JP2005246193A - 複合皮膜の製造方法、溶射用粒子、複合皮膜及びそれを用いた放射線画像変換パネル - Google Patents

複合皮膜の製造方法、溶射用粒子、複合皮膜及びそれを用いた放射線画像変換パネル Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、無機物粒子の特性を生かし、均一な複合皮膜の製造方法と溶射粒子の提供と、更に、無機物粒子として蛍光体を用い、鮮鋭性及び輝度の高い複合皮膜とそれを用いた放射線画像変換パネルを提供する。
【解決手段】 無機物粒子と熱可塑性樹脂粒子とを混合溶射して、皮膜を形成する複合皮膜の製造方法において、該無機物粒子と該熱可塑性樹脂粒子との混合物は、該熱可塑性樹脂が溶融または半溶融し、かつ該無機物粒子が半溶融、溶融しない温度に制御し、該無機物粒子の含有率が85質量%以上、99質量%以下であって、該熱可塑性樹脂粒子の含有率が1.0質量%以上、15質量%以下であることを特徴とする複合皮膜の製造方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、無機物と有機物の混合溶射による複合皮膜の製造方法、無機物、特に蛍光体を用い、放射線画像変換パネルとして用いることが可能な複合皮膜に関する。
各種部材の表面処理法として、溶射法が広く用いられている。被溶射基材としては、例えば、材木から、陶器、セメント、金属に至るまで多岐にわたっている。また、その目的用途も、耐磨耗性、耐食性、断熱性、表面改質、肉盛り、機能皮膜の付与等に広がっている。
また、溶射法においては、各種複合皮膜の形成も容易であり、例えば、セラミックと金属との複合皮膜が広く知られているが、樹脂と無機材料との複合皮膜についても良く知られている。例えば、樹脂上への溶射のため、ナイロンやエポキシを混合した溶射粒子が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。また、アルミニウムとポリエステルの粒子をプラズマ溶射し、アブレーダブルな皮膜を形成する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。更には、低温の溶射により、樹脂粒子のみを溶解し、無機物粒子が溶解しない条件で溶射を行う方法が具体的に示されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、上記各特許文献に記載の方法は、水環境下での耐食、耐磨耗に優れた皮膜作製法として提案されているが、樹脂含有量が多く、無機物の含有量が低いため、特定の用途においては十分な性能が得られないことがある。具体的には、無機物粒子の光学特性を生かす複合皮膜では、例えば、皮膜内での光散乱を考えると、通常、樹脂と無機物粒子の屈折率差が大きいため、樹脂量が増大すると共に膜内での光散乱が起きやすくなる。あるいは、樹脂自体が光を吸収する場合もあり、無機物粒子の特性を十分に引き出すことが難しくなる。
一方、無機物粒子の光学特性を生かした複合皮膜を用いて、特に無機物粒子からなる蛍光体層皮膜から直接画像を取り出す方法が提案されている。この方法として、被写体を透過した放射線を(輝尽性)蛍光体に吸収せしめ、しかる後、この蛍光体を、例えば、光または熱エネルギーで励起することにより、この蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法がある。
具体的には、例えば、米国特許第3,859,527号及び特開昭55−12144号公報などに記載されているような蛍光体を用いる放射線画像変換方法が知られている。
この方法は、蛍光体を含有する放射線画像変換パネルを使用するもので、この放射線画像変換パネルの蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて、被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギーを蓄積させて、その後、蛍光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起することにより、蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号を、例えば、光電変換して、電気信号を得て、この信号をハロゲン化銀写真感光材料などの記録材料、CRTなどの表示装置上に可視像として再生するものである。
上記の放射線画像の再生方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せによる放射線写真法と比較して、はるかに少ない被曝線量で、かつ情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点を有している。
このように蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的には、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって、300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
これらの蛍光体を使用した放射線画像変換パネルは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後に再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰り返し使用が可能である。つまり従来の放射線写真法では、一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線画像変換方法では放射線画像変換パネルを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
放射線画像変換パネルは、走査される励起光が膜内で散乱しにくいことが好ましい。そのためには、蛍光体の密度が高くし、粒子間距離を小さくすることが求められる。しかしながら、蛍光体粒子を多くのバインダーと共に製膜すると、粒子間隔が大きくなる。そのため光散乱による鮮鋭性の劣化は免れない。
上記課題に対し、基材表面に粉末蛍光体粒子をプラズマ溶射して蛍光発光機能を有する皮膜の形成方法(例えば、特許文献4参照。)や、支持体上に溶射層及び気相堆積法により形成された輝尽性蛍光体層を形成する方法(例えば、特許文献5参照。)がそれぞれ提案されているが、いずれの方法でも蛍光体を溶融状態で供給するため、基材上に形成される蛍光体粒子の形状や粒径分布を制御することが難しく、光散乱により鮮鋭性を十分に高めることが難しいことが判明した。
