JP4103388B2 - 流体制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流路の開閉を行う流体制御装置、特に、ガスの事故を未然に防ぐためガスメータなどに内蔵されるガス遮断装置の遮断機構として使用される遮断弁装置に関するものであり、さらに詳しくは制御手段によって制御される回転機構の回転運動を直線運動に変換して弁体を駆動し、流路に形成された弁座に対し弁体を前進または後退移動させることによって流路の遮断復帰動作を行う、主にモータなどを動力源とする遮断弁の制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一度発生すれば大惨事になる可能性の高いガス事故を未然に防ぐため、従来より種種の安全装置が利用されており、中でもガスメータに内蔵され流量センサによりガスの流量を監視しマイクロコンピュータによりガスの使用状態を異常使用と判断した場合や、地震センサ、ガス圧力センサ、ガス警報器、一酸化炭素センサなどのセンサの状況を監視し危険状態と判断した場合は、ガスメータに内蔵された遮断弁によりガスを遮断する電池電源によるマイクロコンピュータ搭載ガス遮断装置内蔵ガスメータ(以下マイコンメータと省略する)は、安全性、ガス配管の容易性、低価格等の優位性のため、普及が促進され、近年ほぼ全世帯普及が実施されるに至っている。また、流量センサによって計測されたガス流量情報を電話回線などを利用して集中監視するテレメータ機能を有した、集中監視型マイコンメータの比率も増加し、ますます、情報端末として利便性の向上が求められている。この集中監視型マイコンメータなどにおいては、簡単な電気スイッチ操作や電話回線などによる遠隔操作でガスの遮断、復帰が可能なよう、マイコンメータに搭載した電池による電気エネルギーでガス遮断もガス復帰も可能で開弁状態と閉弁状態の保持はエネルギーを必要としない遮断弁が要求されている。
【0003】
この遮断弁の駆動方式としては、従来電磁ソレノイドを使用したものが主流であったが、近年比較的強い閉止力、復帰力を実現でき、非通電時は状態保持可能なPM型ステッピングモータを駆動源とし、この回転運動を直線運動に変換して弁体を駆動し流路の開閉を行う遮断弁が注目されている。
【0004】
以下に従来の遮断弁装置について説明する。従来のこの種の遮断弁装置は、特開平9−210237号公報に示すようなものが一般的であった。この遮断弁装置のブロック図を図6に記載した。この遮断弁装置は、ガス通路を開閉するための弁体1と、この弁体1を駆動するためのステッピングモータ2と、このステッピングモータ2の駆動を制御するモータ制御手段3とより成り、ステッピングモータ2の出力軸4にはリードスクリュー5が形成され、弁体1にはリードスクリュー5とかみ合う従動カム6が形成され動力伝達機構を形成している。弁体1は、ガス通路7に設けられた弁座8に当接可能な主に合成ゴム製の弁ゴム9と、弁ゴム9を取付けられた主に合成樹脂製の付勢板10とで構成されている。弁体1とステッピングモータ2の取付け板11との間にはスプリング12が弁体1を弁座8の方向に付勢するよう圧縮されて取りつけられている。モータ駆動手段3はパルス信号を送出するマイクロコンピュータなどのより成る制御部13とドライバICなどより成る駆動回路14とで構成されている。
【0005】
以上のように構成された遮断弁装置について、以下その動作について説明する。開弁状態においては、弁体1は弁座8より離れ、付勢板10が取付け板11に当接し、ステッピングモータ2の自己保持力によってスプリング12の付勢力に抗して開弁状態が保持されている。
【0006】
遮断動作時は、制御部13がガス通路7を遮断する方向の駆動信号を駆動回路14を介してステッピングモータ2に出力する。その結果、ステッピングモータ2の出力軸4が回転し、リードスクリュー5、従動カム6を介して付勢板10が弁座8に向かって直線移動し、弁ゴム9が弁座8に当接してガス流路7が遮断される。この時、ステッピングモータ2の脱調を考慮して、制御部13は弁ゴム9が弁座1に当接するパルス数より1mm程度余分なパルス数の駆動信号を出力する。この結果、弁ゴム9は弁座8に完全に押しつけられ、ステピングモータ2は、余った駆動信号分の脱調動作を行う。
【0007】
閉弁状態においては、ステッピングモータ2の自己保持力と、スプリング12の付勢力によって、弁体1は弁座8に押しつけられ、開弁状態が保持されている。
【0008】
復帰動作時は、制御部13がガス通路7を復帰する方向の駆動信号を駆動回路14を介してステッピングモータ2に出力する。その結果、ステッピングモータ2の出力軸4が回転し、リードスクリュー5、従動カム6を介して付勢板10が弁座8から離脱する方向に直線移動し、弁ゴム9が弁座8から離脱してガス流路7が復帰される。この時、ステッピングモータ2の脱調を考慮して、制御部13は付勢板10が取付け板11に当接するパルス数より1mm程度余分なパルス数の駆動信号を出力する。この結果、付勢板10は取付け板11に押しつけられ、ステピングモータ2は、余った駆動信号分の脱調動作を行う。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この種の流体制御装置は、一般的に屋外に設置されるガスメータに取り付けられ、夏の直射日光下での50℃を超過する温度から、厳冬期の−20℃を下回る温度までの厳しい温度変化にさらされることになる。このような環境下で、ガスメータの使用期間(一般に10年間)中破壊しない構造強度と、通常状態ではほとんど動作しないにもかかわらず、マイコンメーターのマイクロコンピュータがガスの使用状態を異常使用と判断した場合や、地震センサ、ガス圧力センサ、ガス警報器、一酸化炭素センサなどのセンサの状況を監視し危険状態と判断した場合は、ガスを確実に遮断できる高い信頼性が要求されている。
