JP5955762B2 - 弁構造 - Google Patents

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Description

本発明は、弁構造に関するものである。
従来、流量や流量に伴う流体圧力の制御を行うために、ソレノイドバルブが広く利用されている。また、ソレノイドバルブにおいては、コイルへの通電量と流量を比例させるリニアソレノイドを用いたものが知られている。図14〜図16を参照して、リニアソレノイドを用いた従来例に係るソレノイドバルブについて説明する。図14は従来例に係るソレノイドバルブにおいて、バルブ部付近における弁が閉じた状態を示す模式的断面図である。図15は従来例に係るソレノイドバルブにおいて、バルブ部付近における弁が開いた状態を示す模式的断面図である。図16は従来例に係るソレノイドバルブにおけるコイルへの通電量と流量との関係を示すグラフである。
この従来例に係るソレノイドバルブにおいては、コイルへの通電量に応じて往復移動するロッド100の先端面110の中央から更に先端方向に突出する弁体部120がロッド100に一体的に設けられている。そして、この弁体部120の外周にゴム製のOリング300が装着されている。また、弁座200には、弁孔210が設けられている。
以上の構成により、コイルに対して通電されていない状態では、ロッド100の弁体部120が弁座200の弁孔210内に入り込み、Oリング300が、ロッド100の先端面110と弁座200の座面220との間に挟まれた状態となっている。これにより、弁孔210は弁体部120とOリング300によって塞がれた状態となる(図14参照)。そして、コイルに対して通電されると、ロッド100の先端面110が座面220から離れる方向にロッド100が移動していく。これにより、弁孔210から弁体部120が抜け、かつOリング300が座面220から離れるため、弁孔210が開いた状態となる(図15参照)。
ここで、ゴム製のOリング300は、粘着性を有している。また、上記従来例においては、Oリング300は、ロッド100の先端面110と弁座200の座面220との間に挟まれた状態となっている。そのため、弁が閉じた状態から、ロッド100が移動し始めた直後においては、Oリング300は、座面220との粘着により、軸線方向に少し伸びた後に、座面220から離れて元の形状に戻るように変形する。なお、図15中、点線で示すOリング300aは、座面220との粘着により、軸線方向に伸びた様子を示している。そのため、図16中のグラフのX部に示すように、通電開始直後において、流体の流量が一瞬高くなるといった現象が生じてしまう。なお、図16中、L1は非通電の状態から電流値が増加していく際の様子を示し、L2は電流値が高い状態から電流値が低減していき非通電になるまでの様子を示している。このグラフから分かるように、同じ電流値でもL1とL2では流量が異なっている。この流量の差はヒステリシスと呼ばれており、このヒステリシスが大きいほど、ある通電量に対する流量の誤差が大きくなってしまうことが分かる。このヒステリシスが生じる原因の一つとして、上述したOリング300の粘着の問題があると考えられている。
このように、Oリング300が座面200に対して粘着してしまうことが、通電開始直後(弁が開き始めた直後)において流量制御を不安定にし、また、ヒステリシスを大きくしてしまい、流量制御の精度を低下させる原因となっている。なお、上記の説明においては、ソレノイドバルブにおける弁構造についての問題を説明したが、駆動源がソレノイド以外のもの(空圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、圧電アクチュエータなど)にお
ける弁構造であっても、同様の問題が起こり得る。
特開2006−226352号公報 実公平3−29645号公報
本発明の目的は、流量制御の精度の向上を図った弁構造を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明の弁構造は、
