JP2005239562A - 廃光ディスクから芳香族ヒドロキシ化合物を得る方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 芳香族ポリカーボネートを基板とする廃光ディスク(例えば不要となったCD、CD−ROM、DVD等の芳香族ポリカーボネート製品)を安価で大量に処理し、高純度の芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法を提供する。
【解決手段】 廃光ディスクを有機溶媒と混合して廃光ディスクに使用されている芳香族ポリカーボネートを有機溶媒に溶解し、この有機溶媒溶液とアルカリ金属水酸化物水溶液とを実質的に芳香族ポリカーボネートが分解しない条件で混合した後、有機溶媒相と水溶液相とを分液し、得られた有機溶媒相中の芳香族ポリカーボネートをアルカリ性条件下に分解して芳香族ヒドロキシ化合物を得ることを特徴とする廃光ディスクから芳香族ヒドロキシ化合物を得る方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、芳香族ポリカーボネートを基板とする廃光ディスクを化学的に分解し、高純度の芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法に関する。また、得られた芳香族ジヒドロキシ化合物をポリカーボネートの製造原料として使用する芳香族ポリカーボネートの製造方法に関する。
芳香族ポリカーボネート(以下、PCと略すことがある)は、優れた機械的性質、電気的性質、耐熱性、耐寒性、透明性等を有しており、コンパクトディスク等の光ディスク、レンズ、建築材料、自動車部品、OA機器のシャーシー、カメラボディー等様々な用途に利用されている材料であり、その需要は年々増加している。これに伴って排出される廃PCの量も増加している。廃棄されるPC製品の多くは焼却若しくは地中に埋める等の方法で処理されている。これは、PCの需要の増加から石油資源の枯渇を加速させるだけでなく、地球環境の悪化を促進する。そこで、廃棄されたプラスチックを再利用(リサイクル)することが重要になってきた。
廃プラスチックをリサイクルする方法としては、(1)廃プラスチックを熱エネルギーとして回収するサーマルリサイクル、(2)廃プラスチックを製品にある割合で混合し、加工して製品とするマテリアルリサイクル、(3)廃プラスチックを化学的に分解してプラスチックの原材料にまで戻して、プラスチック製造に再使用するケミカルリサイクルがある。これらのうち、サーマルリサイクルは、プラスチックを焼却して熱を取りだすので、二酸化炭素が生成し、本質的には地球環境を破壊し、資源を減少させていることになる。マテリアルリサイクルは、資源の消費や環境の負荷は一番少なく望ましいが、プラスチック自身の劣化は否めず、混合できる製品が限定され、混入できる割合が少なく、リサイクルできる量が限られるという問題がある。一方ケミカルリサイクルはプラスチックを原材料まで分解するので、新たなプラスチックの製造に利用され、元の製品を含め広範囲の用途に利用できるので、産業上有用なリサイクル方法といえる。
PCをケミカルリサイクルする方法として、過剰のアルカリ水溶液で分解させ、中和して芳香族ジヒドロキシ化合物を生成する方法は昔から知られており、例えば特許文献1には、PCと1〜30%のアルカリ水溶液を耐圧容器に入れ、100℃以上、好ましくは150℃以上で加水分解後、酸性にした後メタノールに溶解し、活性炭処理して着色成分を除去後、再沈殿して白色ビスフェノールを得ている。特許文献2には、ポリカーボネートスクラップをバルクまたは溶液でケン化し、未ケン化の成分を分離し、ケン化混合物をホスゲン化し、まったく精製工程および処理工程なしでポリカーボネート重合工程に用いる方法が示されている。特許文献3には、アルカリ触媒存在下、PCをフェノールで分解し、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジアリールを回収する方法が示されている。また、特許文献4には、トルエン、キシレン、ベンゼンまたはジオキサン溶剤中で、少量のアルカリを触媒として、エステル交換反応を行い、炭酸ジアルキルと芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法が示されている。また、特許文献5には、PCを塩化アルキル、エーテル類または芳香族炭化水素系溶媒等の溶媒と触媒としての3級アミンの存在下、低級アルコールとエステル交換させて芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジアルキルを得る方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1の方法は薄いアルカリ性水溶液を用いているので反応が高温になり、得られた芳香族ジヒドロキシ化合物の純度が低く、精製に大きな労力が必要となる。特許文献2の方法は精製工程なしで重合反応に使用するので、プラスチックにほぼ必須である、添加剤、着色剤などをPC製造工程に混入することになり、製品品質に影響を及ぼす。また、末端停止剤が反応初期段階に混入することになるので、レンズやコンパクトディスク等の市場で求められているような精密な分子量制御は困難である。特許文献3〜5の方法は、炭酸ジアリールや炭酸ジアルキル等の副生成物が生成し、目的とする芳香族ジヒドロキシ化合物の分離回収工程が煩雑になる。
