JP4998217B2 - 流体遮断装置 - Google Patents

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本発明は、流路の開閉を行う流体制御装置、特に、ガスの事故を未然に防ぐためガスメータなどに内蔵されるガス遮断装置の遮断機構として使用される流体遮断装置に関するものである。
ガス事故を未然に防ぐため、従来より種種の安全装置が利用されており、中でもガスメータに内蔵され流量センサによりガスの流量を検出しマイクロコンピュータによりガスの使用状態を異常使用と判断した場合や、地震センサ、ガス圧力センサ、ガス警報器、一酸化炭素センサなどのセンサの状況を監視し危険状態と判断した場合は、ガスメータに内蔵された遮断弁によりガスを遮断する電池電源によるマイクロコンピュータ搭載ガス遮断装置内蔵ガスメータ(以下マイコンメータと省略する)は、安全性、ガス配管の容易性、経済的価格等の優位性のため普及が促進され、ほぼ全世帯普及が実施されるに至っており、ガス事故の飛躍的低減に貢献している。
このマイコンメータにおいては、簡単な電気スイッチ操作や電話回線などによる遠隔操作でガスの遮断、復帰が可能なよう、マイコンメータに搭載した電池による電気エネルギーでガス遮断もガス復帰も可能で開弁状態と閉弁状態の保持はエネルギーを必要としない遮断弁が要求されており、近年比較的強い閉止力、復帰力を実現でき、非通電時は状態保持可能なPM型ステッピングモータを駆動源とし、この回転運動を直線運動に変換して弁体を駆動し流路の開閉を行う遮断弁(以下モータ式遮断弁と省略する)が注目されている(例えば、特許文献1参照)。
図6は、前記公報に記載された従来の流体遮断装置の遮断弁の断面図およびブロック図を示すものである。図6に示すように、ガス通路を開閉するための弁体1と、この弁体1を駆動するためのステッピングモータ2と、このステッピングモータ2の駆動を制御するモータ制御手段3とより成り、ステッピングモータ2の出力軸4にはリードスクリュー5が形成され、弁体1にはリードスクリュー5とかみ合う従動カム6が形成され動力伝達機構を形成している。弁体1は、ガス通路7に設けられた弁座8に当接可能な主に合成ゴム製の弁ゴム9と、弁ゴム9を取付けられた主に合成樹脂製の付勢板10とで構成されている。弁体1とステッピングモータ2の取付け板11との間にはスプリング12が弁体1を弁座8の方向に付勢するよう圧縮されて取りつけられている。モータ制御手段3はパルス信号を送出するマイクロコンピュータなどのより成る制御部13とドライバICなどにより成る駆動回路14とで構成されている。
以上のように構成された流体遮断装置について、以下その動作について説明する。開弁状態においては、弁体1は弁座8より離れ、付勢板10が取付け板11に当接し、ステッピングモータ2の自己保持力によってスプリング12の付勢力に抗して開弁状態が保持されている。遮断動作時は、制御部13がガス通路7を遮断する方向の駆動信号を駆動回路14を介してステッピングモータ2に出力する。その結果、ステッピングモータ2の出力軸4が回転し、リードスクリュー5、従動カム6を介して付勢板10が弁座8に向かって直線移動し、弁ゴム9が弁座8に当接してガス流路7が遮断される。この時、ステッピングモータ2の脱調を考慮して、制御部13は弁ゴム9が弁座1に当接するパルス数より1mm程度余分なパルス数の駆動信号を出力する。この結果、弁ゴム9は弁座8に完全に押しつけられその押し付け力によって圧縮変形し、ステピングモータ2は、余った駆動信号分の脱調動作を行う。閉弁状態においては、ステッピングモータ2の自己保持力と、スプリング12の付勢力によって、弁体1は弁座8に押し付けられ、開弁状態が保持されてい
る。復帰動作時は、遮断動作時の逆動作であり、説明を省略する。
このモータ式遮断弁は、一般に弁ゴムを弁座に押し付ける荷重が100N/m以上発生しうるため強く、一方、この種の流体制御装置が搭載されるガスメータは通常屋外に設置され、夏の直射日光下での50℃を超過する温度から、厳冬期の−20℃を下回る温度までの厳しい温度変化にさらされることになるため、長期間閉弁状態が継続した場合、弁ゴム9を構成する合成ゴム等の可撓体が永久ひずみを発生させ、流体閉止機能の低下を招いたり、可撓体からのブルーム現象やブリード現象を加速させ弁座8と弁ゴム9間に固着が発生したり、従動カム6など合成樹脂製部品のクリープ変形や熱膨張係数の差によるロックで動作不能になる可能性があるという課題があったため、遮断動作後にステッピングモータを若干逆回転させて、機械的応力を緩和させる制御を行う流体遮断装置が実用化されている(例えば、特許文献2参照)。
図7(a)は従来の流体遮断装置のブロック図である。また、図7(b)はこの流体制御装置が遮断動作する際の制御信号、駆動信号、相間の位相状態、弁体の位置を表すタイムチャート図である。図7(b)に示すように、遮断動作において、遮断起動、遮断移動、遮断しめきりまでの動作状態においては、第1相の電位V(1相a−b)の変化が第2相の電位V(2相a−b)の変化より先行しモータ式遮断弁19の弁体16の一部である合成ゴム製の弁ゴム20が圧縮変形される閉弁下死点を超える遮断方向回転の制御駆動を行った後、遮断応力緩和の工程においては第2相の電位V(2相a−b)の変化が第1相の電位V(1相a−b)の変化より先行することで逆回転制御され、弁体16を弁座17に押し付けた時の機械的応力が緩和され、動作不能などの不具合を防止している。
