JP2005226084A - アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金、アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池の製造方法 - Google Patents
アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金、アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 希土元素類、Mg、Ni、Alを含む水素吸蔵合金を負極に使用したアルカリ蓄電池において、充放電によって水素吸蔵合金が劣化するのを抑制し、アルカリ蓄電池におけるサイクル寿命を向上させる。
【解決手段】 正極1と、負極2と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、負極に、少なくとも希土類元素とMgとNiとAlとを含み、Cu-Kα線を用いたX線回折測定において2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金粉末を用い、アルカリ蓄電池を活性化させた状態で、水素吸蔵合金粉末の表面から30nmの範囲におけるMg濃度M1と、酸素濃度が10重量%未満になった水素吸蔵合金内部におけるMg濃度M2とが、M1/M2≦0.18の条件を満たすようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】 正極1と、負極2と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、負極に、少なくとも希土類元素とMgとNiとAlとを含み、Cu-Kα線を用いたX線回折測定において2θ=31〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金粉末を用い、アルカリ蓄電池を活性化させた状態で、水素吸蔵合金粉末の表面から30nmの範囲におけるMg濃度M1と、酸素濃度が10重量%未満になった水素吸蔵合金内部におけるMg濃度M2とが、M1/M2≦0.18の条件を満たすようにした。
【選択図】 図1
Description
この発明は、アルカリ蓄電池用水素吸蔵合金、アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池の製造方法に係り、特に、アルカリ蓄電池の容量を高めるように、負極に少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31°〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金粉末を用いた場合に、この水素吸蔵合金がアルカリ電解液と反応して劣化するのを抑制し、アルカリ蓄電池のサイクル寿命を向上させるようにした点に特徴を有するものである。
従来、アルカリ蓄電池として、ニッケル・カドミウム蓄電池が一般に使用されていたが、近年においては、ニッケル・カドミウム蓄電池に比べて高容量で、またカドミウムを使用しないため環境安全性にも優れているという点から、負極の材料に水素吸蔵合金を用いたニッケル・水素蓄電池が注目されるようになった。
そして、このようなニッケル・水素蓄電池が各種のポータブル機器に使用されるようになり、このニッケル・水素蓄電池をさらに高性能化させることが期待されている。
ここで、このニッケル・水素蓄電池においては、その負極に使用する水素吸蔵合金として、CaCu5型の結晶を主相とする希土類−ニッケル系水素吸蔵合金や、Ti,Zr,V及びNiを含むラーベス相系の水素吸蔵合金等が一般に使用されていた。
しかし、これらの水素吸蔵合金は、一般に水素吸蔵能力が必ずしも十分であるとはいえず、ニッケル・水素蓄電池の容量をさらに高容量化させることが困難であった。
そして、近年においては、希土類元素とマグネシウムとニッケルとを含む水素吸蔵能力の高い水素吸蔵合金の粉末を用いることが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
しかし、上記のような水素吸蔵合金の粉末をアルカリ蓄電池の負極に使用して充放電を繰り返して行った場合、この水素吸蔵合金の粉末がアルカリ電解液により酸化されて劣化すると共に、アルカリ蓄電池内におけるアルカリ電解液が次第に消費されてアルカリ蓄電池内における抵抗が増大し、アルカリ蓄電池のサイクル寿命が低下するという問題があった。
特開平11−323469号公報
特開2002−69554号公報
この発明は、希土類元素とマグネシウムとニッケルとを含む水素吸蔵能力の高い水素吸蔵合金を負極に使用したアルカリ蓄電池における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
