JP2003171324A - 芳香族ポリカーボネートのケミカルリサイクル方法 - Google Patents

芳香族ポリカーボネートのケミカルリサイクル方法

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Tetsuo Ban
哲夫 伴
Akinobu Yoshisato
瑛信 善里
Masaharu Muramoto
雅晴 村元
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃芳香族ポリカーボネート樹脂に芳香族モノ
ヒドロキシ化合物をエステル交換反応させ、芳香族ジヒ
ドロキシ化合物及びジアリールカーボネートとして回収
する。 【解決手段】 (A)廃芳香族ポリカーボネート樹脂に
芳香族モノヒドロキシ化合物をエステル交換反応させる
第1工程、(B)第1工程で得られた反応混合物から溶解
度パラメーター(δs)が10.5以下の溶媒により晶析
し、芳香族ジヒドロキシ化合物−芳香族モノヒドロキシ
化合物付加物を分離する第2工程、(C)第2工程で残
留した母液から、蒸留又は溶解度パラメーター(δs
が13.0以上の溶媒を用いて晶析し、ジアリールカー
ボネートを分離する第3工程よりなることを特徴とする
リサイクル方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃芳香族ポリカーボ
ネート樹脂のリサイクル方法に関する。更に詳しくは、
不要の芳香族ポリカーボネートからそのモノマー成分で
ある芳香族ジヒドロキシ化合物およびジアリールカーボ
ネートを回収し、リサイクルする方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は、優れた
透明性、光学的特性および強靭な物性を有するので、レ
ンズ、コンパクトディスク、建築材料、自動車部品、O
A器機のシャーシー、カメラボディー等種々の用途に利
用されている極めて付加価値に高い材料であり、ますま
す需要が増加しつつある。これらの製品はその利用が終
了すると多くは廃棄物として、焼却されたり、地中に埋
め立てたりする方法で処理されている。これは資源の無
駄であるばかりでなく、環境汚染や炭酸ガス排出といっ
た地球規模での社会問題ともなっている。したがって、
廃棄物となった芳香族ポリカーボネート樹脂を解重合分
解し、モノマーとして再利用するいわゆるケミカルリサ
イクルの方法が強く望まれているが、これまでいくつか
の方法が提案されてはいるものの未だ有効な方法は見出
されていない。
【0003】芳香族ポリカーボネートの解重合反応につ
いては、例えば特公昭39−19159号公報ではアン
モニア水など含窒素化合物存在下に加水分解しビスフェ
ノールAを得る方法。特公昭39−28648号公報に
はエステル交換触媒の存在下アルコール類と反応させビ
スフェノールAと用いたアルコールに対応する炭酸ジエ
ステルを得る方法。特公昭40−16536号公報には
アルカリ水溶液で加水分解しビスフェノールAを得る方
法。特表平4−505930号公報にはジメチルスルホ
キシドなどの極性中性溶媒とヒドロキシ化合物を用いて
解重合する方法。特開平6−56985号公報や特開平
7−196582号公報にはフェノール類とのエステル
交換反応でビスフェノール類とジアリールカーボネート
類を生じさせる方法などが提案されている。
【0004】しかしながらこれらの方法では殆どの場
合、解重合速度が遅いためにアルカリ等のエステル交換
触媒を比較的多量に必要とすること、そのためそれらの
触媒の回収循環や中和等が煩雑で、経済性を著しく損な
うなどの欠点がある。またフェノール類による解重合の
場合、解重合の速度が遅いだけでなく、ビスフェノール
類とジアリールカーボネートとの分離が困難で、加熱蒸
留分離では過剰量のフェノールが留出すると、脱フェノ
ールによる再重合反応が起こってしまうなど困難な要素
がある。そのため、過剰量のフェノールを残したまま分
離する方法として、残存フェノールの量を調整した上で
ビスフェノール体とフェノールの1:1の付加物の形で
晶析分離し、次いで母液から芳香族カーボネートをフラ
ッシュ蒸留する方法(特開平6−56985号公報)や
残存フェノールの量を調整した上でビスフェノール体と
フェノールの付加物の形で晶析分離し、次いで母液から
有機酸存在下でジアリールカーボネートを減圧蒸留する
方法(特開平7−196582号公報)が提案されてい
る。しかしながらこれらの方法では、芳香族カーボネー
ト自身もフェノールと付加物を形成する傾向もあって分