また、マイコンメータは、停電などの影響を受けないよう電池電源で駆動されており、遮断弁は開弁、閉弁状態の保持に電力を必要としない自己保持型になっていて、マイコンメータシステムの異常時に必ず安全側、すなわちガス遮断側に状態移動するフェールセーフ構造ではないため、フェールセーフ構成でないことを補い、マイコンメータの安全性を高めるため様々なシステムバックアップ手段が考案、搭載されている(例えば、特許文献3参照)。
図8は従来の流体遮断装置のブロック図である。図8において、ガスメータ21に内蔵されガス流路22を遮断可能な自己保持型の遮断弁23と、ガスの流量を検知する流量センサ等による流量検出部24と、この流量検出部24の流量信号25が所定の流量以上の場合遮断弁23を駆動する遮断駆動部26に遮断信号27を出力する流量判定部28と、遮断信号27が出力されたことを記憶する遮断記憶部29と、この遮断記憶部29の状態が遮断中でありかつ流量検出部24が流量信号25を出力した流量ありの状態の場合遮断駆動部26に遮断信号30を出力するアンドゲート等による遮断中流量あり判定部31と、これらの制御部24〜31および遮断弁23に電力を供給する電池等による電源部35より構成されている。流量判定部28、遮断記憶部29、遮断中流量あり判定部31はマイクロコンピュータ34に記録されたソフトウェア手段などで実現されている。
流量信号25が異常に大きな流量であったり、流量信号25の継続が図示していないタイマー手段によって異常に長時間である場合など、ガス消費パターンが異常であると流量判定部28が判定した場合、遮断駆動部26に遮断信号27が出力され遮断弁23でガス流路22を遮断駆動すると同時に、遮断記憶部29に遮断駆動したことを記憶する。この後、流量検出部24が流量を検出した場合流量信号25が遮断中流量あり判定部31に出力され、遮断記憶部29の記憶が遮断中である場合、遮断中流量あり判定部31は遮断駆動部26に遮断信号30を出力し、遮断駆動部26は遮断弁23を再度遮断駆動する。
特開平9−210237号公報 特開2003−194252号公報 特開2005−140262号公報
この種の流体遮断装置において、遮断中にガス流量があるということは、遮断弁の弁体が劣化しガスシール力が低下しているか、弁体と弁座間に配管ダストなどの異物が介在し、弁体が弁座の近傍まで到達しているにもかかわらず、ガスを遮断することができないというケースが考えられる。
しかしながら、図7に示した従来の流体遮断装置は、遮断動作後にステッピングモータ18を若干逆回転させて、機械的応力を緩和させる制御を行うため、仮に遮断弁の弁体が劣化していたり、異物が介在している場合、閉弁下死点後の応力緩和のための逆回転制御により十分な遮断しめきりがおこなわれず、いったんは閉じられていた弁体〜弁座間が微量に開放され、結果としてガスの遮断が不十分になる可能性があるという課題を有していた。
また、図8に示した従来の流体遮断装置は、遮断中に流量がある場合でも通常と同じ遮断動作を繰り返す、すなわち図7の応力緩和付き流体遮断装置と組み合わせた場合、遮断動作後にステッピングモータを若干逆回転させて、機械的応力を緩和させる制御を行うため、前述の弁体劣化や異物などの異常がある場合、最初の遮断と同じ結果となる可能性が高く、遮断中に流量がある場合でもガス流路を遮断できない可能性があるという課題を有し、図6の流体遮断装置と組み合わせた場合は、常に応力緩和が行われないため、弁ゴムを構成する合成ゴム等の可撓体が永久ひずみを発生させ、流体閉止機能の低下を招いたり、可撓体からのブルーム現象やブリード現象を加速させ固着が発生したり、クリープ変形や熱膨張係数の差によるロックで動作不能になる可能性があるという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、通常は遮断弁の可撓体や合成樹脂などの熱ストレス、変形、変質などによる劣化や動作不能などの不具合を防止し、一方、もし遮断弁の弁体が劣化しガスシール力が低下しているか、弁体と弁座間に配管ダストなどの異物が介在している場合でも、遮断弁がガス流路を遮断できる確率を高くしマイコンメータの安全性をより高くできる流体遮断装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の流体遮断装置は、流路に設けられた弁座に当接可能な可撓体製の弁シートを有する弁体と、回転機構の回転運動を直線運動に変換して弁体を駆動し流路の開閉を行う遮断手段と、流路遮断動作時は弁座に弁シートが当接し弁シートが圧縮変形される閉弁下死点を超える遮断方向回転の制御駆動を行った後、弁シートが弁座との当接状態を保つ範囲内の逆回転制御を行い弁シートの圧縮変形量を減少させ機械的応力を緩和させる制御手段と、流路遮断動作後の遮断手段の遮断状態が完全であるか不完全であるかを検出する遮断状態検出手段と、流路遮断状態が不完全であることを検出した場合に逆回転制御の量を減少もしくは行わないよう設定され再度遮断手段を遮断駆動する再遮断切換手段とを有するものである。
遮断状態検出手段としては、流量を検出する流量検出手段と、遮断手段を遮断駆動したことを記録する記憶手段とを用い、記憶手段が遮断中であり、流量検出手段の検出流量が規定量以上の場合遮断状態が不完全であると判定し遮断状態検出手段の出力とするものである。
