JP2005241614A - 基板検査装置及び基板検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電気的に非接触の検査用プローブを用いて中間レベルの抵抗値を有する不良を検出することができる基板検査装置を提供する。
【解決手段】 配線の一方端にその配線と電気的に非接触で対向配置されるための給電プローブ101a及び検出プローブ103と、配線の他方端にその配線と電気的に非接触で対向配置されるための給電プローブ101bと、給電プローブ101aに1MHzの正弦波検査信号Voaを印加する検査信号源104aと、給電プローブ101bに検査信号Voaとは位相が180度異なる検査信号Vobを印加する検査信号源104bと、検出プローブ103に生じた電圧を検出するアンプ105と、アンプ105により検出された電圧の位相に基づき前記配線の良否判定を行う断線判定部109とを備えた。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば、液晶ディスプレイやプラズマディスプレイ用の電極板に用いられるガラス基板のような基板の配線を検査する基板検査装置及び基板検査方法に関し、特に、非接触で配線の検査を行なうものに関する。尚、この発明は、ガラス基板に限らず、プリント配線基板、フレキシブル基板、多層配線基板、プラズマディスプレイ用の電極板、ならびに半導体パッケージ用のフィルムキャリアなど種々の基板上の電気的配線の検査に適用でき、この明細書では、それら種々の配線基板を総称して「基板」と称する。
従来、プリント配線基板、プラズマディスプレイパネルや液晶パネル用のガラス基板等に形成される配線パターンの微細化に伴い、配線パターンと検査用プローブとを物理的に離間した状態で検査を行ったり、絶縁膜で検査用プローブの電極表面を覆ったりすることにより、微細な配線パターンにキズをつけないようにした非接触の検査用プローブを用いて配線パターンの導通を検査する基板検査装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
上述の基板検査装置では、検査用プローブとして絶縁膜で覆われた電極を二つ用い、この一方の電極を検査対象の配線パターンの一端部で対向するように配置し、他方の電極を当該配線パターンの他端部で対向するように配置し、この電極を覆う絶縁膜を挟んで相対向する電極と配線パターンとにより形成されるコンデンサの静電容量によって、電極と配線パターンとを静電結合させるようにしている。そして、一方の電極からその配線パターンに検査用信号を注入すると共に、他方の電極からその配線パターンの他端部で信号を検出することにより、その検出した信号のレベルに基づき配線パターンの導通を検査するようにされている。
また、基板の一例であるプラズマディスプレイパネルの構造を、以下に示す。図28は、プラズマディスプレイパネルの構造の概略を示す斜視図である。図28に示すプラズマディスプレイパネルは、前面板601と背面板602とを備えている。そして、前面板601は、例えば、ガラス基材603の表面に、ITO(Indium Tin Oxide)膜604と銀等の被膜により形成されたバス電極605とからなる配線606が形成されたガラス基板によって、構成されている。このように構成された前面板601において、配線606は、良品では数Ω程度の抵抗値を示す。一方、配線606のバス電極605のみが断線した場合、断線箇所はITO膜604のみによって導通し、100Ω〜10MΩ程度の中間レベルの抵抗値を有する。
また、非接触の検査用プローブを用いて配線パターンの導通を検査する基板検査装置として、検査対象となる導体回路基板に電磁波を放射するスティミュレータと、導体回路基板に生じる変位電流を検出する非接触のセンサとを設け、センサとスティミュレータとからなるユニットを配線パターンの方向に沿って走査することにより、センサで得られる電流分布を、良品の基板によって得られた電流分布と比較することにより、配線パターンの導通を検査する基板検査装置が知られている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平11−133090号公報 特開平8−278342号公報
ところで、上述のような基板検査装置は、相対向する電極と配線パターンとにより形成されるコンデンサの静電容量を介して配線パターンに検査用信号を注入及び検出するため、検出される信号レベルは、配線パターンと電極とにより形成されるコンデンサの容量によって変化し、配線パターンと電極との距離や、配線パターンと周囲との間に生じた浮遊容量等の誤差要因による影響を受け、検出される信号レベルがばらつき易い性質がある。そのため、このような基板検査装置を用いて前面板601のような基板を検査した場合に、バス電極605のみが断線した場合のように中間レベルの抵抗値を生じる不良が生じていると、バス電極605の断線による検出信号レベルの低下と、ばらつきによる信号レベルの低下とを判別することが困難であるため、中間レベルの抵抗値を有する不良を検出することが困難であるという不都合があった。
また、特許文献2に記載の基板検査装置においては、非接触のセンサにより検出される変位電流は、スティミュレータ及びセンサと、検査対象となる基板との間の距離によって変化するため、基板とスティミュレータ及びセンサとの距離を均一に保たなければ目的とする電流分布が得られないという不都合があった。そのため、例えば基板の反りや撓みなどを吸収し、基板とスティミュレータ及びセンサとの距離を均一に保つ機構を設ける必要があった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、電気的に非接触の検査用プローブを用いて中間レベルの抵抗値を有する不良を検出することができる基板検査装置及びその方法を提供することを目的とする。また、配線と検査用プローブとの間における距離変化の影響が少ない基板検査装置及びその方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の第1の手段に係る基板検査装置は、基板面に形成された配線の検査を行う基板検査装置であって、前記配線の一方端にその配線と電気的に非接触で対向配置される第1の給電用プローブ及び第1の検出用プローブと、前記配線の他方端にその配線と電気的に非接触で対向配置される第2の給電用プローブと、前記第1の給電用プローブに、一定の周期を有する第1の周期信号を印加する第1の信号供給部と、前記第2の給電用プローブに、前記第1の周期信号とは位相が180度異なる第2の周期信号を印加する第2の信号供給部と、前記第1の検出用プローブに生じた電圧を検出する第1の検出部と、前記第1の検出部により検出された電圧の位相に基づき前記配線の良否判定を行う断線判定部とを備えることを特徴としている。
この発明によれば、検査対象となる配線の一方端において、第1の給電用プローブ及び第1の検出用プローブが、電気的に非接触で対向配置されることによりその配線との間で静電容量結合される。また、前記配線の他方端において、第2の給電用プローブが、その配線と電気的に非接触で対向配置されることによりその配線との間で静電容量結合される。そして、第1の信号供給部により印加された第1の周期信号が、第1の給電用プローブを介して前記配線の一方端に供給され、第1の周期信号とは位相が180度異なる第2の周期信号が、第2の信号供給部から第2の給電用プローブを介して前記配線の他方端に供給される。さらに、前記配線の一方端に生じた電圧が、第1の検出用プローブを介して第1の検出部により検出され、第1の検出部により検出された電圧の位相に基づき前記配線の良否判定が行われる。これにより、中間レベルの抵抗値を有する不良を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出することができると共に、配線と検査用プローブとの間における距離変化の影響が少ない。
また、上述の基板検査装置において、前記断線判定部は、前記第1の検出部により検出された電圧と、前記第1の周期信号との位相差が、予め設定された位相差の範囲内である場合、前記配線を不良と判定することを特徴としている。
この発明によれば、前記配線の一方端において第1の検出部により検出された電圧と、前記配線の一方端に供給された第1の周期信号との位相差が、予め設定された位相差の範囲内である場合、前記配線は不良と判定される。これにより、中間レベルの抵抗値を有する不良を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出することができる。
そして、上述の基板検査装置において、前記断線判定部は、さらに、前記第1の検出部により検出された電圧と前記第1の周期信号との位相差が実質的に0度である場合、前記配線を不良と判定することを特徴としている。
この発明によれば、前記配線の一方端において第1の検出部により検出された電圧と、前記配線の一方端に供給された第1の周期信号との位相差が実質的に0度である場合、前記配線は不良と判定される。これにより、完全に断線した状態の断線不良を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出することができる。
さらに、上述の基板検査装置において、前記断線判定部は、さらに、前記第1の検出部により検出された電圧値が予め定められた基準値を超える場合、前記配線を不良と判定することを特徴としている。
この発明によれば、第1の検出部により検出された電圧値が予め定められた基準値を超える場合、前記配線が不良と判定される。これにより、中間レベルの抵抗値を有する不良を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出する一方、完全な断線状態の断線不良を、第1の検出部により検出された電圧値に基づいて検出することができる。
また、上述の基板検査装置において、前記断線判定部は、さらに、前記第1の検出部により検出された電圧値が実質的にゼロである場合、前記配線を良品と判定することを特徴としている。
この発明によれば、第1の検出部により検出された電圧値が実質的にゼロである場合、前記配線が良品と判定される。これにより、中間レベルの抵抗値を有する不良を誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出する一方、第1の検出部により検出された電圧値に基づいて良品の判定を行うことができる。
そして、上述の基板検査装置において、前記配線の他方端にその配線と電気的に非接触で対向配置される第2の検出用プローブと、前記第2の検出用プローブに生じた電圧を検出する第2の検出部とをさらに備え、前記断線判定部は、前記第1の検出部により検出された電圧と前記第2の検出部により検出された電圧との位相差が実質的に0度である場合、前記配線を良品と判定するものであることを特徴としている。
この発明によれば、検査対象となる配線の他方端において、第2の検出用プローブが、電気的に非接触で対向配置されることによりその配線との間で静電容量結合される。そして、前記配線の他方端に生じた電圧が、第2の検出用プローブを介して第2の検出部により検出され、第1の検出部により検出された電圧と第2の検出部により検出された電圧との位相差が実質的に0度である場合、前記配線が良品と判定される。これにより、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて、良品判定を行うことができる。
また、上述の基板検査装置において、前記配線の他方端にその配線と電気的に非接触で対向配置される第2の検出用プローブと、前記第2の検出用プローブに生じた電圧を検出する第2の検出部とをさらに備え、前記断線判定部は、前記第1の検出部により検出された電圧と前記第2の検出部により検出された電圧との位相差が実質的に180度である場合、前記配線を不良と判定するものであることを特徴としている。
この発明によれば、検査対象となる配線の他方端において、第2の検出用プローブが、電気的に非接触で対向配置されることによりその配線との間で静電容量結合される。そして、前記配線の他方端に生じた電圧が、第2の検出用プローブを介して第2の検出部により検出され、第1の検出部により検出された電圧と第2の検出部により検出された電圧との位相差が実質的に180度である場合、前記配線が不良と判定される。これにより、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて、不良判定を行うことができる。
そして、上述の基板検査装置において、前記基板面には、前記配線が前記基板面に沿って所定方向に延びるよう複数形成されており、前記基板を前記複数の配線と交差する方向に移送するための移送部をさらに備え、前記断線判定部は、前記基板を前記移送部により移送させつつ前記判定を行うものであることを特徴としている。
この発明によれば、複数の配線が基板面を横切る方向に形成された基板が、各配線と交差する方向に移送されつつ良否判定が行われる。これにより、基板を移送させつつ連続して各配線の良否判定を行うことができるので、検査効率を向上させることができる。
さらに、上述の基板検査装置において、前記第1及び第2の給電用プローブは、その複数の配線のうち一部又は全部をカバーするよう延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置されるためのものであることを特徴としている。
この発明によれば、第1及び第2の給電用プローブが、複数の配線のうち一部又は全部をカバーするよう延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置される。これにより、第1及び第2の給電用プローブが、検査対象の配線と対向配置される範囲が広くなり、検査のための位置決めが容易になる。
上述の目的を達成するために、本発明の第2の手段に係る基板検査装置は、基板面に形成された複数の配線の検査を順次行う基板検査装置であって、前記複数の配線から順次選択されて第1の検査対象配線となる配線に電気的に非接触で対向配置される、第3の給電用プローブ及び第3の検出用プローブと、前記第1の検査対象配線とは異なる第2の検査対象配線となる配線と電気的に非接触で対向配置される第4の給電用プローブと、前記第3の給電用プローブに、一定の周期を有する第3の周期信号を印加する第3の信号供給部と、前記第4の給電用プローブに、前記第3の周期信号とは位相が180度異なる第4の周期信号を印加する第4の信号供給部と、前記第3の検出用プローブに生じた電圧を検出する第3の検出部と、前記第3の検出部により検出された電圧の位相に基づいて前記第1及び第2の検査対象配線間における短絡不良の有無を判定する短絡判定部とを備えることを特徴としている。
この発明によれば、第1の検査対象配線と、第3の給電用プローブ及び第3の検出用プローブとが、電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。また、第2の検査対象配線と、第4の給電用プローブとが、電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。そして、第3の信号供給部により印加された第3の周期信号が、第3の給電用プローブを介して第1の検査対象配線に供給され、第3の周期信号とは位相が180度異なる第4の周期信号が、第4の信号供給部から第4の給電用プローブを介して第2の検査対象配線に供給される。さらに、第1の検査対象配線に生じた電圧が、第3の検出用プローブを介して第3の検出部により検出され、第3の検出部により検出された電圧の位相に基づき第1及び第2の検査対象配線間における短絡不良の有無が判定される。これにより、第1及び第2の検査対象配線間が、中間レベルの抵抗値で短絡される不良を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出することができる。
また、上述の基板検査装置において、前記短絡判定部は、前記第3の検出部により検出された電圧と、前記第3の周期信号との位相差が、予め設定された位相差の範囲内である場合、前記短絡不良有りと判定することを特徴としている。
この発明によれば、第1の検査対象配線から第3の検出部により検出された電圧と、第1の検査対象配線に供給された第1の周期信号との位相差が、予め設定された位相差の範囲内である場合、第1及び第2の検査対象配線間において短絡不良有りと判定される。これにより、中間レベルの抵抗値を有する短絡不良を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出することができる。
そして、上述の基板検査装置において、前記短絡判定部は、さらに、前記第3の検出部により検出された電圧値が実質的にゼロである場合、前記短絡不良有りと判定することを特徴としている。
この発明によれば、第3の検出部により検出された電圧値が実質的にゼロである場合、第1及び第2の検査対象配線間において短絡不良有りと判定される。これにより、中間レベルの抵抗値を有する短絡不良を誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出する一方、検出電圧に基づいて低抵抗の短絡不良を検出することができる。
さらに、上述の基板検査装置において、前記短絡判定部は、さらに、前記第3の検出部により検出された電圧と前記第3の周期信号との位相差が実質的に0度である場合、前記短絡不良無しと判定することを特徴としている。
この発明によれば、第1の検査対象配線において第3の検出部により検出された電圧と、第1の検査対象配線に供給された第3の周期信号との位相差が実質的に0度である場合、第1及び第2の検査対象配線間において短絡不良無しと判定される。これにより、第1及び第2の検査対象配線間における良品判定を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて行うことができる。
また、上述の基板検査装置において、前記短絡判定部は、さらに、前記第3の検出部により検出された電圧値が予め定められた基準値を超える場合、前記短絡不良無しと判定することを特徴としている。
この発明によれば、第3の検出部により検出された電圧値が予め定められた基準値を超える場合、第1及び第2の検査対象配線間において短絡不良無しと判定される。これにより、中間レベルの抵抗値を有する短絡不良を誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出する一方、第1の検出部により検出された電圧値に基づいて良品判定をすることができる。