【0010】
しかしながら、従来の流体制御装置においては、遮断(閉弁)動作時にステッピングモータ2の脱調を考慮して、制御部13は弁ゴム9が弁座8に当接するパルス数より余分なパルス数の駆動信号を出力する必要があり、この結果、弁ゴム9は弁座8に完全に押しつけられた状態になって、その後閉弁保持状態においても弁ゴム9が弁座8に押しつけられた状態を維持するため、長期間閉弁状態が継続した場合、弁ゴム9を構成する合成ゴム等の可撓体が永久ひずみを発生させ、流体閉止機能の低下を招いたり、可撓体からのブルーム現象やブリード現象を加速させ、それらブルーム、ブリード物質による固着が発生し開弁不能状態になる可能性があるという課題があった。
【0011】
また、従来の流体制御装置においては、同様に低温下で閉弁し、リードスクリュー5と従動カム6が機構的にクリアランスがなく常に応力のかかった状態になっており、これが高温状態に移行した場合、従動カム6の合成樹脂、リードスクリュー5の金属などの構成材料の熱膨張の差異によってさらに閉弁方向に押しつけられ機構的にロックし動作不能になる可能性があるという課題があった。
【0012】
また、この時、従動カム6の合成樹脂などがクリープ変形し、潤滑な動作の障害となる可能性があるという課題があった。
【0013】
同様に、従来の流体制御装置においては、復帰(開弁)動作時にステッピングモータ2の脱調を考慮して、制御部13は付勢板10が取付け板11に当接するパルス数より余分なパルス数の駆動信号を出力する必要があり、この結果、付勢10は取付け板11に押しつけられた状態になって、その後開弁保持状態においても付勢板10は取付け板11に押しつけられた状態を維持するため、リードスクリュー5と従動カム6が機構的にクリアランスがなく常に応力のかかった状態になっており、低温下で開弁し、これが高温状態に移行した場合、従動カム6の合成樹脂、リードスクリュー5の金属などの構成材料の熱膨張の差異によって従動カム6や付勢板10がさらに圧縮され機構的にロックし動作不能になる可能性があるという課題があった。
【0014】
また、長期間開弁状態が継続した場合は、温度ストレスによって、従動カム6の合成樹脂などがクリープ変形し、潤滑な動作の障害となる可能性があるという課題があった。
【0015】
本発明はかかる従来の課題に鑑み、長期間の閉弁保持状態や開弁保持状態で熱ストレスを受けた場合も合成樹脂などがクリープ変形し、潤滑な動作の障害となる可能性が少なく、また、低温下で遮断または復帰動作を行った後高温状態に移行し、合成樹脂、金属などの構成材料が熱膨張を行った場合でも機構的にロックし動作不能になる可能性が少ない、信頼性の高い制御方法を有する流体制御装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、制御手段によって制御される回転機構の回転運動を直線運動に変換する直線運動変換手段により弁体を駆動し流路の開閉を行う流体制御装置において、前記直線運動変換手段は、前記回転機構の回転軸に形成された送りネジと、該送りネジと螺合する円筒カムを形成し前記弁体と一体的に移動する移動体とで構成され、前記弁体は、流路に設けられた弁座に当接可能な可撓体製の弁シートと、前記弁シートを保持する弁シート保持部材とで構成され、前記制御手段は、流路閉弁時の遮断動作として、前記弁シートを弁座に当接したのち該弁シートが圧縮変形状態となる閉弁下死点まで前記移動体を移動させる閉弁しめきり動作と、前記回転機構の逆転駆動により前記弁シー トが弁座との当接状態を保つ範囲内で前記移動体を移動させる遮断応力緩和動作を行い、機械的応力を緩和させる制御を行うことを特徴とするものである。
【0017】
この全閉弁後の逆回転制御によって、全閉弁動作が終了した後、弁体は弁座に当接しかつ押しつけ力が緩和された状態になっているため、長期間閉弁状態が継続した場合でも、弁シートを構成する合成ゴム等の可撓体が永久ひずみを発生させ流体閉止機能の低下を招く可能性が少なく、可撓体からのブルーム現象やブリード現象を加速させ固着が発生し開弁不能状態になる可能性を少なくできる。
【0018】
また、全閉弁状態で長期間の熱ストレスを受けた場合も、弁シートなど弁体や、直動変換機構、回転機構に大きな応力がかかることなく、クリープ変形などの障害が発生する可能性を低くできる。また、低温下で閉弁し、これが高温状態に移行し構成部品の熱膨張係数の差により膨張が発生した場合も、弁シートなど弁体や、直動変換機構、回転機構に大きな応力がかかることなく、機構的にロックし動作不能になる可能性を低くできる。
【0019】
