JP2003222259A - 遮断弁 - Google Patents

遮断弁

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JP2003222259A
JP2003222259A JP2002018075A JP2002018075A JP2003222259A JP 2003222259 A JP2003222259 A JP 2003222259A JP 2002018075 A JP2002018075 A JP 2002018075A JP 2002018075 A JP2002018075 A JP 2002018075A JP 2003222259 A JP2003222259 A JP 2003222259A
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bearing
partition wall
valve
rotor
stress
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JP2002018075A
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Masaki Yamaguchi
正樹 山口
Nobumasa Kasashima
伸正 笠島
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Panasonic Holdings Corp
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明はマイコンメータなどに使用されるモ
ータを動力源とした遮断弁に関するものであり、変形し
にくく、中途半端な位置で保持されず、ロータのスラス
トストレスを増大せず、軸穴に変形のおよびにくい軸受
手段を提供するものである。 【解決手段】 隔壁47を2段の底を有するなべ状に成
形し、円筒部47d内径より若干小さい挿入部48b外
径を有し非貫通の中心穴48aを有する合成樹脂製の第
1の軸受48を隔壁47の小径の円筒部47d内側回動
可能に遊挿したことにより、熱膨張した場合でも締り嵌
めにならないため過度の応力を受けることがなく、クリ
ープ変形を起こしにくく、浮き上がったり傾いた中途半
端な位置で保持されることがなく、ロータ55のスラス
トストレスを増大させない。また、締付応力がないた
め、中心穴48aに変形が及びにくく、信頼性の高い遮
断弁を実現できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部状況によって
作動する安全弁(国際特許分類F16K 17/36)
で操作手段として電動機を使用したもの(国際特許分類
F16K 31/04)、特に、ガスの事故を未然に防
ぐガス遮断装置の遮断機構として使用される遮断弁に関
するものであり、さらに詳しくは流路に形成された弁座
に対し弁体を前進または後退移動させることによって流
路の遮断復帰動作を行うモータを動力源とした遮断弁に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一度発生すれば大惨事になる可能性の高
いガス事故を未然に防ぐため、従来より種種の安全装置
が利用されており、中でもガスメータに内蔵され流量セ
ンサによりガスの流量を監視しマイクロコンピュータに
よりガスの使用状態を異常使用と判断した場合や、地震
センサ、ガス圧力センサ、ガス警報器、一酸化炭素セン
サなどのセンサの状況を監視し危険状態と判断した場合
は、ガスメータに内蔵された遮断弁によりガスを遮断す
る電池電源によるマイクロコンピュータ搭載ガス遮断装
置内蔵ガスメータ(以下マイコンメータと省略する)
は、安全性、ガス配管の容易性、低価格等の優位性のた
め、普及が促進され、近年ほぼ全世帯普及が実施される
に至っている。また、流量センサによって計測されたガ
ス流量情報を電話回線などを利用して集中監視するテレ
メータ機能を有した、集中監視型マイコンメータの比率
も増加し、ますます、情報端末として利便性の向上が求
められている。この集中監視型マイコンメータなどにお
