JPH0697280B2 - 放射線像変換パネル - Google Patents

放射線像変換パネル

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JPH0697280B2
JPH0697280B2 JP63026322A JP2632288A JPH0697280B2 JP H0697280 B2 JPH0697280 B2 JP H0697280B2 JP 63026322 A JP63026322 A JP 63026322A JP 2632288 A JP2632288 A JP 2632288A JP H0697280 B2 JPH0697280 B2 JP H0697280B2
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    • GPHYSICS
    • G21NUCLEAR PHYSICS; NUCLEAR ENGINEERING
    • G21KTECHNIQUES FOR HANDLING PARTICLES OR IONISING RADIATION NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; IRRADIATION DEVICES; GAMMA RAY OR X-RAY MICROSCOPES
    • G21K4/00Conversion screens for the conversion of the spatial distribution of X-rays or particle radiation into visible images, e.g. fluoroscopic screens

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、輝尽性蛍光体を利用する放射線像変換方法に
用いられる放射線像変換パネルに関するものである。
[発明の技術的背景および従来技術] 従来の放射線写真法に代る方法として、たとえば特開昭
55−12145号公報などに記載されているような輝尽性蛍
光体を用いる放射線像変換方法が知られている。この方
法は、輝尽性蛍光体を含有する放射線像変換パネル(蓄
積性蛍光体シートとも称する)を利用するもので、被写
体を透過したあるいは被検体から発せられた放射線を該
パネルの輝尽性蛍光体に吸収させ、そののちに輝尽性蛍
光体を可視光線、赤外線などの電磁波(励起光)で時系
列的に励起することにより、該輝尽性蛍光体中に蓄積さ
れている放射線エネルギーを蛍光(輝尽発光光)として
放出させ、この蛍光を光電的に読み取って電気信号を
得、得られた電気信号に基づいて被写体あるいは被検体
の放射線画像を可視像として再生するものである。一
方、読み取りを終えた該パネルは、記録された画像の消
去が行なわれた後、次の撮影のために備えられる。すな
わち、放射線像変換パネルはくり返し使用される。
この放射線像変換方法によれば、従来の放射線写真フィ
ルムを増感紙との組合せを用いる放射線写真法により場
合に比較して、はるかに少ない被曝線量で情報量の豊富
な放射線画像を得ることができるという利点がある。さ
らに、従来の放射線写真法では1回の撮影ごとに放射線
写真フィルムを消費するのに対して、上記放射線像変換
法では放射線像変換パネルをくり返し使用するので資源
保護、経済効率の面からも有利である。
上記のように、輝尽性蛍光体を用いる放射線像変換方法
は、少ない被曝線量で情報量の豊富な放射線画像を得る
ことができるので、特に医療診断を目的とするX線撮影
等の直接医療用放射線撮影において利用価値の非常に高
いものである。
上記放射線像変換方法に用いられる放射線像変換パネル
は、基本構造として、支持体とその片面に設けられた輝
尽性蛍光体層とからなるものである。なお、蛍光体層が
自己支持性である場合には必ずしも支持体を必要としな
い。また、この輝尽性蛍光体層の支持体とは反対側の表
面(支持体に面していない側の表面)には一般に、透明
な保護膜が設けられていて、蛍光体層を化学的な変質あ
るいは物理的な衝撃から保護している。
輝尽性蛍光体層は一般に、輝尽性蛍光体とこれを分散状
態で含有支持する結合剤とからなるものであり、輝尽性
蛍光体はX線などの放射線を吸収したのち励起光の照射
を受けると輝尽発光を示す性質を有するものである。従
って、被写体を透過したあるいは被検体から発せられた
放射線は、その放射線量に比例して放射線像変換パネル
の輝尽性蛍光体層に吸収され、パネルには被写体あるい
は被検体の放射線像が放射線エネルギーの蓄積像として
形成される。この蓄積像は、上記励起光を照射すること
により輝尽発光光として放出させることができ、この輝
