JP3826429B2 - 遮断弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスの事故を未然に防ぐガス遮断装置の遮断アクチュエータとして使用される遮断弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ガス事故を未然に防ぐため、従来より種々の安全装置が利用されており、中でもガスメータに内蔵され流量センサによりガスの流量を監視しマイクロコンピュータによりガスの使用状態を異常使用と判断した場合や、地震センサ、ガス圧力センサ、ガス警報器などのセンサの状況を監視し危険状態と判断した場合は、ガスメータに内蔵された遮断弁によりガスを遮断する電池電源によるマイクロコンピュータ搭載ガス遮断装置内蔵ガスメータ(以下マイコンメータと省略する)は、安全性、ガス配管の容易性、低価格等の優位性のため、普及が促進され、近年ほぼ全世帯普及が実施されるに至っている。
【0003】
また、流量センサによって計測されたガス流量情報を電話回線などを利用して集中監視するテレメータ機能を有した、集中監視型マイコンメータの比率も増加し、ますます、情報端末として利便性の向上が求められている。従来マイコンメータの遮断弁としては、電池の電力消耗を抑えるためガス遮断動作の瞬間のみ電流を印加し、閉弁保持、開弁保持は電力エネルギーを必要とせず、ガス復帰動作は主に人が復帰操作部に加えた機械エネルギーを可動部に伝達することによってなされる形式の自己保持型電磁ソレノイドをアクチュエータとした遮断弁が主に利用されていた。
【0004】
しかし、このガス復帰のための復帰操作は、わざわざ屋外のガスメータに人が足を運ぶ必要があったり、操作荷重が重く高齢者などの操作ミスなどのため、ガス供給事業者が呼び出されることが多く、ガス供給事業者の負担となってきている。そこで近年、簡単な電気スイッチ操作や電話回線などによる遠隔操作でガス復帰可能なようにマイコンメータに搭載した電池による電気エネルギーでガス遮断もガス復帰も可能で開弁状態と閉弁状態の保持はエネルギーを必要としない遮断弁が要求されている。
【0005】
一般にガス用の遮断弁は、ガス圧力を閉弁信頼性向上に利用する目的で、閉弁時に上流側のガス圧力が閉弁方向に付勢するよう配されていて、例えばその付勢力は弁座径を28mmとすると標準的な燃料用ガスの供給圧力250mm水柱で約150gfとなり、また下流流路系が閉塞していて温度変化等が大きく作用した場合約600gfに達することがある。この現象は電池電源で開弁動作を要求されるマイコンメータ用の双方向遮断弁においては重要な技術課題であり、弁座に対して小径の副弁を形成するなどの技術が考案されている。
【0006】
以下に従来の遮断弁について説明する。
従来の遮断弁に関して、特開平6−50455号公報に開示されているものを例にして説明する。その遮断弁の断面図を図5に示した。図5において、大ノズル101を閉塞するように設けた大弁体102と、この大弁体102に、大弁体102に貫通するよう設けた小ノズル103と、この小ノズル103を閉塞するように設けられた小弁体121と、この小弁体121に設けられた可動鉄芯106と、この可動鉄芯106を小ノズル103から引き離す方向に吸引する固定鉄芯107と、この固定鉄芯107を磁化するソレノイド108と、小弁体121が小ノズル103から離れる方向に移動可能なよう間隙S1をあけて、小弁体121と大弁体102とを連結する連結部材122と、この連結部材122に設けられ、小弁体121が小ノズル103から離れる方向に移動した際に、弾性力を介して小弁体121の力を連結部材122に伝え、大弁体102を大ノズル101から引き離す方向に移動する大ノズル解放用バネ110とを備えてなり、連結部材122は可動鉄芯106が固定鉄芯107に密着する直前で、間隔S1が零になって、小弁体121の力を連結部材122に直接伝えるように遮断弁が構成されている。