そして、上述の基板検査装置において、前記第1の検査対象配線とは異なる第2の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置される第4の検出用プローブと、前記第4の検出用プローブに生じた電圧を検出する第4の検出部とをさらに備え、前記短絡判定部は、さらに、前記第1の検出部により検出された電圧と前記第2の検出部により検出された電圧との位相差が実質的に0度である場合、前記短絡不良有りと判定するものであることを特徴としている。
この発明によれば、第2の検査対象配線と第4の検出用プローブとが、電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。そして、第2の検査対象配線に生じた電圧が、第4の検出用プローブを介して第4の検出部により検出され、第3の検出部により検出された電圧と第4の検出部により検出された電圧との位相差が実質的に0度である場合、前記配線が良品と判定される。これにより、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて、良品判定を行うことができる。
上述の目的を達成するために、本発明の第3の手段に係る基板検査装置は、基板面に形成された複数の配線から順次選択されて第1の検査対象配線となる配線と、前記第1の検査対象配線とは異なる第2の検査対象配線となる配線と、前記第1及び第2の検査対象配線の間に形成された一又は複数の第3の検査対象配線となる配線とにより基板の検査を行う基板検査装置であって、前記第1の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置される第3の給電用プローブと、前記第2の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置される第4の給電用プローブと、前記一又は複数の第3の検査対象配線それぞれと電気的に非接触で対向配置される一又は複数の第5の検出用プローブと、前記第3の給電用プローブと前記第4の給電用プローブとの間に電位差を生じさせるための所定の検査用電圧を印加する検査電圧源と、前記一又は複数の第5の検出用プローブに生じた電圧をそれぞれ検出する一又は複数の第5の検出部と、前記一又は複数の第5の検出部により検出された電圧に基づいて前記第3の検査対象配線における短絡不良の有無を判定する短絡判定部とを備えることを特徴としている。
この発明によれば、第1の検査対象配線と第3の給電用プローブとが、電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。また、第2の検査対象配線と第4の給電用プローブとが、電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。そして、一又は複数の第5の検出用プローブと、一又は複数の第3の検査対象配線それぞれとが電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。さらに、検査電圧源によって、第3の給電用プローブと第4の給電用プローブとの間に所定の検査用電圧が印加されることによって、一又は複数の第3の検査対象配線に生じた電圧が、一又は複数の第5の検出用プローブを介して一又は複数の第5の検出部により検出される。そして、一又は複数の第5の検出部により検出された電圧に基づいて第3の検査対象配線における短絡不良の有無が判定される。これにより、複数箇所の短絡不良を一括して検出することができる。
また、上述の基板検査装置において、前記第3の検査対象配線は、前記第1及び第2の検査対象配線間に複数選択されており、前記短絡判定部は、前記複数の第5の検出部のうち二の第5の検出部により検出された電圧が、実質的に等しい場合に前記第3の検査対象配線において短絡不良有りと判定し、前記複数の第5の検出部により検出された電圧のいずれもが、互いに異なる場合に前記第3の検査対象配線において短絡不良無しと判定するものであることを特徴としている。
この発明によれば、複数の第5の検出部のうち二の第5の検出部により検出された電圧が、互いに実質的に等しい場合に第3の検査対象配線において短絡不良有りと判定され、複数の第5の検出部により検出された電圧のいずれもが、互いに異なる場合に第3の検査対象配線において短絡不良無しと判定される。これにより、複数の第5の検出部により検出された電圧に基づいて第3の検査対象配線における短絡不良の有無を判定することができる。
そして、上述の基板検査装置において、前記基板面には、前記配線が前記基板面に沿って所定方向に延びるよう複数形成されており、前記基板を前記複数の配線と交差する方向に移送するための移送部をさらに備え、前記短絡判定部は、前記基板を前記移送部により移送させつつ前記判定を行うものであることを特徴としている。
この発明によれば、配線が基板面を横切る方向に複数形成された基板が、複数の配線と交差する方向に移送されつつ短絡不良の有無が判定される。これにより、基板を移送させつつ連続して各配線間の良否判定を行うことができるので、検査効率を向上させることができる。
さらに、上述の基板検査装置において、前記第3の給電用プローブは、前記第1の検査対象配線と、前記第2の検査対象配線とは反対側の複数の配線とをカバーするよう延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置されるためのものであり、前記第4の給電用プローブは、前記第2の検査対象配線と、前記第1の検査対象配線とは反対側の複数の配線とをカバーするよう延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置されるためのものであることを特徴としている。
この発明によれば、第3の給電用プローブが、第1の検査対象配線と、第2の検査対象配線とは反対側の複数の配線とをカバーするよう延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置され、第4の給電用プローブが、第2の検査対象配線と、第1の検査対象配線とは反対側の複数の配線とをカバーするよう延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置される。これにより、第3及び第4の給電用プローブが、検査対象の配線と対向配置される範囲が広くなり、検査のための位置決めが容易になる。
上述の目的を達成するために、本発明の第4の手段に係る基板検査装置は、基板面に沿って所定方向に延びるよう形成された複数の配線の検査を順次行う基板検査装置であって、前記複数の配線から選択され第4の検査対象配線となる配線における一方端にその配線と電気的に非接触で対向配置される第1の給電用プローブ及び第1の検出用プローブと、前記第4の検査対象配線の他方端にその配線と電気的に非接触で対向配置される第2の給電用プローブと、前記第1の給電用プローブに、一定の周期を有する第1の周期信号を印加する第1の信号供給部と、前記第2の給電用プローブに、前記第1の周期信号とは位相が180度異なる第2の周期信号を印加する第2の信号供給部と、前記第1の検出用プローブに生じた電圧を検出する第1の検出部と、前記複数の配線から選択され第5の検査対象配線となる配線と電気的に非接触で対向配置される第3の給電用プローブ及び第3の検出用プローブと、前記第5の検査対象配線とは異なる第6の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置される第4の給電用プローブと、前記第3の給電用プローブに、一定の周期を有する第3の周期信号を印加する第3の信号供給部と、前記第4の給電用プローブに、前記第3の周期信号とは位相が180度異なる第4の周期信号を印加する第4の信号供給部と、前記第3の検出用プローブに生じた電圧を検出する第3の検出部と、前記基板を前記複数の配線と交差する方向に移送するための移送部と、前記移送部により前記基板を移送させつつ、前記第1の検出部により検出された電圧の位相に基づいて前記第4の検査対象配線の良否判定を行う断線判定部と、前記移送部により前記基板を移送させつつ、前記第3の検出部により検出された電圧の位相に基づいて前記第5及び第6の検査対象配線間における短絡不良の有無を判定する短絡判定部とを備えることを特徴としている。
この発明によれば、第4の検査対象配線の一方端において、第1の給電用プローブ及び第1の検出用プローブが、電気的に非接触で対向配置されることによりその配線との間で静電容量結合される。また、第2の給電用プローブが、第4の検査対象配線の他方端において電気的に非接触で対向配置されることにより第4の検査対象配線との間で静電容量結合される。そして、第1の信号供給部により印加された第1の周期信号が、第1の給電用プローブを介して第4の検査対象配線の一方端に供給され、第1の周期信号とは位相が180度異なる第2の周期信号が、第2の信号供給部から第2の給電用プローブを介して第4の検査対象配線の他方端に供給される。さらに、第4の検査対象配線の一方端に生じた電圧が、第1の検出用プローブを介して第1の検出部により検出され、第1の検出部により検出された電圧の位相に基づき第4の検査対象配線の良否判定が行われる。さらに、第5の検査対象配線と、第3の給電用プローブ及び第3の検出用プローブとが、電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。また、第6の検査対象配線と、第4の給電用プローブとが、電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。そして、第3の信号供給部により印加された第3の周期信号が、第3の給電用プローブを介して第5の検査対象配線に供給され、第3の周期信号とは位相が180度異なる第4の周期信号が、第4の信号供給部から第4の給電用プローブを介して第6の検査対象配線に供給される。さらに、第5の検査対象配線に生じた電圧が、第3の検出用プローブを介して第3の検出部により検出され、第3の検出部により検出された電圧の位相に基づき第5及び第6の検査対象配線間における短絡不良の有無が判定される。これにより、中間レベルの抵抗値を有する断線不良を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出することができると共に、配線間が中間レベルの抵抗値で短絡される不良を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出することができる。
また、上述の基板検査装置において、前記設定された位相差の範囲は、30度〜90度であることを特徴としている。この発明によれば、前記位相差の範囲は、30度〜90度に予め設定される。
上述の目的を達成するために、本発明の第5の手段に係る基板検査方法は、基板面に形成された配線の検査を行う基板検査方法であって、前記配線の一方端において、第1の給電用プローブ及び第1の検出用プローブを、その配線と電気的に非接触で対向配置し、前記配線の他方端において、第2の給電用プローブを、その配線と電気的に非接触で対向配置し、前記第1の給電用プローブに、一定の周期を有する第1の周期信号を印加し、前記第2の給電用プローブに、前記第1の周期信号とは位相が180度異なる第2の周期信号を印加し、前記第1の検出用プローブに生じた電圧の位相に基づいて前記配線の良否判定を行うことを特徴としている。
この発明によれば、検査対象となる配線の一方端において、第1の給電用プローブ及び第1の検出用プローブが、電気的に非接触で対向配置されることによりその配線との間で静電容量結合される。また、前記配線の他方端において、第2の給電用プローブが、その配線と電気的に非接触で対向配置されることによりその配線との間で静電容量結合される。そして、一定の周期を有する第1の周期信号が、第1の給電用プローブを介して前記配線の一方端に供給され、第1の周期信号とは位相が180度異なる第2の周期信号が、第2の給電用プローブを介して前記配線の他方端に供給される。さらに、前記配線の一方端に生じた電圧の位相に基づき前記配線の良否判定が行われる。これにより、中間レベルの抵抗値を有する不良を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出することができる。
上述の目的を達成するために、本発明の第6の手段に係る基板検査方法は、基板面に形成された複数の配線の検査を行う基板検査方法であって、第3の給電用プローブ及び第3の検出用プローブを、前記複数の配線から第1の検査対象配線として選択した配線に電気的に非接触で対向配置し、第4の給電用プローブを、前記第1の検査対象配線とは異なる第2の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置し、前記第3の給電用プローブに、一定の周期を有する第3の周期信号を印加し、前記第4の給電用プローブに、前記第3の周期信号とは位相が180度異なる第4の周期信号を印加し、前記第3の検出用プローブに生じた電圧の位相に基づいて前記第1及び第2の検査対象配線間における短絡不良の有無を判定することを特徴としている。
この発明によれば、第1の検査対象配線と、第3の給電用プローブ及び第3の検出用プローブとが、電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。また、第2の検査対象配線と、第4の給電用プローブとが、電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。そして、一定の周期を有する第3の周期信号が、第3の給電用プローブを介して第1の検査対象配線に供給され、第3の周期信号とは位相が180度異なる第4の周期信号が、第4の給電用プローブを介して第2の検査対象配線に供給される。さらに、第1の検査対象配線に生じた電圧の位相に基づき第1及び第2の検査対象配線間における短絡不良の有無が判定される。これにより、第1及び第2の検査対象配線間が、中間レベルの抵抗値で短絡される不良を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出することができる。
上述の目的を達成するために、本発明の第7の手段に係る基板検査方法は、複数の配線が基板面に形成され、前記複数の配線から選択した第1の検査対象配線と、前記第1の検査対象配線とは異なる第2の検査対象配線と、前記第1及び第2の検査対象配線の間に形成された一又は複数の第3の検査対象配線とによって基板の検査を行う基板検査方法であって、第3の給電用プローブを、前記第1の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置し、第4の給電用プローブを、前記第2の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置し、一又は複数の第5の検出用プローブを、前記一又は複数の第3の検査対象配線それぞれと電気的に非接触で対向配置し、前記第3の給電用プローブと前記第4の給電用プローブとの間に電位差を生じさせるための所定の検査用電圧を印加し、前記一又は複数の第5の検出用プローブに生じた電圧に基づいて前記第3の検査対象配線における短絡不良の有無を判定することを特徴としている。
この発明によれば、第1の検査対象配線と第3の給電用プローブとが、電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。また、第2の検査対象配線と第4の給電用プローブとが、電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。そして、一又は複数の第5の検出用プローブと、一又は複数の第3の検査対象配線それぞれとが電気的に非接触で対向配置されることにより静電容量結合される。さらに、第3の給電用プローブと第4の給電用プローブとの間に所定の検査用電圧が印加されることによって、一又は複数の第5の検出用プローブにより検出された電圧に基づいて第3の検査対象配線における短絡不良の有無が判定される。これにより、複数箇所の短絡不良を一括して検出することができる。
また、上述の基板検査装置において、前記基板面には、前記配線が前記基板面に沿って所定方向に延びるよう複数形成されており、前記第1及び第2の給電用プローブは、その複数の配線のうち一部又は全部をカバーするように配線が延びる方向とは異なる方向に延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置されるためのものであり、前記第1及び第2の給電用プローブによりカバーされる配線のうち二以上の配線を含む複数の配線をカバーするように配線が延びる方向とは異なる方向に延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置されるための第6の検出用プローブと、前記第6の検出用プローブに生じた電圧を検出する第6の検出部と、前記第6の検出部により検出される電圧レベルをゼロに維持すべく、前記第6の検出部により検出された電圧の極性と前記第1の周期信号の極性との異同に応じて、前記第2の周期信号印加レベルに対する前記第1の周期信号印加レベルの比率を増減させるように前記第1の信号供給部及び/又は前記第2の信号供給部における信号印加レベルを調節するフィードバック部とをさらに備えることを特徴としている。
この発明によれば、第1及び第2の給電用プローブが、複数の配線のうち一部又は全部をカバーするように交差すると共に、それらに電気的に非接触で対向配置される。また、第6の検出用プローブが、第1及び第2の給電用プローブによりカバーされる配線のうち二以上の配線を含む複数の配線をカバーするように交差すると共に、それらに電気的に非接触で対向配置される。そして、第6の検出用プローブに生じた電圧が、第6の検出部によって検出される。さらに、フィードバック部によって、第6の検出部により検出される電圧レベルをゼロに維持すべく、第6の検出部により検出された電圧の極性と前記第1の周期信号の極性との異同に応じて、第2の周期信号印加レベルに対する第1の周期信号印加レベルの比率を増減させるように第1の信号供給部及び/又は前記第2の信号供給部における信号印加レベルが調節される。これにより、検査対象の配線が良品である場合に、第1の信号供給部及び第2の信号供給部から供給される信号によって当該配線に誘起される電圧レベルがゼロにされる結果、第1の検出部により検出される電圧値がゼロとなる。
また、上述の基板検査装置において、前記第1の検出用プローブが対向配置される検査対象配線に、電気的に非接触で対向配置される配線検出用プローブと、前記配線検出用プローブに、一定の周期を有する周期電圧を印加する周期電圧供給部と、前記配線検出用プローブを流れる電流を検出する電流検出部とをさらに備え、前記断線判定部は、前記電流検出部によって電流が検出された場合に、前記良否判定を行うものであることを特徴としている。
