JP2000144128A - 輝尽性蛍光体及びその製造方法並びに放射線像変換パネル及びその製造方法 - Google Patents

輝尽性蛍光体及びその製造方法並びに放射線像変換パネル及びその製造方法

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JP2000144128A
JP2000144128A JP11110403A JP11040399A JP2000144128A JP 2000144128 A JP2000144128 A JP 2000144128A JP 11110403 A JP11110403 A JP 11110403A JP 11040399 A JP11040399 A JP 11040399A JP 2000144128 A JP2000144128 A JP 2000144128A
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Takehiko Shoji
武彦 庄子
Haruhiko Masutomi
春彦 益富
Hideaki Wakamatsu
秀明 若松
Hiroyuki Nabeta
博之 鍋田
Kanae Kawabata
香苗 川畑
Satoru Honda
哲 本田
Manabu Watabe
学 渡部
Masaaki Murayama
真昭 村山
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】吸湿による性能劣化がなく長期間良好な状態で
使用することのできる輝尽性蛍光体及びその製造方法並
びに放射線像変換パネル及びその製造方法を提供する。 【解決手段】輝尽性蛍光体の製造方法において、次の工
程を有することを特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法で
ある。 (a)輝尽性蛍光体を生成する工程;及び(b)上記輝
尽性蛍光体を金属酸化物及びシランカップリング剤で被
覆する工程。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、輝尽性蛍光体及び
その製造方法並びに放射線像変換パネル及びその製造方
法に関するものであり、さらに詳しくは吸湿による性能
劣化が少なく長期間良好な状態で使用することのできる
輝尽性蛍光体及びその製造方法並びに放射線像変換パネ
ル及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】X線画像のような放射線像は病気診断用
などに多く用いられている。このX線画像を得るために
被写体を通過したX線を蛍光体層(蛍光スクリーン)に
照射し、これにより可視光を生じさせてこの可視光を通
常の写真を撮るときと同じように銀塩を使用したフィル
ムに照射して現像した、いわゆる放射線写真が利用され
ている。しかし近年銀塩を塗布したフィルムを使用しな
いで蛍光体層から直接画像を取り出す方法が工夫される
ようになった。
【0003】この方法としては被写体を透過した放射線
を蛍光体に吸収せしめ、しかる後にこの蛍光体を例えば
光又は熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が
上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光と
して放射せしめ、この蛍光を検出し画像化する方法があ
る。具体的には、例えば米国特許第3,859,527
号及び特開昭55−12144号公報などに記載されて
いるような輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法が知
られている。
【0004】この方法は輝尽性蛍光体を含有する放射線
像変換パネルを使用するもので、この放射線像変換パネ
ルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線を当てて
被写体各部の放射線透過密度に対応する放射線エネルギ
ーを蓄積させて、その後に輝尽性蛍光体を可視光線、赤
外線などの電磁波(励起光)で時系列的に励起すること
により、該輝尽性蛍光体中に蓄積されている放射線エネ
ルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による
信号を例えば光電変換し、電気信号を得て、この信号を
感光フィルム等の記録材料、CRTなどの表示装置上に
可視像として再生するものである。
【0005】上記の放射線像記録再生方法によれば、従
来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せを用いる放
射線写真法による場合に比較して、はるかに少ない被曝
線量で情報量の豊富な放射線像を得ることができるとい
う利点がある。
【0006】このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射
した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であ
るが、実用上では、波長が400〜900nmの範囲に
ある励起光によって300〜500nmの波長範囲の輝
尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
【0007】従来より放射線像変換パネルに用いられて
きた輝尽性蛍光体の例としては下記のものが一例として
挙げられる。
【0008】従来より放射線像変換パネルに用いられて
きた輝尽性蛍光体の例としては、 (1)特開昭55−12145号公報に記載されている
(Ba1-X,M2+ X)FX:yA(ただし、M2+はMg、
Ca、Sr、ZnおよびCdのうちの少なくとも一つ、
XはCl、Br、およびIのうち少なくとも一つ、Aは
Eu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Y
b、およびErのうちの少なくとも一つ、そしてxは、
0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)の組成
式で表わされる希土類元素付活アルカリ土類金属弗化ハ
ロゲン化物蛍光体;また、この蛍光体には以下のような
添加物が含まれていてもよい:特開昭56−74175
号公報に記載されている、X′、BeX′′、M
3X′′′3(ただし、X′、X′′、およびX′′′は
それぞれCl、BrおよびIのうち少なくとも一種であ
り、M3は三価金属である);
【0009】特開昭55−160078号公報に記載さ
れているBeO、BgO、CaO、SrO、BaO、Z
nO、Al23、Y23、La23、In23、SiO
2、TiO2、ZrO2、GeO2、SnO2、Nb25
Ta25およびThO2などの金属酸化物;特開昭56
−116777号公報に記載されているZr、Sc;特
開昭57−23673号公報に記載されているB;特開
昭57−23675号公報に記載されているAs、S
i;
【0010】特開昭58−206678号公報に記載さ
れているM・L(ただし、MはLi、Na、K、Rb、
およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のア
ルカリ金属であり;LはSc、Y、La、Ce、Pr、
Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、Lu、Al、Ga、In、およびTlからな
る群より選ばれる少なくとも一種の三価金属である);
特開昭59−27980号公報に記載されているテトラ
フルオロホウ酸化合物の焼成物;特開昭59−2728
9号公報に記載されているヘキサフルオロケイ酸、ヘキ
サフルオロチタン酸およびヘキサフルオロジルコニム酸
の一価もしくは二価金属の塩の焼成物;特開昭59−5
6479号公報に記載されているNaX′(ただし、
X′はCl、BrおよびIのうちの少なくとも一種であ
る);特開昭59−56480号公報に記載されている
V、Cr、Mn、Fe、CoおよびNiなどの遷移金
属;
【0011】特開昭59−75200号公報に記載され
ているM1X′、M′2X′′、M3X′′′、A(ただ
し、M1はLi、Na、K、Rb、およびCsからなる
群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり、
M′2はBeおよびMgからなる群より選ばれる少なく
とも一種の二価金属であり;M3はAl、Ga、In、
およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の三
価金属であり;Aは金属酸化物であり;X′、X′′お
よびX′′′はそれぞれF、Cl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンである);
特開昭60−101173号公報に記載されているM1
X′(ただし、M1はRbおよびCsからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であり;X′は
F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンである);
【0012】特開昭61−23679号公報に記載され
ているM2′X′2・M2′X′′2(ただし、M2′はB
a、SrおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも
一種のアルカリ土類金属であり;X′およびX′はそれ
ぞれCl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンであって、かつX′≠X′′であ
る);および特願昭60−106752号明細書に記載
されているLnX′′3(ただし、LnはSc、Y、L
a、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Gd、Tb、D
y、Ho、Er、Tm、YbおよびLuからなる群より
選ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;X′′は
F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なく
とも一種のハロゲンである); (2)特開昭60−84381号公報に記載されている
22・aM22:xEu2+(ただし、M2はBa、S
rおよびCaからなる群より選ばれる少なくとも一種の
アルカリ土類金属であり;XおよびX′はCl、Brお
よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1≦
a≦0.0、xは0<x≦0.2である)の組成式で表
わされる二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属ハロゲ
ン化物蛍光体;
【0013】また、この蛍光体には以下のような添加物
が含まれていてもよい;特開昭60−166379号公
報に記載されているM1 X′′(ただし、M1はRbお
よびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアル
カリ金属であり;X′′はF、Cl、BrおよびIから
なる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
る);特開昭60−221483号公報に記載されてい
るKX′′、MgX′′′2、M3 X′′′′3(ただ
し、M3はSc、Y、La、GdおよびLuからなる群