特開昭58−13666号公報 特開平1−298144号公報 特開平9−314032号公報 特開昭63−169370号公報 特開平1−131500号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、無機物粒子の特性を生かし、均一な複合皮膜の製造方法と溶射粒子の提供と、更に、無機物粒子として蛍光体を用い、鮮鋭性及び輝度の高い複合皮膜とそれを用いた放射線画像変換パネルを提供する。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
(請求項1)
無機物粒子と熱可塑性樹脂粒子とを混合溶射して、皮膜を形成する複合皮膜の製造方法において、該無機物粒子と該熱可塑性樹脂粒子との混合物は、該熱可塑性樹脂が溶融または半溶融し、かつ該無機物粒子が半溶融、溶融しない温度に制御し、該無機物粒子の含有率が85質量%以上、99質量%以下であって、該熱可塑性樹脂粒子の含有率が1.0質量%以上、15質量%以下であることを特徴とする複合皮膜の製造方法。
(請求項2)
前記無機物粒子が蛍光体であることを特徴とする請求項1記載の複合皮膜の製造方法。
(請求項3)
熱可塑性樹脂と無機物粒子との複合粒子を、溶射して皮膜を形成することを特徴とする複合皮膜の製造方法。
(請求項4)
前記熱可塑性樹脂が溶融または半溶融し、かつ前記無機物粒子が半溶融、溶融しない温度に制御して皮膜を形成することを特徴とする請求項3に記載の複合皮膜の製造方法。
(請求項5)
前記無機物粒子が蛍光体であることを特徴とする請求項3または4に記載の複合皮膜の製造方法。
(請求項6)
シランカップリング剤で表面処理された無機物粒子と熱可塑性樹脂とが混合された混合粒子であることを特徴とする溶射用粒子。
(請求項7)
前記無機物粒子が蛍光体であることを特徴とする請求項6に記載の溶射用粒子。
(請求項8)
請求項6または7に記載の溶射用粒子を溶射して皮膜を形成することを特徴とする複合皮膜の製造方法。
(請求項9)
熱可塑性樹脂が溶融または半溶融し、かつシランカップリング剤で表面処理された無機物粒子が半溶融、溶融しない温度に制御して溶射して、皮膜を形成することを特徴とする請求項8に記載の複合皮膜の製造方法。
(請求項10)
請求項1〜5、請求項8及び請求項9のいずれか1項に記載の複合皮膜の製造方法により得られたことを特徴とする複合皮膜。
(請求項11)
請求項10に記載の複合皮膜を用いて作製されたことを特徴とする放射線画像変換パネル。
本発明によれば、無機物粒子の特性を生かし、均一な複合皮膜の製造方法と溶射粒子を提供でき、更に、無機物粒子として蛍光体を用い、鮮鋭性及び輝度の高い複合皮膜とそれを用いた放射線画像変換パネルを提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明者らは上記課題を鑑み鋭意検討を行った結果、無機物粒子と熱可塑性樹脂粒子とを混合溶射して、皮膜を形成する複合皮膜の製造方法において、該無機物粒子と該熱可塑性樹脂粒子との混合物は、該熱可塑性樹脂が溶融または半溶融し、かつ該無機物粒子が半溶融、溶融しない温度に制御し、該無機物粒子の含有率が85質量%以上、99質量%以下であって、該熱可塑性樹脂粒子の含有率が1.0質量%以上、15質量%以下とすることする複合皮膜の製造方法、熱可塑性樹脂と無機物粒子との複合粒子を、溶射して皮膜を形成する複合皮膜の製造方法、あるいはシランカップリング剤で表面処理された無機物粒子と熱可塑性樹脂とが混合された混合粒子である溶射用粒子により、無機物粒子の特性を生かし、均一な複合皮膜を形成でき、特に、無機物粒子として蛍光体を用い、鮮鋭性及び輝度の高い複合皮膜とそれを用いた放射線画像変換パネルを実現できることを見出し、本発明に至った次第である。
本発明の複合皮膜の製造方法においては、無機物粒子が半溶融、溶融しない温度、すなわち、従来の粉末蛍光体粒子をプラズマ溶射したり、あるいはPVD、CVDのごとく気相法を用いた堆積法の様に、精緻に制御されて作製された無機物粒子の再溶融過程を経ないため、無機物粒子の形状、分布を維持した状態で、極めて少量の熱可塑性樹脂と混合して溶出するため、得られる皮膜の特性が均質化され、高い輝度と鮮鋭性を達成できたものである。
通常、樹脂量が多い無機物粒子の複合皮膜では、無機物粒子間距離が拡がり、散乱光の広がりを小さくすることができない。また、樹脂は、無機物粒子の接着に最小限1質量%は必要である。そのため、樹脂と無機物粒子との混合物の質量比として、無機物粒子の含有量を85質量%以上、99質量%以下とし、熱可塑性樹脂粒子の含有量を1.0質量%以上、15質量%以下として、混合物を溶射することにより、極めて無機物粒子の形状が整った均質の複合皮膜を形成することができる。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明に係る混合溶射法に用いる混合物は、無機物粒子と熱可塑性樹脂粒子とを、無機物粒子の含有率が85質量%以上、99質量%以下で、熱可塑性樹脂粒子の含有率が1.0質量%以上、15質量%以下で含むことを特徴とする。
本発明で用いることのできる熱可塑性樹脂としては、特に限定されるものではなく公知の熱可塑性樹脂を用いることができ、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ナイロン−11樹脂、ナイロン−12樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体樹脂、変性ポリエチレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂等を挙げることができる。これらの熱可塑性樹脂は、2種以上が適宜混合して用いられてもよい。
また、本発明の複合皮膜の製造方法の1つは、熱可塑性樹脂と無機物粒子とを複合化した複合粒子を、溶射して皮膜を形成することを特徴とする。
無機物粒子は熱可塑性樹脂とは比重や表面積が異なるので、両者の混合物をそのまま溶射しても、それぞれの構成物の溶射速度に差が生じ、最初から均一化された無機物粒子と熱可塑性樹脂の複合皮膜を形成することがやや難しくなる。
そこで、予め、無機物粒子と熱可塑性樹脂とを複合化した状態で、このような複合粒子を溶射することにより、溶射速度の差に起因する皮膜組成を不均一化を抑制することができるものであり、更に、皮膜の組成に、溶射に応じて傾斜を設ける場合でも制御しやすくなる極めて有利な方法である。また、通常の溶射では、無機物粒子の粒径は数μm以上が必要であるが、複合化粒子とすることにより、サブミクロン単位の粒径であっても複合化時に複数個含有させることで粒径を大きくすることができ、一次粒径を変えることなく安定した溶射が可能になる。