尽発光光を光電的に読み取って電気信号に変換すること
により放射線エネルギーの蓄積像を画像化することが可
能となる。
放射線像変換方法は上述のように非常に有利な画像形成
方法であるが、この方法に用いられる放射線像変換パネ
ルも従来の放射線写真法に用いられる増感紙と同様に、
高感度であってかつ画質(鮮鋭度、粒状性など)の良好
な画像を与えるものであることが望まれている。さら
に、該放射線像変換パネルは上記のようにくり返し使用
されるものであるので、物理的な衝撃や環境(気温、湿
度など)の変化にも強いものであることが、得られる画
像データの信頼性の確保、経済効率の向上、および取り
扱いの容易さの面からも必要である。
放射線像変換パネルの感度は、基本的にはパネルに含有
されている輝尽性蛍光体の総輝尽発光量に依存し、この
総発光量は蛍光体自体の発光輝度によるのみならず、蛍
光体層における蛍光体の含有量によっても異なる。蛍光
体の含有量が多いことはまたX線等の放射線に対する吸
収も大であることを意味するから、一層高い感度が得ら
れ、同時に画質(特に、粒状性)が向上する。一方、蛍
光体層における蛍光体の含有量が一定である場合には、
蛍光体粒子が密に充填されているほどその層厚を薄くす
ることができるから、散乱による励起光の広がりを少な
くすることができ、相対的に高い鮮鋭度を得ることがで
きる。
これまで、蛍光体層の形成は一般に、結合剤溶液中に輝
尽性蛍光体粒子を分散せしめた塗布液を用意し、この塗
布液を通常の塗布手段、例えばドクターブレード、ロー
ルコーターなどを用いて支持体又は別のシート上に塗布
したのち乾燥することにより行なわれている。このよう
にして形成された、結合剤中に蛍光体粒子が分散含有さ
れている蛍光体層を持つ放射線像変換パネルでは、蛍光
体層における蛍光体の含有量および充填密度に限界があ
るため、充分満足のいく感度や画質を得ることが難しか
った。
一方、結合剤中に蛍光体粒子が分散含有されているので
はなく、蛍光体が凝集体を形成している蛍光体層も知ら
れている。
結合剤を含ませないで輝尽性蛍光体のみからなる蛍光体
層を形成する方法として、たとえば、米国特許第3,859,
527号明細書には、蓄積性媒体をホットプレス法によっ
て得られた蛍光体から構成するとの記載があり、また特
願昭59−196365号に係る昭和60年9月11日付の手続補正
書(特開昭61−73100号公報記載)には焼成法を利用し
て蛍光体層を形成する方法が記載されている。
本出願人は、支持体と、この支持体上に設けられた輝尽
性蛍光体からなる蛍光体層とを有する放射線像変換パネ
ルにおいて、該蛍光体層が焼結せしめられた輝尽性蛍光
体からなることを特徴の一つとする放射線像変換パネル
およびその製造法について既に特許出願をしている。
(特願昭61−163284号、特願昭62−167630号) またさらに、本出願人は、該蛍光体層が焼結せしめられ
た輝尽性蛍光体もしくは蒸着せしめられた輝尽性蛍光体
からなり、しかも該蛍光体層に高分子物質が含浸されて
いることを特徴の一つとする放射線像変換パネルおよび
その製造法についても既に特許出願をしている(特願昭
62−96803号)。
これらの輝尽性蛍光体の凝集体からなる蛍光体層は、焼
結法や蒸着法などによって製造することができ、また高
分子物質を含む場合には、焼結法や蒸着法などにより、
いったん高分子物質を全く含まない蛍光体層を作成した
後、その蛍光体層に高分子物質を含浸させることにより
製造することができる。
これらの蛍光体層では、蛍光体粒子は分散されているの
ではなく、凝集している。すなわち、これらの蛍光体層
は高分子物質を全く含んでいないか、あるいは含んでい
ても、その高分子物質は蛍光体層に含浸されたものであ
るから、高分子物質は蛍光体の凝集体の間隙(たとえ
ば、焼結蛍光体層であれば、蛍光体の粒界および/また
は気孔の部分)に存在している。
ところで、前記したように、放射線像変換パネルには感
度および画質が高いことのみならず、物理的な衝撃や環
境(気温、湿度など)の変化に強いことも望まれる。と
くに、温度の変化によって、一般に輝尽性蛍光体の凝集
体のみからなる蛍光体層を持つ放射線像変換パネルは、
蛍光体層と支持体との熱膨張率の違いからひずみが生
じ、そのひずみによる応力によって蛍光体層のひび割れ
や支持体の変形が生じやすいという欠点があった。さら
に、物理的な衝撃に対しては、例えば、落下などによっ
て支持体に与えられた衝撃が蛍光体層に伝わり、蛍光体
層にひび割れが生じやすいという欠点もあった。
これらの欠点は、上記のように蛍光体層に高分子物質を
含浸させることによって多分に改善されうるとは言うも
のの、まだ充分満足のいくものではない。
[発明の要旨] 本発明は、温度の変化や物理的な衝撃に対して抵抗性の
高い放射線像変換パネルを提供することを目的とするも