この発明によれば、配線検出用プローブが、第1の検出用プローブが対向配置される配線に電気的に非接触で対向配置され、周期電圧供給部によって、一定の周期を有する周期電圧が、配線検出用プローブに印加される。そして、配線検出用プローブを流れる電流が、電流検出部によって検出された場合に、断線判定部により良否判定が行われる。これにより、第1の検出用プローブが配線と電気的に非接触で対向配置された場合に、断線判定部により良否判定が行われる。
なお、この明細書において、電気的に非接触とは、プローブの導体部分と配線とが非接触であることを意味し、プローブと配線とが物理的に離れている場合と、プローブ表面が絶縁材料で覆われている場合等のように、プローブと配線とが物理的には接触しているが、電気的には導通しない状態とを含む意味である。
このような構成の基板検査装置及び基板検査方法は、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて中間レベルの抵抗値を有する不良を検出するので、電気的に非接触の検査用プローブを用いて中間レベルの抵抗値を有する断線不良を検出することができると共に、配線と検査用プローブとの間における距離変化の影響を低減することができる。
また、このような構成の基板検査装置及び基板検査方法は、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて中間レベルの抵抗値を有する不良を検出するので、電気的に非接触の検査用プローブを用いて配線間が中間レベルの抵抗値で短絡される不良を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出することができる。
そして、このような構成の基板検査装置及び基板検査方法は、複数箇所の配線間の短絡不良を一括して検出することができる。
さらに、このような構成の基板検査装置は、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて中間レベルの抵抗値を有する断線不良と短絡不良とを検出するので、電気的に非接触の検査用プローブを用いて、中間レベルの抵抗値を有する断線不良を誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出することができると共に、配線間が中間レベルの抵抗値で短絡される不良を、誤差要因の影響を受けることが少ない電圧の位相に基づいて検出することができる。
以下、本発明に係る実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において同一の符号を付した構成は、同一の構成であることを示し、その説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る基板検査装置の構成の一例を説明するためのブロック図である。図1に示す基板検査装置1は、例えば制御部2、表示部3、断線検査部100、及び短絡検査部200を備える。断線検査部100は、例えば、給電プローブ101a,101b、検出プローブ103、検査信号源104a,104b、アンプ105、コンパレータ106,107、位相差検出部108、及び断線判定部109を備える。短絡検査部200は、例えば、給電プローブ201a,201b、検出プローブ203、検査信号源204a,204b、アンプ205、コンパレータ206,207、位相差検出部208、及び短絡判定部209を備える。
また、給電プローブ101a,101b、検出プローブ103、給電プローブ201a,201b、及び検出プローブ203は、図略の検査プレートに一体に設けられている。また、当該検査プレートと対向する位置に、検査対象となる基板4を載置するための載置台51と、載置台51上に載置された基板4を移送するための搬送機構52とが設けられている。これにより、載置台51上に基板4が載置されると、給電プローブ101a,101b、検出プローブ103、給電プローブ201a,201b、及び検出プローブ203と、基板4の基板面とが微少な間隔を空けた物理的及び電気的に非接触の状態で対向配置される。この間隔は、基板面に形成された配線と、対向配置された各プローブとの間に静電容量を生じると共に、その静電容量を介して信号を注入したり、検出したりすることができる程度の間隔、例えば0.1mm〜0.5mmにされており、各プローブが基板面に接触しない程度の間隔であればよい。
基板4は、検査対象となる基板であって、例えばプラズマディスプレイパネルの前面板として用いられるガラス基板である。基板4の表面には、略直線状の配線パターンである配線41,42,43,44,45,46,47が等間隔で平行に形成されている。なお、基板4は、表面に電気信号を伝達する配線パターンが形成された基板であれば良く、例えば液晶パネルのガラス基板、プリント配線基板、フレキシブル基板、及び半導体チップのTAB(Tape Automated Bonding)実装等に用いられるフィルムキャリア等であってもよい。又、配線パターンは、本発明の原理を説明するために必要最小限の配線数で示しているが、実際には多数の配線が形成され、それらの配線を順次選択しつつ、以下に説明するのと同じ原理で順次検査を行うようになっている。
図2は、図1に示す基板検査装置1のX−X部分断面図である。図3は、配線45,46と交差する方向の部分断面図である。図2に示す基板4は、ガラス基材401の基板面に、ITO膜402が形成され、さらにITO膜402上に、例えば銀等からなるバス電極403とが形成されている。そして、ITO膜402とバス電極403とによって、配線42が構成されている。また、配線41,43,44,45,46,47も、配線42と同様に構成されている。
搬送機構52は、例えば載置台51上に配設されており、ユーザが載置台51上にセットした基板4を保持すると共に、制御部2からの制御信号に応じて、基板4を図1に示す矢印Yの方向、すなわち配線41,42,43,44,45,46,47と交差する方向に一定の速度で、給電プローブ101a,101b、検出プローブ103、給電プローブ201a,201b、及び検出プローブ203と、基板4の基板面及び各配線との間に微少な間隔を保持した状態を維持しつつ移動させ、搬送する。
図2に示すように、載置台51上に基板4が載置されることにより、例えば、給電プローブ101a,101b、及び検出プローブ103と、配線42とが対向配置されて静電容量結合し、給電プローブ101a,101b、及び検出プローブ103と、配線42との間にそれぞれ容量C1,C2,C3が生じる。同様にして、図3に示すように、給電プローブ201a及び検出プローブ203と、配線45とが対向配置されてそれぞれ容量C4,C6が生じ、給電プローブ201bと、配線46とが対向配置されて容量C5が生じる。
図1に戻って、まず断線検査部100について説明する。検査信号源104aは、例えば周波数1MHzの正弦波の検査信号Voaを給電プローブ101a及び位相差検出部108へ出力する。検査信号源104bは、例えば検査信号Voaと位相が180度異なる正弦波の検査信号Vobを給電プローブ101bへ出力する。
以下、配線42の断線検査を行なう場合を例に、説明する。給電プローブ101a,101bは、例えばその配線に対向する表面が絶縁膜で覆われた電極であり、複数の配線、例えば3本の配線を覆う大きさにされている。そして、図略の検査プレートが基板4上に非接触で対向配置された場合に、給電プローブ101a,101bは、検査対象の配線42及び配線42と隣接する配線41,43と対向する位置に配置され、配線41,42,43を覆う形状にされている。
給電プローブ101aは、対向配置された配線42との間で生じる静電結合を介して検査信号源104aからの検査信号Voaを配線42へ供給する。一方、給電プローブ101bは、対向配置された配線42との間で生じる静電結合を介して検査信号源104bからの検査信号Vobを配線42へ供給する。
検出プローブ103は、例えばその配線に対向する表面が絶縁膜で覆われた電極であり、基板4上に非接触で対向配置された場合に、検査対象の配線42の一方端のみを覆う形状にされている。例えば、検査対象の配線パターンが配線42であった場合、検出プローブ103は、配線42と対向する位置に配置され、給電プローブ101a,101bから配線42に供給された信号に応じて誘起された電圧を、配線42との間で生じる静電結合を介して検出する。
この場合、給電プローブ101a,101bは、複数の配線パターンを覆う大きな形状にされているので、検出プローブ103を配線42と対向する位置に配置した状態で、基板4がその基板面の平面内で傾いた場合であっても給電プローブ101a,101bが配線42をカバーできる範囲が広く、配線42を給電プローブ101a,101b及び検出プローブ103に対向させるべく位置決めすることが容易となる。なお、給電プローブ101a,101bは、4本以上の配線パターンを覆う大きさであってもよく、2本あるいは1本の配線パターンだけを覆う大きさであってもよい。
アンプ105は、検出プローブ103から導かれた信号を位相を変化させずに増幅して検出信号Vocとしてコンパレータ106,107、及び位相差検出部108へ出力する。コンパレータ106は、アンプ105により検出された検出信号Vocの電圧が実質的にゼロであることを検出するもので、予め設定された基準電圧Vref0と検出信号Vocとを比較し、検出信号Vocが基準電圧Vref0に満たない場合にゼロ判定信号をハイレベルで断線判定部109へ出力し、検出信号Vocが基準電圧Vref0以上の場合にゼロ判定信号をローレベルで断線判定部109へ出力する。なお、実質的にゼロ、とは、ゼロに信号検出の誤差範囲を加えた範囲の値を有することである。
基準電圧Vref0としては、実質的にゼロと判断できる上限の電圧値が設定されており、例えば、検査信号源104a,104bのばらつきや、検出プローブ103と給電プローブ101a,101bとの間の距離の差、アンプ105の増幅精度等、検出信号Vocに影響を及ぼす誤差要因を加味した電圧値が設定されている。
コンパレータ107は、アンプ105により検出された検出信号Vocと、断線不良を検知するために予め設定された基準電圧Vrefhとを比較し、検出信号Vocが基準電圧Vrefhを超える場合に断線判定信号をハイレベルで断線判定部109へ出力し、検出信号Vocが基準電圧Vrefh以下の場合に断線判定信号をローレベルで断線判定部109へ出力する。基準電圧Vrefhとしては、検査信号源104a,104bのばらつき等を考慮しても、明確に断線不良と判定できる程度の電圧値が設定されている。
なお、コンパレータ106,107の代わりに、例えばAD変換器等を用いて検出信号Vocをデジタル値に変換し、例えばCPU(Central Processing Unit)等を用いたデジタル信号処理によって、検出信号Vocの電圧レベルを判定するようにしても良い。
位相差検出部108は、アンプ105から出力された検出信号Vocと、検査信号源104aから出力された検査信号Voaとの間の位相の差を検出するもので、例えば、位相差検出部108は、検出信号Vocと検査信号Voaのピーク位置をそれぞれ検出し、その検出位置を比較することによって、その位相差を検出する。そして、位相差検出部108は、検出した位相差を表す位相差データを断線判定部109へ出力する。
断線判定部109は、コンパレータ106からのゼロ判定信号、コンパレータ107からの断線判定信号、及び位相差検出部108からの位相差データに基づいて、配線42の良否判定を実行し、その判定結果を示す信号を制御部2へ出力する。具体的には、断線判定部109は、コンパレータ106からのゼロ判定信号がハイレベルの場合に配線42は良品であると判定し、コンパレータ107からの断線判定信号がハイレベルの場合に配線42は断線不良であると判定し、ゼロ判定信号及び断線判定信号が共にローレベルかつ位相差検出部108からの位相差データが、予め設定された位相差の範囲内、例えば30度〜90度の範囲内である場合には、配線42が例えばバス電極403だけが断線した場合のように抵抗値を有する状態となった抵抗不良と判定し、その判定結果を示す信号を制御部2へ出力する。なお、位相差データは、理論上、90度を超えることはないが、信号検出の誤差等を考慮した、90度を超える値を位相差範囲の上限値として用いても良い。
次に、短絡検査部200について説明する。検査信号源204aは、例えば周波数1MHzの正弦波の検査信号Vsaを給電プローブ201a及び位相差検出部208へ出力する。検査信号源204bは、例えば検査信号Vsaと位相が180度異なる正弦波の検査信号Vsbを給電プローブ201bへ出力する。
以下、配線45と配線46との間の短絡不良の有無を検査する場合を例に、説明する。給電プローブ201a,201bは、例えばその配線に対向する表面が絶縁膜で覆われた電極であり、それぞれ2本の配線を覆う大きさにされている。そして、図略の検査プレートが基板4上に非接触で対向配置された場合に、給電プローブ201aは、検査対象の配線45,46のうち一方の配線45、及び配線46とは反対側で配線45と隣接する配線44と対向する位置に配設され、配線44,45を広く覆う形状にされている。
同様に、図略の検査プレートが基板4上に非接触で対向配置された場合に、給電プローブ201bは、検査対象の配線45,46のうち他方の配線46、及び配線45とは反対側で配線46と隣接する配線47と対向する位置に配設され、配線46,47を広く覆う形状にされている。
給電プローブ201aは、それが対向する配線45との間で生じる静電結合を介して検査信号源204aからの検査信号Vsaを配線45へ供給する。一方、給電プローブ201bは、それが対向する配線46との間で生じる静電結合を介して検査信号源204bからの検査信号Vsbを配線46へ供給する。
検出プローブ203は、例えばその配線に対向する表面が絶縁膜で覆われた電極であり、基板4に非接触で対向するよう配置された場合に、検査対象の配線45,46のうち一方の配線45の一方端部のみを覆う形状にされている。そして、検出プローブ203は、配線45と対向する位置に配置され、給電プローブ201a,201bから配線45に供給された信号に応じて誘起された電圧を、配線45との間で生じる静電結合を介して検出する。
この場合、給電プローブ201a,201bは、複数の配線パターンを覆う大きな形状にされているので、検出プローブ203を配線45と対向する位置に配置した状態で、基板4がその基板面の平面内で傾いた場合であっても給電プローブ201a,201bが配線45をカバーできる範囲が広く、配線45を給電プローブ201a及び検出プローブ203に対向させ、配線45を給電プローブ201bに対向させるべく位置決めすることが容易となる。なお、給電プローブ201a,201bは、3本以上の配線パターンを覆う大きさであってもよく、あるいは1本の検査対象配線パターンだけを覆う大きさであってもよい。
アンプ205は、検出プローブ203から導かれた信号を位相を変化させずに増幅して検出信号Vscとしてコンパレータ206,207、及び位相差検出部208へ出力する。コンパレータ206は、アンプ205により検出された検出信号Vscが実質的にゼロであることを検出するもので、予め設定された基準電圧Vref0と検出信号Vscとを比較し、検出信号Vscが基準電圧Vref0に満たない場合にゼロ判定信号をハイレベルで短絡判定部209へ出力し、検出信号Vscが基準電圧Vref0以上の場合にゼロ判定信号をローレベルで短絡判定部209へ出力する。
基準電圧Vref0としては、ゼロに対して誤差範囲と判断できる電圧値が設定されており、例えば、検査信号源204a,204bのばらつきや、アンプ205の増幅精度等、検出信号Vscに影響を及ぼす誤差要因を加味した電圧値が設定されている。
コンパレータ207は、アンプ205により検出された検出信号Vscと、断線不良を検知するために予め設定された基準電圧Vrefhとを比較し、検出信号Vscが基準電圧Vrefhを超える場合に良判定信号をハイレベルで短絡判定部209へ出力し、検出信号Vscが基準電圧Vrefh以下の場合に良判定信号をローレベルで短絡判定部209へ出力する。基準電圧Vrefhとしては、検査信号源204a,204bのばらつき等を考慮しても、明確に良品と判断できる程度の電圧値が設定されている。
なお、コンパレータ206,207の代わりに、例えばAD変換器等を用いて検出信号Vscをデジタル値に変換し、例えばCPU(Central Processing Unit)等を用いたデジタル信号処理によって、検出信号Vscの電圧レベルを判定するようにしても良い。
位相差検出部208は、アンプ205から出力された検出信号Vscと、検査信号源204aから出力された検査信号Vsaとの間の位相の差を検出するもので、例えば、位相差検出部208は、検出信号Vscと検査信号Vsaのピーク位置をそれぞれ検出し、その検出位置を比較することによって、その位相差を検出する。そして、位相差検出部208は、検出した位相差を表す位相差データを短絡判定部209へ出力する。
短絡判定部209は、コンパレータ206からのゼロ判定信号、コンパレータ207からの良判定信号、及び位相差検出部208からの位相差データに基づいて、配線45と配線46との間の短絡不良の有無を判定し、その判定結果を示す信号を制御部2へ出力する。具体的には、短絡判定部209は、コンパレータ207からの良判定信号がハイレベルの場合に配線45,46間には短絡不良はないと判定し、コンパレータ206からのゼロ判定信号がハイレベルの場合に配線45,46間は短絡不良であると判定し、ゼロ判定信号及び断線判定信号が共にローレベルかつ位相差検出部108からの位相差データが、予め設定された位相差の範囲内、例えば30度〜90度の範囲内である場合には、配線45,46間は抵抗値を有する状態となった抵抗不良と判定し、その判定結果を示す信号を制御部2へ出力する。
表示部3は、例えば液晶表示パネル等からなる表示装置であり、制御部2から出力された情報を表示する。制御部2は、基板検査装置1全体の動作を制御するもので、例えば、基板検査装置1の制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、一時的にデータを保管するRAM(Random Access Memory)、及びROMに記憶された制御プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)等から構成される。そして、制御部2は、搬送機構52へ制御信号を出力して載置台51上に載置された基板4を移送させたり、断線判定部109及び短絡判定部209から出力された判定結果を示す信号に応じて、その判定結果を表示部3に表示させたりする。