また、従来の開弁保持状態における課題を解決するために、制御手段によって制御される回転機構の回転運動を直線運動に変換する直線運動変換手段により弁体を駆動し流路の開閉を行う流体制御装置において、前記直線運動変換手段は、前記回転機構の回転軸に形成された送りネジと、該送りネジと螺合する円筒カムを形成し前記弁体と一体的に移動する移動体とで構成され、前記弁体は、流路に設けられた弁座に当接可能な可撓体製の弁シートと、前記弁シートを保持する弁シート保持部材とで構成され、前記制御手段は、流路開弁時の復帰動作として、前記弁体が弁座から離れる方向に前記移動体を移動する復帰開弁動作と、前記弁体の移動が制限される開弁下死点まで前記移動体を移動させる復帰移動動作と、前記回転機構の逆転動作により前記弁体の開弁方向における移動制限が解除されるように前記移動体を移動させる復帰応力緩和動作を行い、機械的応力を緩和させることを特徴とするものである。
【0020】
この全開弁後の逆回転制御によって、全開弁動作が終了した後、弁体は回転機構の本体や固定部と剛体的に接触しておらず回転機構と弁体とを引張する応力が緩和されているため、長期間の熱ストレスを受けた場合も弁体、直動変換機構、回転機構にクリープ変形などの障害が発生する可能性を低くできる。
【0021】
また、低温下で開弁し、これが高温状態に移行し構成部品の熱膨張係数の差により膨張が発生した場合も、弁体や、直動変換機構、回転機構に大きな応力がかかることなく、機構的にロックし動作不能になる可能性を低くできる。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の流体制御装置は、制御手段によって制御される回転機構の回転運動を直線運動に変換する直線運動変換手段により弁体を駆動し流路の開閉を行う流体制御装置において、前記直線運動変換手段は、前記回転機構の回転軸に形成された送りネジと、該送りネジと螺合する円筒カムを形成し前記弁体と一体的に移動する移動体とで構成され、前記弁体は、流路に設けられた弁座に当接可能な可撓体製の弁シートと、前記弁シートを保持する弁シート保持部材とで構成され、前記制御手段は、流路閉弁時の遮断動作として、前記弁シートを弁座に当接したのち該弁シートが圧縮変形状態となる閉弁下死点まで前記移動体を移動させる閉弁しめきり動作と、前記回転機構の逆転駆動により前記弁シートが弁座との当接状態を保つ範囲内で前記移動体を移動させる遮断応力緩和動作を行い、機械的応力を緩和させる制御を行うことを特徴とするものである。
【0023】
そして、全閉弁後の逆回転制御によって、全閉弁動作が終了した後、弁体は弁座に当接しかつ押しつけ力が緩和された状態になっているため、長期間閉弁状態が継続した場合でも、弁シートを形成する合成ゴム等の可撓体が永久ひずみを発生させ流体閉止機能の低下を招く可能性が少なく、可撓体からのブルーム現象やブリード現象を加速させ固着が発生し開弁不能状態になる可能性を少なくできる。
【0024】
また、全閉弁状態で長期間の熱ストレスを受けた場合も、弁シートなど弁体や、直動変換機構、回転機構に大きな応力がかかることなく、クリープ変形などの障害が発生する可能性を低くできる。また、低温下で閉弁し、これが高温状態に移行し構成部品の熱膨張係数の差により膨張が発生した場合も、弁シートなど弁体や、直動変換機構、回転機構に大きな応力がかかることなく、機構的にロックし動作不能になる可能性を低くできるものである。
【0025】
また、本発明の流体制御装置は、制御手段によって制御される回転機構の回転運動を直線運動に変換する直線運動変換手段により弁体を駆動し流路の開閉を行う流体制御装置において、前記直線運動変換手段は、前記回転機構の回転軸に形成された送りネジと、該送りネジと螺合する円筒カムを形成し前記弁体と一体的に移動する移動体とで構成され、前記弁体は、流路に設けられた弁座に当接可能な可撓体製の弁シートと、前記弁シートを保持する弁シート保持部材とで構成され、前記制御手段は、流路開弁時の復帰動作として、前記弁体が弁座から離れる方向に前記移動体を移動する復帰開弁動作と、前記弁体の移動が制限される開弁下死点まで前記移動体を移動させる復帰移動動作と、前記回転機構の逆転動作により前記弁体の開弁方向における移動制限が解除されるように前記移動体を移動させる復帰応力緩和動作を行い、機械的応力を緩和させることを特徴とするものである。
【0026】
そして、全開弁後の逆回転制御によって、全開弁動作が終了した後、弁体は回転機構の本体や固定部と剛体的に接触しておらず回転機構と弁体とを引張する応力が緩和されているため、長期間の熱ストレスを受けた場合も弁体、直動変換機構、回転機構にクリープ変形などの障害が発生する可能性を低くできる。
【0027】
また、低温下で開弁し、これが高温状態に移行し構成部品の熱膨張係数の差により膨張が発生した場合も、弁体や、直動変換機構、回転機構に大きな応力がかかることなく、機構的にロックし動作不能になる可能性を低くできるものである。
【0028】
さらに、本発明の流体制御装置は、上記に加えて、弁体は、弁座に当接する部分の近傍の弁シートと弁シート保持部材との間に隙間が形成されたことを特徴とするものである。
【0029】
そして、遮断動作時、弁シートが弁座に当接した後、弁シート保持部材がさらに弁座側に移動するため、弁シートがたわみ変形し弁シート保持部材間の隙間が圧縮され、さらに余った駆動信号分の脱調動作を行う。これが閉弁下死点となり、この後回転機構が若干の逆転制御を行なった結果、保持部材は開弁状態における隙間より少ない隙間を形成する位置まで弁シートから離れる方向に移動する。しかし、弁シートにはたわみ変形の応力が残っているため、弁シートは弁座に当接した状態を保持する。