また、光ディスクをケミカルリサイクルする際は、記録膜や反射膜としてアルミニウム等の金属膜が使用されており、この金属膜の除去が必須となるが、金属膜は微粉になり易く、ろ過等で簡単に分離し難いことも問題となっていた。
また、特許文献6には、ポリカーボネート樹脂を基板とする光磁気記録ディスクの廃棄物をアルカリ水溶液中で粉砕し、この粉砕物をアルカリ水溶液中に浸漬した状態で処理し、薄膜を剥離除去してポリカーボネート樹脂を回収する方法が示されている。この方法は、廃光磁気記録ディスクからポリカーボネート樹脂を回収する方法である。
特公昭40−016536号公報 特開昭54−048869号公報 特開平06−056985号公報 特開平10−259151号公報 特開2002−212335号公報 特開平07−256639号公報
本発明の目的は、芳香族ポリカーボネートを基板とする廃光ディスク(例えば不要となったCD、CD−ROM、DVD等の芳香族ポリカーボネート製品)を安価で大量に処理し、高純度の芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を用いてCD等に使用できる高品質の芳香族ポリカーボネートを製造する方法を提供することにある。
本発明者は、これらの課題を達成するために鋭意検討した結果、廃光ディスクを有機溶媒と混合して廃光ディスクに使用されている芳香族ポリカーボネートを有機溶媒に溶解し、この有機溶媒溶液とアルカリ金属水酸化物水溶液とを混合することにより光ディスクの薄膜層中のアルミニウム反射膜を容易に除去し、分液して得られた有機溶媒溶液をアルカリ性条件下で穏和に分解反応を進行させることにより高品質の芳香族ジヒドロキシ化合物が得られること、さらに該芳香族ジヒドロキシ化合物を用いて製造された芳香族ポリカーボネートの品質は市販のジヒドロキシ化合物を用いて製造した芳香族ポリカーボネートの品質と遜色ないことを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、
1.廃光ディスクを有機溶媒と混合して廃光ディスクに使用されている芳香族ポリカーボネートを有機溶媒に溶解し、この有機溶媒溶液とアルカリ金属水酸化物水溶液とを実質的に芳香族ポリカーボネートが分解しない条件で混合した後、有機溶媒相と水溶液相とを分液し、得られた有機溶媒相中の芳香族ポリカーボネートをアルカリ性条件下に分解して芳香族ヒドロキシ化合物を得ることを特徴とする廃光ディスクから芳香族ヒドロキシ化合物を得る方法。
2.前記芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液は、芳香族ポリカーボネートの濃度が8〜12重量%である前項1記載の廃光ディスクから芳香族ヒドロキシ化合物を得る方法。
3.前記芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液と混合するアルカリ金属水酸化物水溶液は、アルカリ金属水酸化物濃度が0.5〜2重量%である前項1記載の廃光ディスクから芳香族ヒドロキシ化合物を得る方法。
4.前記有機溶媒は、ハロゲン化炭化水素化合物である前項1記載の廃光ディスクから芳香族ヒドロキシ化合物を得る方法。
5.前項1記載の方法により得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を芳香族ポリカーボネートの製造工程に用いる芳香族ポリカーボネートの製造方法。
が提供される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、使用される廃光ディスクはCD、CD−R、DVD等であり、廃棄されたものや成形不良のものなど不要になった芳香族ポリカーボネートを基板とする廃光ディスクが使用される。なお、本発明においては、アルカリ金属水酸化物水溶液に溶解する薄膜層を有する光ディスクが対象となる。特に記録膜や反射膜として使用される金属薄膜層、殊にアルミニウム金属膜層を有する光ディスクが好ましく使用される。