【0007】
間隙S1は、可動鉄芯106のストロークS2よりも1〜3mm短く設定されている。小弁体121には、小弁体121を小ノズル103に押しつけ、さらに大弁体102を大ノズル101に押しつけて、大ノズル101及び小ノズル103を閉塞するノズル閉塞用バネ111が設けられている。閉弁時において、ガス圧力は大弁体102を閉弁方向に付勢するように遮断弁が流路内に配置されている。
【0008】
以上のように構成された遮断弁について、以下その動作を説明する。閉弁状態においては、図5に示すように、ノズル閉塞用バネ111の付勢力によって、大弁体102が大ノズル101に当接し、小弁体121が小ノズル103に当接してガスが遮断されている。復帰動作においては、まずソレノイド108に通電すると、可動鉄芯106が固定鉄芯107に吸引されて移動し、最終的には可動鉄芯106が固定鉄芯107に密着する位置まで移動する。
【0009】
この際、小弁体121は、可動鉄芯106とともに、開放側に移動するので、小ノズル103が開放して、上流側に在する高圧のガスが、小ノズル103を通って大ノズル101側の下流側に流れる。そして、可動鉄芯106が固定鉄芯107に近接するにしたがって、大ノズル開放用バネ110の圧縮量が増加してゆき、大弁体102を開放方向に移動する力が増加する。
【0010】
また、大ノズル101の下流側の圧力が小ノズル103から流入するガスによって、徐々に増加し、上流側と下流側との圧力差が徐々に小さくなる。このため、大ノズル開放用バネ110の力が、大ノズル101の上流側と下流側との圧力差より大きくなった時点で、大弁体102が大ノズル101から離れ始める。
【0011】
また、ガス中のドレーン成分の付着によって大ノズル開放用バネ110の付勢力だけでは大弁体102を大ノズル101から引き離すのが困難な状態になった場合は、可動鉄芯106が固定鉄芯107に密着する直前で、小弁体121が連結部材122に当接するので、可動鉄芯106が固定鉄芯107に近接した際の大きな吸引力が連結部材122に直接作用する。
【0012】
このため、大弁体102が大ノズル101から容易に離れ始める。そうなると、ドレーン成分による粘着作用がなくなり、しかもガスが大ノズル101から下流側に大量に流れ始め、上流側と下流側との圧力差が急激に小さくなる。このため、大ノズル開放用バネ110の付勢力によって、大弁体102が開放方向にさらに移動して、大ノズル101が完全に開いた状態になる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、遮断弁の弁体の弁座当接部は合成ゴムによって形成されている。合成ゴムは、表面に粘着性を有し、特に低温時においては、粘着性の温度特性によって合成ゴム製の弁体が弁座に粘着する力が増加する。さらに、その粘着力は閉弁時におけるバネなどの当接圧力に影響される。
【0014】
例えば直径4mm程度の副弁ノズルに、約150gfのバネ荷重で合成ゴムを押しつけた場合、−30℃の低温下においては、ゴムの種類によってはバネ荷重の他に約100gf程度の粘着力が発生することを、実験的に確認している。この粘着力は復帰動作時に動作を阻害する方向に作用するので、復帰動作の信頼性を増すための構造が要求される。
【0015】
しかしながら、前記の従来の遮断弁においては、小弁体121と一体的に可動鉄芯106が設けられているため、閉弁から開弁への復帰動作においては、まず最初に小弁体121が小ノズル103から離脱して移動を開始する必要がある。
【0016】
