JP2005233203A - 遮断弁および弁装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】復帰開弁可能な差圧が高いため駆動手段の負荷を低減でき、駆動手段が磨耗やロックを発生させる可能性が低く、弁シートの流体シール部が永久変形する可能性が低い遮断弁を実現すること。
【解決手段】係合手段36が巻き込み部33bを引っ張り、弁シート33の弁座当接部33aより外周から部分的に撓み変形させ弁座32と弁シート33間に小さな開口部55を形成することで、弱い負荷で差圧を軽減することができ、係合手段36が回転対称位置に均等に配されているために、差圧解消時の斜め荷重を相互に打ち消し合い、ステッピングモータ35に斜め負荷を与えず磨耗やロックを発生させる可能性が低く、繰り返し動作中に弁シート33の撓み変形位置が回転方向にずれ固定されないため、弁シート33の弁座当接部33aが永久変形する可能性が低い遮断弁を実現できる。
【選択図】図3

Description

本発明は、外部状況によって作動する安全弁(国際特許分類F16K 17/36)で操作手段として磁石を使用した弁(国際特許分類F16K 31/06)、および操作手段として電動機を使用した弁(国際特許分類F16K 31/04)であり、特に、ガスの事故を未然に防ぐガス遮断装置の遮断機構として使用される遮断弁に関するものであり、さらに詳しくは流路に形成された弁座に対し弁体を前進または後退移動させることによって流路の遮断復帰動作を行う電磁ソレノイドまたはモータを動力源とした、主としてガスメータなどに内蔵される遮断弁に関するものである。
一度発生すれば大惨事になる可能性の高いガス事故を未然に防ぐため、従来より種種の安全装置が利用されており、中でもガスメータに内蔵され流量センサによりガスの流量を監視しマイクロコンピュータによりガスの使用状態を異常使用と判断した場合や、地震センサ、ガス圧力センサ、ガス警報器、一酸化炭素センサなどのセンサの状況を監視し危険状態と判断した場合は、ガスメータに内蔵された遮断弁によりガスを遮断する電池電源によるマイクロコンピュータ搭載ガス遮断装置内蔵ガスメータ(以下マイコンメータと省略する)は、安全性、ガス配管の容易性、低価格等の優位性のため、普及が促進され、近年ほぼ全世帯普及が実施されるに至っている。
また、流量センサによって計測されたガス流量情報を電話回線や無線通信などを利用して集中監視するテレメータ機能を有した、集中監視型マイコンメータの比率も増加し、ますます、情報端末として利便性の向上が求められている。
このマイコンメータの遮断弁装置には2種類の形態がある。
ひとつは、孤立型のマイコンメータの遮断弁装置であり、遮断(閉弁)時のみ電動で駆動され、復帰操作は主に手動など外部からの荷重印加によってなされ、その外部操作を遮断弁に伝達する復帰機構を持っている(この形態の遮断弁を、以下単方向遮断弁と省略する。単方向遮断弁は主に自己保持型電磁ソレノイドによって駆動されている)。
この復帰機構は遮断弁の弁シートを弁座から離脱させる方向に付勢する復帰軸であり、多数はその復帰軸が押し続けられた時にもガスが漏れないよう、弁座より若干小さな外径を有し復帰軸と連動し軸方向に移動可能な内筒と呼ばれる第2の弁座を並設されている。
この内筒と弁座の間はシール部材によって緩やかな気密を有している。
一方、集中監視型マイコンメータなどにおいては、簡単な電気スイッチ操作や電話回線、無線通信などによる遠隔操作でガスの遮断、復帰が可能なよう、マイコンメータに搭載した電池による電気エネルギーでガス遮断もガス復帰も可能で開弁状態と閉弁状態の保持はエネルギーを必要としない遮断弁(以下双方向遮断弁と省略する)が要求されている。
双方向遮断弁は駆動手段に自己保持型電磁ソレノイドやステッピングモータなどの電動機を用いたものが実用化されている。
これらの遮断弁は、閉弁信頼性を確保するために閉弁時にガス上下流差圧が閉弁方向に印加されるよう配置されている。
したがって、開弁復帰時にはその上下流差圧かける受圧面積分の荷重を引き上げる必要がある。例えば、直径28mmの受圧面積に5kPaの差圧が印加されている場合、約3Nの荷重(以降差圧荷重と称する)を駆動する必要がある。
一方、電池電源での10年間駆動を目標としたり、より省電力を実現するため、近年、この種の遮断弁の弁体を閉弁方向に付勢する荷重すなわち弁閉止力は軽量化されており、弁座円周長に対する弁閉止力、すなわち線シール荷重が10mN/mmを下回るようなものもある。
直径28mmの弁座径で線シール荷重が10mN/mmの遮断弁の場合弁閉止力は0.86Nであり、先述の差圧荷重はこの弁閉止力の3.5倍もの荷重になっているため、開弁復帰時には弁閉止力の約4.5倍の荷重を引き上げる駆動力を有する必要があり、すなわち差圧荷重の解消のため、閉弁に必要なエネルギーの4.5倍近いエネルギーが必要となる。
したがって、差圧荷重を軽減することが遮断弁の省電力を実現することにつながるため、従来から、小径の副弁を先に開弁駆動したり、パイロットバルブによる差圧を利用したり、可撓体のバルブシートの一部を変形させるなどの様々な工夫がなされている。
以下に従来の遮断弁の特に副弁やパイロットバルブをを使用しない差圧荷重軽減手段について説明する。
まず、第1の従来例の遮断弁の弁部の断面図を図12に示した(例えば、特許文献1参照)。
この遮断弁の弁部は、可撓体を有する弁体1と、弁棒2に取付けられ弁体1の空腔内に遊動状態に配置された板状体3を備え、板状体2の偏心位置の突起からなる引上部材4を備えている。
このように構成された遮断弁の弁部の動作を説明する。
図12(a)はこの弁部の閉弁状態であり、弁体1の下面は弁座5の先端円周部に当接しており、ガスが流れない状態を維持している。
このとき弁座5の下流は大気圧になっていることがあり、上流にはガス圧が印加されているため、通常ガス圧かける受圧面積相当の差圧荷重が閉弁方向に印加されている。
この遮断弁の弁部が復帰開弁動作を行う場合は、弁棒2に図示されていない駆動手段からの引き上げ力が印加される。
この引き上げ力は板状体3の引上部材4を介して弁体1のフランジ6に伝達される。一方弁体1の受圧部(弁座5の内径より内側)には差圧荷重が印加されているため弁体1は引上部材4の裏面が部分的に撓み、弁体1はその部分のみ弁座2から離脱し図12(b)に示した状態となる。
こうしてガス通路が形成され下流との差圧が解消されるか、または軽減されることによって差圧荷重が減少し、より小さな駆動力で弁体1を開弁することが可能になる。
次に、第2の従来例の遮断弁の弁部の断面図を図13に示した(例えば、特許文献2参照)。
この遮断弁の弁部は、弁開閉方向に可撓性を有する弁体11と、弁棒12に取付けられ弁体11の弁座13近傍の弁座側の一点に近接又は当接する凸部15を有する押上部材14を備え、この押上部材15は弁棒12の弁開動作始動時に弁体11の弁座近傍の一点を押圧するよう形成されている。
弁体11は弁棒12の留め金17に嵌合して配され、弁体11の裏面には剛体製の保持部材16が留め金17と遊動可能に配されていて、弁体11と保持部材16との中央部には隙間18が形成されている。
このように構成された遮断弁の弁部の動作を説明する。
図13(a)はこの弁部の閉弁状態であり、弁体11の下面は弁座13先端円周部に当接しており、ガスが流れない状態を維持している。
