JP2005229525A - Lc複合emiフィルタ - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、異なったグランド層に独立して接地可能な外部電極を2個備えた構造のLC複合EMIフィルタを提供する
【解決手段】 チップ状セラミック体Qの中に内部インダクタ5を設けるとともに、その内部インダクタを信号線とする入力側と出力側のそれぞれに第一、第二コンデンサC1、C2を接続して、前記信号線に1対二組のコンデンサを並列接続する。そして、前記一対二組のコンデンサの外部に露出するコンデンサ電極61、62の基端部611、621又は外部露出端611、621を、前記セラミック体に設けた一対の第一、第二外部電極81、82とそれぞれ導通するとともに、前記一対二組のコンデンサにおいて露出する他のコンデンサ電極71、72の外部露出端711、721を前記セラミック体に設けた他の一対の第三、第四外部電極91、92にそれぞれ導通して、前記コンデンサ毎に分離して接地できるようにする。
【選択図】 図1。
【解決手段】 チップ状セラミック体Qの中に内部インダクタ5を設けるとともに、その内部インダクタを信号線とする入力側と出力側のそれぞれに第一、第二コンデンサC1、C2を接続して、前記信号線に1対二組のコンデンサを並列接続する。そして、前記一対二組のコンデンサの外部に露出するコンデンサ電極61、62の基端部611、621又は外部露出端611、621を、前記セラミック体に設けた一対の第一、第二外部電極81、82とそれぞれ導通するとともに、前記一対二組のコンデンサにおいて露出する他のコンデンサ電極71、72の外部露出端711、721を前記セラミック体に設けた他の一対の第三、第四外部電極91、92にそれぞれ導通して、前記コンデンサ毎に分離して接地できるようにする。
【選択図】 図1。
Description
本発明は、電子機器のノイズを除去するに使用される、いわゆるπ型フィルタを構成するLC複合EMIフィルタに関するものである。
従来から前記π型フィルタを構成するLC複合EMIフィルタは周知である(「電子回路部品活用ハンドブック」第250〜251ページ、2000年8月15日、CQ出版社発行)。この複合EMIフィルタにおいては、図8に示すように、方形をなす一つの第一グリーンシート1の片面にその一辺11からそれに対向する他の一辺12にかけて屈曲線状に延びる導電パターンが内部インダクタ5として設けられている。
そして、前記第一グリーンシート1の下面側には、それと絶縁分離して誘電体からなる第二、第三グリーンシート2、3が積層されており、第二グリーンシート2に、第一、第二コンデンサC1、C2のコンデンサ電極61、62として、一対の長方形導電パターンが、互いに背面関係にある一辺611と他の一辺621を外方に露出させた状態で、設けられている。そしてさらに、第二グリーンシート2の下面側には、それと絶縁分離する誘電体として第三グリーンシート3が積層されているとともに、そのグリーンシート3には、第一、第二コンデンサC1、C2の共通コンデンサ電極7が略十字形面状導電パターンとして設けられており、その中央両側部に外部露出端711、721が形成されている。
そして、図9に示すように、上記構造を有する周知のLC複合EMIフィルタ20は、第一グリーンシート1の表面側に、導電パターンが印刷されていないグリーンシート4を被覆して、少なくとも4枚のグリーンシート1、2、3、4を一体焼成して得た成形体Qであり、その一端部に設けられた第一外部電極81には、前記内部インダクタ5の基端部51と第一コンデンサC1のコンデンサ電極61の基端部611とが導通し、同じく他端部において同様に設けられた第二外部電極82には、前記内部インダクタ5の先端部52と第二コンデンサC2のコンデンサ電極62の基端部621とが導通している。さらにLC複合EMIフィルタ20の側部には第一、第二コンデンサC1、C2に共通する一対のコンデンサ電極7が設けられており、前記中央両側部に設けた外部露出端711、721が一つの第三外部電極9に導通している。
従って、前記LC複合EMIフィルタ20は、図10に示す等価回路図から明らかなように、前記内部インダクタ5と、その内部インダクタ5を含む信号線10の入力(又は出力)側と出力(又は入力)側に対して一対のコンデンサC1、C2が並列に設けられた電子部品であり、前記コンデンサC1、C2が一つの第三外部電極9を介して接地可能になっている。
