに一体回転自在に設けた出力軸ギヤ21と、この出力軸ギヤ21に噛合う状態で静油圧式無段変速部11の入力軸11aに一体回転自在に設けた入力軸ギヤ22とによって構成してある。
主クラッチ機構10の出力軸10aと遊星伝動部30の入力側リングギヤ33aを連動させる遊星連動機構24は、主クラッチ機構10の出力軸10aに一体回転自在に形成された回転伝動軸25と、この回転伝動軸25に一体回転自在に設けた伝動ギヤ26と、この伝動ギヤ26に噛合う状態で入力側リングギヤ33aに一体回転自在に設けた入力ギヤ27とによって構成してある。入力ギヤ27は、入力側リングギヤ33aと共に静油圧式無段変速部11のモータ軸11bに相対回転自在に支持されている。
静油圧式無段変速部11は、入力軸11aをポンプ軸として備えた油圧ポンプ11Pと、この油圧ポンプ11Pに駆動回路を介して接続された油圧モータ11Mとを備えて構成してある。油圧ポンプ11Pは、アキシャルプランジャ形で可変容量形の油圧ポンプによって構成し、油圧モータ11Mは、アキシャルプランジャ形の油圧モータによって構成してある。
従って、静油圧式無段変速部11は、入力軸11aに入力ギヤ機構20及び主クラッチ機構10を介してエンジン3から入力した駆動力によって油圧ポンプ11Pを駆動し、油圧ポンプ11Pによって油圧を油圧モータ11Mに供給して油圧モータ11Mを駆動してモータ軸11bから出力する。静油圧式無段変速部11は、油圧ポンプ11Pの斜板角の変更操作が行なわれることにより、正回転変速状態と中立状態と逆回転変速状態とに変速され、正回転変速状態に変速されると、正回転方向の駆動力をモータ軸11bから出力し、中立状態に変速されると、モータ軸11bからの出力を停止し、逆回転変速状態に変速されると、モータ軸11bから逆回転方向の駆動力を出力する。静油圧式無段変速部11は、正回転変速状態と逆回転変速状態のいずれに変速された場合においても、油圧ポンプ11Pの斜板角の変更操作が行なわれることにより、モータ軸11bからの出力速度を無段階に変速する。
遊星伝動部30は、静油圧式無段変速部11のモータ軸11bに一体回転自在に連動された入力側サンギヤ34a、及び回転伝動軸25に遊星連動機構24を介して連動された入力側リングギヤ33aを有した入力側遊星ギヤ機構30Aと、この入力側遊星ギヤ機構30Aに対して伝動方向下手側に位置した出力側遊星ギヤ機構30Bとを備えて構成してある。入力側遊星ギヤ機構30Aの入力側遊星ギヤ35aを支持する入力側キャリヤ36aと、出力側遊星ギヤ機構30Bの出力側遊星ギヤ35bを支持する出力側キャリヤ36bとは、一体のキャリヤに構成されている。つまり、遊星伝動部30は、入力側遊星ギヤ機構30Aと出力側遊星ギヤ機構30Bの一対の遊動ギヤ機構、及び入力側遊星ギヤ機構30Aを構成する入力側遊星ギヤ35aと出力側遊星ギヤ機構30Bを構成する出力側遊星ギヤ35bを連動させるギヤ連動機構37を備えて成る複合遊星ギヤ機構によって構成してある。ギヤ連動機構37は、入力側遊星ギヤ35aに一体形成することによって入力側遊星ギヤ35aと一連かつ同外径の構造になったギヤ37aと、出力側遊星ギヤ35bに一体形成することによって出力側遊星ギヤ35bと一連かつ同外径の構造になったギヤ37bとを噛み合い連動させることによって構成してある。なお、入力側遊星ギヤ35aとは別体に形成するとともに入力側遊星ギヤ35aに連結軸などによって一体回転自在に連結したギヤと、出力側遊星ギヤ35bとは別体に形成するとともに出力側遊星ギヤ35bに連結軸などによって一体回転自在に連結したギヤとを噛み合い連動させることによってギヤ連動機構37を構成してもよい。
遊星伝動部30に、出力側サンギヤ34bに出力軸32aを介して一体回転自在に連動させた高速側出力ギヤ32、及び出力側リングギヤ33bに筒軸形の出力軸31aを介して一体回転自在に連動させた低速側出力ギヤ31を備えてある。
遊星伝動部30は、エンジン3が出力する駆動力を主クラッチ機構10及び遊星連動機構24を介して入力側リングギヤ33aに入力し、静油圧式無段変速部11がモータ軸11bから出力する駆動力を入力側サンギヤ34aに入力し、エンジン3から入力した駆動力と静油圧式無段変速部11から入力した駆動力を入力側遊星機構30A及び出力側遊星機構30Bによって合成し、合成した駆動力を低速側出力ギヤ31及び高速側出力ギヤ32から出力する。遊星伝動部30は、静油圧式無段変速部11が正回転変速状態と逆回転変速状態のいずれに変速された状態においても、後進用の駆動力は合成せずに、前進用の駆動力(一定の回転方向の駆動力)のみを合成して低速側出力ギヤ31及び高速側出力ギヤ32から出力する。