別の遮断状態検出手段としては、遮断手段の開閉状態を検出する開閉検出手段を用いることもできるものである。
さらには、再遮断切換手段で遮断弁を遮断駆動した後、遮断状態検出手段の状態が、流路遮断状態が不完全であることを検出した場合、発呼する通信手段もしくは表示する表示手段を有するものである。
これにより、通常の流路遮断時は弁座に可撓体製の弁シートが当接し弁シートが圧縮変形される閉弁下死点を超える遮断方向回転の制御駆動を行った後、弁シートが弁座との当接状態を保つ範囲内の逆回転制御を行い機械的応力を緩和させるため、熱ストレス、変形、変質などによる劣化や動作不能などの不具合を防止しており、流路遮断動作後に遮断手段の流路遮断状態が不完全であることを検出した場合、遮断状態検出手段の結果に応じて徐々に逆回転制御の量を調整したり、もしくは逆回転制御を行わないよう設定され再度遮断手段を遮断駆動するため、遮断手段がガスなどの流体通路を遮断できる確率が高くなり、より確実に流体を遮断することができる。
そして、万一、応力緩和の逆回転制御を行わなくても遮断状態が不完全な場合は、外部に対して通信手段による発呼、もしくは表示手段による表示を行うため、異常状態の早期検出が可能である。
本発明の流体遮断装置は、通常の流路遮断時は弁座に可撓体製の弁シートが当接し弁シートが圧縮変形される閉弁下死点を超える遮断方向回転の制御駆動を行った後、弁シートが弁座との当接状態を保つ範囲内の逆回転制御を行い機械的応力を緩和させるため、熱ストレス、変形、変質などによる動作不能などの不具合を防止でき、流路遮断動作後に遮断手段の流路遮断状態が不完全であることを検出した場合、遮断状態検出手段の結果に応じて徐々に逆回転制御の量を調整したり、もしくは逆回転制御を行わないよう設定され再度遮断手段を遮断駆動するため、遮断手段がガスなどの流体通路を遮断できる確率が高くなり、より確実に流体を遮断することができる。
第1の発明は流路に設けられた弁座に当接可能な可撓体製の弁シートを有する弁体と、回転機構の回転運動を直線運動に変換して弁体を駆動し前記流路の開閉を行う遮断手段と、流路遮断動作時は弁座に弁シートが当接し弁シートが圧縮変形される閉弁下死点を超える遮断方向回転の制御駆動を行った後、弁シートが弁座との当接状態を保つ範囲内の逆回転制御を行い弁シートの圧縮変形量を減少させ機械的応力を緩和させる制御手段と、流路遮断動作後の遮断手段の遮断状態が完全であるか不完全であるかを検出する遮断状態検出手段と、流路遮断状態が不完全であることを検出した場合に逆回転制御の量を減少もしくは行わないよう設定され再度遮断手段を遮断駆動する再遮断切換手段とを有するものである。
そして、通常の流路遮断時は閉弁下死点を超える遮断方向回転の制御駆動を行った後、弁シートが弁座との当接状態を保つ範囲内の逆回転制御を行い機械的応力を緩和させるため、熱ストレス、変形、変質などによる動作不能などの不具合を防止しており、流路遮断動作後に遮断手段の流路遮断状態が不完全であることを検出した場合、逆回転制御を行わないよう設定され再度遮断手段を遮断駆動するため、仮に遮断弁の弁体が劣化していたり、異物が介在していた場合などの異常時においても遮断手段がガスなどの流体通路を遮断できる確率が高くなり、より確実に流体を遮断することができる。
また、流路遮断状態が不完全であることを検出した場合に逆回転制御の量を減少させた場合は、流路遮断動作後に遮断手段の流路遮断状態が不完全であることを検出した場合の再遮断動作後においても、機械的残留応力が減少し、熱ストレス、変形、変質などによる
動作不能などの不具合を防止できる。
第2の発明は、第1の発明に加え、流量を検出する流量検出手段と、遮断手段を遮断駆動したことを記録する記憶手段とを有し、記憶手段が遮断中であり、流量検出手段の検出流量が規定量以上の場合遮断状態が不完全であると判定し遮断状態検出手段の出力とするものである。
そして、記憶手段が遮断中であり、流量検出手段が規定量以上の流量を検出した場合、逆回転制御の量を減少もしくは行わないよう設定され再度遮断手段を遮断駆動するため、遮断が不完全であることを直接流量で確認するため、遮断状態検出手段の結果に応じて遮断が完全になるまで直接流量で確認しながら徐々に逆回転制御の量を調整でき、遮断手段がガスなどの流体通路を遮断できる確率が高くなり、より確実に流体を遮断することができる。
また、流路遮断状態が不完全であることを検出した場合に逆回転制御の量を減少させた場合は、流路遮断動作後に遮断手段の流路遮断状態が不完全であることを検出した場合の再遮断動作後においても、機械的残留応力が減少し、熱ストレス、変形、変質などによる動作不能などの不具合を防止できる。
第3の発明は、第1の発明に加え、遮断手段の開閉状態を検出する開閉検出手段と、遮断手段を遮断駆動したことを記録する記憶手段とを有し、記憶手段が遮断中であり、開閉検出手段の出力が閉でない場合遮断状態が不完全であると判定し遮断状態検出手段の出力とするものである。
そして、記憶手段が遮断中であり、開閉検出手段の出力が閉でない場合、逆回転制御の量を減少もしくは行わないよう設定され再度遮断手段を遮断駆動するため、流量が流れていない場合においても遮断弁の開閉状態を確認でき、遮断手段がガスなどの流体流路を遮断できる確率が高くなり、より確実に流体を遮断することができる。