より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり;
X′′、X′′′およびX′′′′はいずれもF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンである);特開昭60−228592号公
報に記載されているB;特開昭60−228593号公
報に記載されているSiO2、P25等の酸化物;特開
昭61−120882号公報に記載されているLi
X′′、NaX′′(ただし、X′′はF、Cl、Br
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンである);特開昭61−120883号公報に記載
されているSiO;特開昭61−120885号公報に
記載されているSnX′′2(ただし、X′′はF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンである);
【0014】特開昭61−235486号公報に記載さ
れているCsX′′、SnX′′′ 2(ただし、X′′
およびX′′′はそれぞれF、Cl、BrおよびIから
なる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
る);および特開昭61−235487号公報に記載さ
れているCsX′′、Ln3+(ただし、X′′はF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであり;LnはSc、Y、Ce、Pr、N
d、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb
およびLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希
土類元素である);
【0015】(3)特開昭55−12144号公報に記
載されているLnOX:xA(ただし、LnはLa、
Y、Gd、およびLuのうち少なくとも一つ;XはC
l、Br、およびIのうち少なくとも一つ;AはCeお
よびTbのうち少なくとも一つ;そして、xは、0<x
<0.1である)の組成式で表わされる希土類元素付活
希土類オキシハライド蛍光体;
【0016】(4)特開昭58−69281号公報に記
載されているM3OX:xCe(ただし、M3はPr、N
d、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくと
も一種の酸化金属であり;XはCl、Br、およびIの
うち少なくとも一つであり;xは0<x<0.1であ
る)の組成式で表わされるセリウム付活三価金属オキシ
ハライド蛍光体;
【0017】(5)特願昭60−70484号明細書に
記載されているM1X:xBi(ただし、M1はRbおよ
びCsからなる群より選ばれる少なくとも一種のアルカ
リ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる群より
選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そしてxは
0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表わさ
れるビスマス付活アルカリ金属ハロゲン化物蛍光体;
【0018】(6)特開昭60−141783号公報に
記載されているM2 5(PO43 x:xEu2+(ただ
し、M2はCa、SrおよびBaからなる群より選ばれ
る少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;XはF、
Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンであり;xは0<x≦0.2の範囲の数
値である)の組成式で表わされる二価ユーロピウム付活
アルカリ土類金属ハロリン酸塩蛍光体;
【0019】(7)特開昭60−157099号公報に
記載されているM2 2BO3X:xEu2 +(ただし、M2
Ca、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Brおよ
びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
であり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組
成式で表わされる二価ユーロピウム付活アルカリ土類金
属ハロホウ酸塩蛍光体;
【0020】(8)特開昭60−157100号公報に
記載されているM2 2PO4X:xEu2 +(ただし、M2
Ca、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Brおよ
びIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲン
であり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組
成式で表わされる二価ユーロピウム付活アルカリ土類金
属ハロリン酸塩蛍光体;
【0021】(9)特開昭60−217354号公報に
記載されているM2HX:xEu2+(ただし、M2はC
a、SrおよびBaからなる群より選ばれる少なくとも
一種のアルカリ土類金属であり;XはCl、Brおよび
Iからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンで
あり;xは0<x≦0.2の範囲の数値である)の組成
式で表わされる二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属
水素化ハロゲン化物蛍光体;
【0022】(10)特開昭61−21173号公報に
記載されているLnX3・aLn′X′3:xCe3+(た
だし、LnおよびLn′はそれぞれY、La、Gdおよ
びLuからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類
元素であり;XおよびX′はそれぞれF、Cl、Brお
よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであって、かつX≠X′であり;そしてaは0.1<
a≦10.0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2
の範囲の数値である)の組成式で表わされるセリウム付
活希土類複合ハロゲン化物蛍光体;
【0023】(11)特開昭61−21182号公報に
記載されているLnX3・aM1X′:xCe3+(ただ
し、LnおよびLn′はそれぞれY、La、Gdおよび
Luからなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元
素であり;M1はLi、Na、K、CsおよびRbから
なる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ金属であ
り;XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そ
してaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0
<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされ
るセリウム付活希土類複合ハロゲン化物系蛍光体;
【0024】(12)特開昭61−40390号公報に
記載されているLnPO4・aLnX3:xCe3+(ただ
し、LnはY、La、GdおよびLuからなる群より選
ばれる少なくとも一種の希土類元素であり;XはF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一
種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦10.0
の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数値
である)の組成式で表わされるセリウム付活希土類ハロ
燐酸塩蛍光体;
【0025】(13)特願昭60−78151号明細書
に記載されているCsX:aRbX′:xEu2+(ただ
し、XおよびX′はそれぞれCl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そ
してaは0<a≦10.0の範囲の数値であり、xは0
<x≦0.2の範囲の数値である)の組成式で表わされ
る二価ユーロピウム付活ハロゲン化セシウム・ルビジウ
ム蛍光体;および
【0026】(14)特願昭60−78153号明細書
に記載されているM22・aM1 X′:xEu2+(た
だし、M2はBa、SrおよびCaからなる群より選ば
れる少なくとも一種のアルカリ土類金属であり;M1
Li、RbおよびCsからなる群より選ばれる少なくと
も一種のアルカリ金属であり;XおよびX′はそれぞれ
Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンであり;そしてaは0.1≦a≦20.
0の範囲の数値であり、xは0<x≦0.2の範囲の数
値である)の組成式で表わされる二価ユーロピウム付活
複合ハロゲン化物蛍光体;を挙げることができる。
【0027】上記の輝尽性蛍光体のうちで、ヨウ素を含
有する二価ユーロピウム付活アルカリ土類金属弗化ハロ
ゲン化物系蛍光体、ヨウ素を含有する二価ユーロピウム
付活アルカリ土類金属ハロゲン化物系蛍光体、ヨウ素を
含有する希土類元素付活希土類オキシハロゲン化物系蛍
光体、およびヨウ素を含有するビスマス付活アルカリ金
属ハロゲン化物系蛍光体は高輝度の輝尽発光を示す。
【0028】これらの輝尽性蛍光体を使用した放射線像
変換パネルは、放射線像情報を蓄積した後、励起光の走
査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後に再
度放射線像の蓄積を行うことができ繰り返し使用が可能
である。つまり従来の放射線写真法では一回の撮影ごと
に放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射
線像変換方法では放射線像変換パネルを繰り返し使用す
るので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
【0029】そこで、放射線像変換パネルには得られる
放射線像の画質を劣化させることなく長期間の使用に耐
える性能を付与することが望ましい。
【0030】しかし放射線像変換パネルの製造に用いら
れる輝尽性蛍光体は一般に吸湿性が大であり、通常の気
候条件の室内に放置すると空気中の水分を吸収し、時間
の経過とともに著しく劣化する。
【0031】具体的には、たとえば輝尽性蛍光体を高湿
度のもとに置くと、吸収した水分の増大にともなって前
記蛍光体の放射線感度が低下する。また一般には輝尽性
蛍光体に記録された放射線像の潜像は、放射線照射後の
時間の経過にともなって退行するため、再生される放射
線像信号の強度は放射線照射から励起光による走査まで
の時間が長いほど小さくなるという性質を有するが、輝
尽性蛍光体が吸湿すると前記潜像退行の速さが速くな
る。
【0032】そのため、吸湿した輝尽性蛍光体を有する
放射線像変換パネルを用いると、放射線像の読み取り時
再生信号の再現性が低下する。
【0033】従来、輝尽性蛍光体の吸湿による前記の劣
化現象を防止するには、透湿度の低い防湿性保護層や防
湿性樹脂フィルムで輝尽性蛍光体層を被覆することによ
り該蛍光体層に到達する水分を低減させる方法や特公昭
62−177500号記載の疎水性微粒子による方法、