すなわち、熱可塑性樹脂のみが溶融し、無機物粒子が溶融しない条件で溶射することにより、複合皮膜中に無機物粒子を、サブミクロン単位の粒径のままで残すことが可能になり、必要な物性を維持することができる。通常の溶射のように、高温で溶融した無機物粒子を溶射すると、無機物粒子が溶解、他の粒子と結合したり、表面の組成が変化したりするため、もとの粒子の物性を維持することは難しい。
無機物粒子と熱可塑性樹脂との複合化の形態としては、例えば、熱可塑性樹脂をシェル、無機物粒子をコアとして、コアシェル状に内包するもの、その逆のコアシェル形態、あるいは、それぞれの複合粒子が複数個付着するような多次形態をとることができる。
本発明に係る熱可塑性樹脂と無機物粒子とが複合した複合粒子の調製方法としては、特に制限はないが、以下にその一例を示す。
(1)無機物粒子の懸濁液に、熱可塑性樹脂の原料となるモノマーを滴下し、界面重合させる方法、
(2)熱可塑性樹脂溶液に無機物粒子を分散させ、その後、樹脂の溶解度を下げること、あるいは熱可塑性樹脂溶媒を蒸発させることで無機物粒子表面上に熱可塑性樹脂を沈着させる方法、
(3)熱可塑性樹脂粒子の上に、ゾルゲル法などで無機物粒子を堆積させる方法、
など様々な方法を、溶射状況に応じて適宜選択することができるがある。
本発明に係る複合粒子の調製に用いる熱可塑性樹脂としては、上述の混合溶射に使用可能な熱可塑性樹脂を制限なく用いることができる。
また、本発明の溶射用粒子としては、シランカップリング剤で表面処理された無機物粒子と熱可塑性樹脂とが混合された混合粒子であることを特徴とする。
無機物粒子表面をシランカップリング剤で処理することは、個々の無機物粒子表面を安定させるほか、熱可塑性樹脂との親和性を高め、より強固な複合皮膜を形成するの有効である。更に、本発明で規定するように熱可塑性樹脂の混合量を1.0質量%以上、15質量%以下という極めて低含有率としても、十分な複合皮膜強度を得ることができる。
本発明で用いることのできるシランカップリング剤としては、特に制限はないが、下記一般式(1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2005246193
一般式(1)において、Rは脂肪族或いは芳香族の炭化水素基を表し、不飽和基(例えば、ビニル基)を介在していてもよいし、R2OR3−、R2COOR3−、R2NHR3−(R2はアルキル基またはアリール基を表し、R3はアルキレン基またはアリーレン基を表す)、その他の置換基で置換されていてもよい。
またX1、X2、X3は各々脂肪族もしくは芳香族の炭化水素、アシル基、アミド基、アルコキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、エポキシ基、メルカプト基またはハロゲン原子を表す。ただし、X1、X2、X3の少なくとも1つは炭化水素以外の基である。また、X1、X2、X3は各々加水分解を受ける基であることが好ましい。
一般式(1)で表されるシランカップリング剤の具体例としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジクロロシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン・塩酸塩及びアミノシラン配合物などが挙げられ、特に、ビニル系、メルカプト系、グリシドキシ系、メタクリロキシ系が好ましく、特に、シランカップリング剤が、メルカプト基を有していることが好ましい。
無機物粒子表面に上記シランカップリング剤による表面処理を行う方法としては、公知の方法を使用することができる。例えば、ヘンシェルミキサーを用い、無機物粒子を攪拌混合しながらシランカップリング剤を滴下または噴霧する乾式法、スラリー状の蛍光体にシランカップリング剤を滴下しながら攪拌し滴下終了後に無機物粒子を沈澱させ濾過してから無機物粒子を乾燥させ残留溶媒を除去するスラリー法、無機物粒子を溶媒に分散させ、これにシランカップリング剤を添加して攪拌した後、溶媒を蒸発して付着層を形成する方法などである。
また、シランカップリング剤の乾燥は、無機物粒子との反応を確実なものにするため60℃〜130℃で10分から200分程度行うことが望ましい。このような処理方法の一例としては、無機物粒子及びシランカップリング剤の分散液中で、無機物粒子を液中で解砕し、無機物粒子の解砕と同時に親水性微粒子での被覆とシランカップリング剤での表面処理を行ったのち濾過乾燥する方法等が挙げることができるが、これらに限られたものではない。
次いで、本発明に係る無機物粒子について説明する。
本発明に用いることができる無機物粒子は、従来公知の各種無機物粒子が使用可能である。好ましくは、酸化物、水酸化物、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、窒化物、炭素類、金属粉、セラミックス粉などから選ばれる無機物粒子を使用することができる。
酸化物としては、例えば、シリカ、ケイ藻土、アルミナ、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化スズ、酸化アンチモン、フェライト類が挙げられる。水酸化物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、塩基性炭酸マグネシウムが挙げられる。炭酸塩としては、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、炭酸バリウム、ドーソナイト、ハイドロタルサイトが挙げられる。
硫酸塩としては、例えば、硫酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、リトポンが挙げられる。ケイ酸塩としては、例えば、ケイ酸カルシウム(ウォラストナイト、ゾノトライト)、ケイ酸アルミニウム(クレー)、タルク、マイカ、モンモリロナイト、ケイ砂、カオリン、軽石粉、ゼオライト、ベントナイト、活性白土、スレート粉、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ガラス繊維、ガスビーズ、ガラスフレーク、シリカ系バルンが挙げられる。
窒化物としては、例えば、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ケイ素が挙げられる。