走行伝動部Sは、遊星伝動部30の低速側出力ギヤ31に噛合った低速側変速ギヤ41、及び遊星伝動部30の高速側出力ギヤ32に噛合った高速側変速ギヤ42を有した速度レンジ設定部40と、遊星伝動部30の低速側出力ギヤ31に噛合った後進伝動ギヤ51を有した後進伝動部50と、速度レンジ設定部40の出力軸43に入力軸60aが連動された副変速部60とを備えて構成してある。
速度レンジ設定部40は、前記低速側変速ギヤ41及び前記高速側変速ギヤ42を備える他、低速側変速ギヤ41及び高速側変速ギヤ42を相対回転自在に支持する筒軸形のカウンタ軸44と、低速側変速ギヤ41とカウンタ軸44に亘って設けた低速伝動クラッチ45と、高速側変速ギヤ42とカウンタ軸44に亘って設けた高速伝動クラッチ46と、カウンタ軸44の後端側に一体回転自在に設けたカウンタギヤ47と、カウンタギヤ47に噛合った状態で出力軸43に一体回転自在に設けた出力軸ギヤ48とを備えて構成してある。
低速伝動クラッチ45及び高速伝動クラッチ46は、カウンタ軸44に一体回転及び摺動自在に設けたクラッチ体49を備えて、噛合い式のクラッチに構成してある。低速伝動クラッチ45は、クラッチ体49が低速側変速ギヤ41が位置する側にカウンタ軸44に沿わせてシフト操作されて、クラッチ体49に設けてあるクラッチ爪45bと低速側変速ギヤ41の側部に設けてあるクラッチ爪45aとが噛合うことにより、入り状態になり、低速側変速ギヤ41をカウンタ軸44に一体回転自在に連結する。
低速伝動クラッチ45は、クラッチ体49が低速側変速ギヤ41から離間する側にカウンタ軸44に沿わせてシフト操作されて、クラッチ体49のクラッチ爪45bと低速側変速ギヤ41のクラッチ爪45aとが離脱することにより、切り状態になり、低速側変速ギヤ41のカウンタ軸44に対する相対回転を可能にする。
高速伝動クラッチ46は、クラッチ体49が高速側変速ギヤ42が位置する側にカウンタ軸44に沿わせてシフト操作されて、クラッチ体49に設けてあるクラッチ爪46bと高速側変速ギヤ42の側部に設けてあるクラッチ爪46aとが噛合うことにより、入り状態になり、高速側変速ギヤ42をカウンタ軸44に一体回転自在に連結する。
高速伝動クラッチ46は、クラッチ体49が高速側変速ギヤ42から離間する側にカウンタ軸44に沿わせてシフト操作されて、クラッチ体49のクラッチ爪46bと高速側変速ギヤ42のクラッチ爪46aとが離脱することにより、切り状態になり、高速側変速ギヤ42のカウンタ軸44に対する相対回転を可能にする。
したがって、速度レンジ設定部40は、低速伝動クラッチ45が入り状態に切換え操作され、高速伝動クラッチ46が切り状態に切換え操作されることにより、遊星伝動部30が低速側出力ギヤ31から出力する前進用の駆動力(一定の回転方向の駆動力)を低速側変速ギヤ41、低速伝動クラッチ45、カウンタ軸44、カウンタギヤ47及び出力軸ギヤ48を介して出力軸43に伝達して出力軸43から副変速部60に前進用の駆動力のままで伝動するように1速レンジ設定状態になる。
速度レンジ設定部40は、高速伝動クラッチ46が入り状態に切換え操作され、低速伝動クラッチ45が切り状態に切換え操作されることにより、遊星伝動部30が高速側出力ギヤ32から出力する前進用の駆動力(一定の回転方向の駆動力)を高速側変速ギヤ42、高速伝動クラッチ46、カウンタ軸44、カウンタギヤ47及び出力軸ギヤ48を介して出力軸43に伝達して出力軸43から副変速部60に前進用の駆動力のままで伝動するように2速レンジ設定状態になる。
速度レンジ設定部40は、低速伝動クラッチ45及び高速伝動クラッチ46が切り状態に切換え操作されることにより、遊星伝動部30から副変速部60への伝動を停止するように中立状態になる。
後進伝動部50は、前記後進伝動ギヤ51を備える他、この後進伝動ギヤ51を相対回転自在に支持する速度レンジ設定部40の出力軸43と後進伝動ギヤ51に亘って設けた後進伝動クラッチ52を備えて構成してある。