のである。さらに詳しくは、本発明は、輝尽性蛍光体の
凝集体からなる蛍光体層を有する放射線像変換パネルに
おいて、温度の変化や物理的衝撃にあってもその蛍光体
層にひび割れが生じにくく、また支持体の変形も起こり
にくい放射線像変換パネルを提供することを目的とする
ものである。
上記の目的は、支持体と輝尽性蛍光体の凝集体からなる
蛍光体層との間にひずみ緩和層が設けられていることを
特徴とする本発明の放射線像変換パネルにより達成する
ことができる。
本発明における好ましい態様を以下に示す。
(1)上記蛍光体層が焼結せしめられた輝尽性蛍光体か
らなることを特徴とする放射線像変換パネル。
(2)上記蛍光体層が蒸着せしめられた輝尽性蛍光体か
らなることを特徴とする放射線像変換パネル。
(3)上記蛍光体層に高分子物質が含浸されていること
を特徴とする放射線像変換パネル。
(4)上記ひずみ緩和層が、接着層を兼ねていることを
特徴とする放射線像変換パネル。
(5)上記ひずみ緩和層の剛性率が10kgf/mm2以下であ
ることを特徴とする放射線像変換パネル。
なお、本発明におけるひずみ緩和層とは、支持体と輝尽
性蛍光体層との熱膨張率の違いのため温度の変化によっ
て生じるずれやひずみを吸収して、支持体と輝尽性蛍光
体層とが受ける応力を軽減する働きをする層のことをい
う。
温度の変化による蛍光体層のひび割れや支持体の変形
は、次のようなメカニズムによって発生すると考えられ
る。
温度が変化すると、蛍光体層と支持体との間で、両者の
熱膨張率の違いのため、熱膨張によるそれぞれの伸びの
違い、すなわちずれが生じる。このずれがひずみとな
り、ひずみが応力の原因となり、この応力によって蛍光
体層のひび割れや支持体の変形が起こる。それゆえ、ひ
び割れや変形を防止するためには、ずれ、ひずみ、ある
いは応力の少なくともいずれかを防止しなければならな
い。
ずれを防止するには、蛍光体層と支持体との熱膨張率を
一致させればよいが、後述のように両者は全く異なる材
料から製作されるので、事実上このようなことは不可能
である。また、仮りに適当な材料を選択するにしても、
そのために、蛍光体および支持体の材料の選択に制限が
加えられるので好ましくない。ひずみを防止するには、
蛍光体層と支持体との間を離す、すなわち、両者の間に
厚みのある層を介入させればよい。また、この介入させ
る層を剛性率(後述する)の低いものとすれば、ひずみ
から生じる応力を軽減することができるので好都合であ
る。この介入層が本発明におけるひずみ緩和層である。
さらに、この層は外部からの衝撃によって生じるひずみ
に対しても、そのひずみから生じる応力を軽減する働き
を持つ。
本発明の放射線像変換パネルは、上記のようなひずみ緩
和層が支持体と輝尽性蛍光体層との間に設けられている
ので、温度の変化や外部からの衝撃によってずれ、ひず
みが生じても、そのずれやひずみが応力とならず、従っ
て蛍光体層のひび割れがほとんど生じない。
[発明の構成] 本発明の放射線像変換パネルでは、一般には支持体上に
接着層を介してひずみ緩和層が設けられ、さらに該ひず
み緩和層の支持体とは反対側に、接着層を介して蛍光体
層が設けられるという構成をとる。本発明の好ましい態
様はひずみ緩和層が接着層を兼ねているパネルである
が、この場合は上記の支持体とひずみ緩和層の間の接着
層およびひずみ緩和層と蛍光体層の間の接着層はなく、
蛍光体層がひずみ緩和層兼接着層を介して支持体上に設
けられる。
まず、輝尽性蛍光体の凝集体からなる蛍光体層について
述べる。
輝尽性蛍光体は、先に述べたように放射線を照射した
後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体である
が、実用的な面からは波長が400〜900nmの範囲にある励
起光によって300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍
光体であることが望ましい。本発明の放射線像変換パネ
ルに用いられる輝尽性蛍光体の例としては、 米国特許第3,859,527号明細書に記載されているSrS:Ce,
Sm、SrS:Eu,Sm、ThO2:Er、およびLa2O2S:Eu,Sm、 特開昭55−12142号公報に記載されているZnS:Cu,Pb、Ba
O・xAl2O3:Eu(ただし、0.8≦x≦10)、および、MIIO
・xSiO2:A(ただし、MIIはMg、Ca、Sr、Zn、Cd、または
Baであり、AはCe、Tb、Eu、Tm、Pb、Tl、Bi、またはMn
であり、xは、0.5≦x≦2.5である)、 特開昭55−12143号公報に記載されている(Ba1-x-y,M
gx,Cay)FX:aEu2+(ただし、XはClおよびBrのうちの少
なくとも一つであり、xおよびyは、0<x+y≦0.
