JPH08217713A - ビスフェノール類の製造方法 - Google Patents
ビスフェノール類の製造方法Info
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- JPH08217713A JPH08217713A JP2820595A JP2820595A JPH08217713A JP H08217713 A JPH08217713 A JP H08217713A JP 2820595 A JP2820595 A JP 2820595A JP 2820595 A JP2820595 A JP 2820595A JP H08217713 A JPH08217713 A JP H08217713A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 フルオレノンとフェノール類との縮合反応混
合物に原料として使用したフェノール類より沸点が高く
且つアルコール性OH基を有しない炭化水素系溶剤(ア
ルキルビフェニル、アルキルナフタレン、ジフェニルメ
タン、ジフェニルエタン、ジフェニルエーテル等)を添
加し、蒸留により未反応のフェノール類を除去する。得
られた蒸留残分に水溶性で且つアルコール性OH基を有
しない有機溶媒(アセトニトリル等)を添加して加熱溶
解させた後、冷却して9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン類を析出させる。 【効果】 未反応のフェノール類を効率よく回収するこ
とができるので、工業的な製造プロセスとして経済的に
有利である。高収率で且つ純度良く、そして、ポリエス
テル化等の重合過程において重合を阻害するアルコール
が残存しない製品を得られる。
合物に原料として使用したフェノール類より沸点が高く
且つアルコール性OH基を有しない炭化水素系溶剤(ア
ルキルビフェニル、アルキルナフタレン、ジフェニルメ
タン、ジフェニルエタン、ジフェニルエーテル等)を添
加し、蒸留により未反応のフェノール類を除去する。得
られた蒸留残分に水溶性で且つアルコール性OH基を有
しない有機溶媒(アセトニトリル等)を添加して加熱溶
解させた後、冷却して9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン類を析出させる。 【効果】 未反応のフェノール類を効率よく回収するこ
とができるので、工業的な製造プロセスとして経済的に
有利である。高収率で且つ純度良く、そして、ポリエス
テル化等の重合過程において重合を阻害するアルコール
が残存しない製品を得られる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビスフェノール類の製
造方法に関し、詳しくは9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレン類の製造方法に関する。9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類は、エポ
キシ樹脂、ポリエステル等の製造原料として有用な物質
である。
造方法に関し、詳しくは9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレン類の製造方法に関する。9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類は、エポ
キシ樹脂、ポリエステル等の製造原料として有用な物質
である。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、塩化水素−メルカプト
プロピオン酸を触媒として用いたフルオレノンとフェノ
ール類との縮合反応により、9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレン類を合成することが知られて
いる[J.Appl.Polym.Sci.,27
(9),3289,1982]。また、上記反応方法を
基に、縮合反応で得られた反応混合物中に残存する未反
応フェノール類の少なくとも一部を残した状態で、反応
混合物に低級脂肪族アルコールを混合して均質溶液とし
たのち、水を添加して結晶を析出させる方法が知られて
いる[特開平4−41450号公報]。
プロピオン酸を触媒として用いたフルオレノンとフェノ
ール類との縮合反応により、9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレン類を合成することが知られて
いる[J.Appl.Polym.Sci.,27
(9),3289,1982]。また、上記反応方法を
基に、縮合反応で得られた反応混合物中に残存する未反
応フェノール類の少なくとも一部を残した状態で、反応
混合物に低級脂肪族アルコールを混合して均質溶液とし
たのち、水を添加して結晶を析出させる方法が知られて
いる[特開平4−41450号公報]。
【0003】この合成方法を工業的に経済的に実施する
ためには、低級脂肪族アルコールを回収する必要があ
る。しかしながら、低級脂肪族アルコールに水が混合さ
れてしまうため、低級脂肪族アルコールの回収工程が複
雑になるといった問題点がある。また、本発明者が、低
級脂肪族アルコールとしてメタノールを用い、この方法
を実際に行ったところ、結晶にメタノールが残存し、通
常の乾燥方法、例えば70℃で、12時間、減圧乾燥を
行ったにもかかわらず、メタノールを完全に除去するこ
とはできなかった。結晶を示差走査熱量計により分析し
たところ、162℃にメタノールの脱離によるピークが
認められた。
ためには、低級脂肪族アルコールを回収する必要があ
る。しかしながら、低級脂肪族アルコールに水が混合さ
れてしまうため、低級脂肪族アルコールの回収工程が複
雑になるといった問題点がある。また、本発明者が、低
級脂肪族アルコールとしてメタノールを用い、この方法
を実際に行ったところ、結晶にメタノールが残存し、通
常の乾燥方法、例えば70℃で、12時間、減圧乾燥を
行ったにもかかわらず、メタノールを完全に除去するこ
とはできなかった。結晶を示差走査熱量計により分析し
たところ、162℃にメタノールの脱離によるピークが
認められた。
【0004】メタノールの沸点が約65℃であることか
ら、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ンがメタノールと付加物を形成し、メタノールを除去す
ることが困難になっているものと考えられる。得られた
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを
HPLCで実際に測定したところ、見かけ上純度99.
