JP2005228988A - Soiウェーハの製造方法 - Google Patents
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Abstract
貼り合わせ界面に存在する有機物を除去し、ボイドおよびブリスタと呼ばれる欠陥を低減するSOIウェーハの製造方法を提供する。
【解決手段】
表面に酸化膜12a、12bを有する活性層用ウェーハ21および支持用ウェーハの表面から元素イオンを注入する。これにより、活性層用ウェーハ21および支持用ウェーハの表面より500Å以下の深さ位置にイオン注入層13a、13bが形成される。そして、活性層用ウェーハ21のイオン注入層13aを貼り合わせ面として、支持用ウェーハ22のイオン注入層13bに貼り合わせる。この後、貼り合わせウェーハ10の活性層用ウェーハ21側を研削・研磨などをしてSOIウェーハ11を完成させる。この結果、貼り合わせ後のボイド欠陥を低減することができる。また、スマートカット法によるSOIウェーハの製造方法にあっては、ブリスタと呼ばれる欠陥を低減することができる。
【選択図】図1
Description
また、この貼り合わせ法には、活性層用ウェーハに絶縁膜を介して水素または希ガス元素イオン注入して、この活性層用ウェーハにイオン注入層を形成し、次いで、この活性層用ウェーハを絶縁膜を介して支持ウェーハに貼り合わせて貼り合わせウェーハを形成し、この後、この貼り合わせウェーハを熱処理して、イオン注入層を境界として剥離するスマートカット法が含まれている。
また、スマートカット法によるSOIウェーハ11の製造方法にあっては、活性層用ウェーハと支持用ウェーハとを貼り合わせる際、酸化膜12a、12bの界面に有機物16が存在した状態で、貼り合わせウェーハ10をイオン注入層を境界として剥離する熱処理を行なうと、図4に示すような、剥離後のSOI層15の表面にブリスタ(Blister)18とよばれる欠陥が発生してしまう。
さらに、活性層用ウェーハおよび支持用ウェーハの表面に酸化膜を有すると、活性層用ウェーハのみ酸化膜を有する場合と比べて、貼り合わせ後の活性層用ウェーハと支持用ウェーハとの結合強度が弱くなってしまう。
また、この発明は、活性層用ウェーハおよび支持用ウェーハの貼り合わせ界面に絶縁膜を有する場合であっても、貼り合わせ強度を高めたSOIウェーハを製造する方法を提供することを目的とする。
また、活性層用ウェーハおよび支持用ウェーハのうち少なくとも一方のシリコンウェーハ表面に元素イオンが注入される。元素イオンの注入加速電圧およびドーズ量は、形成されるイオン注入層が活性層用ウェーハの表面から500Å以下であれば限定されない。元素イオンは、例えば、酸素イオン、水素イオンまたはアルゴンイオンである。これらの元素イオンは、熱処理しても不活性となる。
イオン注入する装置は、スマートカット法によるSOIウェーハ製造時の水素または希ガス元素を注入するものをそのまま使用する。
そして、活性層用ウェーハを絶縁膜を介して支持用ウェーハに貼り合わせる。この結果、貼り合わせ界面に有機物・パーティクルが存在しない貼り合わせウェーハが作製される。
この結果、貼り合わせ法によるSOIウェーハの製造方法にあっては、ボイドの存在しないSOIウェーハを得ることができる。また、スマートカット法によるSOIウェーハの製造方法にあっては、剥離後のSOI層の表面にブリスタが発生しない。
さらに、活性層用ウェーハおよび支持用ウェーハの表面に酸化膜が形成された場合であっても、貼り合わせの界面にイオン注入することにより貼り合わせ強度が増す。
まず、貼り合わせ法によるSOIウェーハ11の製造方法について、図1を参照して説明する。最初に、図1(a)に示すように、CZ法により育成され、ボロンがドーパントとされた単一のシリコンインゴットからスライスした厚さ725μm、直径200mm、比抵抗20Ω・cmのシリコンウェーハを2枚準備する。この後、これらのシリコンウェーハを公知の手法にて鏡面研磨する。そして、これらのシリコンウェーハのうち、一方を活性層用ウェーハ21とし、他方を支持用ウェーハ22とする。
