JP2005233178A - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】 エンジンへの搭載時における燃料噴射特性の変化を低減する燃料噴射弁を提供する。
【解決手段】 磁気回路を形成するハウジング部材50は、反ホルダ側の端部54が筒部材11に固定されていない。そのため、ハウジング部材50の端部54は、筒部材11に対し軸方向へ往復相対移動可能である。そのため、インジェクタ10をエンジンに搭載するとき、ハウジング部材50に軸方向の荷重が加わる場合でも、荷重によるハウジング部材50の変形は筒部材11に伝わらない。これにより、エンジンへのインジェクタ10の搭載の前後において、固定コア43と可動コア44との間の距離の変化は低減される。したがって、インジェクタ10の燃料噴射特性の変化を低減することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という。)に燃料を噴射する燃料噴射弁に関する。
従来、コイルへ通電することにより発生する磁気吸引力を利用して弁部材を駆動する燃料噴射弁が公知である。このような燃料噴射弁は、磁気回路を形成するため、複数の磁性部材を備えている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示されている燃料噴射弁の場合、コイルを包囲するコア、アーマチャおよびハウジングは磁気回路を形成する。これにより、コアとアーマチャとの間には磁気吸引力が発生し、弁体が駆動される。
特開平10−47199号公報
特許文献1に開示されている燃料噴射弁のように、直噴式のエンジンに適用する場合、燃料噴射弁はエンジンのシリンダヘッドに搭載される。この場合、燃料噴射弁はシリンダヘッドに固定するために軸方向の荷重を受ける。インジェクタにおいて磁気回路を構成する複数の磁性部材はそれぞれ溶接などにより他の部材に固定されている。そのため、磁性部材の一つが荷重を受けると、荷重を受ける磁性部材に固定されている磁性部材も変形するおそれがある。
燃料噴射弁の燃料噴射特性を確保するためには、固定コアとアーマチャなどの可動コアとの間の距離、すなわち弁部材のリフト量を精密に管理する必要がある。しかしながら、上述のように燃料噴射弁に荷重が加わると、燃料噴射弁の各磁性部材がそれぞれ変形するおそれがある。そのため、燃料噴射弁の組み付け時に固定コアと可動コアとの間の距離を精密に管理しても、燃料噴射弁をエンジンへ設置する際に受ける荷重により、固定コアと可動コアとの間の距離が変化する。その結果、エンジンへの搭載時に、燃料噴射弁の燃料噴射特性が変化するという問題がある。
そこで、本発明の目的は、エンジンへの搭載時における燃料噴射特性の変化を低減する燃料噴射弁を提供することにある。
請求項1または5記載の発明では、磁気回路を形成するハウジング部材は、ボディとは反対側の端部が固定コアに対し軸方向へ相対移動可能である。例えば噴孔方向へ押し付ける荷重のようにハウジング部材に軸方向の荷重が加わる場合、その荷重によってハウジング部材は変形する。一方、ハウジング部材は固定コアに対し軸方向へ相対移動可能である。そのため、ハウジング部材が変形する場合でも、固定コアは変形せず、可動コアと固定コアとの間の距離は変化しない。したがって、エンジンへの搭載時に軸方向の荷重が加わる場合でも、燃料噴射特性の変化を低減することができる。
請求項2記載の発明では、ハウジング部材と筒部材とが対向する位置と可動コアと固定コアとが接する位置は軸方向にずれている。そのため、ハウジング部材の変形にともなう可動コアと固定コアとの間の距離の変化は小さくなる。したがって、エンジンへの搭載時に軸方向の荷重が加わる場合でも、燃料噴射特性の変化を低減することができる。
請求項3記載の発明では、可動コアおよび固定コアは筒部材に収容されている。ハウジング部材は、ボディとは反対側の端部が筒部材に対し軸方向へ相対移動可能である。そのため、ハウジング部材に軸方向の荷重が加わっても、可動コアおよび固定コアを収容している筒部材は変形せず、可動コアと固定コアとの間の距離は変化しない。したがって、エンジンへの搭載時に軸方向の荷重が加わる場合でも、燃料噴射特性の変化を低減することができる。