炭素類としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、炭素繊維、活性炭、活性炭繊維、フラーレン、カーボンナノチューブ、炭素バルン、木炭粉末が挙げられる。その他、例えば、チタン酸カルシウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸ジルコン酸塩、硫化モリブデン、炭化ケイ素、ホウ酸亜鉛が挙げられる。
本発明においては、無機物粒子として、光学特性を有する無機物粒子である各種蛍光体を用いることが好ましい。
以下に、本発明で用いることのできる蛍光体の例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)特開昭55−12145号に記載されている(Ba1-X,M(II)X)FX:yA、(式中、M(II)はMg、Ca、Sr、ZnおよびCdのうちの少なくとも一つ、XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、そしては、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)の組成式で表される希土類元素賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい。
a)特開昭56−74175号に記載されている、X′、BeX″、M(III)X′″3、式中、X′、X″、およびX′″はそれぞれCl、BrおよびIの少なくとも一種であり、M(III)は三価金属である
b)特開昭55−160078号に記載されているBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、ZnO、Al23、Y23、La23、In23、SiO2、TiO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb25、Ta25およびThO2などの金属酸化物
c)特開昭56−116777号に記載されているZr、Sc
d)特開昭57−23673号に記載されているB
e)特開昭57−23675号に記載されているAs、Si
f)特開昭58−206678号に記載されているM・L、式中、MはLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、LはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属である
g)特開昭59−27980号に記載されているテトラフルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−27289号に記載されているヘキサフルオロケイ酸、ヘキサフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩の焼成物;特開昭59−56479号に記載されているNaX′、式中、X′はCl、BrおよびIのうちの少なくとも一種である
h)特開昭59−56480号に記載されているV、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiなどの遷移金属;特開昭59−75200号に記載されているM(I)X′、M′(II)X″2、M(III)X′″3、A、式中、M(I)はLi、Na、K、Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、M′(II)はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なくとも一種の二価金属を表し、M(III)はAl、Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、Aは金属酸化物であり、X′、X″、およびX′″はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
i)特開昭60−101173号に記載されているM(I)X′、式中、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
j)特開昭61−23679号に記載されているM(II)′X′2・M(II)′X″2、式中、M(II)′はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;X′およびX″はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX′≠X″である;更に、特開昭61−264084号明細書に記載されているLnX″3、式中、LnはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである。
(2)特開昭60−84381号に記載されているM(II)X2・aM(II)X′2:xEu2+(式中、M(II)はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XおよびX′はCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような添加物が含まれていてもよい。
a)特開昭60−166379号に記載されているM(I)X′、式中、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X′はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
b)特開昭60−221483号に記載されているKX″、MgX′″2、M(III)X″″3、式中、M(III)はSc、Y、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;X″、X′″およびX″″はいずれもF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
c)特開昭60−228592号に記載されているB、特開昭60−228593号に記載されているSiO2、P25等の酸化物、特開昭61−120882号に記載されているLiX″、NaX″、式中、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
d)特開昭61−120883号に記載されているSiO;特開昭61−120885号に記載されているSnX″2、式中、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである
e)特開昭61−235486号に記載されているCsX″、SnX′″2、式中、X″およびX′″はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである;更に、特開昭61−235487号に記載されているCsX″、Ln3+、式中、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;LnはSc、Y、Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素である
(3)特開昭55−12144号に記載されているLnOX:xA(式中、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうち少なくとも一つ;XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つ;AはCeおよびTbのうち少なくとも一つ;xは、0<x<0.1である)の組成式で表される希土類元素賦活希土類オキシハライド蛍光体。
(4)特開昭58−69281号に記載されているM(II)OX:xCe(式中、M(II)はPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくとも一種の酸化金属であり;XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つであり;xは0<x<0.1である)の組成式で表されるセリウム賦活三価金属オキシハライド蛍光体。
(5)特開昭62−25189号明細書に記載されているM(I)X:xBi(式中、M(I)はRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体。
(6)特開昭60−141783号に記載されているM(II)5(PO43X:xEu2+(式中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。
(7)特開昭60−157099号に記載されているM(II)2BO3X:xEu2+(式中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロホウ酸塩蛍光体。
(8)特開昭60−157100号に記載されているM(II)2(PO43X:xEu2+(式中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体。
(9)特開昭60−217354号に記載されているM(II)HX:xEu2+(式中、M(II)はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属水素化ハロゲン化物蛍光体。
(10)特開昭61−21173号に記載されているLnX3・aLn′X′3:xCe3+、(式中、LnおよびLn′はそれぞれY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;XおよびX′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム賦活希土類複合ハロゲン化物蛍光体。
(11)特開昭61−21182号に記載されているLnX3・aM(I)X′3:xCe3+、(式中、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;M(I)はLi、Na、K、CsおよびRbからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム賦活希土類複合ハロゲン化物系蛍光体。
(12)特開昭61−40390号に記載されているLnPO4・aLnX3:xCe3+、(式中、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;XはF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表されるセリウム賦活希土類ハロ燐酸塩蛍光体。
(13)特開昭61−236888号明細書に記載されているCsX:aRbX′:xEu2+、(式中、XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活ハロゲン化セシウム・ルビジウム蛍光体。
(14)特開昭61−236890号に記載されているM(II)X2・aM(I)X′:xEu2+、(式中、M(II)はBa、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;M(I)はLi、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦20.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表される二価ユーロピウム賦活複合ハロゲン化物蛍光体。
上記の輝尽性蛍光体のうちで、輝尽性蛍光体粒子がヨウ素を含有していることが好ましく、例えば、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属弗化ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム賦活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する希土類元素賦活希土類オキシハロゲン化物系蛍光体、およびヨウ素を含有するビスマス賦活アルカリ金属ハロゲン化物系蛍光体は、高輝度の輝尽発光を示すため好ましく、特には輝尽性蛍光体がEu付加BaFI化合物であることが好ましい。
本発明の複合皮膜の製造方法においては、無機物粒子と熱可塑性樹脂粒子との混合物あるいは複合粒子を、熱可塑性樹脂が溶融または半溶融し、かつ該無機物粒子が半溶融、溶融しない温度に制御しながら溶射して、皮膜を形成することを特徴としている。
本発明の複合皮膜の製造方法に適用できる溶射法としては、特に制限はなく、例えば、プラズマ溶射法、減圧溶射法、高速フレーム溶射法(HVOF)、アーク溶射法、ガス炎溶射法など、各種の方法を挙げることができるが、特に、使用する熱可塑性樹脂が酸化、あるいは燃焼されないためには、低温溶射が容易であるガス炎溶射法が好ましい。
ガス炎溶射法は、主燃焼ガスとして、例えば、プロパンガス、プロピレンガス、ブタンガス、エタンガス、水素ガスまたは灯油を用い、助燃ガスとして酸素または空気を用い、火炎温度200〜1200℃、火炎速度80〜200m/秒に制御されたガス炎で溶射原料を溶射することにより実施される。好ましくは被溶射基材の表面を中心線表面粗さRaとして1〜15μmに粗面化し、且つ被溶射基材を70〜250℃に予熱した後に溶射を行ない成膜することが好ましい。