特公昭62−209398号記載のシランカップリング
剤による方法、特公平2−278196号記載のチタネ
ート系カップリング剤による方法、特公平5−5291
9号記載のシリコーンオイルによる方法等が考案されて
いるが、どれも根本的な解決には至っていない。
【0034】また、輝尽性蛍光体の粒子は、一般的には
その輝尽性は、粒子径に依存することが知られており、
特開昭55−163500号には、平均粒子径1〜30
μmのものが好ましいとされている。又、前記蛍光体粒
子サイズと感度、粒状性、鮮鋭性等の特性値の関係が特
公平3−79680号に開示されている。
【0035】これらの輝尽性蛍光体の粒子のサイズ及び
形状を制御する試みが液相法で特開平7−233369
号に開示され、ここでは、従来法として希土類付活アル
カリ土類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体の製造法
は、原料化合物のアルカリ土類金属弗化物、弗化物以外
のアルカリ土類金属ハロゲン化物、希土類元素のハロゲ
ン化物、弗化アンモニウムなどをいっしょに乾式混合す
るか、或いは水系媒体中に懸濁させて混合した後、焼成
し粉砕するのに対し、水溶液中で希土類付活アルカリ土
類金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を沈殿させる方
法が開示されている。
【0036】上記の水溶液中で希土類付活アルカリ土類
金属弗化ハロゲン化物系輝尽性蛍光体を沈殿させる液相
法により粉砕による性能の劣化なしに、小粒径のそろっ
た蛍光体粒子が得られるようになった。
【0037】しかし感度が高く、小粒径化することによ
って水分による劣化が従来以上に問題となってきた。こ
の劣化は焼成後、蛍光体粒子が大気中にさらされた瞬間
から始まっており、これを防止するためには焼成後、蛍
光体粒子を大気から遮断した環境に保存する方法などが
考えられるが、蛍光体プレートの作成における全ての工
程をこのような環境下で行うことは実際上困難である。
【0038】
【発明が解決しようとする課題】発明の目的は、輝尽性
蛍光体を用いた放射線像変換パネルにおける前述のよう
な問題点を解決し、吸湿による性能劣化がなく長期間良
好な状態で使用することのできる輝尽性蛍光体及びその
製造方法並びに放射線像変換パネル及びその製造方法を
提供することにある。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明の上記課題は、 1.輝尽性蛍光体の製造方法において、次の工程を有す
ることを特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法、(a)輝
尽性蛍光体を生成する工程;及び(b)上記輝尽性蛍光
体を金属酸化物及びシランカップリング剤で被覆する工
程。
【0040】2.上記1に記載の製造方法において、前
記シランカップリング剤は、メルカプト基を有すること
を特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法、
【0041】3.上記1に記載の製造方法において、前
記シランカップリング剤は、ビニル基を有することを特
徴とする輝尽性蛍光体の製造方法、
【0042】4.上記1、2又は3に記載の製造方法に
おいて、前記(b)の工程は、前記輝尽性蛍光体に対し
て0.05重量%以上10重量%以下の金属酸化物、及
び前記輝尽性蛍光体に対して0.1重量%以上5重量%
以下のシランカップリング剤で被覆する工程であること
を特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法、
【0043】5.前記金属酸化物が疎水化処理されてい
ることを特徴とする上記1〜4のいずれかに記載の輝尽
性蛍光体の製造方法、
【0044】6.前記金属酸化物がシリカ又はアルミナ
又は酸化チタンから選ばれた少なくとも1種以上である
ことを特徴とする上記1〜5のいずれかに記載の輝尽性
蛍光体の製造方法、
【0045】7.上記1〜6のいずれかに記載の製造方
法において、前記輝尽性蛍光体は、少なくともBa原
子、F原子、X原子及びLn原子を有する(但し、X
は、F、Cl、Br、I、At、Yb及びNoの内の少
なくとも1つであり、Lnは、Ce、Pr、Sm、E
u、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びY
bの内の少なくとも1つである。)ことを特徴とする輝
尽性蛍光体の製造方法、
【0046】8.上記1〜6のいずれかに記載の製造方
法において、前記輝尽性蛍光体は、下記一般式(I)で
表されることを特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法、 一般式(I) (Ba1-x1)FX:y2zn (但し、M1:Mg、Ca、Sr、Zn及びCdからな
る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属, M2:Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアルカリ金属, X:Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲン Ln:Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、D
y、Ho、Nd、Er及びYbからなる群より選ばれる
少なくとも一種の希土類元素, x、y及びzは、それぞれ0≦x≦0.6、0≦y≦
0.05、0≦z≦0.2を各々表す。)
【0047】9.輝尽性蛍光体の製造方法において、次
の工程を有することを特徴とする輝尽性蛍光体の製造方
法、(A)輝尽性蛍光体の前駆体を生成する工程;
(B)前記前駆体を第1の金属酸化物の存在下で焼成す
る工程;及び(C)前記焼成された前駆体をシランカッ
プリング剤で被覆する工程。
【0048】10.上記9に記載の製造方法において、
前記シランカップリング剤は、メルカプト基を有するこ
とを特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法、
【0049】11.上記9に記載の製造方法において、
前記シランカップリング剤は、ビニル基を有することを
特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法、
【0050】12.上記9又は10に記載の製造方法に
おいて、前記(C)の工程は、前記輝尽性蛍光体に対し
て0.1重量%以上5重量%以下のシランカップリング
剤で被覆する工程であることを特徴とする輝尽性蛍光体
の製造方法、
【0051】13.前記属酸化物が疎水化処理されてい
ることを特徴とする上記9〜12のいずれかに記載の輝
尽性蛍光体の製造方法、
【0052】14.前記金属酸化物がシリカ又はアルミ
ナ又は酸化チタンから選ばれた少なくとも1種以上であ
ることを特徴とする上記9〜13のいずれかに記載の輝
尽性蛍光体の製造方法、
【0053】15.上記9〜14のいずれかに記載の製
造方法において、前記(C)の工程は、前記焼成された
前駆体をシランカップリング剤及び第2の金属酸化物で
被覆するステップであることを特徴とする輝尽性蛍光体
の製造方法、
【0054】16.上記9〜15のいずれかに記載の製
造方法において、前記(B)の工程における金属酸化物
は、アルミナであり、前記(C)の工程における第2の
金属酸化物は、シリカであることを特徴とする輝尽性蛍
光体の製造方法、
【0055】17.上記9〜16のいずれかに記載の製
造方法において、前記輝尽性蛍光体は、少なくともBa
原子、F原子、X原子及びLn原子を有する(但し、X
は、F、Cl、Br、I、At、Yb及びNoの内の少
なくとも1つであり、Lnは、Ce、Pr、Sm、E
u、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びY
bの内の少なくとも1つである。)ことを特徴とする輝
尽性蛍光体の製造方法、
【0056】18.上記9〜16のいずれかに記載の製
造方法において、前記輝尽性蛍光体は、下記一般式
(I)で表されることを特徴とする輝尽性蛍光体の製造
方法、 一般式(I) (Ba1-x1)FX:y2zn (但し、M1:Mg、Ca、Sr、Zn及びCdからな
る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属 M2:Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアルカリ金属 X:Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲン Ln:Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、D
y、Ho、Nd、Er及びYbからなる群より選ばれる
少なくとも一種の希土類元素 x、y及びzは、それぞれ0≦x≦0.6、0≦y≦
0.05、0≦z≦0.2を各々表す。)
【0057】19.上記1〜18のいずれかに記載の製
造方法によって得られたことを特徴とする輝尽性蛍光
体、
【0058】20.輝尽性蛍光体を含む蛍光層を有する
放射線像変換パネルにおいて、上記19に記載の輝尽性
蛍光体を含むことを特徴とする放射線像変換パネル、
【0059】21.輝尽性蛍光体を生成する工程と、前
記輝尽性蛍光体を金属酸化物及びシランカップリング剤
で被覆する工程と、前記被覆された輝尽性蛍光体を含有
する蛍光体層を作成する工程と、を有することを特徴と
する放射線像変換パネルの製造方法、
【0060】22.輝尽性蛍光体の前駆体を生成する工
程と、前記前駆体を金属酸化物の存在下で焼成する工程
と、前記焼成された前駆体をシランカップリング剤で被
覆する工程と、前記被覆された輝尽性蛍光体を含有する
蛍光体層を作成する工程と、を有することを特徴とする
放射線像変換パネルの製造方法、の各々によって達成さ
れる。
【0061】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明における輝尽性蛍光体としては、従来の技術で述
べた(1)〜(14)のいずれのものであってもよい。
【0062】また、その輝尽性蛍光体は、板状粒子、球
状粒子、6面体粒子、14面体粒子等どのような形状で
も構わない。
【0063】本発明において、輝尽性蛍光体前駆体と
は、輝尽性発光性や瞬時発光性をほとんど示さない物質
を言う。例えば、一般式(I)の物質が600℃以上の
高温を経ていない状態を言う。また、固相法における輝
尽性蛍光体の前駆体は、輝尽性蛍光体材料そのもの、ま
たは輝尽性蛍光体材料を混合したもの、またはこれらの
物質が600℃以上の高温を得ていない状態を言う。
【0064】本発明者らは輝尽性蛍光体の吸湿による感
度劣化現象について調査するなかで、性能劣化は吸湿に
よる蛍光体の潮解と蛍光体の変質によって発生すること
を発見した。この現象は、特にX原子を含有する輝尽性
蛍光体で発生し易い。X原子を含有する輝尽性蛍光体の
例としては、一般式(I)が挙げられる。
【0065】一般式(I) (Ba1-x1)FX:y2zn (但し、M1:Mg、Ca、Sr、Zn及びCdからな
る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属 M2:Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選