また、流路遮断状態が不完全であることを検出した場合に逆回転制御の量を減少させた場合は、流路遮断動作後に遮断手段の流路遮断状態が不完全であることを検出した場合の再遮断動作後においても、機械的残留応力が減少し、熱ストレス、変形、変質などによる動作不能などの不具合を防止できる。
さらに、流量検出手段が必須でないため、ガスメータなどの流量計とは別の、ガス漏れ警報やCO警報機などと連動する警報遮断システムなどへの採用が可能である。
第4の発明は、第1の発明に加え、再遮断切換手段で遮断弁を遮断駆動した後、遮断状態検出手段の状態が、流路遮断状態が不完全であることを検出した場合、発呼する通信手段もしくは表示する表示手段を有するものである。
そして、万一、応力緩和の逆回転制御を行わなくても遮断状態が不完全な場合は、外部に対して通信手段による発呼、もしくは表示手段による表示を行うため、異常状態の早期検出が可能である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の流体遮断装置のブロック図である。
図1において、ガスメータ41に内蔵されガス流路42を遮断可能なPM型ステッピングモータ等の回転機構によって駆動される遮断弁43と、ガスの流量を検知する磁気センサ、圧力センサ、超音波センサ、熱線流量センサ、流体素子センサ、質量流量センサ、または、フロートセンサ等による流量検出部44と、この流量検出部44の流量信号45が異常流量などの場合遮断弁43を駆動する遮断駆動部46に通常遮断信号47を出力する流量判定部48と、通常遮断信号47が出力されたことを記憶する遮断記憶部49と、この遮断記憶部49の状態が遮断中でありかつ流量検出部44の流量信号45が規定量Q0以上で流量ありと判定される場合、遮断駆動部46に遮断中流量あり遮断信号50を出力するアンドゲート等による遮断中流量あり判定部51と、逆回転制御を行ったことを記憶し直前の遮断において逆回転制御を行ったかどうかで分岐し、逆回転制御を行ってない場合は再遮断切換部53に逆回転制御なし遮断を実行するよう出力し、逆回転制御を行っている場合は通信手段58や表示手段59に遮断異常信号52を出力する逆回転制御判定手段60と、これらの各部および遮断弁43に電力を供給する電池等による電源部55を有して構成されている。
遮断駆動部46は通常遮断信号47を受けて遮断弁43をガス流路42に形成された弁座に遮断弁43の可撓体製の弁シートが当接した後、この弁シートが圧縮変形される閉弁下死点を超えるよう、全ストロークの概ね1/3〜1/4程度のストローク分余分の遮断方向の回転制御を行った後、この弁シートが弁座との当接状態を保つ範囲内の逆回転制御を行い前記弁シートの圧縮変形量を減少させ機械的応力を緩和させる駆動、すなわち逆回転制御付き遮断制御を行い、遮断中流量あり遮断信号50を受けた場合、すなわち遮断記憶部49の状態が遮断中でありかつ規定量Q0以上の流量を検出した遮断中流量ありの状態の場合は、再遮断切換部53にて逆回転制御なしに切り替え、遮断弁43に機械的応力緩和のための逆回転制御を行わない、遮断方向のみ駆動する遮断制御信号を出力する。
遮断中流量ありと判断する規定量Q0は、その規定量が漏れた場合下流の室内が爆発限界に至らないガス量や、一般の人がガス臭を感じないガス量や、流量検出部44の最低計量単位などから選択することができ、通常1〜50L/h程度に設定されている。
遮断中流量あり遮断信号50を受けて分岐する逆回転制御判定部60は、直前の遮断駆動が逆回転制御付きで行われたか、逆回転制御なしで行われたかを記憶しており、もし逆回転制御なしで行われていたにもかかわらず、遮断記憶部49の状態が遮断中でありかつ流量検出部44の流量信号45が規定量Q0以上で流量ありと判定されている場合、この流体遮断装置のシステム内では遮断完了が困難となる異常が発生したと判断し、通信手段58や表示手段59に遮断異常信号52を出力し、通信手段58は無線や電話回線などに遮断異常である旨発呼し、表示手段59はLEDなどに表示を行う。
流量判定部48、遮断記憶部49、遮断中流量あり判定部51、遮断駆動部46、逆回転制御判定部60、再遮断切換部53はマイクロコンピュータ54に記録されたソフトウェア手段や論理ICなどで実現されている。
図2は本発明の実施の形態1の流体遮断装置の遮断駆動部および遮断弁のブロック図、および遮断パルスのタイムチャート図である。
遮断駆動部および遮断弁のブロック図、図2(a)において、遮断弁43は第1相、第2相の2相バイポーラ励磁方式のステッピングモータ61で駆動されていて、遮断駆動部46は逆回転制御付き遮断信号生成部63と、逆回転制御なし遮断信号生成部64と、駆動パルス65、66を2相バイポーラ駆動波形に変換すると同時に電力増幅する励磁回路62とで構成されている。
遮断パルスのタイムチャート図、図2(b)においては、逆回転制御付き遮断信号である駆動パルス65と逆回転制御なし遮断信号である駆動パルス66を図示しており、それぞれ上段から、ステッピングモータ61の第1相に印加されるパルス電圧V(1相a−b)、第2相に印加されるパルス電圧V(2相a−b)、遮断弁43の弁体位置を表している。
弁体位置が、弁体が弁座に当接する閉弁位置を超え可撓体製の弁シートが圧縮変形される閉弁下死点にある状態は、閉弁位置の線より下に表示した。