往復動用のアクチュエータによって往復移動するように構成された往復動部材の先端に設けられるゴム製の弁体と、
該弁体の弁部が座面に着座することで弁孔が閉じられ、該弁部が座面から離れることで弁孔が開かれる弁座と、を備える弁構造において、
前記弁体は、前記往復動部材の先端面側から前記座面に向かって傘状に拡がる前記弁部を備え、
前記弁座の外周面側の端縁には、切り欠き状部が形成されると共に、
前記往復動部材が前記座面側に移動している状態では、前記弁部が撓んだ状態で該弁部における前記座面との対向面側が該座面に着座して、径方向において、前記弁孔が設けられている領域と前記切り欠き状部が設けられている領域との間の環状領域がシール領域となり、前記往復動部材の前記座面から離れる方向への移動に伴って前記弁部が前記座面から離れるように構成されていることを特徴とする。
なお、本発明における「切り欠き状部」に関しては、切削加工によって切り欠きを形成してもよいし、その他の方法で切り欠きのような形状部分を形成してもよいし、その製法は限定されない。
本発明によれば、弁が閉じた状態から、弁体の弁部が弁座の座面から離れる方向に往復動部材が移動していくとき、撓んだ状態で座面に着座していた弁部が元の形状に戻るように変形しつつ、座面から離れていく。ここで、本発明における弁部は、往復動部材の先端面側から座面に向かって傘状に拡がる構成が採用されている。従って、従来例のOリングの場合のように両側から圧縮された状態から座面から離れるのに比べて、本発明における弁体の弁部の方が座面から離れ易い。また、本発明においては、弁座の外周面側の端縁には、切り欠き状部が形成されている。従って、弁部が撓んだ状態から元の形状に戻る過程で、弁部が座面から離れる前の段階から切り欠き状部を通って流体が流れていく。以上のことから、弁が開き始めた直後から流体制御を安定的に行うことが可能となる。また、弁部が座面から離れ易いことからヒステリシスによる流量制御の誤差も少なくすることができる。
また、本発明の他の弁構造は、
往復動用のアクチュエータによって往復移動するように構成された往復動部材の先端に設けられるゴム製の弁体と、
該弁体の弁部が座面に着座することで弁孔が閉じられ、該弁部が座面から離れることで弁孔が開かれる弁座と、を備える弁構造において、
前記弁体は、前記往復動部材の先端面側から前記座面に向かって傘状に拡がり、かつ、
外周面側の先端には、切り欠き状部が形成された前記弁部を備え、
前記往復動部材が前記座面側に移動している状態では、前記弁部が撓んだ状態で該弁部における前記座面との対向面側が該座面に着座して、径方向において、前記弁孔が設けられている領域と前記切り欠き状部が設けられている領域との間の環状領域がシール領域となり、前記往復動部材の前記座面から離れる方向への移動に伴って前記弁部が前記座面から離れるように構成されていることを特徴とする。
なお、本発明における「切り欠き状部」に関しては、切削加工によって切り欠きを形成してもよいし、成形によって切り欠きのような形状部分を形成してもよいし、その製法は限定されない。
本発明によれば、弁が閉じた状態から、弁体の弁部が弁座の座面から離れる方向に往復動部材が移動していくとき、撓んだ状態で座面に着座していた弁部が元の形状に戻るように変形しつつ、座面から離れていく。ここで、本発明における弁部は、往復動部材の先端面側から座面に向かって傘状に拡がる構成が採用されている。従って、従来例のOリングの場合のように両側から圧縮された状態から座面から離れるのに比べて、本発明における弁体の弁部の方が座面から離れ易い。また、本発明においては、弁体の弁部の外周面側の先端には、切り欠き状部が形成されている。従って、弁部が撓んだ状態から元の形状に戻る過程で、弁部が座面から離れる前の段階から切り欠き状部を通って流体が流れていく。以上のことから、弁が開き始めた直後から流体制御を安定的に行うことが可能となる。また、弁部が座面から離れ易いことからヒステリシスによる流量制御の誤差も少なくすることができる。