このとき弁座13の下流は大気圧になっていることがあり、上流にはガス圧が印加されているため、通常ガス圧かける受圧面積相当の差圧荷重が閉弁方向に印加されている。
この遮断弁の弁部が復帰開弁動作を行う場合は、弁棒12に図示されていない駆動手段からの引き上げ力が印加される。
図13(b)は弁棒13が開方向に移動を開始した直後の各部の状態を示す断面図である。
弁体11は差圧荷重によって閉弁方向に付勢されているため、弁棒3が移動を開始するとまず弁体の中央部が隙間18を小さくするように局部的に撓み、押上部材14を弁体11に接近させる。
この結果、弁棒12の引上力は弁座13に近接した凸部15に集中され、弁体11と弁座13の間のシールの一部を開放する。こうしてガス通路が形成され下流との差圧が解消されるか、または軽減されることによって差圧荷重が減少し、より小さな駆動力で弁体11を開弁することが可能になる。
次に第3の従来例の遮断弁の弁部の断面図を図14に示した(例えば、特許文献3参照)。
この遮断弁の弁部は、弁座23に当接可能なゴム等の弾性部材製の弁体21と、図示していない電動アクチュエータに連結され弁座23に対して前進・後退可能な押圧保持板22とを備えている。
弁体21は背面に複数の接合足24を一体に突設して、各接合足24には鍔部25が一体に設けられていて、押圧保持板22に設けられた複数の接合孔26にそれぞれ挿入されて押圧保持板に装着されている。
このように構成された遮断弁の弁部の動作を説明する。
弁部が閉弁状態になった場合は、弁体21の下面は弁座23の先端円周部に当接しており、ガスが流れない状態を維持している。
このとき弁座23の下流は大気圧になっていることがあり、上流にはガス圧が印加されているため、通常ガス圧かける受圧面積相当の差圧荷重が閉弁方向に印加されている。
この遮断弁の弁部が復帰開弁動作を行う場合は、押圧保持板22に図示されていない電動アクチュエータからの引き上げ力が印加される。
弁体21は差圧荷重によって閉弁方向に付勢されているため、押圧保持板22が図中右側に移動を始めると、鍔部25が掛止され接合足24周辺が局部的に撓み変形し、押圧保持板22の移動に伴って変形量が増大し、ついには弁座23と弁体21との当接部の一部に微小隙間が形成される。
こうしてガス通路が形成され下流との差圧が解消されるか、または軽減されることによって差圧荷重が減少し、より小さな駆動力で弁体21を開弁することが可能になる。
特開平4−282079号公報 特開平4−185981号公報 特開平11−182693号公報
しかしながら、前記第1の従来例の遮断弁では、引上げ部材4が偏心位置に配されているため、復帰開弁動作における差圧解消段階、すなわち引上げ部材4が弁体1のフランジ6を引き上げるとき、弁棒2の軸方向の力と同時に横方向の偏心力7が弁棒2に加わり、これにより図示されていない駆動手段に本来の移動方向に対して斜めの負荷を加えることになり、駆動手段の摺動部が磨耗したりロックする可能性が高いという課題を有していた。
また、前記第2の従来例の遮断弁では、第1の従来例同様、押上部材14が偏心位置に配されているため、偏心力19が弁棒12に加わり、駆動手段の摺動部が磨耗したりロックする可能性が高いという課題を有すると同時に、押上部材14の凸部15が弁体11に当接し弁体11と弁座13の間のシールの一部を開放するまでの間は、弁棒12は差圧荷重を解消されていない強い負荷で弁体11を駆動する必要があるため、復帰開弁不可能になる限界の差圧が比較的低いという課題を有していた。
また、前記第3の従来例でも、弁座23の内側、すなわち受圧部分に接合足24が配されているため、接合足24周辺が充分撓み変形し弁座23と弁体21との当接部の一部に微小隙間が形成されるまでの間は、図示されていない電動アクチュエータは差圧荷重を解消されていない強い負荷で弁体21を駆動する必要があるため、復帰開弁不可能になる限界の差圧が比較的低いという課題を有すると同時に、復帰開弁時に撓み変形する箇所が常に弁体21の接合足24の裏面であるため、繰り返し動作によって永久変形し弁体21と弁座23のガスシール性を低下させる可能性があるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、復帰開弁可能な差圧が高いため駆動手段の負荷を低減でき、復帰開弁時斜め負荷が発生しないため駆動手段が磨耗やロックを発生させる可能性が低く、さらに、弁シートのガスシール部が永久変形する可能性が低い、差圧解消効果が高く高信頼性を有する遮断弁、およびそれを効果的に利用できる弁装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の遮断弁は、弁座に当接可能な可撓体製の弁シートと、この弁シートの前記弁座の裏面に配された保持部材と、この保持部材を前記弁座と同軸方向に駆動する駆動手段と、前記弁座当接部より外周側の回転対称位置に均等に複数個配され、この位置で前記弁シートと前記保持部材とを掛止する係合手段とを備えたものである。
これによって、復帰開弁時に係合手段が弁シートの弁座当接部より外周を部分的に撓み変形させ弁座と弁シート間に小さな開口部を形成することで弱い負荷で差圧を解消もしくは軽減することができ、また、係合手段が回転対称位置に均等に配されているために、差圧解消時の斜め荷重を相互に打ち消し合い、駆動手段に斜め負荷を与えないため磨耗やロックを発生させる可能性が低い、差圧解消効果が高く高信頼性を有する遮断弁を実現できる。
また、本発明の遮断弁は、弁シートは弁座の裏面の外周部から保持部材外側に延長され断面が概ねコの字状で軸方向の空隙が保持部材外周部の厚みより厚い巻き込み部が形成され、前記保持部材はこの巻き込み部に内包される様に前記弁シートに回転可能に装着され、係合手段は軸方向の厚みが前記保持部材外周部の厚みより厚く前記巻き込み部の空隙の厚み以下である突起状で前記保持部材の裏面外周部の複数箇所の回転対称に均等な位置に配されたものである。
これによって、復帰開弁時の初期は係合手段が弁シートの巻き込み部を引っ張るため、弁シートは弁座当接部の外周から軸方向に引張され部分的に撓み変形し弁座と弁シート間に小さな開口部が形成され、弱い負荷で差圧を解消もしくは軽減することができると同時に、係合手段が回転対称位置に均等に配されているために、差圧解消時の斜め荷重を相互に打ち消し合い、駆動手段に斜め負荷を与えないため磨耗やロックを発生させる可能性が低く、弁シートと保持部材間が回転可能で係合手段は保持部材側に形成されているため、繰り返し動作中に弁シートの撓み変形位置が回転方向にずれ固定されないため、弁シートの弁座当接部が永久変形する可能性が低く、保持部材の係合手段以外も弁シートの巻き込み部に内包されているため、高い差圧でも弁シートと保持部材がはずれる可能性が低く、さらに、弁シートと係合手段を一体的に形成された保持部材だけで弁体を構成しているため、安価でかつ破壊部位が少ない、差圧解消効果が高く高信頼性を有する遮断弁を実現できる。
また、本発明の遮断弁は、弁シート裏面と保持部材の対面対向部に、保持部材の弁座当接部より内側から外周に至る隙間を形成されているため、遮断閉弁時において弁シートと弁座間に多少の角度ずれが合った場合や、係合手段の作用によって弁シートの弁座当接部が多少変形していた場合でも、前記隙間内で弁シートが変形しながら弁座に当接するため、高いガスシール信頼性を有する遮断弁を実現できる。