いては、簡単な電気スイッチ操作や電話回線などによる
遠隔操作でガスの遮断、復帰が可能なよう、マイコンメ
ータに搭載した電池による電気エネルギーでガス遮断も
ガス復帰も可能で、かつ開弁状態と閉弁状態の保持はエ
ネルギーを必要としない遮断弁が要求されている。
【0003】この遮断弁の駆動方式としては、従来電磁
ソレノイドを使用したものが主流であったが、近年比較
的強い閉止力、復帰力を実現でき、非通電時は状態保持
可能なPM型ステッピングモータを駆動源とする遮断弁
が注目されており、なかでもロータをガス流路内、ステ
ータをガス流路外とする気密隔壁を持った遮断弁が、ガ
ス流路への取り付けが容易なため主流である。
【0004】以下に従来の遮断弁について説明する。
【0005】従来のこの種の遮断弁は、特開平9−60
752号公報、特開平11−2351号公報に示すよう
なものが一般的であった。この特開平11−2351号
公報記載の遮断弁は図5に示されているように、鍔付き
カップ状のケーシング6を有し、このケーシング6の外
周にステータ4を装着し、前記ケーシング6の開口部に
ポリアセタール等の自己潤滑性のある合成樹脂製のアウ
ターブッシュ3を嵌着し、このアウターブッシュ3にス
タッド5を偏心させて前方に突設し、前記ケーシング6
内にポリアセタール等の自己潤滑性のある合成樹脂製の
インナーブッシュ12を挿設し、前記アウターブッシュ
3および前記インナーブッシュにリードスクリュー17
をその先端の雄ネジ部17aが当該アウターブッシュ3
より前方に突出した状態で正逆方向に回転自在に支持
し、このリードスクリュー17にロータ16を前記ステ
ータ4に対向する形で取り付け、このロータ16と前記
アウターブッシュ3との間にスラスト荷重用ころがり軸
受18を介挿し、前記スタッド5に係合し雄ネジ部17
aに螺合して弁体25を配されている。
【0006】以上のように構成された遮断弁について、
以下その動作について説明する。
【0007】ガスの異常使用時などには、図示していな
い制御部からの通電により、ロータ16を正転させ、リ
ードスクリュー17が正方向に回転し、弁体25がリー
ドスクリュー17側から弁座26側に前進して弁座26
に当接することにより、流体経路を閉塞して流体を遮断
する。また、これを復元するときには、外部入力によっ
てリードスクリュー17を逆方向に回転させ、弁体25
を弁座26側からリードスクリュー17側に後退させ、
流体経路を開放して流体の供給を再開していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この遮断弁において
は、電池という低エネルギー・低容量の電源で、ガスメ
ータの使用期間(一般に10年間)中特にメンテナンス
しなくても動作するよう高い信頼性が要求されている。
【0009】しかしながら、上記の従来の遮断弁では、
ケーシング6の底面の内径がロータ16の外径とほぼ同
じで広く、この底面の内径とほぼ同じ広い外径つばを有
するインナーブッシュ12を挿設していて、すなわち挿
入締まり嵌めを行う前記つば部の外径が大きく締め応力
がつば内部で緩和しやすく、つば部の軸方向の長さすな
わち締め長さが小さく、またインナーブッシュ12の材
料であるポリアセタール等の自己潤滑製のある合成樹脂
は柔らかく、クリープ変形しやすいため、締め代が小さ
い場合は長期の使用中の熱ストレス等で締まり嵌めが緩
んで浮き上がりインナーブッシュ12とケーシング6の
同軸がくるいロータ16がケーシング12の内壁に接触
して回転不能になったり、逆に締め代が大きい場合はイ
ンナーブッシュ12のつば部が波打って変形しインナー
ブッシュ12とケーシング6の同軸がくるいロータ16
がケーシング12の内壁に接触して回転不能になったり
する可能性があるという課題を有していた。
【0010】また、インナーブッシュ12が緩んで浮き
上がり次に高温状態になった場合は、浮き上がった位置
でインナーブッシュ12の材料であるポリアセタール等
の樹脂が膨張し再度ケーシング6に対して締り、この結
果、アウターブッシュ3とでロータ12を強く挟みこみ
スラストストレスが増大し、回転の抵抗を増大させる可
能性があるという課題を有していた。