しかしながら、小弁体121が小ノズル103から離脱すべき位置においては、可動鉄芯106と固定鉄芯107の間の磁気ギャップが大きく、ソレノイドの吸引力は磁気ギャップが小さい場合と比較して小さい。したがって、特に低温下などにおいては、前記合成ゴムの粘着力によって、小弁体121が小ノズル103から離脱できず、復帰動作が失敗する可能性が高いといった課題がある。
【0017】
本発明は、かかる従来の課題に鑑み、低温下における合成ゴムの粘着などの復帰動作阻害要因に対して、耐性のある副弁構造を提案することによって、復帰動作信頼性の高い遮断弁を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明の遮断弁においては、弁座と、この弁座に当接可能で貫通したノズルを有する弁体と、ノズルを貫通し弁座側の一端に抜け防止手段を有し、弁体の上流側のノズルの周辺に当接することによってノズルを開閉可能な副弁部を有し、他端が可動鉄芯と摺動可能に連結され、可動鉄芯の移動距離を制限する第1の移動制限手段及び第2の移動制限手段を有した弁軸と、可動鉄芯を固定鉄芯から離反する方向に付勢する第1の弾性体と、第1の弾性体より付勢力が弱い第2の弾性体とを備え、第1の弾性体は、弁体が閉状態にあるとき可動鉄心を第1の移動制限手段で規制される位置まで付勢し弁軸を介して弁体を弁座側に付勢すると共に、弁体を閉状態から開状態に復帰するとき可動鉄心を第1の弾性体の付勢力に抗して固定鉄心側に移動させ弁体に作用していた第1の弾性体の付勢力を解除し、第2の弾性体の付勢力によって前記弁体を開弁するようにしている。
【0019】
この本発明によれば、弁体を閉状態から開状態に復帰するとき可動鉄心を第1の弾性体の付勢力に抗して固定鉄心側に移動させ弁体に作用していた第1の弾性体の付勢力を解除するように構成しているため、弁軸の副弁部には弁体のノズルから離反する比較的強い荷重が働くため、低温下における合成ゴムの粘着やガス中のドレーン成分などの外来粘着物の副弁への付着といった復帰阻害要因に対して、比較的容易に副弁を開弁できるという効果が得られる。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、弁座と、この弁座に当接し閉状態を形成すると共に中央部に開閉自在に開口したノズルを有する弁体と、前記弁座の上流に配された電磁ソレノイドと、前記電磁ソレノイドの通電により励磁され吸引力を発生する固定鉄心と、前記固定鉄心の吸引力の有無に応じて前記弁座に接近または離反する方向に移動する可動鉄心と、一端が前記ノズルを貫通して抜け防止手段を介して前記弁体に係合すると共に他端が前記可動鉄心の貫通孔に挿通して構成され前記可動鉄心の移動に伴って前記ノズルを開閉する副弁部と前記可動鉄心の弁座側への移動距離を制限する第1の移動制限手段と前記可動鉄心が固定鉄心に吸引される際の移動距離を制限する第2の移動制限手段を有した弁軸と、前記弁体が閉状態において弁座側に付勢する第1の弾性体と、前記弁軸を可動鉄心側に付勢する第2の弾性体とを備え、前記第1の弾性体は、前記弁体が閉状態にあるとき前記可動鉄心を第1の移動制限手段で規制される位置まで付勢し前記弁軸を介して前記弁体を弁座側に付勢すると共に、前記弁体を閉状態から開状態に復帰するとき前記可動鉄心を第1の弾性体の付勢力に抗して固定鉄心側に移動させ前記弁体に作用していた第1の弾性体の付勢力を解除し、前記第2の弾性体の付勢力によって前記弁体を開弁するようにしたものである。
【0021】
その作用は、閉弁から開弁への復帰動作時において、まず電磁ソレノイドに励磁された可動鉄芯が第1および第2の弾性体の弾性力に抗して固定鉄芯に接近する方向に移動し、弁軸の第2の移動制限手段に当接する。このときは、可動鉄芯と固定鉄芯間の磁気ギャップがある程度減少し電磁吸引力が復帰動作初期より増大しているので、弁軸の副弁部には弁体のノズルから離反する比較的強い荷重が働く、また、可動鉄心が固定鉄心側に移動することにより弁体に作用していた第1の弾性体の付勢力が解除されるため、低温下における合成ゴムの粘着やガス中のドレーン成分などの外来粘着物の副弁への付着といった復帰阻害要因に対して、比較的容易に副弁を開弁できる。