次に、上述のように構成された基板検査装置1の動作について説明する。まず、断線検査部100による断線検査動作について説明する。図4は、断線検査部100の動作を説明するための波形図である。まず、再び図2を参照して、給電プローブ101a,101b、及び検出プローブ103と、配線42とが対向配置された状態で、検査信号源104aから給電プローブ101a及び容量C1を介して配線42へ、図4(a)に示す検査信号Voaが印加される。一方、検査信号源104bから給電プローブ101b及び容量C2を介して配線42へ、図4(b)に示す検査信号Vobが印加される。
今、配線42が良品であれば、検査信号源104aから出力された検査信号Voaと、検査信号源104bから出力された検査信号Vobとが配線42上で合成され、その合成された信号波形が、容量C3及び検出プローブ103を介してアンプ105で検出され、増幅されて検出信号Vocとして、コンパレータ106,107及び位相差検出部108へ出力される。
そうすると、検査信号Voaと検査信号Vobとは、位相が180度異なる、すなわち極性が反転した信号であるので、その電圧が互いに相殺される結果、検出信号Vocの電圧は、理想的にはゼロになる。しかし、実際の装置においては、検査信号源104a,104bのばらつきや、容量C1,C2の差異等の誤差要因により、完全には相殺されず、検出信号Vocの電圧は、図4(d)に示すように、検査信号Voaと検査信号Vobとのうちいずれか影響が大きい方の信号における位相とほぼ同位相の信号波形が検出信号Vocとして得られる。あるいは、検出プローブ103と、その周辺回路部との浮遊容量等の影響により、検出信号Vocの位相は検査信号Voaと検査信号Vobとのうちいずれか影響が大きい方の信号における位相から、わずかにシフトしたものとなる。
このように、検出信号Vocの電圧は、完全にはゼロにならないものの検査信号Voaと検査信号Vobとが配線42上で相殺されることにより、誤差要因による電圧を残して実質的にゼロとなる。
次に、図1を参照して、アンプ105から出力された検出信号Vocが、コンパレータ106によって基準電圧Vref0と比較される。今、検出信号Vocは、実質的にゼロであるので、検出信号Vocは基準電圧Vref0に達せず、コンパレータ106から断線判定部109へゼロ判定信号がハイレベルで出力される。そうすると、断線判定部109によって、配線42は良品であると判定され、配線42は良品である旨の判定結果を示す信号が制御部2へ出力される。そして、制御部2によって、表示部3に配線42は良品である旨の表示がされる。
この場合、検出信号Vocは交流波形であるので、断線判定部109は、一定時間、例えば検査信号Voaの1周期である1μsec以上の間、コンパレータ106から出力されるゼロ判定信号がローレベルにならないことを確認して配線42は良品であると判定する。
次に、配線42が完全に断線している断線不良である場合の断線検査部100の動作を説明する。図5は、配線42が完全に断線している断線不良である場合の断線検査部100の動作を説明するための図である。まず、上述の場合と同様に、検査信号源104aから給電プローブ101a及び容量C1を介して配線42の一方端へ、図4(a)に示す検査信号Voaが印加される一方、検査信号源104bから給電プローブ101b及び容量C2を介して配線42の他方端へ、図4(b)に示す検査信号Vobが印加される。
今、配線42には、断線不良Aが生じている。そうすると、検査信号源104aから出力された検査信号Voaと、検査信号源104bから出力された検査信号Vobとが配線42上で合成されることがなく、検査信号源104aから出力された検査信号Voaが、給電プローブ101a、容量C1、配線42、容量C3及び検出プローブ103を介してアンプ105で検出され、増幅されて検出信号Vocとして、コンパレータ106,107及び位相差検出部108へ出力される。
そうすると、検出信号Vocは、図4(f)に示すように、図4(a)に示す検査信号Voaと同位相の信号となる。この場合、検査信号Voaと検査信号Vobとが合成されて信号レベルが相殺されることがないので、検出信号Vocの信号レベルは配線42が良品の場合よりも高く、基準電圧Vrefhを超えることとなる。
次に、図1を参照して、アンプ105から出力された検出信号Vocが、コンパレータ107によって基準電圧Vrefhと比較される。今、検出信号Vocは、基準電圧Vrefhを超えているので、コンパレータ107から断線判定部109へ断線判定信号がハイレベルで出力される。そうすると、断線判定部109によって、配線42は断線不良品であると判定され、配線42は不良である旨の判定結果を示す信号が制御部2へ出力される。そして、制御部2によって、表示部3に配線42は不良である旨の表示がされる。この場合、検出信号Vocは交流波形であるので、断線判定部109は、一定時間、例えば検査信号Voaの1周期である1μsec以上の間に、コンパレータ107からの断線判定信号がハイレベルなったことが検出されれば、配線42は不良であると判定する。
次に、配線42が中間レベルの抵抗値を有して不完全に断線している抵抗不良である場合の断線検査部100の動作を説明する。図6は、配線42が抵抗不良である場合の断線検査部100の動作を説明するための図である。まず、上述の場合と同様に、検査信号源104aから給電プローブ101a及び容量C1を介して配線42の一方端へ、図4(a)に示す検査信号Voaが印加される一方、検査信号源104bから給電プローブ101b及び容量C2を介して配線42の他方端へ、図4(b)に示す検査信号Vobが印加される。
今、配線42において、バス電極403だけが断線した抵抗不良Bが生じると、抵抗不良Bにおいて、抵抗R1に相当する抵抗が生じる。そうすると、検査信号源104aから給電プローブ101a、容量C1、抵抗R1、容量C2、給電プローブ101bを経由して検査信号源104bにいたるCR直列回路が構成される。そうすると、検査信号源104a,104bから出力される電流Ioa,Iobは、検査信号Voa,Vobに対して、位相差θだけ進み位相となる。
この場合、位相差θは、容量C1の容量リアクタンスをXc11と容量C2の容量リアクタンスをXc12とすると、
Xc11=1/(2×π×f×C1)・・・(1)
Xc12=1/(2×π×f×C2)・・・(2)
また、容量C1と容量C2とは直列に接続されているので、合成されたリアクタンスはXc11+Xc12となり、
θ=Tan-1((Xc11+Xc12)/R1)
・・・(3)
となる。
例えば、配線42の幅Wが0.15mm、配線42の長さ方向における給電プローブ101a,101bの長さLがそれぞれ100mm、配線42と給電プローブ101a,101bとの間隔Dが0.50mmとすると、容量C1,C2は、それぞれ
C1=C2=ε0×εr×S/D ・・・(4)
ただし、
S=W×L
ε0(真空の誘電率)=8.85×10-12(F/m)
εr(比誘電率)=1
となり、C1=C2=0.27pFが得られる。今、周波数fは、1MHzであるから、式(1)〜式(3)に基づいて位相差θを算出すると、抵抗R1=100Ω〜100kΩの範囲ではθ=90°、抵抗R1=1MΩではθ=85°、抵抗R1=10MΩではθ=50°、抵抗R1=20MΩではθ=31°となる。
従って、抵抗R1が100Ω〜20MΩの範囲で、検査信号源104a,104bから出力される電流Ioa,Iobは、それぞれ検査信号Voa、Vobよりも位相が90度〜31度の範囲で進むこととなる。例えば、抵抗R1が100Ωであれば、抵抗R1を流れる電流は、図4(c)に示すように、検査信号Voaとは位相が90度ずれた位置でピークとなる。一方、配線42における検出プローブ103との対向部分に生じる電圧は、電流が抵抗R1に流れたことによる電圧降下に起因して生じるため、その電圧もまた、検査信号Voaとは位相が90度ずれた電圧となる。この電圧が容量C3、検出プローブ103を介してアンプ105で検出され、増幅されて検出信号Vocとして、コンパレータ106,107及び位相差検出部108へ出力される。そうすると、検出信号Vocは、図4(e)に示すように、図4(a)に示す検査信号Voaとは位相が90度ずれた信号となる。同様に、抵抗R1が100Ω〜20MΩの範囲では、検出信号Vocと検査信号Voaとは位相が90度〜31度の範囲でずれた信号となる。
また、図4(e)に示す検出信号Vocは、抵抗R1のために、配線42が良品の際のように配線42が低抵抗で導通した状態で検査信号Voa、Vobが合成された場合よりも電圧レベルが高くなる。さらに、図4(e)に示す検出信号Vocは、抵抗R1を介して検査信号Voa、Vobの信号レベルが相殺されるので、配線42が完全に断線している場合よりも電圧レベルが低くなる。そのため、図4(e)に示す検出信号Vocは、基準電圧Vref0と、基準電圧Vrefhの中間電圧となる場合がある。
このような場合、アンプ105から出力された検出信号Vocは、コンパレータ106によって基準電圧Vref0と比較される結果、検出信号Vocは基準電圧Vref0以上であるためコンパレータ106から断線判定部109へゼロ判定信号がローレベルで出力される。一方、検出信号Vocは、コンパレータ107によって基準電圧Vrefhと比較される結果、検出信号Vocは基準電圧Vrefh以下であるので、コンパレータ107から断線判定部109へ断線信号がロ−レベルで出力される。そうすると、断線判定部109は、検出信号Vocの電圧レベルによっては、ゼロ判定信号がローレベルであるため配線42を良品と判断することができず、断線信号がロ−レベルであるため配線42を不良と判断することもできない。
その一方、例えば抵抗R1が100Ωであれば、位相差検出部108によって、アンプ105から出力された検出信号Vocと、検査信号源104aから出力された検査信号Voaとに基づいて、位相差90度を示す位相差データが断線判定部109へ出力される。そして、断線判定部109によって、位相差データが30度〜90度の範囲内であるので、配線42は抵抗不良と判定される。同様に、例えば抵抗R1が100Ω〜20MΩの範囲内であれば、位相差データは90度〜31度の範囲となり、断線判定部109によって配線42は抵抗不良と判定される。そして、配線42は不良である旨の判定結果を示す信号が制御部2へ出力され、制御部2によって、表示部3に配線42は不良である旨の表示がされる。
これにより、中間レベルの抵抗値R1を有する断線不良を、検出信号Vocの信号レベルによることなく、検出信号Vocの位相を用いて検出することができるので、非接触の検査用プローブを用いて中間レベルの抵抗値を有する断線不良を検出することができる。
ここで、断線判定部109において、抵抗不良の判定基準として位相差範囲30度〜90度が予め設定される例を示したが、位相差範囲は30度〜90度に限られず、例えば、配線幅W、配線の長さ方向における給電プローブの長さL、配線と給電プローブとの間隔Dから式(4)に基づき得られる容量等の容量C1,C2や、検査信号Voa,Vobの周波数f、抵抗不良として検出しようとする抵抗値の範囲、等に応じて、式(1)〜式(3)に基づき位相差範囲を設定すればよい。
次に、短絡検査部200による短絡検査動作について、図3を参照しつつ説明する。図3において、配線45,46は、長手方向と交差する方向の断面を示している。また、図7は、短絡検査部200の動作を説明するための波形図である。まず、給電プローブ201a及び検出プローブ203と、配線45とが対向配置され、給電プローブ201bと配線46とが対向配置された状態で、検査信号源204aから給電プローブ201a及び容量C4を介して配線45へ、図7(a)に示す検査信号Vsaが印加される一方、検査信号源204bから給電プローブ201b及び容量C5を介して配線46へ、図7(b)に示す検査信号Vsbが印加される。
今、配線45,46が短絡や抵抗不良がなく、良品であれば、検査信号源204aから出力された検査信号Vsaが、給電プローブ201a、容量C4、配線45、容量C6及び検出プローブ203を介してアンプ205で検出され、増幅されて検出信号Vscとして、コンパレータ206,207及び位相差検出部208へ出力される。
そうすると、検出信号Vscは、図7(f)に示すように、図7(a)に示す検査信号Vsaと同位相の信号となる。この場合、検出信号Vscの信号レベルは基準電圧Vrefhを超えることとなる。
次に、図1を参照して、アンプ205から出力された検出信号Vscが、コンパレータ207によって基準電圧Vrefhと比較される。今、検出信号Vscは、基準電圧Vrefhを超えているので、コンパレータ207から短絡判定部209へ良判定信号がハイレベルで出力される。そうすると、短絡判定部209によって、配線45,46間には短絡不良はなく、良品であると判定され、配線45,46間には短絡不良が無い旨の判定結果を示す信号が制御部2へ出力される。そして、制御部2によって、表示部3に配線45,46間には短絡不良が無い旨の表示がされる。この場合、検出信号Vscは交流波形であるので、短絡判定部209は、一定時間、例えば検査信号Vsaの1周期である1μsec以上の間に、コンパレータ207からの良判定信号がハイレベルなったことが検出されれば、配線45,46間には短絡不良はないと判定する。
次に、配線45,46間に短絡不良が生じている場合の基板検査装置1の動作を説明する。図8は、配線45,46間に短絡不良が生じている場合の基板検査装置1の動作を説明するための概念図である。図8において、配線45,46間には、例えば銀等の金属皮膜Cが形成され、配線45,46間が低抵抗で短絡している。
この場合、まず、検査信号源204aから出力された検査信号Vsaと、検査信号源204bから出力された検査信号Vsbとが金属皮膜C上で合成され、その合成された信号波形が、容量C6及び検出プローブ203を介してアンプ205で検出され、増幅されて検出信号Vscとして、コンパレータ206,207及び位相差検出部208へ出力される。
そうすると、検査信号Vsaと検査信号Vsbとは、位相が180度異なる、すなわち極性が反転した信号であるので、その電圧が互いに相殺される結果、検出信号Vscの電圧は、図7(d)に示すように、実質的にゼロとなる。この場合、検査信号Vsaと検査信号Vsbとのうちいずれか影響が大きい方の信号における位相とほぼ同位相の信号波形が検出信号Vscとして得られる。あるいは、検出プローブ203と、その周辺回路部との浮遊容量等の影響により、検出信号Vscの位相は検査信号Vsaと検査信号Vsbとのうちいずれか影響が大きい方の信号における位相から、わずかにシフトしたものとなる。
次に、図1を参照して、アンプ205から出力された検出信号Vscが、コンパレータ206によって基準電圧Vref0と比較される。今、検出信号Vscは、実質的にゼロであるので、検出信号Vscは基準電圧Vref0に満たず、コンパレータ206から短絡判定部209へゼロ判定信号がハイレベルで出力される。そうすると、短絡判定部209によって、配線45,46間に短絡不良があると判定され、配線45,46間は不良品である旨の判定結果を示す信号が制御部2へ出力される。そして、制御部2によって、表示部3に配線45,46間は不良である旨の表示がされる。
次に、配線45,46間が抵抗値を有して導通している抵抗不良である場合の短絡検査部200の動作を説明する。図9は、配線45,46間が抵抗不良である場合の短絡検査部200の動作を説明するための図である。図9において、配線45,46間には、例えばITO膜が形成され、配線45,46間に抵抗R2が生じている。
まず、検査信号源204aから給電プローブ201a及び容量C4を介して配線45へ、図7(a)に示す検査信号Vsaが印加される一方、検査信号源204bから給電プローブ201b及び容量C5を介して配線45へ、図7(b)に示す検査信号Vsbが印加される。そうすると、検査信号源204aから給電プローブ201a、容量C4、抵抗R2、容量C5、給電プローブ201bを経由して検査信号源204bにいたるCR直列回路が構成される。そうすると、検査信号源204a,204bから出力される電流Isa,Isbは、検査信号Vsa、Vsbに対して、位相差θだけ進み位相となる。
この場合、位相差θは、容量C4の容量リアクタンスをXc21と容量C5の容量リアクタンスをXc22とすると、
Xc21=1/(2×π×f×C4)・・・(5)
Xc22=1/(2×π×f×C5)・・・(6)
また、容量C4と容量C5とは直列に接続されているので、合成されたリアクタンスはXc21+Xc22となり、
θ=Tan-1((Xc21+Xc22)/R2)
・・・(7)
となる。
例えば、配線45,46の幅Wがそれぞれ0.15mm、配線45,46の長さ方向における給電プローブ201a,201bの長さLがそれぞれ100mm、配線45,46と給電プローブ201a,201bとの間隔Dが0.50mmとすると、容量C4,C5は、それぞれ
C4=C5=ε0×εr×S/D ・・・(8)
ただし、
S=W×L
ε0(真空の誘電率)=8.85×10-12(F/m)
εr(比誘電率)=1
となり、C4=C5=0.27pFが得られる。
今、周波数fは、1MHzであるから、式(5)〜式(7)に基づいて位相差θを算出すると、抵抗R2=100Ω〜100kΩの範囲ではθ=90°、抵抗R2=1MΩではθ=85°、抵抗R2=10MΩではθ=50°、抵抗R2=20MΩではθ=31°となる。
従って、抵抗R2が100Ω〜20MΩの範囲で、検査信号源204a,204bから出力される電流Isa,Isbは、それぞれ検査信号Vsa、Vsbよりも位相が90度〜31度の範囲で進むこととなる。例えば、抵抗R2が100Ωであれば、検査信号源204a,204bから出力される電流Isa,Isbは、それぞれ検査信号Vsa、Vsbよりも位相が90度進む。
したがって、抵抗R2を流れる電流は、抵抗R2が100Ωであれば、図7(c)に示すように、検査信号Vsaとは位相が90度ずれた位置でピークとなる。一方、配線45における検出プローブ203との対向部分に生じる電圧は、電流が抵抗R2に流れたことによる電圧降下に起因して生じるため、その電圧もまた、検査信号Vsaとは位相が90度ずれた電圧となる。この電圧が容量C6、検出プローブ203を介してアンプ205で検出され、増幅されて検出信号Vscとして、コンパレータ206,207及び位相差検出部208へ出力される。そうすると、検出信号Vscは、図7(e)に示すように、図7(a)に示す検査信号Vsaとは位相が90度ずれた信号となる。同様に、抵抗R2が100Ω〜20MΩの範囲では、検出信号Vscと検査信号Vsaとは位相が90度〜31度の範囲でずれた信号となる。
また、図7(e)に示す検出信号Vscは、抵抗R2のために、配線45,46が低抵抗で導通した状態で検査信号Vsa、Vsbが合成された場合よりも電圧レベルが高くなる。さらに、図7(e)に示す検出信号Vscは、抵抗R2を介して検査信号Vsa、Vsbの信号レベルが相殺されるので、配線45,46が絶縁され、良品状態の場合よりも電圧レベルが低くなる。そのため、図7(e)に示す検出信号Vscは、基準電圧Vref0と、基準電圧Vrefhの中間電圧となる場合がある。