【0030】
このたわみ応力は弁シートに過大なストレスを与えるほど大きくなく、弁シートを弁座に当接させるには充分であり、また逆転制御を含む遮断動作が完了した場合の保持部材の位置が多少ばらついても前記たわみ応力の値は大きくかわらないため、閉弁させるには充分で、弁シートには過大なストレスを与えない閉弁力を安定して実現することができる。また、閉弁力が安定しているため、回転機構と弁体間に付勢手段を配する必要がなく、復帰開弁時に回転機構と弁体間の付勢手段などの余分な荷重を引き上げる必要がなく、動作エネルギーを小さくすることができる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0032】
(実施例1)
図1(a)は本発明の実施例1の流体制御装置のブロック図である。また、図1(b)はこの流体制御装置が遮断動作する際の制御信号、駆動信号、相間の位相状態、弁体の位置を表すタイムチャート図、図1(c)は復帰動作におけるタイムチャート図、(表1)は図1(b)、(c)における相間の位相状態を定義した真偽値表である。
【0033】
図1(a)において、21はステッピングモータであり、22は2相バイポーラ励磁型ステッピングモータ21の回転運動を直線運動に変換する直線運動変換手段であり、23は直線運動変換手段22の運動に伴って流路24に設けられた弁座25を開閉可能な弁体である。このステッピングモーター21、と直線運動変換手段22と、弁体23とで遮断弁が構成されている。
【0034】
28は回転磁界を発生させる位相差をもった制御信号CH1、CH2および電源制御信号Enableを出力するマイクロコンピューターなどの制御手段、26は制御手段28の信号に応じてステッピングモーター21を駆動するドライバICなどの駆動手段、29、27はそれぞれ制御手段28、駆動手段26に電力を供給する電池であり、これら制御手段28、駆動手段26、電池29、27で制御手段が構成されている。
【0035】
図2、図3、図4、図5はそれぞれ本発明の実施例1の流体制御装置の遮断弁の開弁下死点、遮断動作状態または復帰動作状態、閉弁下死点、閉弁状態の断面図である。
【0036】
図2において、概ね糸巻き状のコイルボビン41に導線42が巻線された励磁コイル43と、外周に円筒部を有し内周に櫛歯状の磁極を持った第1の電磁ヨーク44と、この電磁ヨーク44との間で励磁コイル43を挟持するように配された概ね円盤状で内周に櫛歯状の磁極を持った第2の電磁ヨーク45とのセットが2組、互いの第2の電磁ヨーク45の円盤部を接触させて配されステータ46を形成している。ステータ46の内側に同軸に、なべ状に絞り成形された嵌通孔のない金属性の隔壁47が配されている。隔壁47の内側には第1の軸受48が挿入され、側面の開放端側には概ねふた状の合成樹脂製の第2の軸受49が嵌挿されている。第2の軸受49の外側内面には中心軸に平行な凸状のリブ50が、円周上で180°離れた2カ所に形成されている。隔壁47の内側には、円周方向に分極着磁された円筒形の永久磁石51と、一方の端に送りネジ52を形成された回転軸53と永久磁石51と回転軸53を同軸に保持するスリーブ54とで構成されたロータ55が、回転軸53の送りネジ52側端を第2の軸受49に、逆の端を第1の軸受48に回転可能に緩挿されて配されている。
【0037】
流体室56に取り付け可能な取り付け板57は、外周部の2カ所に爪状の嵌合部を形成され、中心孔に隔壁47が挿入され、第2の軸受49の円筒部が中心孔を貫通して流体室56側に突出し、隔壁47の外周との間には合成ゴム製Oリングなどの弾性体シール部材58が隔壁47の中心軸に対して円周方向に圧縮されて配されている。取り付け板57の隔壁47側平面にはステータ46が当接して配されていて、このステータ46と隔壁47を押しつけて取り付け板57との間に挟み込んで、両端を取り付け板57の嵌合部嵌合されて、概ねコの字形状の支持フレーム59が配されている。
【0038】
流体室56内に配された移動体61は、中心孔に回転軸53の送りネジ54に螺合する円筒カムを形成され、ステータ46側に概ね円盤状のバネ受けを形成され、その外周には、第2の軸受49のリブ50と係合可能な凹状部が、円周上で90°の間隔に4カ所に成形されている。この凹状部がリブ50と係合することで、移動体61と軸受49との回転が防止され、送りネジ54の回転動作が移動体61の前後動作に変換される。
【0039】
弁体62は、流体室56内に形成された弁座65に当接可能な概ね円盤状で合成ゴムなどの可撓体性の弁シート63と、弁シート63のステータ46側面に当接して配された合成樹脂など剛体製の弁シート保持部材64とで構成されている。弁シート63の弁座65当接部の裏面と弁シート保持部材64との間には若干の隙間69が形成されている。弁シート保護部材64は移動体61と係合して配されている。弁シート保持部材64との間には摺動可能な隙間70が設けられている。移動体61と弁シート保持部材64との間にはコイルスプリング66が圧縮して保持されている。弁座65の内径がφ28程度の場合隙間69は0.3mm程度、隙間70は0.5〜1mm程度が適切である。ロータ55のスリーブ54と第1の軸受48、第2の軸受49との間には、自己潤滑性を有する合成樹脂製のスラストワッシャ67、68が配されている。