また、本発明の遮断弁は、駆動手段が電動機であり、保持部材に回転を直線運動に変換するリニア機構を有したことで、弁シートと保持部材との相対的な回動を促進することで弁シートの永久変形を軽減することができると同時に、開弁駆動時において、係合手段が弁シートを撓ませ始める時から弁シートが弁座から完全に離脱するストロークより若干長いストロークまでを高トルク制御に切り替えて駆動し、その他は低トルク駆動で駆動するといった、効率的な駆動を行う弁装置を実現できる。
また、本発明の遮断弁は、弁シートに係合された保持部材と、駆動手段に連結された移動体と、前記保持部材と前記移動体とを弁体移動方向に隙間を持って連結する連結手段と、前記保持部材を前記移動体に近づける方向に付勢する付勢体とを備え、前記駆動手段を電磁ソレノイドとしたことにより、復帰開弁初期においては、まず前記隙間内で移動体が移動し、電磁ソレノイドの吸引部の磁気ギャップが充分小さくなり電磁吸引力が増大した後、移動体が連結手段と連結し弁シートと保持部材との係合手段に荷重を伝達するため、一般的に動作が高速で吸引初期において電磁吸引力が小さいことを特徴とする電磁ソレノイドにおいても、差圧解消効果が高い高速な遮断弁を実現できる。
また、本発明の弁装置は、本発明の遮断弁の駆動手段を自己保持型電磁ソレノイドとし、弁座より若干小さな外径を有し外部手段によって軸方向に移動可能な第2の弁座と、前記弁座と第2の弁座間に配されたシール部材とで構成されたことにより、復帰開弁時、外部力などによって第2の弁座を移動させることによって自己保持型電磁ソレノイドを復帰させ、復帰開弁が完了するまでは第2の弁座がガスをシールするため、操作途中で第2の弁座を停止した時でもガスが漏れることがなく、かつ、自己保持型電磁ソレノイドが復帰吸着した後第2の弁座を後退させてガス通路を開放する時、係合手段によって弁シートが撓み変形し第2の弁座との間に小さな開口部を形成し、差圧を解消または軽減するため、より高い差圧まで開弁可能な外部力で復帰開弁する弁装置を実現できる。
本発明の遮断弁は、復帰開弁可能な差圧が高いため駆動手段の負荷を低減でき、復帰開弁時斜め負荷が発生しないため駆動手段が磨耗やロックを発生させる可能性が低く、さらに、弁シートの流体シール部が永久変形する可能性が低いといった、差圧解消効果が高く高信頼性を有することができる。
第1の発明は、流路内に形成された弁座に当接可能な可撓体製の弁シートと、この弁シートの前記弁座の裏面に配された保持部材と、この保持部材を前記弁座と同軸方向に駆動する駆動手段と、前記弁座当接部より外周側の回転対称位置に均等に複数個配され、この位置で前記弁シートと前記保持部材とを掛止する係合手段とを備えた遮断弁とすることにより、復帰開弁時に係合手段が弁シートの弁座当接部より外周を部分的に撓み変形させ弁座と弁シート間に小さな開口部を形成することで弱い負荷で差圧を解消もしくは軽減することができ、また、係合手段が回転対称位置に均等に配されているために、差圧解消時の斜め荷重を相互に打ち消し合うことで駆動手段に斜め負荷を与えず磨耗やロックを発生させる可能性が低い、差圧解消効果が高く高信頼性を有する遮断弁を実現できる。
第2の発明は、第1の発明の遮断弁の係合手段を、弁座当接部より外周側から前記保持部材外側に延長された前記弁シートの一部と係合可能で、この位置で前記弁シートと前記保持部材とを掛止するよう形成したことによって、第1の発明の遮断弁の効果に加えて、係合部材を弁シートの弁座との当接面以外、かつ、弁シート裏面と保持部材との当接面以外の保持部材外周面や保持部材裏面に形成できるため、係合手段が閉弁性能に与える影響が少なく、また、復帰開弁時に係合手段は外周側から前記保持部材外側に延長された前記弁シートの一部を引き上げることで、弁シート面の広い範囲を反らし弁座から剥離するよう撓み変形させるため、弁シートの狭い範囲を大きな変位で変形させる時に発生する反発弾性力の発生が少なく、より弱い負荷で差圧を解消もしくは軽減することができ、また、弁シートの狭い範囲を大きな変位で変形させないため永久ひずみが発生しにくく、差圧解消効果が高く高い閉弁信頼性を有する遮断弁を実現できる。
第3の発明は、第2の発明の遮断弁において、弁シートが軸方向に保持部材から相対的に離脱する方向に移動した時、少なくとも離脱初期の所定ストローク内おける前記弁シートと前記保持部材との軸方向の係合は、係合手段のみであるよう構成したことによって、第2の発明の遮断弁の効果に加えて、復帰開弁時に係合手段が弁シートの弁座当接部より外周を部分的に撓み変形させ弁座と弁シート間に小さな開口部を形成するまでの保持部材の移動中は弁シートの弁座当接部内側の受圧部分を駆動する必要がなく小さな負荷で保持部材を移動できるため、復帰開弁可能な差圧を高くすることができ、より差圧解消効果が高い遮断弁を実現できる。
第4の発明は、第3の発明の遮断弁において、弁シートが軸方向に保持部材から相対的に離脱する方向に移動した時、離脱初期の所定ストローク後は、前記弁シートと前記保持部材とが係合手段以外の部分で軸方向に係合するよう構成したことによって、仮に差圧が異常に高くなった場合の復帰開弁において、弁シートがある程度撓んだ後係合手段以外の部分で軸方向に係合するため、高い差圧でも弁シートと保持部材がはずれる可能性が低く、破壊しにくい信頼性の高い遮断弁を実現できる。
第5の発明は、第4の発明の遮断弁において、弁シートは弁座の裏面の外周部から保持部材外側に延長され断面が概ねコの字状で軸方向の空隙が保持部材外周部の厚みより厚い巻き込み部が形成され、保持部材はこの巻き込み部に内包される様に弁シートに回転可能に装着され、係合手段は軸方向の厚みが保持部材外周部の厚みより厚く前記巻き込み部の空隙の厚み以下である突起状で保持部材の裏面外周部の複数箇所の回転対称に均等な位置に配されるよう構成したことによって、復帰開弁時の初期は係合手段が弁シートの巻き込み部を引っ張るため、弁シートは弁座当接部の外周から軸方向に引張され部分的に撓み変形し弁座と弁シート間に小さな開口部が形成され、弱い負荷で差圧を解消もしくは軽減することができると同時に、係合手段が回転対称位置に均等に配されているために、差圧解消時の斜め荷重を相互に打ち消し合い、駆動手段に斜め負荷を与えないため磨耗やロックを発生させる可能性が低く、弁シートと保持部材間が回転可能で係合手段は保持部材側に形成されているため、繰り返し動作中に弁シートの撓み変形位置が回転方向にずれ固定されないため、弁シートの弁座当接部が永久変形する可能性が低く、保持部材の係合手段以外も弁シートの巻き込み部に内包されているため、高い差圧でも弁シートと保持部材がはずれる可能性が低く、さらに、弁シートと、係合手段を一体的に形成された保持部材だけで弁体を構成しているため、安価でかつ破壊部位が少ない、差圧解消効果が高く高信頼性を有する遮断弁を実現できる。