すなわち、この発明においては、上記のアルカリ蓄電池を繰り返して充放電させた場合において、負極に使用した水素吸蔵合金がアルカリ電解液により酸化されて劣化したり、アルカリ電解液が次第に消費されてアルカリ蓄電池内における抵抗が増大するのを抑制し、アルカリ蓄電池におけるサイクル寿命を向上させることを課題とするものである。
この発明においては、上記のような課題を解決するため、水酸化ニッケルを用いた正極と、水素吸蔵合金粉末を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、上記の負極に、少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31°〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金の粉末を用い、このアルカリ蓄電池を活性化させた状態において、この水素吸蔵合金粉末の表面から30nmの範囲におけるマグネシウム濃度M1と、酸素濃度が10重量%未満になった水素吸蔵合金内部におけるマグネシウム濃度M2とが、M1/M2≦0.18の条件を満たすようにしたのである。なお、アルカリ蓄電池を活性化させるとは、製造した当初のアルカリ蓄電池を充放電させて、アルカリ蓄電池において目的とする容量が得られるようにすることを意味する。
ここで、上記の少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31°〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金としては、Ce2Ni7型の結晶構造を有するものであることが望ましい。ここで、Ce2Ni7型の結晶構造を有する水素吸蔵合金は、水素吸蔵量が多く、アルカリ蓄電池の容量を高くすることかできる一方、耐食性が低いため、充放電により劣化して電池のサイクル寿命が短くなるが、この水素吸蔵合金を上記のように構成することにより、充放電による劣化が抑制され、高い容量を維持した状態で、サイクル寿命を向上させることができる。
また、上記の水素吸蔵合金粉末において、希土類元素にランタンを含む場合、この水素吸蔵合金粉末の表面のランタン濃度L1と、表面から50nmまでの範囲における最小ランタン濃度L2とが、L1/L2≧1.9の条件を満たすことが好ましい。このように、水素吸蔵合金粉末の表面のランタン濃度に比べて、表面から50nmまでの範囲にランタン濃度が低い層が存在すると、ランタン濃度が高い表面により水素吸蔵速度が速くなると共に、ランタン濃度が低い層が保護層として作用し、充放電時における水素吸蔵合金内部の劣化が抑制されるようになる。
また、上記のようにこのアルカリ蓄電池を活性化させた状態で、上記の水素吸蔵合金粉末の表面から30nmの範囲におけるマグネシウム濃度M1、酸素濃度が10重量%未満になった水素吸蔵合金内部におけるマグネシウム濃度M2とがM1/M2≦0.18の条件を満たすようにして、上記の水素吸蔵合金粉末の表面におけるマグネシウム濃度を、内部に比べて大きく低下させると、このようにマグネシウム濃度が大きく低下した水素吸蔵合金の表面が酸化されて、緻密な保護層が形成されるようになる。このため、このアルカリ蓄電池を繰り返して充放電させた場合においても、上記の保護層により、この水素吸蔵合金の内部がアルカリ電解液により酸化されて劣化するのが抑制されると共に、この水素吸蔵合金の内部におけるマグネシウムが溶出するのも抑制されて、放電容量が低下するのが防止されると考えられる。
ここで、上記のようにアルカリ蓄電池を活性化させた状態で、上記の水素吸蔵合金粉末の表面から30nmの範囲におけるマグネシウム濃度M1、酸素濃度が10重量%未満になった水素吸蔵合金内部におけるマグネシウム濃度M2とがM1/M2≦0.18の条件を満たすようにするにあたっては、例えば、上記の水素吸蔵合金粉末を負極に用いたアルカリ蓄電池を、最初に充電させる前に放置した場合の最大電圧から−18mVの範囲内になるまで放置した後、このアルカリ蓄電池を充放電させて活性化させるようにすることができる。
そして、上記のようにアルカリ蓄電池を、最初に充電させる前に放置した場合の最大電圧から−18mVの範囲内になるまで放置させると、上記の水素吸蔵合金の表面におけるマグネシウムが徐々に溶出されて、この水素吸蔵合金の表面にマグネシウム濃度が低くなった層が形成されるようになる。その後、このアルカリ蓄電池を充放電させて活性化させた場合には、上記のように水素吸蔵合金粉末の表面から30nmの範囲におけるマグネシウム濃度M1、酸素濃度が10重量%未満になった水素吸蔵合金内部におけるマグネシウム濃度M2とがM1/M2≦0.18の条件を満たすようになると共に、このようにマグネシウム濃度が低くなった水素吸蔵合金の表面が酸化されて、緻密な保護層が形成されるようになる。