0%の値を得ることができたが、実際は数重量%のメタ
ノールが含まれており、この値は真の純度を表していな
かった(後述の比較例1参照)。低級脂肪族アルコール
が残存する9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ルオレン類は、ポリエステル化等の重合過程において低
級脂肪族アルコールにより重合が阻害される場合もあ
り、ポリマーの原料として必ずしも満足の行く品質のも
のとはいえない。
ら、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ンがメタノールと付加物を形成し、メタノールを除去す
ることが困難になっているものと考えられる。得られた
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンを
HPLCで実際に測定したところ、見かけ上純度99.
0%の値を得ることができたが、実際は数重量%のメタ
ノールが含まれており、この値は真の純度を表していな
かった(後述の比較例1参照)。低級脂肪族アルコール
が残存する9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フ
ルオレン類は、ポリエステル化等の重合過程において低
級脂肪族アルコールにより重合が阻害される場合もあ
り、ポリマーの原料として必ずしも満足の行く品質のも
のとはいえない。
【0005】芳香族ビスフェノール類の精製方法とし
て、着色したビスフェノール類に脂肪族ケトンを混合、
溶解させ、不溶解分を分離したのち、得られたビスフェ
ノール類を低級脂肪族アルコールと芳香族炭化水素との
混合溶媒を用いて再結晶する方法が知られている[特開
平4−41451号公報]。しかしながら、この精製方
法においても、低級脂肪族アルコールを用いるため、前
述の合成方法の場合と同様、9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレン類の結晶中に低級脂肪族アル
コールが残存し、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン類のポリエステル化等の重合過程におい
て重合を阻害するといった問題点がある。また、混合溶
媒を使用するため、溶媒の回収工程が複雑となり、工業
的に経済的に実施することが困難であるといった問題点
がある。
て、着色したビスフェノール類に脂肪族ケトンを混合、
溶解させ、不溶解分を分離したのち、得られたビスフェ
ノール類を低級脂肪族アルコールと芳香族炭化水素との
混合溶媒を用いて再結晶する方法が知られている[特開
平4−41451号公報]。しかしながら、この精製方
法においても、低級脂肪族アルコールを用いるため、前
述の合成方法の場合と同様、9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレン類の結晶中に低級脂肪族アル
コールが残存し、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン類のポリエステル化等の重合過程におい
て重合を阻害するといった問題点がある。また、混合溶
媒を使用するため、溶媒の回収工程が複雑となり、工業
的に経済的に実施することが困難であるといった問題点
がある。
【0006】フルオレノンとフェノールとの反応終了後
に反応混合物をポリアルキレングリコールと混合し、過
剰のフェノールを留去し、蒸留残分をアセトニトリルと
混合し、その際析出するアダクトを濾別し、そして減圧
下に乾燥することにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレンを製造する方法も知られている
[特開平6−145087号公報]。しかしながら、こ
の精製方法は、高沸点溶剤としてポリアルキレングリコ
ールを使用していることから、前述の合成方法の場合と
同様、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レンの結晶中にOH基を持つポリアルキレングリコール
が残存するため、前述と同様の問題点がある。なお、こ
こで高沸点溶剤として使用しているポリアルキレングリ
コールは本発明において溶剤として使用する炭化水素系
溶剤とは別のものである。
に反応混合物をポリアルキレングリコールと混合し、過
剰のフェノールを留去し、蒸留残分をアセトニトリルと
混合し、その際析出するアダクトを濾別し、そして減圧
下に乾燥することにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレンを製造する方法も知られている
[特開平6−145087号公報]。しかしながら、こ
の精製方法は、高沸点溶剤としてポリアルキレングリコ
ールを使用していることから、前述の合成方法の場合と
同様、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レンの結晶中にOH基を持つポリアルキレングリコール
が残存するため、前述と同様の問題点がある。なお、こ
こで高沸点溶剤として使用しているポリアルキレングリ
コールは本発明において溶剤として使用する炭化水素系
溶剤とは別のものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、工業
的な実施に好適であり、且つ、経済的に有利なビスフェ
ノール類の製造方法、具体的には9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン類の製造方法を提供する
ことにある。本発明の目的は、フルオレン及びフェノー
ル類から9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレンを製造するにあたり、未反応フェノール類の回収
が容易であり、ポリエステル化等の重合過程において重
合を阻害する物質を実質的に含ませないように収率良く
且つ純度良く9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
フルオレン類を回収することができるビスフェノール類
の製造方法を提供することにある。
的な実施に好適であり、且つ、経済的に有利なビスフェ
ノール類の製造方法、具体的には9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレン類の製造方法を提供する
ことにある。本発明の目的は、フルオレン及びフェノー
ル類から9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレンを製造するにあたり、未反応フェノール類の回収
が容易であり、ポリエステル化等の重合過程において重
合を阻害する物質を実質的に含ませないように収率良く
且つ純度良く9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
フルオレン類を回収することができるビスフェノール類
の製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな課題を解決するため鋭意研究した結果、β−メルカ