また、前記弁座には、前記弁孔が設けられている領域よりも内側に貫通孔が設けられており、
前記弁体には、前記弁部と中心軸線が共通し、前記貫通孔内で往復移動可能に設けられた軸部が設けられると共に、
該軸部の外周側は、前記貫通孔の内周面に摺動自在に設けられた環状部材により支持されているとよい。
これにより、弁体が往復移動する際の弁座に対する中心軸線の位置ずれを抑制できる。従って、弁体の弁部が座面に着座する位置の精度を高めることができる。また、軸部の外周側を支持する環状部材が貫通孔の内周面に対して摺動するので、弁体の移動は滑らかに行われる。
以上説明したように、本発明によれば、流量制御の精度の向上を図ることができる。
図1は本発明の実施例1に係るソレノイドバルブの模式的断面図である。 図2は本発明の実施例1に係る弁体の斜視図である。 図3は本発明の実施例1に係る弁体の正面図である。 図4は本発明の実施例1に係る弁座の平面図である。 図5は本発明の実施例1に係る弁座の斜視図である。 図6は本発明の実施例1に係るソレノイドバルブにおいて、バルブ部付近における弁が閉じた状態を示す模式的断面図である。 図7は本発明の実施例1に係るソレノイドバルブにおいて、バルブ部付近における弁が開いた状態を示す模式的断面図である。 図8は本発明の実施例1に係るソレノイドバルブにおける座面と弁部との位置関係を示す図である。 図9は本発明の実施例2に係る弁体の斜視図である。 図10は本発明の実施例2に係る弁体の正面図である。 図11は本発明の実施例2に係る弁座の平面図である。 図12は本発明の実施例2に係る弁座の斜視図である。 図13は本発明の実施例2に係るソレノイドバルブにおける座面と弁部との位置関係を示す図である。 図14は従来例に係るソレノイドバルブにおいて、バルブ部付近における弁が閉じた状態を示す模式的断面図である。 図15は従来例に係るソレノイドバルブにおいて、バルブ部付近における弁が開いた状態を示す模式的断面図である。 図16は従来例に係るソレノイドバルブにおけるコイルへの通電量と流量との関係を示すグラフである。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を、実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、以下の説明においては、弁構造が適用される装置の一例として、ソレノイドバルブの場合を例にして説明する。
(実施例1)
図1〜図8を参照して、本発明の実施例1に係るソレノイドバルブについて説明する。
<ソレノイドバルブの全体構成>
図1を参照して、本発明の実施例1に係るソレノイドバルブの全体構成を説明する。ソレノイドバルブSVは、往復動用のアクチュエータであるソレノイド部Sと、弁構造としてのバルブ部Vと、これらソレノイド部Sとバルブ部Vを構成する各種部材を収容するハウジング部Hとから構成される。
ソレノイド部Sは、ボビン11と、ボビン11に巻かれ、通電により磁界を発生するコイル12と、コイル12によって発生した磁界により磁気回路が形成されることでセンターポスト14に磁気的に吸引される往復動部材としてのプランジャ13とを備えている。また、ソレノイド部Sは、上記の磁気回路を形成するべく、いずれも磁性部材からなる一対のプレート15a,15b及びケース15cも備えている。また、ソレノイド部Sは、プランジャ13をセンターポスト14から離れる方向に付勢する第1スプリング16aと、この第1スプリング16aを受けるスプリング受け16bと、スプリング受け16bの位置調整を行うアジャストスクリュ16cとを備えている。更に、ソレノイド部Sは、コイル12に電気的に接続された端子17も備えている。
ハウジング部Hは、ソレノイド部Sとバルブ部Vを構成する各種部材を収容するハウジング本体21と、ハウジング本体21に固定されるカバー22と、ハウジング本体21を補強する補強部材23とから構成される。ハウジング本体21には、元圧側から流体を流入させるための入力ポート部21aと、出力側(制御圧側)に流体を排出させるための出力ポート部21bが設けられている。また、ハウジング本体21には、外部電源からの電気供給を得るために電気的な接続を行うためのコネクタ部21cも設けられている。