別性が十分でなく、ビスフェノール体を純度良く得るた
めにはフェノールからの晶析分離を繰り返す必要があ
る。その上、最終的には付加物となっているフェノール
を分離回収し、ビスフェノール体を蒸留等の方法で精製
することも必要となって、極めて煩雑で経済性を損なう
方法となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は廃棄芳香族ポ
リカーボネートから芳香族モノヒドロキシ化合物とのエ
ステル交換反応により、原料モノマーの芳香族ジヒドロ
キシ化合物と同時にもう一つのモノマー成分であるカル
ボニル部分をジアリールカーボネートとして分離回収
し、芳香族ポリカーボネート樹脂製造の原料としてリサ
イクルしようというものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は廃棄芳香族ポリ
カーボネートの芳香族モノヒドロキシ化合物による解重
合反応で得られた芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリー
ルカーボネートの有効成分を前記のような問題を解決し
つつ、工業的規模で効率よく経済的に分離回収する方法
を鋭意研究し本発明に到達したものである。かくして得
られる芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネ
ートはそのまま芳香族ポリカーボネートの原料として用
いることができ、ケミカルリサイクルが完成した。
【0007】すなわち本発明は、廃芳香族ポリカーボネ
ート樹脂に芳香族モノヒドロキシ化合物をエステル交換
反応させて芳香族ジヒドロキシ化合物及びジアリールカ
ーボネートを回収するに際し、(A)廃芳香族ポリカー
ボネート樹脂に芳香族モノヒドロキシ化合物をエステル
交換反応させる第1工程、(B)第1工程で得られた反応
混合物から溶解度パラメーター(δs)が10.5以下の
溶媒により晶析し、芳香族ジヒドロキシ化合物−芳香族
モノヒドロキシ化合物付加物を分離する第2工程、
(C)第2工程で残留した母液から、蒸留又は溶解度パ
ラメーター(δs)が13.0以上の溶媒を用いて晶析
し、ジアリールカーボネートを分離する第3工程よりな
ることを特徴とするリサイクル方法である。
【0008】本発明の対象となる芳香族ポリカーボネー
トは一般に工業で用いられている芳香族ジヒドロキシ化
合物からなるものである。かかる芳香族ジヒドロキシ化
合物はビスフェノール体と称してケミカルリサイクルの
対象となっているモノマーである。かかる芳香族ジヒド
ロキシ化合物或いはジフェノール体は、例えば、ジヒド
ロキシベンゼン類、ジヒドロキシビフェニール、ジヒド
ロキシジフェニルエーテル、ジヒドロキシジフェニルス
ルフィド、ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ジヒド
ロキシジフェニルメタン(ビスフェノールF)、ジヒド
ロキシジフェニルエタン、ジヒドロキシジフェニルプロ
パン(ビスフェノールA)、ジヒドロキシジフェニルシ
クロヘキサン(ビスフェノールZ)、3,3,5−トリ
メチル−1,1−(ジヒドロキシジフェニル)シクロヘ
キサン、α,α−(ジヒドロキシジフェニル)ジイソプロ
ピルベンゼン(ビスフェノールM)、1,3−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−p−メンタン(YP−9
0)、2,8−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−
メンタン、1,8−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−
p−メンタンあるいはこれらのビスフェノール体の混合
物であり、好ましくはビスフェノールA,ビスフェノー
ルZ、ビスフェノールM,3,3,5−トリメチル−
1,1−(ジヒドロキシジフェニル)シクロヘキサンお
よびYP−90が好ましい。さらに好ましくはビスフェ
ノールAが特に好ましい。
【0009】本発明に従って解重合される芳香族ポリカ
ーボネートは上述の芳香族ジヒドロキシ化合物から重合
或いは共重合させられたもので、その重合方法はいかな
るものであって良い。通常はホスゲンを用いる界面縮重
合法およびジフェニルカーボネートを用いる溶融縮重合
法があるが、いずれの方法でもよくその製造法にはよら
ない。
【0010】また重合度も用途などにより異なっており
通常5,000から200,000の範囲にあるが、熱