【0022】
また、復帰動作の初期状態すなわち電磁ソレノイドの磁気ギャップが大きく吸引力が小さい状態においては、移動を阻害する大きな要因が存在しないため、比較的弱い吸引力で可動鉄芯の移動が可能で、したがって、電磁ソレノイドに印加する電流を小さくすることができ、省電力の遮断弁を実現できる。
【0023】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の項目に加えて、弁体はノズル近傍が可撓体で、弁軸が固定鉄芯に近づく方向に移動した際に変形し、副弁部との間に部分的な貫通穴ができるよう形成されたものである。
【0024】
その作用は、可動鉄芯が弁軸の第2の移動制限手段に当接し弁軸が弁座から離反する方向へ移動を開始したとき、弁軸の抜け防止手段が弁座側から弁体のノズル近傍の可撓体部を押して変形させ、弁軸の副弁部とノズルとの間に部分的に貫通穴が形成され副弁が開弁して弁体上下流の均圧がはかられると同時に、弁体の可撓体部の変形による内部応力によって、弁体を弁座から引き離す方向に比較的大きな力が働くため、低温下における合成ゴムの粘着や、ガス中のドレーン成分などの外来粘着物の弁体および副弁への付着といった、復帰阻害要因に対して、弁体、副弁ともに強い耐性を有するという作用を有する。
【0025】
本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の項目に加えて、可動鉄芯は軸方向に貫通穴を有し、弁軸は一端が前記貫通穴に挿入され、先端に第2の移動制限手段を配され、第2の弾性体は前記可動鉄芯と前記第2の移動距離制限手段の間に圧縮されて配されたものである。
【0026】
そして、第2の移動制限手段と第2の弾性体を可動鉄芯に内蔵する構成になっているため、遮断弁を小型化できると同時に、電磁ソレノイドからの突出しろを小さくでき横向き設置時に可動鉄芯に対する垂直荷重を小さくでき、可動鉄芯と電磁ソレノイドとの摩擦を小さくできるため、動作耐久性の高い省電力の遮断弁を実現できるという作用を有する。
【0027】
本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3記載の項目に加えて、弁体は弁座側の反対面に剛体部を有し、可動鉄心の弁体側端部に第1の弾性体の受け部を有した当接手段を設け、閉弁状態において前記当接手段を前記剛体部に近接または当接する構成としたことを特徴とするものであり、閉弁状態で弁体の上下流に大きな差圧が発生した場合、前記当接手段が前記剛体部に当接し、弁体の可撓体部に大きなストレス荷重が加わることを防止し、これより副弁部の耐久性の高い遮断弁を実現できるという作用を有する。
【0028】
以下、本発明の実施例について、図1から図4を用いて説明する。
(実施例1)
図1は本発明の実施例1の遮断弁の復帰動作の途中状態の断面図を示すものである。図1において、弁座1の上流に配され、弁座1に当接可能で中央に貫通したノズル3を有する弁体2と、弁座1の上流に配された電磁ソレノイド4と、電磁ソレノイド4に励磁され、弁座1と接近または離反する方向に運動可能な可動鉄芯6と、可動鉄芯6を吸引する固定鉄芯5と、ノズル3を貫通し、弁座1側の一端にぬけ防止手段8を有し弁体2の上流側のノズル3の周辺に当接することによってノズル3を開閉可能な副弁部9を有し、他端が可動鉄芯6と摺動可能に連結され、可動鉄芯6の弁体2に近づく方向への移動距離を制限する第1の移動制限手段10と、可動鉄芯6が固定鉄芯5に吸引される途中段階で可動鉄芯6と離反する方向への移動距離を制限する第2の移動制限手段11を有した弁軸7と、可動鉄芯6を固定鉄芯5から離反する方向に付勢する第1の弾性体12と、弁軸7を可動鉄芯6に近づける方向に付勢する第1の弾性体12より弱い第2の弾性体13とで遮断弁が構成されている。