後進伝動クラッチ52は、出力軸43に一体回転及び摺動自在に設けたクラッチ体53を備えて、噛合い式のクラッチに構成してある。後進伝動クラッチ52は、クラッチ体53が出力軸43に沿わせてシフト操作されて、クラッチ体53に設けてあるクラッチ爪52bと後進伝動ギヤ51の側部に設けてあるクラッチ爪52aとが噛合うことにより、入り状態になり、後進伝動ギヤ51を出力軸43に一体回転自在に連結する。後進伝動クラッチ52は、クラッチ体53が出力軸43に沿わせてシフト操作されて、クラッチ体53のクラッチ爪52bと後進伝動ギヤ51のクラッチ爪52aとが離脱することにより、切り状態になり、後進伝動ギヤ51の出力軸43に対する相対回転を可能にする。
後進伝動部50は、後進伝動クラッチ52が入り状態に切換え操作されることにより、遊星伝動部30が低速側出力ギヤ31から出力する前進用の駆動力(一定の回転方向の駆動力)を後進伝動ギヤ41及び後進伝動クラッチ52によって後進用の駆動力に変換して出力軸43に伝達して出力軸43から副変速部60に後進用の駆動力を伝達する。
後進伝動部50は、後進伝動クラッチ52が切り状態に切換え操作されることにより、遊星伝動部30から副変速部60への伝動を停止するように中立状態になる。
副変速部60は、前記入力軸60aを備える他、後輪差動機構12の入力ギヤに後端部が連結された出力軸61、出力軸61と入力軸60aに亘って設けた低速伝動機構62及び高速伝動機構63を備えて構成してある。出力軸61は、ギヤ連動機構16、前輪用出力軸17及び回転軸18を介して前輪差動機構13の入力ギヤに連動されている。低速伝動機構62は、入力軸60aに装着された摩擦式の低速クラッチ64を備えている。高速伝動機構63は、入力軸60aに装着された摩擦式の高速クラッチ65を備えている。
副変速部60は、低速クラッチ64が入り状態に切換え操作され、高速クラッチ65が切り状態に切換え操作されることにより、速度レンジ設定部40から入力軸60aに伝達された前進用の駆動力あるいは後進伝動部50から入力軸60aに伝達された後進用の駆動力を低速伝動機構62を介して出力軸61に伝達して出力軸61から後輪差動機構12及び前輪差動機構13に伝達するように低速状態になる。
副変速部60は、高速クラッチ65が入り状態に切換え操作され、低速クラッチ64が切り状態に切換え操作されることにより、速度レンジ設定部40から入力軸60aに伝達された前進用の駆動力あるいは後進伝動部50から入力軸60aに伝達された後進用の駆動力を高速伝動機構63を介して出力軸61に伝達して出力軸61から後輪差動機構12及び前輪差動機構13に伝達するように高速状態になる。
図3は、エンジン3が一定速度の駆動力を出力するようにアクセルセットされた状態における静油圧式無段変速部11の変速状態と自走車の走行速度(車速)の関係を示す説明図である。図3の横軸は、静油圧式無段変速部11の変速状態を示し、横軸の「N」は、静油圧式無段変速部11の中立位置を示し、横軸の「+max」は、静油圧式無段変速部11の正回転変速状態での最高速位置を示し、横軸の「−max」は、静油圧式無段変速部11の逆回転変速状態での最高速位置を示す。図3の縦軸は、車速を示し、縦軸の「0」は、車速の零を示し、縦軸の「0」よりも上側の部分は前進車速を示し、縦軸の「0」よりも下側の部分は、後進車速を示す。
図3に示す実線FL1は、自走車を前進走行させる場合の低速モードでの1速レンジにおける車速変化を示し、図3に示す実線FL2は、自走車を前進走行させる場合の低速モードでの2速レンジにおける車速変化を示す。図3に示す実線FH1は、自走車を前進走行させる場合の高速モードでの1速レンジにおける車速変化を示し、図3に示す実線FH2は、自走車を前進走行させる場合の高速モードでの2速レンジにおける車速変化を示す。図3に示す実線RLは、自走車を後進走行させる場合の低速モードでの車速変化を示し、図3に示す実線RHは、自走車を後進走行させる場合の高速モードでの車速変化を示す。
図4は、副変速部60の変速状態、低速伝動クラッチ45の操作状態、高速伝動クラッチ46の操作状態及び後進伝動クラッチ52の操作状態と自走車の走行方向、速度レンジ及び速度モードとの関係を示す説明図である。図4に示す「L」は、副変速部60の低速状態を示し、図4に示す「H」は、副変速部60の高速状態を示す。図4に示す「入」は、低速伝動クラッチ45、高速伝動クラッチ46及び後進伝動クラッチ52の入り状態を示し、図4に示す「切り」は、低速伝動クラッチ45、高速伝動クラッチ46及び後進伝動クラッチ52の切り状態を示す。