バルブ部Vは、プランジャ13の先端に設けられるゴム製の弁体30と、弁体30が着座したり離れたりすることで弁の開閉がなされる弁座40とを備えている。また、バルブ部Vは、弁体30を支持する金属製又は樹脂製の環状部材51と、弁体30をセンターポスト14から離れる方向に付勢する第2スプリング52とを備えている。更に、バルブ部
Vは、弁座40の外周面とハウジング本体21の内周面との間の隙間を封止するシールリング60と、弁座40を支持する支持部材70とを備えている。
なお、上述した第1スプリング16aと第2スプリング52による付勢力と、コイル12への通電量による磁力とのバランスによって、所望の流量(又は流量に伴う流体圧力)の制御がなされるように、アジャストスクリュ16cにより、スプリング受け16bの位置の調整がなされる。
<バルブ部(弁構造)>
<<バルブ部の構成>>
特に、図2〜図7を参照して、バルブ部Vの構成について、より詳細に説明する。バルブ部Vは、上記の通り、弁体30と、弁座40と、環状部材51と、第2スプリング52とを備えている。
弁体30は、軸部31と、軸部31の一端側に設けられる嵌合凸部32と、軸部31の他端側に設けられる環状係止部33と、弁部34とを備えている。この弁体30は、嵌合凸部32がプランジャ13の先端に設けられた嵌合凹部13aに嵌合されることによって、プランジャ13の先端に固定される。また、軸部31の外周側が環状部材51により支持され、環状係止部33が環状部材51に係止されることで、弁体30は環状部材51に対しても固定される。これにより、プランジャ13が往復移動する際においては、プランジャ13と共に、弁体30及び環状部材51も往復移動する。また、弁体30に設けられた弁部34は、プランジャ13の先端面側から弁座40の座面43に向かって傘状に拡がるように構成されている。なお、軸部31の中心軸線と、弁部34の中心軸線は一致するように構成されている。
弁座40は環状の部材であり、その中央に貫通孔41が設けられている。この貫通孔41の中心軸線は、プランジャ13や弁体30の中心軸線と一致するように設けられている。そして、弁座40における貫通孔41の周囲には、周方向に間隔を空けて複数の弁孔42が設けられている。また、この弁座40におけるプランジャ13側の面が上述した座面43となっている。更に、この弁座40の外周面側の端縁には、周方向に間隔を空けて複数の切り欠き状部44が形成されている。なお、この切り欠き状部44は、切削加工によって形成できるが、その他の製法によって形成してもよい。
金属製又は樹脂製の環状部材51は、弁体30の軸部31の外周を支持する円筒部51aと、円筒部51aの端部から外周面側に向かって伸びるように構成され、第2スプリング52を受けるスプリング受部51bとを一体的に備えている。そして、環状部材51における円筒部51aの外周面が、弁座40における貫通孔41の内周面に対して摺動するように構成されている。なお、弁体30における環状係止部33は、円筒部51aにおけるスプリング受部51b側の内周端縁に係止される。
<<バルブ部のメカニズム>>
特に、図6〜図8を参照して、バルブ部Vのメカニズムについて説明する。
ソレノイド部Sのコイル12に対して通電されていない状態では、磁力は発生しておらず、第1スプリング16aと第2スプリング52による付勢力によって、プランジャ13は、センターポスト14から離れる方向に移動している。これにより、図6に示すように、弁体30における弁部34は弁座40の座面43に着座している。このとき、傘状の弁部34は、撓んだ状態で、弁部34における座面43との対向面側が座面43に対して着座する。これにより、弁が閉じた状態となる。図8は弁が閉じた状態における座面43と弁部34との位置関係を示している。弁部34が座面43に着座した状態においては、弁