【0040】
次に動作、作用について説明する。ガスの使用状態が異常でなく、各種センサーからの信号が危険を示していない時、制御回路28はEnabelをLとし駆動回路26は電源OFF状態になる。
【0041】
そして、駆動回路26の出力、1相a、1相b、2相a、2相bは電池27に対してハイインピーダンス状態になり電源が切断された状態である。遮断弁の弁体23は弁座25から離れていて、この間をガスが通過できる状態になっている。遮断弁の詳細な状態は図2に示した開弁下死点より若干緩んだ状態になっている。そして、ステッピングモータ21はホールディングトルクより大幅に弱いディテントトルクしか発生しないが、大きな応力がかからないために位置を保持している。
【0042】
ガスの使用状態が異常であるか、各種センサーからの信号が危険を示している時、制御回路28は図1(b)に示した遮断シーケンスを実行する。まず、EnableをHとし、CH1、CH2の出力をH、Lで表記すると、HL、HH、LH、LL、そしてまた、HLとなる回転磁界を発生させる位相差を持った信号を出力する。これを受けて、駆動手段26はステッピングモータ21の1相、2相に、+2V、−2V、+2V、+2V、−2V、+2V、−2V、+2V、そしてまた、+2V、−2Vを出力する。これを(表1)の真偽値表の定義にそって記すと、フェーズ1、2、3、4、1…と繰り返す駆動信号をステッピングモータ21に出力する。ここで説明の簡素化のために+−2Vの2相バイポーラ駆動としたが、他の電圧でも、より多相でも、モノポーラ駆動でもよい。
【0043】
この駆動信号を受けて、ステッピングモータ21はcw方向に回転を始め直線運動変換機構22が回転運動を直線運動に変換し弁体21が弁座25の方向へ移動し、図1(b)における遮断起動、高速駆動である遮断移動の工程を経て、ついには弁体23が弁座25に当接し、さらに直線運動変換機構22と弁体23の弁シートを圧縮し、そして閉弁しめきり工程が終了するまでその状態で脱調動作を行う。この脱調動作は0.5〜1mm程度相当の駆動パルスで実施される。図1(b)においてはフェーズ1、2、3、4で遮断しめきり工程が完了する。
【0044】
遮断弁の詳細の状態は、まず図2の開弁下死点が若干ゆるんだ開弁状態から図3の遮断動作状態に移行し、弁シート63が弁座65に当接する。この後さらに閉弁方向に駆動することによって、弁シート63がたわみ変形し弁シート保持部材64の間の隙間69が圧縮され、弁シート保持部材64と移動体61の間の隙間70がコイルスプリング66に抗して圧縮され、さらに弁シート63が圧縮変形して、図4の閉弁下死点の状態になる。
【0045】
【表1】
Figure 0004103388
【0046】
この後、制御回路28は図1(b)に示したように約0.1〜0.2秒程度EnableをLとする遮断休止工程になり、駆動回路26の出力1相(a)、(b)2相(a)、(b)はハイインピーダンスとなり電源が切断され、ステッピングモータ21は休止状態になりcw方向の回転モーメントが相殺される。駆動回路26の電源が切断されることによって、ステッピングモータ21はホールディングトルクより大幅に弱いディテントトルクで回転モーメントを相殺した後一次的に保持され、弁体23や直動変換機構22、ステッピングモータ21に過大なストレスを印加しない。そして、駆動電源である電池27は消費されないので、電力消費を軽減することができる。このとき、制御回路28の出力CH1、CH2はHでもLでもよい。ここで、遮断休止状態を約0.1〜0.2秒程度としたが、ステッピングモータ21のイナーシャによって最適に設定されるべきものである。
【0047】
この後、制御回路28は図1(b)に示したように、EnableをHとし、CH1、CH2をLH、HH、HL、LL、そしてまた、LHとする逆方向の回転磁界を発生させる位相差を持った信号を出力する。これを受けて、駆動手段26はフェーズ3、2、1、4、3…と繰り返す駆動信号をステッピングモータ21に出力する。この駆動信号を受けて、ステッピングモータ21はccw方向に回転を始め直線運動変換機構22が回転運動を直線運動に変換し弁体21が弁座25から離れる方向へ移動し、図1(b)における遮断応力緩和工程を実行し、最終のフェーズ3、2、1、4の後EnableをLとし遮断応力緩和工程が終了する。
【0048】
そして、遮断弁の詳細の状態は、図4の閉弁下死点の状態から図5の閉弁状態に移行し、弁シート63の圧縮変形が緩和され、弁シート63と弁シート保持部材64の間の隙間69、弁シート保持部材64と移動体61の間の隙間70が若干復元する。そして、弁シート63は弁座65に当接し、コイルスプリング66は圧縮の中間状態を保ち弁シート保持部材64を弁座65の方向に付勢しているため、ガスが遮断される閉弁状態になる。なお、実際は遮断応力緩和工程における逆転駆動の移動量は弁シート63の変形量にもよるが、弁座65の内径がφ28程度なら、0.2〜0.4mm程度で充分である。
【0049】