可塑性を有しておればその重合度にはよらない。また本
発明は不要となり廃棄された芳香族ポリカーボネートを
対象としているので、用途によって各種の侠雑物を含ん
でいる場合があるがそれらはあらかじめ所定の方法で除
かれている方が好ましい。例えば、光学用途のディスク
廃棄物の場合、ポリカーボネート樹脂の基板上に金属化
合物からなる記録材料が薄膜として被覆されているが、
粉砕後アルカリ洗浄等の方法で除去が可能である(特開
平7−256639号公報)。また不溶性の汚染物を含
む場合には溶融後、ろ過する等の方法で除去される。
【0011】芳香族モノヒドロキシ化合物としては各種
のフェノール類を用いることができる。例えば、フェノ
ールのほかo−クレゾール、m−クレゾール等のクレゾ
ール類、キシレノール類や各種置換フェノール類がある
が、フェノールが最も好ましい。その使用量は廃芳香族
ポリカーボネート樹脂に対して、ポリマーの繰り返し単
位1モルとして、通常1〜500モル倍、好ましくは2
〜100モル倍で、特に好ましくは5〜20モル倍であ
る。
【0012】本発明の最初の工程は上記芳香族ポリカー
ボネートと芳香族モノヒドロキシ化合物とのエステル交
換反応である。供給される廃芳香族ポリカーボネートは
溶融状態であっても、固体であっても良く、また芳香族
モノヒドロキシ化合物と一緒に供給しても良い。
【0013】反応温度は通常150℃〜300℃の範囲
で行われる。150℃以下の温度では反応速度が遅く、
十分な反応速度を得るためには多量の触媒を必要とする
が、このエステル交換反応は平衡支配の反応であるた
め、解重合反応の触媒は同時に重合反応も促進する。す
なわち本発明の次の工程で過剰に用いられた芳香族モノ
ヒドロキシ化合物を蒸留して除く際、いったん生成した
芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリール化合物の混合物
から芳香族モノヒドロキシ化合物が脱離して、解重合の
逆反応である縮合反応が起こりうるが、エステル交換反
応に用いられた触媒が縮合反応の触媒ともなる。従っ
て、本発明の以下の工程を効率よく行うためには触媒を
用いないでエステル交換反応を行うことが好ましい。そ
のため好ましい反応温度としては200℃〜300℃の
範囲で、通常芳香族モノヒドロキシ化合物の沸点を超え
るので加圧下で行われる。また、300℃を超えると生
成物の高次の分解反応等の副反応が起こるため好ましく
ない。
【0014】上述したようにこのエステル交換反応は触
媒を用いないで行うことが好ましいが、反応後に適当な
方法で触媒を除去できるようなものや、有効な失活剤で
次の工程で触媒活性を失わせしめることのできるものは
用いることができる。かかる触媒としては揮発性の有機
塩基類、固体酸、塩基類や中和失活可能な酸塩基触媒が
挙げられる。なおこのエステル交換反応は回文式又は連
続式のいずれで行っても良い。
【0015】第1工程で得た分解反応物と多量の芳香族
モノヒドロキシ化合物を含む反応混合物は第2工程に送
られ、溶解度パラメーター(δs)が10.5以下の溶媒
により晶析し、芳香族ジヒドロキシ化合物−芳香族モノ
ヒドロキシ化合物の付加物を分離する。
【0016】発明者らはK.L.Hoyのモル牽引力の
概念(J.Paint Technol.,42,7
6)(1970)より導かれた溶解度パラメーターを利
用し、溶媒を選択した。Hoyは数種の原子や原子団に
ついて、蒸気圧測定より求めたモル牽引定数Gを定義
し、下記式 δ=dΣG/M (式中、δは溶解度パラメーター、dは密度、Gはモル
牽引定数、Mは分子量を意味する)を用いて、分子構造
式から溶解度パラメーター(δ)の値を推測できるとし
ている。溶解度パラメーター(δ)の値の算出に関する
さらなる詳細については原報を参照することができる。
それによれば、各溶媒の物性データ(蒸発潜熱、ある温
度での密度、及び分子量)を用いてモル牽引乗数Gを推
算することができる。そして本発明においては、溶解度
パラメーターδsが10.5以下の溶媒を第1工程で得た
反応混合物に添加し、該混合物中の芳香族ジヒドロキシ
化合物を、芳香族ジヒドロキシ化合物−芳香族モノヒド
ロキシ化合物付加物として選択的に折出せしめ、次いで
分離回収することができる。溶解度パラメーターδs
より好ましい範囲としては10.0〜7.0を挙げるこ
とができる。
【0017】一般的な傾向として、溶媒の溶解度パラメ
ーターδsが10.5より大きい数値のものでは芳香族ジ
ヒドロキシ化合物を溶解し、晶析の選択性が悪くなるの
で好ましくない。また溶解度パラメーターδsが7.0