図2(b)において、逆回転制御付き遮断信号である駆動パルス65は、第1相の電圧V(1相a−b)が立ち下がった後第2相の電圧V(2相a−b)が立ち下がる第1相の変化が先行する位相差を持つパルスを、遮断起動工程では約200PPS(パルス/秒)で、次の遮断移動工程では約250PPSで、次の遮断しめきり工程では約200PPSで出力した後、約0.2s程度の遮断休止工程を挟んで、次の遮断応力緩和工程では第2相の電圧V(2相a−b)が立ち下がった後第1相の電圧V(1相a−b)が立ち下がる第2相の変化が先行する位相差を持つパルス、すなわち逆回転のパルスを、約200PPSで8パルス出力する。
逆回転制御なし遮断信号である駆動パルス66は、遮断しめきり工程までは前述の駆動パルス65と同等であり、遮断しめきり工程が終了すると応力緩和工程を行わず出力を停止する。
図3は本発明の実施の形態1の流体遮断装置の遮断弁43の断面図であり、家庭用ガスメータの主流のサイズである6立方m/hの最大流量に適合した弁座口径φ28mm程度の遮断弁の例である。
図3において、第1相、第2相に接続された電磁コイル71、72と、磁力を伝達するヨーク73、74、75、76とでステータ77が構成され、永久磁石78と、流路42に突出したリード部80を有するリードシャフト81とで構成されたロータ82がステータ77と同軸に配され、流路42に形成された弁座83と当接することによってガス等の流体を遮断可能な直径31mm程度のシール部を持った合成ゴムやプラスチックエラストマー等の可撓体製の弁シート87と、弁シート87のステータ77側に係合して配され、リードナット部84がリード部80に螺合し、かつ、ステータ77が固定され自身は流路42に固定されたフランジ89に形成された爪状の回動規制手段86によって規制されているため、ロータ82の回転に伴い弁座83と弁シート87とを近接、離反させる直線運動が可能な自己潤滑性樹脂であるポリオキシメチレンなどのすべり性の高い合成樹脂製の弁シート保持部材88とで構成された弁体85と、弁体85を弁座83の方向に約1Nの力で付勢するようフランジ89と弁シート保持部材88との間に圧縮されて配されたスプリング90とを有して遮断弁43が構成されている。
ロータ82の両側に、潤滑性樹脂であるポリオキシメチレンなどのすべり性の高い合成樹脂製のすべり軸受け91と、スラスト・ラジアル共用のころがり軸受け92が配され、ステータ77とロータ82との間に非磁性金属製の気密隔壁93が配され、気密隔壁93のフランジ89側開放端にころがり軸受け92を保持する金属製の蓋94が配され、気密隔壁93とフランジ89の間に合成ゴム製Oリングであるシール部材95が配されている。
弁シート87と弁シート保持部材88との間には、弁シート87の首振り性を向上させるため、弁体85の移動方向に0.3mm程度の隙間79が形成されている。
ステータ77とロータ82は2相励磁のPM(永久磁石)型のステッピングモータを形成しており、電磁コイル71、72すなわち第1相、第2相に1/2×πの位相差を有する矩形波の回転磁界を発生する電流を印加することによってロータ82が回転し、電流を印加しない場合は永久磁石78による静止トルクによってロータ82は回転を阻止されている。
図3においては、第1相の変化が先行する位相差を持つパルスを印加され、弁体85側から見てCW(時計回り)方向にロータ82が回転した場合は弁体85が弁座83に近づく遮断動作を行い、第2相の変化が先行する位相差を持つパルスを印加され、CCW(反時計回り)に回転した場合は弁体85が弁座83から遠ざかる復帰動作を行う。
以上のように構成された流体遮断装置の動作について説明する。
流量検出部44の流量信号45を流量判定部48が判定し、ガスの使用状態に異常がない場合、通常遮断信号47は出力されず、遮断弁43はガス流路42を開放した復帰状態を保つ。
流量検出部44の流量信号45を流量判定部48が判定し、瞬時流量が配管破壊や元栓開放などが想定されるほど異常に多い場合や、ガス給湯器やガスストーブなどに割り当てられた個別流量区分の使用時間がその機器の正常使用パターンを外れて異常に長い場合などガスの使用状態に異常がある場合や、地震センサ、圧力センサ、ガス漏れセンサ等のその他センサ56や、遮断スイッチや通信回線等による遮断命令57を受けた場合、通常遮断信号47が遮断駆動部46に出力され、遮断駆動部46は遮断弁43を逆回転制御付き遮断信号である遮断パルス65によって遮断すると同時に、遮断記憶部49に遮断信号を出力したこと、すなわち遮断中であることを記憶させる。
逆回転制御付き遮断信号である遮断パルス65を受けて、遮断弁43は、まず遮断起動工程でロータ82が静止状態からCW方向に回転し、弁体85は開弁位置から弁座83に近づく方向に移動を開始し、次に遮断移動工程で、弁体85は弁座83に当接する近傍まで移動し、次に遮断しめきり工程で、弁体85は弁座83に当接し、弁シート87が撓んで隙間79が圧縮され、更に弁シート87が移動方向に圧縮変形される閉弁下死点まで移動する。
この実施の形態では、48パルス/回転のステッピングモータであり、リードピッチが2mm/回転であり、弁体移動方向のクリアランスが0.5mm程度あり、隙間79が0.3mm程度であり、閉弁下死点における弁シート87の圧縮変形量が約0.3mm程度あるので、弁体85が弁座に当接してから閉弁下死点まで移動するために約26パルスの駆動が必要である。
この閉弁下死点を超えても遮断しめきり工程は中間脱調などの誤差修正のため24パルス程度継続されるが、弁体85はこれ以上移動不能となっているため、ロータ82は脱調を発生させながら余分の駆動パルスを消費した後、遮断休止工程に入る。