ばれる少なくとも一種のアルカリ金属 X:Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲン Ln:Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、D
y、Ho、Nd、Er及びYbからなる群より選ばれる
少なくとも一種の希土類元素 x、y及びzは、それぞれ0≦x≦0.6、0≦y≦
0.05、0≦z≦0.2を各々表す。)
【0066】従って、潮解と変質のどちらか一方のみを
防止しても根本的な解決にはならない。そこで、潮解と
変質の両方を防止すべく鋭意検討することにより上記本
発明の構成で前記課題を解決することを見出した。
【0067】上記の潮解とは、蛍光体粒子が空気中の水
蒸気をとって自分で水溶液を作る現象を言い、変質とは
潮解はしないが空気中の水蒸気により蛍光体自体の蛍光
特性が変化することを言う。変質の機構については明確
ではないが、蛍光体粒子内部の構造変化等が考えられ
る。
【0068】本発明は、潮解と変質の両方の防止に効果
があるが、もちろん潮解特性を有しない蛍光体粒子にお
いても有効である。本発明の効果は蛍光体の変質や潮解
を防止するところにある。
【0069】蛍光体の吸湿特性は毛管凝集をはじめとす
る多種の原因で発生すると考えられるが、一旦水蒸気が
水滴として蛍光体粒子間に発生すると潮解により性能劣
化が起こる。
【0070】本発明においては、例えば、次のいずれか
の構成でこの潮解を抑制することができる。 (1)輝尽性蛍光体を、金属酸化物とシランカップリン
グ剤で被覆する。 (2)第1の金属酸化物の存在下で輝尽性蛍光体の前駆
体を焼成後、シランカップリング剤で被覆する、また
は、第1の金属酸化物の存在下で輝尽性蛍光体の前駆体
を焼成後、シランカップリング剤と第2の金属酸化物と
で被覆する。
【0071】以下、これらの方法について説明する。 (1)について 本発明における金属酸化物微粒子による被覆処理はこの
ような潮解の発生を防止する効果があると推測される。
特に疎水化処理された金属酸化物粒子でその効果が大き
い。ただし金属酸化物粒子で蛍光体を被覆処理した後に
シランカップリング剤で処理することにより金属酸化物
微粒子に同様の効果を与えることができる。
【0072】蛍光体の変質防止についてはシランカップ
リング剤が有効であるが、蛍光体粒子とシランカップリ
ング剤による珪素含有被膜を直接蛍光体粒子に形成する
ことは困難であった。
【0073】本発明においては、第2の金属酸化物粒子
の被覆処理とシランカップリング剤による表面処理を行
うため、シランカップリング剤による珪素含有被膜が蛍
光体粒子上に分散する金属酸化物粒子の周囲を埋めるよ
うに連続相を形成するためにシランカップリング剤が有
効に機能すると考えられる。
【0074】第2の金属酸化物粒子による被覆とシラン
カップリング剤による表面処理は同時に行うか又は金属
酸化物粒子の被覆後シランカップリング剤による表面処
理の順序で行うのが効果がある。
【0075】本発明に使用する第2の金属酸化物粒子は
シリカ、アルミナ、酸化チタンの1種又は2種以上から
なり粒径は2〜50nmのものが好ましい。粒径が2n
m以下のものは工業的に入手が困難であり、50nmを
こえると蛍光体粒子の表面を良好に被覆することが難し
い。
【0076】このような金属酸化物粒子としては、火炎
加水分解法やアーク法によるシリカ、アルミナ、二酸化
チタンのような乾式法金属酸化物のほか、ケイ酸ナトリ
ウムのような塩の酸による分解で得られる湿式法金属酸
化物、オルガノゲルの加水分解によるものなど各種の製
造方法によって得られるものが用いられる。
【0077】金属酸化物粒子の疎水化処理方法としては
例えばジメチルクロルシラン、ヘキサメチルジシラン、
オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤
による処理やシリコーンオイルでの処理がある。またす
でに疎水化処理済みの金属酸化物粒子も工業的に入手が
可能である。
【0078】本発明で言う疎水化された金属酸化物粒子
とはメタノールウエッタビリティー法による疎水化度
(MW値)が20より大である粒子のことを言う。
【0079】平均粒径が数μm〜数十μmの蛍光体粒子
に対して適当量の金属酸化物を混合するには通常のどの
ような方法も使用可能であるが、ターブラシェーカーミ
キサー(シンマルエンタープライゼス社製)のような混
合装置を使用し金属酸化物全量に対して蛍光体粒子を徐
々に添加していく方式で混合する方法や0.5〜10.
0wt%の濃度の金属酸化物分散液中で蛍光体粒子を撹
拌した後に濾過し乾燥する方法等が粒子の均一被覆の点
で好ましい。
【0080】本発明で使用されるシランカップリング剤
とは一般式(1)
【0081】
【化1】 で表される化合物である。
【0082】式中Rは脂肪族或いは芳香族の炭化水素基
を表し、不飽和基(例えばビニル基)を介在していても
よいし、ROR′−、RCOOR′−RNHR′−(R
はアルキル基、アリール基、R′はアルキレン基、アリ
ーレン基)その他の置換基で置換されていてもよい。
【0083】またX1、X2、X3は脂肪族もしくは芳香
族の炭化水素、アシル基、アミド基、アルコキシ基、ア
ルキルカルボニルオキシ基、エポキシ基、メルカプト基
或いはハロゲン原子を表し、X1、X2、X3は同じであ
っても互いに異なっていてもよい。但し少なくとも1つ
は炭化水素以外の基である。尚、X1、X2、X3は加水
分解を受ける基であることが望ましい。
【0084】シランカップリング剤の具体例としてはメ
チルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、
ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリクロロシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルト
リメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジクロロ
シラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−
(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメ
トキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタ
クリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2
−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、
γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−
(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジ
ルアミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ラン・塩酸塩及びアミノシラン配合物などが挙げられ
る。なかでも特にビニル系、メルカプト系、グリシドキ
シ系、メタクリロキシ系が好ましく、特にメルカプト系
がより好ましい。
【0085】特に好ましいシランカップリング剤として
は、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(下記
)、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラ
ン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げら
れ、これらメルカプト系シランカップリング剤と同様の
効果を与えるものとして、1−メルカプトメチル−1,
1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、1−(3
−メルカプトプロピル)−1,1,3,3,3−ペンタ
メチルジシロキサン等が挙げられる。
【0086】
【化2】
【0087】本発明者らの検討によると、メルカプト基
を含有する化合物は輝尽性蛍光体の変色を防ぐ効果があ
り、上記の特に好ましいシランカップリング剤及びシロ
キサンは防湿効果の他に、蛍光体の着色による感度低下
を防止する効果もプラスされる。特にメルカプト基を含
有する化合物の変色防止効果が顕著となるのは、蛍光体
が構造中にヨウ素を含む場合であり、遊離したヨウ素に
よる蛍光体の黄化を有効に防止する。
【0088】金属酸化物粒子で被覆した蛍光体粒子を上
記シランカップリング剤を付着するにあたっては、公知
の方法を使用することができる。例えばヘンシルミキサ
ーを用い、蛍光体粒子を攪拌混合しながらシランカップ
リング剤を滴下又は噴霧する乾式法、スラリー状の蛍光
体にシランカップリング剤を滴下しながら攪拌し滴下終
了後に蛍光体を沈澱させ濾過してから蛍光体を乾燥させ
残留溶媒を除去するスラリー法、蛍光体を溶媒に分散さ
せ、ここにシランカップリング剤を添加して攪拌した
後、溶媒を蒸発して付着層を形成する方法又はシランカ
ップリング剤を輝尽性蛍光体用塗布分散液に添加してお
く方法などである。またシランカップリング剤の乾燥は
蛍光体との反応を確実なものにするため60℃〜130
℃で10分から200分程度行うことが望ましい。
【0089】尚、本発明の効果が顕著に出現するのは金
属酸化物粒子での被覆とシランカップリング剤での表面
処理を同時に行った場合である。
【0090】このような処理方法の一例としては、金属
酸化物粒子及びシランカップリング剤の分散液中で焼成
直後の蛍光体粒子を液中解砕し、蛍光体の解砕と同時に
金属酸化物粒子での被覆とシランカップリング剤での表
面処理を行ったのち濾過乾燥する方法や金属酸化物粒子
及びシランカップリング剤を輝尽性蛍光体層用塗布分散
液に添加しておく方法等があげられるがこれらに限られ
たものではない。
【0091】本発明においては、金属酸化物の量が蛍光
体に対して10%を越えると感度の低下が発生し0.0
5%より少ないと本発明の効果は半減する。
【0092】またシランカップリング剤量も蛍光体量に
対して5%より多いと感度が低下し塗膜も硬質化し膜面
にひび割れ等が発生する。また0.1%以下だと本発明
の効果は半減する。
【0093】(2)について はじめにシランカップリング剤を用いる例を説明する。
本発明に従って焼成前の前駆体粒子を第1の金属酸化物
粒子での被覆後に焼成処理した後、シランカップリング
剤で表面処理すると耐湿性の大きい蛍光体粒子が得ら
れ、分散、調液、塗布工程を経て支持体上に蛍光体層と
して塗布されても粒子の耐湿性向上の効果は保持され
る。蛍光体粒子と金属酸化物粒子は電気的な力で結合し
ていると考えられるが、分散、調液、塗布工程でこの電
気力以上の力が作用すると、金属酸化物の蛍光体粒子か
らの剥離が発生すると考えられるが、つまり、本(2)
の方法でシランカップリング剤を用いれば、この剥離を
抑制でき、塗布後も耐湿性効果を得られる。
【0094】特に、焼成効率を損なわない範囲で第1の
金属酸化物量を決定し、焼成後に不足分の第2の金属酸
化物量で蛍光体粒子を被覆した後にシランカップリング
剤での処理を行うことで焼成効率の低下による発光特性
の低下を抑制できるという効果を得ることができる。
【0095】何故、金属酸化物粒子が、分散、調液、塗
布工程で蛍光体粒子から剥離しなくなるのかは不明であ
るが、焼成において蛍光体粒子と金属酸化物粒子の間に
何らかの結合が生じるためと推測される。
【0096】本発明における第1の金属酸化物量として
は、蛍光体粒子の焼結防止の点でアルミナが好ましく、
焼成効率の点で蛍光体前駆体量に対して0.01〜2.