図4に示すように、副変速部60が低速状態に変速操作されると、低速モードが設定され、副変速部60が高速状態に変速操作されると、高速モードが設定される。後進伝動クラッチ52が切り状態に切換え操作されると、後進伝動部50が中立状態に切り換わって前進用の伝動状態になる。後進伝動クラッチ52が入り状態に切り換え操作されると、後進伝動部50が後進伝動状態に切り換わって後進用の伝動状態になる。
図3,4に示すように、副変速部60が低速状態「L」に維持され、かつ後進伝動クラッチ52が切り状態「切」に維持された状態において、低速伝動クラッチ45が入り状態「入」に切換え制御されたままで、かつ高速伝動クラッチ46が切り状態「切」に切換え制御されたままで、静油圧式無段変速部11が逆回転変速状態の最高速位置「−max」から正回転変速状態の最高速位置「+max」に向けて変速制御されることにより、前進車速が零「0」から低速モードでの1速レンジ(FL1)で無段階に増速していく。静油圧式無段変速部11が正回転変速状態の最高速位置「+max」に至ると、前進車速が低速モードの中間速度「f1」になる。静油圧式無段変速部11が正回転変速状態の最高速位置「+max」になると、低速モードでの1速レンジと2速レンジを切換える切換え点「T1」になる。切換え点「T1」になると同時に、低速伝動クラッチ45が切り状態「切」に切換え制御され、かつ高速伝動クラッチ46が入り状態「入」に切換え制御される。この後、低速伝動クラッチ45が切り状態「切」に切換え制御されたままで、かつ高速伝動クラッチ46が入り状態「入」に切換え制御されたままで、静油圧式無段変速部11が正回転変速状態の最高速位置「+max」から逆回転変速状態の最高速位置「−max」に向けて変速制御されることにより、前進車速が「f1」から低速モードの2速レンジ(FL2)で無段階に増速していく。静油圧式無段変速部11が逆回転変速状態の最高速位置「−max」に至ると、前進車速が低速モードの最高速度「f2」になる。
副変速部60が高速状態「H」に維持され、かつ後進伝動クラッチ52が切り状態「切」に維持された状態において、低速伝動クラッチ45が入り状態「入」に切換え制御されたままで、かつ高速伝動クラッチ46が切り状態「切」に切換え制御されたままで、静油圧式無段変速部11が逆回転変速状態の最高速位置「−max」から正回転変速状態の最高速位置「+max」に向けて変速制御されることにより、前進車速が零「0」から高速モードでの1速レンジ(FH1)で無段階に増速していく。静油圧式無段変速部11が正回転変速状態の最高速位置「+max」に至ると、前進車速が高速モードの中間速度「f3」になる。静油圧式無段変速部11が正回転変速状態の最高速位置「+max」になると、高速モードでの1速レンジと2速レンジを切換える切換え点「T2」になる。切換え点「T2」になると同時に、低速伝動クラッチ45が切り状態「切」に切換え制御され、かつ高速伝動クラッチ46が入り状態「入」に切換え制御される。この後、低速伝動クラッチ45が切り状態「切」に切換え制御されたままで、かつ高速伝動クラッチ46が入り状態「入」に切換え制御されたままで、静油圧式無段変速部11が正回転変速状態の最高速位置「+max」から逆回転変速状態の最高速位置「−max」に向けて変速制御されることにより、前進車速が「f3」から高速モードの2速レンジ(FH2)で無段階に増速していく。静油圧式無段変速部11が逆回転変速状態の最高速位置「−max」に至ると、前進車速が高速モードの最高速度「f4」になる。
副変速部60が低速状態「L」に維持され、かつ後進伝動クラッチ45が入り状態「入」に維持された状態において、低速伝動クラッチ45が切り状態「切」に切換え制御されたままで、かつ高速伝動クラッチ46が切り状態「切」に切換え制御されたままで、静油圧式無段変速部11が逆回転変速状態の最高速位置「−max」から正回転変速状態の最高速位置「+max」に向けて変速制御されることにより、後進車速が零「0」から低速モード(RL)で無段階に増速していく。静油圧式無段変速部11が正回転変速状態の最高速位置「+max」に至ると、後進車速が低速モードでの最高速度「r1」になる。