遮断休止工程においては、永久磁石78による静止トルクによってロータ82は静止し、弁シート87は10N程度の押し付け力で弁座83に押し付けられており、この反力で弁シート87は圧縮変形され、リードナット部84、すべり軸受け91には応力が集中した状態になっている。
応力緩和工程においては、第2相の変化が先行する位相差を持つパルスを8パルス印加
され、ロータ82は静止状態からCCW方向に回転し約0.3mm弁シート保持部材88の締め付けが緩むため、弁シート87を弁座83に押し付ける荷重はスプリング90の付勢力約1Nだけになり、弁シート87の圧縮変形量が緩和され、リードナット部84、すべり軸受け91の応力集中状態が解消される。
この応力緩和工程によって、弁シート87の圧縮力が約10N(線シール荷重約100N/m)から約1N(線シール荷重約10N/m)に軽減されるため、ガスメータ41が使用される屋外環境の−20℃〜50℃程度の厳しい温度変化にさらされ、長期間閉弁状態が継続した場合でも、弁シート87を構成する合成ゴムが永久ひずみを発生させ、ガス閉止機能の低下を招いたり、合成ゴムからのブルーム現象やブリード現象を加速させ弁座83と弁シート87との固着が発生したり、リードナット部84、すべり軸受け91など合成樹脂製部品のクリープ変形や熱膨張係数の差によるロックで動作不能になる不具合を防止することが出来る。
なお、この実施の形態の遮断弁43はスプリング90を有するため、応力緩和工程の逆回転制御パルス数を、閉弁下死点における弁シート87の圧縮変形量約0.3mmにほぼ等しい移動量となる8パルスとしたが、スプリングを有さない遮断弁においては、応力緩和工程後も弁シートが弁座との当接状態を保つよう、例えば逆回転制御パルス数4パルス、0.15mm相等というように、閉弁下死点における弁シートの圧縮変形量より小さく設定される必要がある。
遮断動作後、電磁コイル71、72への通電は停止され、遮断弁43は永久磁石78による静止トルクによって無通電でも遮断状態を保持する。
この遮断中において、遮断弁43の損失が増えるなど機構部が特性劣化したり、電池による電源部55の電圧が低下するなど駆動部が特性劣化したり、弁体85と弁座83間に配管ダストなどの異物が介在していて、弁体85と弁座83間が微量に開放され、結果としてガス流路42の遮断が不十分となっている場合がある。
この場合、遮断記憶部49は遮断中であることを記憶しており、流量検出部44が流量を検出し流量判定部48が流量信号45が規定量Q0以上で流量ありと判定した場合、遮断中でありかつ流量があるため遮断中流量あり判定部51は遮断駆動部46に遮断中流量あり遮断信号50を出力し、逆回転制御判定手段60は直前の遮断において逆回転制御を行ったかどうかを判定し、逆回転制御を行っている場合は再遮断切換部53に逆回転制御なし遮断を実行するよう出力し、遮断駆動部46は遮断弁43に逆回転制御なし遮断信号である駆動パルス66を出力する。
駆動パルス66を受けて遮断弁43のロータ82はCW方向に回転し、遮断起動工程、遮断移動工程、遮断しめきり工程の過程で、弁体85と弁座83間が微量に開放された状態から、弁体85が弁座83に当接し、弁シート87が撓んで隙間79が圧縮され、更に弁シート87が移動方向に圧縮変形される閉弁下死点まで移動する。
この時ロータ82が弁体85を駆動する力は約10Nと強いため、機構部が特性劣化したり、駆動部が特性劣化している場合でも動作可能であり、また、弁体85と弁座83間に異物が介在している場合でも押しつぶしたり、弁シート87が異物部で部分変形し異物によって形成される漏れ流路が小さくなり、ガス流路42の遮断を完了する可能性が高くなる。
なお、ここで、遮断中流量あり判定部51が遮断中流量ありと判定した場合、逆回転制御をなくした駆動パルス66を出力するとしたが、遮断状態を確認し流量がQ0以下で遮
断完了になるまで、逆回転制御パルス数を徐々に減少させ遮断駆動を行う制御を行う手段もあり、この場合、遮断中流量あり再遮断を行った場合も、弁シートや合成樹脂製部品などに加わる応力を小さくでき、熱ストレス、変形、変質などによる動作不能などの不具合を軽減することができる。
この逆回転制御なし遮断を実行した後、さらに流量検出部44が流量を検出し流量判定部48が流量信号45が規定量Q0以上で流量ありと判定した場合、遮断中流量あり判定部51は遮断中流量あり遮断信号50を出力するが、逆回転制御判定手段60は直前の遮断において逆回転制御を行っていないことを記憶しているため、この流体遮断装置のシステム内では遮断完了が困難となる異常が発生したと判断し、無線や電話回線などシステムの外部に接続された通信手段58やLEDなど表示手段59に遮断異常信号52を出力する。
なお、ここで、逆回転制御判定手段60から遮断異常信号52が出力されるまでの逆転なし駆動回数を複数とし、数回の逆回転制御なし遮断のリトライを経た後通信手段58や表示手段59に遮断異常信号52を出力するようにしてもよい。
ガスの使用状態の異常が解消されたり、図示していない外部手段からガス復帰命令を受けた場合、図示していない復帰駆動部から遮断弁43に第2相の変化が先行する位相差を持つパルスが印加され、ロータ82がCCW方向に回転し、弁体85は弁座83から離反し、弁シート保持部材88が蓋94に当接する位置までフランジ89側に移動し、ガス流路42が開放復帰されると同時に、遮断記憶部49の遮断中記録、および、逆回転制御判定手段60の記憶をリセットし、ガスを流すことができる通常状態に復帰する。