プトプロピオン酸及び塩酸ガス等の触媒の存在下でフル
オレノンとフェノール類とを縮合反応させて得られる
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類
と未反応フェノール類とを含む反応混合物から蒸留によ
りフェノール類を回収する際に、反応混合物に原料とし
て使用したフェノール類より沸点が高く且つアルコール
性OH基を有しない炭化水素系溶剤を添加して蒸留する
ことにより、残存する未反応のフェノール類を効率よく
回収することができ、また、その際得られる蒸留残分に
特定の有機溶媒を添加し加熱溶解した後、冷却すること
により9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レン類を容易に回収することができることを見出して本
発明を完成した。
うな課題を解決するため鋭意研究した結果、β−メルカ
プトプロピオン酸及び塩酸ガス等の触媒の存在下でフル
オレノンとフェノール類とを縮合反応させて得られる
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類
と未反応フェノール類とを含む反応混合物から蒸留によ
りフェノール類を回収する際に、反応混合物に原料とし
て使用したフェノール類より沸点が高く且つアルコール
性OH基を有しない炭化水素系溶剤を添加して蒸留する
ことにより、残存する未反応のフェノール類を効率よく
回収することができ、また、その際得られる蒸留残分に
特定の有機溶媒を添加し加熱溶解した後、冷却すること
により9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオ
レン類を容易に回収することができることを見出して本
発明を完成した。
【0009】本発明は、触媒の存在下でフルオレノンと
フェノールとを縮合反応させ、得られた反応混合物に原
料として使用したフェノール類より沸点が高く且つアル
コール性OH基を有しない炭化水素系溶剤を添加した
後、蒸留により未反応のフェノール類を除去し、得られ
た蒸留残分にアルコール性OH基を有しない有機溶媒を
添加して加熱溶解させた後、冷却して9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレン類の結晶を析出させ
ることを特徴とするビスフェノール類の製造方法にあ
る。
フェノールとを縮合反応させ、得られた反応混合物に原
料として使用したフェノール類より沸点が高く且つアル
コール性OH基を有しない炭化水素系溶剤を添加した
後、蒸留により未反応のフェノール類を除去し、得られ
た蒸留残分にアルコール性OH基を有しない有機溶媒を
添加して加熱溶解させた後、冷却して9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレン類の結晶を析出させ
ることを特徴とするビスフェノール類の製造方法にあ
る。
【0010】フルオレノンとフェノール類との縮合反応 本発明においては、まず、触媒の存在下でフルオレノン
とフェノール類とを縮合反応させる。触媒としては、公
知のものを使用することができる。例えば、β−メルカ
プトプロピオン酸等のチオール類と塩酸ガス、金属塩化
物と塩素ガス等を触媒として使用することができる。原
料として使用するフェノール類としては、フェノール、
クレゾール等があり、フェノールを使用した場合、9,
9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが得ら
れる。原料として使用するフェノール類の純度について
は、特に限定はないが、フェノール類のリサイクルの点
から考えれば純度95重量%以上、好ましくは99重量
%以上のものを使用するがよい。
とフェノール類とを縮合反応させる。触媒としては、公
知のものを使用することができる。例えば、β−メルカ
プトプロピオン酸等のチオール類と塩酸ガス、金属塩化
物と塩素ガス等を触媒として使用することができる。原
料として使用するフェノール類としては、フェノール、
クレゾール等があり、フェノールを使用した場合、9,
9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンが得ら
れる。原料として使用するフェノール類の純度について
は、特に限定はないが、フェノール類のリサイクルの点
から考えれば純度95重量%以上、好ましくは99重量
%以上のものを使用するがよい。
【0011】通常、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)フルオレン類を収率よく生成させる点より、フル
オレノンに対して過剰のフェノール類(具体的には、フ
ルオレノン1重量部当たり、2重量部から6重量部)を
用いるのがよい。反応終了後の反応混合物には反応生成
物である9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン類以外に、未反応のフルオレノン、未反応のフェ
ノール類、触媒、副反応生成物等が含まれている。9,
9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類を回
収するためには、反応混合物から未反応のフェノール類
等を除去する必要がある。
ニル)フルオレン類を収率よく生成させる点より、フル
オレノンに対して過剰のフェノール類(具体的には、フ
ルオレノン1重量部当たり、2重量部から6重量部)を
用いるのがよい。反応終了後の反応混合物には反応生成
物である9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フル
オレン類以外に、未反応のフルオレノン、未反応のフェ
ノール類、触媒、副反応生成物等が含まれている。9,
9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類を回
収するためには、反応混合物から未反応のフェノール類
等を除去する必要がある。
【0012】未反応フェノール類の除去、回収 フルオレノンとフェノール類とから9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレン類を製造する場合、通
常、フルオレノンに対して過剰のフェノールを用いる。
従って、これを工業的に実施する場合、経済的には未反
応のフェノール類を回収することが好ましい。本発明に
おいては、反応終了後に反応混合物から蒸留により未反
応のフェノール類を除去し、回収する。蒸留は、未反応
のフェノール類の回収方法として工業的に安価な方法で
ある。
ヒドロキシフェニル)フルオレン類を製造する場合、通
常、フルオレノンに対して過剰のフェノールを用いる。
従って、これを工業的に実施する場合、経済的には未反
応のフェノール類を回収することが好ましい。本発明に
おいては、反応終了後に反応混合物から蒸留により未反
応のフェノール類を除去し、回収する。蒸留は、未反応
のフェノール類の回収方法として工業的に安価な方法で
ある。
【0013】反応混合物の蒸留にあたり、反応混合物に
原料として使用したフェノール類、即ち反応混合物に含
有されているフェノール類より沸点が高く且つアルコー