【0011】また、組立時インナーブッシュ12はケー
シング6の側面をこすりながらケーシング6の底面まで
移動されるため、底面に到達するまでにインナーブッシ
ュ12のつば部外周が摩耗、変形し充分な締め応力を確
保できなかったり、この移動中にケーシング6の側面が
変形しロータ16がケーシング12の内壁に接触して回
転不能になったりする可能性があるという課題を有して
いた。
【0012】さらに、インナーブッシュ12やアウター
ブッシュ3とケーシング6と締め代が過多な場合はその
応力で軸受孔径が縮小し、リードスクリュウ17をロッ
クする可能性があるという課題を有していた。
【0013】本発明はかかる従来の課題に鑑み、変形し
にくく、中途半端な位置で保持されず、ロータのスラス
トストレスを増大せず、また軸穴に変形のおよびにくい
軸受手段を有する信頼性の高い遮断弁を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、ロータとステータとの気密を保持する隔壁
を貫通穴のない2段の底を有するなべ状に成形されたも
のとし、この隔壁の小径部内径より若干小さい挿入部外
径を有する合成樹脂製の第1の軸受をこの隔壁の小径部
に回動可能に遊挿して配し、概ねふた状の合成樹脂製の
第2の軸受をこの隔壁の大径のなべ側面の開放端側に嵌
挿して配したものである。
【0015】これによって、第1の軸受が隔壁に圧入さ
れていないため過度の応力を受けることがなくクリープ
変形を起こしにくく、回動可能に遊挿されているため浮
き上がったり傾いた中途半端な位置で保持されないため
ロータのスラストストレスを増大せず、過度の応力によ
るクリープで中心穴が縮小しないため回転軸をロックし
ない、信頼性の高い遮断弁を実現できる。
【0016】さらに、組立時に隔壁の大径の円筒部を変
形させたり、第1の軸受を磨耗させたりすることがな
い、信頼性の高い遮断弁を実現できる。
【0017】また、隔壁は小径部内側側面に凸状の突起
を形成され、第1の軸受は前記突起に対向した外周部溝
を成形されているため、第1の軸受が軸方向に移動する
距離すなわち浮き上がりを制限できるため、よりロータ
にスラストストレスを与えない、信頼性の高い遮断弁を
実現できる。
【0018】また、第1の軸受の中心穴は非貫通であ
り、この中心穴の裏面中央に成形ゲートを設けたため、
成型時の樹脂の流れが均一に放射状に広がり残留応力が
円周方向で均一な軸受を成形でき、温度変化を受けた場
合の膨張収縮を均一にできるため、隔壁と第1の軸受と
のクリアランスを小さくできロータの軸ずれを小さくし
た信頼性の高い遮断弁を実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明の遮断弁は、励磁コイルを
有するステータと、前記ステータの内側に同軸に配され
貫通穴のない2段の底を有するなべ状に成形された隔壁
と、前記隔壁の小径部内径より若干小さい挿入部外径を
有し前記隔壁の小径部に回動可能に遊挿された中心穴を
有する合成樹脂製の第1の軸受と、前記隔壁の大径のな
べ側面の開放端側に嵌挿された中心孔を有する概ねふた
状の合成樹脂製の第2の軸受と、前記隔壁の内側に前記
ステータに対向して配されたロータと、前記第1、第2
の軸受に回転可能に緩挿された前記ロータの回転軸と、
前記第2の軸受から外側に突出した前記回転軸に配され
た弁機構とで構成されたものである。
【0020】そして、第1の軸受が隔壁に圧入されてい
ないため過度の応力を受けることがなくクリープ変形を
起こしにくく、回動可能に遊挿されているため浮き上が
ったり傾いた中途半端な位置で保持されないためロータ
のスラストストレスを増大せず、過度の応力によるクリ
ープで中心穴が縮小しないため回転軸をロックしない、
信頼性の高い遮断弁を実現できる。
【0021】さらに、組立時に隔壁の大径の円筒部を変
形させたり、第1の軸受を磨耗させたりすることがな
い、信頼性の高い遮断弁を実現できる。
【0022】また、本発明の遮断弁は、隔壁の小径部内
側側面に凸状の突起を形成され、第1の軸受は前記突起
に対向した外周部溝を成形されたものである。
【0023】そして、第1の軸受が軸方向に移動する距