ここで、上記のようにアルカリ蓄電池を最初に充電させる前に放置した場合の最大電圧から−18mVの範囲内になるまで放置させるにあたっては、このアルカリ蓄電池を所定範囲の温度で所定時間放置させるようにする。なお、放置させる温度が高くなりすぎると、このアルカリ蓄電池を構成する部材が熱によって劣化するおそれがある一方、放置させる温度が低いと、放置時間が長くなりすぎるため、25℃〜80℃の温度範囲内で放置させることが好ましい。
そして、上記のようにアルカリ蓄電池を最初に充電させる前に放置した場合の最大電圧から−18mVの範囲内になるまで放置させるにあたり、例えば、アルカリ蓄電池を25℃の温度条件で放置させる場合においては48時間以上放置させるようにし、またアルカリ蓄電池を45℃の温度条件で放置させる場合においては8時間以上放置させるようにする。なお、放置時間が長くなりすぎると、アルカリ蓄電池の生産性が著しく低下するため、放置時間を240時間以内にすることが好ましい。
ここで、上記のアルカリ蓄電池に用いる水素吸蔵合金としては、上記のように少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとを含む水素吸蔵合金であればよいが、容量を高めると共に、サイクル寿命を向上させるためには、例えば、一般式Ln1-xMgxNiy-aAla(式中、Lnは希土類元素から選択される少なくとも1種の元素であり、0.05≦x<0.20、2.8≦y≦3.9、0.10≦a≦0.25の条件を満たす。)で表わされるものを用いることが好ましい。また、上記の一般式で示される水素吸蔵合金において、上記の希土類元素LnやNiの一部を、V,Nb,Ta,Cr,Mo,Mn,Fe,Co,Ga,Zn,Sn,In,Cu,Si,P,Bから選択される少なくとも1種の元素で置換させたものを用いることがより好ましい。
一方、上記のアルカリ蓄電池において、正極に使用する水酸化ニッケルについては特に限定されないが、上記のようにアルカリ蓄電池を繰り返して充放電させた場合において、上記の負極と同様に、正極が劣化するのを抑制するためには、コバルトの価数が2価を超える高次コバルト酸化物によって表面が被覆された水酸化ニッケルを用いることが好ましい。
以上のように、この発明においては、アルカリ蓄電池の負極に、少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31°〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金の粉末を用いるようにしたため、アルカリ蓄電池における容量が高められる。
また、この発明においては、上記のようにこのアルカリ蓄電池を活性化させた状態において、上記の水素吸蔵合金粉末の表面から30nmの範囲におけるマグネシウム濃度M1と、酸素濃度が10重量%未満になった水素吸蔵合金内部におけるマグネシウム濃度M2とが、M1/M2≦0.18の条件を満たすようにしたため、このアルカリ蓄電池を繰り返して充放電させた場合においても、この水素吸蔵合金の内部が酸化されるのが抑制されると共に、この水素吸蔵合金の内部におけるマグネシウムが溶出するのも抑制されて、放電容量が低下するのが防止され、アルカリ蓄電池におけるサイクル寿命が向上する。
以下、この発明の実施例に係るアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金、アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池の製造方法について具体的に説明すると共に、比較例を挙げ、この発明の実施例に係るアルカリ蓄電池においては、充放電によりその負極に用いた水素吸蔵合金が内部まで酸化されて劣化するのが抑制され、アルカリ蓄電池のサイクル寿命が向上することを、比較例を挙げて明らかにする。なお、この発明におけるアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金、アルカリ蓄電池及びアルカリ蓄電池の製造方法は、下記の実施例に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
(実施例1,2及び比較例1)
実施例1,2及び比較例1においては、負極を作製するにあたり、希土類元素のLa,Pr,Nd及びZrと、Mgと、Niと、Alと、Coとを用い、これらを所定の合金組成になるように混合した後、これをアルゴン雰囲気中において溶融させ、これを冷却させて、組成が(La0.2Pr0.395Nd0.395Zr0.01)0.83Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.1になった水素吸蔵合金のインゴットを作製した。