第6の発明は、第5の発明の遮断弁において、弁シートの巻き込み部内周と相対する保持部材外周との間に、円周にわたって概ね均等な空隙を形成したため、閉弁状態において差圧が高くなり弁シートの弁座内側が弁座側に膨らんで変形したため、弁シートの巻き込み部内周の径が小さくなるよう変形した場合でも保持部材外周と干渉しにくく、復帰開弁の初期において係合手段は弁シートの係合部だけを軸方向に駆動すればよく、高い差圧まで復帰可能であると同時に、仮に熱ストレスなどで弁シート全体が若干収縮した場合でも、差圧解消効果を失わず、閉弁時に弁シートの巻き込み部内周と保持部材外周とが干渉しにくく閉弁性能を損なわない、差圧解消効果が高く高い閉弁信頼性を有する遮断弁を実現できる。
第7の発明は、第3〜6のいずれか1つの発明の遮断弁において、弁シートは弁座の裏面の中央部に凹部または凸部を形成され、保持部材は弁シート当接面の中央部に前記凹部または凸部に緩嵌する凸部または凹部を形成したため、開弁状態においてはこの凹凸の緩やかな嵌合によって弁シートと保持部材の軸中心が概ね保持され、弁座に対して弁シートがずれることが少なく閉弁性能を損なわないと同時に、閉弁および復帰開弁時は差圧によって弁シートの中央部が弁座側に膨らんでこの凹凸の嵌合が解除され復帰開弁時において保持部材が弁シートから軸方向に離脱する初期動作を阻害しない、差圧解消効果が高く高い閉弁信頼性を有する遮断弁を実現できる。
第8の発明は、第1〜7のいずれか1つの発明の遮断弁において、弁シート裏面と保持部材の対面対向部に、保持部材の弁座当接部より内側から外周に至る隙間を形成したことによって、開弁時において弁シートと弁座との間に若干の角度のずれが生じている場合や、弁座当接部に多少波打ち等の変形を生じている場合でも、閉弁時はこの隙間内で弁シートが撓み変形することによって弁座と弁シートが均一に当接でき、復帰開弁の係合部材の差圧解消効果を損なうことなく、高い閉弁性能を有する遮断弁を実現できる。
第9の発明は、第1〜8のいずれか1つの発明の遮断弁において、駆動手段が電動機であり、保持部材に回転を直線運動に変換するリニア機構を有するよう構成したことによって、特に復帰開弁時、このリニア機構の回転方向のガタ内で保持部材が微小回転運動することに伴い、弁シートと保持部材とのが相対的な回動行い、保持部材が係合する弁シートの位置が変化するため、弁シートの一点に集中的な負荷が繰り返し印加されることを防止し、弁シートの永久変形を軽減することができ、高い閉弁信頼性を有する遮断弁を実現できる。
第10の発明は、第9の発明の遮断弁を有し、開弁駆動時において、係合手段が弁シートを撓ませ始める時から弁シートが弁座から離脱するストロークより若干長いストロークまでを高トルク制御に切り替えて駆動する制御手段を有する弁装置を構成したことによって、遮断弁の復帰開弁動作において差圧が解消もしくは軽減されるまでは保持部材を高荷重で駆動し確実に弁座から弁シートを剥離するとともに、その後より電力を抑えることができる低トルク駆動に切り替え駆動し、電力消費を低減可能な効率的な駆動を行う弁装置を実現できる。
第11の発明は、第1〜8のいずれか1つの発明の遮断弁において、弁シートに係合された保持部材と、駆動手段に連結された移動体と、前記保持部材と前記移動体とを弁シート移動方向に隙間を持って連結する連結手段と、前記保持部材を前記移動体に近づける方向に付勢する付勢体とを備え、前記駆動手段を電磁ソレノイドとしたことにより、復帰開弁初期においては、まず前記隙間内で移動体が移動し、電磁ソレノイドの吸引部の磁気ギャップが充分小さくなり電磁吸引力が増大した後、移動体が連結手段と連結し弁シートと保持部材との係合手段に荷重を伝達するため、一般的に動作が高速で吸引初期において電磁吸引力が小さいことを特徴とする電磁ソレノイドにおいても、差圧解消効果が高い高速な遮断弁を実現できる。
第12の発明は、第1〜8または11のいずれか1つの発明の遮断弁において、駆動手段を自己保持型電磁ソレノイドとし、弁座より若干小さな外径を有し外部手段によって軸方向に移動可能な第2の弁座と、前記弁座と第2の弁座間に配されたシール部材とで弁装置を構成したことにより、復帰開弁時、外部力などによって第2の弁座を移動させることによって自己保持型電磁ソレノイドを復帰させ、復帰開弁が完了するまでは第2の弁座がガスをシールするため、操作途中で第2の弁座を停止した時でもガスが漏れることがなく、かつ、自己保持型電磁ソレノイドが復帰吸着した後第2の弁座を後退させてガス通路を開放する時、係合手段によって弁シートが回転相性位置で撓み変形し第2の弁座との間に小さな開口部を形成し、差圧を解消または軽減するため、より高い差圧まで開弁可能な外部力で復帰開弁し、また磨耗やロックを発生させる可能性が低い高い信頼性を有する弁装置を実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における遮断弁の開弁状態の断面図、図2は、同閉弁状態の断面図、図3は、同復帰開弁時の断面図、図4は、同遮断弁の弁シート部分断面と保持部材との組合せの斜視図を示すものである。
図1において、流路31内に形成された弁座32に当接可能なニトリルブタジエンラバー(ニトリルゴム)など合成ゴム等の可撓体製の弁シート33と、この弁シート33の弁座32の裏面に配されたポリオキシメチレン(ポリアセタール)のような合成樹脂製の保持部材34と、この保持部材34を弁座32と同軸方向に駆動する駆動手段であるステッピングモータ35と、弁座32当接部33aより外周側の回転対称位置に均等に複数個配され、この位置で弁シート33と保持部材34とを掛止する係合手段36とを備えて遮断弁が構成されている。
弁シート33は弁座32の裏面の外周部から保持部材34外側に延長され断面が概ねコの字状で軸方向の空隙33cが保持部材34外周部の厚みより厚い巻き込み部33bが形成され、保持部材34はこの巻き込み部33bに内包される様に弁シート33に回転可能に装着され、係合手段36は軸方向の厚みが保持部材34外周部の厚みより厚く巻き込み部33bの空隙33cの厚み以下である突起状で保持部材34の裏面外周部の複数箇所の回転対称に均等な位置(この例では180°回転対象位置に2箇所)に配されている。
弁シート33の巻き込み部33b内周と相対する保持部材34外周との間に、円周にわたって概ね均等な空隙37が形成されている。
弁シート33は弁座32の裏面の中央部に凹部38を形成され、保持部材34は弁シート33当接面の中央部に前記凹部38に緩嵌する凸部39を形成されている。
弁シート33裏面と保持部材34の対面対向部に、保持部材34の弁座当接部より内側から外周に至る隙間40を形成されている。
保持部材34外周部の厚みを0.7mmとすると、巻き込み部33bの空隙33cは2mm、係合手段36の突起高さは1mm程度が適切であり、弁シート33外径を32mmとすると、保持部材34外径は29mm、空隙37は0.5mm程度が適切であり、隙間40は0.3mm程度が適切である。
以上の弁シート33と保持部材34の形状と構成は、図4の弁シート33部分断面と保持部材34との組合せの斜視図によって、立体的な関係を理解できる。
ステッピングモータ35の回転軸41にはリードスクリュー42が形成され、保持部材34の中心穴にリードナット43が形成され、たがいに螺合しており、保持部材34のステッピングモータ35側に軸方向のスリット44を持ったスカート45が形成され、ステッピングモータ35の取付板であるフランジ46の中央穴にスリット44と係合可能な係合爪47が形成され保持部材34とフランジ46とが相対的に回動することを規制し、これらリードスクリュー42、リードナット43、スリット44、係合爪47とで回転軸41の回転を弁座32の軸方向の直線運動に変換するリニア機構が構成されている。