廃光ディスクの基板として使用される芳香族ポリカーボネートは、界面重合法や溶融重合法等公知の方法で製造されたものでよく、分子量は粘度平均分子量で10000〜20000のものが好ましい。ここで、ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量(M)は塩化メチレン100mlにポリカーボネート樹脂0.7gを20℃で溶解した溶液から求めた比粘度(ηsp)を次式に挿入して求めたものである。
ηsp/c=[η]+0.45×[η]c(但し[η]は極限粘度)
[η]=1.23×10−40.83
c=0.7
該ポリカーボネートは、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称ビスフェノールA)、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(3−イソプロピル−4−ヒドロキシ)フェニル}プロパン、2,2−ビス{(4−ヒドロキシ−3−フェニル)フェニル}プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルブタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−メチルペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−イソプロピルシクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス{(4−ヒドロキシ−3−メチル)フェニル}フルオレン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−o−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−5,7−ジメチルアダマンタン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテルおよび4,4′−ジヒドロキシジフェニルエステル等のジヒドロキシ化合物の単独または2種以上の混合物から製造されたものが好ましい。
また、末端停止剤(分子量調節剤)としては、フェノール、p−クレゾール、p−エチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−クミルフェノール、p−シクロヘキシルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ノニルフェノール、2,4−キシレノール、p−メトキシフェノール、p−ヘキシルオキシフェノール、p−デシルオキシフェノール、o−クロロフェノール、m−クロロフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタクロロフェノール、p−フェニルフェノール、p−イソプロペニルフェノール、2,4−ジ(1’−メチル−1’−フェニルエチル)フェノール、β−ナフトール、α−ナフトール、p−(2’,4’,4’−トリメチルクロマニル)フェノール、2−(4’−メトキシフェニル)−2−(4’’−ヒドロキシフェニル)プロパン等の1価のフェノール化合物が好ましく用いられ、これらは単独または2種以上の混合物で用いられる。
本発明において、まず、廃光ディスクを有機溶媒と混合して廃光ディスクに使用されている芳香族ポリカーボネートを有機溶媒に溶解させる。
前記有機溶媒としては25℃における芳香族ポリカーボネート樹脂の溶解度が50g/L以上である溶媒が好ましく、具体的にはジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、ジクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素化合物溶媒が好ましく、ジクロロメタン、ジクロロエタンまたはクロロホルムがより好ましく、ジクロロメタン(塩化メチレン)が特に好ましく用いられる。これらの溶媒は芳香族ポリカーボネート樹脂の良溶媒で、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造工程に反応溶媒として用いられており、分解して得られた芳香族ジヒドロキシ化合物にこれらの有機溶媒が残留していても、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造に悪影響を及ぼさない利点がある。