実施例1,2及び比較例1においては、負極を作製するにあたり、希土類元素のLa,Pr,Nd及びZrと、Mgと、Niと、Alと、Coとを用い、これらを所定の合金組成になるように混合した後、これをアルゴン雰囲気中において溶融させ、これを冷却させて、組成が(La0.2Pr0.395Nd0.395Zr0.01)0.83Mg0.17Ni3.03Al0.17Co0.1になった水素吸蔵合金のインゴットを作製した。
そして、この水素吸蔵合金のインゴットを熱処理して均質化させた後、この水素吸蔵合金のインゴットを不活性雰囲気中において機械的に粉砕し、これを分級して、体積平均粒径が65μmになった上記の水素吸蔵合金の粉末を得た。
ここで、このように作製した水素吸蔵合金の粉末について、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定装置(RIGAKU RINT2000システム)を用い、スキャンスピード2°/min,スキャンステップ0.02°,走査範囲20°〜80°の範囲でX線回折測定を行い、2θ=31°〜33°の範囲である32.8°に現れる最強ピーク強度(IA)と、2θ=40°〜44°の範囲である42.2°に現れる最強ピーク強度(IB)とを測定し、これらの強度比(IA/IB)を求めた結果、強度比IA/IBは0.51であり、CaCu5型とは異なるCe2Ni7型を主相とする結晶構造を有していた。
そして、上記の水素吸蔵合金の粉末100重量部に対して、結着剤として、ポリビニルピロリドンを0.5重量部、ポリエチレンオキシドを0.5重量部加えると共に水を20重量部添加し、これらを混練してペーストを調製した。
そして、このペーストをパンチングメタルからなる導電性芯体の両面に均一に塗布し、これを乾燥させてプレスした後、所定の寸法に切断して、水素吸蔵合金電極からなる負極を作製した。
一方、正極を作製するにあたっては、亜鉛を2.5重量%,コバルトを1.0重量%含有する水酸化ニッケル粉末を硫酸コバルト水溶液中に投入し、これを攪拌しながら1モルの水酸化ナトリウム水溶液を徐々に滴下し、pHを11にして反応させ、その後、沈殿物を濾過し、これを水洗し、真空乾燥させて、表面に水酸化コバルトが5重量%被覆された水酸化ニッケルを得た。
そして、このように水酸化コバルトが被覆された水酸化ニッケルに、25重量%の水酸化ナトリウム水溶液を1:10の重量比になるように加えて含浸させ、これを8時間攪拌しながら85℃で加熱処理した後、これを水洗し、乾燥させて、上記の水酸化ニッケルの表面がナトリウム含有コバルト酸化物で被覆された正極材料を得た。なお、上記のコバルト酸化物におけるコバルトの価数は3.05であった。
そして、この正極材料を95重量部、酸化亜鉛を3重量部、水酸化コバルトを2重量部の割合で混合させたものに、0.2重量%のヒドロキシプロピルセルロース水溶液を50重量部加え、これらを混合させてスラリーを調製し、このスラリーを、目付けが約600g/m2、多孔度が95%、厚みが約2mmになったニッケル発泡体に充填し、これを乾燥させてプレスした後、所定の寸法に切断して非焼結式ニッケル極からなる正極を作製した。
また、セパレータとしてはポリプロピレン製の不織布を使用し、アルカリ電解液としては、KOHとNaOHとLiOHとが15:2:1の重量比で含まれる比重が1.30のアルカリ電解液を使用した。
そして、アルカリ蓄電池を作製するにあたっては、図1に示すように、上記の正極1と負極2との間に上記のセパレータ3を介在させ、これらをスパイラル状に巻いて電池缶4内に収容させると共に、この電池缶4内に上記のアルカリ電解液を2.4g注液した後、電池缶4と正極蓋6との間に絶縁パッキン8を介して封口し、正極1を正極リード5を介して正極蓋6に接続させると共に、負極2を負極リード7を介して電池缶4に接続させ、上記の絶縁パッキン8により電池缶4と正極蓋6とを電気的に分離させた。また、上記の正極蓋6と正極外部端子9との間にコイルスプリング10を設け、電池の内圧が異常に上昇した場合には、このコイルスプリング10が圧縮されて電池内部のガスが大気中に放出されるようにした。
ここで、上記のようにして作製したアルカリ蓄電池を、25℃と45℃との温度条件においてそれぞれ放置し、このアルカリ蓄電池における電池電圧の変化を調べ、25℃の温度条件において放置した場合における電池電圧の変化を図2に細線で、45℃の温度条件において放置した場合における電池電圧の変化を図2に太線で示した。この結果、上記のアルカリ蓄電池を25℃で放置した場合の最大電圧は0.778V、45℃で放置した場合の最大電圧は0.788Vになっていた。
そして、実施例1においては、上記のようにして作製したアルカリ蓄電池を25℃の温度条件において48時間放置した。なお、このように25℃の温度条件において48時間放置した時点の電池電圧は0.760Vであり、25℃で放置した場合の最大電圧0.778Vとの差(ΔV)は18mVになっていた。