このような場合、アンプ205から出力された検出信号Vscは、コンパレータ206によって基準電圧Vref0と比較される結果、検出信号Vscは基準電圧Vref0以上であるためコンパレータ206から短絡判定部209へゼロ判定信号がローレベルで出力される。一方、検出信号Vscは、コンパレータ207によって基準電圧Vrefhと比較される結果、検出信号Vscは基準電圧Vrefh以下であるので、コンパレータ207から短絡判定部209へ良判定信号がローレベルで出力される。そうすると、短絡判定部209は、検出信号Vscの電圧レベルによっては、ゼロ判定信号がローレベルであるため配線45,46間を短絡不良と判断することができず、良判定信号がローレベルであるため配線45,46間を良と判断することもできない。
その一方、例えば抵抗R2が100Ωであれば、位相差検出部208によって、アンプ205から出力された検出信号Vscと、検査信号源204aから出力された検査信号Vsaとに基づいて、位相差90度を示す位相差データが短絡判定部209へ出力される。そして、短絡判定部209によって、位相差データが位相差範囲30度〜90度の範囲内であるので、配線45,46間は抵抗不良と判定される。同様に、例えば抵抗R2が100Ω〜20MΩの範囲内であれば、位相差データは90度〜31度の範囲となり、短絡判定部209によって配線45,46間は抵抗不良と判定される。そして、配線45,46間は不良である旨の判定結果を示す信号が制御部2へ出力される。そして、制御部2によって、表示部3に配線45,46間は不良である旨の表示がされる。
これにより、中間レベルの抵抗値を有する短絡不良を、検出信号Vscの信号レベルによることなく、検出信号Vscの位相を用いて検出することができるので、非接触の検査用プローブを用いて中間レベルの抵抗値を有する短絡不良を検出することができる。
ここで、短絡判定部209において、抵抗不良の判定基準として位相差範囲30度〜90度が予め設定される例を示したが、位相差範囲は30度〜90度に限られず、例えば、配線幅W、配線の長さ方向における給電プローブの長さL、配線と給電プローブとの間隔Dから式(8)に基づき得られる容量等の容量C1,C2や、検査信号Voa,Vobの周波数f、抵抗不良として検出しようとする抵抗値の範囲、等に応じて、式(5)〜式(7)に基づき位相差範囲を設定すればよい。
次に、図1を参照しつつ基板検査装置1全体の動作を説明する。まず、載置台51上に基板4が載置されると、制御部2からの制御信号に応じて搬送機構52が駆動され、基板4の図中下側端部に形成されている配線47と、給電プローブ101a,101b、及び検出プローブ103とが対向配置される位置に位置決めされる。そして、制御部2からの制御信号に応じて、上述の断線検査部100による断線検査が配線47について開始されると共に、搬送機構52によって基板4が矢印Yの方向に一定の速度で移送される。
そして、基板4が一定速度で移送されることにより、配線47,46,45,44,43が、順次給電プローブ101a,101b、及び検出プローブ103と対向し、各配線について断線検査部100による断線検査が行われる。また、順次給電プローブ101a,101b、及び検出プローブ103と配線43とが対向する際、給電プローブ201a及び検出プローブ203と配線45とが対向し、給電プローブ201bと、配線46とが対向する。そうすると、制御部2からの制御信号に応じて、上述の短絡検査部200による短絡検査が配線46,47間について開始される。
さらに、基板4が一定速度で移送され続けることにより、基板4の基板面に形成されたすべての配線47,46,45,44,43,42,41について、断線検査部100による断線検査が行われると共に、各配線間についての短絡検査が短絡検査部200によって実行される。
これにより、基板4を一定速度で移送しつつ、連続的にすべての配線47,46,45,44,43,42,41について、断線検査と短絡検査とを行うことができる。また、基板4を一定速度で移送し続けたままで断線検査と短絡検査とを行うので、各配線を検査する毎に基板4を停止させることがなく、検査時間を短縮することが容易である。さらに、給電プローブ101a,101b、検出プローブ103、給電プローブ201a,201b、及び検出プローブ203と、基板4の基板面及び各配線との間に微少な間隔を保持した物理的に非接触の状態を維持しつつ基板4が移送され、各配線の検査が行われるので、各プローブと基板との間に摩擦が生じることが無く、各配線の損傷を抑制することができる。
なお、基板検査装置1は、断線検査部100と短絡検査部200とを備える例を示したが、断線検査部100のみ、あるいは短絡検査部200のみを備える基板検査装置であってもよい。また、検査対象の配線47,46,45,44,43,42,41が、等間隔で形成されており、断線検査用の給電プローブ101a,101b、検出プローブ103と、短絡検査用の給電プローブ201a,201b、及び検出プローブ203とが、同時にそれぞれ検査対象の配線と対向する位置に位置決めされる例を示したが、断線検査部100及び短絡検査部200は、それぞれ独立して、それぞれのプローブと検査対象の配線とが対向したタイミングで検査を実行すればよく、各配線が等間隔で形成されている例に限定されない。
また、検査対象の配線は、平行な配線でなくてもよい。例えば、プラズマディスプレイパネルに用いられるガラス基板は、配線の一方端が、コネクタとの接続を容易にするために、その配線間隔が狭くなっている場合がある。図10は、このような一方端側の配線間隔が狭くなっているガラス基板4aに、図1に示す断線検査部100における給電プローブ101a,101b、検出プローブ103を対向させた場合の例を示す図である。図10に示すように、給電プローブ101a,101bは、複数の配線をカバーする形状にされていると共に、検出プローブ103は、検査対象となる配線の一方端側からのみ信号を検出する。従って、検査対象の配線がその両端部で配線間隔が異なっている場合であっても、断線検査部100は、図1に示す基板4を検査する場合と同様に基板4aを矢印Yの方向に移送させつつ連続して各配線の断線検査を行うことができる。この場合、検出プローブ103を配線間隔が広い配線端側に対向させるようにすれば、検出プローブ103を大きくすることができ、検出プローブ103の製造が容易になる。
また、図11は、一方端側の配線間隔が狭くなっているガラス基板4aに、図1に示す短絡検査部200における給電プローブ201a,201b、検出プローブ203を対向させた場合の例を示す図である。図11に示すように、短絡検査部200においては、検出プローブ203は、検査対象となる配線の一方端側からのみ信号を検出すると共に、配線間隔が狭くなっている他端部には、給電プローブ201a,201bを対向させる必要がない。従って、検査対象の配線がその両端部で配線間隔が異なっている場合であっても、断線検査部100は、図1に示す基板4を検査する場合と同様に基板4aを矢印Yの方向に移送させつつ連続して各配線の断線検査を行うことができる。
また、各プローブは、基板4の基板面や各配線と、微少な間隔を空けた物理的に非接触の状態で対向配置される例に限られず、例えば表面を絶縁膜で覆ったプローブを物理的に配線に接触させつつ電気的に非接触の状態で、配線と対向配置させてもよい。
また、検査信号源104aと検査信号源104bとを用いる例を示したが、単一の信号源を用いてその中点をグラウンドに接続してもよい。また、単一の信号源を用いて給電プローブ101a,101bへ検査用信号を供給する場合、給電プローブ101a,101bのいずれか一方をグラウンドに接続してもよいが、この場合、グラウンドを基準にして当該信号源の出力側との間に含まれる容量と抵抗との分圧比により検出信号レベルが決まるので、検査の誤差要因が増大することとなる。
図21は、配線42に生じた断線不良の抵抗R1及び、配線45,46間に生じた短絡不良の抵抗R2の抵抗値と、検査信号Voa、Vobと電流Ioa,Iobとの間、及び検査信号Vsa、Vsbと電流Isa,Isbとの間の位相差θと、の関係を示すグラフである。図21において、グラフG1は電極長さL=10mm、グラフG2は電極長さL=100mm、グラフG3は電極長さL=200mmにおけるグラフであり、検査信号Voa、Vob、Vsa、Vsbの周波数fは、いずれも1MHzの場合を示している。
図21に示すグラフG1,G2,G3のように、電極長さLを変化させた場合であっても、不良部分の抵抗値が100Ω〜100kΩの範囲で位相差θは、ほぼ90度となる。従って、断線判定部109、及び短絡判定部209により抵抗不良と判定される位相差θをほぼ90度とすれば、例えば100Ω〜100kΩ程度の抵抗不良を検出することが容易である。また、断線判定部109、及び短絡判定部209により抵抗不良と判定される位相差θの範囲を、30度〜90度とすれば、グラフG1,G2,G3のうち最も条件の悪いグラフG1(L=10mm)の場合であっても、例えば100Ω〜1MΩ程度の抵抗不良を検出することが容易である。
一方、例えば、背景技術に係る特許文献2に記載の基板検査装置においては、センサで得られる電流分布と、良品の基板によって得られた電流分布との一致、不一致を判定することにより、配線パターンの良否を判定するものであるため、中間的な抵抗値を有する不良を検出することは困難である。
図22は、検出プローブ103と、検査対象となる配線、例えば配線42との間の距離が、検出プローブ103によって検出される電圧に与える影響を説明するための模式図である。図22において、電源E1は、給電プローブ101a,101bによって配線42に誘起される電圧をモデル化したものである。電圧計V1は、検出プローブ103によって検出された電圧を検出するアンプ105をモデル化したものである。そして、可変容量CXは、検出プローブ103と、検査対象となる配線、例えば配線42との間に生じる容量C3をモデル化したものである。そして、検出プローブ103と配線42との間の距離が増加することは、容量CXが減少することに相当し、検出プローブ103と配線42との間の距離が減少することは、容量CXが増加することに相当する。
ここで、電圧計V1の入力インピーダンス、すなわちアンプ105の入力インピーダンスは極めて高いため、容量CXにはほとんど電流が流れることがない。そのため、電圧計V1により測定される電圧は、原理上、容量CXの影響をほとんど受けない。すなわち、検出信号Vocは、検出プローブ103と配線42との間の距離変化による影響をほとんど受けない。
一方、図29は、例えば、背景技術に係る特許文献2に記載の基板検査装置のように、検査対象の配線パターンから非接触のセンサにより変位電流を検出する構成について、センサと検査対象となる配線パターンとの間の距離が、センサによって検出される電流に与える影響を説明するための模式図である。図29において、電源E2は、スティミュレータによって、配線パターンに誘起される電圧をモデル化したものである。電流計A1は、センサによって検出された電流を測定する電流計をモデル化したものである。そして、可変容量CYは、センサと配線パターンとの間に生じる静電容量をモデル化したものである。そして、センサと配線パターンとの間の距離が増加することは、容量CYが減少することに相当し、センサと配線パターンとの間の距離が減少することは、容量CYが増加することに相当する。
この場合、電流計A1の入力インピーダンスは、電流測定の必要から、極めて低インピーダンスにする必要がある。そのため、電源E2、可変容量CY、及び電流計A1からなる閉回路には、ほぼ可変容量CYの容量値に比例する電流iyが流れ、この電流iyに基づき配線パターンの良否判定が行われる。
従って、基板検査装置1においては、中間レベルの抵抗値を有する短絡不良を検出信号Vscの信号レベルによることなく検出信号Vscの位相を用いて検出することができるので、中間レベルの抵抗値を有する短絡不良の検出に対する配線と検査用プローブとの間における距離変化の影響を低減することができ、さらに、完全に断線した断線不良、及び完全に短絡した短絡不良を検出する場合であっても、上述の背景技術に係る基板検査装置のように電流を検出する構成に比して、配線と検査用プローブとの間における距離変化の影響を低減することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2の実施の形態による基板検査装置について説明する。図12は、本発明の第2の実施の形態による基板検査装置の構成の一例を示すブロック図である。図12に示す基板検査装置1aと図1に示す基板検査装置1とでは、下記の点で異なる。すなわち、図12に示す基板検査装置1aでは、断線検査部100aは、コンパレータ106,107を備えず、検出プローブ110、アンプ111、及び位相差検出部112をさらに備える。また、短絡検査部200aは、コンパレータ206,207を備えず、検出プローブ210、アンプ211、及び位相差検出部212をさらに備える。
その他の構成は図1に示す基板検査装置1と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の特徴的な点について説明する。
検出プローブ110は、検出プローブ103と同様の信号検出用プローブであり、図略の検査プレートに、他のプローブと共に一体に設けられている。また、検出プローブ103と検出プローブ110とは、当該検査プレートと対向する載置台51上に基板4が載置された場合に、それぞれ検査対象となる配線に、その両端部でそれぞれ対向するべく、当該検査プレート上に配置されている。
検出プローブ210は、検出プローブ203と同様の信号検出用プローブであり、図略の検査プレートに、他のプローブと共に一体に設けられている。また、検出プローブ203と検出プローブ210とは、当該検査プレートと対向する載置台51上に基板4が載置された場合に、短絡検査の対象となる一方の検査対象配線に検出プローブ203が対向し、他方の検査対象配線に検出プローブ210が対向するべく当該検査プレート上に配置されている。
これにより、載置台51上に基板4が載置されると、検出プローブ110及び検出プローブ210は、他のプローブと同様に基板4の基板面とが微少な間隔を空けた物理的及び電気的に非接触の状態で対向配置される。そして、検出プローブ110及び検出プローブ210は、それぞれ対向する配線との間で生じた静電容量を介してその配線と、結合される。
以下、配線42の断線検査を行なうべく給電プローブ101a,101b、検出プローブ103,110を配線42に対向させ、配線45と配線46との間の短絡不良の有無を検査するべく検出プローブ203と給電プローブ201aとを配線45に、検出プローブ210と給電プローブ201bとを配線46に対向させる場合を例に、説明する。
アンプ111は、検出プローブ110から導かれた信号を位相を変化させずに増幅して検出信号Vodとして位相差検出部112へ出力する。アンプ211は、検出プローブ210から導かれた信号を位相を変化させずに増幅して検出信号Vsdとして位相差検出部212へ出力する。
位相差検出部112は、アンプ105から出力された検出信号Vocと、アンプ111から出力された検出信号Vodとの間の位相の差を検出し、その位相差を表す位相差データを断線判定部109aへ出力する。位相差検出部212は、アンプ205から出力された検出信号Vscと、アンプ211から出力された検出信号Vsdとの間の位相の差を検出し、その位相差を表す位相差データを短絡判定部209aへ出力する。
断線判定部109aは、位相差検出部108からの位相差データと、位相差検出部112からの位相差データとに基づいて、配線42の良否判定を実行し、その判定結果を示す信号を制御部2へ出力する。具体的には、断線判定部109aは、位相差検出部112からの位相差データが実質的に0度である場合に配線42は良品であると判定し、位相差検出部112からの位相差データが実質的に180度であり、かつ位相差検出部108からの位相差データが予め設定された位相差の範囲内、例えば30度〜90度である場合に配線42は抵抗値を有する状態となった抵抗不良と判定し、位相差検出部112からの位相差データが実質的に180度であり、かつ位相差検出部108からの位相差データが実質的に0度である場合に配線42は断線不良と判定し、その判定結果を示す信号を制御部2へ出力する。
短絡判定部209aは、位相差検出部208からの位相差データと、位相差検出部212からの位相差データとに基づいて、配線45と配線46との間の短絡検査を実行し、その判定結果を示す信号を制御部2へ出力する。具体的には、短絡判定部209aは、位相差検出部212からの位相差データが実質的に0度である場合に配線45,46間は短絡不良であると判定し、位相差検出部212からの位相差データが実質的に180度であり、かつ位相差検出部208からの位相差データが予め設定された位相差の範囲内、例えば30度〜90度である場合に配線45,46間は抵抗値を有する状態となった抵抗不良と判定し、位相差検出部212からの位相差データが実質的に180度であり、かつ位相差検出部208からの位相差データが実質的に0度である場合に配線45,46間には不良がないと判定し、その判定結果を示す信号を制御部2へ出力する。
次に、上述のように構成された基板検査装置1aの動作について説明する。まず、断線検査部100aによる断線検査動作について説明する。図13は、断線検査部100aの動作を説明するための波形図である。また、図14は、図12に示す基板検査装置1aのX−X部分断面図である。まず、図14を参照して、給電プローブ101a,101b、及び検出プローブ103と、配線42とが対向配置された状態で、検査信号源104aから給電プローブ101a及び容量C1を介して配線42へ、図13(a)に示す検査信号Voaが印加される。一方、検査信号源104bから給電プローブ101b及び容量C2を介して配線42へ、図4(b)に示す検査信号Vobが印加される。
今、配線42が良品であれば、検査信号源104aから出力された検査信号Voaと、検査信号源104bから出力された検査信号Vobとが配線42上で合成され、その合成された信号波形が、容量C3及び検出プローブ103を介してアンプ105で検出され、増幅されて検出信号Vocとして、位相差検出部108,112へ出力される。