有機溶媒の使用量は、廃光ディスク100重量部に対し669〜1900重量部が好ましく(5〜13重量%)、733〜1150重量部(8〜12重量%)の範囲がより好ましい。有機溶媒の使用量が567重量部より少ないと芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液の粘度が高くなり、後述するアルカリ金属水酸化物水溶液と混合した際にアルミニウム膜等の除去に時間がかかると共に、アルカリ金属水酸化物水溶液との分離性に劣るため分液後の有機溶媒溶液に多量の水分が含まれることになり後工程の分解反応の反応速度が低下するため好ましくない。1900重量部より多いと反応系内のカーボネート結合濃度や触媒濃度が低くなり、分解反応時に分解速度が低下し分解反応時間が長くなり、また溶媒の回収コストも高くなる。
なお、光ディスク等の成形品はあらかじめ0.1〜2cm程度の大きさに粉砕して、この粉砕物を有機溶媒に溶解することが、溶解時間の短縮となるため好ましい。
廃光ディスクを有機溶媒と混合して得られた芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液は、次いでアルカリ金属水酸化物水溶液と混合させる。この操作により、有機溶媒に不溶であるアルミニウム反射膜等の金属膜をアルカリ金属水酸化物水溶液に溶解させる。
前記アルカリ金属水酸化物水溶液の使用量は前記芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液100重量部に対し20〜100重量部の範囲が好ましく、20〜40重量部の範囲がより好ましく、20重量部〜30重量部の範囲がさらに好ましい。アルカリ金属水酸化物水溶液量が20重量部より少ないとアルミニウム膜等の金属膜の除去に時間がかかるため好ましくない。
また、アルカリ金属水酸化物水溶液のアルカリ金属水酸化物濃度は0.5〜5重量%の範囲が好ましく、0.5〜2重量%の範囲がより好ましい。かかる範囲において、実質的に芳香族ポリカーボネートは分解しない。0.5重量%より低いとアルミニウム膜等の金属膜が完全に溶解せず有機溶媒相に残り、ひいては分解反応で得られる芳香族ジヒドロキシ化合物に混入するため好ましくない。5重量%より高いと分液後の有機溶媒溶液に多量の水分が含まれることになり後工程の分解反応速度が低下するため好ましくない。
アルカリ金属水酸化物として、具体的には水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましく使用され、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
前記芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液とアルカリ金属水酸化物水溶液とを混合させる際の混合温度は10℃〜35℃の範囲が好ましい。また、混合時間は5〜60分の範囲が好ましい。かかる範囲の温度や時間に設定すれば、実質的に芳香族ポリカーボネートが分解せず、速やかにアルミニウム膜等の金属膜がアルカリ金属水酸化物水溶液に溶解することとなる。
前記芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液とアルカリ金属水酸化物水溶液とを混合した後、次いで有機溶媒相と水溶液相とをデカンター等の液液分離器で分液して有機溶媒相を得る。
なお、分液前の混合溶液または分液後の有機溶媒相はろ過することが好ましい。ろ過の方法としてはろ過器、遠心分離機等を使用する方法が挙げられる。ろ過により廃光ディスク中に含まれる異物、印刷膜、UV硬化膜等を除去することができる。
分液して得られた有機溶媒相中の芳香族ポリカーボネートは、次いでアルカリ性条件下に分解させる。好ましくはアルカリ金属水酸化物が使用される。具体的には水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムが好ましく使用され、特に水酸化ナトリウムが好ましい。
アルカリ金属水酸化物の使用量は、ポリカーボネート樹脂のカーボネート結合1モルに対し4.1〜8.0モルが好ましい。使用量が4.1モルより少ないと分解反応が非常に遅く、8.0モルより多いとコストが高くなり、かつ、芳香族ジヒドロキシ化合物を単離、回収する際に使用する酸水溶液の量も多くなり、経済的に不利となる。
アルカリ金属水酸化物は水溶液の状態で使用することが好ましい。その際アルカリ金属水酸化物の濃度は35重量%〜55重量%が好ましい。35重量%より低いと分解速度が遅くなり、55重量%を超えるとアルカリ金属水酸化物が析出しスラリーになりやすく、スラリーになった場合かえって反応が遅くなる。
本発明において、分解反応を行う温度は30℃〜120℃が好ましく、30℃〜50℃がより好ましい。30℃未満の場合は分解反応時間が長くなり、処理効率が著しく劣ることがある。また、120℃を越えると、加熱のエネルギーが多く必要となり、さらに分解処理中に溶液の色が褐色に着色し易くなり、品質の良い芳香族ジヒドロキシ化合物の水溶液が得られなくなることがある。また、沸点以上においての反応は圧力容器が必要となり、設備費がかかり経済的に不利となる。