ル性OH基を有しない炭化水素系溶剤(以下「高沸点溶
剤」とも言う)を添加する。反応混合物に高沸点溶剤を
添加することにより、未反応フェノール類の除去にとも
なう反応混合物中での結晶の析出を防止しながら、未反
応フェノール類を実質的に全量回収することができる。
回収した未反応フェノール類はフルオレノンとの縮合反
応の原料として使用することができる。高沸点溶剤とし
ては、使用温度において液状であり、9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレン類を溶解させること
ができる化合物を使用することができる。具体的には、
融点が10℃以下、好ましくは0℃以下の化合物を高沸
点溶剤として使用することができる。
原料として使用したフェノール類、即ち反応混合物に含
有されているフェノール類より沸点が高く且つアルコー
ル性OH基を有しない炭化水素系溶剤(以下「高沸点溶
剤」とも言う)を添加する。反応混合物に高沸点溶剤を
添加することにより、未反応フェノール類の除去にとも
なう反応混合物中での結晶の析出を防止しながら、未反
応フェノール類を実質的に全量回収することができる。
回収した未反応フェノール類はフルオレノンとの縮合反
応の原料として使用することができる。高沸点溶剤とし
ては、使用温度において液状であり、9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレン類を溶解させること
ができる化合物を使用することができる。具体的には、
融点が10℃以下、好ましくは0℃以下の化合物を高沸
点溶剤として使用することができる。
【0014】高沸点溶剤としては、例えば、、炭素数が
1から6のアルキル基を有するモノアルキルビフェニ
ル、3,4’−ジアルキルビフェニル、トリアルキルビ
フェニル、モノアルキルナフタレン、2,7−ジアルキ
ルナフタレン若しくはトリアルキルナフタレン、1,1
−ジフェニルエタン等の芳香族炭化水素、1−クロロナ
フタレン、p−イソプロピルアニリン、m−クロロアニ
リン、シアン化ベンジル、N,N−ジメチル−m−フェ
ニレンジアミン、N−メチルジフェニルアミン、2−デ
カロン、デカン酸エチル等のエステル類、トリデカン等
の脂肪族炭化水素、p−メチルアセトフェノン、o−メ
チルベンゾフェノン、p−イソプロピルベンズアルデヒ
ド等を挙げることができる。
1から6のアルキル基を有するモノアルキルビフェニ
ル、3,4’−ジアルキルビフェニル、トリアルキルビ
フェニル、モノアルキルナフタレン、2,7−ジアルキ
ルナフタレン若しくはトリアルキルナフタレン、1,1
−ジフェニルエタン等の芳香族炭化水素、1−クロロナ
フタレン、p−イソプロピルアニリン、m−クロロアニ
リン、シアン化ベンジル、N,N−ジメチル−m−フェ
ニレンジアミン、N−メチルジフェニルアミン、2−デ
カロン、デカン酸エチル等のエステル類、トリデカン等
の脂肪族炭化水素、p−メチルアセトフェノン、o−メ
チルベンゾフェノン、p−イソプロピルベンズアルデヒ
ド等を挙げることができる。
【0015】仮に、高沸点溶剤を添加せずに、蒸留によ
り未反応のフェノール類を除去しようとすると、未反応
フェノール類を半分程度除去した段階で9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類が析出し始
め、蒸留残分を反応釜から取り出せなくなるという問題
が発生する。この場合、蒸留後に蒸留残分に高沸点溶剤
を加えても一旦結晶化した9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン類を溶解させることは簡単には
不可能であり又は多大の時間を要するため工業的な実施
においては大きな欠点となる。
り未反応のフェノール類を除去しようとすると、未反応
フェノール類を半分程度除去した段階で9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類が析出し始
め、蒸留残分を反応釜から取り出せなくなるという問題
が発生する。この場合、蒸留後に蒸留残分に高沸点溶剤
を加えても一旦結晶化した9,9−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)フルオレン類を溶解させることは簡単には
不可能であり又は多大の時間を要するため工業的な実施
においては大きな欠点となる。
【0016】高沸点溶剤の使用量は、原料に使用したフ
ルオレノン1重量部当たり0.1重量部から10重量
部、好ましくは1重量部から5重量部とするのが良い。
高沸点溶剤の使用量を少なくすると、反応混合物から未
反応のフェノール類を蒸留により除去した後に9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類が析出し
やすくなり、また、多くすると後工程において有機溶媒
を添加して再結晶を行って目的化合物を回収する際に目
的化合物の収率が低下する傾向がある。
ルオレノン1重量部当たり0.1重量部から10重量
部、好ましくは1重量部から5重量部とするのが良い。
高沸点溶剤の使用量を少なくすると、反応混合物から未
反応のフェノール類を蒸留により除去した後に9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類が析出し
やすくなり、また、多くすると後工程において有機溶媒
を添加して再結晶を行って目的化合物を回収する際に目
的化合物の収率が低下する傾向がある。
【0017】高沸点溶剤として、原料として使用したフ
ェノール類より沸点が高い化合物を使用するのは、沸点
が低い化合物では、蒸留により未反応のフェノール類を
除去する際に、蒸留残分中に残存しないため9,9−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類の析出を抑
制できないからである。高沸点溶剤としてアルコール性
OH基を有しない化合物を使用するのは、アルコール性
OH基を有する化合物、例えば、フェノキシエタノール
等では、前述の通り、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン類と付加物を形成するため、製品で
ある9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン類から容易に除去することが困難となるからである。
ェノール類より沸点が高い化合物を使用するのは、沸点
が低い化合物では、蒸留により未反応のフェノール類を
除去する際に、蒸留残分中に残存しないため9,9−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類の析出を抑
制できないからである。高沸点溶剤としてアルコール性
OH基を有しない化合物を使用するのは、アルコール性
OH基を有する化合物、例えば、フェノキシエタノール
等では、前述の通り、9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン類と付加物を形成するため、製品で
ある9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレ
ン類から容易に除去することが困難となるからである。
【0018】9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
フルオレン類の回収 反応混合物に高沸点溶剤を加えて蒸留により未反応のフ
ェノール類を除去すると高沸点溶剤とともに蒸留残分中
に9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
類が残存する。蒸留残分から9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレン類を回収する方法として、有
機溶媒を用いた晶析法を採用する。具体的には、蒸留残
分に有機溶媒を加えて加熱撹拌し、均質な溶液とした
後、冷却する。
フルオレン類の回収 反応混合物に高沸点溶剤を加えて蒸留により未反応のフ
ェノール類を除去すると高沸点溶剤とともに蒸留残分中
に9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
類が残存する。蒸留残分から9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレン類を回収する方法として、有
機溶媒を用いた晶析法を採用する。具体的には、蒸留残
分に有機溶媒を加えて加熱撹拌し、均質な溶液とした
後、冷却する。
【0019】有機溶媒としては、アルコール性OH基を
有しない化合物を使用する。例えば、アセトン等のケト
ン類、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素、アセトニトリ
ル等を有機溶媒として使用することができる。アルコー
ル性OH基を有しない有機溶媒であれば、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類と付加物を形
成するおそれがない。
有しない化合物を使用する。例えば、アセトン等のケト
ン類、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素、アセトニトリ
ル等を有機溶媒として使用することができる。アルコー
ル性OH基を有しない有機溶媒であれば、9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類と付加物を形
成するおそれがない。
【0020】有機溶媒の使用量は、有機溶媒の種類にも
よるが、原料フルオレノン1重量部に対して、0.1〜
10重量部、好ましくは0.5〜5重量部とするのがよ
い。加熱温度は、反応混合物が均質な溶液となる温度で
あればよく、例えば、有機溶媒の還流温度でもよい。均
質な溶液とした後、必要により不溶解物があれば分離
し、冷却することにより結晶を析出させる。冷却温度は
結晶の回収ができる温度であれば特に限定はなく、常温
程度でも差し支えない。析出した結晶を濾過等により固
液分離することにより9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン類を結晶として回収する。
よるが、原料フルオレノン1重量部に対して、0.1〜
10重量部、好ましくは0.5〜5重量部とするのがよ
い。加熱温度は、反応混合物が均質な溶液となる温度で
あればよく、例えば、有機溶媒の還流温度でもよい。均
質な溶液とした後、必要により不溶解物があれば分離
し、冷却することにより結晶を析出させる。冷却温度は
結晶の回収ができる温度であれば特に限定はなく、常温
程度でも差し支えない。析出した結晶を濾過等により固
液分離することにより9,9−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)フルオレン類を結晶として回収する。
【0021】高沸点溶剤及び有機溶媒の回収 未反応フェノール類を蒸留により回収する際に添加した
高沸点溶剤は、未反応フェノール類を除去した後の反応
混合物(蒸留残分)から特定の有機溶媒を用いて9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類を結晶
化させて、濾過により回収する際に、得られる濾液中
に、結晶化に使用した有機溶媒とともに回収される。高
沸点溶剤及び有機溶媒は、この濾液を蒸留することによ
り、多くの場合、留出分として有機溶媒を、残分として
高沸点溶剤を工業的に有効なリサイクル方法として回収
することができる。この際、減圧の精密蒸留を行うこと
により、高沸点溶剤をより高度に精製回収することがで
きる。
高沸点溶剤は、未反応フェノール類を除去した後の反応
混合物(蒸留残分)から特定の有機溶媒を用いて9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類を結晶
化させて、濾過により回収する際に、得られる濾液中
に、結晶化に使用した有機溶媒とともに回収される。高
沸点溶剤及び有機溶媒は、この濾液を蒸留することによ
り、多くの場合、留出分として有機溶媒を、残分として
高沸点溶剤を工業的に有効なリサイクル方法として回収
することができる。この際、減圧の精密蒸留を行うこと
により、高沸点溶剤をより高度に精製回収することがで
きる。
【0022】9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
フルオレン類の精製 このようにして得られた9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレン類を更に精製する場合の精製方法
としては、溶媒として、アルコール性OH基がなく且つ
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類
を適度に溶解することのできる溶媒、例えばアセトニト
リルを用いる再結晶が有効である。再結晶に使用する溶
媒の使用量は、溶媒の種類等にもよるが、通常、9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類1重量
部に対して、0.5〜10重量部、好ましくは2〜8重
量部とするのがよい。
フルオレン類の精製 このようにして得られた9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレン類を更に精製する場合の精製方法
としては、溶媒として、アルコール性OH基がなく且つ
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類
を適度に溶解することのできる溶媒、例えばアセトニト
リルを用いる再結晶が有効である。再結晶に使用する溶
媒の使用量は、溶媒の種類等にもよるが、通常、9,9
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類1重量
部に対して、0.5〜10重量部、好ましくは2〜8重
量部とするのがよい。
【0023】再結晶に用いる有機溶媒としては、アルコ
ール性OH基を有しないものを使用する。例えば、アセ
トン等のケトン類、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素、