副変速部60が高速状態「H」に維持され、かつ後進伝動クラッチ45が入り状態「入」に維持された状態において、低速伝動クラッチ45が切り状態「切」に切換え制御されたままで、かつ高速伝動クラッチ46が切り状態「切」に切換え制御されたままで、静油圧式無段変速部11が逆回転変速状態の最高速位置「−max」から正回転変速状態の最高速位置「+max」に向けて変速制御されることにより、後進車速が零「0」から高速モード(RH)で無段階に増速していく。静油圧式無段変速部11が正回転変速状態の最高速位置「+max」に至ると、後進車速が高速モードでの最高速度「r2」になる。なお、図3における前進時における低速モードの1速レンジFL1と後進時における低速モードRLの変化率(傾きの大きさ)が同じになり、前進時における高速モードの1速レンジFH1と後進時における高速モードRHの変化率(傾きの大きさ)が同じになるように、低速側出力ギヤ31から低速伝動クラッチ45を介して出力軸61に伝達される伝動比と低速側出力ギヤ31から後進伝動部50を介して出力軸61に伝達される伝動比が同じに設定されている。
図5は、走行用の伝動装置部D1を変速操作する変速操作装置70を示すブロック図である。この図に示すように、変速操作装置70は、静油圧式無段変速部11に油圧ポンプ11Pの斜板角変更を行なうように備えられた変速操作部71、速度レンジ設定部40の低速伝動クラッチ45及び高速伝動クラッチ46の切換え操作部(図示せず)、後進伝動部50の後進伝動クラッチ52の切換え操作部(図示)、副変速部60の高速クラッチ65及び低速クラッチ64の切換え操作部(図示ぜず)のそれぞれに連係された制御装置72と、変速レバー73と、エンジン3の出力速度を検出するエンジン回転センサ74と、前後進レバー75と、副変速レバー76とを備えている。
変速レバー73は、変速レバー73に連係された変速検出センサ73aを介して制御装置72に連係されている。変速検出センサ73aは、変速レバー73に回転操作部が連動された回転ポテンショメータによって構成してあり、変速レバー73の操作位置を検出してこの検出結果を制御装置72に出力する。
前後進レバー75は、前後進レバー75に連係された前後進検出センサ75aを介して制御装置72に連係されている。前後進検出センサ75aは、前後進レバー75に回転操作部が連動された回転ポテンショメータによって構成してあり、前後進レバー75の操作位置を検出してこの検出結果を制御装置72に出力する。
副変速レバー76は、副変速レバー76に連係された副変速検出センサ76aを介して制御装置72に連係されている。副変速検出センサ76aは、副変速レバー76に回転操作部が連動された回転ポテンショメータによって構成してあり、副変速レバー76の操作位置を検出してこの検出結果を制御装置72に出力する。
制御装置72は、マイクロコンピュータを利用して構成してあり、主変速制御手段77、前後進切換え手段78及び副変速制御手段79を備えている。
主変速制御手段77は、エンジン回転センサ74による検出情報を基にエンジン3がアクセルセットされた状態でのエンジン3の出力速度を検出し、変速検出センサ73aによる検出情報を基に変速レバー73の操作位置を判断し、検出したエンジン3の出力速度と判断した変速レバー73の操作位置と前後進検出センサ75aからの指令とを基に、変速レバー73及び前後進レバー75の操作位置に対応した所定の前進車速あるいは後進車速が現出されるように静油圧式無段変速部11を自動的に変速制御し、かつ低速伝動クラッチ45及び高速伝動クラッチ46を自動的に切換え制御する。
前後進切換え手段78は、前後進レバー75が前進位置「前」に操作されると、前後進検出センサ75aによる検出情報を基に後進伝動クラッチ62を切り状態「切」に自動的に切換え操作し、前後進レバー75が後進位置「後」に操作されると、前後進検出センサ75aによる検出情報を基に後進伝動クラッチ52を入り状態「入」に自動的に切換え操作する。
副変速制御手段79は、副変速レバー76が高速位置「高」に操作されると、副変速検出センサ76aによる検出情報を基に、高速クラッチ65を入り状態に自動的に切換え操作し、低速クラッチ64を切り状態に自動的に切換え操作して副変速部60を高速状態「H」に変速制御する。副変速制御手段79は、副変速レバー76が低速位置「低」に操作されると、副変速検出センサ76aによる検出情報を基に、高速クラッチ65を切り状態に自動的に切換え操作し、低速クラッチ64を入り状態に自動的に切換え操作して副変速部60を低速状態「L」に変速制御する
〔別実施形態〕
図6は、別の実施構造を備えた走行用の伝動装置部D1を示すスケルトン図である。この図に示すように、別の実施構造を備えた走行用の伝動装置部D1では、速度レンジ設定部40及び後進伝動部50の点において上記した実施例の伝動装置部D1と異なる構成を備え、その他の点においては、上記した実施例の伝動装置部D1と同じ構成を備えている。