分解反応中に生成した芳香族ジヒドロキシ化合物は、塩基性条件下では酸化されやすいので、反応溶液中に酸化防止剤を添加することが好ましい。また、工程内の酸素濃度を不活性ガスにより、低減しておくことも有効である。
酸化防止剤として、重亜硫酸ナトリウム(Na)、亜硫酸ナトリウム(NaSO)、ハイドロサルファイトナトリウム(Na)等が挙げられる。これらを1種または2種以上混合して用いても差し支えない。酸化防止剤の使用量は芳香族ポリカーボネート100重量部に対し、0.05〜4.0重量部が好ましい。0.05〜4.0重量部の範囲であると酸化防止効果があり、また、コスト的に有利で、分解反応速度が低下せず好ましい。
不活性ガスの種類として、窒素、アルゴン等が挙げられる。窒素がコスト的に有利であり好ましい。
前記芳香族ポリカーボネート樹脂の分解反応は、界面反応であり、有機溶媒に溶解、または膨潤している芳香族ポリカーボネート樹脂がアルカリ金属水酸化物水溶液と攪拌され、界面で接触して分解される。この反応は不可逆であり、芳香族ポリカーボネート樹脂のカーボネート結合が切れ、芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩と炭酸金属塩に分解する。
生成する芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩と炭酸金属塩が金属水酸化物水溶液に溶解せず、固型分として析出している場合は、解重合反応後の反応液に水を加えて析出した固型分を溶解させる。加える水の量は、完全に固体が溶解する量以上を投入するが、多く投入しすぎると水溶液中の芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩濃度が低下し、次の芳香族ポリカーボネート製造工程において反応速度の低下、廃液蒸留コスト増となるので、完全に固体が溶解する量の最小量が好ましい。
有機溶媒相と芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩の水溶液相との2つの相をデカンター等の液液分離器で分離して水相を回収する。この回収した芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩の水溶液をそのまま芳香族ポリカーボネート製造工程に使用できる。しかしながら、液液分離器において分離が不十分であると、水相に粒状に浮遊している重液相が次の工程に混入し、製品に影響を及ぼすので、水相をハロゲン化炭化水素化合物溶媒に接触させ、可能な限り除去することが好ましい。この方法は、洗浄塔による接触、撹拌機、液液分離器による分離、遠心分離機など、公知の方法が使用できる。また、回収した芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩の水溶液と、購入した市販の芳香族ジヒドロキシ化合物を調合した水溶液を任意の割合で混合して、芳香族ポリカーボネート製造工程に使用することもできる。
一方、前記回収した芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩の水溶液に酸を加えて、芳香族ジヒドロキシ化合物を析出させ、芳香族ジヒドロキシ化合物を単離、回収することもできる。
芳香族ジヒドロキシ化合物を析出させる好適な方法は、ハロゲン化炭化水素化合物溶媒の存在下あるいは非存在下、芳香族ジヒドロキシ化合物金属塩の水溶液を攪拌および/または循環している造粒槽に、酸水溶液を加えるという方法である。該方法によれば、水相、有機溶媒相に溶解しない芳香族ジヒドロキシ化合物がスラリーとして得られ、このスラリーをろ過することにより、芳香族ジヒドロキシ化合物を得ることができる。水相の最終pHは4〜10にするのが好ましい。さらに好ましくはpH6〜8.5の範囲である。
使用する酸水溶液の酸の種類は特に限定はないが、塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸等の無機酸が好ましく用いられる。
固体として得られた芳香族ジヒドロキシ化合物のろ過の方法は、ろ過器、遠心分離機等を使用する方法が挙げられる。遠心分離機を使用する方法がろ過後の芳香族ジヒドロキシ化合物の含液率が低く好ましい。
ろ過後に得られた芳香族ジヒドロキシ化合物は、未精製であり、水相、有機溶媒相に存在していた芳香族ジヒドロキシ化合物以外の不純物、例えば、末端停止剤、成型品の着色剤等の添加剤、ポリカーボネート由来の炭酸塩、金属水酸化物と酸水溶液が反応して精製した中性塩等が含まれている。これらの不純物は、純水および塩素化化合物からなる有機溶媒と接触、洗浄することにより、除去が可能であり、芳香族ジヒドロキシ化合物の純度が向上する。