部34における座面43との対向面側の面は、複数の切り欠き状部44が設けられている領域よりも内側の部分が座面43に密着するように構成されている。これにより、弁部34が座面43に着座した状態においては、径方向において、複数の弁孔42が設けられている領域と複数の切り欠き状部44が設けられている領域との間の環状領域(図8中、Rに示す領域)がシール領域となる。これにより、入力ポート部21aから出力ポート部21bへと至る流路は、このシール領域によって遮断される。
そして、ソレノイド部Sのコイル12に対する通電量を増加させるに従い、磁気吸引力が高まるため、第1スプリング16aと第2スプリング52による付勢力に抗して、プランジャ13はセンターポスト14に向かって移動する。これに伴って、プランジャ13の先端に設けられた弁体30もセンターポスト14に向かって移動するため、弁体30における弁部34は弁座40の座面43から離れる。これにより、弁部34と座面43との間に隙間ができ、弁孔42から弁部34の外周面側に抜けていく流路が形成される(図7中矢印A参照)。従って、入力ポート部21aから流入された流体は、出力ポート部21bから排出される。ここで、コイル12への通電量に応じて、プランジャ13の先端に設けられた弁体30の位置が定まり、弁部34と座面43との隙間の大きさが定める。従って、コイル12への通電量を制御することによって、出力ポート部21bから排出される流体の流量や流体圧力を制御することが可能となる。
<本実施例に係るソレノイドバルブの優れた点>
本実施例に係るソレノイドバルブSVによれば、コイル12に対して通電されていない状態から通電が開始され、通電量が増加するに従い、弁体30の弁部34が弁座40の座面43から離れる方向にプランジャ13が移動していく。このとき、撓んだ状態で座面43に着座していた弁部34が元の形状に戻るように変形しつつ、座面43から離れていく。
ここで、本実施例に係る弁部34は、プランジャ13の先端面側から座面43に向かって傘状に拡がる構成が採用されている。従って、従来例のOリングの場合のように両側から圧縮された状態から座面から離れるのに比べて、本実施例に係る弁体30の弁部34の方が座面43から離れ易い。なお、シール領域の面積についても、従来例に比べて狭く設定できるので、本実施例に係る弁体30の弁部34の方が座面43から離れ易くすることが容易である。また、本実施例においては、弁座40の外周面側の端縁には、周方向に間隔を空けて複数の切り欠き状部44が形成されている。従って、弁部34が撓んだ状態から元の形状に戻る過程で、弁部34が座面43から離れる前の段階から複数の切り欠き状部44を通って流体が流れていく。以上のことから、通電開始直後(弁が開き始めた直後)から流体制御を安定的に行うことが可能となる。また、弁部34が座面43から離れ易いことからヒステリシスによる流量制御の誤差も少なくすることができる。また、従来例のOリングの場合には、プランジャが往復移動する毎に粘着状態が異なってしまい、流量特性にバラツキが生じるのに対して、本実施例に係るソレノイドバルブSVの場合には、そのような問題が解消され、流量特性を安定させることができる。
また、本実施例に係るソレノイドバルブSVにおいては、弁体30の軸部31の外周側を支持する環状部材51の円筒部51aの外周面が、弁座40における貫通孔41の内周面に対して摺動するように構成されている。これにより、弁体30が往復移動する際の弁座40に対する中心軸線の位置ずれを抑制できる。従って、弁体30の弁部34が座面43に着座する位置の精度を高めることができる。また、軸部31の外周側を支持する環状部材51の円筒部51aの外周面が貫通孔41の内周面に対して摺動するので、弁体30の移動は滑らかに行われる。
また、本実施例に係るソレノイドバルブSVにおいては、上記の通り、弁部34が撓ん