別の実施構造を備えた走行用の伝動装置部D1では、速度レンジ設定部40を構成する低速伝動クラッチ45及び高速伝動クラッチ46、後進伝動部50を構成する後進伝動クラッチ52を多板式の摩擦クラッチによって構成してある。
したがって、低速伝動クラッチ45、高速伝動クラッチ46及び後進伝動クラッチ52の入り状態と切り状態の切換えを迅速かつスムーズに行うことができ、低速モード及び高速モードでの1速レンジと2速レンジを切換える切換え点「T1」、「T2」における車速変化を途切れがないように連続的に行なわせることができ、かつ前後進の切換えをスムーズに行わせることができる。
図7は、別の実施構造を備えた走行用の伝動装置部D1における速度レンジ設定部40及び後進伝動部50のギヤ配置を示す正面図である。この図及び図6に示すように、別の実施構造を備えた走行用の伝動装置部D1では、遊星伝動部30が出力する駆動力が低速側出力ギヤ31から後進伝動ギヤ51及び後進伝動クラッチ52を介して出力軸43に減速して伝動される場合の減速伝動比を、遊星伝動部30が出力する駆動力が低速側出力ギヤ31から低速側変速ギヤ41及び低速伝動クラッチ45、カウンタ軸44、カウンタギヤ47及び出力軸ギヤ48を介して出力軸43に減速して伝動される場合の減速伝動比よりも小に設定してある。
したがって、図8に示すように、後進時の低速モード(RL)における車速の変速範囲を、前進時の低速モードでの1速レンジ(FL1)における車速の変速範囲よりも大にできる。すなわち、後進時に低速モード(RL)で変速操作した場合に現出できる最高車速r1が、前進時に低速モードの1速レンジ(FL1)で変速操作した場合に現出できる最高車速f1よりも高速になる。後進時の高速モード(RH)における車速の変速範囲を、前進時の高速モードでの1速レンジ(FH1)における車速の変速範囲よりも大にできる。すなわち、後進時に高速モード(RH)で変速操作した場合に現出できる最高車速r2が、前進時に高速モードの1速レンジ(FH1)で変速操作した場合に現出される最高車速f3よりも高速になる。
〔別実施例〕
(1)上記した実施例では、副変速部60を設けた例を示したが、副変速部60を設けないで実施してもよい。
(2)上記した実施例では、遊星伝動部30を複合遊星ギヤ機構によって構成した例を示したが、多段にギヤ機構を並べた普通型の遊星ギヤ機構によって構成してもよい。
(3)上記した実施例では、前車輪1及び後車輪2を走行装置として備えた例を示したが、車輪に替えてクローラ式走行装置を備えてもよい。
(4)上記した実施例では、低速伝動クラッチ45、高速伝動クラッチ46及び後進伝動クラッチ52を噛合い式のクラッチで構成した例、及び低速伝動クラッチ45、高速伝動クラッチ46及び後進伝動クラッチ52を多板式の摩擦クラッチで構成した例を示したが、前進伝動クラッチ45、高速伝動クラッチ46及び後進伝動クラッチ52のうちのいずれか一つ以上を噛合い式のクラッチで構成し、他のクラッチを多板式の摩擦クラッチとする構成を採用してもよい。
(5)上記した図2に示す伝動構造で、図8に示す変速比となるように構成してもよく、上記した図6に示す伝動構造で図3に示す変速比となるように構成してもよい。
本発明は、車体後部に作業装置が連結されるトラクタに設けられる伝動装置の他、車体の前後輪間あるいは車体の前部に草刈装置などの作業装置が連結されるトラクタに設けられる伝動装置にも利用可能である。
1,2 走行装置
3 エンジン
11 静油圧式無段変速部
30 遊星伝動部
31 低速側出力ギヤ
32 高速側出力ギヤ
40 速度レンジ設定部
41 低速側変速ギヤ
42 高速側変速ギヤ
43 出力軸
44 カウンタ軸
45 低速伝動クラッチ
46 高速伝動クラッチ
47 カウンタギヤ
48 出力軸ギヤ
50 後進伝動部
51 後進伝動ギヤ
52 後進伝動クラッチ
S 走行伝動部

Claims (2)

  1. エンジンからの駆動力を入力する静油圧式無段変速部と、前記静油圧式無段変速部が出力する駆動力とエンジンからの駆動力を合成して出力する遊星伝動部と、前記遊星伝動部の出力を走行装置に伝動する走行伝動部とを備えたトラクタの伝動装置であって、
    前記遊星伝動部を、前記静油圧式無段変速部が正回転方向の駆動力を出力する正回転変速状態と逆回転方向の駆動力を出力する逆回転変速状態のいずれに変速された状態においても一定の回転方向の駆動力を出力するように構成し、