また、実施例2においては、上記のようにして作製したアルカリ蓄電池を45℃の温度条件において48時間放置した。なお、このように45℃の温度条件において48時間放置した時点の電池電圧は、45℃で放置した場合の最大電圧と同じ0.788Vになっており、最大電圧との差(ΔV)は0mVであった。
また、比較例1においては、上記のようにして作製したアルカリ蓄電池を25℃の温度条件において8時間放置した。なお、このように25℃の温度条件において8時間放置した時点の電池電圧は0.752Vであり、25℃で放置した場合の最大電圧0.778Vとの差(ΔV)は26mVになっていた。
そして、上記のように放置した各アルカリ蓄電池を、それぞれ150mAの電流で16時間充電させて1時間放置させた後、300mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて1時間放置させ、これを1サイクルとして、3サイクルの充放電を行って各アルカリ蓄電池を活性化させ、実施例1,2及び比較例1の各アルカリ蓄電池を得た。
ここで、このように活性化された実施例1,2及び比較例1の各アルカリ蓄電池からそれぞれ負極における水素吸蔵合金を取り出し、これを洗浄し、乾燥させた後、走査型オージェ電子分光装置(PHI社製:670Xi型)を用いて、アルゴンイオン銃によりSiO2換算によるエッチング速度を80Å/minにしてエッチングを行い、表面からの各距離における各水素吸蔵合金中の酸素濃度(重量%)を測定し、その結果を下記の表1に示した。
また、上記のように取り出した各水素吸蔵合金に対して、それぞれ上記の走査型オージェ電子分光装置を用い、各水素吸蔵合金の表面のランタン濃度L1(重量%)と、各水素吸蔵合金の表面から50nmまでの範囲における最小ランタン濃度L2(重量%)とを測定すると共に、L1/L2の値を算出し、その結果を下記の表2に示した。
この結果、実施例1,2のものにおいては、水素吸蔵合金の表面のランタン濃度L1と、表面から50nmまでの範囲における最小ランタン濃度L2とが、L1/L2≧1.9の条件を満たしていたが、比較例1のものにおいては、L1/L2の値が低くなっていた。
さらに、上記のように取り出した各水素吸蔵合金に対して、それぞれ上記の走査型オージェ電子分光装置を用い、各水素吸蔵合金の表面から30nmの範囲における水素吸蔵合金中のマグネシウム濃度M1(重量%)と、酸素濃度が10重量%未満になった400nmより深い内部側における水素吸蔵合金中のマグネシウム濃度M2(重量%)とを測定すると共に、M1/M2の値を算出し、その結果を下記の表3に示した。
この結果、実施例1,2のものにおいては、水素吸蔵合金の表面から30nmの範囲における水素吸蔵合金中のマグネシウム濃度M1が、酸素濃度が10重量%未満になった400nmより深い内部側における水素吸蔵合金中のマグネシウム濃度M2よりも大きく低下しており、M1/M2の値が0.18以下になっていた。これに対して、比較例1のものにおいては、水素吸蔵合金の表面から30nmの範囲における水素吸蔵合金中のマグネシウム濃度M1よりも、酸素濃度が10重量%未満になった400nmより深い内部側における水素吸蔵合金中のマグネシウム濃度M2が低下しており、M1/M2の値が1.45となっていた。これは、アルカリ蓄電池を活性化させる充放電によって、水素吸蔵合金の内部におけるマグネシウムが溶出したものと考えられる。
次いで、このように活性化させた実施例1,2及び比較例1の各アルカリ蓄電池を、それぞれ1500mAの電流で電池電圧が最大値に達した後、10mV低下するまで充電させて1時間放置した後、1500mAの電流で電池電圧が1.0Vになるまで放電させて1時間放置し、この時の放電容量を初期容量として下記の表2に示すと共に、これを1サイクルとして充放電を繰り返して行い、放電容量が初期容量の60%に低下するまでのサイクル数を求め、これを寿命サイクル数として下記の表3に示した。
この結果から明らかなように、上記のように活性化された後において、水素吸蔵合金の表面から30nmの範囲における水素吸蔵合金中のマグネシウム濃度M1が、酸素濃度が10重量%未満になった400nmより深い内部側における水素吸蔵合金中のマグネシウム濃度M2よりも大きく低下し、M1/M2の値が0.18以下になった水素吸蔵合金を負極に用いた実施例1,2の各アルカリ蓄電池は、上記のM1/M2の値が大きい水素吸蔵合金を負極に用いた比較例1のアルカリ蓄電池に比べて、寿命サイクル数が大きく向上していた。