本発明で用いることのできる溶射する基材としては、例えば、各種高分子材料、ガラス、金属などが用いられる。形状は平面であっても良く、複雑な凹凸や曲面を有する形状であっても良い。
平面形状の複合膜には、さらに保護フィルムを設けることも望ましい。例えば、ポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム等が使用できるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工されたフィルムが、透明性、強さの面で保護層として好ましく、更には、これらのポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム上に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜を蒸着した蒸着フィルムも好ましい。
形成する複合皮膜の膜厚は、目的とする皮膜の物性、例えば、放射線画像変換パネルの特性、蛍光体の種類、結合剤と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は10〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。
次いで、本発明の放射線画像変換パネルについて説明する。
本発明の複合皮膜の製造方法により形成した複合皮膜を放射線画像変換パネルに適用する場合、支持体上に複合皮膜である蛍光体層が形成された蛍光体シートは、所定の大きさに断裁される。
断裁にあたっては、一般のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。また放射線画像変換パネルの場合、蛍光体層の表面を物理的、化学的に保護するための保護膜(保護フィルムともいう)を設けることが好ましく、それらの構成は目的、用途などに応じて適宜選択することができる。
保護層としては、ASTMD−1003に記載の方法により測定したヘイズ率が、5%以上60%未満の励起光吸収層を備えたポリエステルフィルム、ポリメタクリレートフィルム、ニトロセルロースフィルム、セルロースアセテートフィルム等が使用できるが、ポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンナフタレートフィルム等の延伸加工されたフィルムが、透明性、強さの面で保護層として好ましく、更には、これらのポリエチレンテレフタレートフィルムやポリエチレンテレフタレートフィルム上に金属酸化物、窒化珪素などの薄膜を蒸着した蒸着フィルムが防湿性の面からより好ましい。保護層で用いるフィルムのヘイズ率は、使用する樹脂フィルムのヘイズ率を選択することで容易に調整でき、また任意のヘイズ率を有する樹脂フィルムは工業的に容易に入手することができる。
放射線画像変換パネルの保護フィルムとしては、光学的に透明度の非常に高いものが想定されている。そのような透明度の高い保護フィルム材料として、ヘイズ値が2〜3%の範囲にある各種のプラスチックフィルムが市販されている。本発明の効果を得るために好ましいヘイズ率としては5%以上60%未満であり、さらに好ましくは10%以上50%未満である。ヘイズ率が5%未満では、画像ムラや線状ノイズを解消する効果が低く、また60%以上では鮮鋭性の向上効果が損なわれ、好ましくない。
本発明において、保護層で用いるフィルムは、必要とされる防湿性にあわせて、樹脂フィルムや樹脂フィルムに金属酸化物などを蒸着した蒸着フィルムを複数枚積層することで最適な防湿性とすることができ、蛍光体の吸湿劣化防止を考慮して、透湿度は少なくとも50g/m2・day以下であることが好ましい。樹脂フィルムの積層方法としては、特に制限はなく、公知のいずれの方法を用いても良い。
また、積層された樹脂フィルム間に励起光吸収層を設けることによって、励起光吸収層が物理的な衝撃や化学的な変質から保護され安定したプレート性能が長期間維持でき好ましい。また、励起光吸収層は複数箇所設けてもよいし、積層する為の接着剤層に色剤を含有して、励起光吸収層としても良い。
保護フィルムは、蛍光体層に接着層を介して密着していても良いが、蛍光体面を被覆するように設けられた構造(以下、封止または封止構造ともいう)であることがより好ましい。蛍光体プレートを封止するにあたっては、公知のいずれの方法でもよいが、防湿性保護フィルムの蛍光体シートに接する側の最外層樹脂層を熱融着性を有する樹脂フィルムとすることは、防湿性保護フィルムが融着可能となり蛍光体シートの封止作業が効率化される点で、好ましい形態の1つである。さらには、蛍光体シートの上下に防湿性保護フィルムを配置し、その周縁が前記蛍光体シートの周縁より外側にある領域で、上下の防湿性保護フィルムをインパルスシーラー等で加熱、融着して封止構造とすることで、蛍光体シートの外周部からの水分進入も阻止でき好ましい。また、さらには、支持体面側の防湿性保護フィルムが1層以上のアルミフィルムをラミネートしてなる積層防湿フィルムとすることで、より確実に水分の進入を低減でき、またこの封止方法は作業的にも容易であり好ましい。上記インパルスシーラーで加熱融着する方法においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光体シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大気中の湿気を排除する意味でより好ましい。
防湿性保護フィルムの蛍光体面が接する側の熱融着性を有する最外層の樹脂層と蛍光体面は、接着していないことが好ましい。ここでいう接着していない状態とは、微視的には蛍光体面と防湿性保護フィルムとが点接触していても、光学的、力学的には殆ど蛍光体面と防湿性保護フィルムは不連続体として扱える状態のことである。また、上記の熱融着性を有する樹脂フィルムとは、一般に使用されるインパルスシーラーで融着可能な樹脂フィルムのことで、例えば、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)やポリプロピレン(PP)フィルム、ポリエチレン(PE)フィルム等を挙げることができるが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
《蛍光体シートの作製》
〔蛍光体シート1の作製:混合溶射法(本発明)〕
(蛍光体Aの調製)
ユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの蛍光体前駆体を合成するために、BaI2水溶液(3.6mol/L)2780mlとEuI3水溶液(0.15mol/L)27mlとを反応器に入れた。この反応器中の反応母液を撹拌しながら83℃で保温した。次いで、弗化アンモニウム水溶液(8mol/L)322mlを反応母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させた。注入終了後も保温と撹拌を2時間続けて、沈澱物の熟成を行なった。
次に、沈澱物をろ別した後、エタノールにより洗浄及び真空乾燥させてユーロピウム賦活弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。焼成時の焼結により粒子形状の変化、粒子間融着による粒子サイズ分布の変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉体を0.2質量%添加し、ミキサーで充分撹拌して結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。これを石英ボートに充填して、チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気下で、850℃で2時間焼成し、乳鉢解砕後、分級して平均粒径9μmの蛍光体Aを調製した。
(複合皮膜の形成)
熱可塑性樹脂として融点180℃、粒径30〜200μmの溶射用ナイロン粉末を10質量%、無機物粒子として上記の蛍光体Aを90質量%を混合して、溶射用の原料粉末を調製した。
被溶射基材としては1.0mm厚のアルミ板を使用し、アルミナグリット(粒度#20)を圧力0.5MPaで吹き付け、ブラスト処理を行なった後、170℃に加熱し、予熱処理を行なった。
低温ガス炎溶射法に従って、下記溶射条件にてアルミ板上に上記蛍光体を含む溶射用の原料粉末の溶射を行った。
〈溶射条件〉
燃焼ガス:酸素ガス(圧力=350kPa)、プロパンガス(圧力=350kPa)、空気(圧力=560kPa)
フレーム温度:900℃
フレーム速度:150m/秒
溶射距離:350mm
溶射原料粉末供給量:50g/分
なお、上記フレーム温度は、熱可塑性樹脂であるナイロン粉末が溶融または半溶融し、かつ蛍光体Aが半溶融、溶融しない温度である。
以上のようにして得られた蛍光体シート1の皮膜の厚さは210μmであった。
〔蛍光体シート2の作製:混合溶射法(比較例)〕
上記蛍光体シート1の作製において、熱可塑性樹脂であるナイロン粉末の含有率を40質量%、蛍光体Aの含有率を60質量%に変更し、皮膜の厚さを310μmとした以外は同様にして、蛍光体シート2を作製した。
〔蛍光体シート3の作製:混合溶射法(比較例)〕
上記蛍光体シート1の作製において、溶射条件を下記のように変更した以外は同様にして、蛍光体シート3を作製した。
(溶射条件)
燃焼ガス:酸素ガス(圧力=1.2MPa)、水素ガス(圧力=1MPa)、空気(圧力=700kPa)
フレーム温度:2700℃
フレーム速度:2100m/秒
溶射距離:225mm
溶射原料粉末供給量:80g/分
なお、上記フレーム温度は、熱可塑性樹脂であるナイロン粉末及び蛍光体Aが共に溶融または半溶融する温度である。
〔蛍光体シート4の作製:混合溶射法(本発明)〕
(蛍光体Bの調製)
以下の手順に従って、ユーロピウム賦活弗化臭化バリウムの蛍光体(BaFBr:0.001Eu2+)を製造した。
NH4Br水溶液(4.5モル/リットル)1780ml、EuBr3水溶液(0.2モル/リットル)5ml、及び水215mlとを反応器に入れた。この反応器中の反応母液(NH4Br濃度が4.0モル/リットル)を60℃に保温し、NH4F水溶液(10モル/リットル)100mlとBaBr2水溶液(2.5モル/リットル)400mlとを、上記攪拌下で保温している反応母液中の混合室に、別々の精密シリンダーポンプを用いてNH4FとBaBr2のモル比率が一定になるように添加した。
次いで、沈殿した前駆体結晶を濾別し、メタノール2リットルで洗浄した。洗浄した前駆体結晶を取出し、120℃で4時間真空乾燥させてユーロピウム賦活弗化臭化バリウムの結晶を約220g得た。上記の結晶に、焼成時の焼結による粒子形状の変化や粒子間融着による粒子サイズの変化を防止するために、アルミナの超微粒子粉体を0.5質量%添加し、ミキサーで充分に混合して、結晶表面にアルミナの超微粒子粉体を均一に付着させた。これを100g取って石英ボートに充填し、チューブ炉を用いて、窒素ガス雰囲気中、850℃で2時間焼成してユーロピウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体粒子(BaFBr:0.001Eu2+)である蛍光体Bを得た。平均粒径は10μmであった。
(溶射条件)
上記蛍光体シート1の作製と同様の溶射条件で、蛍光体皮膜を形成し、蛍光体シート4を得た。
〔蛍光体シート5の作製:混合溶射法(比較例)〕
上記蛍光体シート4の作製において、溶射条件を下記のように変更した以外は同様にして、蛍光体シート5を作製した。
(溶射条件)
燃焼ガス:酸素ガス(圧力=1.2MPa)、水素ガス(圧力=1MPa)、空気(圧力=700kPa)
フレーム温度:2700℃
フレーム速度:2100m/秒
溶射距離:225mm
溶射原料粉末供給量:80g/分
なお、上記フレーム温度は、熱可塑性樹脂であるナイロン粉末及び蛍光体Bが共に溶融または半溶融する温度である。
〔蛍光体シート6の作製:複合粒子を用いた溶射法(本発明)〕
蛍光体シート1の作製で用いた蛍光体Aの90部を、BL−S(ポリビニルブチラール樹脂、積水化学工業(株)製)を10部溶解したメチルエチルケトンの500部中に分散し、スプレードライ(大川原化工機:FL−12型)で窒素雰囲気下、乾燥温度100℃にて造粒乾燥し、原料中のメチルエチルケトンを1質量%未満にして、蛍光体粒子と熱可塑性樹脂とならなる複合粒子を調製した。この時の複合粒子の平均粒径は体積換算粒径で11μmであった。
(溶射条件)
上記蛍光体シート1の作製において、溶射条件として熱可塑性樹脂であるナイロン樹脂を用いない以外は同様にして、蛍光体シート6を作製した。
〔蛍光体シート7の作製:複合粒子を用いた溶射法(比較例)〕
上記蛍光体シート6の作製において、溶射条件を下記のように変更した以外は同様にして、蛍光体シート7を作製した。
(溶射条件)
燃焼ガス:酸素ガス(圧力=1.2MPa)、水素ガス(圧力=1MPa)、空気(圧力=700kPa)
フレーム温度:2700℃
フレーム速度:2100m/秒
溶射距離:225mm
溶射原料粉末供給量:80g/分
なお、上記フレーム温度は、熱可塑性樹脂であるポリビニルブチラール樹脂及び蛍光体Aが共に溶融または半溶融する温度である。
〔蛍光体シート8の作製:混合溶射法(本発明)〕