    前記走行伝動部に、前記遊星伝動部が出力する一定の回転方向の駆動力を複数段の速度レンジに段階分けして、かつ前進用の駆動力として出力する複数段の変速伝動状態と伝動を停止する中立状態とに変速操作自在な速度レンジ設定部、及び、前記遊星伝動部が出力する一定の回転方向の駆動力を後進用の駆動力に変換して出力する後進伝動状態と伝動を停止する中立状態とに切換え操作自在な後進伝動部を設け、
    前記遊星伝動部に、前記遊星伝動部の出力軸に回転自在に支持された低速側出力ギヤ及び高速側出力ギヤを設け、前記遊星伝動部にて合成した駆動力を前記低速側出力ギヤ及び前記高速側出力ギヤから出力し、
    前記低速側出力ギヤに噛合った状態でカウンタ軸に相対回転自在に支持される低速側変速ギヤ、前記高速側出力ギヤに噛合った状態で前記カウンタ軸に相対回転自在に支持される高速側変速ギヤ、前記カウンタ軸に一体回転自在に支持されるカウンタギヤ、前記カウンタギヤに噛合った状態で出力軸に一体回転自在に支持される出力軸ギヤ、前記低速側変速ギヤを前記カウンタ軸に一体回転自在に連結する入り状態と前記低速側変速ギヤの前記カウンタ軸に対する相対回転を可能にする切り状態とに切換え自在な低速伝動クラッチ、前記高速側変速ギヤを前記カウンタ軸に一体回転自在に連結する入り状態と前記高速側変速ギヤの前記カウンタ軸に対する相対回転を可能にする切り状態とに切換え自在な高速伝動クラッチを備えて、前記速度レンジ設定部を構成し、
    前記低速側出力ギヤに噛合った状態で前記出力軸に相対回転自在に支持される後進伝動ギヤ、前記後進伝動ギヤを前記出力軸に一体回転自在に連結する入り状態と前記後進伝動ギヤの前記出力軸に対する相対回転を可能にする後進伝動クラッチを備えて、前記後進伝動部を構成してあるトラクタの伝動装置。
  2. 前記低速側出力ギヤから前記後進伝動ギヤ及び前記後進伝動クラッチを介して前記出力軸に伝動される場合の減速伝動比を、前記低速側出力ギヤから前記低速側変速ギヤ、前記低速伝動クラッチ、前記カウンタ軸、前記カウンタギヤ及び前記出力軸ギヤを介して前記出力軸に伝動される場合の減速伝動比よりも小に設定してある請求項1記載のトラクタの伝動装置。
JP2010205886A 2010-09-14 2010-09-14 トラクタの伝動装置 Active JP5492037B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010205886A JP5492037B2 (ja) 2010-09-14 2010-09-14 トラクタの伝動装置
EP11824822.8A EP2618027B1 (en) 2010-09-14 2011-03-23 Transmission apparatus for a tractor
KR1020117018970A KR101403121B1 (ko) 2010-09-14 2011-03-23 트랙터의 전동 장치
US13/202,702 US8608605B2 (en) 2010-09-14 2011-03-23 Transmission apparatus for a tractor
PCT/JP2011/056948 WO2012035810A1 (ja) 2010-09-14 2011-03-23 トラクタの伝動装置
CN201180001447.5A CN102523751B (zh) 2010-09-14 2011-03-23 拖拉机的传动装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010205886A JP5492037B2 (ja) 2010-09-14 2010-09-14 トラクタの伝動装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012062925A JP2012062925A (ja) 2012-03-29
JP5492037B2 true JP5492037B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=46058844