請求項4記載の発明では、コイルを電源と接続するコネクタ部を備えている。ハウジング部材は、筒状でありコネクタ部を挿入可能な開口部を有している。そのため、ハウジング部材を容易に取り付けることができる。
以下、本発明の複数の実施形態について図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料噴射弁(以下、燃料噴射弁を「インジェクタ」という。)を図1に示す。本実施形態によるインジェクタ10は、例えば直噴式のガソリンエンジンに適用される。なお、インジェクタ10は、直噴式のガソリンエンジンに限らず、予混合式のガソリンエンジン、またはディーゼルエンジンに適用してもよい。直噴式のガソリンエンジンにインジェクタ10を適用する場合、図2に示すようにインジェクタ10はエンジンのシリンダヘッド2に搭載される。インジェクタ10は、シリンダヘッド2が形成する穴部3に設置される。穴部3は、一方の端部がエンジンの燃焼室に開口している。
インジェクタ10は、一方の端部が穴部3に挿入され、他方の端部が燃料を供給する燃料レール4に接続される。シリンダヘッド2とインジェクタ10との間には、シール部材5およびシール部材6が設置される。シール部材5およびシール部材6は、燃焼室からの吸気および燃焼ガスの漏れを防止する。インジェクタ10は、反シリンダヘッド側の端部が燃料レール4の取付部7に挿入される。インジェクタ10と燃料レール4の取付部7との間は、シール部材8によりシールされる。シール部材8は、燃料レール4からの燃料漏れを防止する。
燃料レール4の取付部7とインジェクタ10との間には、弾性部材9が設置されている。弾性部材9は、例えばばねなどであり、インジェクタ10をシリンダヘッド2に押し付ける。これにより、インジェクタ10の寸法にばらつきがある場合でも、その寸法のばらつきは弾性部材9の伸縮により吸収される。その結果、インジェクタ10はシリンダヘッド2に確実かつ強固に固定される。なお、燃料レール4の取付部7をシリンダヘッド2の穴部3にねじ止めし、取付部7で直接インジェクタ10をシリンダヘッド2に押し付けて、インジェクタ10をシリンダヘッド2に固定する構成としてもよい。
図1に示すように、インジェクタ10の筒部材11は略円筒状に形成されている。筒部材11は、第一磁性部12、非磁性部13および第二磁性部14を有している。非磁性部13は、第一磁性部12と第二磁性部14との磁気的な短絡を防止する。第一磁性部12、非磁性部13および第二磁性部14は、例えばレーザ溶接などにより一体に接続されている。なお、筒部材11を磁性材料により筒状の一体物に成形し、熱加工することにより非磁性部13に対応する部分を非磁性化してもよい。
筒部材11の軸方向の一方の端部には入口部材15が設置されている。入口部材15は筒部材11の内周側に圧入されている。入口部材15は燃料入口16を有している。燃料入口16は、図示しない燃料ポンプから燃料が供給される燃料レール4に接続する。燃料レール4から燃料入口16に供給された燃料は、燃料フィルタ17を経由して筒部材11の内周側に流入する。燃料フィルタ17は、燃料に含まれる異物を除去する。
筒部材11の他方の端部にはホルダ20が設置されている。ホルダ20は、筒状に形成され、内側にノズルボディ21が設置されている。ノズルボディ21は、筒状に形成され、例えば圧入あるいは溶接などによりホルダ20に固定されている。本実施形態におけるホルダ20およびノズルボディ21は、特許請求の範囲に記載のボディを構成している。なお、ホルダ20およびノズルボディ21は、一体の部材により構成してもよい。ノズルボディ21は、先端に近づくにつれて内径が小さくなる円錐状の内壁面に弁座22を有している。ノズルボディ21は、反ハウジング側の端部近傍に、ノズルボディ21を貫いて内壁面と外壁面とを接続する噴孔23を有している。
弁部材としてのニードル30は、筒部材11、ホルダ20およびノズルボディ21の内周側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。ニードル30は、ノズルボディ21と概ね同軸上に配置されている。ニードル30は、ノズルボディ21の弁座22に接触可能な当接部31を有している。ニードル30は、ノズルボディ21との間に燃料が流れる燃料通路32を形成する。