6、かつxy≠0であり、aは、10-6≦a≦5×10-2であ
る)、 特開昭55−12144号公報に記載されているLnOX:xA(ただ
し、LnはLa、Y、Gd、およびLuのうちの少なくとも一
つ、XはClおよびBrのうちの少なくとも一つ、AはCeお
よびTbのうちの少なくとも一つ、そして、xは、0<x
<0.1である)、 特開昭55−12145号公報に記載されている(Ba1-x,
M2+ x)FX:yA(ただし、M2+はMg、Ca、Sr、Zn、およびCd
のうちの少なくとも一つ、XはCl、Br、およびIのうち
の少なくとも一つ、AはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、
Nd、Yb、およびErのうちの少なくとも一つ、そして、x
は、0≦x≦0.6、yは、0≦y≦0.2である)、 特開昭55−160078号公報に記載されているMIIFX・xA:yL
n[ただし、MIIはBa、Ca、Sr、Mg、Zn、およびCdのうち
の少なくとも一種、AはBeO、MgO、CaO、SrO、BaO、Zn
O、Al2O3、Y2O3、La2O3、In2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、GeO2、Sn
O2、Nb2O5、Ta2O5、およびThO2のうちの少なくとも一種、
LnはEu、Tb、Ce、Tm、Dy、Pr、Ho、Nd、Yb、Er、Sm、お
よびGdのうちの少なくとも一種、XはCl、Br、およびI
のうちの少なくとも一種であり、xおよびyはそれぞれ
5×10-5≦x≦0.5、および0<y≦0.2である]の組成
式で表わされる蛍光体、 特開昭56−116777号公報に記載されている(Ba1-x,
MII x)F2・aBaX2:yEu,zA[ただし、MIIはベリリウム、
マグネシウム、カリシウム、ストロンチウム、亜鉛、お
よびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭
素、および沃素のうちの少なくとも一種、Aはジルコニ
ウムおよびスカンジウムのうちの少なくとも一種であ
り、a、x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、
0≦x≦1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦10-2
である]の組成式で表わされる蛍光体、 特開昭57−23673号公報に記載されている(Ba1-x,
MII x)F2・aBaX2:yEu,zB[ただし、MIIはベリリウム、
マグネシウム、カリシウム、ストロンチウム、亜鉛、お
よびカドミウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、臭
素、および沃素のうちの少なくとも一種であり、a、
x、y、およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦
1、10-6≦y≦2×10-1、および0<z≦2×10-1であ
る]の組成式で表わされる蛍光体、 特開昭57−23675号公報に記載されている(Ba1-x,
MII x)F2・aBaX2:yEu,zA[ただし、MIIはベリリウム、
マグネシウム、カリシウム、ストロンチウム、亜鉛、お
よびカドミニウムのうちの少なくとも一種、Xは塩素、
臭素、および沃素のうちの少なくとも一種、Aは砒素お
よび硅素のうちの少なくとも一種であり、a、x、y、
およびzはそれぞれ0.5≦a≦1.25、0≦x≦1、10-6
≦y≦2×10-1、および0<z≦5×10-2である]の組
成式で表わされる蛍光体、 特開昭58−69281号公報に記載されているMIIIOX:xCe
[ただし、MIIIはPr、Nd、Pm、Sm、Eu、Tb、Dy、Ho、E
r、Tm、Yb、およびBiからなる群より選ばれる少なくと
も一種の三価金属であり、XはClおよびBrのうちのいず
れか一方あるいはその両方であり、xは0<x<0.1で
ある]の組成式で表わされる蛍光体、 特開昭58−206678号公報に記載されているBa1-x
x∫2x∫2FX:yEu2+[ただし、MはLi、Na、K、R
b、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種の
アルカリ金属を表わし;Lは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、
Pm、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Al、Ga、I
n、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一種の
三価金属を表わし;Xは、Cl、Br、およびIからなる群よ
り選ばれる少なくとも一種のハロゲンを表わし;そし
て、xは10-2≦x≦0.5、yは0<y≦0.1である]の組
成式で表わされる蛍光体、 特開昭59−27980号公報に記載されているBaFX:xA:yEu2+
[ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、テトラフル
オロホウ酸化合物の焼成物であり;そして、xは10-6
x≦0.1、yは0<y≦0.1である]の組成式で表わされ
る蛍光体、 特開昭59−47289号公報に記載されているBaFX:xA:yEu2+
[ただし、Xは、Cl、Br、およびIからなる群より選ば
れる少なくとも一種のハロゲンであり;Aは、ヘキサフル
オロケイ酸、ヘキサフロオロチタン酸およびヘキサフロ
オロジルコニウム酸の一価もしくは二価金属の塩からな
るヘキサフルオロ化合物群より選ばれる少なくとも一種
の化合物の焼成物であり;そして、xは10-6≦x≦0.
1、yは0<y≦0.1である]の組成式で表わされる蛍光