0重量%が好ましい。
【0097】また第1の金属酸化物としてアルミナを使
用した場合は第2の金属酸化物としては特にシリカを使
用すると、蛍光体の耐湿性がより向上する。何故、シリ
カでより耐湿性が向上するかは明確ではないが、アルミ
ナと帯電特性が異なるため蛍光体表面に固定化されたア
ルミナ粒子と強い電気的な力が働くためと推測される。
【0098】本発明に使用される金属酸化物粒子の粒径
は2〜50nmのものが好ましい。粒径が2nm未満の
ものは工業的に入手が困難であり、50nmを越えると
蛍光体粒子の表面を良好に被覆することが難しくなる。
【0099】本発明においては、金属酸化物の総量が蛍
光体に対して10%以下であると感度の低下を低減で
き、0.01%より多ければ本発明の効果をより向上で
きる。
【0100】またシランカップリング剤量も蛍光体量に
対して5%以下であると感度の低下を低減でき、塗膜も
硬質化しにくく膜面にひび割れなどが発生することを低
減できる。また0.1%より多いと本発明の効果をより
向上できる。
【0101】本実施の形態(2)で用いられる金属酸化
物としては、上記実施の形態(1)で用いられる金属酸
化物と同様である。また、第1の金属酸化物と第2の金
属酸化物は、同じ物質であってもよいし、異なる物質で
あってもよい。
【0102】(パネル作成、蛍光体層、塗布工程、支持
体、保護層)本発明の放射線像変換パネルにおいて用い
られる支持体としては各種高分子材料、ガラス、金属等
が用いられる。特に情報記録材料としての取り扱い上、
可撓性のあるシートあるいはウェブに加工できるものが
好適であり、この点からいえばセルロースアセテートフ
ィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィ
ルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム等のプラスチックフィルム、アルミニウム、鉄、
銅、クロム等の金属シートあるいは該金属酸化物の被覆
層を有する金属シートが好ましい。
【0103】また、これら支持体の層厚は用いる支持体
の材質等によって異なるが、一般的には3μm〜100
0μmであり、取り扱い上の点から、さらに好ましくは
80μm〜500μmである。
【0104】これらの支持体の表面は滑面であってもよ
いし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマ
ット面としてもよい。
【0105】さらに、これら支持体は、輝尽性蛍光体層
との接着性を向上させる目的で輝尽性蛍光体層が設けら
れる面に下引層を設けてもよい。
【0106】本発明において輝尽性蛍光体層に用いられ
る結合剤の例としては、ゼラチン等の蛋白質、デキスト
ラン等のポリサッカライド、またはアラビアゴムのよう
な天然高分子物質;および、ポリビニルブチラール、ポ
リ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロース、
塩化ビニリデン・塩化ビニルコポリマー、ポリアルキル
(メタ)アクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリ
マー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレー
ト、ポリビニルアルコール、線状ポリエステルなどのよ
うな合成高分子物質などにより代表される結合剤を挙げ
ることができる。
【0107】このような結合剤の中で特に好ましいもの
は、ニトロセルロース、線状ポリエステル、ポリアルキ
ル(メタ)アクリレート、ニトロセルロースと線状ポリ
エステルとの混合物、ニトロセルロースとポリアルキル
(メタ)アクリレートとの混合物およびポリウレタンと
ポリビニルブチラールとの混合物である。なお、これら
の結合剤は架橋剤によって架橋されたものであってもよ
い。輝尽性蛍光体層は、例えば、次のような方法により
下塗層上に形成することができる。
【0108】まず、輝尽性蛍光体、黄変防止のための亜
燐酸エステル等の化合物および結合剤を適当な溶剤に添
加し、これらを充分に混合して結合剤溶液中に蛍光体粒
子および該化合物の粒子が均一に分散した塗布液を調製
する。
【0109】本発明に用いられる結着剤としては、例え
ばゼラチンの如き蛋白質、デキストランの如きポリサッ
カライドまたはアラビアゴム、ポリビニルブチラール、
ポリ酢酸ビニル、ニトロセルロース、エチルセルロー
ス、塩化ビニルデン・塩化ビニルコポリマー、ポリメチ
ルメタクリレート、塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマ
ー、ポリウレタン、セルロースアセテートブチレート、
ポリビニルアルコール等のような通常層構成に用いられ
る造膜性の結着剤が使用される。一般に結着剤は輝尽性
蛍光体1重量部に対して0.01乃至1重量部の範囲で
使用される。しかしながら得られる放射線像変換パネル
の感度と鮮鋭性の点では結着剤は少ない方が好ましく、
塗布の容易さとの兼合いから0.03乃至0.2重量部
の範囲がより好ましい。
【0110】塗布液における結合剤と輝尽性蛍光体との
混合比(ただし、結合剤全部がエポキシ基含有化合物で
ある場合には該化合物と蛍光体との比率に等しい)は、
目的とする放射線像変換パネルの特性、蛍光体の種類、
エポキシ基含有化合物の添加量などによって異なるが、
一般には結合塗布液調製用の溶剤の例としては、メタノ
ール、エノタール、1−プロパノール、2−プロパノー
ル、n−ブタノールなどの低級アルコール;メチレンク
ロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含有炭化
水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸
ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとのエステ
ル;ジオキサン、エチレングリコールエチルエーテル、
エチレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテ
ル;トルエン;そして、それらの混合物を挙げることが
できる。
【0111】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製に用いられ
る溶剤の例としては、メタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール等の低級アルコール、アセ
トン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、
シクロヘキサノン等のケトン、酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸n−ブチル等の低級脂肪酸と低級アルコールと
のエステル、ジオキサン、エチレングリコールモノエチ
ルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルな
どのエーテル、トリオール、キシロールなどの芳香族化
合物、メチレンクロライド、エチレンクロライドなどの
ハロゲン化炭化水素およびそれらの混合物などが挙げら
れる。
【0112】なお、塗布液には、該塗布液中における蛍
光体の分散性を向上させるための分散剤、また、形成後
の輝尽性蛍光体層中における結合剤と蛍光体との間の結
合力を向上させるための可塑剤などの種々の添加剤が混
合されていてもよい。そのような目的に用いられる分散
剤の例としては、フタル酸、ステアリン酸、カプロン
酸、親油性界面活性剤などを挙げることができる。そし
て可塑剤の例としては、燐酸トリフェニル、燐酸トリク
レジル、燐酸ジフェニルなどの燐酸エステル;フタル酸
ジエチル、フタル酸ジメトキシエチル等のフタル酸エス
テル;グリコール酸エチルフタリルエチル、グリコール
酸ブチルフタリルブチルなどのグリコール酸エステル;
そして、トリエチレングリコールとアジピン酸とのポリ
エステル、ジエチレングリコールとコハク酸とのポリエ
ステルなどのポリエチレングリコールと脂肪族二塩基酸
とのポリエステルなどを挙げることができる。
【0113】なお、輝尽性蛍光体層用塗布液中に、輝尽
性蛍光体層蛍光体粒子の分散性を向上させる目的で、ス
テアリン酸、フタル酸、カプロン酸、親油性界面活性剤
などの分散剤を混合してもよい。また必要に応じて結着
剤に対する可塑剤を添加してもよい。前記可塑剤の例と
しては、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチルなどのフ
タル酸エステル、コハク酸ジイソデシル、アジピン酸ジ
オクチル等の脂肪族二塩基酸エステル、グリコール酸エ
チルフタリルエチル、グリコール酸ブチルフタリルブチ
ルなどのグリコール酸エステル等が挙げられる。
【0114】上記のようにして調製された塗布液を、次
に下塗層の表面に均一に塗布することにより塗布液の塗
膜を形成する。この塗布操作は、通常の塗布手段、例え
ば、ドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどを用いることにより行なうことができる。