ステッピングモータ35は、非磁性金属薄板製のキャン48とシール部材49とでロータ50とステータ51間が気密に保持されていて、回転軸41出口側には摩擦損失が少ないスラスト・ラジアル共用ころがり軸受52が配されている。
フランジ46と保持部材34との間には保持部材34を弁座32の方向に付勢するようスプリング53が圧縮されて配されている(先述の寸法の場合、約1N程度の付勢力が適当である)。
以上のように構成された遮断弁について、以下その動作、作用を説明する。
まず、図1に示した開弁状態においては、保持部材34はステッピングモータ35側に後退し、弁シート33が弁座32から離脱し、ガスなどの流体が通過可能な開弁状態を保持している。
凹部38と凸部39との緩やかな嵌合によって弁シート33と保持部材34の軸中心が概ね保持されており、係合手段36と巻き込み部33bとは緩やかに接していて弁シート33と保持部材34との軸方向の位置を保持しており、また、差圧がないため弁シート33が変形しておらず、空隙37、隙間40が確保されている。
ガス流量異常時や、地震発生時、通信や外部手段によって遮断命令が発せられた時、図示していないマイコンメータなどの制御手段からの遮断閉弁信号がステッピングモータ35に印加され、ロータ50が回転しリードスクリュー42、リードナット43を介して弁座32の軸方向の直線運動に変換され、保持部材34が弁座32側に移動し、弁シート33と弁座32とが当接して閉弁状態になり、その後さらに保持部材34が弁座32側に若干押し込まれ隙間40が小さくなり弁シート33が撓み変形し弁座当接部33a全周が弁座32に当接しガスなどの流体を遮断し、遮断閉弁信号の最後はステッピングモータ35が脱調し遮断閉弁動作を終える。
開弁時において弁シート33と弁座32との間に若干の角度のずれが生じている場合や、弁座当接部33aに多少波打ち等の変形を生じている場合でも、遮断閉弁時は隙間40内で弁シート33が撓み変形することによって弁座32と弁シート33が均一に当接でき、高い閉弁性能を実現できる。
また、この撓み変形時弁シート33と保持部材34とが相対的に移動することが必要であるが、弁シート33の巻き込み部33b内周と相対する保持部材外周との間に、円周にわたって概ね均等な空隙33cがあるため、摺動抵抗がなく滑らかに相対移動でき、隙間40内での弁シート33の変形による閉弁性能向上を妨げない。
このように遮断閉弁した後、弁シート33の上下流に差圧54が発生した場合の、同閉弁状態の断面図を図2に示した。
図2において、差圧54の付勢力によって、弁シート33の中央部が弁座32側に膨らんで弁シート33の凹部38と保持部材34の凸部39の嵌合が解除され、同時にこの脹らみのため、弁シート33外周部すなわち巻き込み部33b内周が内周の径が小さくなるよう若干内側に倒れこむが、弁シート33の巻き込み部33b内周と相対する保持部材外周との間の円周空隙33cは0になっておらず、保持部材34外周と巻き込み部32b内周とが当接して閉弁性能を劣化させることがなく、保持部材34が遮断閉弁動作の最終段階で弁座32側に若干押しこまれているため、係合手段36と巻き込み部33bとは離れており、係合手段36は閉弁性能に影響を与えない。
なお、遮断閉弁動作最終の押しこみ、脱調動作の後、ロータ50を若干逆転させる動作を行うことで、弁シート32およびリードスクリュー42とリードナット43間の応力を除去しスプリング53によって安定した弁閉止力を与えることができ、永久変形などが発生する可能性が少なく、長期信頼性の高い弁装置を実現できる。
次に、復帰開弁動作について図2、図3を用いて説明する。
開弁復帰時にはその弁シート33の上下流差圧かける受圧面積分の荷重を引き上げる必要があり、例えば、直径28mmの受圧面積に5kPaの差圧が印加されている場合、約3Nの差圧荷重を駆動する必要がある。
一方、電池電源での10年間駆動を目標としたり、より省電力を実現するため、この差圧荷重を軽減することが遮断弁の省電力を実現することにつながる。
図示していないマイコンメータなどの制御手段からの復帰開弁信号がステッピングモータ35に印加されると、ロータ50が遮断閉弁動作時の逆方向に回転し、リードスクリュー42、リードナット43を介して弁座32の軸方向の直線運動に変換され、保持部材34が弁座32から離反する方向に移動し、最初はまずスリット44と係合爪47の回転方向のガタ内で保持部材34が弁シート33と相対的に微少回転運動し、次に係合手段36が弁シート33の巻き込み部33bに当接し、さらに係合手段36が巻き込み部33bを引っ張るため、弁シート33は弁座当接部33aの外周から軸方向に引張され部分的に保持部材34側に撓み変形し弁座32と弁シート33間に小さな開口部55が形成され少量の流体が流通可能な図3に示した状態になる。
ここまでの復帰開弁動作において、弁座32と弁シート33間に開口部55を形成するまでの保持部材34の移動中は弁シート33の弁座当接部33a内側の受圧部分を駆動する必要がなく、小さな負荷で保持部材34を移動でき、また、係合手段36が弁シート33表面の広い範囲を反らし弁座32から剥離するよう撓み変形させるため、弁シート33の狭い範囲を大きな変位で変形させる時に発生する反発弾性力の発生が少なく、より弱い負荷で開口部55を形成することができる。
先述の具体的寸法の場合は、係合手段36がない場合は約3Nの差圧荷重負荷を、約1.7Nに軽減できる(ステッピングモータ35は、スプリング53の付勢力を含め約2.7Nの荷重を駆動する必要がある)。
そしてこの時、係合手段36が回転対称位置に均等に配されているために、差圧解消時の斜め荷重を相互に打ち消し合い、ステッピングモータ35に斜め負荷を与えないため磨耗やロックを発生させる可能性が低い。
また、閉弁状態の説明で述べたように、弁シート33の凹部38と保持部材34の凸部39の嵌合が解除されており、弁シート33の巻き込み部33b内周と相対する保持部材外周との間の円周空隙33cは0になっておらず、復帰開弁動作初期において弁シート33と保持部材34との相対的な離反動作を妨げないので、弱い負荷で保持部材34を移動できる。
弁座32と弁シート33間に開口部55が形成されると少量の流体が流通可能になり、この流れにより弁シート33の弁座32側面は圧力の高い部分が、裏面は圧力の低い部分が発生し、結果として弁シート33上下流の差圧54が減少し、係合手段36の引張に逆らって弁シート33が弁座32に当接できなくなり、ついには弁シート33の弁座当接部33a全周が弁座32から離脱し、この後急速に差圧が解消され、弁シート33は保持部材34と一体的にステッピングモータ35側に移動し、図1に示した開弁状態に復帰する。
なお、復帰開弁動作においても、保持部材34がステッピングモータ35に当接し脱調動作を行った後、ロータ50を若干逆転させる動作を行うことで、リードスクリュー42とリードナット43間の応力を除去し、永久変形などが発生する可能性が少なく、長期信頼性の高い弁装置を実現できる。