離すなわち浮き上がりを制限できるため、よりロータに
スラストストレスを与えない、信頼性の高い遮断弁を実
現できる。
【0024】さらに、本発明の遮断弁は、第1の軸受の
中心穴が非貫通であり、この中心穴の裏面中央に成形ゲ
ートを設けたものである。
【0025】そして、成型時の樹脂の流れが均一に放射
状に広がり残留応力が円周方向で均一な軸受を成形で
き、温度変化を受けた場合の膨張収縮を均一にできるた
め、隔壁と第1の軸受とのクリアランスを小さくできロ
ータの軸ずれを小さくした信頼性の高い遮断弁を実現で
きる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を用いて
説明する。
【0027】(実施例1)図1、図2、図3はそれぞれ
本発明の実施例1の遮断弁の開弁状態、遮断動作中、閉
弁状態の断面図である。
【0028】図1において、概ね糸巻き状のコイルボビ
ン41に導線42が巻線された励磁コイル43と、外周
に円筒部を有し内周に櫛歯状の磁極を持った第1の電磁
ヨーク44と、この電磁ヨーク44との間で励磁コイル
43を挟持するように配された概ね円盤状で内周に櫛歯
状の磁極を持った第2の電磁ヨーク45とのセットが2
組、互いの第2の電磁ヨーク45の円盤部を接触させて
配されステータ46を形成している。コイルボビン41
は合成樹脂製でポリブチレンテレフタレート(PBT)
のような耐熱性があり電気絶縁性の良好なものが望まし
い。第1の電磁ヨーク44および第2の電磁ヨーク45
は、低炭素鋼板、電磁軟鉄板または硅素鋼板製などの鋼
板製で、表面に亜鉛メッキやアルミニウムメッキ、クロ
ム酸処理膜等の防錆処理を施されているか、もしくは電
磁ステンレス鋼板製で、経済的には亜鉛メッキ鋼鈑など
のプリメッキ鋼鈑が望ましい。第1の電磁ヨーク44と
第2の電磁ヨーク45の櫛歯状の磁極は所定の隙間を持
って噛合し、また2組のセットの櫛歯は、回転方向に他
のセットの櫛歯のほぼ隙間部に位置するよう配置されて
いる。
【0029】ステータ46の内側に同軸に、2段の底4
7a、47bと、大小の円筒部47c、47d、大径の
円筒部47cの開放端につば47eを有するなべ状に絞
り成形された嵌通孔のない金属性の隔壁47が配されて
いる。隔壁47の材料は、非磁性ステンレス鋼鈑、銅合
金、アルミニウム合金、合成樹脂、セラミックスなどが
選択可能であるが、耐腐食性、強度、耐クリープ、薄肉
加工性などの理由から、オーステナイト系ステンレス鋼
鈑を絞り加工したものが最適であり、絞り加工後固溶化
熱処理を施し、残留する内部応力と結晶粒の微細化を除
去したものが望ましい。
【0030】隔壁47の小径の円筒部47d内側には、
円筒部47d内径より若干小さい挿入部48b外径を有
し非貫通の中心穴48aを有する合成樹脂製の第1の軸
受48が回動可能に遊挿されている。隔壁47の円筒部
47dの内径を最小6mmとし、隔壁47と軸受48の線
膨張係数の差が1/10000/℃、常温と最高温度の
差が50℃とすると、軸受48の挿入部48b外径は
5.97mm未満であり、部品バラツキなどを航路すると
考慮すると5.95mm程度が望ましい。中心穴48aの
裏面中央には成形ゲート48cが設けられている。ま
た、隔壁47の底47aに当接するようストッパ48d
が形成されている。この第1の軸受48の材料は、ポリ
アセタール(POM)、ポリアミド(PA)およびポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)粉末や黒鉛粒子を
配合された各種合成樹脂などの、自己潤滑性を有する合
成樹脂が選択可能であるが、摩擦係数の低さや経済的理
由からポリアセタールが最適である。このポリアセター
ルは応力クリープが比較的大きく軟質であり、線膨張係
数も高めである。前記の線膨張係数の差はこのポリアセ
タールを想定したものである。
【0031】隔壁47の大径の円筒部47cのなべ側面
の開放端側には、中心孔49a、側面に円筒部49b、
外周につば部49cを同軸に有する概ねふた状の合成樹
脂製の第2の軸受49が、つば部49cを隔壁47のつ
ば47eに当接して嵌挿されている。隔壁47の円筒部
47cと第2の軸受49の嵌挿部49eは締まり嵌めで