(蛍光体A2の調製)
蛍光体シート1の作製で用いた蛍光体Aの100gを、下記の各化合物を含有するエタノール分散液中に浸漬してスラリー状とした後、濾過、乳鉢解砕し、80℃で3時間乾燥した後、分級して平均粒径が10μmの蛍光体A2を調製した。
シランカップリング剤(γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン) 5.0g
親水性微粒子(シリカ粒子、日本アエロジル社製、平均粒径12nm) 0.5g
(溶射条件)
上記蛍光体シート1の作製と同様の溶射条件で、蛍光体皮膜を形成し、蛍光体シート8を得た。
〔蛍光体シート9の作製:混合溶射法(比較例)〕
上記蛍光体シート8の作製において、溶射条件を下記のように変更した以外は同様にして、蛍光体シート9を作製した。
(溶射条件)
燃焼ガス:酸素ガス(圧力=1.2MPa)、水素ガス(圧力=1MPa)、空気(圧力=700kPa)
フレーム温度:2700℃
フレーム速度:2100m/秒
溶射距離:225mm
溶射原料粉末供給量:80g/分
なお、上記フレーム温度は、熱可塑性樹脂であるナイロン粉末及び蛍光体A2が共に溶融または半溶融する温度である。
〔蛍光体シートの面状観察〕
上記作製した各蛍光体シートの蛍光体層面を目視観察して色調を調べ、得られた結果を表1に示す。
《防湿性保護フィルムの作製》
上記作製した各蛍光体シートの蛍光体層面側に設ける下記構成(A)からなる保護フィルムを作製した。
構成(A)
NY15///VMPET12///VMPET12///PET12///CPP20
NY:ナイロン
PET:ポリエチレンテレフタレート
CPP:キャステングポリプロピレン
VMPET:アルミナ蒸着PET(市販品:東洋メタライジング社製)
各樹脂フィルムの後ろに記載の数字は、樹脂層の膜厚(μm)を表し、「///」は、ドライラミネーション接着層で、接着剤層の厚みが3.0μmであることを意味する。使用したドライラミネーション用の接着剤は、2液反応型のウレタン系接着剤を用いた。
また、蛍光体シートの支持体であるアルミ板の裏面側に設ける保護フィルムとして、CPP30μm/アルミフィルム9μm/ポリエチレンテレフタレート(PET)188μmから構成されるドライラミネートフィルムを作製した。また、この場合の接着剤層の厚みは1.5μmで2液反応型のウレタン系接着剤を使用した。
《放射線画像変換パネルの作製》
上記作製した各蛍光体シートを、各々一辺が20cmの正方形に断裁した後、上記作製した各防湿性保護フィルムを用いて、減圧下で周縁部をインパルスシーラを用いて融着、封止して、放射線画像変換パネル1〜9を作製した。尚、融着部から蛍光体シート周縁部までの距離は1mmとなるように融着した。融着に使用したインパルスシーラーのヒーターは3mm幅のものを使用した。
《放射線画像変換パネルの評価》
以上のようにして作製した各放射線画像変換パネルを用いて、以下に示す方法に従って、輝度及び鮮鋭性評価を行った。
〔輝度の測定〕
輝度の測定は、各放射線画像変換パネルについて、管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を受光器(分光輝度S−5の光電子像倍管)で受光して、その強度を測定して、これを輝度と定義した。輝度は、放射線画像変換パネル2の輝度を100とした相対輝度で表した。
〔鮮鋭性の測定〕
鮮鋭度については、各放射線画像変換パネルに、鉛製のMTFチャートを通して管電圧80kVpのX線を照射した後、パネルHe−Neレーザー光で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発光を上記と同じ受光器で受光して電気信号に変換し、これをアナログ/デジタル変換してハードディスクに記録し、記録をコンピューターで分析してハードディスクに記録されているX線像の変調伝達関数(MTF)を調べた。空間周波数1サイクル/mmにおけるMTF値(%)を測定した。なお、MTF値が高いほど良好な鮮鋭性が得られるので好ましい。また、放射線画像変換パネルとして実用するためには鮮鋭性は65%を越えることが必要である。
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2005246193
表1に記載の結果より明らかなように、熱可塑性樹脂が溶融または半溶融し、かつ該無機物粒子が半溶融、溶融しない温度に制御し、無機物粒子と熱可塑性樹脂粒子との含有率を本発明で規定する条件として溶射、形成した蛍光体皮膜を用いた本発明の放射線画像変換パネルは、比較例に対し、蛍光体層に不正な着色がなく、高輝度で、かつ鮮鋭性に優れていることが分かる。

Claims (11)

  1. 無機物粒子と熱可塑性樹脂粒子とを混合溶射して、皮膜を形成する複合皮膜の製造方法において、該無機物粒子と該熱可塑性樹脂粒子との混合物は、該熱可塑性樹脂が溶融または半溶融し、かつ該無機物粒子が半溶融、溶融しない温度に制御し、該無機物粒子の含有率が85質量%以上、99質量%以下であって、該熱可塑性樹脂粒子の含有率が1.0質量%以上、15質量%以下であることを特徴とする複合皮膜の製造方法。
  2. 前記無機物粒子が蛍光体であることを特徴とする請求項1記載の複合皮膜の製造方法。
  3. 熱可塑性樹脂と無機物粒子との複合粒子を、溶射して皮膜を形成することを特徴とする複合皮膜の製造方法。
  4. 前記熱可塑性樹脂が溶融または半溶融し、かつ前記無機物粒子が半溶融、溶融しない温度に制御して皮膜を形成することを特徴とする請求項3に記載の複合皮膜の製造方法。
  5. 前記無機物粒子が蛍光体であることを特徴とする請求項3または4に記載の複合皮膜の製造方法。
  6. シランカップリング剤で表面処理された無機物粒子と熱可塑性樹脂とが混合された混合粒子であることを特徴とする溶射用粒子。
  7. 前記無機物粒子が蛍光体であることを特徴とする請求項6に記載の溶射用粒子。
  8. 請求項6または7に記載の溶射用粒子を溶射して皮膜を形成することを特徴とする複合皮膜の製造方法。
  9. 熱可塑性樹脂が溶融または半溶融し、かつシランカップリング剤で表面処理された無機物粒子が半溶融、溶融しない温度に制御して溶射して、皮膜を形成することを特徴とする請求項8に記載の複合皮膜の製造方法。
  10. 請求項1〜5、請求項8及び請求項9のいずれか1項に記載の複合皮膜の製造方法により得られたことを特徴とする複合皮膜。
  11. 請求項10に記載の複合皮膜を用いて作製されたことを特徴とする放射線画像変換パネル。
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