インジェクタ10は、ニードル30を駆動する駆動部40を有している。駆動部40は、スプール41、コイル42、固定コア43、可動コア44およびハウジング部材50を有している。スプール41は、筒部材の外周側に設置されている。スプール41は、樹脂で筒状に形成され、外周側にコイル42が巻回されている。コイル42は、コネクタ部45の端子46に接続している。筒部材11を挟んでコイル42の内周側には固定コア43が設置されている。固定コア43は、例えば鉄などの磁性材料により筒状に形成され、筒部材11の内周側に例えば圧入などにより固定されている。
可動コア44は、筒部材11の内周側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。可動コア44は、例えば鉄などの磁性材料から筒状に形成されている。可動コア44は、固定コア43側の端部において付勢手段であるスプリング18と接触している。スプリング18は、一方の端部が可動コア44に接しており、他方の端部がアジャスティングパイプ19に接している。アジャスティングパイプ19は、固定コア43に圧入されている。アジャスティングパイプ19の圧入量を調整することにより、スプリング18の荷重は調整される。スプリング18は、軸方向へ伸びる方向の力を有している。そのため、ニードル30および可動コア44は、スプリング18により弁座22に着座する方向へ押し付けられる。
コイル42に通電していないとき、可動コア44およびニードル30は弁座方向へ押し付けられ、当接部31は弁座22に着座する。コイル42に通電していないとき、固定コア43と可動コア44との間には所定の隙間が形成されている。コイル42に通電されると、可動コア44は固定コア43に吸引されるとともに、固定コア43と可動コア44とは互いに相対する面同士が接する。これにより、可動コア44および可動コア44と一体のニードル30の移動量は制限される。すなわち、コイル42の非通電時における固定コア43と可動コア44との間の距離は、ニードル30のリフト量に対応する。そのため、固定コア43と可動コア44との間の距離は精密に制御される。
ハウジング部材50は、例えば鉄などの磁性材料により形成され、コイル42の外周側を覆っている。ハウジング部材50は、図3に示すように略円筒状に形成されている。ハウジング部材50は、周方向の一部に軸方向へ伸びる開口部51を有している。開口部51にはコネクタ部45を挿入可能である。ハウジング部材50は、反噴孔側に径方向内側に突出する座部52を有している。インジェクタ10をエンジンに搭載したとき、図2に示すように燃料レール4の取付部7とインジェクタ10との間に設置される弾性部材9は、一方の端部がハウジング部材50の座部52に接する。
ハウジング部材50は、図1に示すように軸方向において一方の端部すなわちホルダ20側の端部53がホルダ20に接している。また、ハウジング部材50とホルダ20とは固定されている。ハウジング部材50とホルダ20とは、例えば溶接することにより固定されている。なお、ハウジング部材50とホルダ20とは、溶接に限らず、圧入、嵌合、ろう付けあるいはかしめなど他の方法により固定してもよい。
ハウジング部材50は、他方の端部すなわち反ホルダ側の端部54が筒部材11に対し軸方向へ相対移動可能である。すなわち、ハウジング部材50の反ホルダ側の端部54に設置されている座部52の内周面は、筒部材11の外周面に固定されていない。ハウジング部材50と筒部材11とは、接触あるいはわずかな隙間を形成している。ハウジング部材50と筒部材11との間の距離は、磁束の流れが阻害されない程度に設定されている。すなわち、磁束の流れを阻害しないために、ハウジング部材50と筒部材11とは接触していることが望ましい。ハウジング部材50と筒部材11とは固定されていないため、ハウジング部材50が軸方向へ変形しても、その変形は筒部材11に伝達されない。ハウジング部材50の反ホルダ側の端部54と筒部材11とが対向している位置は、インジェクタ10の軸方向において固定コア43と可動コア44とが隙間を形成している位置とずれている。