嵌合している。第2の軸受49の嵌挿部49eと中心孔
49aとの間には、薄肉化した波紋状の応力緩和部49
dが形成されている。この第2の軸受49の材料として
は第1の軸受48同様ポリアセタールが最適である。隔
壁47の円筒部47cと第2の軸受49の嵌挿部49e
との締まり嵌めの嵌め合いは、後述する別の固定手段が
あるため、また円盤部49fの波打ちを防止するために
比較的ゆるめでよく、例えば隔壁47の円筒部47cの
内径が18mmである場合は第2の軸受49の嵌挿部49
eの外径は18.02〜18.08mm程度が適切であ
る。第2の軸受49の円筒部49bの内面には中心軸に
平行な凸状のリブ50が、円周上で180°離れた2カ
所に形成されている。
【0032】隔壁47の内側には、円周方向に分極着磁
された円筒形の永久磁石51と、一方の端に送りネジ5
2を形成された回転軸53と永久磁石51と回転軸53
を同軸に保持するスリーブ54とで構成されたロータ5
5が、回転軸53の送りネジ52側端を第2の軸受49
の中心穴49aに、逆の端を第1の軸受48の中心孔4
8aに回転可能に緩挿されて配されている。
【0033】流体室56に取り付け可能な取り付け板5
7は、中央に中心孔57aと隔壁47の大径の円筒部4
7cの外径より若干大きな内径を持った円筒状段差部5
7bを形成され、外周部の2カ所に爪状の嵌合部57c
を形成されている。段差部57bには隔壁47の大径の
円筒部47cの端部が挿入され、第2の軸受49の円筒
部49bが中心孔57aを貫通して流体室56側に突出
し、円筒部47cの外周と段差部57bの内周との間に
は、合成ゴム製Oリングなどの弾性体シール部材58が
隔壁47の中心軸に対して円周方向に圧縮されて配され
ている。第2の軸受49のつば部49cは、取り付け板
57の段差部57bの底面57dと隔壁47のつば47
eとに挟まれて保持されている。取り付け板57の隔壁
47側平面にはステータ46が当接して配されていて、
このステータ46と隔壁47を押しつけて取り付け板5
7との間に挟み込んで、両端を取り付け板57の嵌合部
57cに嵌合されて、概ねコの字形状の支持フレーム5
9が配されている。支持フレーム59にはステータ46
に係合可能な係合部59bが形成され、ステータ46の
回転を防止している。
【0034】なお、この例では係合部59bは背面から
見ると凸字形状であり、先端部を電磁ヨーク44に開口
した孔に差し込んで係合し、凸字の段差部で電磁ヨーク
44を取り付け板57側へ付勢している。ステータ46
とシール部材58との間には、シール部材58が取り付
け板57の段差部57bから脱落することを防止するバ
ックアップリング60が配されている。取り付け板5
7、支持フレーム59の材質は表面処理された鋼板、ス
テンレス鋼板、銅合金板、アルミニウム合金板など耐ガ
ス性、耐腐食性と、強度を持った材料なら特に指定はな
いが、経済的理由から表面処理された鋼板が選択しやす
い。
【0035】流体室56内に配された移動体61は、中
心孔61aが回転軸53の送りネジ54に螺合し、ステ
ータ46側に概ね円盤状のバネ受け61bを形成され、
他端に径の太い係合リング部61cを形成され、それら
の間に径の細い円筒部61dを形成されている。バネ受
け61bの外周には、第2の軸受49のリブ50と係合
可能な凹状部61e(図示せず)が、円周上で90°の
間隔に4カ所に成形されている。この凹状部61eがリ
ブ50と係合することで、移動体61と軸受49との回
転が防止され、送りネジ54の回転動作が移動体61の
前後動作に変換される。移動体61の材料は、ポリアセ
タール(POM)、ポリアミド(PA)およびポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)粉末や黒鉛粒子を配合
された各種合成樹脂などの、自己潤滑性を有する合成樹
脂が選択可能であるが、摩擦係数の低さや経済的理由か
らポリアセタールが最適である。
【0036】弁体62は、流体室56内に形成された弁
座65に当接可能な概ね円盤状で合成ゴムなどの可撓体
性の弁シート63と、弁シート63のステータ46側面
に当接して配された合成樹脂など剛体製の弁シート保持