【0029】
固定鉄芯5の外側の端には開弁状態を保持するための永久磁石16が配され、永久磁石16の端と接し電磁ソレノイド4を取り巻くようにコの字型の第1の継鉄17が、弁体2と電磁ソレノイド4との間に中央に穴を有する第2の継鉄18が配されている。電磁ソレノイド4の内側にはパイプ19が配され、パイプ19と固定鉄芯5、パイプ19と第2の継鉄18との間にそれぞれシール部材20、21が配されている。可動鉄芯6は軸方向に貫通穴6aを有し、貫通穴6aの弁軸7側の端6bは内径が細くなっている。
【0030】
弁軸7は一端7aが細く形成され、前記貫通穴6aに挿入された後、先端に第2の移動制限手段11が係止されている。第2の移動制限手段11と可動鉄芯6の端6bとの間にコイルスプリングで構成された第2の弾性体13が圧縮され配設されている。第2の移動制限手段11はここでは嵌合爪を持つ合成樹脂製の部材であるが、弁軸7にかしめられた金属部材でもよく、また、弁軸7自身の端部を塑性変形させることによって形成されてもよい。
【0031】
弁軸7の弁体2側の端7bには、貫通穴6aより径が太い部分すなわち第1の移動制限手段10と、弁体2のノズル3より径が太い部分すなわち抜け防止手段8が形成され、弁体2はノズル3から弁座1当接部2aまで一体的に形成された合成ゴムなどの可撓体製のバルブシート22と、前記バルブシート22の弁座2の裏側に配されノズル3より大きな中心穴23aを有する合成樹脂または金属などの剛体製のホルダー23とで構成され、ノズル3に抜け防止手段8を挿入することによって、弁軸7の端7bに弁体2が組み立てられている。
【0032】
第1の移動制限手段10の弁体2側の裏面にはノズル3に当接可能な面すなわち副弁部9が形成され、ノズル3の電磁ソレノイド4側の面には円周状の突起3aが形成され、副弁部9とで開閉可能な弁構成になっている。ノズル3の弁座1側の面には、弁軸7の第1の移動制限手段10と抜け防止手段8との間の細軸部7cとほぼ内径が等しい、複数本の突起22aが中心軸に向かって突出しており、副弁部9が開弁したときに弁体2と弁軸7の中心軸がずれないよう位置決めしている。したがって、副弁部9開弁時のノズル3の流体導通穴はこの突起22aを除いた間隙部となる。
【0033】
可動鉄芯6の弁体2側の端にはスプリング受け24が配されており、コイルスプリングよりなる第1の弾性体12はスプリング受け24と第2の継鉄18との間に圧縮されて配設されている。ここではスプリング受け24は嵌合爪を持つ合成樹脂製の部材であるが、可動鉄芯6にかしめられた金属部材でもよく、また可動鉄芯6と一体的に形成されていてもよい。
【0034】
また第1の弾性体12は、固定鉄芯5と可動鉄芯6との間に圧縮されて配設されていてもよい。可動鉄芯6はパイプ19と摺動し、弁軸7と摺動するため、摩擦係数を低減する表面処理を施されていることが望ましい。弁軸7は、磨耗粉等の付着を防止するために非磁性材料性であることが望ましい。
【0035】
次に以上のように構成された遮断弁の動作を以下に説明する。
閉弁状態においては、図2に示したように、可動鉄芯6は固定鉄芯5との間に磁気ギャップを形成し、第1の弾性体12の反発力で弁座1の方向へ付勢され、第1の移動制限手段10に当接し、弁軸7を弁座1方向に付勢している。
【0036】
副弁部9はバルブシート22の突起3aに当接し副弁を閉弁すると同時に、弁体2を弁座1の方向に付勢し、弁体2と弁座1が当接して閉弁状態となっている。このとき、上下流の差圧が大きい場合はバルブシート22の中央部が下流側にたわみ変形を起こすが、ある一定以上のたわみとなったとき、スプリング受け24がホルダー23に当接し、バルブシート22のノズル3部に過大なストレスが加わることを防止する。