「電子回路部品活用ハンドブック」第250〜251ページ、2000年8月15日、CQ出版社発行
「電子回路部品活用ハンドブック」第250〜251ページ、2000年8月15日、CQ出版社発行
上記構造のLC複合EMIフィルタはマイコン等の電子機器のノイズを除去するフィルタとして相応の効果を発揮しているが、近年、電子機器の発達及び高機能化により、種々の機能を有する複数種の電子回路、例えば、アナログ回路とデジタル回路とが一つのプリント基板に搭載されるようになったため、それらの回路に共通して一つのLC複合EMIフィルタが前記基板に搭載される場合において、電子機器によっては電子回路毎にグランド層を分離して信号線からノイズを除去する必要がある。
そこで本発明者等は、上記態様において異なるグランド層に接地可能な構造のLC複合EMIフィルタを開発するため、種々検討したところ、該複合EMIフィルタに組み込むコンデンサを特定の構造にして前記第三外部電極を分離すればよいという事実を見出し、本発明を完成した。従って、本発明の課題は、異なったグランド層に独立して接地可能な外部電極を2個備えた構造のLC複合EMIフィルタを提供することにある。
本発明は前記の課題を解決するために、直方形をなす一つのセラミック体の中に内部インダクタを設けるとともに、その内部インダクタを信号線とする入力側と出力側のそれぞれにコンデンサを接続して、前記信号線に1対二組のコンデンサを並列接続してなるLC複合EMIフィルタにおいて、前記コンデンサの各々が有する一対二組のコンデンサ電極を前記セラミック体中に独立させることにより、前記コンデンサ毎に分離して接地できるようにした構造のLC複合EMIフィルタとする。
本発明における態様において、好ましくは、前記一対二組のコンデンサを、前記セラッミク体中に並列に埋設し、かつ各コンデンサの一対二組のコンデンサ電極を、セラミック層を介して重畳させる。さらに好ましくは、前記内部インダクタをジグザグ状に屈曲する線状導電パターンを以って構成し、前記セラミック体において露出する導電パターン基端及び先端、並びに前記各コンデンサにおいて露出する一つのコンデンサ電極の外部露出端を、前記セラミック体に設けた一対の第一、第二外部電極とそれぞれ導通させるとともに、同様に前記各コンデンサにおいて露出する他のコンデンサ電極の外部露出端を、前記セラミック体に設けた他の一対の第三、第四外部電極のそれぞれに独立して導通させる。
本発明は、一つのプリント基板に複数種の電子回路を搭載する場合において、それらの電子回路に共通して使用される一つのLC複合EMIフィルタを組み込むとき、複数種の電子回路の機能に合わせて信号線からノイズを効果的に除去することができるという効果を発揮する。
次に図面を参照しながら、本発明の最良の実施形態を説明すると、本発明に係るLC複合EMIフィルタは、周知技術と同様に、直方体(チップ)状セラミック体、線状の導電パターンからなる内部インダクタ、面状導電パターンからなるコンデンサ及び前記内部インダクタとコンデンサと導通し、電子回路に対する端子電極の作用をする外部電極等の基本要素から構成される。
図1及び図2に示すように、チップ状セラミック体Qは、公知技術と同様に、セラミックからなる少なくとも第一、第二、第三グリーンシート1、2、3に前記導電パターンを構成するために銀又は銀とパラジウム等の導電体形成用ペーストを印刷して、それらと導電パターンが印刷されていない第四グリーンシート4とを積層かつ一体化した後、焼成することにより得られる。前記グリーンシートは、フェライト等のセラミック磁性体用粉末にポリビニルブチラール等のバインダーとトルエン、エタノール等の有機溶媒と混合して得られるスラリーをドクターブレード法によりシート化し、得られたグリーンシートを方形に切断して得る。
本発明に係るLC複合EMIフィルタ20は、前記セラミック体Qの長手方向の両端面に第一、第二外部電極81、82を備えており、それらに電子回路の信号線の間に導通可能になっている。また前記セラミック体Qの長手方向に沿う側面21、22に第三、第四外部電極91、92を備えており、それぞれが異なる電子回路に別々に接地可能になっている。なお、本発明に係るLC複合EMIフィルタ20は、公知のそれと同様にセラミック体Qの外側に4個の外部電極を有しているが、本発明においては前記第三、第四外部電極91、92が完全に独立しているのに対して、公知技術においてはそれらの外部電極は共通の1本である点において、両者は根本的に相異する。