ハウジング部材50は、図4に示すように筒部材11の反噴孔側から筒部材11およびコイル42の径方向外側に設置される。このとき、開口部51はコネクタ部45と対応する位置に形成されているため、ハウジング部材50はコネクタ部45よりも噴孔23側まで挿入される。挿入されたハウジング部材50は、ホルダ20側の端部53がホルダ20と溶接され、ホルダ20に固定される。ハウジング部材50が取り付けられると、筒部材11とは別体の入口部材15が筒部材11に取り付けられる。これにより、インジェクタ10が組み付けられる。
組み付けられたインジェクタ10は、図2に示すようにエンジンのシリンダヘッド2に搭載される。インジェクタ10は、噴孔23側の端部がシリンダヘッド2の穴部3に挿入され、反噴孔側の端部が燃料レール4の取付部7に挿入される。このとき、取付部7とインジェクタ10との間には弾性部材9が設置される。これにより、インジェクタ10は、弾性部材9の押し付け力によってシリンダヘッド2に保持される。
上述のように、インジェクタ10をエンジンに搭載したとき、インジェクタ10は弾性部材9によってシリンダヘッド2へ押し付けられている。このとき、弾性部材9は反燃料レール側の端部がインジェクタ10のハウジング部材50に接している。そのため、ハウジング部材50には軸方向の圧縮荷重が加わる。ハウジング部材50に軸方向の荷重が加わると、ハウジング部材50は変形し軸方向の全長が縮小する。
一方、ハウジング部材50は、反ホルダ側の端部54が筒部材11に固定されていないため、筒部材11に対し軸方向へ相対移動可能である。これにより、ハウジング部材50が軸方向の荷重によって変形した場合、ハウジング部材50の変形は筒部材11に影響を与えない。すなわち、ハウジング部材50の変形にともなって筒部材11が変形することはない。その結果、ハウジング部材50の変形によって、筒部材11に収容されている固定コア43と可動コア44との間の距離が変化することはない。
次に、上記構成によるインジェクタ10の作動について説明する。
コイル42への通電が停止されているとき、固定コア43と可動コア44との間には磁気吸引力は発生していない。そのため、可動コア44および可動コア44と一体のニードル30はスプリング18の押し付け力により反固定コア方向へ移動している。その結果、コイル42への通電が停止されているとき、ニードル30の当接部31は弁座22に着座している。したがって、燃料は噴孔23から噴射されない。
コイル42に通電されると、コイル42に発生した磁界によりハウジング部材50、第一磁性部12、可動コア44、固定コア43および第二磁性部14には磁束が流れ、磁気回路が形成される。これにより、固定コア43と可動コア44との間には磁気吸引力が発生する。固定コア43と可動コア44との間に発生する磁気吸引力がスプリング18の押し付け力よりも大きくなると、可動コア44は固定コア43方向へ移動する。その結果、ニードル30の当接部31は弁座22から離座する。
燃料入口16からインジェクタ10の内部へ流入した燃料は、燃料フィルタ17、入口部材15の内周側、アジャスティングパイプ19の内周側、可動コア44の内周側、可動コア44を貫く燃料孔47およびホルダ20の内周側を経由して燃料通路32に流入する。燃料通路32に流入した燃料は、弁座22から離座したニードル30とノズルボディ21との間を経由して噴孔23へ流入する。これにより、噴孔23から燃料が噴射される。
コイル42への通電を停止すると、固定コア43と可動コア44との間の磁気吸引力は消滅する。これにより、可動コア44およびニードル30はスプリング18の押し付け力により反固定コア方向へ移動する。そのため、ニードル30の当接部31は再び弁座22に着座し、燃料通路32と噴孔23との間の燃料の流れは遮断される。したがって、燃料の噴射は終了する。