部材64とで構成されている。弁シート63は貫通孔が
なく、外周に係合リング部63aを形成し、弁シート保
持部材64を抱き込むようにして遊嵌している。弁シー
ト保護部材64は、ステータ46側に突出し、内径が移
動体61の係合リング部61cの外径とほぼ等しく軸方
向に縦割り64aが形成された円筒部64bを有し、こ
の円筒部64bの端に、内径が移動体61の係合リング
部61c外径より細く移動体61の円筒部61d外径と
ほぼ等しい、内側に突出した係合爪64cを有し、移動
体61と係合して配されている。弁シート保持部材64
の円筒部64b先端と移動体61のバネ受け61bとの
間には隙間69が設けられている。弁シート保持部材6
4の材料は、ポリアセタール(POM)、ポリアミド
(PA)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)とい
った、耐ガス性を有する合成樹脂材料が望ましい。
【0037】移動体61と弁シート保持部材64との間
には、弁シート保持部材64の円筒部64b外径とほぼ
等しい内径を有するコイルスプリング66が圧縮して保
持されている。
【0038】そして、この移動体61と弁体62とで弁
機構を構成している。
【0039】ロータ55のスリーブ54と第1の軸受4
8、第2の軸受49との間には、ポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)や黒鉛粒子を配合したポリアミド
(PA)などの自己潤滑性を有する合成樹脂製のスラス
トワッシャ67、68が配されている。
【0040】次にこの実施例1の遮断弁の動作、作用に
ついて説明する。
【0041】ガスの使用状態が異常でなく、各種センサ
ーからの信号が危険を示していない時、マイコンメータ
の制御部(ここまで図示せず)からの通電はなく、遮断
弁は図1に示したように移動体61はステータ46側に
あり、弁体62は弁座65から離れた開弁状態を保持
し、ガスが流通可能である。
【0042】ガスの使用状態が異常であるか、各種セン
サーからの信号が危険を示している時、マイコンメータ
の制御部は励磁コイル43の各導線42に位相差を持っ
たパルス状電流を印加し、ロータ55を正回転させる。
移動体61は凹状部61eがリブ50と係合し回転を防
止されているため、ロータ55に連動した送りネジ54
の回転動作は移動体61の前後動作に変換され、移動体
61と係合している弁体62は、弁シート63が弁座6
5に当接する位置に移動し、図2に示した状態になる。
さらに移動体61が弁座65側に前進すると、コイルス
プリング66がより圧縮され、弁シート保持部材64の
円筒部64b先端と移動体61のバネ受け61bとが当
接し、弁シート63が撓み、圧縮され、ついに移動体6
1の反発力が送りネジ54の推力より大きくなり、ロー
タ55の回転が停止する。こうして、弁体62は弁座6
5にコイルスプリング66で付勢され、ガスが遮断され
る。この閉弁状態の遮断弁を図3に示した。
【0043】この後、マイコンメータの制御部が通電を
停止しても、ロータ55は保持トルクのため状態を保持
し、したがって弁体62は弁座65にコイルスプリング
66で付勢された閉弁状態を保持する。
【0044】各種センサーからの信号から危険が解除さ
れ復帰可能とマイコンメータの制御部が判断した場合
や、ガス利用者が危険状態を復旧し、メータやリモート
コントロール盤に設けられた復帰スイッチを操作した場
合、ガス供給業者などが通信による遠隔復帰命令を発信
した場合などには、マイコンメータの制御部は励磁コイ
ル43の各導線42に逆位相差を持ったパルス状電流を
印加し、ロータ55を逆回転させる。すると送りネジ5
4に送られて移動体61はステータ46側に移動し、弁
体62は弁座65から離脱し、ガスが流通可能になる。
移動体61はさらにステータ46側に移動し、ついに移
動体61が第2の軸受49に当接し移動下死点となって
ロータ55の回転が停止する。この後マイコンメータの
制御部が通電を停止しても、ロータ55は保持トルクの
ため状態を保持し、図1に示した開弁状態を保持する。
【0045】さて、この種の第1の軸受が隔壁に圧入さ
れている遮断弁が熱ストレスを受けた場合、第1の軸受