以下の溶媒ではこれも芳香族ジヒドロキシ化合物だけで
なくジアリールカーボネート、芳香族モノヒドロキシ化
合物も殆ど溶解せず、やはり晶析の選択性が乏しい傾向
があって好ましくない。
【0018】具体的に第2工程で用いられる溶媒の例と
しては、シクロペンタン(δs;8.4)、シクロヘキ
サン(δs;8.6)、イソオクタン(δs;7.6)、
オクタン(δs;7.8)、デカン(δs;7.3)など
の飽和炭化水素、四塩化炭素(δs;8.6)等のハロ
ゲン化炭化水素等が挙げられる。これら溶解度パラメー
ターδsが10.5以下の溶媒の中で、科学的に安定で回
収循環が容易であり、最終目的物を汚染せずかつ予測さ
れる不純物を除去できる比較的低沸点の溶媒が最も好ま
しく、好ましくは炭素数5以上の飽和炭化水素であるシ
クロペンタンやシクロヘキサンが好ましい。
【0019】これらの溶媒の用いる量は、それぞれの溶
媒の芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネー
ト化合物に対するそれぞれの溶解度と、未分解の芳香族
ポリカーボネート(オリゴマー)や残存する芳香族モノ
ヒドロキシ化合物の量によって決められる。ここで用い
られる溶解度パラメーターδsが10.5以下の溶媒と
しては、通常芳香族ジヒドロキシ化合物に対する溶解度
が低く(例えば溶媒100gに対する室温での溶解度が
1以下)、ジアリールカーボネートに対する溶解度が比
較的大きい(例えば溶媒100gに対する室温での溶解
度が10以上)のものが選ばれるが、ジアリールカーボ
ネートが溶解性を維持できる量を目安として用いられ
る。従って実際に用いる溶媒の量は、その溶媒の溶解性
(溶解度差)や処理温度(差)及び侠雑物の量などによ
って異なるが、例えば、シクロヘキサンを用いた場合、
第1工程より得られる反応混合物の100重量部当たり
50〜500重量部の範囲で用いられ、好ましくは10
0〜300重量部の範囲が好ましい。この晶析の方法は
通常の手段を用いて行うことができ、またこの結晶化の
方法を繰り返すことによってより高められた純度で芳香
族ジヒドロキシ化合物−芳香族モノヒドロキシ化合物の
付加物を分離回収し、その母液をあわせて次の工程に供
すこともできる。
【0020】このようにしてモノマー成分の一つである
芳香族ジヒドロキシ化合物を芳香族ジヒドロキシ化合物
−芳香族モノヒドロキシ化合物付加物として分離回収し
た後、その母液を第3工程で蒸留または溶解度パラメー
ターδs13.0以上の溶媒を用いて晶析し、ジアリール
カーボネートを分離回収する。いずれにしてもこの工程
では、まず第2工程で用いた溶媒は蒸発回収して、次に
その残渣をそのまま高真空下での蒸留によってジアリー
ルカーボネートを分離回収するか、その残渣に溶解度パ
ラメーター13.0以上の溶媒を加えて晶析によりジア
リールカーボネートを分離回収するかいずれかの方法を
用いてもう一つのモノマー成分であるジアリールカーボ
ネートを分離回収する。
【0021】蒸留する場合、蒸留装置は任意の装置を使
用することができるが、コスト低減及び品質劣化防止の
ために滞留量が少なく、滞留時間の短いものが使用され
る。例えば、流下液膜式蒸発器、薄膜蒸発器、螺旋管蒸
発器、或いは循環もしくは上昇膜蒸発器などが適切であ
る。また蒸留後の残渣はそのまま第1工程に戻すことが
できる。
【0022】溶解度パラメーターδsが13.0以上の
溶媒を用いた晶析分離を行う場合、用いられる溶媒とし
ては、メタノールあるいはエタノールが挙げられ、なか
でもメタノールが好ましい。例えばメタノールのビスフ
ェノールAに対する溶解度はメタノール100重量部に
対し室温で409重量部であるが、ジフェニルカーボネ
ートのそれは10重量部程度である。従って、第2工程
で用いる溶媒の量に比べて通常この工程で晶析に用いる
溶媒は比較的少ない量で済ますことができる。晶析後の
母液はメタノールを十分除いた後、第1工程或いは第2
工程に戻すこともできる。
【0023】
【実施例】以下、実施例に基づき、本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0024】[実施例1]全内容積113mlオートク
レーブ中にポリカーボネート樹脂ペレット(帝人化成製
AD−5503、平均分子量15,000)5gとフェ
ノール15gさらに、二酸化炭素密度が0.40g/m
lになるようにドライアイス46gを仕込み密閉した。
マグネチックスターラーで撹拌しながら昇温し、230
℃に達してから同温度で4時間保持した。圧力は24.