そうすると、検査信号Voaと検査信号Vobとは、位相が180度異なる、すなわち極性が反転した信号であるので、その電圧が互いに相殺される結果、検出信号Vocの電圧は、理想的にはゼロになる。しかし、実際の装置においては、検査信号源204a,204bのばらつきや、容量C1,C2の差異等の誤差要因により、完全には相殺されない場合がある。この場合、誤差要因がある程度の小さな範囲内であれば、検査対象の配線42が良品の場合と完全な断線不良である場合とで、得られる検出信号Vocの信号レベルに明らかな差異が生じるため、図1に示す基板検査装置1のように、検出信号Vocの信号レベルに基づいて、配線42が良品であるか、完全な断線不良であるかを判定することができる。しかし、誤差要因が増大すると、配線42が良品の場合と完全な断線不良である場合とで得られる検出信号Vocの信号レベルが接近したり重複部分が生じたりするため、検出信号Vocの信号レベルに基づいて、配線42が良品であるか、完全な断線不良であるかを判定することが困難となる。
そこで、図12に示す基板検査装置1aにおいては、検出信号Vocと検出信号Vodとの位相差に基づいて、配線42が良品であるか、完全な断線不良であるかを判定する。具体的には、配線42が良品であれば、検査信号源104aから出力された検査信号Voaと、検査信号源104bから出力された検査信号Vobとが配線42上で合成され、その合成された信号波形が、配線42の一方端で容量C3及び検出プローブ103を介してアンプ105で検出され、増幅されて検出信号Vocとして、位相差検出部108及び位相差検出部112へ出力される。一方、配線42上で合成された同じ信号波形が、配線42の他端で容量C7及び検出プローブ110を介してアンプ111で検出され、増幅されて検出信号Vodとして、位相差検出部112へ出力される。
そうすると、検出信号Vocと検出信号Vodとは、配線42上で合成された同じ信号波形が配線42の両端部から検出されたものであるので、図13(d)に示すように検出信号Vocと検出信号Vodの位相差はほぼ一致し、すなわち実質的に0度となる。従って、位相差検出部112によって、検出信号Vocと検出信号Vodの位相差が比較され、実質的に0度を示す位相差データが断線判定部109aへ出力され、断線判定部109aによって、配線42は良品であると判定され、配線42は良品である旨の判定結果を示す信号が制御部2へ出力される。そして、制御部2によって、表示部3に配線42は良品である旨の表示がされる。
また、この場合、検査信号Voaと検査信号Vobとは互いに位相が180度異なるため、配線42上で合成された信号波形は、検査信号Voaと検査信号Vobとのうちいずれか影響が大きい方の信号における位相とほぼ同位相の信号波形となるため、検出信号Vocと検査信号Voaの位相差は、実質的に0度又は実質的に180度となる。
次に、配線42が不完全に断線している抵抗不良である場合の断線検査部100aの動作を説明する。この場合、上述の基板検査装置1における断線検査部100と同様にして、例えば抵抗R1が100Ωであれば、検出信号Vocは、図13(e)に示すように、図13(a)に示す検査信号Voaとは位相が90度ずれた信号となる。また、抵抗不良Bに生じた抵抗R1による電圧降下によって、検出信号Vocと検出信号Vodとの間には、180度の位相差が生じる。
そして、位相差検出部108によって、アンプ105から出力された検出信号Vocと、検査信号源104aから出力された検査信号Voaとに基づいて、位相差90度を示す位相差データが断線判定部109aへ出力される。さらに、断線判定部109aによって、位相差データが実質的に90度であるので、配線42は抵抗不良と判定され、配線42は不良である旨の判定結果を示す信号が制御部2へ出力される。そして、制御部2によって、表示部3に配線42は不良である旨の表示がされる。
次に、配線42が完全に断線している断線不良である場合の断線検査部100aの動作を説明する。図15は、配線42が完全に断線している断線不良である場合の断線検査部100aの動作を説明するための図である。まず、検査信号源104aから図13(a)に示す検査信号Voaが、給電プローブ101a及び容量C1を介して配線42の一方端へ印加される一方、検査信号Voaとは180度位相が異なる検査信号Vob(図13(b))が検査信号源104bから給電プローブ101b及び容量C2を介して配線42の他方端へ印加される。
今、配線42には、断線不良Dが生じている。そうすると、検査信号源104aから出力された検査信号Voaと、検査信号源104bから出力された検査信号Vobとが配線42上で合成されることがない。従って、検査信号源104aから出力された検査信号Voaが、位相が変化することなく給電プローブ101a、容量C1、配線42、容量C3及び検出プローブ103を介してアンプ105で検出され、増幅されて検出信号Vocとして位相差検出部108及び位相差検出部112へ出力される。一方、検査信号源104bから出力された検査信号Vobが、位相が変化することなく給電プローブ101a、容量C2、配線42、容量C7及び検出プローブ110を介してアンプ111で検出され、増幅されて検出信号Vodとして位相差検出部112へ出力される。
そうすると、検出信号Vocは、図13(f)に示すように、図13(a)に示す検査信号Voaと同位相、かつ検出信号Vocと検出信号Vodとは位相が180度異なる。したがって、位相差検出部108から断線判定部109aへ実質的に0度を示す位相差データが出力され、位相差検出部112から断線判定部109aへ実質的に180度を示す位相差データが出力される。
そして、断線判定部109aによって、位相差検出部108からの位相差データが実質的に0度であり、かつ位相差検出部112からの位相差データが実質的に180度であるので、配線42は断線不良と判定され、その判定結果を示す信号が制御部2へ出力される。そして、制御部2によって、表示部3に配線42は不良である旨の表示がされる。
以上の動作により、検査対象の配線42について、検出信号Vocの信号レベルによることなく、プローブと配線との結合容量等の影響を受け難い検出信号Voc、Vodの位相を用いて検出することができるので、非接触の検査用プローブを用いた断線検査の精度を向上させることができる。
また、プローブと配線との結合容量等の影響を受け難い検出信号Voc、Vodの位相を用いて不良を検出することができるので、配線と検査用プローブとの間における距離変化の影響を低減することができる。
次に、短絡検査部200aによる短絡検査動作について説明する。図16は、短絡検査部200aの動作を説明するための波形図である。また、図17は、短絡検査部200aの動作を説明するための概念図である。図17において、配線45,46は、長手方向と交差する方向の断面図である。まず、図17を参照して、給電プローブ201a及び検出プローブ203と配線45、給電プローブ201b及び検出プローブ210と配線46がそれぞれ対向配置された状態で、検査信号源204aから給電プローブ201a及び容量C4を介して配線45へ、図16(a)に示す検査信号Vsaが印加される。一方、検査信号源204bから給電プローブ201b及び容量C5を介して配線46へ、検査信号Vsaとは180度位相が異なる検査信号Vsb(図16(b))が印加される。
今、配線45,46間に短絡等の不良がなければ、検査信号源204aから出力された検査信号Vsaと、検査信号源204bから出力された検査信号Vsbとが合成されることがない。従って、検査信号源204aから出力された検査信号Vsaが、位相が変化することなく給電プローブ201a、容量C4、配線45、容量C6及び検出プローブ203を介してアンプ205で検出され、増幅されて検出信号Vscとして位相差検出部208及び位相差検出部212へ出力される。一方、検査信号源204bから出力された検査信号Vsbが、位相が変化することなく給電プローブ201a、容量C5、配線46、容量C8及び検出プローブ210を介してアンプ211で検出され、増幅されて検出信号Vsdとして位相差検出部212へ出力される。
そうすると、検出信号Vscは、図16(f)に示すように、図16(a)に示す検査信号Vsaと同位相、かつ検出信号Vscと検出信号Vsdとは位相が180度異なる。したがって、位相差検出部208から短絡判定部209aへ実質的に0度を示す位相差データが出力され、位相差検出部212から短絡判定部209aへ実質的に180度を示す位相差データが出力される。
そして、短絡判定部209aによって、位相差検出部208からの位相差データが実質的に0度であり、かつ位相差検出部212からの位相差データが実質的に180度であるので、配線45,46間には不良がないと判定され、その判定結果を示す信号が制御部2へ出力される。そして、制御部2によって、表示部3に配線45,46間は良品である旨の表示がされる。
次に、配線45,46間に中間的な抵抗値を有する抵抗不良である場合の短絡検査部200aの動作を説明する。この場合、上述の基板検査装置1における断線検査部100と同様にして、例えば抵抗R2が100Ωであれば、検出信号Vscは、図16(e)に示すように、図16(a)に示す検査信号Vsaとは位相が90度ずれた信号となる。また、抵抗R2による電圧降下によって、検出信号Vscと検出信号Vsdとの間には、180度の位相差が生じる。
そして、位相差検出部208によって、アンプ205から出力された検出信号Vscと、検査信号源204aから出力された検査信号Vsaとに基づいて、位相差90度を示す位相差データが短絡判定部209aへ出力される。さらに、短絡判定部209aによって、位相差データが位相差範囲30度〜90度の範囲内であるので、配線45,46間は抵抗不良と判定され、配線45,46間は不良である旨の判定結果を示す信号が制御部2へ出力される。そして、制御部2によって、表示部3に配線45,46間は不良である旨の表示がされる。
次に、配線45,46間が完全に短絡している短絡不良である場合の短絡検査部200aの動作を説明する。図18は、配線45,46間が、例えば金属皮膜Cによって低抵抗で短絡している短絡不良である場合の短絡検査部200aの動作を説明するための図である。図18において、検査信号源204aから出力された検査信号Vsaと、検査信号源204bから出力された検査信号Vsbとが金属皮膜C上で合成され、その合成された信号波形が、配線45側から容量C6及び検出プローブ203を介してアンプ205で検出され、増幅されて検出信号Vscとして、位相差検出部208,212へ出力される。一方、金属皮膜C上で合成された同じ信号波形が、配線46側から容量C8及び検出プローブ210を介してアンプ211で検出され、増幅されて検出信号Vsdとして、位相差検出部212へ出力される。
そうすると、検出信号Vscと検出信号Vsdとは、金属皮膜C上で合成された同じ信号波形が配線45と、配線46とから検出されたものであるので、図16(d)に示すように検出信号Vscと検出信号Vsdの位相差はほぼ一致し、すなわち実質的に0度となる。従って、位相差検出部212によって、検出信号Vscと検出信号Vsdの位相差が比較され、実質的に0度を示す位相差データが短絡判定部209aへ出力され、短絡判定部209aによって、配線45,46間は短絡不良であると判定され、配線45,46間は不良である旨の判定結果を示す信号が制御部2へ出力される。そして、制御部2によって、表示部3に配線45,46間は不良である旨の表示がされる。
また、この場合、検査信号Vsaと検査信号Vsbとは互いに位相が180度異なるため、配線45上で合成された信号波形は、検査信号Vsaと検査信号Vsbとのうちいずれか影響が大きい方の信号における位相とほぼ同位相の信号波形となるため、検出信号Vscと検査信号Vsaの位相差は、実質的に0度又は実質的に180度となっている。
以上の動作により、配線45,46間の短絡検査において、検出信号Vscの信号レベルによることなく、プローブと配線との結合容量等の影響を受け難い検出信号Vsc、Vsdの位相を用いて検出することができるので、非接触の検査用プローブを用いた短絡検査の精度を向上させることができる。
また、プローブと配線との結合容量等の影響を受け難い検出信号Vsc、Vsdの位相を用いて不良を検出することができるので、配線と検査用プローブとの間における距離変化の影響が少ない。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3の実施の形態による基板検査装置について説明する。図19は、本発明の第3の実施の形態による基板検査装置の構成の一例を示すブロック図である。図19に示す基板検査装置1bと図1に示す基板検査装置1とでは、下記の点で異なる。すなわち、図19に示す基板検査装置1bは、断線検査部100を備えず、短絡検査部200の代わりに短絡検査部200bを備える。また、図19に示す短絡検査部200bは、図1に示す短絡検査部200とでは、下記の点で異なる。すなわち図19に示す短絡検査部200bは、検出プローブ203の代わりに複数の検出プローブ213,214,215を備え、アンプ205の代わりに複数のアンプ216,217,218を備え、コンパレータ206,207、位相差検出部208の代わりに比較器219,220を備え、短絡判定部209の代わりに短絡判定部209bを備える。
その他の構成は図1に示す基板検査装置1と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の特徴的な点について説明する。
図19に示す基板検査装置1bにおいては、給電プローブ201a,201bは、複数の検査対象となる配線を間に挟んでその両端部の配線に外側に隣接する配線と、それぞれ対向配置されるべく図略の検査プレートに配設されている。今、例えば検査対象の配線を配線43,44,45とした場合、載置台51上に基板4が載置されると、給電プローブ201aは配線42と非接触の状態で対向配置され、給電プローブ201bは、配線46と非接触の状態で対向配置される。また、検出プローブ213,214,215は、それぞれ配線42と配線46の間に挟まれる配線43,44,45と、その一端部で非接触の状態で対向配置される。
以下、検査対象の配線を配線43,44,45とした場合を例に、説明する。アンプ216,217,218は、それぞれ検出プローブ213,214,215から導かれた信号を位相を変化させずに増幅する。そして、アンプ216は、その増幅した信号を検出信号Voeとして比較器219へ出力し、アンプ217は、その増幅した信号を検出信号Vofとして比較器219,220へ出力し、アンプ218は、その増幅した信号を検出信号Vogとして比較器220へ出力する。
比較器219は、アンプ216からの検出信号Voeの電圧と、アンプ217からの検出信号Vofの電圧とを比較して、両電圧が略等しい場合、電圧が等しい旨の信号を短絡判定部209bへ出力し、両電圧が異なる場合、電圧が異なる旨の信号を短絡判定部209bへ出力する。比較器220は、アンプ217からの検出信号Vofの電圧と、アンプ218からの検出信号Vogの電圧とを比較して、両電圧が略等しい場合、電圧が等しい旨の信号を短絡判定部209bへ出力し、両電圧が異なる場合、電圧が異なる旨の信号を短絡判定部209bへ出力する。
短絡判定部209bは、比較器219から電圧が等しい旨の信号が出力された場合、配線43,44間に短絡不良が有ると判定し、比較器220から電圧が等しい旨の信号が出力された場合、配線44,45間に短絡不良が有ると判定し、その判定結果を示す信号を制御部2へ出力する。
次に、上述のように構成された基板検査装置1bの動作を説明する。載置台51上に基板4が載置されると、給電プローブ201a,201b、検出プローブ213,214,215が、それぞれ配線42,46,43,44,45と対向するように配置される。これにより、給電プローブ201aと配線42とが容量C9によって容量結合され、給電プローブ201bと配線46とが容量C10によって容量結合され、検出プローブ213と配線43とが容量C11によって容量結合され、検出プローブ214と配線44とが容量C12によって容量結合され、検出プローブ215と配線45とが容量C13によって容量結合される。また、配線42,43間、配線43,44間、配線44,45間、及び配線45,46間には、それぞれ容量C14,C15,C16,C17が生じ、すなわち配線42と配線46との間には、容量C14,C15,C16,C17の直列回路が生じている。
図20は、図19に示す基板検査装置1bの動作を説明するための図である。まず、検査信号源204aから給電プローブ201a、容量C9を介して配線42へ、検査信号Vsaが供給されると共に、検査信号源204bから給電プローブ201b、容量C10を介して配線46へ、検査信号Vsaとは位相が180度異なる検査信号Vsbが供給される。そうすると、検査信号Vsaと検査信号Vsbとの間の電位差が容量C14,C15,C16,C17によって分圧され、その分圧された電圧が配線43,44,45にそれぞれ誘起され、それぞれ容量C11,C12,C13、検出プローブ213,214,215を介してアンプ216,217,218で増幅され、それぞれ検出信号Voe,Vof,Vogとして出力される。
そして、アンプ216から検出信号Voeが比較器219へ出力され、アンプ217から検出信号Vofが比較器219,220へ出力され、アンプ218から比較器220へ検出信号Vogが出力される。
今、配線42,43,44,45,46が、等間隔で平行に形成されており、配線42,43,44,45,46の各配線間に短絡不良がなければ、容量C14,C15,C16,C17は、それぞれほぼ等しく、従って、検査信号Vsaと検査信号Vsbとの間の電位差が容量C14,C15,C16,C17によって等分に分圧される結果、検出信号Voe,Vof,Vogは、それぞれ異なる電圧となる。そうすると、比較器219によって、検出信号Voeの電圧と検出信号Vofの電圧とが異なる旨の信号が、短絡判定部209bへ出力される。また、比較器220によって、検出信号Vofの電圧と検出信号Vogの電圧とが異なる旨の信号が、短絡判定部209bへ出力される。
そして、比較器219,220のいずれからも短絡判定部209bへ、電圧が異なる旨の信号が出力されているので、短絡判定部209bによって、配線43,44,45間には短絡不良がないと判定され、その判定結果を示す信号が制御部2へ出力され、制御部2によって、表示部3に配線43,44,45間は良品である旨の表示がされる。
また、例えば配線43,44間に短絡不良が有る場合、配線43と配線44の電圧は等しいので、検出信号Voe,Vofもまたほぼ等しい電圧となる。そうすると、比較器219によって、検出信号Voeの電圧と検出信号Vofの電圧とが等しい旨の信号が、短絡判定部209bへ出力され、短絡判定部209bによって、配線43,44間に短絡不良が有ると判定され、その判定結果を示す信号が制御部2へ出力され、制御部2によって、表示部3に配線43,44間は短絡不良である旨の表示がされる。
以上の動作により、複数の配線43,44,45間の短絡検査を同時に行うことができるので、検査時間を短縮することができる。