膨張収縮を繰り返し、一方隔壁は金属製のため膨張収縮
量が小さく、特に高温時は第1の軸受が膨張しようとす
るにもかかわらず隔壁があまり膨張しない、すなわち線
膨張係数の差のため第1の軸受の嵌挿部は内部応力が小
さくなる方向にクリープ変形し、この結果長期の使用期
間中に第1の軸受と隔壁の嵌合が緩んだり、緩んで浮き
上がり次に高温状態になった場合は熱膨張によって浮き
上がった位置で再度締りロータの回転抵抗を増大させる
といった問題点があるが、本実施例の遮断弁は、第1の
軸受48の挿入部48b外径が隔壁47の円筒部47d
内径より若干(前記の例では常温で0.05mm)細く回
動可能に遊挿されているため熱膨張した場合でも締り嵌
めにならないため過度の応力を受けることがなく、結果
として熱ストレスによってクリープ変形を起こしにく
い。また、浮き上がったり傾いた中途半端な位置で保持
されることがないため、ロータ55のスラストストレス
を増大させない。また、挿入部48bからの締付応力が
ないため、中心穴48aに変形が及びにくい。
【0046】さらに、第1の軸受48の中心穴48aは
非貫通であり、この中心穴48aの裏面中央に成形ゲー
ト48cを設けたため、成型時の樹脂の流れが均一に放
射状に広がり残留応力が円周方向で均一な軸受を成形で
き、温度変化を受けた場合の膨張収縮を均一にできるた
め、隔壁47と第1の軸受48とのクリアランス(前記
の例では常温で0.05mm)を小さくできロータ55の
軸ずれを小さくした信頼性の高い遮断弁を実現できる。
【0047】さらに、隔壁47を2段の底を有するなべ
状に成形しているため、組立時に隔壁47の大径の円筒
部47cを変形させたり、第1の軸受48の挿入部48
bを磨耗させたりすることがなく、信頼性の高い遮断弁
を実現できる。
【0048】なお、図1において、励磁コイル43、第
1の電磁ヨーク44、第2の電磁ヨーク45のセットは
2セットとしたが、3セットでも、より多数でもよい。
また、ステータ46、隔壁47は支持フレーム59で取
り付け板57に嵌着するとしたが、支持フレームがなく
相互に溶接で固定されていてもよい。また、第2の軸受
49にリブ50を設け、移動体61に凹状部61eを設
けるとしたが、第2の軸受に溝を設け、移動体に凸状部
を設けて係合させ回転防止手段としてもよく、取り付け
板もしくは第2の軸受に中心からオフセットした棒を突
出させ、移動体に穴もしくは溝を形成し係合させること
によって回転防止手段としてもよい。また、スラスト軸
受は滑り軸受であるスラストワッシャ67、68とした
が、ボールベアリングなどの転がり軸受でもよい。ただ
し、マイコンメータの遮断弁の場合は、長期間にわたっ
て開弁静止状態で放置されることが多いため、潤滑油の
使用は好ましくない。また、直動機構は送りネジ52と
移動体61の係合部とのネジ機構としたが円筒カム機構
でもよく、送りネジ52は回転軸53に形成している
が、回転軸から減速機構を経て直動機構へ入力してもよ
い。また、弁体62と移動体61とは別部品としたが、
一体的に構成されてもよい。弁シート63は弁シート保
持部材64を抱き込んでいるとしたが、中央で嵌合して
もよく、弁シート保持部材に中心軸を形成して弁シート
を気密に貫通させ別の固定部材で締結してもよい。
【0049】(実施例2)図4は本発明の実施例2の遮
断弁の開弁状態の断面図である。
【0050】実施例1と同一符号のものは同一構造を有
し、説明は省略する。また、各部詳細は第1実施例と同
様のため、説明は省略する。
【0051】実施例1と異なる点は、隔壁77は小径部
77d内側側面に凸状の突起77fを形成され、第1の
軸受78は前記突起77fに対向した外周部溝78eを
成形された点である。
【0052】この突起77fと外周部溝78eとの係合
は、低温側の温度変化によって第1の軸受78の挿入部
78b外径が収縮した場合でもはずれない程度の微小な
ものでよく、実施例1の径と線膨張係数および常温と最
低温度との差を50℃とすると、係合しろは最低0.3
mmであり、第1の軸受78の挿入部78b外径が常温に
おいて5.95mmとすると、突起77f内径または内接
円径は5.9mm程度が望ましく、外周部溝径は5.8mm