トルエン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル等のエステル
類、アセトニトリル等及びこれらの混合物を有機溶媒と
して使用することができる。アルコール性OH基を有し
ない有機溶媒であれば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレン類と付加物を形成するおそれがな
い。
ール性OH基を有しないものを使用する。例えば、アセ
トン等のケトン類、n−ヘキサン等の脂肪族炭化水素、
トルエン等の芳香族炭化水素、酢酸エチル等のエステル
類、アセトニトリル等及びこれらの混合物を有機溶媒と
して使用することができる。アルコール性OH基を有し
ない有機溶媒であれば、9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレン類と付加物を形成するおそれがな
い。
【0024】再結晶の具体的な操作方法・条件について
は特に限定はないが、得られた9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン類にアセトニトリル等の溶
媒を加え、加温して溶解させた後、撹拌しながら冷却
し、結晶を析出させ、次いで、得られた固形物を濾過
し、乾燥させるのがよい。濾過等での固液分離では不十
分で結晶の純度が上がらない場合、結晶を前述のような
溶媒で洗浄すれば、さらに純度を上げることができる。
本発明においては、このような精製方法を用いることに
より、高収率で、アルコールの残存しない99%以上の
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類
を得ることができる。
は特に限定はないが、得られた9,9−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)フルオレン類にアセトニトリル等の溶
媒を加え、加温して溶解させた後、撹拌しながら冷却
し、結晶を析出させ、次いで、得られた固形物を濾過
し、乾燥させるのがよい。濾過等での固液分離では不十
分で結晶の純度が上がらない場合、結晶を前述のような
溶媒で洗浄すれば、さらに純度を上げることができる。
本発明においては、このような精製方法を用いることに
より、高収率で、アルコールの残存しない99%以上の
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類
を得ることができる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、フルオレノンとフェノ
ール類との縮合反応混合物に高沸点溶剤を添加すること
により、未反応のフェノール類を蒸留により効率よく回
収することができるので、工業的な製造プロセスとして
経済的に有利である。本発明によれば、高収率で且つ純
度良く、そして、ポリエステル化等の重合過程において
重合を阻害するアルコールが残存しないように9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類を経済的
に製造することができる。
ール類との縮合反応混合物に高沸点溶剤を添加すること
により、未反応のフェノール類を蒸留により効率よく回
収することができるので、工業的な製造プロセスとして
経済的に有利である。本発明によれば、高収率で且つ純
度良く、そして、ポリエステル化等の重合過程において
重合を阻害するアルコールが残存しないように9,9−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン類を経済的
に製造することができる。
【0026】
【実施例】実施例1 撹拌器、冷却器、温度計及び塩化水素ガス導入管を備え
た1Lのガラス容器に99.9wt%のフルオレノン1
00gとフェノール400g及びβ−メルカプトプロピ
オン酸3gを仕込み、50℃で加熱撹拌し、フルオレノ
ンを完全に溶解させた。塩化水素ガスを1L/分で吹き
込むことにより反応を開始し、反応温度を50℃から5
5℃に保ち、4時間反応を継続した。反応終了後、窒素
ガスを1L/分で30分間吹き込み、反応器内に残留す
る塩化水素ガスを追い出した。
た1Lのガラス容器に99.9wt%のフルオレノン1
00gとフェノール400g及びβ−メルカプトプロピ
オン酸3gを仕込み、50℃で加熱撹拌し、フルオレノ
ンを完全に溶解させた。塩化水素ガスを1L/分で吹き
込むことにより反応を開始し、反応温度を50℃から5
5℃に保ち、4時間反応を継続した。反応終了後、窒素
ガスを1L/分で30分間吹き込み、反応器内に残留す
る塩化水素ガスを追い出した。
【0027】次に、得られた反応混合物に、高沸点溶剤
として200gのジイソプロピルビフェニルを投入した
後、減圧下(50mmHg)でフェノールを除去、回収
した。なお、初留分として15.0gを除去し、その
後、フェノール留分を283.9g回収した。フェノー
ル除去終了後、75℃まで冷却した蒸留残分に200g
のアセトニトリルを加えて、加熱撹拌して溶解させた
後、10℃まで冷却を行い固形分を析出させ、濾過によ
りその固形分を取り出した。
として200gのジイソプロピルビフェニルを投入した
後、減圧下(50mmHg)でフェノールを除去、回収
した。なお、初留分として15.0gを除去し、その
後、フェノール留分を283.9g回収した。フェノー
ル除去終了後、75℃まで冷却した蒸留残分に200g
のアセトニトリルを加えて、加熱撹拌して溶解させた
後、10℃まで冷却を行い固形分を析出させ、濾過によ
りその固形分を取り出した。
【0028】得られた粗9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンの純度は96.7重量%であり、
収量は183.9gであった。更に、得られた粗結晶に
500gのアセトニトリルを加えて、再結晶を行い、7
0℃で、12時間、減圧乾燥を行った。得られた精製
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
純度は99.3重量%であり、収量は156.4gであ
った。
フェニル)フルオレンの純度は96.7重量%であり、
収量は183.9gであった。更に、得られた粗結晶に
500gのアセトニトリルを加えて、再結晶を行い、7
0℃で、12時間、減圧乾燥を行った。得られた精製
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
純度は99.3重量%であり、収量は156.4gであ
った。
【0029】
【表1】
【0030】実施例2 250gのモノイソプロピルビフェニルを高沸点溶剤と
して使用した以外は実例1と同様の方法で行った。蒸留
により得られた初留分は14.8g、フェノール留分は
285.1gであった。得られた粗9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンの純度は96.5重量
%であり、収量は181.1gであった。更に実施例1
と同様に再結晶して減圧乾燥を行った。得られた精製
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