体、 特開昭59−56479号公報に記載されているBaFX・xNa
X′:aEu2+[ただし、XおよびX′は、それぞれCl、B
r、およびIのうちの少なくとも一種であり、xおよび
aはそれぞれ0≦x≦2、および0<a≦0.2である]
の組成式で表わされる蛍光体、 特開昭59−56480号公報に記載されているMIIFX・xNa
X′:yEu2+:zA[ただし、MIIは、Ba、Sr、およびCaから
なる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属
であり;XおよびX′は、それぞれCl、Br、およびIから
なる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;A
は、V、Cr、Mn、Fe、Co、およびNiより選ばれる少なく
とも一種の遷移金属であり;そして、xは0<x≦2、
yは0<a≦0.2、およびzは0<z≦10-2である]の
組成式で表わされる蛍光体、 特開昭59−75200号公報に記載されているMIIFX・aMIX′
・bM′IIX″・cMIIIX・xA:yEu2+[ただし、M
IIは、Ba、Sr、およびCaからなる群より選ばれる少なく
とも一種のアルカリ土類金属であり;MIはLi、Na、K、
Rb、およびCsからなる群より選ばれる少なくとも一種の
アルカリ金属であり,M′IIはBeおよびMgからなる群より
選ばれる少なくとも一種の二価金属であり、MIIIはAl、
Ga、In、およびTlからなる群より選ばれる少なくとも一
種の三価金属であり;Aは金属酸化物であり;XはCl、Br、
およびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロ
ゲンであり;X′、X″、およびXは、F、Cl、Br、お
よびIからなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲ
ンであり;そして、aは0≦a≦2、bは0≦b≦1
0-2、cは0≦c≦10-2、かつa+b+c≧10-6であり;
xは0<x≦0.5、yは0<y≦0.2である]の組成式で
表わされる蛍光体、 特開昭60−84381号公報に記載されているMIIX2・aM
IIX′:xEu2+[ただし、MIIは、Ba、SrおよびCaから
なる群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属
であり;XおよびX′はCl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであって;かつX≠
X′であり、そしてaは0.1≦a≦10.0、xは0<x≦
0.2である]の組成式で表わされる輝尽性蛍光体、 特開昭60−101173号公報に記載されているMIIFX・aM
IX′:xEu2+[ただし、MIIは、Ba、SrおよびCaからなる
群より選ばれる少なくとも一種のアルカリ土類金属であ
り;MIはRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも
一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;X′は
F、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも
一種のハロゲンであり;そしてaおよびxはそれぞれ0
≦a≦4.0および0<x≦0.2である]の組成式で表わさ
れる輝尽性蛍光体、 特開昭62−25189号公報に記載されているMIX:xBi[ただ
し、MIはRbおよびCsからなる群より選ばれる少なくとも
一種のアルカリ金属であり;XはCl、BrおよびIからなる
群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり;そし
てxは0<x≦0.2の範囲の数値である]の組成式で表
わされる輝尽性蛍光体、 などを挙げることができる。
また、上記特開昭60−84381号公報に記載されているMII
X2・aMIIX′:xEu2+輝尽性蛍光体には、以下に示すよ
うな添加物がMIIX2・aMIIX′1モル当り以下の割合で
含まれていてもよい。
特開昭60−166379号公報に記載されているbMIX″(ただ
し、MIはRbおよびCsからなる群より選ばれる少なとも一
種のアルカリ金属であり、X″はF、Cl、BrおよびIか
らなる群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであ
り、そしてbは0<b≦10.0である);特開昭60−2214
83号公報に記載されているbKX″・cMgX、dMIII
(ただし、MIIIはSc、Y、La、GdおよびLuからなる群
より選ばれる少なくとも一種の三価金属であり、X″、
XおよびX′はいずれもF、Cl、BrおよびIからな
る群より選ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、そ
してb、cおよびdはそれぞれ、0≦b≦2.0、0≦c
≦2.0、O≦d≦2.0であって、かつ2×10-5≦b+c+
dである);特開昭60−228592号公報に記載されている
yB(ただし、yは2×10-4≦y≦2×10-1でる);特開
昭60−228593号公報に記載されているbA(ただし、Aは
SiO2およびP2O5からなる群より選ばれる少なくとも一種
の酸化物であり、そしてbは10-4≦b≦2×10-1であ
る);特開昭61−120883号公報に記載されているbSiO
(ただし、bは0<b≦3×10-2である);特開昭61−
120885号公報に記載されているbSnX″(ただし、X″
はF、Cl、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくと
も一種のハロゲンであり、そしてbは0<b≦10-3であ
る);特開昭61−235486号公報に記載されているbCsX″
・cSuX(ただし、X″およびXはそれぞれF、C
l、BrおよびIからなる群より選ばれる少なくとも一種
のハロゲンであり、そしてbおよびcはそれぞれ、0<
b≦10.0および10-6≦c≦2×10-2である);および特
開昭61−235487号公報に記載されているbCsX″・yLn3+
(ただし、X″はF、Cl、BrおよびIからなる群より選
ばれる少なくとも一種のハロゲンであり、LnはSc、Y、
Ce、Pr、Nd、Sm、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLu
からなる群より選ばれる少なくとも一種の希土類元素で
あり、そしてbおよびyはそれぞれ、0<b≦10.0およ
び10-6≦y≦1.8×10-1である)。
上記の輝尽性蛍光体のうちで、二価ユーロピウム賦活ア
ルカリ土類金属ハロゲン化物蛍光体は高輝度の輝尽発光
を示すので特に好ましい。ただし、本発明に用いられる
輝尽性蛍光体は上述の蛍光体に限られるものではなく、
放射線を照射したのちに励起光を照射した場合に輝尽性
発光を示す蛍光体であればいかなるものであってもよ
い。
輝尽性蛍光体の凝集体からなる蛍光体層は、たとえば次
のような焼結法により形成することができる。
即ち、焼結法の場合、蛍光体層の製造工程は、輝尽性蛍
光体を含む蛍光体層形成材料をシート状に成型する工程
と、この成型物を焼結させる工程とからなる。
蛍光体層形成材料をシート状に成型する工程において、
蛍光体層形成材料としては、上記輝尽性蛍光体の粒子か
らなる粉状物を用いることができる。
また、蛍光体層形成材料として、上記輝尽性蛍光体の粒
子と結合剤とを含む分散液を用いることもできる。この
場合には、輝尽性蛍光体と結合剤を適当な溶剤に添加し
たのち、これを充分に混合して、結合剤溶液中に蛍光体
粒子が均一に分散した分散液を調製する。
結合剤としては、蛍光体の分散性、あるいは焼結工程に
おける発散性などにおいて好適な性質を有する物質が好
ましい。このような材料の例としては、パラフィン
(例、炭素数:16乃至40、融点:37.8乃至64.5℃のも
の);ワックス(天然ワックスとしては:キャンデリラ
ワックス、カルナウバワックス、ライスワックス、木ろ
うなどの植物系ワックス,みつろう、ラノリン、鯨ろう
などの動物系ワックス,モンタンワックス、オゾケライ
ト、セレシンなどの鉱物系ワックス,合成ワックスとし
ては:ポリエチレンワックス、フィシャー・トロプシュ
ワックスなどの石炭系合成ワックス,硬化ヒマシ油、脂
肪酸アミド、ケトンなどの油脂系合成ワックス);レジ
ン(ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ニトロセ
ルロース、エチルセルロース、塩化ビニリデン・塩化ビ
ニルコポリマー、ポリアルキル(メタ)アクリレート、
塩化ビニル・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタンンセ
ルロースアセテートブチレート、ポリビニルアルコー
ル、線状ポリエステル)などを挙げることができる。ま
たゼラチン等の蛋白質、デキストリン等のポリサッカラ
イド、またはアラビアゴムのようなものを使用すること
もできる。
溶剤の例としては、メタノール、エタノール、n−プロ
パノール、n−ブタノールなどの低級アルコール;メチ
レンクロライド、エチレンクロライドなどの塩素原子含
有炭化水素;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイ
ソブチルケトンなどのケトン;酢酸メチル、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどの低級脂肪酸と低級アルコールとの
エステル;ジオキサン、エチレングリコールモノエチル
エーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルなど
のエーテル;そしてそれらの混合物を挙げることができ
る。
上記分散液における結合剤と輝尽性蛍光体との混合比
は、蛍光体の種類あるいは後述する成型条件、焼結条件
などによって異なるが、一般には結合剤と蛍光体との混
合比は1:1乃至1:300(重量比)の範囲から選ばれ、そし
て特に1:20乃至1:150(重量比)の範囲から選ぶことが
好ましい。
なお、分散液には蛍光体の分散性を向上させるための分
散剤などの添加剤が混合されていてもよい。そのような
目的に用いられる分散剤の例としては、フタル酸、ステ
アリン酸、カプロン酸、親油性界面活性剤などを挙げる
ことができる。
次に、蛍光体粒子からなる粉状物、あるいは上記のよう
にして調製された蛍光体粒子と結合剤とを含有する分散
液をシート状に成型する。
成型は蛍光体層形成材料が粉状物である場合には、この
粉状物を成型用型に押し込むこよによりシート状に成型
することが好ましい。成型用の型は通常長方形状の金型
が用いられる。また蛍光体層形成材料が分散液である場
合には通常の塗布方法(例えばドクターブレードなど)
を用いて適当な基板の上に塗布してシート状に成型する
か、あるいは上記粉状物と同様に成形用型に流し込んで
シート状に成形することが好ましい。
上記成型工程においては、圧縮処理が施されてもよく、
特に蛍光体層形成材料が粉状物である場合には圧縮処理
が施される。圧縮処理は例えばプレス成型により行なわ
れ、1×102乃至1×104kgf/cm2の範囲の圧力をかけて
行なうことが好ましい。これにより得られる蛍光体層の
相対密度をよ高めることが可能となる。
次に、上記のようにして得られたシート状の成型物を焼
結させる。
焼結は、例えば電気炉などの焼成炉で行なわれる。焼結