この結果、弁シート63や弁シート保持部材64、移動体61、かかっていた応力が緩和され、かつ、弁シート63は弁座65に当接し、コイルスプリング66は圧縮の中間状態を保った、安定した閉弁状態を実現することができる。つまり、移動体61の移動量がばらついた場合などでも、閉弁させるには充分で、弁シート63には過大なストレスを与えない安定した閉弁力を実現することができる。また、弁シート63はたわみ変形状態であるため過度の内部応力を発生させず、コイルスプリング66の付勢力が多少ばらついても内部応力の値は大きく変わらず、安定して弁座65に当接している。
【0050】
そして、長期間閉弁状態が継続した場合でも、弁シート63を構成する合成ゴム等の可撓体が永久ひずみを発生させ流体閉止機能の低下を招く可能性が少なく、この可撓体からのブルーム現象やブリード現象を加速させ固着が発生し開弁不能状態になる可能性を少なくできる。また、全閉弁状態で長期間の熱ストレスを受けた場合も、弁シート63など弁体62や、送りネジ52と移動体61で構成される直動変換機構、ロータ55やスラストワッシャ68などの回転機構に大きな応力がかかることなく、クリープ変形などの障害が発生する可能性を低くできる。
【0051】
また、低温下で閉弁し、これが高温状態に移行し構成部品の熱膨張係数の差により膨張が発生した場合も、弁シート63など弁体62や、送りネジ52と移動体61で構成される直動変換機構、ロータ55やスラストワッシャ68などの回転機構に大きな応力がかかることなく、機構的にロックし動作不能になる可能性を低くできる。
【0052】
また、図1(b)における遮断しめきり工程と遮断応力緩和工程との間に遮断休止期間をもうけて回転モーメントを相殺しているため、逆転制御の追従性が向上し確実な逆転動作を行うことができ、必要以上の逆回転動作を行ったり、不要なエネルギーを消費するといった不安定要素を軽減できる。
【0053】
さらに、閉弁力が安定しているため、取り付け板57と弁体62との間に付勢手段をもうける必要がない。
【0054】
この後、制御回路28がEnableをLとし駆動回路26はステッピングモータ21への通電を停止しているが、ロータ55はディテントトルクのためその位置を保持し、したがって弁体62は弁座65にコイルスプリング66で付勢された安定した閉弁状態を保持する。
【0055】
各種センサーからの信号から危険が解除され復帰可能とマイコンメータのマイクロコンピュータが判断した場合や、ガス利用者が危険状態を復旧し、メータやリモートコントロール盤に設けられた復帰スイッチを操作した場合、ガス供給業者などが通信による遠隔復帰命令を発信した場合などには、制御回路28は図1(c)に示した復帰シーケンスを実行する。まずEnableをHとし、CH1、CH2を、LH、HH、HL、LL、そしてまた、LHとする回転磁界を発生させる位相差を持った信号を出力する。これを受けて、駆動手段26はフェーズ3、2、1、4、3…と繰り返す駆動信号をステッピングモータ21に出力する。この駆動信号を受けて、ステッピングモータ21はccw方向に回転を始め直線運動変換機構22が回転運動を直線運動に変換し弁体21が弁座25から離れる方向へ移動し、図1(c)における復帰起動、低速駆動である復帰開弁、高速駆動である復帰移動の工程を経て、ついには弁体23がステッピングモータ21の一部に当接する開弁下死点状態になり、さらに直線運動変換機構22とステッピングモータ21の機構的なガタ(クリアランス)をなくし、そして復帰移動工程が終了するまでその状態で脱調動作を行う。この脱調動作は0.5〜1mm程度相当の駆動パルスで実施される。図1(c)においてはフェーズ3、2、1、4で復帰移動工程が完了する。
【0056】
遮断弁の詳細の状態は、図5の閉弁状態から、図3の復帰動作状態を経て、図2の開弁下死点の状態になる。まず図5の閉弁状態から図3の遮断状態に移行し、弁シート63が弁座65から離脱し、ガスが通過可能な開弁状態になる。この後さらに開弁方向に駆動することによって、弁シート保持部材64と移動体61(直線運動変換機構)、送りネジ52、第2の軸受け49、スラストワッシャ67、ロータ55とに過大な応力が発生する開弁下死点の状態になる。
【0057】
この後、制御回路28は図1(c)に示したように約0.1〜0.2秒程度EnableをLとする復帰休止工程になり、駆動回路26の出力1相(a)、(b)2相(a)、(b)はハイインピーダンスとなり電源が切断され、ステッピングモータ21は休止状態になりccw方向の回転モーメントが相殺される。駆動回路26の電源が切断されることによって、ステッピングモータ21はホールディングトルクより大幅に弱いディテントトルクで回転モーメントを相殺した後一次的に保持され、弁体23や直動変換機構22、ステッピングモータ21に過大なストレスを印加しない。そして、駆動電源である電池27は消費されないので、電力消費を軽減することができる。このとき、制御回路28の出力CH1、CH2はHでもLでもよい。ここで、復帰休止状態を約0.1〜0.2秒程度としたが、ステッピングモータ21のイナーシャによって最適に設定されるべきものである。
【0058】