また、洗浄される芳香族ジヒドロキシ化合物は、その平均粒径(重量平均粒子径)が好ましくは100〜1000μm、より好ましくは100〜800μm、特に好ましくは200〜600μmである。前記範囲の平均粒径の芳香族ジヒドロキシ化合物を使用すると効率良く洗浄できるため好ましい。
洗浄の方法は、固体の芳香族ジヒドロキシ化合物を攪拌槽に移し、水、ハロゲン化炭化水素化合物溶媒を同時、または別々に投入し、攪拌、ろ過する方法、遠心分離機内で水、ハロゲン化炭化水素化合物溶媒を同時、または別々に振りかけそのまま遠心分離で脱液する方法などが挙げられる。
本発明の方法で得られた固形の芳香族ジヒドロキシ化合物は、芳香族ポリカーボネートの製造工程に再使用することができる。再使用する方法としては、溶融重合法ではそのまま使用することができ、また、界面重合法では金属水酸化物水溶液に所望の濃度で溶解し、芳香族ポリカーボネートの製造に使用することが可能である。その際、芳香族ジヒドロキシ化合物をアルカリ金属水酸化物水溶液に溶解した溶液を加熱し、残存する有機溶媒を揮発したものを使用することも好ましい。
また、回収した芳香族ジヒドロキシ化合物と市販の芳香族ジヒドロキシ化合物とを一緒に芳香族ポリカーボネートの製造に使用しても構わない。回収した芳香族ジヒドロキシ化合物と市販の芳香族ジヒドロキシ化合物を混合する方法は、固体同士、固体と液体、液体同士を混合する方法のどの方法であってもよい。
本発明の方法で回収した芳香族ジヒドロキシ化合物を原料として用いて得られるポリカーボネート樹脂は、色相および熱安定性に優れることから、例えば光磁気ディスク、各種追記型ディスク、デジタルオーディオディスク(いわゆるコンパクトディスク)、光学式ビデオディスク(いわゆるレーザディスク)、デジタル・バーサイル・ディスク(DVD)等の光ディスク基板用の材料として、あるいはシリコンウエハー等の精密機材収納容器の材料として好適に使用でき、殊に光ディスク基板用の材料として好適に採用される。
本発明によれば、廃光ディスクの基板に使用されているポリカーボネート樹脂を分解して得られた芳香族ジヒドロキシ化合物は高品質で、芳香族ポリカーボネート樹脂の製造原材料として再利用できる。本発明の奏する工業的効果は格別である。
以下に実施例を挙げて本発明を更に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。特に断り書きのない場合、部は重量部を表す。なお、評価は次に示す方法で行った。
(1)色相(b値)
ポリカーボネート樹脂ペレットを射出成形機(日本製鋼所(株)製:日鋼アンカー V−17−65型)を用い、シリンダー温度340℃で、厚さ2mmの50mm角板を成形した。その成形板を色差計(日本電色(株)製)を用いてb値を測定した。
(2)熱安定性(△E)
ポリカーボネート樹脂ペレットを射出成形機(日本製鋼所(株)製:日鋼アンカー V−17−65型)を用い、シリンダー温度340℃で10分間滞留させたものとさせないものの試験片(厚さ2mmの50mm角板)をそれぞれ作成し、その色相の変化(△E)を測定した。色相の変化は、色差計(日本電色(株)製)でそれぞれのL、a、b値を測定し、下記式を用いて算出した。
ΔE=[(L′−L)+(a′−a)+(b′−b)1/2
(L、a、bは滞留させないもの、L′、a′、b′は10分間滞留させたもの)
(3)ビスフェノールA水溶液中のビスフェノールA濃度
ビスフェノールA水溶液を0.1〜0.5重量%になるように水酸化ナトリウム水溶液で薄め、UV計で波長294nmの吸光度を測定し、あらかじめ作成した検量線により水溶液中のビスフェノールA濃度を測定した。
(4)ビスフェノールAの純度(有機物中のビスフェノールA純度)
Waters社製高速液体クロマトグラフィを用い、サンプル(有機物)0.2gに内部標準としてo−クレゾールを添加したアセトニトリル1mLを加え、溶解し、アセトニトリル/0.2%酢酸水溶液を展開溶媒としてクロマトグラフを得、あらかじめ作成した検量線により、ビスフェノールAの純度を求めた。
(5)ビスフェノールAのナトリウムイオン含有量
ビスフェノールA1gに超純水10mLを加えて24時間静置し、イオン成分を抽出した。この液をイオンクロマトグラフを得、あらかじめ作成した検量線によりナトリウムイオンの量を求めた。
(6)ビスフェノールAの平均粒径
ビスフェノールAを2.0mm、1.0mm、0.71mm、0.425mm、0.3mm、0.18mm、0.075mmの目開きを持つ篩を使用して、篩い分けた後、重量を基準とした累積粒度分布グラフを作成し、累積重量が50%になるところの粒径を求め、これを平均粒径とした。
(7)ビスフェノールAのアルミニウム含有量