以上、説明したように、本発明の第1実施形態では、磁気回路を形成するハウジング部材50は反ホルダ側の端部54が筒部材11に対し軸方向へ往復相対移動可能である。そのため、インジェクタ10をエンジンに搭載するとき、ハウジング部材50に軸方向の荷重が加わる場合でも、荷重によるハウジング部材50の変形は筒部材11に伝わらない。これにより、エンジンへのインジェクタ10の搭載の前後において、固定コア43と可動コア44との間の距離の変化は低減される。したがって、インジェクタ10の燃料噴射特性の変化を低減することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態によるインジェクタを図5に示す。なお、第1実施形態と実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第2実施形態によるインジェクタ110は、図1に示す第1実施形態によるインジェクタ10の筒部材11に対応する部材を備えていない。第2実施形態によるインジェクタ110は、略円筒状の固定コア143を有している。固定コア143は、磁性材料により一体に形成されている。固定コア143の軸方向の一方の端部は、燃料入口16を有している。燃料入口16には燃料フィルタ17が設置されている。すなわち、第2実施形態では、固定コア143および入口部材が一体に形成されている。
固定コア143の他方の端部にはホルダ120が設置されている。ホルダ120は、第1実施形態と同様に内側にノズルボディ21が設置されている。ホルダ120およびノズルボディ21は、特許請求の範囲に記載のボディを構成している。ノズルボディ21は、弁座22および噴孔23を有している。固定コア143とホルダ120との間には、非磁性パイプ113が設置されている。非磁性パイプ113は、固定コアとホルダとの磁気的な短絡を防止している。固定コア143またはホルダ120と非磁性パイプ113とは、例えば溶接などにより接続されている。
弁部材としてのニードル30は、ホルダ120およびノズルボディ21の内周側を軸方向へ往復移動可能である。ニードル30は、ノズルボディ21と概ね同軸上に配置されている。ニードル30は、ノズルボディ21の弁座22に接触可能な当接部31を有している。ニードル30は、ノズルボディ21との間に燃料通路32を形成している。
駆動部140は、スプール141、コイル142、可動コア144およびハウジング部材150を有している。また、上述の固定コア143も駆動部140を構成している。スプール141は固定コア143の外周側に設置され、外周側にコイル142が巻回されている。すなわち、スプール141は直接固定コア143に接している。コイル142は、コネクタ部45の端子46に接続している。可動コア144は、固定コア143の内周側に軸方向へ往復移動可能に収容されている。可動コア144は、固定コア143側の端部においてスプリング18と接触している。スプリング18は、一方の端部が可動コア144に接しており、他方の端部がアジャスティングパイプ19に接している。アジャスティングパイプ19は、固定コア143に圧入されている。
ハウジング部材150は、例えば鉄などの磁性材料により形成され、コイル142の外周側を覆っている。ハウジング部材150は、略円筒状に形成されている。ハウジング部材150は、周方向の一部に軸方向へ伸びる図示しない開口部を有している。開口部にはコネクタ部45を挿入可能である。ハウジング部材150は、噴孔23とは反対側に径方向内側へ突出する座部152を有している。インジェクタ110をエンジンに搭載したとき、弾性部材9は一方の端部が座部152に接する。
ハウジング部材150は、軸方向において一方の端部すなわちホルダ120側の端部153がホルダ120に接している。また、ハウジング部材150とホルダ120とは固定されている。ハウジング部材150とホルダ120とは、例えば溶接することにより固定されている。なお、ハウジング部材150とホルダ120との固定方法は溶接に限らない。