次いで、図1(b)に示すように、活性層用ウェーハ21となるシリコンウェーハの表面に酸化膜(BOX層:埋め込み酸化膜)12aを形成する。また、支持用ウェーハ22の表面にも同様に酸化膜12bを形成する。酸化膜12a、12bの形成は、酸化炉内にシリコンウェーハを装入し、これを4時間、温度1000℃にそれぞれ加熱することにより行われる。このとき、形成される酸化膜12a、12bの厚さはそれぞれ1000Åである。
この後、図1(c)に示すように、活性層用ウェーハ21および支持用ウェーハ22を、図示しない公知のイオン注入装置の真空チャンバ中にそれぞれセットする。そして、活性層用ウェーハ21および支持用ウェーハ22の表面から加速電圧=45keV、ドーズ量=1.0E15atoms/cm2の条件でアルゴンイオンを注入する。この結果、活性層用ウェーハ21および支持用ウェーハ22の表面から500Åまでの深さ範囲にアルゴンのイオン注入層13a、13bがそれぞれ形成される。これにより、活性層用ウェーハ21および支持用ウェーハ22の表面に存在するパーティクルおよび有機物が除去される。また、活性層用ウェーハ21および支持用ウェーハ22の表面にイオン注入することにより、これらの表面にアモルファス層が形成される。または、表面にダメージが与えられる。
次に、図1(d)に示すように、活性層用ウェーハ21を、アルゴンイオンが注入されたイオン注入層13aを貼り合わせ面として、支持用ウェーハ22のイオン注入層13bの表面に貼り合わせる。貼り合わせは室温で所定の治具を用いて行う。この結果、図1(e)に示すように、貼り合わせ界面にイオン注入層13a、13bを介在する貼り合わせウェーハ10が形成される。
この後、貼り合わせウェーハ10について、その活性層用ウェーハ21と、支持用ウェーハ22とを強固に結合するための貼り合わせ熱処理を行う。熱処理の条件は、酸化性ガス雰囲気中で1100℃以上、略2時間とする。
次に、図1(f)に示すように、研削装置を用いて貼り合わせウェーハ10の活性層用ウェーハ21部分をその表面(貼り合わせ面とは反対側の面)から所定の厚さだけ研削する。
次に、この貼り合わせウェーハの表面(研削面)を研磨する。研磨は公知の機械的化学的研磨(研磨布・研磨剤を使用したシリコン面の研磨)である。この結果、BOX層(12a、12b)の表面側に所定厚さのSOI層(シリコン層)15が形成される。
この後、図1(g)に示すように、このSOI層15の薄膜化処理を行い、SOIウェーハ11を完成させる。薄膜化処理は、例えば、貼り合わせウェーハ10について、酸化性雰囲気中で、ウェット酸化処理を施す。すると、SOI層15の表面に所定厚さの酸化膜が形成される。そして、この酸化膜を例えばHFエッチングにより除去して、SOI層15が薄膜化される。
最初に、図2(a)に示すように、CZ法により育成され、ボロンがドーパントとされたシリコンインゴットからスライスしたシリコンウェーハを2枚準備する。この後、これらのシリコンウェーハを鏡面研磨する。そして、これらのシリコンウェーハのうち、一方を活性層用ウェーハ21とし、他方を支持用ウェーハ22とする。
この後、図1(b)に示すように、活性層用ウェーハ21となるシリコンウェーハの表面に酸化膜(BOX層)12aを形成する。酸化膜12aの形成は、酸化炉内にシリコンウェーハを挿入し、これを4時間、温度1000℃に加熱することにより行われる。このとき、形成される酸化膜12aの厚さは1500Åである。
次に、酸化膜12aが形成された活性層用ウェーハ21を、イオン注入装置の真空チャンバの中にそれぞれセットする。そして、図2(c)に示すように、活性層用ウェーハ21の表面より酸化膜12aを介して加速電圧=50keV、ドーズ量=5.0E16atoms/cm2の水素イオンを注入する。水素イオンは、活性層用ウェーハ21の表面から所定深さの位置まで(4700Åまでの深さ位置)注入される。この結果、活性層用ウェーハ21の所定深さ範囲(表面から4700Åまでの深さ範囲)に水素イオン注入層14が形成される。