このような構造を有する本発明に係るLC複合EMIフィルタ20は次のように製造される。図1に示すように、まず、第一グリーンシート1の片面に導電性ペーストを印刷するとき、その導電ペーストをジグザグ状かつ前記片面を斜交するように、一つの辺11からそれに対向する他の辺12に向かって屈曲しながら延びるように印刷して、最終的に得られる内部インダクタ5の基端部51及び先端部52が前記セラミック体Qから露出するようにする。
次に、前記グリーンシート1の裏面側に位置する第二グリーンシート2に、前記同様に所定間隔をおいて平面が短冊状をなす2枚の面状導電パターンを印刷して一対の第一、第二コンデンサC1、C2のコンデンサ電極61、62を独立かつ並列的に形成し、それらの基端部611、621が、前記セラミック体Qから露出するようにするとともに、前記セラミック体Qにおいて前記第一グリーンシート1の内部インダクタ5の基端部51及び先端部52と上下同一位置にくるようにする。
さらに前記第二グリーンシート2の裏面側に位置する第三グリーンシート3において前記第一コンデンサ、第二コンデンサC1、C2のコンデンサ電極61、62の垂直位置に、それらの電極と実質的に同一形状・大きさの面状導電パターンを印刷して、前記第一コンデンサ、第二コンデンサC1、C2の他のコンデンサ電極71、72を独立かつ並列的に形成するが、このコンデンサ電極71、72の長手方向外側縁の中央部が一部分外方に露出して外部露出端711、721になっている。この外部露出端711、721は周知技術においても存在するが、本発明に係るLC複合EMIフィルタ20において前記第一コンデンサ、第二コンデンサC1、C2の他のコンデンサ電極71、72が第二グリーンシート2において独立して存在し、この点に本発明の特徴がある。
次に、前記内部インダクタ51及び第一、第二コンデンサC1、C2が印刷されている第一、第二及び第三グリーンシート1、2、3と、導電体が印刷されていない第四グリーンシート4を積層して一体化し、それを焼成して得たセラミック体Qに対して、公知の方法により、第一、第二外部電極81、82を設けて、それらの外部電極81、82に対して前記内部インダクタ5の基端部51及び先端部52、並びに前記第二グリーンシート2で形成された第一、第二コンデンサC1、C2のコンデンサ電極61、62の基端部611、621を導通させる。前記同様にセラミック体Qの側面21、22に第一、第二コンデンサC1、C2の外部露出端711、721を導通させると、本発明に係るLC複合EMIフィルタ20が完成する。
このようにして得られたLC複合EMIフィルタ20は、前記セラミック体Qの中に内部インダクタ5が埋設されており、さらにその下方側において、その内部インダクタ5を信号線とする入力側と出力側のそれぞれに前記第一コンデンサC1と前記第二コンデンサC2が独立的に並列接続されており、その結果、図3に示す等価回路で示すように、前記第一コンデンサC1と前記第二コンデンサC2を分離して接地できるようになる。そのため、前記グランドG1、G2が同一プリント基板においてアナログ回路とデジタル回路等と相異なるような回路に対する共通信号線のノイズを除去するのに本発明に係るLC複合EMIフィルタの使用が可能になる。
本発明は、その根本的技術思想を踏襲し発明の効果を著しく損なわない限度において、前記の実施形態の一部分を、例えば、次のように変更して実施することもできる。
(1) 図4に示すように、第一グリーンシート2に対して内部インダクタ5をW字形に屈曲形成して、その基端部、先端部51、52を第一グリーンシート1の長手方向に沿う片側辺に露出させてもよい。この態様においては第二グリーンシート2の片側辺において前記基端部、先端部51、52の下方に前記第一、第二コンデンサC1、C2のコンデンサ電極61、62の外部露出端611、621を露出させる。この態様においては、図5に示すように、独立した第一、第二、第三、第四外部電極81、82、91、92がセラミック体Qのコーナー部に形成される。
(1) 図4に示すように、第一グリーンシート2に対して内部インダクタ5をW字形に屈曲形成して、その基端部、先端部51、52を第一グリーンシート1の長手方向に沿う片側辺に露出させてもよい。この態様においては第二グリーンシート2の片側辺において前記基端部、先端部51、52の下方に前記第一、第二コンデンサC1、C2のコンデンサ電極61、62の外部露出端611、621を露出させる。この態様においては、図5に示すように、独立した第一、第二、第三、第四外部電極81、82、91、92がセラミック体Qのコーナー部に形成される。