ビスフェノールA0.5gを石英るつぼに秤量し電気炉で灰化させた。灰化物を硝酸で加熱分解し、希硝酸で定容した。得られた溶液はICP質量分析法でアルミニウム量を求めた。
[実施例1]
攪拌槽に市販のコンパクトディスク100部と塩化メチレン800部を投入し、6時間攪拌した。コンパクトディスクのアルミニウム膜は、ポリカーボネートの塩化メチレン溶液中に分散していた。この溶液に1重量%水酸化ナトリウム水溶液200部を添加し、25℃で攪拌した。30分後にはアルミニウム膜は完全に消失していた。この混合液を目開き10μmのセルロース製フィルタを取り付けたろ過器(アドバンテック製)に通し、コンパクトディスクの膜(印刷膜、UV硬化樹脂膜)等を除去した。次いで、分液ロートに混合液を移して分液し、有機溶媒相を取り出した。
温度計、撹拌機及び還流冷却器、水浴付き反応器に、該有機溶媒相264部、50%水酸化ナトリウム水溶液71部、ハイドロサルファイトナトリウム0.6部を投入し、攪拌した。その後、水浴温度を40℃に調節したところ、8分後に激しく還流が始まり、20分後には激しさは収まった。反応5時間後、内部は固体が析出しており、固体を一部取り分析したところ、ビスフェノールAナトリウム塩と炭酸ナトリウムであった。水浴の温度調節を止めて、337.5部の純水を投入し、1時間攪拌を継続して固体を溶解した。
分液ロートに反応混合物を移し、455部の水相と224部の有機相に分離した。水相はアルカリ性水溶液であり、ビスフェノールA、炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、p−ターシャリーブチルフェノールナトリウム塩を含んでいた。また、有機相はエバポレータで塩化メチレンを蒸発、回収し、残さは廃棄した。残さは未反応ポリカーボネートと添加剤の分解物であり、重量を測定したところ1.1部であった。
分離した水相455部に塩化メチレン100部を加え、激しく混合したあと静置し、水相と塩化メチレン相とを分離した。塩化メチレンはエバポレータで回収した。この操作を3回繰り返し行い、ビスフェノールA水溶液(ビスフェノールA濃度76.6g/L)を得た。
ビスフェノールA水溶液455部を、温度計、撹拌機及び還流冷却器付き反応器に移し、新たに塩化メチレン170部を加えて攪拌した。攪拌しながら98%濃硫酸36.1部を滴下ロートを使用し1時間かけて滴下した。攪拌を停止させ、内部を確認すると、反応器内は水相、塩化メチレン相、析出したビスフェノールAの3相に分かれていた。
このスラリーを遠心分離機で濾過し、遠心分離機内で運転しながら、温度20℃の塩化メチレン50部、温度20℃の電気伝導度が10μS/cmの純水50部、前記塩化メチレン50部、前記純水50部をそれぞれ5分間かけてこの順番で固体に振りかけ、リンス洗浄を行った。固体を遠心分離機内から掻き出し、乾燥後重量を測定したところ26.5部であった。この固体の平均粒径は500μmであった。ビスフェノールA純度は99.8%、ナトリウムイオン含有量は8ppm、アルミニウム含有量は8ppbであった。
[比較例1]
実施例1において、ポリカーボネートの塩化メチレン溶液に1重量%水酸化ナトリウム水溶液200部を添加せず、そのままろ過器に通した以外は実施例1と同様の操作を行ない固体のビスフェノールAを得た。乾燥後重量を測定したところ26.5部であった。この固体の平均粒径は500μmであった。ビスフェノールA純度は99.8%、ナトリウムイオン含有量は8ppm、アルミニウム含有量は700ppbであった。
[参考例1]
実施例1において、コンパクトディスク100部に対し塩化メチレン600部を使用してポリカーボネートを溶解させる以外は実施例1と同様の操作を行ない固体のビスフェノールAを得た。乾燥後重量を測定したところ18.0部であり分解反応が十分に進んでいなかった。
[参考例2]
実施例1において、ポリカーボネートの塩化メチレン溶液に0.3%水酸化ナトリウム水溶液200部を添加し、攪拌を行なった。3時間攪拌を続けたが、アルミニウム膜は完全に消失していなかった。
[参考例3]
実施例1において、ポリカーボネートの塩化メチレン溶液に10%水酸化ナトリウム水溶液200部を添加し、攪拌を行なう以外は実施例1と同様の操作を行ない固体のビスフェノールAを得た。なお、攪拌を始めて30分後にはアルミニウム膜は完全に消失していた。得られたビスフェノールAの固体を乾燥後、その重量を測定したところ12.0部であり分解反応が十分に進んでいなかった。
[実施例2] ポリカーボネート樹脂の製造
(A)温度計、撹拌機、還流冷却器、循環器付き反応器に、イオン交換水650部、25%水酸化ナトリウム水溶液252部を仕込み、これに実施例1で得られたビスフェノールA170部、塩化メチレン13部およびハイドロサルファイト0.34部を加え、循環しながら温度を30℃に保持し40分間で溶解し、ビスフェノールA水溶液を調製した。