純度は99.2重量%であり、収量は155.5gであ
った。
して使用した以外は実例1と同様の方法で行った。蒸留
により得られた初留分は14.8g、フェノール留分は
285.1gであった。得られた粗9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンの純度は96.5重量
%であり、収量は181.1gであった。更に実施例1
と同様に再結晶して減圧乾燥を行った。得られた精製
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
純度は99.2重量%であり、収量は155.5gであ
った。
【0031】
【表2】
【0032】実施例3 250gのジイソプロピルナフタレンを高沸点溶剤とし
て使用した以外は実施例1と同様の方法で行った。蒸留
により得られた初留分は16.9g、フェノール留分は
270.5gであった。得られた粗9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンの純度は97.1重量
%であり、収量は188.2gであった。更に実施例1
と同様に再結晶して減圧乾燥を行った。得られた高純度
の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
の純度は99.6重量%であり、収量は157.2gで
あった。
て使用した以外は実施例1と同様の方法で行った。蒸留
により得られた初留分は16.9g、フェノール留分は
270.5gであった。得られた粗9,9−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)フルオレンの純度は97.1重量
%であり、収量は188.2gであった。更に実施例1
と同様に再結晶して減圧乾燥を行った。得られた高純度
の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン
の純度は99.6重量%であり、収量は157.2gで
あった。
【0033】
【表3】
【0034】実施例4 250gの1−メチルナフタレンを高沸点溶剤として使
用した以外は実施例1と同様の方法で行った。蒸留によ
り得られた初留分は28.9g、粗フェノール留分は2
68.9gであった。得られた粗9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレンの純度は97.3重量%
であり、収量は179.1gであった。更に実施例1と
同様に再結晶して減圧乾燥を行った。得られた精製9,
9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの純度
は99.2重量%であり、収量は158.6gであっ
た。
用した以外は実施例1と同様の方法で行った。蒸留によ
り得られた初留分は28.9g、粗フェノール留分は2
68.9gであった。得られた粗9,9−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)フルオレンの純度は97.3重量%
であり、収量は179.1gであった。更に実施例1と
同様に再結晶して減圧乾燥を行った。得られた精製9,
9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの純度
は99.2重量%であり、収量は158.6gであっ
た。
【0035】
【表4】
【0036】実施例5 250gの1,1−ジフェニルエタンを高沸点溶剤とし
て使用した以外は実施例1と同様の方法で行った。蒸留
により得られた初留分は26.8g、粗フェノール留分
は270.1gであった。得られた粗9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレンの純度は96.5重
量%であり、収量は185.7gであった。更に実施例
1と同様に再結晶して減圧乾燥を行った。得られた精製
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
純度は99.3重量%であり、収量は148.2gであ
った。
て使用した以外は実施例1と同様の方法で行った。蒸留
により得られた初留分は26.8g、粗フェノール留分
は270.1gであった。得られた粗9,9−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)フルオレンの純度は96.5重
量%であり、収量は185.7gであった。更に実施例
1と同様に再結晶して減圧乾燥を行った。得られた精製
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
純度は99.3重量%であり、収量は148.2gであ
った。
【0037】
【表5】
【0038】実施例6 反応方法は実施例1と同様の方法を用いて行った。但
し、原料(フェノール)としては、実施例1で回収した
フェノール283.9gに新しいフェノール117.1
gを加えたものを使用した。また、高沸点溶剤として
は、実施例1において回収した「蒸留残分に200gの
アセトニトリルを加えて、固形分を析出させ、濾過によ
りその固形分を取り出した濾液を蒸留した釜残」のうち
200gを使用した。実施例1におけるフェノール蒸留
回収後に添加するアセトニトリルも前述の濾液からの回
収蒸留で得られたアセトニトリル159gに新しいアセ
トニトリル41gを加えたものを使用した。
し、原料(フェノール)としては、実施例1で回収した
フェノール283.9gに新しいフェノール117.1
gを加えたものを使用した。また、高沸点溶剤として
は、実施例1において回収した「蒸留残分に200gの
アセトニトリルを加えて、固形分を析出させ、濾過によ
りその固形分を取り出した濾液を蒸留した釜残」のうち
200gを使用した。実施例1におけるフェノール蒸留
回収後に添加するアセトニトリルも前述の濾液からの回
収蒸留で得られたアセトニトリル159gに新しいアセ
トニトリル41gを加えたものを使用した。
【0039】蒸留により得られた初留分は18.5g、
フェノール留分は275.1gであった。得られた粗
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
純度は96.3重量%であり、収量は198.1gであ
った。更に実施例1と同様に再結晶して減圧乾燥を行っ
た。得られた精製9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンの純度は99.4重量%であり、収量は
175.5gであった。
フェノール留分は275.1gであった。得られた粗
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
純度は96.3重量%であり、収量は198.1gであ
った。更に実施例1と同様に再結晶して減圧乾燥を行っ
た。得られた精製9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンの純度は99.4重量%であり、収量は
175.5gであった。