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010205886A Active JP5492037B2 (ja) 2010-09-14 2010-09-14 トラクタの伝動装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5492037B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101811522B1 (ko) 2015-04-21 2017-12-21 가부시끼 가이샤 구보다 전동 장치

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7213683B2 (ja) * 2018-12-27 2023-01-27 株式会社クボタ 作業車
CN114294396B (zh) * 2022-01-05 2024-03-19 江苏大学 一种兼具等差与等比输出的无级变速传动装置
JP7433679B2 (ja) 2022-01-05 2024-02-20 江▲蘇▼大学 等差出力と等比出力を有する無段変速伝動装置

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2045486B1 (en) * 2006-07-06 2014-10-29 Kubota Corporation Shifting and power transmission device
JP4830702B2 (ja) * 2006-08-03 2011-12-07 トヨタ自動車株式会社 車両用変速機

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101811522B1 (ko) 2015-04-21 2017-12-21 가부시끼 가이샤 구보다 전동 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012062925A (ja) 2012-03-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012035810A1 (ja) トラクタの伝動装置
JP4467501B2 (ja) トラクタの変速伝動装置
EP2116407B1 (en) Speed change power transmission device
JP5027521B2 (ja) 変速伝動装置
JP5341839B2 (ja) トラクタの伝動装置
KR20090086196A (ko) 변속 전동 장치
JP5492038B2 (ja) トラクタの伝動装置
JP4740174B2 (ja) 変速伝動装置
JP2007091139A (ja) 変速伝動装置
KR20150100742A (ko) 연속 가변 변속기 및 연속 가변 변속기를 포함하는 작업 기계
JP3936854B2 (ja) 作業車両の変速装置
JP5492037B2 (ja) トラクタの伝動装置
WO2019102999A1 (ja) トラクタの変速伝動装置及びトラクタ
JP4261944B2 (ja) 油圧・機械式無段変速装置
JP5677340B2 (ja) 変速伝動装置
JP4972186B2 (ja) トラクタの変速伝動装置
JP2008069834A (ja) 変速伝動装置
JP2010159883A5 (ja)
JP2011020515A (ja) 作業車両
JP2008195334A (ja) 変速伝動装置
JP2008014416A (ja) 変速伝動装置
JP5243703B2 (ja) トラクタの変速伝動装置
JP4891867B2 (ja) 変速伝動装置
JP2003083420A (ja) ホイール式車両の機械−油圧トランスミッション
JP5520357B2 (ja) 変速伝動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120925

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130606

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130805

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140130

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5492037

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150