なお、図19に示す基板検査装置1bにおいて、給電プローブ201aと給電プローブ201bとの間に位相が180度異なる正弦波信号を印加する例を示したが、例えば直流電圧を給電プローブ201aと給電プローブ201bとの間に印加する構成としてもよい。この場合、給電プローブ201aと給電プローブ201bとの間に印加された直流電圧が、容量C9,C14,C15,C16,C17,C10によって分割される結果、検出信号Voe,Vof,Vogがそれぞれ異なる電圧とされるので、給電プローブ201aと給電プローブ201bとの間に位相が180度異なる正弦波信号を印加する場合と同様の効果が得られる。
また、隣接する配線間で、検出信号Voeの電圧と検出信号Vofの電圧とが等しい場合、又は検出信号Vofの電圧と検出信号Vogの電圧とが等しい場合に短絡不良有りとする例を示したが、例えば、予め容量C9,C14,C15,C16,C17,C10の値を測定等により取得し、給電プローブ201aと給電プローブ201bとの間に印加される電圧(検査信号Vsaと検査信号Vsbとの差)を容量C9,C14,C15,C16,C17,C10の容量値で分圧する等により、検出信号Voe、Vof、Vogの電圧を予測し、この予測値と検査で得られた検出信号Voe、Vof、Vogの実測値とを比較することにより、短絡不良を検出する構成としても良い。あるいは、配線42,46,43,44,45,46が、等間隔で平行に形成されていれば、容量C14,C15,C16,C17は、ほぼ等しいので、配線42と配線46との間の電圧を等分に分圧することにより、検出信号Voe、Vof、Vogの電圧を予測してもよい。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4の実施の形態による基板検査装置について説明する。図23は、本発明の第4の実施の形態による基板検査装置の構成の一例を示すブロック図である。図23に示す基板検査装置1cと図1に示す基板検査装置1とでは、下記の点で異なる。すなわち、図1に示す基板検査装置1において、良品の配線に対して断線検査を行う場合、検査信号源104aから出力された検査信号Voaと、検査信号源104bから出力された検査信号Vobとは、検査信号源204a,204bのばらつきや容量C1,C2の差異等の誤差要因により、完全には相殺されない。そのため、検出信号Vocの電圧は、図4(d)に示すように、検査信号Voaと検査信号Vobとのうちいずれか影響が大きい方の信号における位相とほぼ同位相の信号波形が検出信号Vocとして得られる。
この場合、容量C1,C2の差異は、給電プローブ101a,101bと配線との間における距離のばらつきによって生じるものであるため、例えば基板の反りや撓みなどの影響を受けて、検出信号Vocの電圧が生じることとなる。
図1に示す断線検査部100においては、検出信号Vocが、ゼロに信号検出の誤差範囲を加えた値以下の実質的にゼロである場合に配線42は良品であると判定することにより、このような給電プローブ101a,101bと配線との間における距離のばらつきによって生じる誤差要因を低減している。
一方、図23に示す基板検査装置1cは、検出プローブ121、アンプ122、及びフィードバック部123をさらに備え、検査信号源104aの出力レベルを調節することにより、検査信号Voaと検査信号Vobとを検査対象の配線上で相殺させ、検出信号Vocの信号レベルをゼロにする。これにより、給電プローブ101a,101bと配線との間における距離のばらつき等によって生じる誤差要因を低減するようにしている。
また、図1に示す基板検査装置1において、断線検査を行う場合、検査対象の配線が良品であれば、検出信号Vocの電圧は実質的にゼロとなる一方、検出プローブ103と、配線とが対向していなかったり、基板4そのものが載置台51上に載置されていない場合であっても、検出信号Vocの電圧はゼロとなる。従って、図1に示す基板検査装置1においては、検出信号Vocの電圧のみによっては、検査対象の配線が良品であるのか、検出プローブ103と、配線とが対向していないのかを判断することが困難である。
そこで、図23に示す基板検査装置1cは、配線検出用プローブ124、電流計125、周期電圧供給部126、及び位相検波部127をさらに備えることにより、検出プローブ103と、検査対象配線とが対向しているか否かを検出し、検出プローブ103と検査対象配線とが対向している場合にのみ、断線判定部109は、配線の良否判定を行うようにしている。
その他の構成は図1に示す基板検査装置1と同様であるのでその説明を省略し、以下本実施の形態の特徴的な点について説明する。なお、図23においては、断線検査部100及び短絡検査部200の図示を省略している。
検出プローブ121と、配線検出用プローブ124とは、給電プローブ101a,101b等と同様に、図略の検査プレートに一体に設けられ、基板4の基板面と微少な間隔を空けた物理的及び電気的に非接触の状態で対向配置される。また、基板4の基板面には、配線41,42,43,44,45,46,47が基板面に沿った所定方向(図の例では一方向)に延びて複数形成されている。そして、給電プローブ101a,101bが対向配置される配線のうち二以上の配線を含む複数の配線、例えば配線41,42,43と、検出プローブ121とが対向配置されて静電容量結合し、検出プローブ103が対向配置されている配線42と、配線検出用プローブ124とが対向配置されて静電容量結合するべく配置される。
アンプ122は、検出プローブ121から導かれた信号を位相を変化させずに増幅して検出信号Vohとしてフィードバック部123へ出力する。
フィードバック部123は、例えばアンプ122から出力された検出信号Vohと、検査信号源104aから出力された検査信号Voaとに基づき0度の位相検波を行う位相検波器を用いて構成されている。そして、フィードバック部123は、検出信号Vohについて0度の位相検波を行った結果得られた電圧が正極性であった場合、すなわち検出信号Vohと検査信号Voaとが同極性であった場合、検査信号Vobの出力レベルに対する検査信号Voaの出力レベルの比率を低下させるべく、検査信号源104aによる検査信号Voaの出力レベルを低下させる。
また、フィードバック部123は、検出信号Vohについて0度の位相検波を行った結果得られた電圧が負極性であった場合、すなわち検出信号Vohと検査信号Voaとが逆極性であった場合、検査信号Vobの出力レベルに対する検査信号Voaの出力レベルの比率を増加させるべく、検査信号源104aによる検査信号Voaの出力レベルを増加させる。
そして、フィードバック部123は、検出信号Vohについて0度の位相検波を行った結果得られた電圧が0Vであった場合、検査信号源104aによる検査信号Voaの出力レベルと検査信号源104bによる検査信号Vobの出力レベルとを維持させる。
周期電圧供給部126は、電流計125を介して配線検出用プローブ124に、例えば1MHzの正弦波電圧Vdを印加する。電流計125は、周期電圧供給部126から配線検出用プローブ124へ流れる電流を、配線検出電流Idとして検出する。位相検波器127は、周期電圧供給部126から出力された正弦波電圧Vdと、電流計125により検出された配線検出電流Idとの間で90度の位相検波を行い、90度位相のずれた成分が検出された場合に配線検出電流Idが流れたことを示す信号を断線判定部109へ出力し、90度位相のずれた成分が検出されない場合に配線検出電流Idが流れないことを示す信号を断線判定部109へ出力する。
なお、位相検波器127を用いる代わりに、例えば、電流計125により検出された電流の実行値に応じて配線検出電流Idの有無を示す信号を断線判定部109へ出力する構成としてもよく、配線検出電流Idの有無を検出可能な他の構成を用いてもよい。
断線判定部109は、位相検波器127から配線検出電流Idが流れたことを示す信号を受け付けた場合に配線の良否判定を行う一方、位相検波器127から配線検出電流Idが流れないことを示す信号を受け付けた場合には配線の良否判定を行わない。
次に、上述のように構成された基板検査装置1cの動作について説明する。まず、例えば配線42が検査対象の配線である場合、載置台51上に基板4が載置されると、検出プローブ103と配線42とが対向配置されることにより、検出プローブ103と配線42とが容量C3によって容量結合され、給電プローブ101aと配線41,42,43とが対向配置されることにより、配線41,42,43がそれぞれ容量C21,C1,C22によって給電プローブ101aと容量結合され、給電プローブ101bと配線41,42,43とが対向配置されることにより、配線41,42,43がそれぞれ容量C23,C2,C24によって給電プローブ101bと容量結合され、検出プローブ121と配線41,42,43とが対向配置されることにより、配線41,42,43がそれぞれ容量C25,C26,C27によって検出プローブ121と容量結合され、配線検出用プローブ124と配線42とが対向配置されることにより、配線検出用プローブ124と配線42とが容量C28によって容量結合される。
次に、配線検出用プローブ124、電流計125、周期電圧供給部126、及び位相検波器127の動作を説明する。まず、周期電圧供給部126によって、電流計125を介して配線検出用プローブ124に、例えば1MHzの正弦波電圧Vdが印加される。そうすると、周期電圧供給部126から電流計125、配線検出用プローブ124、容量C28、配線42、容量C1,C2、給電プローブ101a,101b、及び検査信号源104a,104bを経由してグラウンドに至る経路に電流が流れ、その電流が、電流計125によって配線検出電流Idとして検出され、電流計125から位相検波器127へ配線検出電流Idを表す信号が出力される。この場合、周期電圧供給部126から電流計125、配線検出用プローブ124、容量C28、配線42、容量C1,C2、給電プローブ101a,101b及び検査信号源104a,104bを経由してグラウンドに至る経路は、コンデンサの直列回路となるので、配線検出電流Idの位相は正弦波電圧Vdの位相より90度進む。
図24は、位相検波器127の動作を説明するための図である。図24に示すように、配線検出用プローブ124と配線42とが対向配置されている場合、配線検出電流Idの位相は正弦波電圧Vdの位相よりも90度進んでいる。そして、位相検波器127によって、正弦波電圧Vdと配線検出電流Idとの間で90度の位相検波が実行される。そうすると、位相検波器127によって、正弦波電圧Vdのピーク位置から90度位相がずれた位置において配線検出電流Idが検出され、配線検出電流Idが流れたことを示す信号が断線判定部109へ出力される。
一方、配線検出用プローブ124と配線42とが対向配置されていない場合、周期電圧供給部126から電流計125、配線検出用プローブ124、容量C28、配線42、容量C1,C2、給電プローブ101a,101b、及び検査信号源104a,104bを経由してグラウンドに至る経路が形成されないため、配線検出電流Idは流れない。従って、位相検波器127によって、正弦波電圧Vdのピーク位置から90度位相がずれた位置において配線検出電流Idが検出ないため、配線検出電流Idが流れないことを示す信号が断線判定部109へ出力される。
配線検出用プローブ124と配線とが対向配置されていれば、検出プローブ103とその配線とが対向配置されているので、断線判定部109により位相検波器127から配線検出電流Idが流れたことを示す信号が受け付けられた場合にのみ配線の良否判定が行われることにより、検出プローブ103と配線とが対向配置されていない場合に、断線判定部109によって良否判定が行われ、良品と判定されてしまうことが抑制される。
次に、検出プローブ121、アンプ122、及びフィードバック部123の動作を説明する。まず、給電プローブ101a,101b、及び検出プローブ121と、配線41,42,43とが対向配置された状態で、検査信号源104aから給電プローブ101a及び容量C21,C1,C22を介して配線41,42,43へ、検査信号Voaが印加される。一方、検査信号源104bから給電プローブ101b及び容量C23,C2,C24を介して配線41,42,43へ、検査信号Vobが印加される。
そして、検査信号源104aから出力された検査信号Voaと、検査信号源104bから出力された検査信号Vobとが配線41,42,43上でそれぞれ合成され、その合成された信号波形が、容量C25,C26,C27及び検出プローブ121を介してアンプ122で検出され、増幅されて検出信号Vohとしてフィードバック部123へ出力される。
図25は、検査信号Voa、検査信号Vob、及び検出信号Vohを示すグラフである。図25(a)に示す検査信号Voaと図25(b)に示す検査信号Vobとは、配線41,42,43上でそれぞれ合成され、相殺される。このとき、検査信号源204a,204bにおける出力レベルのばらつきや、例えば基板4の反りや撓みなどの影響による給電プローブ101a,101bと配線42との間における距離のばらつき等により、容量C21,C1,C22と、容量C23,C2,C24との間に差異が生じる。そして、容量C21,C1,C22と、容量C23,C2,C24との間に差異が生じると、検出信号Vohがゼロとはならない場合がある。この場合、例えば給電プローブ101aと配線42との距離が、給電プローブ101bと配線42との距離よりも小さければ、容量C23,C2,C24よりも容量C21,C1,C22が大きくなる結果、配線41,42,43上で合成される波形は、検査信号Vobよりも検査信号Voaの影響が大きくなり、検出信号Vohは、図25(c)に示すように検査信号Voaと同位相(同極性)となる。
一方、例えば給電プローブ101aと配線42との距離が、給電プローブ101bと配線42との距離よりも大きければ、容量C23,C2,C24よりも容量C21,C1,C22が小さくなる結果、配線41,42,43上で合成される波形は、検査信号Voaよりも検査信号Vobの影響が大きくなり、検出信号Vohは、図25(d)に示すように検査信号Voaと逆位相(逆極性)となる。
図26は、フィードバック部123の動作を説明するためのグラフである。まず、検出信号Vohが、図25(c)に示すように検査信号Voaと同位相(同極性)であった場合、図26(a)に示すように、フィードバック部123における0度の位相検波によって得られる電圧、すなわち位相0度における検出信号Vohの電圧が、正極性となる。そうすると、フィードバック部123から検査信号源104aへ、検査信号Voaの出力レベルを低下させる旨の制御信号が出力され、検査信号Voaの出力レベルが低下される結果、検出信号Vohは、図25(e)に示すように0Vとなる。
一方、検出信号Vohが、図25(d)に示すように検査信号Voaと逆位相(逆極性)であった場合、図26(b)に示すように、フィードバック部123における0度の位相検波によって得られる電圧、すなわち位相0度における検出信号Vohの電圧が、負極性となる。そうすると、フィードバック部123から検査信号源104aへ、検査信号Voaの出力レベルを上昇させる旨の制御信号が出力され、検査信号Voaの出力レベルが上昇される結果、検出信号Vohは、図25(e)に示すように0Vとなる。
そして、フィードバック部123により、検出信号Vohについて0度の位相検波を行った結果得られた電圧が0Vであった場合、検査信号源104aによる検査信号Voaの出力レベルと検査信号源104bによる検査信号Vobの出力レベルとが維持される。このとき、検査対象の配線42に誘起される電圧は、0Vになるので、検出信号Vocもまた、0Vとなる。
これにより、検査信号源104aから出力された検査信号Voaと、検査信号源104bから出力された検査信号Vobとが、検査信号源204a,204bのばらつきや容量C1,C2の差異等の誤差要因により完全に相殺されないため、検出信号Vocの電圧レベルがゼロにならない場合であっても、検査信号源104aの出力レベルを調節することにより、検査信号Voaと検査信号Vobとを検査対象の配線上で相殺させ、検出信号Vocの信号レベルをゼロにすることができるので、給電プローブ101a,101bと配線との間における距離のばらつき等によって生じる誤差要因を低減することができる。
なお、図23に示す基板検査装置1cは、断線検査部100、検出プローブ121、アンプ122、フィードバック部123、配線検出用プローブ124、電流計125、周期電圧供給部126、及び位相検波器127を各一つ備え、配線の断線検査を1本づつ実行する例を示したが、これら断線検査部100等を複数備え、複数の配線を同時に検査する構成としてもよい。
例えば、プラズマディスプレイパネルに用いられるガラス基板は、図27に示す基板4bのように、配線の一方端がコネクタとの接続を容易にするためにその配線間隔が狭くなっており、基板の一方端側で配線間隔が狭くなっている配線と、基板の他方端側で配線間隔が狭くなっている配線とが、交互に形成されている場合がある。このようなガラス基板4bに形成された配線の断線検査を行う場合、例えば、上記断線検査部100等を二つずつ備え、図27に示すように、基板の両端部における配線間隔が狭くなっている部分にそれぞれ検出プローブ103、検出プローブ121、及び配線検出用プローブ124を対向させ、当該配線間隔が広い部分において交互に配線が形成されている部分に給電プローブ101a,101bを対向させる構成としてもよい。これにより、同時に2本ずつの配線に対して断線検査を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係る基板検査装置の構成の一例を説明するためのブロック図である。 図1に示す基板検査装置のX−X部分断面図である。 図1に示す基板検査装置の配線と交差する方向の部分断面図である。 図1に示す断線検査部の動作を説明するための波形図である。 配線が完全に断線している断線不良である場合における図1に示す断線検査部の動作を説明するための図である。 配線が抵抗不良である場合における図1に示す断線検査部の動作を説明するための図である。 図1に示す短絡検査部の動作を説明するための波形図である。 配線間に短絡不良が生じている場合の図1に示す基板検査装置の動作を説明するための概念図である。 配線間が抵抗不良である場合における図1に示す短絡検査部の動作を説明するための図である。 図1に示す断線検査部において、一方端側の配線間隔が狭くなっているガラス基板を検査する場合のプローブ配置を説明するための図である。 図1に示す短絡検査部において、一方端側の配線間隔が狭くなっているガラス基板を検査する場合のプローブ配置を説明するための図である。 本発明の第2の実施の形態による基板検査装置の構成の一例を示すブロック図である。 図12に示す断線検査部の動作を説明するための波形図である。 図12に示す基板検査装置のX−X部分断面図である。 図12に示す断線検査部において、配線が完全に断線している断線不良である場合の動作を説明するための図である。 図12に示す短絡検査部の動作を説明するための波形図である。 図12に示す短絡検査部の動作を説明するための概念図である。 図12に示す短絡検査部において、配線間が短絡不良である場合の動作を説明するための図である。 本発明の第3の実施の形態による基板検査装置の構成の一例を示すブロック図である。 図19に示す基板検査装置の動作を説明するための図である。 配線に生じた断線不良の抵抗値、及び短絡不良の抵抗値と、検査信号と検出信号との間の位相差θと、の関係を示すグラフである。 図1に示す基板検査装置において、検出プローブと、検査対象となる配線との間の距離が、検出プローブによって検出される電圧に与える影響を説明するための模式図である。 本発明の第4の実施の形態による基板検査装置の構成の一例を示すブロック図である。 図23に示す位相検波器の動作を説明するための図である。 図23に示すフィードバック部の動作を説明するための図である。 図23に示すフィードバック部の動作を説明するための図である。 基板の一方端側で配線間隔が狭くなっている配線と、基板の他方端側で配線間隔が狭くなっている配線とが、交互に形成されているガラス基板の例を示す図である。 基板の一例であるプラズマディスプレイパネルの構造の概略を示す斜視図である。 背景技術に係る基板検査装置において、センサと検査対象となる配線パターンとの間の距離が、センサによって検出される電流に与える影響を説明するための模式図である。