以下が望ましい。そして、第1の軸受78は隔壁77に
スナップフィットのように挿入される。
【0053】この遮断弁の動作は、実施例1と同じであ
るので、説明を省略する。
【0054】次に、実施例2記載の遮断弁の作用につい
て説明する。隔壁77の小径部77d内側側面の突起7
7fと第1の軸受78の外周溝部78eとが係合するこ
とによって、第1の軸受78が軸方向に移動する距離す
なわち浮き上がりを制限できるため、よりロータ55に
スラストストレスを与えない、信頼性の高い遮断弁を実
現できる。
【0055】なお、突起77fは回転対象位置に数点形
成された突起でも、円周全体にわたってリング状に形成
された突起でもよい。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ロータと
ステータとの気密を保持する隔壁を貫通穴のない2段の
底を有するなべ状に成形されたものとし、この隔壁の小
径部内径より若干小さい挿入部外径を有する合成樹脂製
の第1の軸受をこの隔壁の小径部に回動可能に遊挿して
配し、概ねふた状の合成樹脂製の第2の軸受をこの隔壁
の大径のなべ側面の開放端側に嵌挿して配したことによ
り、第1の軸受が隔壁に圧入されていないため過度の応
力を受けることがなくクリープ変形を起こしにくく、回
動可能に遊挿されているため浮き上がったり傾いた中途
半端な位置で保持されないためロータのスラストストレ
スを増大せず、過度の応力によるクリープで中心穴が縮
小しないため回転軸をロックしない、信頼性の高い遮断
弁を実現できるいった有利な効果を有する。さらに、組
立時に隔壁の大径の円筒部を変形させたり、第1の軸受
を磨耗させたりすることがない、信頼性の高い遮断弁を
実現できるいった有利な効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の遮断弁の開弁状態の断面図
【図2】同遮断弁の遮断動作中の断面図
【図3】同遮断弁の閉弁状態の断面図
【図4】本発明の実施例2の遮断弁の開弁状態の断面図
【図5】従来の遮断弁の開弁状態の断面図
【符号の説明】
43 励磁コイル 46 ステータ 47、77 隔壁 48、78 第1の軸受 48c 成形ゲート 49 第2の軸受 55 ロータ 53 回転軸 61 移動体(弁機構) 62 弁体(弁機構) 77f 突起 78e 外周部溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H062 AA02 AA12 BB33 CC01 EE06 FF41 GG02 HH02 5H607 AA08 BB01 BB14 CC05 DD03 EE52 FF01 GG08 JJ10

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励磁コイルを有するステータと、前記ス
    テータの内側に同軸に配され貫通穴のない2段の底を有
    するなべ状に成形された隔壁と、前記隔壁の小径部内径
    より若干小さい挿入部外径を有し前記隔壁の小径部に回
    動可能に遊挿された中心穴を有する合成樹脂製の第1の
    軸受と、前記隔壁の大径のなべ側面の開放端側に嵌挿さ
    れた中心孔を有する概ねふた状の合成樹脂製の第2の軸
    受と、前記隔壁の内側に前記ステータに対向して配され
    たロータと、前記第1、第2の軸受に回転可能に緩挿さ
    れた前記ロータの回転軸と、前記第2の軸受から外側に
    突出した前記回転軸に配された弁機構とで構成されたこ
    とを特徴とする遮断弁。
  2. 【請求項2】 隔壁は小径部内側側面に凸状の突起を形
    成され、第1の軸受は前記突起に対向した外周部溝を成
    形された請求項1記載の遮断弁。
  3. 【請求項3】 第1の軸受の中心穴は非貫通であり、こ
    の中心穴の裏面中央に成形ゲートを設けた請求項1また
    は請求項2記載の遮断弁。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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