温度および焼結時間は蛍光体層形成材料の種類、シート
状成型物の形状および状態、さらにはこれらに使用され
る輝尽性蛍光体の種類によって異なるが、一般に焼結温
度は500乃至1000℃の範囲であり、好ましくは700乃至95
0℃の範囲であり、また、焼結時間は好ましくは、0.5乃
至6時間の範囲である。焼結雰囲気としては、通常窒素
ガス雰囲気、アルコンガス雰囲気などの中性ガス雰囲気
あるいは少量の水素ガスを含有する窒素ガス雰囲気、一
酸化炭素を含有する二酸化炭素雰囲気などの弱還元性の
雰囲気が利用される。
シート状成型物が輝尽性蛍光体からなる粉状物である場
合には直接上記の焼結条件で焼結が行なわれるが、シー
ト状成型物が輝尽性蛍光体および結合剤を含有する分散
液である場合には、予めシート状成型物中の結合剤を窒
素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気などの中性ガス雰囲
気あるいは酸素ガス雰囲気、空気雰囲気などの酸化性ガ
ス雰囲気下で比較的低温(100〜450℃の範囲の温度)で
気散させた後、続いて上記の焼結条件で焼結させること
が好ましい。この低温域での結合剤の気散による結合剤
などの輝尽性蛍光体以外の成分は300乃至400℃付近で揮
発するかもしくは二酸化炭素となって容易に除去され
る。この結果、得られる蛍光体層は蛍光体のみから構成
される。低温気散のための時間は0.5乃至6時間の範囲
であることが好ましい。
なお、圧縮処理は上述したように焼結工程の前に行なっ
てもよいが、焼結過程において行なってもよい。即ち、
圧縮処理を施しながら焼結させてもよい。特にシート状
の成型物が蛍光体粒子のみからなる粉状物である場合に
好適である。
このようにして形成される蛍光体の相対密度は一般に70
%以上である。蛍光体の粒界サイズは1乃至100μmの
範囲にあるのが好ましく、また蛍光体層の層厚は、目的
とする放射線像変換パネルの特性などによって異なる
が、通常は20μm乃至1mmの範囲であり、好ましくは50
乃至500μmの範囲である。
輝尽性蛍光体が凝集体である蛍光体層は、上記のような
焼結法に限らずホットプレス法、あるいは蒸着法などに
よって製造してもよい。
本発明の放射線像変換パネルの輝尽性蛍光体の凝集体か
らなる蛍光体層は、上記のようにして形成された輝尽性
蛍光体の凝集体のみからなるものだけでなく、該蛍光体
層に、高分子物質を含浸させたものであってもよい。
このようにして形成した蛍光体層を後述する支持体上
に、ひずみ緩和層を介して付設する。
本発明の放射線像変換パネルは、たとえば以下に述べる
ような方法で製造できる。
まず、支持体に接着剤を塗布しひずみ緩和層を付設す
る。さらに該ひずみ緩和層上に接着剤を塗布し上記のよ
うにして形成された蛍光体層を、焼結や蒸着などが行な
われた基板上から剥離させ、圧着する。ひずみ緩和層が
接着層を兼ねる場合には、支持体にひずみ緩和層兼接着
層材料を塗布し、その上に上記のようにして蛍光体層を
付設する。
蛍光体層を蒸着によって形成する場合は、予めひずみ緩
和層を設けてある支持体を蒸着基板として、該ひずみ緩
和層上に蒸着により蛍光体層を形成する方法でも、本発
明の放射線像変換パネルを製造することができる。
蛍光体層に高分子物質を含浸させる場合、高分子物質の
含浸はパネル上に付設した蛍光体層に対して行なっても
よいし、パネル上に付設する前に行なってもよい。
次に、支持体について述べる。
本発明において使用する支持体は、従来の放射線写真法
における増感紙の支持体として用いられている各種の材
料あるいは放射線像変換パネルの支持体として公知の各
種の材料から任意に選ぶことができる。そのような材料
の例としては、セルロースアセテート、ポリエステル、
ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミ
ド、トリアセテート、ポリカーボネートなどのプラスチ
ック物質のフィルム、アルミニウム箔、アルミニウム合
金箔などの金属シート、セラミックスの板、金属の板、
通常の紙、バライタ紙、レジンコート紙、二酸化チタン
などの顔料を含有するピグメント紙、ポリビニルアルコ
ールなどをサイジングした紙などを挙げることができ
る。この支持体にはカーボンブラックなどの光吸収性物
質が練り込まれていてもよく、あるいは二酸化チタンな
どの光反射性物質が練り込まれていてもよい。
本発明の放射線像変換パネルは、上記の蛍光体層と支持
体との間にひずみ緩和層を設けることに特徴がある。
温度の変化によるひずみは、蛍光体層の熱膨張による伸
びと、支持体の熱膨張による伸びの違い、すなわち、ず
れから生じるものである。蛍光体層と支持体がひずみ緩
和層を介して設けられているとき、ずれとひずみの関係
は(I)式で表せられる。
γ=Δl/d (I) ここでγはひずみ、Δlはずれの大きさ、dはひずみ緩
和層の厚さである。
(I)式から明らかなように、ひずみ緩和層の厚さが厚
い程、支持体と蛍光体層の熱膨張の違いによるずれから
生じるひずみが緩和されるので、ひずみの緩和という面
からは有利である。しかしながら、ひずみ緩和層が、あ
まり厚すぎると、支持体が支える重量も増加し支持体の
負担が増すばかりでなく、パネル全体の厚さおよび重量
も増し、取り扱い面からも好ましくない。従って、ひず
み緩和層の厚さは、他の層とのバランスから5μm〜50
00μm程度が好ましく、より好ましくは10μm〜500μ
mの範囲である。
ひずみ緩和層は前記したように、温度の変化によって生
じるずれやひずみを吸収して、支持体と蛍光体層の受け
る応力を軽減させる働きをするものである。また、さら
に外部からの衝撃によるひずみを吸収する効果もある。
応力とひずみとの間には、(II)式に表わされる関係が
ある。
τ=G・γ (II) ここで、τは応力、γはひずみ、Gは剛性率(ずれ弾性