5MPaであった。反応後急冷して室温まで達した後、
内容物を取り出した。内容物をガスクロマトグラフィー
で分析した結果4.3gのビスフェノールAおよび4.
0g(理論収率約95%)のジフェニルカーボネートお
よび11.5gのフェノールが含まれていることが分か
った。
【0025】この反応混合物を500mlのフラスコに
移して、シクロヘキサン20gを加えて加温下に約10
分攪拌し、室温まで静置した。結晶をろ別し、約6.1
gの結晶と約34gのろ液を得た。それぞれガスクロマ
トグラフィーにより分析した結果、結晶は純度約95%
のビスフェノールA−フェノールの1:1の付加物であ
り、シクロヘキサン溶液中には3.9gのジフェニルカ
ーボネートと0.1gのビスフェノールAが含まれてい
た。結晶に約20gのシクロヘキサンを加えて1時間撹
拌し、数時間静置した後、ろ過し、結晶として純度99
%以上のビスフェノールA−フェノールの1:1付加物
5.8gを得た。先のろ液と本母液を合わせてシクロヘ
キサンを溜去した後、メタノール20gを加えて撹拌し
室温で一晩放置した後ろ過すると、約3.8gの結晶が
得られた。その結晶をガスクロマトグラフィーで分析す
ると、純度約94%のジフェニルカーボネートであっ
た。
【0026】
【発明の効果】本発明によって芳香族ポリカーボネート
廃棄物を解重合し、晶析溶媒を選択することで過剰の芳
香族モノヒドロキシ化合物を除去することなく原料モノ
マーの芳香族ジヒドロキシ化合物とジアリールカーボネ
ートを回収しリサイクルすることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B01D 9/02 615 B01D 9/02 615Z 618 618A 619 619A 622 622 625 625Z B01J 3/00 B01J 3/00 A C07C 39/16 C07C 39/16 68/06 68/06 Z 68/08 68/08 69/96 69/96 Z C08J 11/14 C08J 11/14 11/16 11/16 11/24 ZAB 11/24 ZAB // C08L 69:00 C08L 69:00 (72)発明者 村元 雅晴 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4F301 AA26 AB02 AB03 CA09 CA23 CA41 CA53 CA72 CA73 4H006 AA02 AA05 AC42 AC48 AC91 AD15 BA90 BB11 BB14 BB30 FC52 FE13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃芳香族ポリカーボネート樹脂に芳香族
    モノヒドロキシ化合物をエステル交換反応させ、芳香族
    ジヒドロキシ化合物及びジアリールカーボネートとして
    回収するに際し、(A)廃芳香族ポリカーボネート樹脂
    に芳香族モノヒドロキシ化合物をエステル交換反応させ
    る第1工程、(B)第1工程で得られた反応混合物から溶
    解度パラメーター(δs)が10.5以下の溶媒により晶
    析し、芳香族ジヒドロキシ化合物−芳香族モノヒドロキ
    シ化合物付加物を分離する第2工程、(C)第2工程で
    残留した母液から、蒸留又は溶解度パラメーター
    (δs)が13.0以上の溶媒を用いて晶析し、ジアリー
    ルカーボネートを分離する第3工程よりなることを特徴
    とするリサイクル方法。
  2. 【請求項2】 第1工程のエステル交換反応を無触媒で
    行う請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 第1工程のエステル交換反応を超臨界二
    酸化炭素を用いて行う請求項1〜2のいずれかに記載の
    方法。
  4. 【請求項4】 第2工程の晶析溶媒として炭素数5以上
    の飽和炭化水素化合物を用いる請求項1〜3のいずれか
    に記載の方法。
  5. 【請求項5】 第3工程の晶析溶媒としてメタノールを
    用いる請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
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JP2005179228A (ja) * 2003-12-18 2005-07-07 Teijin Chem Ltd 廃芳香族ポリカーボネート樹脂から芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法
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WO2023058599A1 (ja) * 2021-10-05 2023-04-13 三菱瓦斯化学株式会社 ジヒドロキシ化合物の製造方法および再生樹脂の製造方法

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