(2) さらに、図6に示すように、第一グリーンシート2に対して内部インダクタ5を稲妻形に屈曲形成して、その基端部、先端部51、52を第一グリーンシート1の対角辺に露出させてもよい。この態様においては第二グリーンシート2の対角辺において前記基端部、先端部51、52の下方に前記第一、第二コンデンサC1、C2のコンデンサ電極61、62の外部露出端611、621を露出させる。
(3) 図7に示すように、前記第一、第二コンデンサC1、C2を短冊形に形成し、それらコンデンサ電極61、62の外部露出端611、621を上記のように露出させることができる。
(4) さらに前記態様において前記第三グリーンシート3の第一、第二コンデンサC1、C2の外部露出端711、721を第三グリーンシート3の中央部寄りに設けることもできる。また、インダクタは複数層間にビアホールを介して接続してなるスパイラル形状になっていてもよい。
(3) 図7に示すように、前記第一、第二コンデンサC1、C2を短冊形に形成し、それらコンデンサ電極61、62の外部露出端611、621を上記のように露出させることができる。
(4) さらに前記態様において前記第三グリーンシート3の第一、第二コンデンサC1、C2の外部露出端711、721を第三グリーンシート3の中央部寄りに設けることもできる。また、インダクタは複数層間にビアホールを介して接続してなるスパイラル形状になっていてもよい。
本発明は、2箇所に接地が必要なLC複合EMIフィルタの分野に広く利用できる。
1:第一グリーンシート
11:一辺、12:他の一辺、2:第二グリーンシート、3:第三グリーンシート、4:第四グリーンシート、5:内部インダクタ、51:基端部、52:先端部、61:コンデンサ電極、611:基端部62:コンデンサ電極、621:基端部、7、71、72:コンデンサ電極
711、721:外部露出端、81:第一外部電極、82:第二外部電極、9:第三外部電極、91:第三外部電極、92:第四外部電極、10:信号線、20:LC複合EMIフィルタ、C1:第一コンデンサ、C2:第二コンデンサ、Q:セラミック体
整理番号MP−0401
11:一辺、12:他の一辺、2:第二グリーンシート、3:第三グリーンシート、4:第四グリーンシート、5:内部インダクタ、51:基端部、52:先端部、61:コンデンサ電極、611:基端部62:コンデンサ電極、621:基端部、7、71、72:コンデンサ電極
711、721:外部露出端、81:第一外部電極、82:第二外部電極、9:第三外部電極、91:第三外部電極、92:第四外部電極、10:信号線、20:LC複合EMIフィルタ、C1:第一コンデンサ、C2:第二コンデンサ、Q:セラミック体
整理番号MP−0401
Claims (3)
- チップ状セラミック体(Q)の中に第一内部インダクタ(5)を設けるとともに、その内部インダクタを信号線とする入力側と出力側のそれぞれにコンデンサ(C1、C2)を接続して、前記信号線に1対二組のコンデンサを並列接続してなるLC複合EMIフィルタ(20)において、前記コンデンサの各々が有する一対二組のコンデンサ内部電極(61、71、62、72)を前記セラミック体中に独立させるとともに、それらのグランド電極をそれぞれ異なるグランドに接地可能に独立させ、さらに二つの前記グランド電極間に第二内部インダクタを組み込んだことを特徴とするLC複合EMIフィルタ。
- 前記一対二組のコンデンサ(C1、C2)は、前記セラッミク体(Q)中に並列に埋設されており、かつ各コンデンサの一対二組のコンデンサ内部電極(61、71、62、72)はセラミック層を介して重畳している請求項1記載のLC複合EMIフィルタ。
- 前記内部インダクタ(5)はジグザグ状に屈曲する線状導電パターンからなり、前記セラミック体(Q)において露出する内部インダクタの基端(51)及び先端(52)、並びに前記一対二組のコンデンサ(C1、C2)の外部に露出するコンデンサ内部電極(61、62)の基端部(611、621)又は外部露出端(611、621)は、前記セラミック体に設けた一対の第一、第二外部電極(81、82)とそれぞれ導通し、同様に前記一対二組のコンデンサにおいて露出する他のコンデンサ内部電極(71、72)の外部露出端(711、721)は、前記セラミック体に設けた他の一対の第三、第四外部電極(91、92)とそれぞれ導通している請求項1記載のLC複合EMIフィルタ。
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