率、横弾性率ともいう)といわれる物質固有の定数であ
る。
ひずみ緩和層は、上記のように大きなひずみを受けても
小さな応力しかもたらさない働きをするものであるか
ら、その剛性率Gは小さなものである必要がある。一般
に、輝尽性蛍光体の凝集体からなる蛍光体層と該蛍光体
層を支持する支持体の熱膨張率の違いを考えると、ひず
み緩和層の剛性率は10kgf/mm2以下であることが好まし
い。ひずみ緩和層を構成する材料の例としては、天然ゴ
ムやブタジエンゴム、イソプレンゴム、ポリクロロプレ
ンゴム、シリコンゴム、ウレタンゴム、ブチルゴム、ア
クリルゴム、ニトリル系ゴムなどの合成ゴムを挙げるこ
とできる。また、発泡スチロール、ポリエチレンフォー
ム等の構造的に剛性率を小さくしたものも使用可能であ
る。
公知の放射線像変換パネルにおいては、支持体と蛍光体
層の結合を強化するため、あるいは放射線像変換パネル
としての感度もしくは画質(鮮鋭度、粒状性)を向上さ
せるために、蛍光体層が設けられる側の支持体表面にゼ
ラチンなどの高分子物質を塗布して接着層としたり、あ
るいは二酸化チタンなどの光反射性物質からなる光反射
層、もしくはカーボンブラックなどの光吸収性物質から
なる光吸収層を設けることも行なわれている。本発明で
用いられる支持体についても、これらの各種の層を設け
ることができる。これらの層が、上記のひずみ緩和層を
兼ねていてもよいことはもちろんである。ただし、従来
のゼラチンなどからなる下塗層あるいは光反射性物質を
樹脂結合剤に分散して形成した光反射層は、それらの剛
性が非常に高いため、ひずみ緩和層として実質的に機能
しない。
蛍光体層の支持体に接する側とは反対側の表面には、蛍
光体層を物理的および化学的に保護する目的で透明な保
護膜が設けられていることが好ましい。
透明な保護膜は、例えば、酢酸セルロース、ニトロセル
ロースなどのセルロース誘導体;あるいはポリメチルメ
タクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホル
マール、ポリカーボネート、ポリ酢酸エチル、塩化ビニ
ル・酢酸ビニルコポリマーなどの合成高分子物質のよう
な透明な高分子物質を適当な溶媒に溶解して調製した溶
液を上記蛍光体層の上に塗布する方法により形成するこ
とができる。あるいはポリエチレンテレフタレート、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミドなどから
なるプラスチックシート;および透明なガラス板などの
保護膜形成用シートを別に形成して蛍光体層の表面に適
当な接着剤を用いて接着するなどの方法によっても形成
することができる。また、SiO2等のセラミックス、ガラ
スおよび有機物を蛍光体層表面に蒸着すること、もしく
は焼き付けることによって保護膜を形成することもでき
る。このようにして形成する透明保護膜の膜厚は、約3
乃至20μmとするのが好ましい。
次に本発明の実施例および比較例を記載する。
ただし、この実施例は本発明を制限するものではない。
[実施例1] 粉末状の二価ユーロピウム賦活弗化臭化バリウム蛍光体
粒子(BaFBr:0.001Eu2+)を成型用の金型に押し込みシ
ート状に成型圧縮した。圧縮はプレス成型機(圧力:10
3kgf/cm2、温度:25℃)を用いて行なった。
次に、これを高温電気炉に入れて焼結を行なった。焼結
は窒素ガス雰囲気中にて750℃の温度で1.5時間かけて行
なった。焼結させた後、該焼結物を電気炉から取り出
し、冷却して層厚が300μmの上記蛍光体のみからなる
蛍光体層を形成した。
一方、アルミニウム金属板(支持体、厚み:1mm)にポリ
クロロプレン系接着剤(エバーグリット503−S)[A.
C.I.ジャパン・リミテッド製]を塗布し、ひずみ緩和層
兼接着層(層厚:100μm、剛性率:0.5kgf/mm2)を形成
して、上記のようにして得られた蛍光体層を接着し、本
発明の放射線像変換パネル(サイズ:たて430mm×よこ3
54mm)を製造した。
[比較例1] 実施例1において、ポリクロロピレン系接着剤を用いる
代りに、エポキシ系接着剤(スリーボンド2082)[スリ
ーボンド(株)製]を用いて接着層(層厚:100μm、剛
性率:100kgf/mm2)を形成した以外は、実施例1の方法
と同様の操作を行なうことにより放射線像変換パネルを
製造した。
上記のようにして得た実施例1および比較例1に温度変
化(0℃〜40℃)を与え、蛍光体層のひび割れ、支持体
の変形の有無を観察した。結果を第1表に示した。
なお、第1表には(I)、(II)式から計算した上記温
度変化によって生じる応力の値もあわせて示した。ただ
し、アルミニウム金属板支持体の熱膨張率を2.3×10-5/
K,蛍光体層の熱膨張率を6.0×10-5/Kとした。
第1表に示された結果から明らかなように、ひずみ緩和
層を有する本発明の放射線像変換パネル(実施例1)
は、ひずみ緩和層を持たない従来の放射線像変換パネル
(比較例1)に比較して温度の変化に対する強度が著し
く向上し、温度の変化にあっても蛍光体層にひび割れが
生じたり、支持体が変形するようなことはなかった。ま
た、本発明のパネルは剛性率の小さいひずみ緩和層を有
するために、外部から支持体に加えられたひずみによっ
て蛍光体層に与えられる応力が小さくなり、衝撃に対し
ても蛍光体層のわれが生じにくくなることも明白であ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体と、この支持体上に設けられた輝尽
    性蛍光体の凝集体からなる蛍光体層とを有する放射線像
    変換パネルにおいて、該蛍光体層と支持体との間にひず
    み緩和層が設けられていることを特徴とする放射線像変
    換パネル。
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