符号の説明
1,1a,1b 基板検査装置
2 制御部
3 表示部
4,4a,4b 基板
41,42,43,44,45,46,47 配線
51 載置台
52 搬送機構(移送部)
100,100a 断線検査部(断線判定部)
101a 給電プローブ(第1の給電用プローブ)
101b 給電プローブ(第2の給電用プローブ)
103 検出プローブ(第1の検出用プローブ)
104a 検査信号源(第1の信号供給部)
104b 検査信号源(第2の信号供給部)
105 アンプ(第1の検出部)
106,107 コンパレータ
108 位相差検出部
108,112 位相差検出部
109,109a 断線判定部
110 検出プローブ(第2の検出用プローブ)
111 アンプ(第2の検出部)
112 位相差検出部
121 検出プローブ(第6の検出用プローブ)
122 アンプ(第6の検出部)
123 フィードバック部
124 配線検出用プローブ
125 電流計(電流検出部)
126 周期電圧供給部
200,200a,200b 短絡検査部(短絡判定部)
201a 給電プローブ(第3の給電用プローブ)
201b 給電プローブ(第4の給電用プローブ)
203 検出プローブ(第3の検出用プローブ)
204a 検査信号源(第3の信号供給部、検査電圧源)
204b 検査信号源(第4の信号供給部、検査電圧源)
205 アンプ(第3の検出部)
206 コンパレータ
207 コンパレータ
208 位相差検出部
209,209a,209b 短絡判定部
210 検出プローブ(第4の検出用プローブ)
211 アンプ(第4の検出部)
212 位相差検出部
213,214,215 検出プローブ(第5の検出用プローブ)
216,217,218 アンプ(第5の検出部)
219,220 比較器

Claims (26)

  1. 基板面に形成された配線の検査を行う基板検査装置であって、
    前記配線の一方端にその配線と電気的に非接触で対向配置される第1の給電用プローブ及び第1の検出用プローブと、
    前記配線の他方端にその配線と電気的に非接触で対向配置される第2の給電用プローブと、
    前記第1の給電用プローブに、一定の周期を有する第1の周期信号を印加する第1の信号供給部と、
    前記第2の給電用プローブに、前記第1の周期信号とは位相が180度異なる第2の周期信号を印加する第2の信号供給部と、
    前記第1の検出用プローブに生じた電圧を検出する第1の検出部と、
    前記第1の検出部により検出された電圧の位相に基づき前記配線の良否判定を行う断線判定部とを備えることを特徴とする基板検査装置。
  2. 前記断線判定部は、前記第1の検出部により検出された電圧と、前記第1の周期信号との位相差が、予め設定された位相差の範囲内である場合、前記配線を不良と判定することを特徴とする請求項1記載の基板検査装置。
  3. 前記断線判定部は、さらに、前記第1の検出部により検出された電圧と前記第1の周期信号との位相差が実質的に0度である場合、前記配線を不良と判定することを特徴とする請求項2記載の基板検査装置。
  4. 前記断線判定部は、さらに、前記第1の検出部により検出された電圧値が予め定められた基準値を超える場合、前記配線を不良と判定することを特徴とする請求項2又は3記載の基板検査装置。
  5. 前記断線判定部は、さらに、前記第1の検出部により検出された電圧値が実質的にゼロである場合、前記配線を良品と判定することを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の基板検査装置。
  6. 前記配線の他方端にその配線と電気的に非接触で対向配置される第2の検出用プローブと、
    前記第2の検出用プローブに生じた電圧を検出する第2の検出部とをさらに備え、
    前記断線判定部は、前記第1の検出部により検出された電圧と前記第2の検出部により検出された電圧との位相差が実質的に0度である場合、前記配線を良品と判定するものであることを特徴とする請求項1記載の基板検査装置。
  7. 前記配線の他方端にその配線と電気的に非接触で対向配置される第2の検出用プローブと、
    前記第2の検出用プローブに生じた電圧を検出する第2の検出部とをさらに備え、
    前記断線判定部は、前記第1の検出部により検出された電圧と前記第2の検出部により検出された電圧との位相差が実質的に180度である場合、前記配線を不良と判定するものであることを特徴とする請求項1又は6記載の基板検査装置。
  8. 前記基板面には、前記配線が前記基板面に沿って所定方向に延びるよう複数形成されており、
    前記基板を前記複数の配線と交差する方向に移送するための移送部をさらに備え、
    前記断線判定部は、前記基板を前記移送部により移送させつつ前記判定を行うものであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の基板検査装置。
  9. 前記第1及び第2の給電用プローブは、その複数の配線のうち一部又は全部をカバーするよう延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置されるためのものであることを特徴とする請求項8に記載の基板検査装置。
  10. 基板面に形成された複数の配線の検査を順次行う基板検査装置であって、
    前記複数の配線から順次選択されて第1の検査対象配線となる配線に電気的に非接触で対向配置される、第3の給電用プローブ及び第3の検出用プローブと、
    前記第1の検査対象配線とは異なる第2の検査対象配線となる配線と電気的に非接触で対向配置される第4の給電用プローブと、
    前記第3の給電用プローブに、一定の周期を有する第3の周期信号を印加する第3の信号供給部と、
    前記第4の給電用プローブに、前記第3の周期信号とは位相が180度異なる第4の周期信号を印加する第4の信号供給部と、
    前記第3の検出用プローブに生じた電圧を検出する第3の検出部と、
    前記第3の検出部により検出された電圧の位相に基づいて前記第1及び第2の検査対象配線間における短絡不良の有無を判定する短絡判定部とを備えることを特徴とする基板検査装置。
  11. 前記短絡判定部は、前記第3の検出部により検出された電圧と、前記第3の周期信号との位相差が、予め設定された位相差の範囲内である場合、前記短絡不良有りと判定することを特徴とする請求項10記載の基板検査装置。
  12. 前記短絡判定部は、さらに、前記第3の検出部により検出された電圧値が実質的にゼロである場合、前記短絡不良有りと判定することを特徴とする請求項11記載の基板検査装置。
  13. 前記短絡判定部は、さらに、前記第3の検出部により検出された電圧と前記第3の周期信号との位相差が実質的に0度である場合、前記短絡不良無しと判定することを特徴とする請求項11又は12記載の基板検査装置。
  14. 前記短絡判定部は、さらに、前記第3の検出部により検出された電圧値が予め定められた基準値を超える場合、前記短絡不良無しと判定することを特徴とする請求項11〜13のいずれかに記載の基板検査装置。
  15. 前記第1の検査対象配線とは異なる第2の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置される第4の検出用プローブと、
    前記第4の検出用プローブに生じた電圧を検出する第4の検出部とをさらに備え、
    前記短絡判定部は、さらに、前記第3の検出部により検出された電圧と前記第4の検出部により検出された電圧との位相差が実質的に0度である場合、前記短絡不良有りと判定するものであることを特徴とする請求項11〜14のいずれかに記載の基板検査装置。
  16. 基板面に形成された複数の配線から順次選択されて第1の検査対象配線となる配線と、前記第1の検査対象配線とは異なる第2の検査対象配線となる配線と、前記第1及び第2の検査対象配線の間に形成された一又は複数の第3の検査対象配線となる配線とにより基板の検査を行う基板検査装置であって、
    前記第1の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置される第3の給電用プローブと、
    前記第2の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置される第4の給電用プローブと、
    前記一又は複数の第3の検査対象配線それぞれと電気的に非接触で対向配置される一又は複数の第5の検出用プローブと、
    前記第3の給電用プローブと前記第4の給電用プローブとの間に電位差を生じさせるための所定の検査用電圧を印加する検査電圧源と、
    前記一又は複数の第5の検出用プローブに生じた電圧をそれぞれ検出する一又は複数の第5の検出部と、
    前記一又は複数の第5の検出部により検出された電圧に基づいて前記第3の検査対象配線における短絡不良の有無を判定する短絡判定部とを備えることを特徴とする基板検査装置。
  17. 前記第3の検査対象配線は、前記第1及び第2の検査対象配線間に複数選択されており、
    前記短絡判定部は、前記複数の第5の検出部のうち二の第5の検出部により検出された電圧が、実質的に等しい場合に前記第3の検査対象配線において短絡不良有りと判定し、前記複数の第5の検出部により検出された電圧のいずれもが、互いに異なる場合に前記第3の検査対象配線において短絡不良無しと判定するものであることを特徴とする請求項16記載の基板検査装置。
  18. 前記基板面には、前記配線が前記基板面に沿って所定方向に延びるよう複数形成されており、
    前記基板を前記複数の配線と交差する方向に移送するための移送部をさらに備え、
    前記短絡判定部は、前記基板を前記移送部により移送させつつ前記判定を行うものであることを特徴とする請求項10〜17のいずれかに記載の基板検査装置。
  19. 前記第3の給電用プローブは、前記第1の検査対象配線と、前記第2の検査対象配線とは反対側の複数の配線とをカバーするよう延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置されるためのものであり、
    前記第4の給電用プローブは、前記第2の検査対象配線と、前記第1の検査対象配線とは反対側の複数の配線とをカバーするよう延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置されるためのものであることを特徴とする請求項10〜18のいずれかに記載の基板検査装置。
  20. 基板面に沿って所定方向に延びるよう形成された複数の配線の検査を順次行う基板検査装置であって、
    前記複数の配線から選択され第4の検査対象配線となる配線における一方端にその配線と電気的に非接触で対向配置される第1の給電用プローブ及び第1の検出用プローブと、
    前記第4の検査対象配線の他方端にその配線と電気的に非接触で対向配置される第2の給電用プローブと、
    前記第1の給電用プローブに、一定の周期を有する第1の周期信号を印加する第1の信号供給部と、
    前記第2の給電用プローブに、前記第1の周期信号とは位相が180度異なる第2の周期信号を印加する第2の信号供給部と、
    前記第1の検出用プローブに生じた電圧を検出する第1の検出部と、
    前記複数の配線から選択され第5の検査対象配線となる配線と電気的に非接触で対向配置される第3の給電用プローブ及び第3の検出用プローブと、
    前記第5の検査対象配線とは異なる第6の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置される第4の給電用プローブと、
    前記第3の給電用プローブに、一定の周期を有する第3の周期信号を印加する第3の信号供給部と、
    前記第4の給電用プローブに、前記第3の周期信号とは位相が180度異なる第4の周期信号を印加する第4の信号供給部と、
    前記第3の検出用プローブに生じた電圧を検出する第3の検出部と、
    前記基板を前記複数の配線と交差する方向に移送するための移送部と、
    前記移送部により前記基板を移送させつつ、前記第1の検出部により検出された電圧の位相に基づいて前記第4の検査対象配線の良否判定を行う断線判定部と、
    前記移送部により前記基板を移送させつつ、前記第3の検出部により検出された電圧の位相に基づいて前記第5及び第6の検査対象配線間における短絡不良の有無を判定する短絡判定部とを備えることを特徴とする基板検査装置。
  21. 前記設定された位相差の範囲は、30度〜90度であることを特徴とする請求項2〜5及び請求項11〜15のいずれかに記載の基板検査装置。
  22. 基板面に形成された配線の検査を行う基板検査方法であって、
    前記配線の一方端において、第1の給電用プローブ及び第1の検出用プローブを、その配線と電気的に非接触で対向配置し、
    前記配線の他方端において、第2の給電用プローブを、その配線と電気的に非接触で対向配置し、
    前記第1の給電用プローブに、一定の周期を有する第1の周期信号を印加し、
    前記第2の給電用プローブに、前記第1の周期信号とは位相が180度異なる第2の周期信号を印加し、
    前記第1の検出用プローブに生じた電圧の位相に基づいて前記配線の良否判定を行うことを特徴とする基板検査方法。
  23. 基板面に形成された複数の配線の検査を行う基板検査方法であって、
    第3の給電用プローブ及び第3の検出用プローブを、前記複数の配線から第1の検査対象配線として選択した配線に電気的に非接触で対向配置し、
    第4の給電用プローブを、前記第1の検査対象配線とは異なる第2の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置し、
    前記第3の給電用プローブに、一定の周期を有する第3の周期信号を印加し、
    前記第4の給電用プローブに、前記第3の周期信号とは位相が180度異なる第4の周期信号を印加し、
    前記第3の検出用プローブに生じた電圧の位相に基づいて前記第1及び第2の検査対象配線間における短絡不良の有無を判定することを特徴とする基板検査方法。
  24. 複数の配線が基板面に形成され、前記複数の配線から選択した第1の検査対象配線と、前記第1の検査対象配線とは異なる第2の検査対象配線と、前記第1及び第2の検査対象配線の間に形成された一又は複数の第3の検査対象配線とによって基板の検査を行う基板検査方法であって、
    第3の給電用プローブを、前記第1の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置し、
    第4の給電用プローブを、前記第2の検査対象配線と電気的に非接触で対向配置し、
    一又は複数の第5の検出用プローブを、前記一又は複数の第3の検査対象配線それぞれと電気的に非接触で対向配置し、
    前記第3の給電用プローブと前記第4の給電用プローブとの間に電位差を生じさせるための所定の検査用電圧を印加し、
    前記一又は複数の第5の検出用プローブに生じた電圧に基づいて前記第3の検査対象配線における短絡不良の有無を判定することを特徴とする基板検査方法。
  25. 前記基板面には、前記配線が前記基板面に沿って所定方向に延びるよう複数形成されており、
    前記第1及び第2の給電用プローブは、その複数の配線のうち一部又は全部をカバーするように配線が延びる方向とは異なる方向に延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置されるためのものであり、
    前記第1及び第2の給電用プローブによりカバーされる配線のうち二以上の配線を含む複数の配線をカバーするように配線が延びる方向とは異なる方向に延びて交差し、それらに電気的に非接触で対向配置されるための第6の検出用プローブと、
    前記第6の検出用プローブに生じた電圧を検出する第6の検出部と、
    前記第6の検出部により検出される電圧レベルをゼロに維持すべく、前記第6の検出部により検出された電圧の極性と前記第1の周期信号の極性との異同に応じて、前記第2の周期信号印加レベルに対する前記第1の周期信号印加レベルの比率を増減させるように前記第1の信号供給部及び/又は前記第2の信号供給部における信号印加レベルを調節するフィードバック部とをさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の基板検査装置。
  26. 前記第1の検出用プローブが対向配置される検査対象配線に、電気的に非接触で対向配置される配線検出用プローブと、
    前記配線検出用プローブに、一定の周期を有する周期電圧を印加する周期電圧供給部と、
    前記配線検出用プローブを流れる電流を検出する電流検出部とをさらに備え、
    前記断線判定部は、前記電流検出部によって電流が検出された場合に、前記良否判定を行うものであることを特徴とする請求項1〜9、及び請求項25のいずれかに記載の基板検査装置。
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