このように、係合手段36が巻き込み部33bを引っ張り、弁シート33の弁座当接部33aより外周から部分的に撓み変形させ弁座32と弁シート33間に小さな開口部55を形成することで、弱い負荷で差圧を解消もしくは軽減することができると同時に、係合手段36が回転対称位置に均等に配されているために、差圧解消時の斜め荷重を相互に打ち消し合い、ステッピングモータ35に斜め負荷を与えず磨耗やロックを発生させる可能性が低い。
さらに、弁シート33の狭い範囲を大きな変位で変形させないため永久ひずみが発生しにくく、また、復帰開弁動作中に保持部材34が弁シート33と相対的に微少回転運動し、係合手段36は保持部材34に形成されているため、繰り返し動作中に弁シート33の撓み変形位置が回転方向にずれ固定されないため、弁シート33の弁座当接部33aが永久変形する可能性が低く、高い閉弁信頼性を実現できる。
仮に差圧54が異常に高くなった場合の復帰開弁動作において、保持部材34の係合手段36以外も弁シート33の巻き込み部33bに内包されているため、弁シート33がある程度撓んだ後係合手段36以外の部分で軸方向に係合し、高い差圧でも弁シート33と保持部材34がはずれる可能性が低く、破壊しにくい信頼性の高い遮断弁を実現できる。
また、弁シート33と、係合手段36を一体的に形成された保持部材34だけで弁体を構成しているため、安価でかつ破壊部位が少ない遮断弁を実現できる。
このように、実施の形態1によれば、復帰開弁可能な差圧が高いため駆動手段の負荷を低減でき、復帰開弁時斜め負荷が発生しないため駆動手段が磨耗やロックを発生させる可能性が低く、さらに、弁シートの流体シール部が永久変形する可能性が低いといった、差圧解消効果が高く高信頼性を有する遮断弁を実現できる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の実施の形態2における弁装置の、復帰開弁動作時におけるトルクと保持部材を引き上げるために必要な負荷と保持部材の位置の関係を示したグラフである。
この弁装置は図1の遮断弁と駆動トルクを切替可能な制御手段より構成される。
図5において、復帰開弁時に制御手段は、係合手段36が弁シート33を撓ませ始める位置(位置0.5mm)から弁シート33が弁座32から離脱する位置(位置2mm)より若干長いストローク(位置2.5mm)までを高トルク制御に切り替えて駆動する。
たとえば、ステッピングモータ35を駆動する周波数を、高トルク時は100pps、その他は200ppsとする。
このように駆動することによって、遮断弁の復帰開弁動作において差圧54が解消もしくは軽減されるまでは保持部材34を高荷重で駆動し確実に弁座32から弁シート33を剥離するとともに、その後より電力を抑えることができる低トルク駆動に切り替え駆動し、電力消費を低減可能な効率的な駆動を行う弁装置を実現できる。
(実施の形態3)
図6は、本発明の実施の形態3における遮断弁の開弁状態の断面図を示すものである。
図6において、弁シート63は弁座32の裏面の外周部から保持部材64外側に延長された円筒部63aを形成され、この円筒部63bの側面で複数箇所の回転対称に均等な位置(この例では180°回転対象位置に2箇所)に横穴63cが開口され、保持部材64はこの円筒部63bに内包される様に弁シート63に装着され、係合手段66は保持部材64の外周から突出した突起状で弁座32と反対側に返り66aを形成され、弁シート63の2箇所の横穴63cに挿入可能なよう配されて、遮断弁が構成されている。
その他は、図1と同様であり同じ符号を記載し、説明を省略する。
この遮断弁の復帰開弁動作においては、ステッピングモータ35の回転に伴ない、保持部材64が弁座32から離反する方向に移動し、係合手段66が弁シート63の横穴63cを引っ張るため、弁シート63は弁座当接部63aの外周から軸方向に引張され部分的に保持部材64側に撓み変形し弁座32と弁シート63間に小さな開口部が形成され、少量の流体が流通可能な状態になる。
ここまでの復帰開弁動作において、弁座32と弁シート63間に開口部を形成するまでの保持部材64の移動中は弁シート63の弁座当接部63a内側の受圧部分を駆動する必要がなく、小さな負荷で保持部材64を移動でき、また、係合手段66が弁シート63表面の広い範囲を反らし弁座32から剥離するよう撓み変形させるため、弁シート63の狭い範囲を大きな変位で変形させる時に発生する反発弾性力の発生が少なく、より弱い負荷で開口部を形成することができる。
そしてこの時、係合手段66が回転対称位置に均等に配されているために、差圧解消時の斜め荷重を相互に打ち消し合い、ステッピングモータ35に斜め負荷を与えないため磨耗やロックを発生させる可能性が低い。
弁座32と弁シート63間に開口部が形成されると少量の流体が流通可能になり、弁シート63上下流の差圧が減少し、ついには弁シート63の弁座当接部63a全周が弁座32から離脱し、この後急速に差圧が解消され、弁シート63は保持部材64と一体的にステッピングモータ35側に移動し開弁状態に復帰する。
この他の動作、状態は図1の遮断弁と概ね同様であり、説明を省略する。
さて、この図6の遮断弁の特徴は弁シート63に図1の遮断弁における巻き込み部33bのごとき成形上のアンダーカット(無理抜き)が存在しない点で、このため、化学的には安定であるがアンダーカットが困難であるポリウレタンやポリエステルエラストマーのごとき熱可塑性合成樹脂エラストマーを弁シート63の材料として選択でき、この熱可塑性合成樹脂エラストマーの特徴を生かした化学的に安定な弁シート63を提供できる。
ただし、図1の遮断弁と異なり、弁シート63と係合手段64との回転方向の相対位置が変わらないため、弁シート63の特定の部分が繰り返し変形し永久変形を発生させやすいので、弁シート63の撓み変形量などに注意して設計を行う必要がある。
(実施の形態4)
図7は、本発明の実施の形態4における遮断弁の弁体の組立模式図である。
図7において、図示していない弁座に当接する部分の外側3箇所の120°の回転対称位置に穴73aを形成された可撓体製の弁シート73と、この弁シート73の弁座裏面に配され前記穴73aと相対する位置に穴74aを形成された保持部材74と、穴73aと穴74aを貫通してスナップフィットによって固定されることによって弁シート73と保持部材74とをこの回転対称位置で掛止する係止部材76とで弁体が構成され、保持部材74を軸方向に駆動する図示していない駆動手段とで遮断弁が構成されている。
この遮断弁の詳細の説明、および、動作の説明は省略する。
図7のように、係合手段76は保持部材74と一体でなくてよく、必ずしも保持部材74は弁シート73の外周部に内包されていなくてもよく、係合手段76の掛止位置は回転対称に均等であれば3カ所でもそれ以上でもよく、弁シート73と保持部材74との中央部の凹凸は緩やかに嵌合するのであれば逆転してもよく、弁シート73は突出した弁座当接部を持たなくてもよい。
(実施の形態5)
図8は、本発明の実施の形態5における遮断弁の開弁状態の断面図、図9は、同復帰開弁時の断面図を示すものである。
図8において、弁シート83に係合され中央穴周辺に弁シート83側に突出した円筒部84aを形成された保持部材84と、電磁ソレノイド85のプランジャ93と一体的に形成され、先端の細軸部87aが保持部材84の中央穴を摺動可能に貫通して配された移動体87と、保持部材84と移動体87先端とを弁シート83移動方向に隙間90を持って連結する連結手段88と、保持部材84を移動体87に近づける方向に付勢するよう保持部材84内側と連結手段88との間に圧縮されて配されたスプリング89とを備えて遮断弁が構成されている。