【0037】
次に、復帰動作時においては、電磁ソレノイド4に電流が印加され可動鉄芯6を励磁して固定鉄芯5との間の吸引力を増大させる。このため、可動鉄芯6は第1の弾性体12の付勢力に抗して固定鉄芯側5に移動する。ここで、上下流の差圧が充分小さくまた、弁体2と弁座1との粘着が充分小さい場合は、弁軸7および弁体2は第2の弾性体13に付勢されて可動鉄芯6と同時に固定鉄芯5側に移動し開弁する。
【0038】
一方、上下流の差圧が大きくまたは、弁体2と弁座1との粘着が大きい場合は、まず弁体2および弁軸7は閉弁状態の位置を保ったまま可動鉄芯6が第1の弾性体12および第2の弾性体13の付勢力に抗して固定鉄芯側5に移動する。このときは、電磁ソレノイド4の磁気ギャップが大きく吸引力が小さいが、可動鉄芯6の移動を阻害する大きな要因が存在しないため、比較的弱い吸引力で移動が可能であり、すなわち、小さな電力で可動鉄芯6が移動可能である。
【0039】
そして図1に示したように第2の移動制限手段11に当接し、弁軸7を電磁ソレノイド4方向へ吸引し、バルブシート22の内部応力に抗してノズル3から副弁部9が離れ副弁が開弁し、図3に示したように可動鉄芯6が固定鉄芯5に当接し吸着保持される。
【0040】
このとき、可動鉄芯6と固定鉄芯5間の磁気ギャップがある程度減少し電磁吸引力が復帰動作初期より増大しているので、副弁部9にはノズル3から離反する比較的強い荷重が働くため、低温下における合成ゴムの粘着やガス中のドレーン成分などの外来粘着物の副弁部9への付着といった復帰阻害要因に対して、比較的容易に副弁部9を開弁できる。そして、ガス25が下流に流れ上下流の差圧が低くなった時点で、第2の弾性体13及びバルブシート22の内部応力に付勢され弁体2が弁座1から離れ、第2の弾性体13の付勢力によって弁体2が電磁ソレノイド4の方向に移動し図4に示したごとく遮断弁が開弁する。
【0041】
このときは、バルブシート22の内部応力が比較的大きいため、弁座1と弁体2間に低温下における合成ゴムの粘着やガス中のドレーン成分などの外来粘着物の付着といった復帰阻害要因がある場合も比較的容易に弁体2は弁座1から離脱可能である。
【0042】
このように、実施例1の遮断弁は、低温下における合成ゴムの粘着やガス中のドレーン成分などの外来粘着物の付着といった復帰阻害要因に抗して、比較的小電力で復帰動作を行うことができる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1によれば、閉弁から開弁への復帰動作時において、まず電磁ソレノイドに励磁された可動鉄芯が第1および第2の弾性体の弾性力に抗して固定鉄芯に接近する方向に移動し、弁軸の第2の移動制限手段に当接し、このときは、可動鉄芯と固定鉄芯間の磁気ギャップがある程度減少し電磁吸引力が復帰動作初期より増大しているので、弁軸の副弁部には弁体のノズルから離反する比較的強い荷重が働くため、低温下における合成ゴムの粘着やガス中のドレーン成分などの外来粘着物の副弁への付着といった復帰阻害要因に対して、比較的容易に副弁を開弁できる。
【0044】
また、復帰動作の初期状態すなわち電磁ソレノイドの磁気ギャップが大きく吸引力が小さい状態においては、移動を阻害する大きな要因が存在しないため、比較的弱い吸引力で可動鉄芯の移動が可能で、したがって、電磁ソレノイドに印加する電流を小さくすることができ、省電力の遮断弁を実現できるという有利な効果が得られる。
【0045】