だ状態から元の形状に戻る過程で、弁部34が座面43から離れる前の段階から複数の切り欠き状部44を通って流体が流れていく。つまり、弁部34が撓んだ状態から元の形状に戻る過程で、切り欠き状部44の内側の部分から、流体が流れる流路の面積が徐々に広くなっていく。本実施例では、図8に示すように、中心軸線方向に見た場合に、切り欠き状部44をV字形状としている。これにより、弁部34が撓んだ状態から元の形状に戻る過程で、流体が流れる流路の面積が急に広くなってしまわないようにしている。なお、この切り欠き状部44の角度や長さなどの大きさや、数の設定によって、コイル12への通電量に対する流量の変化をリニアにすることができ、かつ最大流量を調整することができる。
また、本実施例に係るソレノイドバルブSVにおいては、弁体30における弁部34の肉厚や形状、及び切り欠き状部44の形状や大きさや個数の設定によって、ある電流値に対する流量が、元圧の大きさによってあまり変化しないようにすることができる。なお、元圧とは、入力ポート部21aから流入される流体の圧力である。これにより、元圧が変化してしまうような場合であっても、制御圧(出力ポート部21bから排出される流体の圧力)を安定させることができる。
(実施例2)
図9〜図13には、本発明の実施例2が示されている。上記実施例1では、弁座の外周面側の端縁に、周方向に間隔を空けて複数の切り欠き状部を設ける場合の構成を示したが、本実施例においては、弁座に切り欠き状部を設ける代わりに、弁体の弁部の外周面側の先端に、周方向に間隔を空けて複数の切り欠き状部を設ける場合の構成を示す。その他の構成および作用については実施例1と同一なので、同一の構成部分については同一の符号を付して、その説明は適宜省略する。
<ソレノイドバルブの全体構成>
本実施例に係るソレノイドバルブの全体構成に関しては、実施例1の中で図1を参照して説明した通りであるので、その説明は省略する。
<バルブ部(弁構造)>
<<バルブ部の構成>>
図9〜図12を参照して、バルブ部Vの構成について、より詳細に説明する。バルブ部Vは、実施例1で説明した通り、弁体30と、弁座40と、環状部材51と、第2スプリング52とを備えている。
弁体30は、軸部31と、軸部31の一端側に設けられる嵌合凸部32と、軸部31の他端側に設けられる環状係止部33と、弁部34とを備えている。軸部31,嵌合凸部32、及び環状係止部33については、上記実施例1における弁体30の場合と同一であるので、その説明は省略する。そして、弁部34は、実施例1における弁体30の場合と同様に、プランジャ13の先端面側から弁座40の座面43に向かって傘状に拡がるように構成されている。そして、本実施例の場合には、この弁部34の外周面側の先端には、周方向に間隔を空けて複数の切り欠き状部34aが形成されている。これらの切り欠き状部34aに関しては、切削加工によって切り欠きを形成してもよいし、成形によって切り欠きのような形状部分を形成してもよいし、その製法は限定されない。なお、軸部31の中心軸線と、弁部34の中心軸線は一致するように構成されている。
弁座40は環状の部材であり、その中央に貫通孔41が設けられている。この貫通孔41の中心軸線は、プランジャ13や弁体30の中心軸線と一致するように設けられている。そして、弁座40における貫通孔41の周囲には、周方向に間隔を空けて複数の弁孔42が設けられている。また、この弁座40におけるプランジャ13側の面が上述した座面
43となっている。本実施例の場合には、上記実施例1の場合と異なり、弁座40には複数の切り欠き状部が設けられていない。
環状部材51及び第2スプリング52については、上記実施例1で説明した通りであるので、その説明は省略する。
<<バルブ部のメカニズム>>
特に、図13を参照して、バルブ部Vのメカニズムについて説明する。なお、上記実施例1の説明で用いた図1,図6及び図7は、本実施例の説明にも用いることができるので、これらの図も参照しながら説明する。