(B)温度計、撹拌機及び還流冷却器付き反応器に、(A)で調製したビスフェノールA水溶液367部を仕込み、塩化メチレン181部を加え、撹拌下15〜25℃でホスゲン28.3部を40分要して吹込んだ。ホスゲン吹き込み終了後、48%水酸化ナトリウム水溶液7.2部および固体のp−ターシャリーブチルフェノール1.55部を加え、乳化せしめた後、10分後にトリエチルアミン0.06部を加え、さらに28〜33℃で1時間撹拌して反応を終了した。反応終了後生成物に塩化メチレン400部を加え混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離して、ポリカーボネート樹脂濃度14.5重量%の有機溶媒溶液を得た。(この操作を、反応機2機を用いて繰り返し行った。)
この有機溶媒溶液に水150部を加えて攪拌混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。この有機相にpH3の塩酸水200部を加え、攪拌混合しトリエチルアミン等を抽出した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。次いでさらに分離した有機相にイオン交換水200部を加え攪拌混合した後、攪拌を停止し、水相と有機相を分離した。この操作を水相の導電率がイオン交換水と殆ど同じになるまで(4回)繰返した。得られた精製ポリカーボネート樹脂溶液をSUS304製の濾過精度1μmフィルターで濾過した。
次に、該有機溶媒溶液を軸受け部に異物取出口を有する隔離室を設けた内壁の材質がSUS316L製の1000Lニーダーにイオン交換水100Lとともに投入し、水温42℃にて塩化メチレンを蒸発させて粉粒体とし、該粉粒体と水との混合物を水温95℃にコントロールされた攪拌機付熱水処理槽を有した熱水処理工程の熱水処理槽に投入し、粉粒体25部、水75部の混合比で30分間攪拌機混合した。この粉粒体と水の混合物を遠心分離機で分離して塩化メチレン0.5重量%、水45重量%を含有する粉粒体を得た。次に、この粉粒体を140℃にコントロールされているSUS316L製伝導受熱式溝型2軸攪拌連続乾燥機に50kg/h(ポリカーボネート樹脂換算)で連続供給して、平均乾燥時間3時間の条件で乾燥して粉粒体を得た。
この粉粒体100部にトリス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイトを0.01部、4,4’−ビフェニレンジホスホスフィン酸テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)を0.01部、ステアリン酸モノグリセリドを0.08部加え混合した。次に、かかる粉粒体をベント式二軸押出機[東芝機械(株)製TEX−50B]によりシリンダー温度280℃、乾式真空ポンプを用いてベント吸引圧700Paで吸引脱気しながら溶融混練押出し、ペレットを得た。得られたペレットを成形して、色相と熱安定性を評価し、その結果を表1に示した。
[比較例2]
実施例2において、(A)で使用するビスフェノールAとして比較例1で得られたビスフェノールAを使用する以外は、実施例2と同様の操作を行い、ペレットを得た。得られたペレットを成形して、色相と熱安定性を評価し、その結果を表1に示した。
Figure 2005239562

Claims (5)

  1. 廃光ディスクを有機溶媒と混合して廃光ディスクに使用されている芳香族ポリカーボネートを有機溶媒に溶解し、この有機溶媒溶液とアルカリ金属水酸化物水溶液とを実質的に芳香族ポリカーボネートが分解しない条件で混合した後、有機溶媒相と水溶液相とを分液し、得られた有機溶媒相中の芳香族ポリカーボネートをアルカリ性条件下に分解して芳香族ヒドロキシ化合物を得ることを特徴とする廃光ディスクから芳香族ヒドロキシ化合物を得る方法。
  2. 前記芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液は、芳香族ポリカーボネートの濃度が8〜12重量%である請求項1記載の廃光ディスクから芳香族ヒドロキシ化合物を得る方法。
  3. 前記芳香族ポリカーボネートの有機溶媒溶液と混合するアルカリ金属水酸化物水溶液は、アルカリ金属水酸化物濃度が0.5〜2重量%である請求項1記載の廃光ディスクから芳香族ヒドロキシ化合物を得る方法。
  4. 前記有機溶媒は、ハロゲン化炭化水素化合物である請求項1記載の廃光ディスクから芳香族ヒドロキシ化合物を得る方法。
  5. 請求項1記載の方法により得られた芳香族ジヒドロキシ化合物を芳香族ポリカーボネートの製造工程に用いる芳香族ポリカーボネートの製造方法。
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