また本発明の請求項2によれば、可動鉄芯が弁軸の第2の移動制限手段に当接し弁軸が弁座から離反する方向へ移動を開始したとき、弁軸の抜け防止手段が弁座側から弁体のノズル近傍の可撓体部を押して変形させ、弁軸の副弁部とノズルとの間に部分的に貫通穴が形成され副弁が開弁して弁体上下流の均圧がはかられると同時に、弁体の可撓体部の変形による内部応力によって、弁体を弁座から引き離す方向に比較的大きな力が働くため、低温下における合成ゴムの粘着や、ガス中のドレーン成分などの外来粘着物の弁体および副弁への付着といった、復帰阻害要因に対して、弁体、副弁ともに強い耐性を有するという有利な効果が得られる。
【0046】
また本発明の請求項3によれば、第2の移動制限手段と第2の弾性体を可動鉄芯に内蔵する構成になっているため、遮断弁を小型化できると同時に、電磁ソレノイドからの突出しろを小さくでき横向き設置時に可動鉄芯に対する垂直荷重を小さくでき、可動鉄芯と電磁ソレノイドとの摩擦を小さくできるため、動作耐久性の高い省電力の遮断弁を実現できるという有利な効果が得られる。
【0047】
また本発明の請求項4によれば、閉弁状態で弁体の上下流に大きな差圧が発生した場合、当接手段が剛体部に当接し、弁体の可撓体部に大きなストレス荷重が加わることを防止し、これより副弁部の耐久性の高い遮断弁を実現できるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1による遮断弁の復帰動作の途中状態を示す断面図
【図2】同遮断弁の閉弁状態を示す断面図
【図3】同遮断弁の復帰動作の途中のガスが下流に流れる状態を示す断面図
【図4】同遮断弁の開弁状態を示す断面図
【図5】従来の遮断弁の断面図
【符号の説明】
1 弁座
2 弁体
3 ノズル
4 電磁ソレノイド
5 固定鉄芯
6 可動鉄芯
7 弁軸
8 抜け防止手段
9 副弁部
10 第1の移動制限手段
11 第2の移動制限手段
12 第1の弾性体
13 第2の弾性体
Claims (4)
- 弁座と、この弁座に当接し閉状態を形成すると共に中央部に開閉自在に開口したノズルを有する弁体と、前記弁座の上流に配された電磁ソレノイドと、前記電磁ソレノイドの通電により励磁され吸引力を発生する固定鉄心と、前記固定鉄心の吸引力の有無に応じて前記弁座に接近または離反する方向に移動する可動鉄心と、一端が前記ノズルを貫通して抜け防止手段を介して前記弁体に係合すると共に他端が前記可動鉄心の貫通孔に挿通して構成され前記可動鉄心の移動に伴って前記ノズルを開閉する副弁部と前記可動鉄心の弁座側への移動距離を制限する第1の移動制限手段と前記可動鉄心が固定鉄心に吸引される際の移動距離を制限する第2の移動制限手段を有した弁軸と、前記弁体が閉状態において弁座側に付勢する第1の弾性体と、前記弁軸を可動鉄心側に付勢する第2の弾性体とを備え、
前記第1の弾性体は、前記弁体が閉状態にあるとき前記可動鉄心を第1の移動制限手段で規制される位置まで付勢し前記弁軸を介して前記弁体を弁座側に付勢すると共に、前記弁体を閉状態から開状態に復帰するとき前記可動鉄心を第1の弾性体の付勢力に抗して固定鉄心側に移動させ前記弁体に作用していた第1の弾性体の付勢力を解除し、前記第2の弾性体の付勢力によって前記弁体を開弁するようにした遮断弁。 - 弁体はノズル近傍が可撓体で、弁軸が固定鉄心に近づく方向に移動した際に変形し、副弁部との間に部分的な貫通孔ができるように形成された請求項1記載の遮断弁。
- 可動鉄心は軸方向に貫通穴を有し、弁軸は一端が前記貫通穴に挿入され、先端に第2の移動制限手段を配され、第2の弾性体は前記可動鉄心と前記第2の移動制限手段の間に圧縮されて配された請求項1または2記載の遮断弁。
- 弁体は弁座側の反対面に剛体部を有し、可動鉄心の弁体側端部に第1の弾性体の受け部を有した当接手段を設け、閉弁状態において前記当接手段を前記剛体部に近接または当接する構成とした請求項1〜3のいずれか1項記載の遮断弁。
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