ソレノイド部Sのコイル12に対して通電されていない状態では、磁力は発生しておらず、第1スプリング16aと第2スプリング52による付勢力によって、プランジャ13は、センターポスト14から離れる方向に移動している。これにより、図6に示すように、弁体30における弁部34は弁座40の座面43に着座している。このとき、傘状の弁部34は、撓んだ状態で、弁部34における座面43との対向面側が座面43に対して着座する。これにより、弁が閉じた状態となる。図13は弁が閉じた状態における座面43と弁部34との位置関係を示している。弁部34が座面43に着座した状態においては、弁部34における座面43との対向面側の面は、複数の切り欠き状部34aが設けられている領域よりも内側の部分が座面43に密着するように構成されている。これにより、弁部34が座面43に着座した状態においては、径方向において、複数の弁孔42が設けられている領域と複数の切り欠き状部34aが設けられている領域との間の環状領域(図13中、Rに示す領域)がシール領域となる。これにより、入力ポート部21aから出力ポート部21bへと至る流路は、このシール領域によって遮断される。
そして、ソレノイド部Sのコイル12に対する通電量を増加させるに従い、磁気吸引力が高まるため、第1スプリング16aと第2スプリング52による付勢力に抗して、プランジャ13はセンターポスト14に向かって移動する。これに伴って、プランジャ13の先端に設けられた弁体30もセンターポスト14に向かって移動するため、弁体30における弁部34は弁座40の座面43から離れる。これにより、弁部34と座面43との間に隙間ができ、弁孔42から弁部34の外周面側に抜けていく流路が形成される(図7中矢印A参照)。従って、入力ポート部21aから流入された流体は、出力ポート部21bから排出される。ここで、コイル12への通電量に応じて、プランジャ13の先端に設けられた弁体30の位置が定まり、弁部34と座面43との隙間の大きさが定める。従って、コイル12への通電量を制御することによって、出力ポート部21bから排出される流体の流量や流体圧力を制御することが可能となる。
<本実施例に係るソレノイドバルブの優れた点>
本実施例に係るソレノイドバルブの場合にも、上記実施例1に係るソレノイドバルブの場合と同様の作用効果を得ることができる。
なお、本実施例においては、弁体30の弁部34の外周面側の先端には、周方向に間隔を空けて複数の切り欠き状部34aが形成されている。従って、弁部34が撓んだ状態から元の形状に戻る過程で、弁部34が座面43から離れる前の段階から複数の切り欠き状部34aを通って流体が流れていく。従って、上記実施例1の場合と同様に、通電開始直後(弁が開き始めた直後)から流体制御を安定的に行うことが可能となる。
また、本実施例に係るソレノイドバルブにおいては、上記の通り、弁部34が撓んだ状態から元の形状に戻る過程で、弁部34が座面43から離れる前の段階から複数の切り欠き状部34aを通って流体が流れていく。つまり、弁部34が撓んだ状態から元の形状に
戻る過程で、切り欠き状部34aの内側の部分から、流体が流れる流路の面積が徐々に広くなっていく。本実施例では、図13に示すように、中心軸線方向に見た場合に、切り欠き状部34aをV字形状としている。これにより、実施例1の場合と同様に、弁部34が撓んだ状態から元の形状に戻る過程で、流体が流れる流路の面積が急に広くなってしまわないようにしている。なお、この切り欠き状部34aの角度や長さなどの大きさや、数の設定によって、コイル12への通電量に対する流量の変化をリニアにすることができ、かつ最大流量を調整することができる。
また、本実施例に係るソレノイドバルブにおいても、弁体30における弁部34の肉厚や形状、及び切り欠き状部34aの形状や大きさや個数の設定によって、ある電流値に対する流量が、元圧の大きさによってあまり変化しないようにすることができる。これにより、元圧が変化してしまうような場合であっても、制御圧(出力ポート部21bから排出される流体の圧力)を安定させることができる。
(その他)