弁シート83は弁座32の裏面の外周部から保持部材84外側に延長され断面が概ねコの字状で軸方向の空隙が保持部材84外周部の厚みより厚い巻き込み部83bが形成され、保持部材84はこの巻き込み部38bに内包される様に弁シート83に回転可能に装着され、係合手段86は軸方向の厚みが保持部材84外周部の厚みより厚く巻き込み部83bの空隙の厚み以下である突起状で保持部材84の裏面外周部の複数箇所の回転対称に均等な位置(この例では180°回転対象位置に2箇所)に配されている。
弁シート83と保持部材84間の詳細な構成は、図1の遮断弁と概ね同様なので説明を省略する。
電磁ソレノイド85のフランジ91と保持部材84間に配されたスプリング92は、スプリング89より付勢力が弱いため、隙間90は通常、保持部材84の円筒部84aと連結手段88間に形成されている。
以上のように構成された遮断弁について、以下その動作、作用を説明する。
図8に示した開弁状態においては、プランジャ93とコアー94とが当接しマグネット95により磁気吸引されていて、弁シート83が弁座82から離れ流路81は開放されている。
電磁ソレノイド85に遮断閉弁信号が印加された場合、プランジャ93はコアー94から離脱し、スプリング92に付勢されて弁シート83が弁座82に当接し流路81が遮断される閉弁状態になる。
次に、閉弁状態で弁シート83の上下流差圧が高い場合の復帰開弁動作に関して説明する。
電磁ソレノイド85に復帰開弁信号が印加されると、プランジャ93がコアー94に電磁吸引されてコアー94側に移動をはじめるが、差圧が高いため弁シート83は弁座82から離脱できず保持部材84もほとんど動かず、スプリング89が圧縮され、移動体87(プランジャ93)と保持部材84間が相対移動し、図9のように、連結手段88が保持部材84の円筒部84aに当接した状態になる。
この後、係合手段84によって弁シート83が撓み部分的な開口部を形成することで弱い負荷で差圧を解消もしくは軽減することができるが、この動作、効果は図1の遮断弁と概ね同様であるので説明を省略する。
通常、電磁ソレノイド85は、動作が高速であり、また、プランジャ93とコアー94間の距離(すなわち磁気ギャップ)が広い場合電磁吸引力が小さく、磁気ギャップが狭くなるほど電磁吸引力が大きくなるという特徴を有しており、したがって、図9の開弁復帰動作後期においては磁気ギャップが充分小さいため電磁吸引力が大きく、係合手段84による差圧解消動作を確実に行える力を有している。
そして、差圧が解消もしくは軽減された後、弁シート83は弁座82から全周が離れ、保持部材84はスプリング89とスプリング92との差の力に付勢され電磁ソレノイド85側に移動し、一方プランジャ93もコアー94と当接して図8に示した開弁状態に復帰する。
このように、電磁ソレノイド85の吸引部の磁気ギャップが充分小さくなり電磁吸引力が増大した後、弁シート83を撓ませて差圧を解消、軽減するので、差圧解消効果が高い高速な遮断弁を実現できる。
(実施の形態6)
図10は、本発明の実施の形態6における弁装置の開弁状態の断面図、図11は、同復帰開弁時の断面図を示すものである。
図10において、流路101内に形成された弁座102に当接可能な可撓体製の弁シート103と、この弁シート103の弁座102の裏面に配されたステンレス鋼製の保持部材104と、この保持部材104を弁座103と同軸方向に駆動する自己保持型電磁ソレノイド105と、弁座102当接部より外周側の回転対称位置に均等に複数個配され、この位置で弁シート103と保持部材104とを掛止する係合手段106とを備えて遮断弁が構成されている。
弁シート103は弁座102の裏面の外周部から保持部材104外側に延長され断面が概ねコの字状で軸方向の空隙が保持部材104外周部の厚みより厚い巻き込み部103bが形成され、保持部材104はこの巻き込み部103bに内包される様に弁シート103に装着され、係合手段36は保持部材104の外周部から弁座102と逆方向に巻き込み部103bの空隙に突出した突起状で保持部材104の裏面外周部の複数箇所の回転対称に均等な位置(この例では180°回転対象位置に2箇所)に配されている。
保持部材104と自己保持型電磁ソレノイド105のフランジ107間には弁シート103を弁座102に付勢する方向にスプリング108が配されており、この付勢力に抗してマグネット111がプランジャ109をコアー110側に磁気吸引している。
弁座102と同軸に弁座102より若干小さな外径を有するポリオキシメチレン製など合成樹脂製の第2の弁座112が配され、人が指で押すなど外部からの荷重で第2の弁座112を軸方向に移動させる復帰軸113と、弁シート103に対して第2の弁座112を弁座102よりも離れた位置に後退させるよう付勢するスプリング114と、弁座102と第2の弁座112間に配された合成ゴムなどのシール部材115とで外部力による遮断弁復帰機構が構成され、これら遮断弁と復帰機構とを備えて弁装置が構成されている。
以上のように構成された弁装置について、以下その動作、作用を説明する。
まず、図10に示した開弁状態においては、プランジャ109とコアー110とが当接しマグネット111により磁気吸引されていて、弁シート103が弁座102から離れ流路101は開放されている。
自己保持型電磁ソレノイド105に遮断閉弁信号が印加された場合、プランジャ109はコアー110から離脱し、スプリング114に付勢されて弁シート103が弁座102に当接し流路101が遮断される閉弁状態になる。
次に、閉弁状態で弁シート103の上下流差圧が高い場合の復帰開弁動作に関して説明する。
この弁装置を復帰開弁させる場合、人が指で押したり、電動機による復帰装置などの外部からの荷重で復帰軸113を自己保持型電磁ソレノイド105に近づける方向に移動させると第2の弁座112も一体的に移動し、第2の弁座112が弁シート103に当接し、さらに押されて弁シート103は弁座102から離脱し第2の弁座112と一体的に移動を始め、プランジャ109がコアー110の方向に移動してついにプランジャ109とコアー110が当接する。
この第2の弁座112の移動の過程で、シール部材115が弁座102と第2の弁座112とを気密に保持しているため、閉弁状態における弁シート103の上下流差圧は解消されず、ガスなどの流体が流れない状態のままであるため、例えば自害やいたずら目的などで押しこんだ状態で復帰軸113を固定するなどの異常操作がなされた場合でも、ガスなどの流体が流れることなく安全である。
プランジャ109とコアー110が当接すると、マグネット111による磁気吸引力が作用し、スプリング108の付勢力に抗してプランジャ109とコアー110が保持され、その後、指を離すなど、復帰軸113を駆動していた外部荷重がなくなると、スプリング114に付勢され第2の弁座112が弁座102の方向へ移動をはじめるが、先述の差圧によって弁シート103も第2の弁座112に追従しようと移動を始める。