次いで、図2(d)に示すように、上記イオン注入装置にセットした状態で、まず、活性層用ウェーハ21の表面からアルゴンイオンを注入する。その後、支持用ウェーハ22をイオン注入装置にセットし、アルゴンイオンを注入する。イオン注入の条件は、上記実施例1と同じである。この結果、活性層用ウェーハ21および支持用ウェーハ22の表面から500Åまでの深さ位置に、アルゴンのイオン注入層13a、13bがそれぞれ形成される。これにより、活性層用ウェーハ21および支持用ウェーハ22の表面に存在するパーティクルおよび有機物が除去される。
次に、図2(e)に示すように、活性層用ウェーハ21とアルゴンのイオン注入層13aの表面を貼り合わせ面として、支持用ウェーハ22のイオン注入層13bの表面に貼り合わせる。この結果、貼り合わせ界面にアルゴンのイオン注入層13a、13bを介在する貼り合わせウェーハ10が形成される。
図2(f)に示すように、貼り合わせウェーハ10を熱処理室において剥離熱処理を施す。このとき、熱処理室内は、温度が略500℃で窒素ガス雰囲気に30分保持されている。
すると、貼り合わせウェーハ10は、水素イオン注入層14において水素ガスのバブルが形成され、このバブルが形成された水素イオン注入層14を境界として、貼り合わせウェーハ10の一部(活性層用ウェーハ21の一部)が剥離する。これにより、図2(g)に示すように、SOIウェーハ11が形成される。
この後、SOIウェーハ11の活性層用ウェーハ21と、支持用ウェーハ22とを強固に結合するための貼り合わせ強化熱処理を行う。熱処理の条件は、窒素ガス雰囲気中で1100℃以上、略2時間の条件で行う。
この後は、SOI層15の薄膜化処理をして、SOIウェーハ11を完成させる。
11 SOIウェーハ、
12a、12b 酸化膜(BOX層)、
13a、13b アルゴンイオン注入層、
14 水素イオン注入層、
15 SOI層、
21 活性層用ウェーハ、
22 支持用ウェーハ。
Claims (6)
- 活性層用ウェーハを絶縁膜を介して支持用ウェーハに貼り合わせて貼り合わせウェーハを形成した後、活性層用ウェーハを薄膜化してSOIウェーハを製造するSOIウェーハの製造方法であって、
活性層用ウェーハおよび支持用ウェーハのうち少なくとも一方の表面に、元素イオンをイオン注入し、イオン注入された面を貼り合わせ面として、活性層用ウェーハと支持用ウェーハとを貼り合わせた後、活性層用ウェーハを薄膜化するSOIウェーハの製造方法。 - 上記薄膜化は、上記活性層用ウェーハの貼り合わせ面とは反対側の面を研削および研磨して処理する請求項1に記載のSOIウェーハの製造方法。
- 上記薄膜化は、活性層用ウェーハに絶縁膜を介して水素または希ガスをイオン注入して、この活性層用ウェーハにイオン注入層を形成した後、上記貼り合わせウェーハを形成し、この後、この貼り合わせウェーハを熱処理して、イオン注入層を境界として剥離して処理する請求項1に記載のSOIウェーハの製造方法。
- 上記イオン注入する元素イオンは、水素イオン、酸素イオンまたはアルゴンイオンのうちの少なくともいずれか1つである請求項1に記載のSOIウェーハの製造方法。
- 上記活性層用ウェーハおよび支持用ウェーハのうち少なくとも一方の表面に注入される元素イオンの最大の深さ位置が500Å以下である請求項1〜請求項4のうちいずれか1項に記載のSOIウェーハの製造方法。
- 上記活性層用ウェーハおよび支持用ウェーハは、表面に酸化膜を有する請求項1から請求項5のうちいずれか1項に記載のSOIウェーハの製造方法。
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