【0115】次いで、形成された塗膜を徐々に加熱する
ことにより乾燥して、下塗層上への輝尽性蛍光体層の形
成を完了する。輝尽性蛍光体層の層厚は、目的とする放
射線像変換パネルの特性、輝尽性蛍光体の種類、結合剤
と蛍光体との混合比などによって異なるが、通常は20
μm乃至1mmとする。ただし、この層厚は50乃至5
00μmとするのが好ましい。
【0116】輝尽性蛍光体層用塗布液の調製は、ボール
ミル、サンドミル、アトライター、三本ロールミル、高
速インペラー分散機、Kadyミル、および超音波分散
機などの分散装置を用いて行なわれる。調製された塗布
液をドクターブレード、ロールコーター、ナイフコータ
ーなどの塗布液を用いて支持体上に塗布し、乾燥するこ
とにより輝尽性蛍光体層が形成される。
【0117】本発明の放射線像変換パネルの輝尽性蛍光
体層の膜厚は目的とする放射線像変換パネルの特性、輝
尽性蛍光体の種類、結着剤と輝尽性蛍光体との混合比等
によって異なるが、10μm〜1000μmの範囲から
選ばれるのが好ましく、10μm〜500μmの範囲か
ら選ばれるのがより好ましい。
【0118】支持体上に蛍光体層が塗設された蛍光体シ
ートを所定の大きさに断裁する。断裁にあたっては一般
のどのような方法でも可能であるが、作業性、精度の面
から化粧断裁機、打ち抜き機等が望ましい。
【0119】所定の大きさに断裁された蛍光体シートは
一般に防湿性保護フィルムで封止される。封止方法とし
ては、例を挙げると蛍光体シートを上下の防湿性保護フ
ィルムの間で挟み周縁部をインパルスシーラで加熱融着
する方法や2本の加熱したローラー間で加圧加熱するラ
ミネート方式等が挙げられる。
【0120】上記インパルスシーラで加熱融着する方法
においては、減圧環境下で加熱融着することが、蛍光体
シートの防湿性保護フィルム内での位置ずれ防止や大気
中の湿気を排除する意味でより好ましい。
【0121】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を例証する。 実施例1 ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前
駆体を合成するために、BaI2水溶液(1.75mo
l/l)2500mlとEuBr3水溶液(0.067
mol/l)125mlを反応器に入れた。この反応器
中の反応母液を攪拌しながら83℃で保温した。弗化ア
ンモニウム水溶液(8mol/l)250mlを反応母
液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成さ
せた。注入終了後も保温と攪拌を2時間続けて沈澱物の
熟成を行った。次に沈澱物をろ別後、メタノールにより
洗浄した後真空乾燥させてユーロピウム付活弗化ヨウ化
バリウムの結晶を得た。これを石英ボートに充填して、
チューブ炉を用いて水素ガス雰囲気中、850℃で2時
間焼成してユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウム蛍光体
粒子を得た。
【0122】次に得られた蛍光体に対し表1に示した割
合で金属酸化物粒子とシランカップリング剤を添加した
エタノール分散液中に蛍光体を浸してスラリー状とした
後、乳鉢解砕し80℃で3時間乾燥した。乾燥後、分級
して、平均粒径7μmの粒子を得た。尚、この時使用し
た金属酸化物粒子及びシランカップリング剤は以下の通
りである。
【0123】<金属酸化物粒子> A1:シリカ粒子 粒径12nm A2:疎水化処理済みシリカ粒子(日本アエロジル社
製:オクチルシラン処理済品) 粒径12nm A3:アルミナ粒子 粒径13nm A4:二酸化チタン粒子 粒径21nm
【0124】<シランカップリング剤> B1:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン B2:γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン B3:ビニルトリエトキシシラン B4:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン B5:n−ヘキシルトリエトキシシラン B6:γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン B7:メチルトリメトキシシラン
【0125】次に放射線像変換パネルの製造例を示す。
蛍光体層形成材料として、上記で得たユーロピウム付活
弗化ヨウ化バリウム蛍光体427g、ポリウレタン樹脂
(住友バイエルウレタン社製、デスモラック4125)
15.8g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2.0g
をメチルエチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に
添加し、プロペラミキサーによって分散し、粘度25〜
30PSの塗布液を調整した。この塗布液をドクターブ
レードを用いて下塗付きポリエチレンテレフタレートフ
ィルム上に塗布した後、100℃で15分間乾燥させ
て、230μmの厚さの蛍光体層を形成した。
【0126】上記塗布サンプルを10cm×10cmの
正方形に断裁することで蛍光体プレートを作成した。
【0127】実施例2 ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前
駆体を合成するために、BaI2水溶液(4.0mol
/l)2850mlとEuI3水溶液(0.2mol/
l)90ml、及び60mlの水を反応器に入れた。こ
の反応器中の反応母液を攪拌しながら60℃で保温し
た。HF水溶液(5.0mol/l)720mlを反応
母液中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成
させた。注入終了後も保温と攪拌を2時間続けて沈澱物
の熟成を行った。次に沈澱物をろ別後、イソプロパノー
ルにより洗浄した後、真空乾燥させてユーロピウム付活
弗化ヨウ化バリウムの結晶を得た。得られた結晶を走査
型電子顕微鏡で観察したところ14面体の形状であっ
た。この結晶を用いて、実施例1と同様にして表2に従
い蛍光体プレートを作成した。尚、この時使用した金属
酸化物粒子及びシランカップリング剤は以下の通りであ
る。
【0128】<金属酸化物粒子> A2:疎水化処理済みシリカ粒子(日本アエロジル社
製:オクチルシラン処理済品) 粒径12nm <シランカップリング剤> B1:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン B2:γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン
【0129】耐湿性の評価 作成したサンプルを30℃80%の環境下に4日間放置
し、初期の感度と後の感度の比を算出した。この場合値
が1に近い程感度の劣化が少ないことを示す。表中の値
は各10サンプルの平均値である。
【0130】尚、感度の測定は放射線像変換パネルに管
電圧80KVpのX線を照射した後、パネルをHe−N
eレーザー光(633nm)で操作して励起し、蛍光体
層から放射される輝尽発光を受光器(分光感度S−5の
光電子像倍管)で受光してその強度を測定することで行
った。
【0131】表中の初期感度は、蛍光体粒子に金属酸化
物の被覆やシランカップリング剤による表面処理をして
いない状態の感度を1とした場合の相対感度である。
【0132】表から判るように本発明に従うと、吸湿に
よる感度劣化の少ない蛍光体プレートを得ることができ
る。
【0133】金属酸化物粒子で被覆することで初期感度
が向上する傾向があるのは、金属酸化物粒子が蛍光体粒
子を解砕、分散、塗布等のダメージから保護するためと
考えられる。初期感度が向上する傾向は特に疎水化処理
した金属酸化物粒子を使用した場合に大きい。
【0134】また感度の劣化の防止効果は、特に疎水化
処理した金属酸化物粒子とメルカプト基を有するシラン
カップリング剤を使用した場合に向上し、両者を併用す
ると感度の劣化は殆どなくなる。
【0135】
【表1】
【0136】
【表2】
【0137】比較例11 ユーロピウム付活弗化ヨウ化バリウムの輝尽性蛍光体前
駆体を合成するために、BaI2水溶液(4.0mol
/l)2500mlとEuI3水溶液(0.2mol/
l)26.5mlを反応器に入れた。この反応器中の反
応母液を攪拌しながら83℃で保温した。弗化アンモニ
ウム水溶液(8.0mol/l)322mlを反応母液
中にローラーポンプを用いて注入し、沈澱物を生成させ
た。注入終了後も保温と攪拌を2時間続けて沈澱物の熟
成を行った。次に沈澱物をろ別後、メタノールにより洗
浄した後、真空乾燥させてユーロピウム付活弗化ヨウ化
バリウムの結晶を得た。
【0138】得られた輝尽性蛍光体前駆体を10リット
ルの炉芯容積をもつバッチ式ロータリーキルンの石英製
炉芯管に充填し、95%窒素/5%水素混合ガスを10
リットル/min.の流量で20分間流通させて雰囲気
を置換した。十分に炉芯内雰囲気を置換した後、95%
窒素/5%水素混合ガスの流量を2リットル/min.