また、上記の実施例2及び比較例1の各アルカリ蓄電池について、上記のようにして150サイクルの充放電を行った後、それぞれ負極における水素吸蔵合金を取り出し、上記のように走査型オージェ電子分光装置を用いて、アルゴンイオン銃によりSiO2換算によるエッチング速度を80Å/minにしてエッチングを行い、各水素吸蔵合金の表面からの各距離における酸素濃度(重量%)を測定し、その結果を下記の表4に示した。
この結果、比較例1のアルカリ蓄電池においては、水素吸蔵合金の表面からの距離が200nm以上になった水素吸蔵合金内部の酸素濃度が、実施例2のアルカリ蓄電池のものに比べて大きく上昇しており、比較例1のアルカリ蓄電池においては、実施例2のアルカリ蓄電池に比べて、充放電により水素吸蔵合金の内部まで酸化が進んでいることが分かった。
1 正極
2 負極
3 セパレータ
4 電池缶
5 正極リード
6 正極蓋
7 負極リード
8 絶縁パッキン
9 正極外部端子
10 コイルスプリング
2 負極
3 セパレータ
4 電池缶
5 正極リード
6 正極蓋
7 負極リード
8 絶縁パッキン
9 正極外部端子
10 コイルスプリング
Claims (8)
- 少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31°〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金粉末において、その表面から30nmの範囲におけるマグネシウム濃度をM1、酸素濃度が10重量%未満になった水素吸蔵合金内部におけるマグネシウム濃度をM2とした場合に、M1/M2の値が0.18以下であることを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
- 請求項1に記載したアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金において、希土類元素にランタンを含み、表面のランタン濃度L1と、表面から50nmまでの範囲における最小ランタン濃度L2とが、L1/L2≧1.9の条件を満たすことを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
- 請求項1又は請求項2に記載したアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金において、その主相の結晶構造がCe2Ni7構造であることを特徴とするアルカリ蓄電池用水素吸蔵合金。
- 水酸化ニッケルを用いた正極と、水素吸蔵合金粉末を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池において、上記の負極に、少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31°〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金粉末を用い、このアルカリ蓄電池が活性化された状態で、上記の水素吸蔵合金粉末の表面から30nmの範囲におけるマグネシウム濃度M1と、酸素濃度が10重量%未満になった水素吸蔵合金内部におけるマグネシウム濃度M2とが、M1/M2≦0.18の条件を満たすことを特徴とするアルカリ蓄電池。
- 請求項4に記載したアルカリ蓄電池において、上記の水素吸蔵合金における主相の結晶構造がCe2Ni7構造であることを特徴とするアルカリ蓄電池。
- 請求項4又は請求項5に記載したアルカリ蓄電池において、上記の正極に、コバルトの価数が2価を超える高次コバルト酸化物によって表面が被覆された水酸化ニッケルを用いたことを特徴とするアルカリ蓄電池。
- 水酸化ニッケルを用いた正極と、水素吸蔵合金粉末を用いた負極と、アルカリ電解液とを備えたアルカリ蓄電池を製造するにあたり、上記の負極に、少なくとも希土類元素とマグネシウムとニッケルとアルミニウムとを含み、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31°〜33°の範囲に現れる最強ピーク強度IAと、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最強ピーク強度IBとの強度比IA/IBが0.1以上である水素吸蔵合金粉末を用い、このアルカリ蓄電池を最初に充電させる前に放置した場合の最大電圧から−18mVの範囲内になるまで放置した後、充放電を行ってアルカリ蓄電池を活性化させることを特徴とするアルカリ蓄電池の製造方法。
- 請求項7に記載したアルカリ蓄電池の製造方法において、上記のアルカリ蓄電池を最初に充電させる前に放置した場合の最大電圧から−18mVの範囲内になるまで放置させるにあたり、25℃〜80℃の温度範囲内で放置させることを特徴とするアルカリ蓄電池の製造方法。
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