【0040】実施例7 実施例1で得られた精製9,9−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)フルオレンに500gのアセトニトリルを加
えて、更に再結晶して減圧乾燥を行った。得られた精製
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
純度は99.9重量%であり、収量は125.5gであ
った。
フェニル)フルオレンに500gのアセトニトリルを加
えて、更に再結晶して減圧乾燥を行った。得られた精製
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの
純度は99.9重量%であり、収量は125.5gであ
った。
【0041】比較例1 実施例1と同様に反応を行なった後、反応器を70mm
Hgに減圧し、130〜140℃で、得られた反応混合
物から過剰の未反応フェノールを200g留去し、蒸留
残分を50℃まで冷却し、メタノール100gを加え
て、50℃で1時間撹拌し均質な溶液とした。次いで、
この溶液に純水400gを30分かけて加え結晶を析出
させ、濾過を行って分離した。得られた粗9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの純度は96.
3重量%であり、収量は180.4gであった。
Hgに減圧し、130〜140℃で、得られた反応混合
物から過剰の未反応フェノールを200g留去し、蒸留
残分を50℃まで冷却し、メタノール100gを加え
て、50℃で1時間撹拌し均質な溶液とした。次いで、
この溶液に純水400gを30分かけて加え結晶を析出
させ、濾過を行って分離した。得られた粗9,9−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの純度は96.
3重量%であり、収量は180.4gであった。
【0042】得られた固形分を1000gのトルエンを
用いて再結晶させ、濾過を行って分離し、70℃で12
時間、減圧乾燥した。乾燥後に得られた精製9,9−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの純度はHP
LCでは99.0重量%、収量は142.2gであっ
た。得られた精製9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンを熱天秤(Tg)及びガスクロマトグラ
フィーを用いて測定するとメタノールの含有が見られ
た。
用いて再結晶させ、濾過を行って分離し、70℃で12
時間、減圧乾燥した。乾燥後に得られた精製9,9−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンの純度はHP
LCでは99.0重量%、収量は142.2gであっ
た。得られた精製9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレンを熱天秤(Tg)及びガスクロマトグラ
フィーを用いて測定するとメタノールの含有が見られ
た。
【0043】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柳下 守 大阪府大阪市中央区平野町四丁目1番2号 大阪瓦斯株式会社内
Claims (1)
- 【請求項1】 触媒の存在下でフルオレノンとフェノー
ル類とを縮合反応させ、得られた反応混合物に原料とし
て使用したフェノール類より沸点が高く且つアルコール
性OH基を有しない炭化水素系溶剤を添加した後、蒸留
により未反応のフェノール類を除去し、得られた蒸留残
分にアルコール性OH基を有しない有機溶媒を添加して
加熱溶解させた後、冷却して9,9−ビス(4−ヒドロ
キシフェニル)フルオレン類の結晶を析出させることを
特徴とするビスフェノール類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2820595A JPH08217713A (ja) | 1995-02-16 | 1995-02-16 | ビスフェノール類の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2820595A JPH08217713A (ja) | 1995-02-16 | 1995-02-16 | ビスフェノール類の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08217713A true JPH08217713A (ja) | 1996-08-27 |
Family
ID=12242167
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2820595A Pending JPH08217713A (ja) | 1995-02-16 | 1995-02-16 | ビスフェノール類の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08217713A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006052174A (ja) * | 2004-08-12 | 2006-02-23 | Teijin Chem Ltd | 廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法 |
JP2006193505A (ja) * | 2004-12-14 | 2006-07-27 | Osaka Gas Co Ltd | フルオレン誘導体の製造方法 |
JP2010248139A (ja) * | 2009-04-17 | 2010-11-04 | Taoka Chem Co Ltd | 9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造法 |
-
1995
- 1995-02-16 JP JP2820595A patent/JPH08217713A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006052174A (ja) * | 2004-08-12 | 2006-02-23 | Teijin Chem Ltd | 廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法 |
JP4575082B2 (ja) * | 2004-08-12 | 2010-11-04 | 帝人化成株式会社 | 廃芳香族ポリカーボネートから芳香族ジヒドロキシ化合物を得る方法 |
JP2006193505A (ja) * | 2004-12-14 | 2006-07-27 | Osaka Gas Co Ltd | フルオレン誘導体の製造方法 |
JP2010248139A (ja) * | 2009-04-17 | 2010-11-04 | Taoka Chem Co Ltd | 9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造法 |
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