このように、本発明の実施の形態1の流体遮断装置は、通常の流路遮断時は弁座83に可撓体製の弁シート87が当接し弁シート87が圧縮変形される閉弁下死点を超える遮断方向回転の制御駆動を行った後、弁シート85が弁座83との当接状態を保つ範囲内の逆回転制御を行い機械的応力を緩和させるため、熱ストレス、変形、変質などによる劣化や動作不能などの不具合を防止しており、流路遮断動作後に流量が規定量Q0以上であるため遮断弁43の流路遮断状態が不完全であることを検出した場合、遮断中流量あり判定部51から遮断中流量あり遮断信号50が出力され応力緩和工程の逆回転制御を行わず再度遮断弁43を遮断駆動するため、遮断弁43がガス流路を遮断できる確率が高くなり、より確実に流体を遮断することができる。
そして、万一、応力緩和の逆回転制御を行わなくても遮断状態が不完全な場合は逆回転制御判定手段60から、外部に対して通信手段58による発呼、もしくは表示手段59による表示を行うため、異常状態の早期検出が可能である。
(実施の形態2)
図4は本発明の実施の形態2の流体遮断装置のブロック図であり、実施の形態1と同じものは同じ符号を付した。
図4において、ガスメータ101に内蔵されガス流路42を遮断可能な遮断弁43と、遮断弁43の開閉状態を検出するリミットスイッチ、磁気スイッチ、インダクタンス検出手段、サーチコイル、フォトセンサ、または、感圧素子などからなる開閉検出部102と、ガスの流量を検知する流量検出部44と、この流量検出部44の流量信号45が異常流量などの場合遮断弁43を駆動する遮断駆動部46に通常遮断信号47を出力する流量判定部103と、通常遮断信号47が出力されたことを記憶する遮断記憶部49と、この遮断記憶部49の状態が遮断中でありかつ開閉検出部102の信号が閉でない場合遮断駆動部46に遮断中閉止不完全遮断信号104を出力するアンドゲート等による遮断中閉止不
完全判定部105と、これらの各部および遮断弁43に電力を供給する電池等による電源部55を有して構成されている。
遮断駆動部46は通常遮断信号47を受けて遮断弁43をガス流路42に形成された弁座に遮断弁43の可撓体製の弁シートが当接した後、この弁シートが圧縮変形される閉弁下死点を超えるよう、全ストロークの概ね1/3〜1/4程度のストローク分余分の遮断方向制御を行った後、この弁シートが弁座との当接状態を保つ範囲内の逆回転制御を行い前記弁シートの圧縮変形量を減少させ機械的応力を緩和させる駆動、すなわち逆回転制御付き遮断制御を行い、遮断中閉止不完全遮断信号104を受けた場合、すなわち遮断記憶部49の状態が遮断中でありかつ規定量以上の流量を検出した遮断中閉止不完全状態の場合は、再遮断切換部53にて逆回転制御なしに切り替え、遮断弁43に前述の逆回転制御を行わない、遮断方向のみ駆動する遮断制御信号を出力する。
遮断記憶部49、遮断中閉止不完全判定部105、遮断駆動部46はマイクロコンピュータ106に記録されたソフトウェア手段や論理ICなどで実現されている。
なお、この実施の形態の流体遮断装置においても、実施の形態1に示したような逆回転制御判定部により、直前の遮断駆動が逆回転制御なしで行われていたにもかかわらず、開閉検出部102の信号が未閉止の場合、外部通信手段や外部表示手段に遮断異常信号を出力することもできる。
図5は本発明の実施の形態2の流体遮断装置の遮断弁および開閉検出部の断面図である。
図5において、遮断弁43は図3と同様であり説明を省略する。
開閉検出部102は、遮断弁43と同軸に配され一端は遮断弁43が閉弁時に当接し他端に永久磁石112が固定されたロッド113と、ロッド113を摺動可能に保持するハウジング111と、ロッド113を遮断弁43方向に付勢する遮断弁43の閉弁力より弱い0.2N程度の付勢力のスプリング114と、ガスメータ内のガス隔壁115を隔てて配され永久磁石112が接近した時ONとなり離反した時OFFとなる磁気リードスイッチ116とで構成されている。
開閉検出部102の動作は、遮断弁43の弁体85の位置が開弁状態の場合は、ロッド113は弁体85に当接せずスプリング114に付勢されて図中右側にあるため、永久磁石112は磁気リードスイッチ116から離反し磁気リードスイッチはOFFの状態であり、遮断弁43の弁体85の位置が閉弁状態の場合は、ロッド113は弁体85に当接し遮断弁43の閉弁力に押されて図中左側に移動し、永久磁石112は磁気リードスイッチ116に接近し磁気リードスイッチがONの状態となることによって、遮断弁43の開閉状態を電機信号として検出することが可能である。
そして、異常流量などによる通常駆動時においては遮断駆動部46は逆回転制御付き遮断信号で遮断弁43を駆動し、遮断記憶部49の状態が遮断中であり、かつ開閉検出部102の信号が閉でない場合、すなわち磁気リードスイッチ116がOFFの遮断中閉止不完全の場合は、逆回転制御なし遮断信号で遮断弁43を遮断駆動する。
このように、本発明の実施の形態2の流体遮断装置は、通常の流路遮断時は弁座に可撓体製の弁シートが当接し弁シートが圧縮変形される閉弁下死点を超える遮断方向回転の制御駆動を行った後、弁シートが弁座との当接状態を保つ範囲内の逆回転制御を行い機械的応力を緩和させるため、熱ストレス、変形、変質などによる劣化や動作不能などの不具合