に減じ、2rpmの速度で炉芯管を回転させながら、1
0℃/min.の昇温速度で850℃まで加熱した。
【0139】試料温度が850℃に到達した後、温度を
850℃に保ちながら93%窒素/5%水素/2%酸素
の混合ガスを10リットル/min.の流量で20分間
流通させて雰囲気を置換した。その後93%窒素/5%
水素/2%酸素の混合ガスの流量を2リットル/mi
n.に減じ、20分間保持した。
【0140】次に5%水素/95%窒素混合ガスを10
リットル/min.の流量で20分間流通させて雰囲気
を置換した。十分に炉芯内雰囲気を置換した後、95%
窒素/5%水素混合ガスの流量を2リットル/min.
に減じ、60分間保持した。
【0141】その後、5%水素/95%窒素混合ガスの
流量を2リットル/min.に保ったまま10℃/mi
n.の降温速度で室温(25℃)まで冷却した後雰囲気
を大気に戻し、生成されたユーロピウム付活弗化ヨウ化
バリウム蛍光体粒子を得た。得られた輝尽性蛍光体粒子
をその後、分級し、粗大粒子を取り除き平均粒径2μm
の輝尽性蛍光体粒子を得た。
【0142】(放射線像変換パネルの製造)蛍光体層形
成材料として、上記で得たユーロピウム付活弗化ヨウ化
バリウム蛍光体427g、ポリウレタン樹脂(住友バイ
エルウレタン社製、デスモラック4125)15.8
g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂2.0gをメチル
エチルケトン−トルエン(1:1)混合溶媒に添加し、
プロペラミキサーによって分散し、粘度25〜30PS
の塗布液を調製した。この塗布液をドクターブレードを
用いて下塗付きポリエチレンテレフタレートフィルム上
に塗布した後、100℃で15分間乾燥させて、300
μmの厚さの蛍光体層を形成した。
【0143】(蛍光体プレートの封止)上記塗布サンプ
ルを5cm×5cmの正方形に断裁し、下記(A)で示
したアルミナ蒸着PET樹脂層を含む積層保護フィルム
を使用し、減圧下で周縁部をインパルスシーラを用いて
融着することで封止した。なお、融着部から蛍光体シー
ト周縁部までの距離は1mmとなるように融着した。融
着に使用したインパルスシーラのヒーターは3mm幅の
ものを使用した。
【0144】蛍光体シートの支持体面側の保護フィルム
は、キャスティングポリプロピレン(CPP)30μm
/アルミフィルム9μm/ポリエチレンテレフタレート
(PET)188μmの構成のドライラミネートフィル
ムとした。また、この場合の接着剤層の厚みは1.5μ
mで2液反応型のウレタン系接着剤を使用した。
【0145】(A)のなかのVMPETはアルミナ蒸着
PET(市販品:東洋メタライジング社製)を示してい
る。 (A)NY15///VMPET12///VMPET12///PE
T12///m−CPP20 PET(ポリエチレンテレフタレート) NY(ナイロン) CPP(キャスティングポリプロピレン)
【0146】上記”///”はドライラミネーション接着
層で接着剤層の厚みが3.0μmであることを示し、C
PPの先頭の”m−”の記載はCPP樹脂層内に5重量
%のシリカ粒子を含むことを意味する。また各樹脂層の
後ろの数字は樹脂層の膜厚(μm)を示す。
【0147】(a)実施例3 45℃に保持されたエタノールに金属酸化物粒子とシラ
ンカップリング剤を添加し分散した後、分散液中に比較
例11と同様にして得られた焼成後の輝尽性蛍光体を浸
し、更に十分攪拌し、5時間放置した後、濾過し、得ら
れた蛍光体粒子を80℃で12時間乾燥し、更に120
℃で3時間熱処理した後、分級し、平均粒径2μmの輝
尽性蛍光体粒子を得た。
【0148】以下は比較例11と同様にして封止済みの
蛍光体プレートを作成した。尚、使用したエタノール量
は蛍光体量に対し75重量%であり、金属酸化物粒子及
びシランカップリング剤の種類及び蛍光体に対する添加
量は以下の通りである。 (金属酸化物粒子) A0:疎水化処理済みシリカ(日本アエロジル社製:ジメチルジクロルシラン 処理済み品)粒径7nm 1重量% (シランカップリング剤) B1:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウ・コーニング 社製) 1重量%
【0149】(b)実施例4 実施例3において、エタノールをイソプロパノールに変
え、シランカップリング剤を金属アルコキシドに変えた
以外は同様にして封止済みの蛍光体プレートを作成し
た。尚、使用した金属アルコキシドの種類及び蛍光体に
対する添加量は以下の通りである。 (金属アルコキシド) C1:アルミニウムイソプロキシド(関東化学社製試薬) 1重量%
【0150】(c)実施例5 蛍光体前駆体粒子に第1金属酸化物粒子を添加し、ミキ
サーで充分攪拌して、金属酸化物粒子を均一に付着させ
た以外は実施例3と同様にして、封止済み蛍光体プレー
トを作成した。尚、使用した第1の金属酸化物粒子の種
類及び蛍光体に対する添加量は以下の通りである。 (第1の金属酸化物粒子) A1:アルミナ粒子(日本アエロジル社製)粒径13nm 0.1重量%
【0151】(d)実施例6 比較例11と同様にして得られた蛍光体前駆体粒子に第
1金属酸化物粒子を添加し、ミキサーで充分攪拌して、
金属酸化物粒子を均一に付着させた後、同様にして焼成
し、蛍光体粒子を得た。さらに45℃に保持されたエタ
ノールにシランカップリング剤を添加し分散した後、分
散液中に上記の蛍光体粒子を浸し、十分攪拌し、5時間
放置した後、濾過で得られた粒子を80℃で12時間乾
燥し、更に120℃で3時間熱処理した後、分級し、平
均粒径2μmの輝尽性蛍光体粒子を得た。以下は比較例
と同様にして封止済みの蛍光体プレートを作成した。
尚、使用したエタノール量は蛍光体量に対し75重量%
であり、第1の金属酸化物粒子、及びシランカップリン
グ剤の種類及び蛍光体に対する添加量は以下の通りであ
る。 (第1の金属酸化物粒子) A1:アルミナ粒子(日本アエロジル社製)粒径13nm 1.0重量% (シランカップリング剤) B1:γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウ・コーニング 社製) 1重量%
【0152】(e)実施例7 蛍光体前駆体粒子に第1金属酸化物粒子を添加し、ミキ
サーで充分攪拌して、金属酸化物粒子を均一に付着させ
た以外は実施例4と同様にして、封止済み蛍光体プレー
トを作成した。尚、使用した第1の金属酸化物粒子の種
類及び蛍光体に対する添加量は以下の通りである。 (第1の金属酸化物粒子) A1:アルミナ粒子(日本アエロジル社製)粒径13nm 0.1重量%
【0153】<耐湿性の評価>作成したサンプルを40
℃95%の環境下に3ヶ月間放置し、初期の感度と後の
感度の比を算出した。結果を表3に示す。この場合、値
が1に近い程、感度の劣化が少ないことを示す。表3中
の値は各10サンプルの平均値である。なお、感度の測
定は放射線像変換パネルに管電圧80KVpのX線を照
射した後、パネルをHe−Neレーザー光(633n
m)で操作して励起し、蛍光体層から放射される輝尽発
光を受光器(分光感度S−5の光電子像倍管)で受光し
てその強度を測定することで行った。表3中の初期感度
は比較例11の感度を1とした場合の相対感度である。
【0154】
【表3】
【0155】
【発明の効果】本発明によれば、吸湿による性能劣化が
なく長期間良好な状態で使用することのできる輝尽性蛍
光体及びその製造方法並びに放射線像変換パネル及びそ
の製造方法を提供することができる。
フロントページの続き (72)発明者 若松 秀明 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 鍋田 博之 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 川畑 香苗 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 本田 哲 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 渡部 学 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 (72)発明者 村山 真昭 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2G083 AA03 BB01 DD02 DD12 EE08 2H013 AC01 4H001 CA04 CA08 CC05 CC10 CC11 CC13 CF01 XA09 XA12 XA17 XA20 XA30 XA35 XA38 XA48 XA53 XA56 YA03 YA11 YA19 YA37 YA55 YA58 YA59 YA60 YA62 YA63 YA64 YA65 YA66 YA67 YA68 YA69 YA70