この時保持部材104は弁シート103の中央部を介してプランジャ109と一体的にコアー110に吸引されており、弁シート103の外周部だけが第2の弁座に追従するため、係合手段106が弁シート103の巻き込み部103bを引っ張り、弁シート103は第2の弁座112当接部の外周から軸方向に引張され部分的に保持部材104側に撓み変形し第2の弁座112と弁シート103間に小さな開口部116が形成され、少量の流体が流通可能な状態になる。
この状態を図11に示した。
第2の弁座112と弁シート103間に開口部116が形成されると少量の流体が流通可能になり、弁シート103上下流の差圧が減少し、ついには弁シート103の全周が第2の弁座112から離脱し、第2の弁座112は弁座102の内側に後退し、開弁状態に復帰する。
ここまでの復帰開弁動作において、係合手段106が弁シート103を撓ませ小さな力で第2の弁座112から剥離するため、より大きな差圧まで復帰可能であり、また係合手段106が回転対称位置に均等に配されているために、差圧解消時の斜め荷重を相互に打ち消し合い、プランジャ109に斜め負荷を与えないため磨耗やロックを発生させる可能性が低い。
このように、この実施の形態では、復帰開弁時、外部力などによって第2の弁座112を移動させることによって自己保持型電磁ソレノイド105を復帰させ、復帰開弁が完了するまでは第2の弁座112がガスをシールするため、操作途中で第2の弁座を停止112した時でもガスが漏れることがなく、かつ、自己保持型電磁ソレノイド105が復帰吸着した後第2の弁座112を後退させてガス通路を開放する時、係合手段106によって弁シート103が回転対象位置で撓み変形し第2の弁座112との間に小さな開口部116を形成し、差圧を解消または軽減するため、より高い差圧まで開弁可能な外部力で復帰開弁し、またプランジャ109などに磨耗やロックを発生させる可能性が低い高い信頼性を有する弁装置を実現できる。
以上のように、本発明にかかる遮断弁および弁装置は、復帰開弁可能な差圧が高いため駆動手段の負荷を低減でき、復帰開弁時斜め負荷が発生しないため駆動手段が磨耗やロックを発生させる可能性が低く、さらに、弁シートの流体シール部が永久変形する可能性が低いといった、差圧解消効果が高く高信頼性を有するものであり、遮断機能を有する流体制御弁や比例制御弁、手動制御弁等の用途にも利用できる。
また、第2の弁座を有する弁装置は、自己保持型電磁ソレノイドだけでなく、ラッチ機構を有するアクチュエータに用いても有効である。
本発明の実施の形態1における遮断弁の開弁状態の断面図 同遮断弁の閉弁状態の断面図 同遮断弁の復帰開弁時の断面図 同遮断弁の弁シート部分断面と保持部材との組合せの斜視図 本発明の実施の形態2における弁装置の、復帰開弁動作時におけるトルクと保持部材を引き上げるために必要な負荷と保持部材の位置の関係を示したグラフ 本発明の実施の形態3における遮断弁の開弁状態の断面図 本発明の実施の形態4における遮断弁の弁体の組立模式図 本発明の実施の形態5における遮断弁の開弁状態の断面図 同遮断弁の復帰開弁時の断面図 本発明の実施の形態6における弁装置の開弁状態の断面図 同弁装置の復帰開弁時の断面図 (a)第1の従来例の遮断弁の弁部の閉弁状態の断面図(b)同遮断弁の弁部の復帰開弁動作中の断面図 (a)第2の従来例の遮断弁の弁部の閉弁状態の断面図(b)同遮断弁の弁部の復帰開弁動作中の断面図 第3の従来例の遮断弁の弁部の断面図
符号の説明
31、81、101 流路
32、82、102 弁座
33、63、73、83、103 弁シート
33a 弁座当接部
33b、83b、103b 巻き込み部
33c 空隙
34、64、74、84、104 保持部材
35 ステッピングモータ(駆動手段)
36、66、76、86、106 係合手段
37 空隙
38 凹部
39 凸部
40 隙間
42 リードスクリュー(リニア機構)
43 リードナット(リニア機構)
44 スリット(リニア機構)
47 係合爪(リニア機構)
85 電磁ソレノイド
87 移動体
88 連結手段
89 スプリング(付勢体)
90 隙間
105 自己保持型電磁ソレノイド
112 第2の弁座
115 シール部材

Claims (12)

  1. 流路内に形成された弁座に当接可能な可撓体製の弁シートと、この弁シートの前記弁座の裏面に配された保持部材と、この保持部材を前記弁座と同軸方向に駆動する駆動手段と、前記弁座当接部より外周側の回転対称位置に均等に複数個配され、この位置で前記弁シートと前記保持部材とを掛止する係合手段とを備えた遮断弁。
  2. 係合手段は、弁座当接部より外周側から前記保持部材外側に延長された前記弁シートの一部と係合可能で、この位置で前記弁シートと前記保持部材とを掛止することを特徴とする請求項1記載の遮断弁。
  3. 弁シートが軸方向に保持部材から相対的に離脱する方向に移動した時、少なくとも離脱初期の所定ストローク内おける前記弁シートと前記保持部材との軸方向の係合は、係合手段のみである請求項1または2記載の遮断弁。
  4. 弁シートが軸方向に保持部材から相対的に離脱する方向に移動した時、離脱初期の所定ストローク後は、前記弁シートと前記保持部材とが係合手段以外の部分で軸方向に係合する請求項3記載の遮断弁。
  5. 弁シートは弁座の裏面の外周部から保持部材外側に延長され断面が概ねコの字状で軸方向の空隙が保持部材外周部の厚みより厚い巻き込み部が形成され、前記保持部材はこの巻き込み部に内包される様に前記弁シートに回転可能に装着され、係合手段は軸方向の厚みが前記保持部材外周部の厚みより厚く前記巻き込み部の空隙の厚み以下である突起状で前記保持部材の裏面外周部の複数箇所の回転対称に均等な位置に配された請求項4記載の記載の遮断弁。
  6. 弁シートの巻き込み部内周と相対する保持部材外周との間に、円周にわたって概ね均等な空隙を有する請求項5記載の遮断弁。
  7. 弁シートは弁座の裏面の中央部に凹部または凸部を形成され、保持部材は弁シート当接面の中央部に前記凹部または凸部に緩嵌する凸部または凹部を形成された請求項3〜6のいずれか1項に記載の記載の遮断弁。
  8. 弁シート裏面と保持部材の対面対向部に、保持部材の弁座当接部より内側から外周に至る隙間を形成された請求項1〜7のいずれか1項に記載の記載の遮断弁。
  9. 駆動手段が電動機であり、保持部材に回転を直線運動に変換するリニア機構を有する請求項1〜8のいずれか1項に記載の記載の遮断弁。
  10. 請求項9記載の遮断弁を有し、開弁駆動時において、係合手段が弁シートを撓ませ始める時から弁シートが弁座から離脱するストロークより若干長いストロークまでを高トルク制御に切り替えて駆動する制御手段を有する弁装置。
  11. 弁シートに係合された保持部材と、駆動手段に連結された移動体と、前記保持部材と前記移動体とを弁シート移動方向に隙間を持って連結する連結手段と、前記保持部材を前記移動体に近づける方向に付勢する付勢体とを備え、前記駆動手段が電磁ソレノイドである請求項1〜8のいずれか1項に記載の記載の遮断弁。
  12. 弁座より若干小さな外径を有し外部手段によって軸方向に移動可能な第2の弁座と、前記弁座と第2の弁座間に配されたシール部材と、駆動手段が自己保持型電磁ソレノイドである請求項1〜8または11のいずれか1項に記載の遮断弁を有する弁装置。
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