上記各実施例においては、弁体30がプランジャ13の先端に設けられた場合の構成を示したが、本発明は弁体がプランジャに設けられたロッドの先端に設けられる場合にも適用可能である。また、上記各実施例においては、弁座40における貫通孔41の周囲に、周方向に間隔を空けて複数の弁孔42が設けられる場合の構成を示した。しかしながら、本発明においては、弁孔42の数や配置が限定されるものではない。従って、弁孔42は一つであってもよい。また、上記実施例1においては、弁座40の外周面側の端縁には、周方向に間隔を空けて複数の切り欠き状部44が形成される場合の構成を示した。しかしながら、本発明においては、切り欠き状部44の数や配置が限定されるものではない。従って、切り欠き状部44は一つであってもよい。更に、上記実施例2においては、弁体30の弁部34の外周面側の先端には、周方向に間隔を空けて複数の切り欠き状部34aが形成される場合の構成を示した。しかしながら、本発明においては、切り欠き状部34aの数や配置が限定されるものではない。従って、切り欠き状部34aは一つであってもよい。また、上記各実施例においては、弁構造がソレノイドバルブに適用される場合を例にして説明した。しかしながら、本発明の弁構造は、ソレノイドバルブ以外の弁構造にも適用可能である。すなわち、往復動部材を往復移動させるための往復動用のアクチュエータとしては、ソレノイドには限られず、空圧アクチュエータ,油圧アクチュエータ及び圧電アクチュエータなども適用可能である。本発明は、これらの各種往復動用のアクチュエータによって往復移動するように構成された往復動部材に弁体が設けられた弁構造に対しても適用可能である。
11 ボビン
12 コイル
13 プランジャ
13a 嵌合凹部
14 センターポスト
15a,15b プレート
15c ケース
16a 第1スプリング
16b スプリング受け
16c アジャストスクリュ
17 端子
21 ハウジング本体
21a 入力ポート部
21b 出力ポート部
21c コネクタ部
22 カバー
23 補強部材
30 弁体
31 軸部
32 嵌合凸部
33 環状係止部
34 弁部
34a 切り欠き状部
40 弁座
41 貫通孔
42 弁孔
43 座面
44 切り欠き状部
51 環状部材
51a 円筒部
51b スプリング受部
52 第2スプリング
60 シールリング
70 支持部材
SV ソレノイドバルブ
H ハウジング部
S ソレノイド部
V バルブ部

Claims (2)

  1. 往復動用のアクチュエータによって往復移動するように構成された往復動部材の先端に設けられるゴム製の弁体と、
    該弁体の弁部が座面に着座することで弁孔が閉じられ、該弁部が座面から離れることで弁孔が開かれる弁座と、を備える弁構造において、
    前記弁体は、前記往復動部材の先端面側から前記座面に向かって傘状に拡がる前記弁部を備え、
    前記弁座の外周面側の端縁には、切り欠き状部が形成されると共に、
    前記往復動部材が前記座面側に移動している状態では、前記弁部が撓んだ状態で該弁部における前記座面との対向面側が該座面に着座して、径方向において、前記弁孔が設けられている領域と前記切り欠き状部が設けられている領域との間の環状領域がシール領域となり、前記往復動部材の前記座面から離れる方向への移動に伴って前記弁部が前記座面から離れるように構成されていることを特徴とする弁構造。
  2. 往復動用のアクチュエータによって往復移動するように構成された往復動部材の先端に設けられるゴム製の弁体と、
    該弁体の弁部が座面に着座することで弁孔が閉じられ、該弁部が座面から離れることで弁孔が開かれる弁座と、を備える弁構造において、
    前記弁体は、前記往復動部材の先端面側から前記座面に向かって傘状に拡がり、かつ、外周面側の先端には、切り欠き状部が形成された前記弁部を備え、
    前記往復動部材が前記座面側に移動している状態では、前記弁部が撓んだ状態で該弁部における前記座面との対向面側が該座面に着座して、径方向において、前記弁孔が設けられている領域と前記切り欠き状部が設けられている領域との間の環状領域がシール領域となり、前記往復動部材の前記座面から離れる方向への移動に伴って前記弁部が前記座面から離れるように構成されていることを特徴とする弁構造。
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