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】輝尽性蛍光体の製造方法において、次の工
    程を有することを特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法。 (a)輝尽性蛍光体を生成する工程;及び(b)上記輝
    尽性蛍光体を金属酸化物及びシランカップリング剤で被
    覆する工程。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の製造方法において、前記
    シランカップリング剤は、メルカプト基を有することを
    特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1に記載の製造方法において、前記
    シランカップリング剤は、ビニル基を有することを特徴
    とする輝尽性蛍光体の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1、2又は3に記載の製造方法にお
    いて、前記(b)の工程は、前記輝尽性蛍光体に対して
    0.05重量%以上10重量%以下の金属酸化物、及び
    前記輝尽性蛍光体に対して0.1重量%以上5重量%以
    下のシランカップリング剤で被覆する工程であることを
    特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法。
  5. 【請求項5】前記金属酸化物が疎水化処理されているこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の輝尽性
    蛍光体の製造方法。
  6. 【請求項6】前記金属酸化物がシリカ又はアルミナ又は
    酸化チタンから選ばれた少なくとも1種以上であること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の輝尽性蛍
    光体の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法
    において、前記輝尽性蛍光体は、少なくともBa原子、
    F原子、X原子及びLn原子を有する(但し、Xは、
    F、Cl、Br、I、At、Yb及びNoの内の少なく
    とも1つであり、Lnは、Ce、Pr、Sm、Eu、G
    d、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びYbの内
    の少なくとも1つである。)ことを特徴とする輝尽性蛍
    光体の製造方法。
  8. 【請求項8】請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法
    において、前記輝尽性蛍光体は、下記一般式(I)で表
    されることを特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法。 一般式(I) (Ba1-x1)FX:y2zn (但し、M1:Mg、Ca、Sr、Zn及びCdからな
    る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属, M2:Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選
    ばれる少なくとも一種のアルカリ金属, X:Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくと
    も一種のハロゲン Ln:Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、D
    y、Ho、Nd、Er及びYbからなる群より選ばれる
    少なくとも一種の希土類元素, x、y及びzは、それぞれ0≦x≦0.6、0≦y≦
    0.05、0≦z≦0.2を各々表す。)
  9. 【請求項9】輝尽性蛍光体の製造方法において、次の工
    程を有することを特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法。 (A)輝尽性蛍光体の前駆体を生成する工程; (B)前記前駆体を第1の金属酸化物の存在下で焼成す
    る工程;及び (C)前記焼成された前駆体をシランカップリング剤で
    被覆する工程。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の製造方法において、前
    記シランカップリング剤は、メルカプト基を有すること
    を特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項9に記載の製造方法において、前
    記シランカップリング剤は、ビニル基を有することを特
    徴とする輝尽性蛍光体の製造方法。
  12. 【請求項12】請求項9又は10に記載の製造方法にお
    いて、前記(C)の工程は、前記輝尽性蛍光体に対して
    0.1重量%以上5重量%以下のシランカップリング剤
    で被覆する工程であることを特徴とする輝尽性蛍光体の
    製造方法。
  13. 【請求項13】前記金属酸化物が疎水化処理されている
    ことを特徴とする請求項9〜12のいずれかに記載の輝
    尽性蛍光体の製造方法。
  14. 【請求項14】前記金属酸化物がシリカ又はアルミナ又
    は酸化チタンから選ばれた少なくとも1種以上であるこ
    とを特徴とする請求項9〜13のいずれかに記載の輝尽
    性蛍光体の製造方法。
  15. 【請求項15】請求項9〜14のいずれかに記載の製造
    方法において、前記(C)の工程は、前記焼成された前
    駆体をシランカップリング剤及び第2の金属酸化物で被
    覆するステップであることを特徴とする輝尽性蛍光体の
    製造方法。
  16. 【請求項16】請求項9〜15のいずれかに記載の製造
    方法において、前記(B)の工程における金属酸化物
    は、アルミナであり、前記(C)の工程における第2の
    金属酸化物は、シリカであることを特徴とする輝尽性蛍
    光体の製造方法。
  17. 【請求項17】請求項9〜16のいずれかに記載の製造
    方法において、前記輝尽性蛍光体は、少なくともBa原
    子、F原子、X原子及びLn原子を有する(但し、X
    は、F、Cl、Br、I、At、Yb及びNoの内の少
    なくとも1つであり、Lnは、Ce、Pr、Sm、E
    u、Gd、Tb、Tm、Dy、Ho、Nd、Er及びY
    bの内の少なくとも1つである。)ことを特徴とする輝
    尽性蛍光体の製造方法。
  18. 【請求項18】請求項9〜16のいずれかに記載の製造
    方法において、前記輝尽性蛍光体は、下記一般式(I)
    で表されることを特徴とする輝尽性蛍光体の製造方法。 一般式(I) (Ba1-x1)FX:y2zn (但し、M1:Mg、Ca、Sr、Zn及びCdからな
    る群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属 M2:Li、Na、K、Rb及びCsからなる群より選
    ばれる少なくとも一種のアルカリ金属 X:Cl、Br及びIからなる群より選ばれる少なくと
    も一種のハロゲン Ln:Ce、Pr、Sm、Eu、Gd、Tb、Tm、D
    y、Ho、Nd、Er及びYbからなる群より選ばれる
    少なくとも一種の希土類元素 x、y及びzは、それぞれ0≦x≦0.6、0≦y≦
    0.05、0≦z≦0.2を各々表す。)
  19. 【請求項19】請求項1〜18のいずれかに記載の製造
    方法によって得られたことを特徴とする輝尽性蛍光体。
  20. 【請求項20】輝尽性蛍光体を含む蛍光層を有する放射
    線像変換パネルにおいて、請求項19に記載の輝尽性蛍
    光体を含むことを特徴とする放射線像変換パネル。
  21. 【請求項21】輝尽性蛍光体を生成する工程と、前記輝
    尽性蛍光体を金属酸化物及びシランカップリング剤で被
    覆する工程と、前記被覆された輝尽性蛍光体を含有する
    蛍光体層を作成する工程と、を有することを特徴とする
    放射線像変換パネルの製造方法。
  22. 【請求項22】輝尽性蛍光体の前駆体を生成する工程
    と、前記前駆体を金属酸化物の存在下で焼成する工程
    と、前記焼成された前駆体をシランカップリング剤で被
    覆する工程と、前記被覆された輝尽性蛍光体を含有する
    蛍光体層を作成する工程と、を有することを特徴とする
    放射線像変換パネルの製造方法。
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