この後、制御回路28は図1(c)に示したように、EnableをHとし、CH1、CH2をHL、HH、LH、LL、そしてまた、HLとする逆方向の回転磁界を発生させる位相差を持った信号を出力する。これを受けて、駆動手段26はフェーズ1、2、3、4、1…と繰り返す駆動信号をステッピングモータ21に出力する。この駆動信号を受けて、ステッピングモータ21はcw方向に回転を始め直線運動変換機構22が回転運動を直線運動に変換し弁体21が弁座25に接近する方向へ移動し、図1(c)における復帰応力緩和工程を実行し、最終のフェーズ1、2、3、4の後EnableをLとし復帰応力緩和工程が終了する。
【0059】
この結果、遮断弁の詳細の状態は、図2の開弁下死点の状態から、弁シート保持部材64と移動体61、送りネジ52、第2の軸受け49、スラストワッシャ67、ロータ55の応力が緩和された開弁状態に移行する。なお、復帰応力緩和工程における逆転駆動の移動量は、構成部品の線膨張係数にもよるが、0.1〜0.2mm程度で充分である。
【0060】
そして、ロータ55と移動体61または弁シート保持部材64とで第2の軸受け49やスラストワッシャ67を強く挟みこまず、移動体61と第2の軸受け49との間、および弁シート保持部材64と第2の軸受け49との間は剛体的に接触しておらずロータ55と移動体62とを引張する応力が緩和されているため、長期間の熱ストレスを受けた場合も弁シート保持部材64と移動体61、送りネジ52、第2の軸受け49、スラストワッシャ67、ロータ55にクリープ変形などの障害が発生する可能性を低くできる。また、低温下で開弁し、これが高温状態に移行しこれら構成部品、特に第2の軸受け49、移動体61、および弁シート保持部材64等の合成樹脂と金属性の回転軸53との熱膨張係数の差により膨張が発生した場合も、弁シート保持部材64と移動体61、送りネジ52、第2の軸受け49、スラストワッシャ67、ロータ55に大きな応力がかかることなく、機構的にロックし動作不能になる可能性を低くできる。
【0061】
また、図1(c)における復帰移動工程と復帰応力緩和工程との間に復帰休止期間をもうけて回転モーメントを相殺しているため、逆転制御の追従性が向上し確実な逆転動作を行うことができ、必要以上の逆回転動作を行ったり、不要なエネルギーを消費するといった不安定要素を軽減できる。
【0062】
また、図5の閉弁状態において、移動体61と弁シート保持部材64との間のコイルスプリング66は開弁状態時より圧縮されており、したがって復帰起動を助ける付勢力となるため、復帰起動に必要なトルクを小さくすることができ、より電力消費を低減することができる。
【0063】
また、図1(b)に示した遮断シーケンスの遮断応力緩和工程における最終のフェーズが3、2、1、4であり、応力が緩和されているためにフェーズ4の位置で保持され、図1(c)に示した復帰シーケンスの最初のフェーズが3、2、1、4であるため、再度閉弁方向に逆転することなく、復帰シーケンス起動時において制御信号のロスなく復帰制御を行うことができ、電力消費を軽減することができる。
【0064】
同様に、図1(c)に示した復帰シーケンスの復帰応力緩和工程における最終のフェーズが1、2、3、4であり、応力が緩和されているためにフェーズ4の位置で保持され、図1(b)に示した遮断シーケンスの最初のフェーズが1、2、3、4であるため、再度開弁方向に逆転することなく、遮断シーケンス起動時において制御信号のロスなく遮断制御を行うことができ、電力消費を軽減することができる。
【0065】
また、本実施例においては電気信号の切替によって制御信号の遅延が少ないためマイクロコンピュータなどの制御回路との相性のよい電動機のなかでも、マイクロコンピュータのHL信号をそのまま制御に用いることができ、フィードバック制御が不要のためON−OFFのスイッチングだけの単純な駆動回路を用いることができるPM形ステッピングモータを回転機構としたため、回転機構、制御手段ともに安価に提供できると同時に、これら回転機構、制御手段ともに単純な構成で故障が少なく信頼性の高い流体制御装置を提供できる。同時に、ステッピングモータには接点部分が存在しないため、可燃性ガスや、水中など腐食性雰囲気の中でも安全性、耐久性を高めることができる。
【0066】
また、図2のようにステッピングモータのロータ55とステータ46の間に隔壁47を設けることができるため、ロータ55だけを流体中とし簡単に流体封止が可能である。
【0067】
なお、上記実施例では、直線運動変換機構は送りネジと円筒カムの組合せで構成されているが、円筒カム同士の組合せでも、ラックアンドピニオンでもよい。
【0068】
また、回転機構はステッピングモータなどの電動機で示したが、超音波モータや、流体タービンや、回動シリンダなどでもよい。
【0069】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、制御手段によって制御される回転機構の回転運動を直線運動に変換して弁体を駆動し流路の開閉を行う流体制御制御装置において、全閉弁時は閉弁下死点を超える制御駆動を行った後、若干の逆回転制御を行い機械的応力を緩和させるため、全閉弁後の逆回転制御によって、全閉弁動作が終了した後、弁体は弁座に当接しかつ押しつけ力が緩和された状態になっているため、長期間閉弁状態が継続した場合でも、弁シートを形成する合成ゴム等の可撓体が永久ひずみを発生させ流体閉止機能の低下を招く可能性が少なく、可撓体からのブルーム現象やブリード現象を加速させ固着が発生し開弁不能状態になる可能性を少なくできる。また、全閉弁状態で長期間の熱ストレスを受けた場合も、弁シートなど弁体や、直動変換機構、回転機構に大きな応力がかかることなく、クリープ変形などの障害が発生する可能性を低くできる。また、低温下で閉弁し、これが高温状態に移行し構成部品の熱膨張係数の差により膨張が発生した場合も、弁シートなど弁体や、直動変換機構、回転機構に大きな応力がかかることなく、機構的にロックし動作不能になる可能性を低くできるという有利な効果を有する。