ハウジング部材150は、他方の端部すなわちホルダ120とは反対側の端部154が固定コア143に対して軸方向へ相対移動可能である。すなわち、ハウジング部材150のホルダ120とは反対側に端部に設置されている座部152の内周面は、固定コア143の外周面に固定されていない。ハウジング部材150と固定コア143とは、径方向において緩く接触またはわずかな隙間を形成している。ここで、ハウジング部材150と固定コア143との間の距離は、磁束の流れが阻害されない程度に設定されている。すなわち、磁束の流れを阻害しないために、ハウジング部材150と固定コア143とは接触していることが望ましい。ハウジング部材150と固定コア143とは固定されていないため、ハウジング部材150が軸方向へ変形しても、その変形は固定コア143に伝達されない。ハウジング部材150のホルダ120と反対側の端部154と固定コア143とが対向している位置は、インジェクタ110の軸方向において固定コア143と可動コア144とが隙間を形成している位置とずれている。
第2実施形態では、可動コア144およびニードル30は固定コア143、非磁性パイプ113およびホルダ120の内側に直接設置されている。そのため、固定コア143、可動コア144およびニードル30を収容する例えば筒部材などの別部材は不要である。したがって、部品点数を低減することができる。
また、第2実施形態では、ハウジング部材150はホルダ120と反対側の端部154が固定コア143に対し軸方向へ相対移動可能である。そのため、インジェクタ110をエンジンに搭載するとき、ハウジング部材150に軸方向の荷重が加わる場合でも、荷重によるハウジング部材150の変形は固定コア143に伝わらない。これにより、エンジンへのインジェクタ110の搭載の前後において、固定コア143と可動コア144との間の距離の変化は低減される。したがって、インジェクタ110の燃料噴射特性の変化を低減することができる。
本発明の第1実施形態によるインジェクタを示す断面図である。 本発明の第1実施形態によるインジェクタをガソリンエンジンのシリンダヘッドに搭載した状態を示す概略図である。 本発明の第1実施形態によるインジェクタのハウジングを示す概略斜視図である。 本発明の第1実施形態によるインジェクタの構成を示す断面図である。 本発明の第2実施形態によるインジェクタを示す断面図である。
符号の説明
10、110 インジェクタ(燃料噴射弁)、11 筒部材、20、120 ホルダ(ボディ)、21 ノズルボディ(ボディ)、23 噴孔、30 ニードル(弁部材)、42、142 コイル、43、143 固定コア、44、144 可動コア、45 コネクタ部、50、150 ハウジング部材、51 開口部、53、153 端部、54、154 端部

Claims (5)

  1. 噴孔を有するボディと、
    前記噴孔からの燃料の噴射を断続する弁部材と、
    通電時に磁界を発生するコイルと、
    前記弁部材と一体に軸方向へ往復移動する可動コアと、
    前記可動コアの反噴孔側と対向して配置され、前記コイルにより発生した磁界により前記弁部材と一体の前記可動コアを吸引する固定コアと、
    軸方向の一方の端部が前記ボディに固定され、他方の端部が前記固定コアに対し軸方向へ相対移動可能であり、前記コイルの外周側を覆い前記コイルに発生した磁界により前記ボディ、前記可動コアおよび前記固定コアとともに磁束が流れる磁気回路を形成するハウジング部材と、
    を備えることを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記ハウジング部材の前記他方の端部と、前記可動コアと前記固定コアとが接する位置とは、軸方向にずれていることを特徴とする請求項1記載の燃料噴射弁。
  3. 前記可動コアおよび前記固定コアを内側に収容する筒部材を備え、
    前記ハウジング部材の前記他方の端部は前記筒部材に対し軸方向へ相対移動可能であることを特徴とする請求項1または2記載の燃料噴射弁。
  4. 前記コイルを電源と接続するコネクタ部をさらに備え、
    前記ハウジング部材は、筒状であり、周方向の一部に前記コネクタ部を挿入可能な開口部を有することを特徴とする請求項1、2または3記載の燃料噴射弁。
  5. 前記ハウジング部材は、前記他方の端部側から前記ボディ方向へ荷重を受けることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の燃料噴射弁。
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