を防止しており、流路遮断動作後に開閉検出部102の信号が閉でない遮断中閉止不完全の場合は、遮断中閉止不完全判定部105から遮断中閉止不完全遮断信号104が出力され遮断応力緩和工程の逆回転制御を行わず再度遮断弁43を遮断駆動するため、流量が流れていない場合においても遮断弁43の開閉状態を確認でき、遮断弁43がガス流路を遮断できる確率が高くなり、より確実に流体を遮断することができる。
また、遮断中閉止不完全状態を判定する手段が流路検出部44とは別の開閉検出部102であるため、遮断弁43、開閉検出部102、遮断記憶部49、遮断中閉止不完全判定部105、遮断駆動部46は、ガスメータ101に内蔵されてなくても、流量判定部103、その他センサ56、もしくは、外部遮断命令57からの通常遮断信号47を受信した後は単独で動作可能とすることができ、別設の遮断装置、ガス漏れ警報やCO警報機などと連動する警報遮断システムなどへの展開が可能である。
なお、上記実施の形態1、2において遮断弁43は2相バイポーラ励磁PM型ステッピングモータ61が駆動手段である例を説明したが、3相以上でもモノポーラ励磁でもよく、その他同機モータやDCブラシレスモータ等の直流モータも選択可能である。
また、遮断弁43はロータ82の回転が直接弁体85の直線運動に変換されるよう説明したが、減速機構を介してよく、直線変換手段はリード機構でなくカムであってもよい。
また、この流体遮断装置はガスメータ41、101に内蔵され、電池電源部55によって駆動されるよう説明したが、孤立型流体遮断装置でもよく燃焼機器等に内蔵されてもよく、商用電源、自己発電電源などで駆動されてもよく、コンデンサ等のアックアップ電源で駆動されてもよい。
以上のように、本発明にかかる流体遮断装置は、通常の遮断時には機械的応力緩和のための逆回転制御付き遮断制御を行うため、遮断弁の可撓体や合成樹脂などの熱ストレス、変形、変質などによる劣化や動作不能などの不具合を防止し、一方、もし遮断弁の弁体が劣化しガスシール力が低下しているか、弁体と弁座間に配管ダストなどの異物が介在して遮断手段の流路遮断状態が不完全であることを検出した場合、逆回転駆動なしの遮断制御を行うため、強い付勢力で遮断でき、遮断手段がガスなどの流体通路を遮断できる確率を高くすることが出来るので、ガスメータ内蔵遮断装置、燃焼機器の開閉弁、別設の遮断装置、ガス漏れ警報やCO警報機などと連動する警報遮断システムなどの他、あらゆる流体の遮断装置への適用が可能である。
本発明の実施の形態1の流体遮断装置のブロック図 本発明の実施の形態1の流体遮断装置の遮断駆動部および遮断弁のブロック図、および遮断パルスのタイムチャート 本発明の実施の形態1の流体遮断装置の遮断弁の断面図 本発明の実施の形態2の流体遮断装置のブロック図 本発明の実施の形態2の流体遮断装置の遮断弁および開閉検出部の断面図 従来の流体遮断装置の遮断弁の断面図およびブロック図 従来の流体遮断装置のブロック図および遮断動作のタイムチャート 従来の流体遮断装置のブロック図
符号の説明
42 ガス流路(流路)
43 遮断弁(遮断手段)
44 流量検出部(流量検出手段)
46 遮断駆動部(駆動手段)
49 遮断記憶部(記憶手段)
51 遮断中流量あり判定部(遮断状態検出手段)
58 通信手段
59 表示手段
60 逆回転制御判定手段
80 リード部(直線運動変換手段)
82 ロータ(回転機構)
83 弁座
84 リードナット部(直線運動変換手段)
85 弁体
86 回動規制手段(直線運動変換手段)
87 弁シート
102 開閉検出部(開閉検出手段)
105 遮断中閉止不完全判定部(制御手段)

Claims (4)

  1. 流路に設けられた弁座に当接可能な可撓体製の弁シートを有する弁体と、回転機構の回転運動を直線運動に変換して前記弁体を駆動し前記流路の開閉を行う遮断手段と、流路遮断動作時は前記弁座に前記弁シートが当接し前記弁シートが圧縮変形される閉弁下死点を超える遮断方向回転の制御駆動を行った後、前記弁シートが前記弁座との当接状態を保つ範囲内の逆回転制御を行い前記弁シートの圧縮変形量を減少させ機械的応力を緩和させる制御手段と、流路遮断動作後の前記遮断手段の遮断状態が完全であるか不完全であるかを検出する遮断状態検出手段と、流路遮断状態が不完全であることを検出した場合に前記逆回転制御の量を減少もしくは行わないよう設定され再度前記遮断手段を遮断駆動する再遮断切換手段とを有する流体遮断装置。
  2. 流量を検出する流量検出手段と、遮断手段を遮断駆動したことを記録する記憶手段とを有し、前記記憶手段が遮断中であり、前記流量検出手段の検出流量が規定量以上の場合遮断状態が不完全であると判定し遮断状態検出手段の出力とする請求項1記載の流体遮断装置。
  3. 遮断手段の開閉状態を検出する開閉検出手段と、前記遮断手段を遮断駆動したことを記録する記憶手段とを有し、前記記憶手段が遮断中であり、前記開閉検出手段の出力が閉でない場合遮断状態が不完全であると判定し遮断状態検出手段の出力とする請求項1記載の流体遮断装置。
  4. 再遮断切換手段で遮断弁を遮断駆動した後、遮断状態検出手段の状態が、流路遮断状態が不完全であることを検出した場合、発呼する通信手段もしくは表示する表示手段を有する請求項1記載の流体遮断装置。
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