【0070】
また、本発明の流体制御装置は、制御手段によって制御される回転機構の回転運動を直線運動に変換して弁体を駆動し流路の開閉を行う流体制御制御装置において、全開弁時は開弁下死点を超える制御駆動を行った後、若干の逆回転制御を行い機械的応力を緩和させるため、全開弁後の逆回転制御によって、全開弁動作が終了した後、弁体は回転機構の本体や固定部と剛体的に接触しておらず回転機構と弁体とを引張する応力が緩和されているため、長期間の熱ストレスを受けた場合も弁体、直動変換機構、回転機構にクリープ変形などの障害が発生する可能性を低くできる。また、低温下で開弁し、これが高温状態に移行し構成部品の熱膨張係数の差により膨張が発生した場合も、弁体や、直動変換機構、回転機構に大きな応力がかかることなく、機構的にロックし動作不能になる可能性を低くできるという有利な効果を有する。
【0071】
さらに、本発明の流体制御装置は、上記に加えて、弁体は、弁座に当接する部分の近傍の弁シートと保持部材との間に隙間が形成されているため、遮断動作時、弁シートが弁座に当接した後保持部材がさらに弁座側に移動するため、弁シートがたわみ変形し保持部材間の隙間が圧縮され、さらに余った駆動信号分の脱調動作を行う。これが閉弁下死点となり、この後回転機構が若干の逆転制御を行なった結果、保持部材は開弁状態における隙間より少ない隙間を形成する位置まで弁シートから離れる方向に移動する。
【0072】
しかし、弁シートにはたわみ変形の応力が残っているため、弁シートは弁座に当接した状態を保持する。このたわみ応力は弁シートに過大なストレスを与えるほど大きくなく、弁シートを弁座に当接させるには充分であり、また逆転制御を含む遮断動作が完了した場合の保持部材の位置が多少ばらついても前記たわみ応力の値は大きくかわらないため、閉弁させるには充分で、弁シートには過大なストレスを与えない閉弁力を安定して実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の実施例1の流体制御装置のブロック図
(b)同装置が遮断動作する際の制御信号、駆動信号、相間の位相状態、弁体の位置を表すタイミングチャート
(c)同装置が復帰動作する際の制御信号、駆動信号、相間の位相状態、弁体の位置を表すタイミングチャート
【図2】 同装置の遮断弁における開弁下死点状態の断面図
【図3】 同遮断弁における遮断動作状態、または復帰動作状態の断面図
【図4】 同遮断弁における閉弁下死点状態の断面図
【図5】 同遮断弁における閉弁状態の断面図
【図6】 従来の遮断弁装置のブロック図
【符号の説明】
21 ステッピングモータ(回転機構)
22 直線運動変換機構
23 弁体
24 流路
25 弁座
26 駆動回路
28 制御回路
30 制御手段

Claims (3)

  1. 制御手段によって制御される回転機構の回転運動を直線運動に変換する直線運動変換手段により弁体を駆動し流路の開閉を行う流体制御装置において、
    前記直線運動変換手段は、前記回転機構の回転軸に形成された送りネジと、該送りネジと螺合する円筒カムを形成し前記弁体と一体的に移動する移動体とで構成され、
    前記弁体は、流路に設けられた弁座に当接可能な可撓体製の弁シートと、前記弁シートを保持する弁シート保持部材とで構成され、
    前記制御手段は、流路閉弁時の遮断動作として、前記弁シートを弁座に当接したのち該弁シートが圧縮変形状態となる閉弁下死点まで前記移動体を移動させる閉弁しめきり動作と、前記回転機構の逆転駆動により前記弁シートが弁座との当接状態を保つ範囲内で前記移動体を移動させる遮断応力緩和動作を行い、機械的応力を緩和させることを特徴とする流体制御装置。
  2. 制御手段によって制御される回転機構の回転運動を直線運動に変換する直線運動変換手段により弁体を駆動し流路の開閉を行う流体制御装置において、
    前記直線運動変換手段は、前記回転機構の回転軸に形成された送りネジと、該送りネジと螺合する円筒カムを形成し前記弁体と一体的に移動する移動体とで構成され、
    前記弁体は、流路に設けられた弁座に当接可能な可撓体製の弁シートと、前記弁シートを保持する弁シート保持部材とで構成され、
    前記制御手段は、流路開弁時の復帰動作として、前記弁体が弁座から離れる方向に前記移動体を移動する復帰開弁動作と、前記弁体の移動が制限される開弁下死点まで前記移動体を移動させる復帰移動動作と、前記回転機構の逆転動作により前記弁体の開弁方向における移動制限が解除されるように前記移動体を移動させる復帰応力緩和動作を行い、機械的応力を緩和させることを特徴とする流体制御装置。
  3. 弁体は、弁座に当接する部分の近傍の弁シートと弁シート保持部材との間に隙間を形成するようにした請求項1または2記載の流体制御装置。
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